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【発明の名称】 管材切断装置
【発明者】 【氏名】小林 幸雄

【要約】 【課題】軽量で小型な管材切断装置を提供する。

【構成】装置本体上部に設けられた、被加工物を受けて回転させる駆動ローラ部材と、本体に立設された支柱7と、支柱7に昇降可能に取り付けられたスライド部材8と、スライド部材8に回転可能に取り付けられた略円盤形状のカッタホイール11を有し、被加工物を前記駆動ローラ部材とカッタホイール11で挟んで被加工物を外周面から切断する管材切断装置において、支柱7にラック7aを設け、スライド部材8の上部の第1支点41にリンク部材15を回動自在に軸支し、リンク部材15のラック7a側先端の第2支点42に、ラック7aと係合し、第2支点42をピッチ円の中心とするピニオンギア16bが形成されたハンドル16を軸支する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体上部に設けられた、被加工物を受けて回転させる駆動ローラ部材と、本体に立設された支柱と、この支柱に昇降可能に取り付けられたスライド部材と、前記スライド部材に回転可能に取り付けられた略円盤形状のカッタホイールを有し、被加工物を前記駆動ローラ部材と前記カッタホイールで挟んで被加工物を外周面から切断する管材切断装置において、前記支柱にラックを設け、前記スライド部材の上部の第1支点にリンク部材を回動自在に軸支し、前記リンク部材の前記ラック側先端の第2支点に、前記ラックと係合し、第2支点をピッチ円の中心とするピニオンギアが形成されたハンドルを軸支し、所定のハンドル位置からハンドルを押し下げると、前記ラックと前記ピニオンギアが係合し、前記スライド部材が下降するが、所定のハンドル位置からハンドルを押し上げると、前記ラックと前記ピニオンギアの係合が外れ、スライド部材が昇降自在になることを特徴とする管材切断装置。
【請求項2】
ハンドルにリンク部材と当接する突起を設け、ハンドルを押し上げ、前記突起がリンク部材と当接すると、ハンドルが第1支点を中心に回動して、ラックとギアの係合が外れ、スライド部材が昇降自在となることを特徴とする請求項1に記載の管材切断装置。
【請求項3】
スライド部材は、上方に付勢されていることを特徴とする請求項2に記載の管材切断装置。
【請求項4】
スライド部材に、その先端が下方に付勢されるアームを回動自在に軸支し、このアームの先端に切断補助用押さえローラを回転可能に軸支したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の管材切断装置。
【請求項5】
駆動ローラと連動して回転駆動される、円錐面に少なくとも1つの刃が設けられた略円錐形状のリーマを、このリーマの先端が装置本体から突出しないように、装置本体の内部に配設したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の管材切断装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、管材を切断する管材切断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、金属管を切断する装置として、特許文献1に示されるような管材切断装置が提案されている。この管材切断装置は、図8に示されるように、装置本体51の上面に設けられた2つの駆動ローラ部材52で、管材53を回転させて、略円盤形状のカッタホイール54を押し下げ、管材53をカッタホイール54と駆動ローラ部材52で挟んで、管材53を切断する装置であるが、外径の異なる管材53にも対応するために、カッタホイール54を押し下げる、押下機構55が昇降可能となっている。
【0003】
