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【発明の名称】 棒鋼切断工具
【発明者】 【氏名】山門 昭博

【要約】 【課題】強度や耐久性に優れ、操作力を軽減し、効率よく安定して棒鋼を切断可能な棒鋼の切断工具を提供する。

【構成】工具ベース1の先端に、固定刃体2と、ハンドル操作により第1軸10を中心として回転できる回転刃体3とを設け、これらの固定刃体2と回転刃体3との外周に形成された凹状刃2d、3dにより棒鋼を剪断する棒鋼切断工具である。ハンドル6は、そのハンドル基部5の先端を工具ベース1の上方位置に第2軸11により軸支され、かつ第2軸よりも斜め後方に延びる長孔5dを備えたものである。回転刃体3は、後方に延びる腕部3bを備え、その後端にハンドル基部5を左右両側から挟む分岐部を形成し、これらの分岐部を第2軸11を迂回するように上方に屈曲させ、長孔5dの内部を摺動するピン25の両側を支持させた
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具ベースの先端に、固定刃体と、固定刃体に密着した状態でハンドル操作により第1軸を中心として回転できる回転刃体とを設け、これらの固定刃体と回転刃体との外周に形成された凹状刃により棒鋼を剪断する棒鋼切断工具において、前記ハンドルは、そのハンドル基部の先端を工具ベースの上方位置に第2軸により軸支され、かつ第2軸よりも斜め後方に延びる長孔を備えたものであり、前記回転刃体は、後方に延びる腕部の後端にハンドル基部を左右両側から挟む分岐部を形成し、これらの分岐部を上記第2軸を迂回するように上方に屈曲させ、前記長孔の内部を摺動するピンの両側を支持させたことを特徴とする棒鋼切断工具。
【請求項2】
回転刃体の分岐部を、2枚のプレートにより構成したことを特徴とする請求項1に記載の棒鋼切断工具。
【請求項3】
回転刃体の分岐部を、回転刃体と一体品として構成したことを特徴とする請求項1に記載の棒鋼切断工具。
【請求項4】
回転刃体の腕部の中心面を、固定刃体と回転刃体との接触面と同一垂直面上に位置させたことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の棒鋼切断工具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、作業現場等において棒鋼を手動により切断するための棒鋼切断工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
土木建築等の作業現場において棒鋼を所定の寸法に切断するための工具としては、特許文献1に示されるような棒鋼切断工具が古くから知られている。この棒鋼切断工具は、固定刃体及び回転刃体の凹状刃が相互に合致した位置でこれらの凹状刃内に棒鋼を挿通し、ハンドルを押し下げることにより回転刃体を回転させ、棒鋼を剪断するものである。ハンドル基部には傾斜させた長孔が形成されており、回転刃体に突設されたピンがスライド自在に嵌っている。ハンドルを押し下げるとその長孔によりピンが押されて回転刃体が下方に揺動し、棒鋼を剪断する。
【0003】
このような棒鋼切断工具においては、最も効果的に切断を行わせるために、長孔をハンドル軸の後方に位置させることが必要であり、このため回転刃体の軌跡は工具ベースに軸支されたハンドル軸上を通ることとなる。その結果、ハンドル基部の長孔を通るピンは工具ベースとの干渉を避けるために回転刃体に片持ちの状態で支持されている。しかしこのような片持ち状態では、ハンドル端部に強い力を加えるとピンに捩る力が作用し、工具の安定性が低下して場合によっては工具が横転するおそれがあった。
【0004】
また、片側のみで軸支されて構成される各部品には、偏った荷重が常に作用するため、切断のために加えた荷重が逃げて切断効率が悪くなるうえ、各部品の強度や耐久性において劣るという欠点があった。
