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【発明の名称】 穴加工工具
【発明者】 【氏名】滝口 正治

【要約】 【課題】高速回転時の振れを防止して加工穴を精度良く成形できるとともに、折損を防止して寿命延長を図ることができる穴加工工具を提供する。

【構成】下穴に挿入されて加工穴を形成する穴加工工具20であって、内部にクーラント供給孔が穿設されたシャンク部と、切刃29を備えた刃先部22とを有し、刃先部22の外周に複数の切屑排出溝26が形成され、切屑排出溝26の工具回転方向T前方側を向く壁面と刃先部22の外周面との交差稜線部に切刃29が形成され、それぞれの切屑排出溝26の工具回転方向T後方には、前記加工穴の内壁面と摺接するガイド部30が設けられ、ガイド部30には、刃先部22の径方向内側に向けて後退するとともに前記クーラント供給孔に連通するクーラント排出孔35が開口された油溝部32が設けられており、これらのクーラント排出孔35は軸線O方向の異なる位置に配置されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被切削材に予め形成された下穴に挿入され、該下穴の内壁面を切削加工して加工穴を形成する穴加工工具であって、
軸線回りに回転されるとともに内部にクーラント供給孔が穿設されたシャンク部と、切刃を備えた刃先部とを有し、
該刃先部の外周部には、先端側から後端側に向けて延びる複数の切屑排出溝が形成され、該切屑排出溝の工具回転方向前方側を向く壁面と前記刃先部の外周面との交差稜線部に前記切刃が形成されており、
それぞれの前記切屑排出溝の工具回転方向後方には、前記加工穴の内壁面と摺接するガイド部が設けられ、該ガイド部には、前記刃先部の径方向内側に向けて後退するとともに、前記クーラント供給孔に連通するクーラント排出孔が開口された油溝部が設けられており、
これらのクーラント排出孔は、前記軸線方向の異なる位置に配置されていることを特徴とする穴加工工具。
【請求項2】
前記油溝部は、前記軸線方向先端側に向けて開口されるとともに、前記軸線方向後端側が前記刃先部の径方向外側に向けて切り上げられていることを特徴とする請求項1に記載の穴加工工具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、被切削材に予め形成された下穴に挿入され、この下穴の内壁面を切削して所定の内径の加工穴を形成する際に使用される穴加工工具に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の穴加工工具としては、例えば特許文献1に記載されているような長尺円柱状をなすリーマが知られている。
このリーマは、例えば特許文献2に開示された切削工具に装着されて使用されるものであり、この切削工具が工作機械等に主軸端に装着されて、軸線回りに回転されるとともに、被切削材の下穴、例えば、ステムガイド穴やエンジンのシリンダーヘッドにおけるバルブ穴等に前記穴加工工具が挿入され、この下穴の内壁面を切削して所定の内径の加工穴を形成するものである。
【0003】
従来のリーマの一例を図6及び図7に示す。このリーマは、長尺円柱状をなすシャンク部1と、このシャンク部1の先端側に配置される刃先部2とを備えている。
シャンク部1は、概略多段円柱状をなしており、その後端側には、このリーマを切削工具に装着するための装着部3が設けられている。一方、シャンク部1の先端面には、中央部分がシャンク部1後端側に向けて凹んだV字溝4が形成されている。
また、このシャンク部1には図示しないクーラント供給孔が、シャンク部1の先端側から後端側にかけて貫通するように形成され、前記V字溝4に開口されている。
【0004】
刃先部2は、概略円柱状をなしており、その後端面にはシャンク部1先端面に形成されたV字溝4に嵌合可能な凸状部5が形成されている。
刃先部2の先端外周部には、図6及び図7に示すように、軸線O方向後端側に向けて延びて工具回転方向T前方側に所定の角度で捩れる6条の切屑排出溝6が、周方向に等間隔で軸線Oに対して60度ずつ回転対称に配置されている。
【0005】
これらの切屑排出溝6の工具回転方向T前方側を向く壁面7と工具回転方向T後方側に連なる外周面8との交差稜線部に切刃9が形成されている。このように切刃9を形成することにより、切屑排出溝6の工具回転方向T前方側を向く壁面7がすくい面とされ、工具回転方向T後方側に連なる外周面8が逃げ面とされる。
