トップ :: B 処理操作 運輸 :: B23 工作機械;他に分類されない金属加工

【発明の名称】 ソーチェンの研磨機
【発明者】 【氏名】笹沼 清彦

【氏名】佐伯 一仲

【氏名】佐伯 裕行

【氏名】佐伯 政義

【氏名】笹田 達三郎

【氏名】板野 均

【要約】 【課題】ソーチェンを本機に取り付けたままで円形砥石によって研磨する研磨機であり、操作が簡便であるとともに、円形砥石に最適な研磨速度と研磨方向を付与できるようにする。

【構成】ソーチェンの切刃の横刃と上刃を研磨するソーチェンの研磨機であり、この研磨機が、ソーチェンを外周に装着したガイドバーを中に通して水平方向の押しネジでガイドバーに任意の角度で固定される基体と、基体に平行又は一定角度傾けて縦設される軸受筒と、回転手段が設けられて軸受筒に回転可能に挿入される砥石軸と、砥石軸の軸受筒から覗いている部分に取り付けられて切刃の横刃と上刃を同時に研磨する円形砥石と、からなることを特徴とするソーチェンの研磨機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーチェンの切刃の横刃と上刃を研磨するソーチェンの研磨機であり、この研磨機が、ソーチェンを外周に装着したガイドバーを中に通して水平方向の押しネジでガイドバーに任意の角度で固定される基体と、基体に平行又は一定角度傾けて縦設される軸受筒と、回転手段が設けられて軸受筒に回転可能に挿入される砥石軸と、砥石軸の軸受筒から覗いている部分に取り付けられて切刃の横刃と上刃を同時に研磨する円形砥石と、からなることを特徴とするソーチェンの研磨機。
【請求項2】
軸受筒がガイドバーの中心から一定の偏差で一個又はガイドバーから振り分けの位置に一定の偏差で二個設けられる請求項1のソーチェンの研磨機。
【請求項3】
基体に傾動可能な回動板が取り付けられ、回動板に軸受筒が取り付けられている請求項1又は2のソーチェンの研磨機。
【請求項4】
軸受筒がガイドバー側に所定の傾倒角で取り付けてある請求項1〜3いずれかのソーチェンの研磨機。
【請求項5】
回転手段が砥石軸に固定される手回し用のハンドルである請求項1〜4いずれかのソーチェンの研磨機。
【請求項6】
回転手段が砥石軸上端に接続される正逆回転可能な減速機付きモータである請求項1〜4いずれかのソーチェンの研磨機。
【請求項7】
軸受筒が二個設けられるものであり、砥石軸が挿入される軸受筒とは別の軸受筒にガイド棒が挿入されており、減速機付きモータが把手が付いた保持体に保持され、保持体がガイド棒に嵌合可能である請求項6のソーチェンの研磨機。
【請求項8】
基体を傾動可能に支持する支持脚が押しネジに取り付けられている請求項1〜7いずれかのソーチェンの研磨機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、チェンソーの刃具であるソーチェンの切刃をチェンソー本機に取り付けたままで研磨できるソーチェンの研磨機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ソーチェンも、使用に伴って摩耗するから、切れ味を回復させるために研磨する必要がある。ソーチェンの研磨は、ソーチェンをチェンソー本機に取り付けたままで丸棒ヤスリのようなもので一刃ずつ研磨するのが一般的であるが、これらは手作業であることから、上手に研磨するためには相当の熟練を要す。また、研磨するに従って各切刃の形状が不揃いになり、ついにはバランスを崩して切断不能になることもある。
【0003】
このため、ヤスリ又はグラインダーをソーチェンに対して相対的に固定して機械的に研磨を行う研磨機が案出されている。この研磨機には、ソーチェンをチェンソー本機(以下、本機)から取り外して研磨台等に取り付け、この状態で研磨を行うものと、ソーチェンを本機に取り付けたままで研磨を行うものとがある。前者のものは、正確な研磨ができる反面、取付け、取外し作業が面倒であるし、現場で研磨を行うことができない。一方、後者のものは、簡便ではあるものの、セットが難しかったり、研磨時、ソーチェンが動いたりして正確な研磨ができないといったことがある。
