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【発明の名称】 切断装置
【発明者】 【氏名】村田 二郎

【氏名】辻井 稔大

【氏名】大見 勝平

【氏名】稲垣 一芳

【要約】 【課題】

【構成】磁力発生部4を設けた固定部1と、回転円形刃18を回転させる電動モ−タを設けた操作部7とを備えている。磁力発生部4の磁力吸着面4aを含む支持面に対する内側で固定部1と操作部7とを支持面に沿って互いに並べるとともに、固定部1に対し操作部7を支持面に沿って回動可能に支持し、回転円形刃18を支持面よりも内側に配設している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁力吸着面を有する磁力発生部を設けた固定部と、回転円形刃を回転させる回転駆動部を設けた操作部とを備え、その磁力吸着面を含む支持面を挟む内外両側のうちその支持面に対する内側でこの固定部と操作部とを支持面に沿って互いに並べるとともに、この固定部に対し操作部をその支持面に沿って回動可能に支持し、その回転円形刃をその支持面よりも内側またはその支持面上に配設したことを特徴とする切断装置。
【請求項2】
前記回転円形刃の回転中心線は、前記磁力吸着面を含む支持面に対し直交していることを特徴とする請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記操作部は前記磁力吸着面を含む支持面上またはその支持面よりも内側に当接面を有する保護ケースを備え、前記回転円形刃はその保護ケース内に収容されてその保護ケースから操作部の回動方向へ突出した状態でその保護ケースに対し回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切断装置。
【請求項4】
前記保護ケースにおいて当接面を有する壁部に切欠凹部を形成し、前記回転円形刃は、この切欠凹部に対し回転中心線の方向で面し、この切欠凹部に入り込むとともにこの切欠凹部から操作部の回動方向へ突出する状態を取り得ることを特徴とする請求項3に記載の切断装置。
【請求項5】
前記保護ケースは前記回転円形刃に対しその回転中心線の方向で並んだ状態で操作部の回動中心線と回転円形刃の回転中心線との間で回動可能に支持した保護カバーを備え、この保護カバーは、回転円形刃の外周刃よりも外側に突出するように弾性体により付勢された突出状態と、回転円形刃の外周刃よりも内側に弾性体の付勢力に抗して入り込む退避状態とを取ることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の切断装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、建築鋼材等を吊り下げるために建築鋼材等に溶接された吊りピースなどを建築鋼材等の取り付け後に建築鋼材等から切断する場合に利用される切断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1にかかる切断装置においては、当接面を有する保護ケースが回転駆動部に取着され、その回転駆動部に取り付けられた回転円形刃がこの保護ケース内に収容されてその保護ケースから突出した状態でその保護ケースに対し回転可能に支持され、保護カバーがこの回転円形刃に対しその回転中心線の方向で並んだ状態でこの保護ケースに対し平行移動可能に支持されている。この保護カバーは、回転円形刃の外周刃よりも外側に突出するように弾性体により付勢された突出状態と、回転円形刃の外周刃よりも内側に弾性体の付勢力に抗して入り込む退避状態とを取る。例えば、建築鋼材等の壁面に溶接された吊りピースをこの切断装置により切断する場合に、切断装置の全体を把持柄で支えながら、保護ケースの当接面を壁面に当てがった状態で保護ケースを壁面に沿って回転駆動部とともに移動させると、保護カバーが突出状態から吊りピースに当って退避状態となり、回転円形刃が保護カバーの外側へ突出して吊りピースを切断する。
【特許文献1】意匠登録第1223746号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記特許文献1にかかる切断装置の全体を把持柄で支えながら壁面に沿って移動させるため、吊りピースに対する回転円形刃の切断抵抗などが原因して切断装置が壁面に沿って振れるおそれがあり、切断動作が不安定になるとともに、特に壁面が垂直な場合には把持柄を持った作業者の腕のみにより切断装置の全体を支える必要があった。従って、切断作業が行いにくくなる問題があった。
【0004】
この発明は、吊りピースなどを切断する場合に利用される切断装置において切断作業を容易にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
後記実施形態の図面(図1〜5)の符号を援用して本発明を説明する。
請求項1の発明にかかる切断装置は、下記のように構成されている。
この切断装置は、磁力吸着面4aを有する磁力発生部4を設けた固定部1と、回転円形刃18を回転させる回転駆動部10を設けた操作部7とを備えている。その磁力吸着面4aを含む支持面Fを挟む内外両側のうちその支持面Fに対する内側でこの固定部1と操作部7とを支持面Fに沿って互いに並べるとともに、この固定部1に対し操作部7をその支持面Fに沿って回動可能に支持し、その回転円形刃18をその支持面Fよりも内側またはその支持面F上に配設している。