切屑排出溝6は、図7に示すように、溝底が凹円弧状とされた断面V字状をなしており、このV字のなす角度は概略80°とされ、すくい面とされる工具回転方向T前方側を向く壁面7は、概略刃先部2の外形の断面がなす円の径方向に沿って延びるように形成されている。
【0006】
また、刃先部2の軸線O近傍には、軸線Oに沿って延びて後端側(凸状部5)に開口された連通孔(図示せず)が形成されており、この連通孔からそれぞれの切屑排出溝6に延びてその溝底部に開口されたクーラント吐出孔10が設けられている。
ここで、このリーマにおいては、切削油剤がクーラント供給孔及び連通孔を介してクーラント吐出孔10から吐出されることにより、切屑は、切屑排出溝6を流れる切削油剤に流されるようにしてリーマ先端側に向けて排出されるように構成されている。
【特許文献1】特開2000−263328号公報
【特許文献2】特開2002−59313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、図6及び図7に示す従来のリーマでは、切屑排出溝6の工具回転方向T後方側に連なる外周面8に、工具回転方向T後方側に向かうにしたがい刃先部2の径方向内側に後退するように大きな逃げが形成されているので、加工穴の内壁面とリーマとが摺接する部分がなく、加工穴の中でリーマを高速回転した際に振れが生じて、加工穴を精度良く成形することができなくなるといった問題があった。
【0008】
一方、前記外周面8に大きな逃げを設けずに加工穴の内壁面と摺接するように構成した場合には、このリーマの回転トルクが著しく上昇し、リーマを加工穴内で高速回転できずに切削加工ができなくなるおそれがあった。また、例えば小径のリーマの場合には、回転トルクが大きくなりすぎてクーラント吐出孔10が穿設された部分を起点として、リーマが折損してしまうおそれがあった。
【0009】
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、高速回転時の振れを防止して加工穴を精度良く成形できるとともに、折損を防止して寿命延長を図ることができる穴加工工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題を解決するために、本発明は、被切削材に予め形成された下穴に挿入され、該下穴の内壁面を切削加工して加工穴を形成する穴加工工具であって、軸線回りに回転されるとともに内部にクーラント供給孔が穿設されたシャンク部と、切刃を備えた刃先部とを有し、該刃先部の外周部には、先端側から後端側に向けて延びる複数の切屑排出溝が形成され、該切屑排出溝の工具回転方向前方側を向く壁面と前記刃先部の外周面との交差稜線部に前記切刃が形成されており、それぞれの前記切屑排出溝の工具回転方向後方には、前記加工穴の内壁面と摺接するガイド部が設けられ、該ガイド部には、前記刃先部の径方向内側に向けて後退するとともに、前記クーラント供給孔に連通するクーラント排出孔が開口された油溝部が設けられており、これらのクーラント排出孔は、前記軸線方向の異なる位置に配置されていることを特徴としている。
【0011】
この構成の穴加工工具においては、複数の切屑排出溝の工具回転方向後方側にそれぞれ前記加工穴の内壁と摺接するガイド部が設けられているので、加工穴の中で穴加工工具を高速回転した際の振れを防止でき、加工穴を精度良く成形することができる。
また、このガイド部に径方向内側に向けて後退した油溝部が形成され、この油溝部に、前記クーラント供給孔に連通したクーラント排出孔が開口されているので、前記内壁面と摺接するガイド部に切削油剤を供給して潤滑を良好にし、穴加工工具の回転トルクを効果的に低減することができる。
【0012】
さらに、前記油溝部にそれぞれ開口された前記クーラント排出孔が、前記軸線方向の異なる位置に配置されているので、クーラント排出孔を形成するために刃先部を穿孔した部分が軸線方向の一箇所に集中せず、穴加工工具が折損することを抑制して寿命延長を図ることができる。
また、前記ガイド部に径方向内側に向けて後退した油溝部を形成しているので、この油溝部の大きさを調整することでガイド部と加工穴内壁面とが摺接する部分の大きさを調整することができ、振れの防止及び回転トルクの低減を図ることができる。
【0013】
