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【発明の名称】 複合NC旋盤
【発明者】 【氏名】島 根 武

【要約】 【課題】突っ切り加工と、一次加工、二次加工を同時に重合させて行うことができるようにした複合NC旋盤を提供する。

【構成】機外の棒材供給装置46から供給される棒材45に突っ切り加工を行う位置に刃物台47を配置する。突っ切り加工を行う際に棒材45把持したまま該棒材45の回転に同調するチャック部50をいずれか一つのタレット刃物台37に設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向して配置された2つの主軸と、少なくとも2台のタレット刃物台を有する複合NC旋盤において、
機外の棒材供給装置から供給される棒材に突っ切り加工を行う位置に刃物台を配置し、突っ切り加工を行う際に該棒材を把持したまま該棒材の回転に同調するチャック部をいずれか一つのタレット刃物台に設け、前記棒材供給装置側で棒材を回転させながら、前記タレット刃物台のチャック部で棒材を把持しながら前記刃物台による突っ切り加工を行うと同時に、前記タレット刃物台の前記チャック部の反対側に取り付けられた工具による加工及び他のタレット刃物台による加工を行えることを特徴とする複合NC旋盤。
【請求項2】
前記タレット刃物台は、X軸、Y軸、Z軸の3軸に関して移動可能なメインタレット刃物台と、X軸、Z軸の少なくとも2軸に関して移動可能なサブメインタレット刃物台とからなり、前記チャック部はメインタレット刃物台に設けられることを特徴とする請求項1に記載の複合NC旋盤。
【請求項3】
前記刃物台は突っ切り加工専用の刃物台であり、前記メインタレット刃物台に隣接して切削エリア内に配置され、少なくともX軸と平行に移動可能であることを特徴とする請求項2に記載の複合NC旋盤。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複合NC旋盤に係り、特に、棒材を切断する突っ切り加工と、一次加工、二次加工を同時に行うことのできる複合NC旋盤に関する。
【背景技術】
【0002】
複合NC旋盤は、タレット刃物台に回転工具を装着しているので、通常の旋削加工の加えて、エンドミル加工、ドリル加工なと、様々な複合加工をワークに施すことができる。近年では、加工効率を高めるために、主軸およびタレット刃物台を2台づつ対向配置した複合NC旋盤や、2主軸+3タレット刃物台を備えた複合NC旋盤が開発されている。複合NC旋盤に関する従来技術としては、特許文献1がある。
【0003】
そこで、この種の複合NC旋盤(2主軸+2タレット刃物台)において、棒材供給装置から自動的に供給される棒材に一次加工及び二次加工をする加工例を図5に示す。
図5において、参照番号10はメインスピンドルを示し、12はサブスピンドルを示す。13はメインタレット、14はサブタレットを示す。
【0004】
棒材15は、メインスピンドル10を同軸に挿通するようにして、図示しない自動供給装置から供給される。メインスピンドル10はチャック16で棒材を把持し、棒材15にメインタレット13のバイトで一次加工として外形加工を行う。サブスピンドル12の方では、一次加工の終了した棒材をチャック18で把持し、サブタレット14側の工具で二次加工として加工を行う。
【0005】
ところで、メインスピンドル10で一次加工を終了した棒材15は、図6に示すようにして突っ切り加工により切断している。
図6において、サブスピンドル14側のチャック18で棒材15を把持し、メインスピンドル10とで両つかみの状態のまま棒材15を回転させ、メインタレット13側の突っ切り用工具20で突っ切り加工を行っている。突っ切り加工を終了した後は、図5に示したように、メインスピンドル10側で一次加工が、サブスピンドル12側で二次加工が行われる。
【特許文献1】特開2003−340601号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来は、突っ切り加工を行う間は、図6に示すように、メインスピンドル10とサブスピンドル12の間でチャック16、18によって両つかみ状態になるので、その間は、サブタレット14側で二次加工が行えないという問題がある。