【0004】
下記特許文献1及び2に示されるものは、後者の研磨機であり、特許文献1のものは、円形砥石を傾斜した縦平面内で回転させて研磨を行うものであるが、円形砥石がどのように切刃に作用するのかが示されていない。特に、円形砥石を縦平面内で回転させる場合、横刃と上刃を同時に研磨するのは難しい。特許文献2のものは、円形砥石を傾斜した横平面内で回転させるため、横刃と上刃を同時に研磨できるが、これは、定盤のような平面の上でガイドバーを脚部で支えるようになっており、使用現場で簡単に研磨することはできない。
【0005】
加えて、いずれの先行例のものも、多くの部材からなる複雑な構造をしている上、回転数の高いモータで駆動しているため、研磨速度が速くなりすぎる。研磨速度が速すぎると、小片の切刃では直ぐに焼きが戻り、切断不能になってしまう。また、モータの回転方向は一方向であるから、左切刃と右切刃とでは、円形砥石が一方には食込み勝手になって危険でもある。
【特許文献1】特開昭61−056819号公報
【特許文献2】特開平10−128619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような課題を解決するものであり、要するに、本機の姿勢や状態にかかわらず、ソーチェンを本機に取り付けたままで簡便に、しかも、正確に研磨できるようにしたものである。加えて、左右の切刃に都合のよい方向に回転でき、しかも、焼きが戻ることのない最適な研磨速度を確保するとともに、併せて簡単な構造で低コスト化を達成したものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題の下、本発明は、請求項1に記載した、ソーチェンの切刃の横刃と上刃を研磨するソーチェンの研磨機であり、この研磨機が、ソーチェンを外周に装着したガイドバーを中に通して水平方向の押しネジでガイドバーに任意の角度で固定される基体と、基体に平行又は一定角度傾けて縦設される軸受筒と、回転手段が設けられて軸受筒に回転可能に挿入される砥石軸と、砥石軸の軸受筒から覗いている部分に取り付けられて切刃の横刃と上刃を同時に研磨する円形砥石と、からなることを特徴とするソーチェンの研磨機を基本的な構成として提供したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、この研磨機は、基体、軸受筒、砥石軸、円形砥石といった数少ない部材で構成できることになり、コスト安く製作できる。そして、この研磨機は、ソーチェンを本機に取り付けたままで、しかも、本機がどのような姿勢であっても使用できるから、使い勝手がよい。また、砥石の回転手段を適宜に選定することで、焼きを戻さない低速回転や食込み勝手を防ぐ回転方向の変更が可能であるから、最適な条件で研磨できる。もちろん、砥石として円形砥石を用いることから、砥粒付着面積が大きく、耐久性に優れるといった面はそのまま保持する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず、ソーチェンについて説明しておくと、図8はソーチェンの側面図、図9は正面断面図であるが、ソーチェン1は、ガイドバー2の周縁に摺接して回動するものであり、中心に存在するドライブリンク3の前後を挟んでカッター4とタイストラップ5とが左右に連続的に連結されたものである。そして、カッター4は、デプスゲージ6と切刃7とからなり、このうち、切刃7は、横刃7aと上刃7bとからなり、これら横刃7aと上刃7bとは、進行方向から見て丸形やフック形をしている。
【0010】