【0006】
請求項1の発明では、例えば垂直な壁面5に溶接した吊りピース6を切断する場合、その壁面5に対し固定部1を磁力吸着面4aで固定した状態で、その操作部7を固定部1に対し回動させると、その壁面5に沿って回動する回転円形刃18により吊りピース6を切断することができる。その際、吊りピース6に対する回転円形刃18の切断抵抗などが生じたとしても操作部7が一定の軌道を描いて回動するため、切断動作が安定する。また、操作部7を固定部1が支えるため、操作部7を回動させ易い。
【0007】
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明において、前記回転円形刃18の回転中心線18aは、前記磁力吸着面4aを含む支持面Fに対し直交している。請求項2の発明では、回転円形刃18を壁面5に沿って回転させることができるため、吊りピース6を壁面5に沿って切断することができる。
【0008】
請求項1または請求項2の発明を前提とする請求項3の発明において、前記操作部7は前記磁力吸着面4aを含む支持面F上またはその支持面Fよりも内側に当接面16,25aを有する保護ケース11を備え、前記回転円形刃18はその保護ケース11内に収容されてその保護ケース11から操作部7の回動方向Xへ突出した状態でその保護ケース11に対し回転可能に支持されている。請求項3の発明では、操作部7を回動させる際に保護ケース11の当接面16,25aが壁面5に沿って回動するため、操作部7が壁面5に対し保護ケース11の当接面16,25aで支えられ、操作部7を安定して回動させることができる。
【0009】
請求項3の発明を前提とする請求項4の発明にかかる保護ケース11において、当接面16,25aを有する壁部14bに切欠凹部15を形成し、前記回転円形刃18は、この切欠凹部15に対し回転中心線18aの方向で面し、この切欠凹部15に入り込むとともにこの切欠凹部15から操作部7の回動方向Xへ突出する状態を取り得る。請求項4の発明では、回転円形刃18が切欠凹部15に入り込んで当接面16,25aに近い位置で吊りピース6を切断することができるため、吊りピース6の切断残部の肉厚を薄くすることができる。
【0010】
請求項3または請求項4の発明を前提とする請求項5の発明において、前記保護ケース11は前記回転円形刃18に対しその回転中心線18aの方向で並んだ状態で操作部7の回動中心線9aと回転円形刃18の回転中心線18aとの間で回動可能に支持した保護カバー20を備え、この保護カバー20は、回転円形刃18の外周刃19よりも外側に突出するように弾性体22により付勢された突出状態Pと、回転円形刃18の外周刃19よりも内側に弾性体22の付勢力に抗して入り込む退避状態とを取る。請求項5の発明では、操作部7の回動に伴い吊りピース6に当る保護カバー20を突出状態Pと退避状態との間で円滑に回動させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、吊りピース6などを切断する場合に利用される切断装置において切断作業を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態にかかる切断装置について図1〜5を参照して説明する。
この切断装置の固定部1において、把持柄3が取着されたブラケット2には平坦な磁力吸着面4aを有する磁力発生部としての電磁石4が取着されている。建築鋼材等の平坦な壁面5には吊りピース6が溶接部6aで固定されている。この固定部1はこの壁面5に対し磁力吸着面4aで固定される。この磁力吸着面4aを含む支持面Fは壁面5上にある。この切断装置の操作部7は、この支持面Fを挟む内外両側のうちその支持面Fに対する内側で前記固定部1に対しその下方で並設されている。この操作部7においては、固定部1のブラケット2に対し腕8が軸9により支持面Fに沿って回動可能に支持されて固定部1から吊下され、この腕8には回転駆動部としての電動モータ10と保護ケース11と把持柄12とが取着されている。この把持柄12は、電動モータ10を入り切りする駆動スイッチ13を有し、この電動モータ10及び保護ケース11よりも下方で腕8の下端部に取着されている。
【0013】
前記保護ケース11において、ケース本体14は前壁部14aと後壁部14bと上壁部14cと下壁部14dと右壁部14eとを有し、このケース本体14の左側が開口部14fで開放されている。この上壁部14cと下壁部14dにおいて開口部14f側の端縁部と後壁部14bとの間の隅部には面取り部14gが形成されている。この後壁部14bには半円弧状の内縁部15aを有する切欠凹部15が形成されて開口部14fに開放されている。この後壁部14bで壁面5に面する当接面16は前記磁力吸着面4aを含む支持面F上またはその支持面Fよりも極僅か内側にある。
【0014】
前記電動モータ10の出力軸17はこの前壁部14aからケース本体14内に挿入され、この出力軸17にはケース本体14内で回転円形刃18が取り付けられて収容されている。この回転円形刃18の外周刃19はケース本体14の開口部14fから操作部7の回動方向Xへ突出している。この回転円形刃18の回転中心線18aは前記磁力吸着面4aを含む支持面Fに対し直交し、この回転円形刃18は前記後壁部14bの切欠凹部15に対し回転中心線18aの方向で面している。前記出力軸17で図示しないスペーサを交換して回転円形刃18を回転中心線18aの方向で移動調節することにより、前記磁力吸着面4aを含む支持面Fに対する回転円形刃18の間隔Gを変更することができる。例えば、回転円形刃18を切欠凹部15内に入り込ませてその外周刃19を切欠凹部15の内縁部15aに面して沿わせれば、この間隔Gを小さくすることができる。