【特許文献1】実公昭45−24715号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明の目的は、強度や耐久性に優れ、安定性に優れ、切断効率よく棒鋼を切断することができる棒鋼切断工具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するためになされた本発明の棒鋼切断工具は、対向する壁部を有する工具ベースの先端に、固定刃体と、固定刃体に密着した状態でハンドル操作により第1軸を中心として回転できる回転刃体とを設け、これらの固定刃体と回転刃体との外周に形成された凹状刃により棒鋼を剪断する棒鋼切断工具において、前記ハンドルは、そのハンドル基部の先端を工具ベースの上方位置に第2軸により軸支され、かつ第2軸よりも斜め後方に延びる長孔を備えたものであり、前記回転刃体は、後方に延びる腕部を備え、その腕部の後端にハンドル基部を左右両側から挟む分岐部を形成し、これらの分岐部を上記第2軸を迂回するように上方に屈曲させ、前記長孔の内部を摺動するピンの両側を支持させたことを特徴とするものである。
【0007】
なお、回転刃体の分岐部は2枚のプレートにより構成しても、回転刃体と一体品として構成してもよい。また、回転刃体の腕部の中心面を、固定刃体と回転刃体との接触面と同一垂直面上に位置させた構造とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の棒鋼切断工具は、回転刃体の後方に延びる腕部の後端にハンドル基部を左右両側から挟む分岐部を形成し、これらの分岐部を上記第2軸を迂回するように上方に屈曲させ、前記長孔の内部を摺動するピンの両側を支持させたものである。このようにピンを両側で支持したので、従来の片持ち構造に比較して切断操作時の安定性が増し、横転のおそれがなくなり、作業者の労力を軽減することができる。さらに従来品のように偏った荷重が作用しなくなるため、切断効率が高まるうえ、各部品の強度や耐久性も増加することとなる。
【0009】
なお、回転刃体の分岐部を刃本体部分とは別の2枚のプレートにより構成すると、回転刃体の凹状刃が摩耗もしくは破損した場合に、回転刃体の刃本体部のみを交換することが可能となる。また、回転刃体の腕部の中心面を固定刃体と回転刃体との接触面と同一垂直面上に位置させた構造とすれば、安定性を一段と向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図1は本発明の棒鋼切断工具の要部を示す側面図、図2は図3のB−B断面図、図3は図2のA−A断面図、図4は図3のC−C断面図である。
【0011】
これらの図において1は工具ベースであり、この工具ベース1は、互いに対向して配設された一対の壁部1aを有する。対向する壁部1aは鉛直方向に設けられた接続部1b、1c,1dで接続されている。壁部1aの下部は、壁部1aに対し鉛直に設けられた基台部1eに接続している。この基台部1eには、棒鋼切断工具を床等に取り付けて安定させるための、取り付け穴1fや取り付け凹部1gが設けられている。壁部1aの前方には、対向する壁部1aを貫通する、第1軸用穴1hが形成されている。壁部1aの頂部で、第1軸用穴1hの後上方には、対向する壁部1aを貫通する、第2軸用穴1iが形成されている。対向する壁部1aの第2軸用穴1iの両内側には、第2軸軸受部1nが突設されている。
【0012】
工具ベース1の後部には、下部ハンドル20が取り付けられるハンドル取付部1jが、陥没形成され、下部ハンドル20の基部がハンドル取付部1jに装入され、ハンドル取付部1jを横断するように穿通された取付穴1kにボルトが装入されて、下部ハンドル20が工具ベース1に取り付けられている。なお、この下部ハンドル20の後端には、床等に取り付けるための部材(図示せず)が設けられていることが好ましい。
【0013】
2は工具ベース1の先端に固定された固定刃体であり、円盤形状の刃部2aと、この刃部2aから後方に向けて延設された取付部2bから構成されている。この固定刃体2の断面形状は刃部2aの下端と取付部2bの下部が直線状になるような、頂部が下がった略いちじく形状をしている。刃部2bの軸中心には、この軸中心を貫通する軸穴2cが形成されている。刃部2aの上部外周には、U字に凹陥した形状の凹状刃2dが形成されている。固定刃体2の取付部2bの後端は固定突起1pと接続部1dとの間に挟持されている。
【0014】
図2に示すように、取付部2bの厚さは、刃部2aの厚さより薄くしてあり、取付部2bの壁部1a側は、刃部2aの壁部1a側とほぼ同一平面にしてある。
【0015】