なお、アサリをつけるために、左右の横刃7aは側方に張り出している。また、切刃7において、進行方向から見てドライブリンク3の右面に取り付けられて上刃7bが左側に延びているものを左カッター4、左面に取り付けられて右側に延びているのを右カッター4と称する(以下、左又は右というときには、この見方を基準にする)。そして、ドライブリンク3は、エンジンの出力軸に嵌合されたスプロケット(図示省略)に噛み合うものであり、ガイドバー2の周面に形成された溝2aに嵌まり込んでその周縁を周回するものである。
【0011】
図1は本発明の一例を示す研磨機の正面図、図2は平面図、図3は左側面一部断面図であるが、この研磨機は、基体8、軸受筒9、砥石軸10及び円形砥石11等からなる。このうち、基体8は、中央に縦に窓12が形成された縦長部材であり、この窓12の一方側からは先端に押えカップ13aを取り付けた押しネジ13が螺入されており、押しネジ13の対向側の窓12の内面には当て材13bが設けられている。この窓12にソーチェン1を装着したガイドバー2を通し、当て材13bと押しネジ13とで挟着する。この場合、押えカップ13aは押しネジ13に対して回転可能に設けられており、押しネジ13を軽く締めた状態では、ガイドバー2はこの点を中心に回転できて基体8に対する角度(姿勢)が変更できるし、緊く締めると、姿勢が固定される。
【0012】
軸受筒9は、砥石軸10を回転可能に収容するものであって、基体8に縦設されるものである。本例の軸受筒9は、当て材13bが設けられる基体8の外側面に溶接等で固着されている。加えて、側面視で見ると基体8と平行に設けられているが、正面から見ると窓12側に傾倒角αで若干傾けられている。さらに、基体8に固定されるガイドバー2の中心から偏差Dだけ離された位置に取り付けられている(傾倒角αや偏差Dについては後述する)。
【0013】
砥石軸10は、軸受筒9に回転可能に収容されるものであり、その上部に円形砥石11が取り付けられるものである。本例の円形砥石11は、半径Rの円板体部11aの外周に断面が半円形をしている砥石部11bを下方に湾曲させたカップ砥石を用いている。この場合の砥石軸10の上部の途中にはフランジ10aが形成されており、円板体部11aを砥石軸10に挿通して(円板体部11aの中心には挿通用の孔が形成されている)フランジ10aまで降ろし、上からナット14を締めて固定している。
【0014】
加えて、円形砥石11には回転手段が設けられており、本例では、円板体部11aとナット14との間に手回し用のハンドル15を挟設している。以上の円形砥石11を取り付けた状態で砥石軸10を軸受筒9に挿入するのであるが、このとき、フランジ10aの下面が軸受筒9の上端に接するまで降下させる。なお、図示は省略するが、軸受筒9に挿入した砥石軸10は、上方に移動できないようにストップリングやピン或いは掛け金といった係止構造で止めてある。
【0015】
次いで、基体8の窓12にガイドバー2を挿入して押しネジ13で固定する。このとき、基体8はガイドバー2に対して目視で直角に取り付け(多少の違いは許される)、この状態のとき、円形砥石11はソーチェン1から若干上方に浮いてソーチェン1は円形砥石11の下を自由に移動できるようにする。なお、このことが可能なように、基体8に対する軸受筒9との高さが設定されており、窓12内で固定するガイドバー2の高さが調整される。
【0016】
次に、研磨することになるのであるが、まず、押しネジ13を少し緩めて砥石軸10をガイドバー2に対して傾け、砥石部11bが切刃7の横刃7aと上刃7bに同時に接触するようにする。次いで、押しネジ13を本締めして基体8をガイドバー2に固定する。この状態のとき、砥石軸10は傾斜角βで傾けられ、このときの傾斜角βは、横刃7aと上刃7bの切削角をa、b(a=b)とすると、a=b≒60°に設定される。
【0017】
これは、上記した基体8に取り付けられる軸受筒9のガイドバー2からの偏差Dを次のように設定することで可能になる。すなわち、軸受筒9の中心を上刃7bの刃先線の後退角c(c=a、b)と直角な法線L上に設定し、円形砥石11の半径がRであると、偏差Dは、D=R・coscで求まる。図4はこれを示す図2のA部の拡大図、図5は図4のB−B矢視図であるが、このように砥石軸10を傾斜角βで傾けると、砥石部11bはデプスゲージ6を避けて横刃7aと上刃7bの刃面に同時に接触することになる。