この押下機構55は、図9に示されるように、支柱56内に装着されてスライド部材57を上方に付勢するスライドばね58と、スライド部材57に取り付けられてスライド部材57の上昇をロックするラチェット部材59と、カッタホイール54を管材53位置まで押し下げるレバーハンドル61から構成されている。ラチェット部材59は支柱56の前面側に形成されたラチェット溝62とスライド部材57に枢着されるラチェット爪59aとからなり、ラチェット爪59aはラチェット爪59aを時計回り方向に付勢するばね64によりラチェット溝62に圧着係止されているが、ラチェット爪59a形状はスライド部材57に押し下げる力が加わった際にはラチェット爪59aはラチェット溝62から外れて下降を許すが、スライドばね58によりスライド部材57に上昇力が加えられた状態ではラチェット爪59aはラチェット溝62に食い込んで上昇は許さないようになっている。
【0004】
レバーハンドル61を押し上げる方向に持ち上げると、レバーハンドル61の基端に設けられた突起61aが、ラチェット部材59に設けられた解除突起59bを押圧し、ラチェット部材59が回動して、ラチェット爪59aとラチェット溝62の食い込みが外れてスライド部材57が昇降自在となり、カッタホイール11を管材の外径に合わせることが可能となる。
【0005】
レバーハンドル61を押し下げる方向に回動させると、レバーハンドル61の基端に設けられたカム61bが、スライド部材57に軸支点67に軸支されている遊動アーム66を押圧し、遊動アーム66が軸支点67を中心に回動し、カッタホイール54が下降する構造となっている。
【0006】
しかしながら、この押下機構55は多数の部品から構成されることから、コスト高になり、また装置重量が重くなってしまうという問題があった。
【0007】
この管材切断装置には、カッタホイール54と同軸に切断補助用押さえローラ65が軸支されている。この切断補助用押えローラ65は、カッタホイール54が、管材53である被加工物の肉厚を越えて切り込まれて被加工物に対する回転駆動力が失われた際、駆動ローラ部材52に被加工物を押し付けて回転力を被加工物に与えるものである。カッタホイール54と切断補助用押えローラ65との外径差は被加工物の略肉厚分であればよく、最大加工径と最小加工径では肉厚は異なるがその差は弾性を有する切断補助用押えローラ65により吸収するものである。しかしながら、被加工物の異なる肉厚を切断補助用押さえローラ65の弾性で吸収していたので吸収幅が狭く、厚肉の管材を切断することができず、異なる肉厚の管材に十分に対応することができないという問題があった。
【0008】
一方で、この管材切断装置の側部には、図8に示されるように、管材の切断断面のバリを取り、仕上げを良好とするために、駆動ローラ52と連動して回転駆動するリーマ70か設けられているが、このリーマ70は、管材切断装置から突出しているので、全幅が大きくなってしまうという問題があった。また、このリーマ70は錐形状であり、切断された管材を手で持って、回転するリーマ70に管材の切断面を斜めに当てて、管材の切断面を順次当ててバリを取るので、バリ取り作業が煩雑となるという問題があった。
【特許文献1】特開2004−9275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記した従来の問題点を解決し、部品点数を削減し、コスト高にならず、軽量・小型で、異なる肉厚の管材に十分に対応することができ、バリ取り作業が簡易な管材切断装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するためになされた本発明は、 装置本体上部に設けられた、被加工物を受けて回転させる駆動ローラ部材と、本体に立設された支柱と、この支柱に昇降可能に取り付けられたスライド部材と、前記スライド部材に回転可能に取り付けられた略円盤形状のカッタホイールを有し、被加工物を前記駆動ローラ部材と前記カッタホイールで挟んで被加工物を外周面から切断する管材切断装置において、前記支柱にラックを設け、前記スライド部材の上部の第1支点にリンク部材を回動自在に軸支し、前記リンク部材の前記ラック側先端の第2支点に、前記ラックと係合し、第2支点をピッチ円の中心とするピニオンギアが形成されたハンドルを軸支し、所定のハンドル位置からハンドルを押し下げると、前記ラックと前記ピニオンギアが係合し、前記スライド部材が下降するが、所定のハンドル位置からハンドルを押し上げると、前記ラックと前記ピニオンギアの係合が外れ、スライド部材が昇降自在になることを特徴とするものである。
【0011】
