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刃部交換式切削工具 - 特開2008−6508 | j-tokkyo
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【発明の名称】 刃部交換式切削工具
【発明者】 【氏名】村 尚則

【要約】 【課題】刃部を高精度に取り付けることが可能であり、連続切削加工の条件においても、取り付け精度変化による加工精度低下のなく、高強度な刃部交換式切削工具を提供することである。

【構成】刃部1と工具本体2とを刃部固定用部材3を介して連結してなる刃部交換式切削工具において、該刃部1と該刃部固定用部材3とは、連結部7と連結部8とによって連結し、該工具本体2と該刃部固定用部材3とは、ネジ部12とネジ部9とが螺合し、該接続部6と該ガイド部13とは軸線方向と略平行に当接し、該刃部1の断面における該軸方向位置決め面5と、軸線と垂直な線とのなす角度をθ1度とし、該工具本体2の断面における該軸方向位置決め面17と、軸線と垂直な線とのなす角度をθ2度としたとき、0<θ1≦45、θ1≦θ2、であることを特徴とする刃部交換式切削工具である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃部1と工具本体2とを刃部固定用部材3を介して連結してなる刃部交換式切削工具において、該刃部1は、軸線方向位置決め面5、接続部6と該接続部6の端部に連結部7を有し、該刃部固定用部材3は、端部に連結部8、他方の端部にネジ部9を有し、該工具本体2は、端部に孔11と軸線方向位置決め面17を有し、該孔11の浅部にガイド部13、深部にネジ部12を有し、該刃部1と該刃部固定用部材3とは、連結部7と連結部8とによって連結し、該工具本体2と該刃部固定用部材3とは、ネジ部12とネジ部9とが螺合し、該接続部6と該ガイド部13とは軸線方向と略平行に当接し、該刃部1の断面における該軸方向位置決め面5と、軸線と垂直な線とのなす角度をθ1度とし、該工具本体2の断面における該軸方向位置決め面17と、軸線と垂直な線とのなす角度をθ2度としたとき、0<θ1≦45、θ1≦θ2、であることを特徴とする刃部交換式切削工具。
【請求項2】
請求項1記載の刃部交換式切削工具において、該刃部固定用部材3は高強度材料であることを特徴とする刃部交換式切削工具。
【請求項3】
請求項1、2のいずれかに記載の刃部交換式切削工具において、該刃部1に貫通孔14、該工具本体2に貫通孔15、該刃部固定用部材3に貫通孔16を有し、該貫通孔14、15、16が軸線と平行な方向に連結していることを特徴とする刃部交換式切削工具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本願発明は、刃部とそれを支持する工具本体と刃部固定用部材を含んでなる刃部交換式切削工具に関する。
【背景技術】
【0002】
刃部交換式切削工具において、刃部と工具本体とを固定する方法が特許文献1から3に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開昭64−20910号公報
【特許文献2】特表2001−505137号公報
【特許文献3】特開2006−55986号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2は、小さい寸法のフライス工具等について交換式切刃の設計上の問題点を解決する技術を開示している。即ち、切刃を有する切削ヘッドを、保持手段を介して工具本体に固定して用いる工具であり、該工具本体の端部に、内面が後方へ先細りしたテーパ状の円錐台形になっている刃部挿入孔を形成し、フック型手段によって連結された該切削ヘッドの端部と該保持手段とを、該刃部挿入孔内に固定して用いる金属切削用工具やフライス工具を提案している。しかし、このような刃部をテーパ形状の当接面のみにて位置決めする構成では、工具軸線上の刃部から工具本体方向に加わる切削背分力と切削トルクによるネジの軸力により、刃部が刃部挿入孔内のテーパ面を押し広げ、刃部の位置が工具本体方向に変動するため、切削時の加工精度が低下してしまう欠点がある。更に、切削加工時に発生する切削熱により、刃部挿入孔が膨張、開口するため、刃部が工具本体側に押し込まれ、加工精度が低下してしまう欠点がある。特許文献3に開示されている刃部交換式切削工具は、軸方向位置決め面を付加した上で、刃部挿入孔をテーパ形状当接面にて押し広げて刃部と工具本体の同軸度を保つ為、刃部の交換を繰り返すうちに刃部挿入孔の弾性力が弱まってしまい、刃部の取り付け精度が低下してしまう欠点がある。更に、切削加工時に発生する切削熱により、刃部挿入孔が膨張、開口するため、刃部の軸心が定まらず工具寿命が低下してしまう欠点がある。