特に、棒材15が径の大きなものでは、突っ切り加工に時間を要し、ロスタイムとなって加工効率を低下させる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、突っ切り加工と、一次加工、二次加工を同時に重合させて行うことができるようにした複合NC旋盤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、本発明は、対向して配置された2つの主軸と、少なくとも2台のタレット刃物台を有する複合NC旋盤において、機外の棒材供給装置から供給される棒材に突っ切り加工を行う位置に突っ切り加工専用の刃物台を配置し、突っ切り加工を行う際に該棒材を把持したまま該棒材の回転に同調するチャック部をいずれか一つのタレット刃物台に設け、前記棒材供給装置側で棒材を回転させながら、前記タレット刃物台のチャック部で棒材を把持しながら突っ切り加工を行うと同時に、前記タレット刃物台の前記チャック部の反対側に取り付けられた工具による加工及び他のタレット刃物台による加工を行えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、タレット刃物台とは別に突っ切り加工を行う刃物台を設け、タレット刃物台のチャック部で棒材を把持しながら突っ切り加工を行えるようにしているので、突っ切り加工に主軸が占有されてしまうことがないので、突っ切り加工と、一次加工、二次加工を同時に重合させて行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明による複合NC旋盤の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態による複合NC旋盤の概略平面図である。この複合NC旋盤では、第1の主軸台30と第2の主軸台32がベッド31上に対向して配置されている。この複合NC旋盤では、直線軸がX軸、Y軸、Z軸である。第1主軸台30は、ベッド31上に固定されている。第2主軸台32は、X軸方向、Z軸方向に移動自在に設置されている。第1主軸台30は、メインスピンドル33を有しており、このメインスピンドル33の回転位置を制御するのがC1軸である。このメインスピンドル33の先端部にはチャック34が装着されており、メインスピンドル33で一次加工が施されるワークW1を把持する。第2主軸台30は、サブスピンドル35を有し、直線軸がX3軸、Z3軸、回転軸がC2軸である。このサブスピンドル35の先端には、二次加工が施されるワークW2を把持するチャック36が装着されている。
本実施形態の複合NC旋盤は、2台のタレット刃物台が配設されている旋盤である。図1において、参照番号37は、第1のタレット刃物台を示し、参照番号38は第2のタレット刃物台を示している。第1タレット刃物台37と第2タレット刃物台38のY軸方向中間に、第1主軸台30、第2主軸台32が配置されている。
【0011】
第1タレット刃物台37は、Z軸と平行な旋回軸T2回りに旋回するメインタレットヘッド39を備えている。この第1タレット刃物台37は、X1軸、Y1軸、Z1軸の3軸を制御軸として、上下、前後、左右方向に移動自在に構成されている。同様に、第2タレット刃物台38は、Z軸と平行な旋回軸T2回りに旋回するサブタレットヘッド40を備え、X2軸、Y2軸、Z2軸の3軸を制御軸として、上下、前後、左右方向に移動自在に構成されている。
【0012】
メインタレットヘッド39、サブタレットヘッド40は、円周方向に等分した複数箇所に各種ツールホルダを装着可能である。図1では、メインタレットヘッド39では180度対称な位置にあるツールホルダ41、42が図示されている。サブタレットヘッド40ではツールホルダ43が図示されている。
【0013】
図1において、参照番号45は、棒材を示す。この棒材45は棒材供給装置46から供給される。参照番号47は、棒材供給装置46から供給される棒材に突っ切り加工を行う刃物台を示す。この実施形態では、刃物台47は、突っ切り加工専用の刃物台であり、突っ切り工具48が取り付けられている。この刃物台47をX軸と平行な方向に移動させるのがE軸である。刃物台47は、メインスピンドル33、サブスピンドル35のワークW1、W2に対する一次加工、二次加工を行う位置とは離れた位置に設置されている。
【0014】
棒材45の先端部は、メインタレットヘッド39のツールホルダ41に装着されているピックオフチャック50によって把持されるようになっており、このピットオフチャック50は、棒材45を把持した状態のまま棒材45の回転に同調して連れ回りすることができるチャックである。棒材供給装置46は、棒材回転機構51を備えており、棒材45を突っ切り加工に必要な回転数で回転させることができるようになっている。
【0015】
本実施形態による複合NC旋盤は、以上のように構成されるものであり、次に、その作用について説明する。
【0016】
本実施形態による複合NC旋盤では、図2に示すように、棒材45に対する突っ切り加工と、メインスピンドル33側でのワークW1に対する一次加工およびサブスピンドル35側でのワークW2に対する二次加工との3重合加工を行うことができる。
【0017】
図2では、メインタレットヘッド39にはツールホルダとして、ダブルリボルビングユニット52が取り付けられており、エンドミル54、55がZ軸と平行で相反する向きに装着されている。サブタレットヘッド40にはツールホルダとして、ダブルターニングホルダ56が取り付けられ、バイト57、58が装着されている。
【0018】