ここで、前記油溝部を、前記軸線方向先端側に向けて開口するとともに、前記軸線方向後端側を径方向外側に向けて切り上げるように構成することにより、油溝部に供給された切削油剤が、軸線方向前方側に向けて確実に排出されるので、切刃近傍におけるガイド部と加工穴内壁面との潤滑が良くなり、穴加工工具の振れを確実に防止して切削加工を寸法精度良く行うことができるとともに、穴加工工具の回転トルクの上昇を抑制して、この穴加工工具の折損防止を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高速回転時の振れを防止して加工穴を精度良く成形できるとともに、折損を防止して寿命延長を図ることができる穴加工工具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施形態である穴加工工具について添付した図面を参照にして説明する。図1から図4に本発明の実施形態である穴加工工具としてのリーマを示す。また、図5にこのリーマが装着される切削工具を示す。
リーマ20は、長尺円柱状をなすシャンク部21と、このシャンク部21の先端側(図1において下側)に配置された刃先部22とを備えている。
【0016】
シャンク部21は、軸線Oを中心とする概略多段円柱状をなしており、後端側(図1において上側)には、このリーマ20を後述する切削工具40に装着するための装着部23が設けられている。この装着部23には、軸線Oに平行に延びる平坦面23Aが設けられている。
また、このシャンク部21には、クーラント供給孔がシャンク部21の後端側から先端側に向けて貫通するように形成されている。
【0017】
シャンク部21の先端側は、後端側に比べて一段小径とされており、その先端面41Aには、中央部分がシャンク部21後端側に向けて凹んだV字溝24がその溝底部を軸線Oに直交させてV字の2等分線が軸線O上に位置するように形成されている。ここで、V字溝24が有する2つの側壁面27のなす角度は、60°〜120°の範囲内とされ、本実施形態では90°に設定されている。このV字溝24の溝底部には、前記クーラント供給孔が開口されている。
【0018】
刃先部22は、やはり軸線Oを中心とする概略円柱状をなしており、その後端面には、シャンク部21先端面に形成されたV字溝24に嵌合可能な断面凸V字の凸状部25が、そのV字の稜線をやはり軸線Oに直交させてV字の2等分線が軸線O上に位置するように形成されている。
刃先部22の先端は、前記凸状部25が形成された部分よりも一段大径とされており、その外周部分には、軸線O方向後端側に向けて延びる複数の切屑排出溝26が、周方向に等間隔で軸線Oに対して所定角度ずつ回転対称に配置されている。なお、本実施形態では、図4に示すように、3条の切屑排出溝26が軸線Oに対して120°ずつ回転対称に配置されている。
【0019】
これらの切屑排出溝26の工具回転方向T前方側を向く壁面27と工具回転方向T後方側に連なる外周面28との交差稜線部に切刃29が形成されるとともに、工具回転方向T前方側を向く壁面27と刃先部22の先端面との交差稜線部の径方向外側に、切刃29に連なる食いつき部29Aが形成されている。
このように切刃29を形成することにより、切屑排出溝26の工具回転方向T前方側を向く壁面27がすくい面とされ、工具回転方向T後方側に連なる外周面28が逃げ面とされる。なお、この切刃29が軸線O回りになす回転軌跡は、本実施形態においては軸線Oを中心とした円筒面状とされている。
【0020】
ここで切屑排出溝26は、図4に示すように断面U字状、すなわち切屑排出溝26の工具回転方向T前方側を向く壁面27と、工具回転方向T後方を向く壁面とが、軸線Oに垂直な断面において、凹円弧状の溝底を介して略平行に対向するように形成されており、すくい面をなす工具回転方向T前方側を向く壁面27は、概略刃先部22の外形の断面がなす円の径方向に沿って延びるように形成されている。
【0021】
また、切屑排出溝26の工具回転方向T後方側に連なる外周面28には、加工穴の内壁面と摺接するガイド部30が形成されている。このガイド部30には、前記刃先部22の径方向内側に向けて後退した油溝部32が形成されている。本実施形態においては、この油溝部32の底部は、軸線Oに直交する断面において外側に向けて凸となる軸線Oを中心とした円弧状をなしている。
【0022】
したがって、前記外周面28には、切刃29の工具回転方向T後方側に連なる第1ガイド部31と、この第1ガイド部31の工具回転方向T後方側に連なる油溝部32と、油溝部32の工具回転方向T後方側に連なる第2ガイド部33とが形成されることになる。また、これら第1、第2ガイド部31、33は、軸線Oに垂直な断面において切刃29の外径と等しい半径の円弧状をなしている。
【0023】