そこで本願発明が解決しようとする課題は、刃部を高精度に取り付けることが可能であり、連続切削加工の条件においても、取り付け精度変化による加工精度低下のなく、高強度な刃部交換式切削工具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、刃部1と工具本体2とを刃部固定用部材3を介して連結してなる刃部交換式切削工具において、該刃部1は、軸線方向位置決め面5、接続部6と該接続部6の端部に連結部7を有し、該刃部固定用部材3は、端部に連結部8、他方の端部にネジ部9を有し、該工具本体2は、端部に孔11と軸線方向位置決め面17を有し、該孔11の浅部にガイド部13、深部にネジ部12を有し、該刃部1と該刃部固定用部材3とは、連結部7と連結部8とによって連結し、該工具本体2と該刃部固定用部材3とは、ネジ部12とネジ部9とが螺合し、該接続部6と該ガイド部13とは軸線方向と略平行に当接し、該刃部1の断面における該軸方向位置決め面5と、軸線と垂直な線とのなす角度をθ1度とし、該工具本体2の断面における該軸方向位置決め面17と、軸線と垂直な線とのなす角度をθ2度としたとき、0<θ1≦45、θ1≦θ2、であることを特徴とする刃部交換式切削工具である。この構成を採用することによって、刃部を高精度に取り付けることが可能であり、連続切削加工の条件においても、取り付け精度変化による加工精度低下のなく、且つ高強度な刃部交換式切削工具を提供することができる。
【0006】
本願発明の刃部交換式切削工具は、該刃部固定用部材3が高強度材料であることが好ましい。また、該刃部1に貫通孔14、該工具本体2に貫通孔15、該刃部固定用部材3に貫通孔16を有し、該貫通孔14、15、16が軸線と平行な方向に連結していることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本願発明により、刃部を高精度に取り付けることが可能であり、連続切削加工の条件においても、取り付け精度変化による加工精度低下のなく、高強度な刃部交換式切削工具を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1に本発明例1の刃部交換式切削工具について、部分断面形状を示す。本発明例1は1つ以上の切刃を有する刃部1と工具本体2とが刃部固定用部材3を介して連結されている。図2に刃部1を、図3に刃部固定用部材3を、図4に工具本体2を夫々図示する。図1、2に示すように、刃部1は工具本体2と接続する側の端部4に、略円柱形状を含む接続部6が形成されている。連結部7は鍵形に形成されている。また、図3に示すように、刃部固定用部材3の工具回転軸方向の一端にも連結部8が連結部7とかみ合う様に鍵形に形成されており、他端に雄ネジ部9が形成されている。一方、工具本体2には、刃部1の少なくとも接続部6と連結部7及び刃部固定用部材3を挿入する挿入孔11が形成されている。挿入孔11の深部には、刃部固定用部材3の雄ネジ部9に対応する雌ネジ部12が形成されており、挿入孔11の浅部には、該刃部1の接続部6に当接するガイド部13が形成されている。そして、鍵形をした連結部7と連結部8とを掛けることにより、刃部1と刃部固定用部材3とが工具の軸方向に連結され、雄ネジ部9を雌ネジ部12に挿入し、ネジ締めすることにより、刃部固定用部材3と刃部1とが工具本体2に固定される構造になっている。即ち、刃部1を回転させることにより、鍵形をした連結部7、8により連結された刃部固定用部材3も連動して回転し、ネジ部9、12の締め付け軸力により、刃部固定用部材3を介して、刃部1を挿入孔11に引き込み工具本体2に固定する構造となっている。