【0018】
以上が完了すると、ハンドル15を回して砥石部11bで横刃7aと上刃7bを同時に研磨する。このとき、切刃7を砥石部11b側に寄せることで、研磨代を確保できて研磨できるのであるが、研磨抵抗によってソーチェン1と円形砥石11とが共に逃げ気味になる。しかし、軸受筒9を上記した傾倒角αでガイドバー2側に傾けておけば、この逃げを吸収できる。なお、この場合の円形砥石11の回転方向であるが、横刃7aと上刃7bの刃面に対して刃後線の方から刃先線に向かって回転させるのが食込み勝手にならず好ましいから、この方向に回転させる。このようにして、一つの切刃7を研磨したなら、押しネジ13を少し緩めて基体8を真っ直ぐに起して次の同じ向きの切刃7を研磨位置まで送り、上記と同様な操作をして研磨する。
【0019】
切刃7の研磨位置への送り方法には、上記の他に、送り時、係止構造を外して砥石部11bが切刃7に干渉しなくなるまで砥石軸10を軸受筒9から若干抜き出してもよい。こうすると、基体8とガイドバー2の相対関係が変わらず、両者の姿勢、すなわち、精度を保てる利点がある。ところで、研磨時には、砥石部11bが上刃7bの下に潜り込むようになって上方への抜出は抑制されるから、上記した係止構造は敢えて必要ない。この係止構造が必要ないとすると、この送り方法は、操作的にも、機能的にも非常に優れたものになる。
【0020】
このようにして同じ向きのすべての切刃7を研磨したなら、押しネジ13を緩めて基体8を一旦ガイドバー2から抜き、左右の向きを変えて再びガイドバー2に挿入して固定する(図2の一点鎖線の状態)。そして、上記と同様な操作をして別の向きの切刃7の研磨を一巡すれば、研磨作業は終了する。これにより、各切刃7は、すべて同じ形状に研磨され、この間、ソーチェン1を本機から外す必要はないし、研磨代等は切刃7の状況に応じて任意に定めることができる。また、円形砥石11の研磨速度や回転方向も自由に設定できるものとなり、最適な研磨ができる。
【0021】
円形砥石11は、円板体部11aの外周に断面が半円形の砥石部11bが形成されたカップ砥石であることは上述したが、次のようなものを使用すると、研磨効果が一層高いものになる。図6はこの円形砥石11を示す要部断面図であるが、本例のものは、砥石部11bを横刃7aの刃面を研磨する円弧部11cと上刃7bの刃面を研磨する直線部11dとに形成したものである。砥石部11bの断面を完全な半円形にすると、上刃7bの刃面は凹曲面になって切削角bが鋭角化するとともに、研磨時、砥石部11bが切刃7に対して深く入り込み過ぎると、横刃7aは抉られてフック化する。この鋭角化やフック化が過ぎると、切刃7は被切削物に対して食込み勝手になり、振動の発生等、好ましくない現象が生ずる。そこで、円弧部11cと直線部11dを設けることで、これを解消できたのである。
【0022】
一方、円形砥石11の切刃7に対しての入り込みが浅い場合、横刃7aの刃先線の起立角が鈍角になってバックスロープ化し、今度は食込み不足になって切断不良を起こす。しかし、この場合でも、砥石部11bを円弧部11cと直線部11dとに形成することは、横刃7aの刃先線の鈍角化を抑制してこのバックスロープ化も防止する。研磨時、実際問題として、円形砥石11と切刃7との関係を理想の位置にはなかなか設定できないが、それでも、円弧部11cは横刃7aを研磨し、直線部11dは上刃7bを研磨することになるから、フック化やバックスロープ化は抑制される。
【0023】
図7は円形砥石11の更に別の例を示す要部断面図であるが、本例のものは、円弧部11cのうち、上刃7bの刃後線Sから円弧部11cの外周までを垂直に下げる直線降下部11eとしたものである。上記の円形砥石11では、円弧部11cによって横刃7aが多少抉られてフック化するが、直線降下部11eを設けてこれを防いだものである。横刃7aの刃先線の理想的な起立角は90°であることから、これに近づけたものである。
