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主軸装置およびその組立方法 - 特開2008−23606 | j-tokkyo
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【発明の名称】 主軸装置およびその組立方法
【発明者】 【氏名】吉村 辰浩

【要約】 【課題】圧力間隙内への空気の混入を防止して、主軸にロータをスムースに締りばめすることのできる主軸装置およびその組立方法を提供する。

【構成】主軸装置は、隙間ばめ位置32および締りばめ位置33が軸方向に並んで設けられている主軸11と、隙間ばめ位置32で隙間ばめされるとともに、締りばめ位置33で締りばめされる筒状ロータ12とを備えている。ロータ12が隙間ばめ位置32に位置させられた状態で、主軸11およびロータ12間に密閉状圧力間隙51が形成される。ロータ12周壁に、これを内外に貫通して圧力間隙51に連通しうるように油供給通路53が形成されている。油供給通路53に逆止弁56が備えられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隙間ばめ位置および締りばめ位置が軸方向に並んで設けられている主軸と、隙間ばめ位置で隙間ばめされるとともに、締りばめ位置で締りばめされる筒状ロータとを備えており、ロータが隙間ばめ位置に位置させられた状態で、主軸およびロータ間に密閉状圧力間隙が形成され、ロータ周壁に、これを内外に貫通して圧力間隙に連通しうるように油供給通路が形成されており、油供給通路に逆止弁が備えられている主軸装置。
【請求項2】
請求項1に記載の主軸装置において、主軸の隙間ばめ位置にロータを位置させ、逆止弁を介して圧力間隙に油を充填し、圧力間隙内に、ロータの径が締りばめの締め代相当分拡大させうる圧力を発生させるようにロータを押動して、ロータを隙間ばめ位置から締りばめ位置まで移動させる組立方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、工作機械の主軸装置およびその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の主軸装置としては、隙間ばめ位置および締りばめ位置が軸方向に並んで設けられている主軸と、隙間ばめ位置で隙間ばめされるとともに、締りばめ位置で締りばめされる筒状ロータとを備えており、ロータが隙間ばめ位置に位置させられた状態で、主軸およびロータ間に密閉状圧力間隙が形成され、ロータ周壁に、これを内外に貫通して圧力間隙に連通しうるように油供給通路が形成されているものが知られている。
【0003】
この主軸装置の組立に際しては、主軸の隙間ばめ位置にロータを位置させ、油供給通路を介して圧力間隙に油を充填し、プラグによって油供給通路を閉鎖し、圧力間隙内に、ロータの径が締りばめの締め代相当分拡大させうる圧力を発生させるようにロータを押動して、ロータを隙間ばめ位置から締りばめ位置まで移動させるようにしている。
【0004】
上記組立方法において、ロータを押動すると、圧力間隙内の容積が減少させられようとするが、圧力間隙は油が充満されているため、その容積は減少させられることはなく、押動力がロータに作用してロータの径が拡大される。これにより、主軸にロータがスムースに締りばめされることになる。このことは、圧力間隙内が油で完全に満たされていて、初めて可能である。
【0005】
ところが、プラグによって油供給通路を閉鎖する際に、油供給通路を通じて、圧力間隙内に空気が混入することがある。圧力間隙内に空気が混入していると、押動に際し、空気が圧縮されるため、押動力がロータに作用させられず、ロータの径が拡大されることがない。そのため、締りばめに際して、主軸とロータが金属接触し、摩耗粉が両者の間に挟まって主軸の振れ精度が悪くなる。最悪の場合、主軸とロータが焼き付けを起こして分解不能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的は、主軸にロータをスムースに締りばめすることのできる主軸装置およびその組立方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による主軸装置は、隙間ばめ位置および締りばめ位置が軸方向に並んで設けられている主軸と、隙間ばめ位置で隙間ばめされるとともに、締りばめ位置で締りばめされる筒状ロータとを備えており、ロータが隙間ばめ位置に位置させられた状態で、主軸およびロータ間に密閉状圧力間隙が形成され、ロータ周壁に、これを内外に貫通して圧力間隙に連通しうるように油供給通路が形成されており、油供給通路に逆止弁が備えられているものである。
【0008】