なお、ハンドルにリンク部材と当接する突起を設け、ハンドルを押し上げ、前記突起がリンク部材と当接すると、ハンドルが第1支点を中心に回動して、ラックとギアの係合が外れ、スライド部材が昇降自在となることが好ましい。
【0012】
また、スライド部材は、上方に付勢されていることが好ましい。
【0013】
また、スライド部材に、その先端が下方に付勢されるアームを回動自在に軸支し、このアームの先端に切断補助用押さえローラを回転可能に軸支することが好ましい。
【0014】
駆動ローラと連動して回転駆動される、円錐面に少なくとも1つの刃が設けられた略円錐形状のリーマを、このリーマの先端が装置本体から突出しないように、装置本体の内部に配設することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
支柱にラックを設け、スライド部材の上部の第1支点にリンク部材を回動自在に軸支し、リンク部材の前記ラック側先端の第2支点に、前記ラックと係合し、第2支点をピッチ円の中心とするピニオンギアが形成されたハンドルを軸支したので、従来に比べ部品点数の削減が可能となり、コスト削減に寄与しつつ、装置の軽量化も可能となる。
【0016】
ハンドルにリンク部材と当接する突起を設けると、ハンドルを押し上げ、前記突起がリンク部材と当接すると、ハンドルが第1支点を中心に回動して、ラックとギアの係合が外れ、スライド部材が昇降自在となるので、管材の外径に合わせて、スライド部材を昇降させることが可能となり、異なる外径の管材を切断することが可能となる。また、従来に比べ部品点数の削減が可能となり、コスト削減に寄与しつつ、装置の軽量化も可能となる。
【0017】
スライド部材を、上方に付勢するように構成すると、ハンドル押し上げる向きに回動させる一動作で、瞬時に復帰状態になるので、作業毎にサイズ(外径)の異なる被加工物であっても、切断後は瞬時に復帰状態にすることができ、この状態からスライド部材を押し下げるように、ハンドルを操作するだけで、管材を切断することができ、連続した管材の切断下降に要する時間を短縮することができ、生産性を向上させることが可能となる。
【0018】
スライド部材に、その先端が下方に付勢されるアームを回動自在に第3支点で軸支し、このアームの先端に切断補助用押さえローラを回転可能に軸支すると、異なる肉厚の被切断材を切断することが可能となる。
【0019】
リーマを駆動ローラと連動して回転駆動するように構成すると、リーマを回転駆動するための電動モータを設ける必要がなく、軽量で小型な管材切断装置を提供することが可能となる。また、リーマの先端が装置本体から突出しないように、装置本体の内部に配設すると、装置本体の外郭がリーマの回転を保護する安全カバーの役割を果たし、安全である。また、リーマが装置本体から突出していないので足等でリーマの先端を引っかけることがない、安全な管材切断装置を提供することが可能となり、また、軽量で小型な管材切断装置を提供することが可能となる。また、リーマを、円錐面に少なくとも1つの刃が設けられた略円錐形状のリーマとすると、管材を切断後に、管材をリーマにリーマの回転軸方向に向かって当てるだけでバリ取り作業が完了し、従来と比べて簡単且つ確実にバリを取ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図1は本発明の実施の形態を示す管材切断装置の側面図であり、図2は本発明の実施の形態を示す管材切断装置の正面図であり、図3は図1の反対側から見た管材切断装置の側面図であり、図4は図1のA−A断面の断面図であり、ギアの構成を示している。図1において、1は箱形形状をした装置本体である。この装置本体1の上部は開口していて、駆動ローラ2と従動ローラ3が同じ高さに並設して、装置本体1の上部に回転可能に軸支されている。駆動ローラ2と従動ローラ3は、同一もしくはほぼ同じ外径の金属円筒である。駆動ローラ2と従動ローラ3は、互いに近設していて、駆動ローラ2と従動ローラ3の間の凹部で、管材である被加工物を受けるようにしている。これらの駆動ローラ2と従動ローラ3の表面には、後述するカッタホイール11が介入することができる凹溝2a、3aが形成されている。
【0021】