【0024】
図10は研磨機の別の例を示す正面図、図11は左側面一部断面であるが、本例のものは、基体8に支持軸16の回りに回動可能な回動板17を取り付け、この回動板17に軸受筒9を取り付けたものである。これによると、研磨するときに砥石軸10を倒すとき及びソーチェン1を送る際に砥石軸10を起こすとき、回動板17だけを動かせばよいから、押しネジ13を緩める必要がなくなる。
【0025】
基体8を傾動するときの押しネジ13の緩めは僅かでよいが、あまり緩めすぎると、ガイドバー2が動いてその取付け位置が狂ったりすることがある。しかし、本例のようにすると、そのようなことがなくなる。なお、回動板17は、基体8に対して固定できる必要があるから、その下部を固定ボルト18によって基体8にネジ込んで固定するようにしている。このとき、固定ボルト18が挿通する孔19を支持軸16を中心とする円弧溝19としておくと、回動板17の回動がスムーズになるし、円弧溝19の端で止まった位置で軸受筒9が傾斜角βを取るようにしておくと、傾斜角βの設定が容易になる。
【0026】
図12は研磨機の更に別の例を示す正面図、図13は左側面一部断面図であるが、本例のものは、軸受筒9が窓12を挟んだ基体8の両側にガイドバー2の中心から偏差Dの位置に二個振り分けに設けられているものである。ただし、それぞれの軸受筒9とも、上記した傾倒角αで窓12側に倒してあり、研磨時の逃げを吸収している。これによると、逆向きの切刃7を研磨するときには、係止構造を外して(係止構造が必要ないものならそのまま)砥石軸10を軸受筒9から抜き、別の軸受筒9に挿入すればよいことになる。
【0027】
この点で、基体8の向きを入り変えて再度固定する必要がなくなり、そのときに誤差が発生するの防止することができる。なお、本例では、軸受筒9を基体8に対して予め側面視で傾斜角βで傾けて取り付けており、こうすることで、基体8をガイドバー2に対して直角に固定すれば、研磨時の傾斜角βが確保できることになり、設定が容易になる。
【0028】
図14(a)(b)も研磨機の更に別の例を示す正面図、図15は左側面一部断面図であるが、本例のものは、砥石軸10を回転させる回転手段として、内蔵した電池を電源とする減速機付きモータ(以下、モータ)20を用いたものである。最近では、ネジ等を弛緩するために低速で正逆回転するものが安価で市販されているから、これに適当なアタッチメント(図示省略)を付けて砥石軸10の上端に接続する。
【0029】
この場合の研磨機は、軸受筒9が二つ付いたものが好ましく、他方の軸受筒9にガイド棒21を挿入し、モータ20を保持する保持体22をこのガイド棒21で保持するようにしてモータ20の安定性を保っている。具体的には、保持体22にガイド棒21が挿入できる孔23を形成し、この孔23をガイド棒21に挿入することで(保持体22が正規位置から下がらないようにガイド棒21に適当な受部21aを形成しておく)モータ20を保持するのである。これによると、円形砥石11はモータ20で回転できるから、省力的であるし、向きの変わった切刃7を研磨するときには、モータ20が連結された砥石軸10を軸受筒9に入れ換えるだけでよい。
【0030】
この操作をやり易くするため、砥石軸10とモータ20とを一体化しておくとともに、保持体22には把手24を付けておくのが好ましい。なお、軸受筒9は、共に傾倒角αで傾けられているから、ガイド棒21が軸受筒9から覗いて保持体22を受け入れる上部は、他の軸受筒9に平行に起立している必要がある。ところが、モータ20を入れ換えるときには、ガイド棒21も入れ換えることになるから、このとき、ガイド棒21と軸受筒9にキー嵌合等を設けて位相が一定するようにしておけば、ガイド棒21がいずれの軸受筒9に挿入される場合であっても、砥石軸10は軸受筒9に、保持体22はガイド棒21に挿入できる。