固定刃体2は、軸穴2c及び工具ベース1の第1軸用穴1hを貫入する第1軸10により、壁部1aに軸着されている。片側の壁部1aから突設された固定突起1pで取付部2b上部を押さえ、接続部1dで取付部2bの下部を押さえて、固定刃体2が回動することを抑止し、固定刃体2を工具ベース1に固定している。
【0016】
3は回転刃体であり、円盤形状の刃部3aと、この刃部3aから後方に向けて延設された腕部3bから構成されている。この回転刃体3の断面形状は、刃部3aの下端と腕部3bの下部が直線状になるような、頂部が下がった略いちじく形状をしている。刃部3bの中心には軸穴3cが形成されている。刃部3aの上部外周には、U字に凹陥した形状の凹状刃3dが形成されている。回転刃体3の腕部3bの後端には、2つの挟着穴3e、3eが並列して穿通されている。
【0017】
回転刃体3は固定刃体2と相互に重ね合わされ、工具ベース1の壁部1aと固定刃体2の間に対向して配設されている。回転刃体3の軸穴3bと、固定刃体2の軸穴2dと、工具ベース1の第1軸用穴1hを貫入する第1軸10とにより、回転刃体3は壁部1aに回動自在に軸着され、固定刃体2に対して回動自在とされている。
【0018】
図2に示すように、固定刃体2と回転刃体3とを重ね合わせた厚さは、工具ベース1の壁部1aの内側の間隔より僅かに薄いが、ほぼ同じ厚さにしてあるので、工具ベース1の壁部1aが、固定刃体2及び回転刃体3の軸方向の動きを規制し、固定刃体2及び回転刃体3の間に隙間が殆ど生じないようにしている。このような構造により、固定刃体2及び回転刃体3は相互に密着しつつ、相対回転できることとなる。
【0019】
図2に示すように、回転刃体3の腕部3bの厚さは刃部3aの厚さより薄くしてあり、腕部3bの挟着穴3eが穿通されている部分は、固定刃体2側にオフセットされており、この腕部3bの挟着穴3eが穿通されている部分の中心面は、固定刃体2の及び回転刃体3の摺動面と同一平面上になるように構成している。
【0020】
4は略L字形状の2枚のプレートであり、回転刃体3の腕部3bの後端に分岐部を形成するための部材である。プレート4の一方の先端及び交点に挟着穴4aが形成され、他方の先端には軸穴4bが形成されている。23は挟着軸であり、外径は回転刃体3の挟着穴3e及びプレート4の挟着穴4aの内径よりやや小さくしてある。この挟着軸23の両側には、軸用スナップリングが嵌着される溝が全周に形成されている。回転刃体3の腕部3bの両側には、軸穴4bを上側にし、かつ交点部分を後部側にしてプレート4を配設してあり、回転刃体3の挟着穴3e及びプレート4の挟着穴4aに挟着軸23が挿通し、挟着軸23の両側には、軸用スナップリングを嵌着してあり、2枚のプレート4が回転刃体3の腕部3bを挟着している。これらのプレート4は下記する第2軸11を回避するように上方に屈曲した形状である。
【0021】
5はハンドル基部、6はハンドルである。ハンドル基部6の前部は板状であり、後部から工具後方に向かって断面形状が略円筒や略円柱形状等のハンドル取付部5aが延設されている。このハンドル取付部5aには、ハンドル6が取付けられている。ハンドル基部5の前端には第2軸用穴5bが形成され、この第2軸用穴5bの両側には、軸方向に向かって軸部5cが突設されている。この軸部5cの幅は、前記工具ベース1の第2軸軸受部1nの内側の幅より僅かに薄くしてある。ハンドル基部5は、工具ベース1の壁部1aの内側に配設され、壁部1aの第2軸用穴1i及びハンドル基部5の第2軸用穴5bには、第2軸11が挿通され、ハンドル基部5が第2軸11で工具ベース1に軸支されている。
【0022】
ハンドル基部5の第2軸用穴5bの後下方の第1点5eから、この第1点5eの後下方の第2点5fに向かって、長穴5dが設けられている。第2軸用穴5bと、長穴5dの第1点5e及び第2点5fが一直線上になるように構成されている。25はピンであり、このピン25の外周にはカラー25aを嵌め込んであり、長穴5dの中を回転しながら摺動するようにしてある。ピン25の両側には、スナップリングが嵌着される溝が全周に形成されている。ハンドル基部5の長穴5d部分は、2枚のプレート4で挟装され、長穴5d及びプレート4の軸穴4bにピン25が挿通している。ピン25の両側に軸用スナップリングが嵌着され、ピン25の脱落を防いでいる。このような構造により、ハンドル基部5は、図4に示されるように、長穴5dでプレート4の軸穴4bと回動自在かつスライド自在に軸着されている。
【0023】