油溝部32は、軸線Oに沿った断面において、図3に示すように、軸線O方向先端側に向けて開口するとともに、軸線O方向後端側が図2に示すように、刃先部22の径方向外側に向けて切り上げられている。詳述すると、この油溝部32は、軸線O方向先端側から一定の溝深さで軸線O後端側へと延びて、軸線O後端部分において軸線O後端側に向かうにしたがい溝深さが漸次浅くなるように構成されているのである。
なお、本実施形態においては、3つの切屑排出溝26が形成されるとともにこれらの切屑排出溝26の工具回転方向T後方側にそれぞれガイド部30が形成されているので、刃先部22は3つの油溝部32を有することになる。
【0024】
また、刃先部22には、軸線Oに沿って延びて凸状部25に開口された止まり孔状の連通孔34が形成されており、この連通孔34からそれぞれの油溝部32の底部に向けて延びるクーラント排出孔35が形成されている。ここで、本実施形態であるリーマ20においては、3つの油溝部32にそれぞれクーラント排出孔35が開口させられているので、3つのクーラント排出孔35A、35B、35Cが形成されていることになる。
【0025】
そして、これら3つのクーラント排出孔35A、35B、35Cは、図2及び図3に示すように、軸線O方向の異なる位置に配置されている。詳述すると、これらクーラント排出孔35A、35B、35Cは、軸線Oに沿って延びる挿通孔34の外周壁から軸線O方向先端側に向かうにしたがい漸次刃先部22の径方向外側に向かって前記油溝部32の底部の周方向中央に開口するように互いに周方向で等間隔に穿設されており、しかもこれら3つのクーラント排出孔35A、35B、35Cの軸線O回りの回転軌跡が、軸線O方向に略等間隔をあけて互いに平行となるように構成されている。
【0026】
このリーマ20は、図5に示す切削工具40に装着されて使用される。切削工具40は、軸線M回りに回転される多段円柱状の工具本体41を有し、工具本体41の先端部外周には切削インサート42が配備されている。
この工具本体41の先端面41Aには、軸線Mに沿うように延びる装着孔43が穿設されている。この装着孔43の後端側には、位置調整ボルト44が挿入されるクーラント孔45が設けられており、このクーラント孔45は工具本体41後端側に設けられた取付部46に開口するとともに、前記装着孔43に連通されている。
また、工具本体41には、工具本体41の側面に開口して装着孔43に連通されたネジ孔47が形成されており、このネジ孔47にクランプネジ48が螺着されている。
【0027】
リーマ20は、工具本体41の先端面41Aに穿設された装着孔43に挿入され、シャンク部21の後端面が位置調整ボルト44の先端面41Aに当接させられるとともにシャンク部21の平坦面23Aが工具本体41のネジ孔47が設けられた方向に向くように、かつ、リーマ20の軸線Oと工具本体41の軸線Mとが一致するように配置される。そして、工具本体41のネジ孔47に螺着されたクランプネジ48をねじ込んで前記平坦面23Aを押圧することにより、リーマ20が工具本体41に固定される。
【0028】
このようにしてリーマ20が装着された切削工具40は、工作機械の主軸端に取付部46を介して取り付けられ、リーマ20の軸線M方向の位置調整を行った後、軸線M(軸線O)回りに回転されるとともに軸線M(軸線O)先端方向に向けて送られ、リーマ20が例えばステムガイド穴(被切削材に形成された下穴)に挿入され、このステムガイド穴の内壁面を切削して所定の内径の加工穴を形成するものである。
【0029】
リーマ20による切削加工を行う際には、切削油剤が工作機械からパイプを通じて工具本体41のクーラント孔45に供給される。クーラント孔45に供給された切削油剤は、リーマ20のシャンク部21に形成されたクーラント供給孔(図示なし)を通じて刃先部22へ供給され、刃先部22に形成された連通孔34を介して、油溝部32の底面に開口されたクーラント排出孔34から排出されることになる。
【0030】
本実施形態であるリーマ20によれば、複数の切屑排出溝26の工具回転方向T後方側にそれぞれ前記加工穴の内壁と摺接するガイド部30(第1、第2ガイド部31、33)が設けられているので、加工穴の中でリーマ20を高速回転した際の振れを防止でき、加工穴を精度良く成形することができる。
また、このガイド部30に刃先部22の径方向内側に向けて後退した油溝部32が形成されていて、この油溝部32の底部にクーラント供給孔に連通されたクーラント排出孔34が開口されているので、加工穴の内壁面27と摺接するガイド部30(第1、第2ガイド部31、33)に切削油剤を供給して潤滑を良好にして、リーマ20の回転トルクを効果的に低減することができる。