本願発明の特徴は、第1に、刃部1を、刃部固定用部材3を介して工具本体2に固定する場合、接続部6を略円柱形状とし、工具本体2の挿入孔11内に設定されたガイド部13と接続することによって、刃部1と工具本体2の軸線を同一線上に固定して、更に円周方向の位置を固定することである。こうすることによって、刃部1は、刃部1から工具本体2に加わる工具軸線に平行に働く切削背分力と、切削トルクによるネジの軸力によって、工具本体2の挿入孔11を押し広げることなく、取り付け精度が高い刃部交換式切削工具を実現できる。第2に、刃部1の端部14の外周部に設けた軸方向位置決め面5と、工具本体2の端部に設けた軸方向位置決め面17とが当接することで、刃部1の工具軸線方向の位置を固定することである。第3に、軸方向位置決め面5と、軸線と垂直な線とのなす角度をθ1度とし、軸方向位置決め面17と、軸線と垂直な線とのなす角度をθ2度としたとき、0<θ1≦45、θ1≦θ2、に設定することである。軸方向位置決め面5を、外周側に向かうにつれて工具本体2の方向に突出し、θ1値を0度<θ1≦45度、θ1≦θ2、とすることで、刃部1は、刃部1から工具本体2に加わる工具軸線に平行に働く切削背分力と、切削トルクによるネジの軸力によって、工具本体2の挿入孔11を絞り込むのことができる。こうすることによって、工具本体2の挿入孔11が押し広げられるのを妨げ、更に、円柱形状を含む接続部6とガイド部13の間に設定される取り付けにおける嵌め合いの間隙を解消し、接続部6を工具本体2の挿入孔11が締め付けて固定するため、高強度且つ取り付け精度が高い刃部交換式切削工具を実現できる。一方、θ1>45とした場合、連続使用において軸方向位置決め面5に欠損等が発生する不都合が生じる。特に、刃部1を高硬度で熱膨張係数の小さい超硬合金で作製することにより、刃部挿入孔11が切削熱により膨張開口することを妨げ、連続切削加工に使用しても、取り付け精度変化による加工精度低下のない刃部交換式切削工具を実現できて好ましい。
このように本願発明は第1、第2、第3の特徴を有しており、これらが相乗的に機能することによって、軸線方向と軸垂直方向の位置変動が少なく、格段に優れた加工精度を有した高強度な刃部交換式切削工具を実現できるのである。
【0009】
本願発明の刃部交換式切削工具は、刃部固定用部材3が、例えば熱間ダイス鋼以上の硬さを有する鋼材や高速度工具鋼等の鋼材による高強度材料であることにより、切削耐久性に優れた刃部交換式工具を実現でき好ましい。刃部1の少なくとも1部は、例えば超硬合金、サーメット、セラミックス、cBNなどの高硬度材料であることが好ましい。また、刃部1に貫通孔14、工具本体2に貫通孔15、刃部固定用部材3に貫通孔16を形成するとともに、貫通孔14、15、16を連結することにより、切刃の近傍に切削油剤や圧縮空気、オイルミスト等を刃部先端から直接供給することができ、切屑除去性と刃部冷却性に優れ、高硬度材をより高能率に切削することが可能な刃部交換式切削工具を実現でき、好ましい。本願発明の刃部交換式切削工具は、第1から第3の特徴を有するものであり、微細部分を適宜変形しても良い。また、刃部1の切刃形状を変更することにより、ドリル、リーマ等の様々な刃部交換式切削工具に適用できる。以下、本願発明の実施例の1形態を説明する。
【実施例】
【0010】
図5は本発明例2の刃部交換式エンドミルの例を示す。刃部1は工具径8mmの3枚刃ボール形エンドミル形状を有する。刃部1の材質は、WC−Co系超硬合金から作製し、アークイオンプレーティング法を用いて、(TiSi)N系皮膜の被覆処理を施した。工具本体2と刃部固定用部材3はHRC45のSKD61材から作製した。刃部1の接続部6はφ6の円柱形状とし鍵形をした連結部7を形成した。また、刃部固定用部材3は工具回転軸方向の一端に、連結部7と同様な鍵形をした連結部8を備え、その他端にM5の雄ネジ部9を形成した。一方、工具本体2の刃部挿入孔11内には、刃部1の接続部6と当接する円柱状ガイド部13における嵌め合いの間隙を8μmで浅部に形成し、深部には刃部固定用部材3の雄ネジ部9に対応するM5の雌ネジ部12を形成した。そして、連結部7と連結部8とを掛けることにより、刃部1と刃部固定用部材3とを工具の軸方向に連結し、雄ネジ部9を雌ネジ部12に挿入し、締め付けることにより、接続部6を挿入孔11内に引き込み、刃部1を工具本体2に固定する構造にした。刃部1の軸方向位置決め面5は、外周に向かうにつれて、工具本体2方向に、θ1を30度、θ2を32度に設定した。軸方向位置決め面5と軸方向位置決め面17との当接面は、外周部から接触する略相対形状にして、両者を当接させた。