図2に示すように、回転刃体3の腕部3bの中心面とハンドル基部5のプレート4に挟装された部分の中心面は同一平面上に構成されている。
【0024】
ハンドル6が下がった状態(図3に示される全閉の状態)では、固定刃体2の凹状刃2d及び回転刃体3の凹状刃3dは、相互に合致せず閉じた状態になっている。ハンドル6を持ち上げると、ハンドル基部5は第2軸11を中心に上方に回動し、ハンドル基部5の長穴5dに挿通されているピン25及びカラー25aが、第2軸11を中心に回動して、プレート4が持ち上げられ、回転刃体3が第1軸10を中心に反時計まわりに回動する。ハンドル基部5の回動に従って、プレート4の軸穴4bに挿通されているピン25及びカラー25aは、長穴5dをスライドすることとなる。
【0025】
ハンドル6を完全に持ち上げると、回転刃体3のプレート4とハンドル基部5の軸部5cが当接し、回転刃体3の回動が抑止される。なお、軸部5cの腕部2bと当接する部分は、点接触しないように、プレート4と吻合する形状となっている。図5に示されるように、ハンドル6を完全に持ち上げ全開にした際に、固定刃体2の凹状刃2d及び回転刃体3の凹状刃3dは、相互に合致し連通状態になっている。回転刃体3の後方に形成されたプレート4は第2軸11を迂回するように上方に屈曲させたので、開状態でも、図5に示されるように、回転刃体3がハンドル基部5の軸部5cと干渉することがない構造となっている。
【0026】
図2に示されるように、固定刃体2の凹状刃2dの後方側は、手前から奥に向かって狭まるように傾斜している。また、回転刃体3の凹状刃3dの前方側は、手前から奥に向かって広がるように傾斜している。このような構造により、棒鋼を凹状刃2d、3dに挿通し、回転刃体を3回動させると、凹状刃2d及び3dの前記傾斜部分が、棒鋼に食い込み、棒鋼を剪断して切断することとなる。
【0027】
次に、本発明の棒鋼切断工具の作用について説明する。ハンドル6を持ち上げ、凹状刃2d、3dを開状態にし、(図5の状態)棒鋼を凹状刃2d、3dに挿通する。この状態では、ピン25は、長穴25の第1点5eと第2点5fの中間付近にある。
【0028】
次にハンドル6を押し下げ、ハンドル基部5を時計まわりに回動させると、回転刃体3が回動し、凹状刃2d、3dの間隔が棒鋼の線径と等しくなった場合に、凹状刃2d、3dが棒鋼と噛合する。(図6の状態)この状態で、棒鋼切断工具は、第1軸10、第2軸11、プレート4の軸穴4bが一直線になるように構成され、ピン25の軸中心が長穴5dの第1点5eに位置するように構成することが好ましい。
【0029】
力点であるハンドル6を握持する部分から第2軸11までの距離をaとし、第2軸11からピン25中心までの距離をbとすると、てこの原理により、ピン25を押し下げる荷重は、ハンドル6を押し下げる荷重のa/b倍となる。また、第1軸10からピン中心25までの距離をcとし、第1軸10から凹状刃2d、3dが棒鋼と噛合する作用点までの距離をdとすると、凹状刃2d、3dが棒鋼に作用する荷重は、ピン25を押し下げる荷重のc/d倍となる。
【0030】
前述したように、凹状刃2d、3dが棒鋼と噛合した状態で、棒鋼切断工具を、第1軸10、第2軸11、プレート4の軸穴4bが一直線になるように構成すると、ハンドル基部5の長穴5dにより、ピン25に作用する方向と、第1軸10を中心に回動するプレート4の軸穴4bの軌跡が同一となり、ハンドル基部5の長穴5dにより、ピン25に作用する荷重が、逃げることなく回転刃体3に作用することとなる。従ってこの場合には、凹状刃2d、3dにより棒鋼に作用する力は、ハンドル6を押し下げる力のac/bd倍となり、小さい操作力で棒鋼を切断することが可能となる。また、ピン25の軸中心が長穴5dの第1点5eに位置するように構成すると、bの距離が最短になり、棒鋼の切断時に最大の荷重を棒鋼に作用させることが可能となる。
【0031】
凹状刃2d、3dが棒鋼に噛合し、更にハンドル6を押し下げると、ピン25は第1点5eから、第2点5f方向にスライドし、bの距離が長くなり、より少ないハンドル6の回転角度で、回転刃体3を回動させることが可能となり、作業性が向上する。この際、bの距離が長くなることから、棒鋼に作用する荷重が減少するが、棒鋼が剪断されるにつれ、棒鋼の切断面の面積は減少し、より少ない荷重で棒鋼を剪断させることができるので、ハンドル6を押し下げる操作力が増大することがなく、スムーズに棒鋼を切断することが可能となる。