【0031】
さらに、油溝部32にそれぞれ開口された複数のクーラント排出孔34が、軸線O方向の異なる位置に配置されているので、クーラント排出孔34を形成するために刃先部22が穿孔される部分が軸線O方向でばらつくことになり、刃先部22の強度低下を防止でき、リーマ20の折損を抑制して寿命延長を図ることができる。
また、ガイド部30に刃先部22の径方向内側に向けて後退した油溝部32が形成され、前記外周面28に、切刃29の工具回転方向T後方側に連なる第1ガイド部31と、油溝部32と、第2ガイド部33とが形成されているので、刃先部22の外周面28と加工穴内壁面27との摩擦抵抗が大きくなりすぎず、回転トルクの上昇を防止することができる。
【0032】
さらに、油溝部32は、軸線O方向先端側に向けて開口されるとともに、軸線O方向後端側部分が刃先部22の径方向外側に向けて切り上げるように構成されているので、油溝部32に供給された切削油剤が、軸線O方向先端側に向けて確実に排出され、切刃29近傍においてガイド部30(第1、第2ガイド部31、33)と加工穴内壁面との潤滑が良くなり、リーマ20の振れを防止して切削加工を寸法精度良く行うことができるとともに、リーマ20の回転トルクの上昇を抑制することができる。特に下穴がステムガイド穴のような貫通穴の場合は、切刃29によって生成された切屑をこの貫通穴の開口部から確実に排出して、切屑の噛み込み等による加工精度の劣化も防ぐことができる。
【0033】
また、本実施形態においては、油溝部32の底部が軸線Oを中心とした円弧状に形成されているので、刃先部22を切り欠く部分を小さくすることができ、このリーマ20の剛性を向上させることができる。
また、切屑排出溝26が断面U字状に形成されており、径方向外側に向けて大きく開口しておらず切り欠き部分が少ないので、このリーマ20の剛性がさらに向上し、高速回転させた際の振れを防止することができる。
【0034】
以上、本発明の実施形態であるリーマについて説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、油溝部の底部が軸線Oを中心とした円弧状に形成されたものとして説明したが、これに限定されることはなく、径方向内側に向けて凸となるように形成しても良い。
【0035】
さらに、切屑排出溝が、軸線Oに沿って延びるように形成されたものとして説明したが、これに限定されることはなく、軸線O後端側に向かうにしたがい工具回転方向T前方側へ向けて捩れるように形成したり、工具回転方向T後方側に向けて捩れるように形成したりしてもよい。
さらに、リーマを図5に示す切削工具に装着して使用するものとして説明したが、他の切削工具やアダプタ等に装着して使用するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態であるリーマの側面図である。
【図2】図1に示すリーマの側面拡大図である。
【図3】図1に示すリーマの側面断面図である。
【図4】図1に示すリーマの正面図である。
【図5】図3に示すリーマの側面図である。
【図6】従来のリーマの側面図である。
【図7】図6に示すリーマの正面図である。
【符号の説明】
【0037】
20 リーマ(穴加工工具)
21 シャンク部
22 刃先部
26 切屑排出溝
27 工具回転方向T前方側を向く壁面
28 外周面
29 切刃
30 ガイド部
31 第1ガイド部
32 油溝部
33 第2ランド部
35 クーラント排出孔
【出願人】 【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
【出願日】 平成18年7月11日(2006.7.11)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男

【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和

【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦

【識別番号】100106057
【弁理士】
【氏名又は名称】柳井 則子


【公開番号】 特開2008−18477(P2008−18477A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−190265(P2006−190265)