【0031】
図16も研磨機の更に別の例を示す正面図、図17は左側面一部断面図であるが、本例のものは、押しネジ13の下にもう一つ別の押しネジ26を設けるとともに、この押しネジ26と同芯の対向側に支持軸27を設け、これら押しネジ26と支持軸27とで支持されてこの回りを回動できるコ字形をした支持脚25を設けたものである。これによると、基体8の姿勢がより安定するし、ガイドバー2に対する基体8の固定がより強固になる。なお、ソーチェン1の送り等に際して基体8を起こすときには、二つの押しネジ13、26をそれぞれ少し緩め、下方の押しネジ26を中心に回動させることになる。
【0032】
この場合、押しネジ26の先端に押えカップ26aを、また、支持軸27の先端にも押えカップ26bを共に押しネジ26と支持軸27に対して回転可能に設けておくと、基体8を起こすときには、上方の押しネジ13のみを緩めればよい。したがって、押しネジ26と支持軸27とによるガイドバー2の挟圧力は低下せず、姿勢が崩れない利点がある。ただし、このとき、基体8と押しネジ26とが共廻りしなければガイドバー2の挟圧が緩んだり締まったりすることがある。そこで、基体8と押しネジ26との間にスプリング28を挿入して両者の摩擦抵抗を強めておけば共廻りが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】研磨機の正面図である。
【図2】研磨機の平面図である。
【図3】研磨機の左側面一部断面図である。
【図4】図2のA部の拡大図である。
【図5】図4のB−B矢視図である。
【図6】円形砥石の要部断面図である。
【図7】円形砥石の別の例を示す要部断面図である。
【図8】ソーチェンの側面図である。
【図9】ソーチェンの正面断面図である。
【図10】研磨機の別の例を示す正面図である。
【図11】研磨機の別の例を示す左側面一部断面図である。
【図12】研磨機の別の例を示す正面図である。
【図13】研磨機の別の例を示す左側面一部断面図である。
【図14】研磨機の別の例を示す正面図である。
【図15】研磨機の別の例を示す左側面一部断面図である。
【図16】研磨機の別の例を示す正面図である。
【図17】研磨機の別の例を示す左側面一部断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 ソーチェン
2 ガイドバー
2a 溝
3 ドライブリンク
4 カッター
5 タイストラップ
6 デプスゲージ
7 切刃
7a 切刃の横刃
7b 切刃の上刃
8 基体
9 軸受筒
10 砥石軸
10a フランジ
11 円形砥石
11a 〃 の円板体部
11b 〃 の砥石部
11c 〃 の円弧部
11d 〃 の直線部
11e 〃 の直線降下部
12 窓
13 押しネジ
13a 〃 の押えカップ
13b 〃 の当て材
14 ナット
15 手回し用のハンドル
16 支持軸
17 回動板
18 固定ボルト
19 円弧溝
20 減速機付きモータ
21 ガイド棒
21a 〃 の受部
22 保持体
23 〃 の孔
24 把手
25 支持脚
26 押しネジ
26a 〃 の押えカップ
26b 支持軸の押えカップ
27 支持軸
28 スプリング
S 上刃の刃後線
【出願人】 【識別番号】598092546
【氏名又は名称】株式会社エスケー
【出願日】 平成18年6月28日(2006.6.28)
【代理人】 【識別番号】100088993
【弁理士】
【氏名又は名称】板野 嘉男

【識別番号】100107917
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 英俊


【公開番号】 特開2008−6525(P2008−6525A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−178023(P2006−178023)