【0032】
なお、本発明の棒鋼切断工具により、切断される棒鋼の線径は、例えばφ13mm〜φ16mmである。切断される棒鋼の線径にあわせて、凹状刃2d、3dが棒鋼と噛合した状態で、棒鋼切断工具を、第1軸10、第2軸11、プレート4の軸穴4bに挿通されるピン25の軸中心が一直線になるように構成することが好ましい。
【0033】
ハンドル6を更に押し下げると、図3に示されるように、第2刃部3の腕部3bの下部が、工具ベース1の接続部1dと当接し、ハンドル6の回転が抑止される。この状態では、凹状刃2d、3dは相互に連通しない閉位置になり、棒鋼が剪断されて完全に切断される。
【0034】
この棒鋼切断工具では、図4に示すように、第2刃部3の腕部3b及びハンドル基部5の両側を、プレート4で挟装することとし、ハンドル基部5の長穴を両側から支持することとなるので、棒鋼を切断する際に傾く力が発生することなく、棒鋼切断工具が横転する危険性を排除することが可能となる。また、荷重が側方に逃げることがないので、小さい負荷で効率よく棒鋼を切断することができる。また、各部材に偏った荷重が作用しないので、工具の耐久性が向上する。
【0035】
また、前述したように、回転刃体3の腕部3bの中心面とハンドル基部5のプレート4に挟装された部分の中心面は同一平面上に構成し、固定刃体2と回転刃体3の摺動面と、ハンドル基部5のプレート4に挟装された部分の中心面を同一平面上に構成しているので荷重が逃げることがなく、操作力を低減し、更に効率良く棒鋼を切断することが可能となる。
【0036】
図7に本発明の別の実施形態を示す。この実施形態では、回転刃体3の腕部3bの後端に溝を形成することにより、ハンドル基部5を左右両側から挟む分岐部を回転刃体3と一体に形成したものである。分岐部は第2軸11を迂回するように上方に屈曲させてあり、長孔5dの内部を摺動するピン25の両側を支持させたことは、前記の実施形態と同様である。
【0037】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う棒鋼切断工具もまた技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の棒鋼切断工具の要部側面図である。
【図2】棒鋼切断工具の平面図である。
【図3】棒鋼切断工具の閉状態の側断面図である。
【図4】図3のC−C断面の断面図である。
【図5】棒鋼切断工具の開状態の側断面図である。
【図6】棒鋼切断工具の切断時の側断面図である。
【図7】別の実施形態の側断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 工具ベース
1a 壁部
1b 接続部
1c 接続部
1d 接続部
1e 基台部
1f 取り付け穴
1g 取り付け凹部
1h 第1軸用穴
1i 第2軸用穴
1j ハンドル取付部
1k 取付穴
1n 第2軸軸受部
1p 固定突起
2 固定刃体
2a 刃部
2b 取付部
2c 軸穴
2d 凹状刃
3 回転刃体
3a 刃部
3b 腕部
3c 軸穴
3d 凹状刃
3e 挟着穴
3f 腕部
3g プレート
3h 軸穴
4 プレート
4a 挟着穴
4b 軸穴
5 ハンドル基部
5a ハンドル取付部
5b 第2軸用穴
5c 軸部
5d 長穴
5e 長穴の第1点
5f 長穴の第2点
6 ハンドル
10 第1軸
11 第2軸
20 下部ハンドル
23 挟着軸
25 ピン
25a カラー
a 力点から第2軸までの距離
b 第2軸からピン中心までの距離
c 第1軸からピン中心までの距離
d 第1軸から作用点までの距離
【出願人】 【識別番号】000146135
【氏名又は名称】株式会社松阪鉄工所
【出願日】 平成18年7月28日(2006.7.28)
【代理人】 【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄

【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫


【公開番号】 特開2008−30150(P2008−30150A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−205970(P2006−205970)