【0011】
本願発明の刃部交換式切削工具の性能を確認するため、比較例3、4を作製した。比較例3、4は、本発明例2の寸法、形状を基本として特許文献1、2で開示されているテーパ型刃部交換式工具を参考に作製した。作製した本発明例2と比較例3、4を用いて、切削加工前後の工具長変化と刃部の振れ精度とを測定し、工具特性を評価した。評価方法は、切削加工前後の工具長変化を、評価工具をマシニングセンタの主軸に取り付け、加工前と、切削加工5分後、切削加工30分後で夫々工具長を測定し、寸法変化量ΔLを評価した。工具長測定部の基準となる工具先端を使用しないように肩削り加工とし、切り込み深さ量づつ掘り下げた。刃先振れ精度は、レーザー式工具径測定器を使用し、3枚の刃それぞれの工具径を測定し、そのバラツキを工具振れとして評価した。
(加工条件)
被削材:S50C
加工方法:肩削り加工
切削速度:220m/min
送り速度:2600mm/min
切り込み幅:ae=3mm
切り込み深さ:ap=1.0mm
基準の工具突き出し長さ:40mm
切削加工時間に対する工具長変化の測定結果を図6に示す。図6より、本発明例2は切削加工5分後にΔL値は4μm短くなり、30分後でも6μm短くなるのにとどまり、高精度に連続加工を行うことができた。これは、刃部1に上記の軸方向位置決め面5を形成し、軸方向位置決め面5を、外周に向かうにつれて、θ1を30度、θ2を32度に形成することにより、工具本体2に設けた刃部1の挿入孔11が、力学的及び熱的に開口することを妨げたためである。一方、比較例品3、4は、夫々、切削加工5分後にΔL値は20μmと17μm短くなり、30分後には34μm、26μmと大きく工具長が変化を示し、取り付け精度変化や加工精度低下を招いた。また表1に、図6における連続切削30分後に測定した刃部の振れ精度を示す。刃部は3枚刃であることから、夫々A刃、B刃、C刃とした。
【0012】
【表1】


【0013】
表1より、本発明例2における刃部の振れの最大値は、10μm以下に留まり、高精度に被削材を加工できた。これは、刃部1の接続部6と、工具本体2のガイド部13の間に形成される取り付けにおける嵌め合いの間隙を最小限にし、接続部6を工具本体2の挿入孔11で締め付けて固定する構造にしたためである。一方、比較例3、4は刃部が約23、32μmと大きく振れたため、高精度に加工できなかった。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明例1を正面視した部分断面図を示す。
【図2】図2は、図1に示した刃部1の部分断面図を示す。
【図3】図3は、図1に示した刃部固定用部材3の断面図を示す。
【図4】図4は、図1に示した工具本体2の断面図を示す。
【図5】図5は、本発明例2を正面視した断面図を示す。
【図6】図6は、工具長変化量ΔLを示す。
【符号の説明】
【0015】
1:刃部
2:工具本体
3:刃部固定用部材
4:刃部の端部
5:刃部の軸方向位置決め面
6:刃部の接続部
7:刃部の連結部
8:刃部固定用部材の連結部
9:刃部固定用部材の雄ネジ部
10:工具本体の端部
11:刃部固定用部材の挿入孔
12:工具本体の雌ネジ部
13:工具本体のガイド部
14:刃部の貫通孔
15:工具本体の貫通孔
16:刃部固定用部材の貫通孔
17:工具本体の軸方向位置決め面
【出願人】 【識別番号】000233066
【氏名又は名称】日立ツール株式会社
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−6508(P2008−6508A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−175976(P2006−175976)