そこで、第1タレット刃物台37を図2に示す位置に移動させる。この位置で、メインタレットヘッド39のピックオフチャック50で棒材45の先端を把持する。メインスピンドル33とサブスピンドル35は、はす向かいに向き合った位置にある。
【0019】
そして、棒材供給装置46の棒材回転機構51を起動し、棒材45を所定の回転数で回転させると、棒材45はピックオフチャック50で把持されたまま回転する。このとき刃物台47をE軸で送り、棒材45の半径方向に突っ切り工具48で切り込むことで突っ切り加工が行われる。
【0020】
この突っ切り加工と同時に、メインスピンドル33によりワークW1を回転させ、サブタレットヘッド40のバイト57をX2軸、Z2軸で送りながら、ワークW1を旋削し、外径加工を行うことができる。
さらに、これらの加工と並行させて、サブスピンドル35のワークW2に対しては、メインタレットヘッド39のエンドミル55で内径加工を行うことができる。
【0021】
以上のようにして、突っ切り加工を行うと同時に、ワークW1の一次加工とワークW2の二次加工との3重合加工を実現することができる。
【0022】
突っ切り加工が終了すると、切断された棒材はピックオフチャック50に把持されたまま、図3で示す加工に移行する。
この図3では、サブスピンドル35をメインスピンドル33と同軸上で対向する位置まで移動させ、メインタレットヘッド39ではダブルリボルビングユニット52の2本のエンドミル54、55を同時に使って、それぞれワークW1とワークW2に内径加工を行う。このとき、ワークW1に対しては、エンドミル54による内径加工と同時に、サブタレットヘッド40のターニングホルダ60に取り付けたバイト61により外径加工を行う。
【0023】
以上のようにして、ワークW2の二次加工が終了すると、ワークW2は、サブスピンドル35のチャック36から抜き取られる。そして、サブスピンドル35のチャック36でワークW1を把持し、メインスピンドル33のチャック34の把持状態を解除し、ワークW1に二次加工をするためにサブスピンドル35に付け替えることができる。
【0024】
その後、メインタレットヘッド39が旋回して、前述した突っ切り加工で切断した棒材をメインスピンドル33のチャック34に挿入する動作を行い、以後、突っ切り加工された棒材は図2、図3の順序で一次加工、二次加工が繰り返される。
【0025】
なお、図4は、突っ切り加工をした後の他の加工例を示す図である。この図4では、メインタレットヘッド39では、ターニングホルダ62が割り出される。そして、メインスピンドル33により回転されるワークW1には、メインタレットヘッド39側のバイト63と、サブタレットヘッド側のバイト57で同時に外径加工が行われる。サブスピンドル35により回転されるW2には、サブタレット側のバイト58で外径加工が行われる。
【0026】
以上、本発明について、好適な実施形態を挙げて説明したが、図2乃至図4の加工は、加工の一例であって、メインタレットヘッド33、サブタレットヘッドには、様々なツーリングバリエーションがあるので、最適な組み合わせにより所望の一次加工、二次加工が可能である。また、実施形態では、2主軸+2タレット刃物台の旋盤を例に挙げているが、2主軸+3タレット刃物台の旋盤にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明による複合NC旋盤の一実施形態を示す概略平面図。
【図2】同複合NC旋盤における突っ切り加工例の動作説明図。
【図3】同複合NC旋盤における加工動作の説明図。
【図4】同複合NC旋盤における加工動作の説明図。
【図5】従来の複合NC旋盤の加工動作の説明図。
【図6】従来の複合NC旋盤での突っ切り加工動作の説明図。
【符号の説明】
【0028】
30 第1主軸台
31 ベッド
32 第2主軸台
33 メインスピンドル
35 サブスピンドル
37 第1タレット刃物台
38 第2タレット刃物台
39 メインタレットヘッド
40 サブタレットヘッド
45 棒材
46 棒材供給装置
47 刃物台
48 突っ切り工具
50 ピックオフチャック
【出願人】 【識別番号】000137856
【氏名又は名称】株式会社ミヤノ
【出願日】 平成18年7月18日(2006.7.18)
【代理人】 【識別番号】100075812
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢次

【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之

【識別番号】100096895
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 淳平

【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁


【公開番号】 特開2008−23611(P2008−23611A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−195640(P2006−195640)