【0015】
前記保護ケース11においては、保護カバー20の基端部21がケース本体14内に嵌め込まれて操作部7の回動中心線9aと回転円形刃18の回転中心線18aとの間の回動中心線20aを中心に操作部7の回動方向Xへ回動可能に支持され、この保護カバー20がケース本体14の外側へ開口部14fから突出して回転円形刃18の外周刃19に対しその回転中心線18aの方向へ並んでその外周刃19に沿う。この保護カバー20の基端部21には弾性体としてのねじりコイルばね22が取り付けられ、そのねじりコイルばね22の弾性力によりこの保護カバー20が付勢されて回転円形刃18の外周刃19よりも外側に突出する突出状態Pとなる。この保護カバー20はねじりコイルばね22の弾性力に抗して押されて回転円形刃18の外周刃19よりも内側に入り込む退避状態(図示せず)を取る。
【0016】
さて、垂直な壁面5に溶接した吊りピース6を切断する場合、まず、図1(a)及び図3に示すように、その吊りピース6の上方でその壁面5に対し固定部1を磁力吸着面4aで固定した後、操作部7を吊りピース6から離す向きへ固定部1に対し回動させる。次に、図1(b)及び図4に示すように、回転円形刃18を回転させた状態で操作部7を吊りピース6に向けて固定部1に対し回動させると、保護カバー20が突出状態Pから吊りピース6に当って退避状態となり、回転円形刃18が保護カバー20の外側へ突出して吊りピース6の右側を切断する。その際、壁面5には図2に示す吊りピース6の溶接部6aが切断残部6bとして残る。その切断残部6bの肉厚は前述した支持面Fに対する回転円形刃18の間隔Gで決まる。
【0017】
一方、図5に示すように電磁石4にスペーサ23を嵌め込んで磁力吸着面4aを壁面5側へ突出させるとともに、図3,4に示すように前記ケース本体14の後壁部14bの四隅部に形成された雌ねじ孔24を利用して当接台25を図5に示すように螺着し、この各当接台25にはこの磁力吸着面4aを含む支持面F上またはその支持面Fよりも極僅か内側に当接面25aを設ける。そのため、この支持面Fに対する回転円形刃18の間隔Gは大きくなり、前記切断残部6bの肉厚もその間隔Gに合わせて大きくなる。
【0018】
本実施形態は下記の効果を有する。
* 吊りピース6などを切断する際にその切断作業を容易にすることができる。
* 操作部7が一定の軌道を描いて回動するため、切断動作を安定させることができる。また、操作部7を固定部1が支えるため、操作部7を回動させ易い。
【0019】
* 回転円形刃18が壁面5に沿って回転するため、吊りピース6を壁面5に沿って切断することができる。
* 操作部7が壁面5に対し保護ケース11の当接面16,25aで支えられ、操作部7を安定して回動させることができる。
【0020】
* 回転円形刃18が切欠凹部15に入り込んで当接面16,25aに近い位置で吊りピース6を切断するため、吊りピース6の切断残部の肉厚を薄くすることができる。
* 操作部7の回動に伴い吊りピース6に当る保護カバー20を突出状態Pと退避状態との間で円滑に回動させることができる。
【0021】
なお、図示しないが、保護ケース11のケース本体14の右側にも開口部を設けてその開口部から回転円形刃18を操作部7の回動方向Xへ突出させれば、吊りピースをその左右両側から切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(a)は本実施形態にかかる切断装置において切断前の待機状態を示す正面図であり、(b)は同じく切断直後の状態を示す正面図である。
【図2】図1の切断装置において切断直前の状態を示す左側面図である。
【図3】図1(a)の背面図である。
【図4】図1(b)の背面図である。
【図5】図1の切断装置の別例において切断直前の状態を示す左側面図である。
【符号の説明】
【0023】
1…固定部、4…磁力発生部としての電磁石、4a…磁力吸着面、6…吊りピース、7…操作部、9a…操作部の回動中心線、10…回転駆動部としての電動モータ、11…保護ケース、14…ケース本体、14b…ケース本体の後壁部、15…後壁部の切欠凹部、16,25a…当接面、18…回転円形刃、18a…回転円形刃の回転中心線、19…外周刃、20…保護ケースの保護カバー、22…弾性体としてのねじりコイルばね、F…磁力吸着面を含む支持面、X…操作部の回動方向、P…保護カバーの突出状態。
【出願人】 【識別番号】398075781
【氏名又は名称】ジロー株式會社
【識別番号】000205052
【氏名又は名称】大見工業株式会社
【出願日】 平成18年8月7日(2006.8.7)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣

【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠


【公開番号】 特開2008−36773(P2008−36773A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−214547(P2006−214547)