駆動ローラ2は、図4に示されるように、複数のギアを介して、電動モータ5で回転駆動される。複数のギアは、電動モータ5を減速する第1のギア21と、この第1のギア21と噛合して減速する第2のギア22、この第2のギア22と噛合して減速する第3のギア23と、この第3のギア23と噛合し増速する、駆動ローラ2と同軸に設けられた第4のギア24から構成されている。
【0022】
一方で、従動ローラ3は、電動モータ5で回転駆動されずに、装置本体1に回転可能に軸支されている。
【0023】
装置本体1には、電動モータ5に電源を投入・遮断するトグルスイッチ6が取り付けられている。
【0024】
装置本体1の駆動ローラ2の後方には、円柱形状の支柱7が立設されている。この支柱7の駆動ローラ2側の外表面には、ラック7aが形成されている。支柱7には、この支柱7を抱擁する抱擁部8aと、この抱擁部8aから駆動ローラ2側に水平に突設されたアーム部8bから構成されるスライド部材8が昇降可能に取り付けられている。このアーム部8bの先端部分は、管材切断装置の幅方向に2股になっている。
【0025】
図5に示されるように、支柱7の上部には、長手方向を高さ方向とする長穴7bが設けられ、この長穴7b及びスライド部材8を貫通する支軸19が、長穴7b内をスライド可能に取り付けられている。支柱7の内部には、コイルスプリング10が設けられ、このコイルスプリング10は圧縮された状態で、その下端が支柱7を貫通する軸7cと当接し、その上端がスライド部材8を貫通する支軸19と当接し、スライド部材8を上方に弾発付勢している。
【0026】
図6に図1のB−B断面図を示す。図5及び図6に示されるように、スライド部材8のアーム部8bの2股部分の間に、カッタホイール11が回転可能に軸支されている。このカッタホイール11の外縁は、図6に示されるように、鋭角な刃状になっている。カッタホイール11の中心軸線と各種径の異なる被加工物の中心軸線とは常に垂直面上にあるように構成されている。このように構成することにより、カッタホイール11の被加工物への押し付け力は的確に、駆動ローラ2及び従動ローラ3から構成される駆動ローラ部材へ伝達され、被加工物がスリップしたり、駆動ローラ部材から脱落したりすることがないようにしている。
【0027】
スライド部材8のアーム部8bの両側には、その先端を下側にむけた略L字形状のアーム12が、回動可能に、アーム部8bの先端と基端の間の第3支点43で軸支されている。アーム12の先端は、第3支点43に取り付けられたトーションスプリング13で、常に下側に付勢されている。アーム12の先端は、管材切断装置の幅方向に2股になっていて、そのアーム12の先端には、ウレタンや合成ゴム等の柔軟な材料で成形された、略円柱形状の切断補助用押さえローラ14が、回転可能に軸支されている。
【0028】
カッタホイール11と切断補助用押さえローラ14は、図1に示されるように、管材切断装置の前後方向に関しては、ほぼ同軸にしてあるが、図2に示されるように、上下方向に関しては、切断補助用押さえローラ14の回転軸方が、カッタホイール11の回転軸より僅かに下側にしてあり、切断補助用押さえローラ14の下端の方が、カッタホイール11の下端より僅かに、下側になるよう構成している。
【0029】
図1に示されるように、スライド部材8の上部の第1支点41には、断面形状が略コの字形状のリンク部材15が、その開口部をカッタホイール11側に向けて、スライド部材8を抱擁するように、前述した支軸19によって回動自在に軸支されている。
【0030】
リンク部材15のラック7a側先端の第2支点42には、パイプ形状のハンドル16が回動可能に軸支されている。このハンドル16の先端には、合成樹脂等の柔軟な材料で成型された、グリップ16aが取り付けられている。ハンドル16の軸支部には、第2支点42をピッチ円の中心とするピニオンギア16bが設けられている。このピニオンギア16bは、支柱7に設けられたラック7aと係合する。
【0031】
ハンドル16の、第2支点42よりもややハンドル16の先端側の両側には、突起16cが管材切断装置の幅方向に突設されている。この突起16cは、ハンドル16を押し上げて回動させると、リンク部材15の突起受15aと当接するように構成されている。
【0032】
このように構成したので、突起16cがリンク部材15の突起受15aと当接する所定のハンドル位置からハンドル16を押し上げると、ラック7aとピニオンギア16bの係合が外れ、スライド部材が昇降自在になる。一方で、所定のハンドル位置からハンドル16を押し下げると、ラック7aとピニオンギア16bが係合し、スライド部材8が下降する。
【0033】
次に、本発明の管材切断装置の作用について説明する。駆動ローラ2と従動ローラ3から構成される駆動ローラ部材上に、管材である被加工物を載せる。ハンドル16を押し上げて回動させると、ハンドル16に突設された突起16cが、リンク部材15の突起受15aと当接する。ハンドル16は、突起16cと突起受15aが当接する所定のハンドル位置までは、第2支点42を中心に回動するが、突起16cと突起受15aが当接した後に(所定のハンドル位置)、さらにハンドル16を押し上げると、ハンドル16の第2支点42を中心とする回動が抑止され、ハンドル16は第1支点41を中心に回動する。ハンドル16が、第1支点41を中心に回動すると、ハンドル16に設けられたピニオンギア16bと支軸7に設けられたラック7aとの係合が外れ、(図7の状態)スライド部材8が昇降自在となる。
【0034】
被加工物の外径に合わせて、切断補助用押さえローラ14の先端が被加工物に接触するまでスライド部材8を下降させる。この状態でハンドル16を押し下げて回動させると、ピニオンギア16bとラック7aが係合する。さらにハンドル16を押し下げて回動させると、ピニオンギア16bが回動し、順次ラック7aと噛み合うので、スライド部材8が下降し、被加工物が駆動ローラ部材と切断補助用押さえローラ14で挟まれた状態となる。
【0035】
この状態で、トグルスイッチ6を操作して、電源を投入して、駆動ローラ2を回転させる。
【0036】
さらにハンドル16を押し下げて回動させると、スライド部材8が下降し、スライド部材8に軸支されているカッタホイール11も下降する。一方で、切断補助用押さえローラ14は、被加工物と当接しているので、下降することはできず、切断補助用押さえローラ14及アーム12は、第3支点43を中心にスライド部材8に対して上方に回動する。すると、カッタホイール11の下端が、切断補助用押さえローラ14の下端より相対的に突出して、カッタホイール11が被加工物に接触する。
【0037】
更にハンドル16を押し下げると、カッタホイール11は被加工物を強く押圧し、被加工物とローラ部材との摩擦力が高まり、被加工物に強い回転力が加えられ、被加工物はスリップすることなく確実に回転される。
【0038】
カッタホイール11の被加工物への切り込みに応じてハンドル16を押し下げて切り込みを行ってゆき、カッタホイール11が被加工物の肉厚を超える切り込みが行われると、カッタホイール11と駆動ローラ部材により被加工物への回転力の伝達が行われなくなる。しかし、切断補助用押えローラ14は被加工物を押圧するので、被加工物には強い回転力が加えられることとなる。これによりカッタホイール11は肉厚を越えて被加工物の切断を続行されることとなり、切断補助用押えローラ14に押圧されて被加工物が略一回転すると被加工物は切り落とされることとなる。
【0039】
このように、ハンドル16を押し下げると、切断補助用押さえローラ14が第3支点43を中心にスライド部材8に対して上方に回動して、カッタホイール11の被加工物への切り込みに応じて、切断補助用押さえローラ14が追従して、被加工物を押さえるので、厚肉の被加工物も切断することが可能となり、異なる肉厚の被加工物にも十分対応することが可能となる。
【0040】
管材の切断作業が終了して、ハンドル16を押し上げる向きに回動させると、前述したように、ピニオンギア16bとラック7aの係合が外れ、スライド部材8は上方に付勢されているので、図5に示されるように、支軸19が長穴7bの上端と当接する位置までスライド部材8は自動的に上方に持ち上がり、瞬時に復帰状態になる。このように、ハンドル16を押し上げる向きに回動させる一動作で、瞬時に復帰状態になるので、作業毎にサイズ(外径)の異なる管材を切断する場合であっても、切断後は瞬時に復帰状態にすることができ、この状態からスライド部材8を押し下げるように、ハンドル16を操作するだけで、管材を切断することができ、連続した管材の切断下降に要する時間を大幅に短縮することができ、生産性を向上させることが可能となる。
【0041】
次に、バリ取り用のリーマについて説明する。切断後の管材の切断面にはバリが発生する。そのため、図3や図4に示されるように、装置本体1の側面にはリーマ17が設けられている。このリーマ17は、円錐面に少なくとも1つの刃が設けられた略円錐形状のリーマであり、実施形態では、1つの刃17aが設けられている。このリーマ17を包容するように、底部を有する円筒形状の切粉カバー17bが配設され、切粉の飛散を防止している。図4に示されるように、リーマ17は、第3のギア23と同軸に設けられた軸23aにチャックされて、駆動ローラ2と連動して回転駆動される。このように、駆動ローラ2を駆動する第3のギア23にリーマ17をチャックしたので、リーマ17を駆動するための電動モータを設ける必要がない。なお、第3のギア23は第4のギア24よりギア比が大きいので、リーマ17の回転速度はギア2の回転速度より遅い。
【0042】
図4に示すように、リーマ17は、リーマ17の先端が装置本体1から突出しないように、装置本体1の内部に配設されている。このように、リーマ17の先端が装置本体1から突出しないように構成したので、装置本体1の外郭がリーマの回転を保護する安全カバーの役割を果たし、安全である。また、装置本体1からリーマ17が突出していないので、足等でリーマ17を引っかけることがなく、安全である。また、全幅が大きくなることがない。
【0043】
管材を切断後は、管材の切断面をリーマ17に、リーマ17の回転軸方向に向かって当てるだけで、管材の切断面のバリ取り作業が完了する。
【0044】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う管材切断工具もまた技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態を示す管材切断装置の側面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す管材切断装置の正面図である。
【図3】図1の反対側からみた管材切断装置の側面図である。
【図4】ギアの構成図である。
【図5】ハンドル部の断面図である。
【図6】図1のA−A断面図である。
【図7】管材切断装置の使用状態図である。
【図8】従来の管材切断装置の正面図である。
【図9】従来の管材切断装置の加圧機構部の詳細図である。
【符号の説明】
【0046】
1 装置本体
2 駆動ローラ
2a 凹溝
3 従動ローラ
3a 凹溝
5 電動モータ
6 トグルスイッチ
7 支柱
7a ラック
7b 長穴
7c 軸
8 スライド部材
8a 抱擁部
8b アーム部
9 第1支軸
10 コイルスプリング
11 カッタホイール
12 アーム
13 トーションスプリング
14 切断補助用押さえローラ
15 リンク部材
15a 突起受
16 ハンドル
16a グリップ
16b ピニオンギア
16c 突起
17 リーマ
17a 刃
17b 切粉カバー
19 支軸
21 第1のギア
22 第2のギア
23 第3のギア
23a 軸
24 第4のギア
41 第1支点
42 第2支点
43 第3支点
51 装置本体
52 駆動ローラ部材
53 管材
54 カッタホイール
55 押下機構
56 支柱
57 スライド部材
58 スライドばね
59 ラチェット部材
59a ラチェット爪
59b 解除突起
61 レバーハンドル
62 ラチェット溝
63 ラチェット爪
64 ばね
65 切断補助用押さえローラ
66 遊動アーム
70 リーマ
【出願人】 【識別番号】000146135
【氏名又は名称】株式会社松阪鉄工所
【出願日】 平成18年9月5日(2006.9.5)
【代理人】 【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄

【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫


【公開番号】 特開2008−62313(P2008−62313A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−240288(P2006−240288)