上記主軸装置の組立に際しては、主軸の隙間ばめ位置にロータを位置させ、逆止弁を介して圧力間隙に油を充填し、圧力間隙内に、ロータの径が締りばめの締め代相当分拡大させうる圧力を発生させるようにロータを押動して、ロータを隙間ばめ位置から締りばめ位置まで移動させるようにすればよい。
【0009】
この発明による主軸装置およびその組立方法では、逆止弁を介して圧力間隙に油を供給した後に、油供給通路をプラグ等で閉鎖しなくても、逆止弁によって油供給通路は自動的に閉鎖されるから、油供給通路を通じて圧力間隙に空気が混入する心配がない。したがって、主軸にロータをスムースに締りばめをすることができる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、圧力間隙内への空気の混入を防止することができ、主軸にロータをスムースに締りばめをすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明の実施の形態を図面を参照しながらつぎに説明する。
【0012】
図1を参照すると、主軸11、これを駆動するためのモータを構成する筒状ロータ12および主軸11にロータ12を圧入するための押動手段である油圧ジャッキ13が示されている。
【0013】
主軸11には、ロータ12を隙間ばめする隙間ばめ位置およびロータ12を締りばめする締りばめ位置が設けられている。図1において、ロータ12は、隙間ばめ位置に位置させられている。
【0014】
主軸11は、一直線上連なった右半体21および左半体22よりなる。右半体21にロータ12がはめ被せられている。
【0015】
図2に詳細に示すように、右半体21には、小径部31、中径部32および大径部33が右から順に連なるように設けられている。小径部31外面には環状内Oリング溝34が形成されており、これに、内Oリング35が挿入されている。小径部31および中径部32の境界には内段部36が設けられている。中径部32および大径部33の外面境界には環状連通溝37が形成されている。
【0016】
ロータ12には、右小径部41、右大径部42、左小径部43および左大径部44が右から順に連なるように設けられている。右小径部41内面は、内Oリング35外周に摺接させられている。右小径部41および右大径部42の内面境界には左内向きテーパ状傾斜段部45が設けられている。右大径部42および左小径部43の内面境界には第1外段部46が、左小径部43および左大径部44の内面境界には第2外段部47がそれぞれ設けられている。左大径部44内面には環状外Oリング溝48が形成されており、これに、外Oリング49が挿入されている。外Oリング49の内周は、主軸大径部33外面に摺接させられている。
【0017】
内Oリング33および外Oリング49間における主軸11外面およびロータ12内面間の間隙が圧力間隙51となされている。ロータ12周壁には、圧力間隙51にそれぞれ連通しかつロータ12周壁を内外に貫通するように空気抜き通路52および油供給通路53が形成されている。空気抜き通路52は、プラグ54によって閉鎖されている。油供給通路53には油供給パイプ55が接続されている。油供給パイプ55の接続端には逆止弁56が備えられている。
【0018】
油圧ジャッキ13は、ロータ12の右端面に当接させられた外筒61と、外筒61に摺動自在にはめ入れられかつ主軸11の右端部を挟持している内筒62とを備えている。内筒62に形成された油圧回路63を通じて、外筒61および内筒62間に圧力油が供給され、これにより、外筒61がロータ12を左方に押動するようになっている。この押動によってロータ12が左方に移動させられると、ロータ12の右小径部41が内Oリング35より左方に突出させられた長さが大きくなる。これは、圧力間隙51の容積を減少させようとするように作用する。
【0019】
主軸11にロータ12を圧入する手順を説明する。まず、圧力間隙51内に油を充満させる。空気抜き通路52からプラグ54を抜いて、空気抜き通路52を大気に開放する。油供給通路53に油供給パイプ55を接続する。油供給パイプ55を通じて圧力間隙51に油を供給する。このときの油の圧力は、大気圧よりやや大きい程度でよい。供給される油は、逆止弁56を通って圧力間隙51内に流入する。圧力間隙51内に溜まっていた空気は、空気抜き通路52を通じて圧力間隙51から排出される。圧力間隙51内の空気が完全に排出されると、プラグ54で空気抜き通路52を閉鎖する。このときも、油供給パイプ55は、油供給通路53に接続したままにしておく。このようにするこにより、油供給通路53を通じて、圧力間隙51に空気が混入することを完全に防止できる。
【0020】
ついで、油圧ジャッキ13に圧力油を供給すると、外筒61がロータ12を左向きに押動する。ロータ12が左向きに移動すると、上記した通り、ロータ12の右小径部41の突出長さが大きくなり、その分、圧力間隙51の容積が減少させられようとするが、圧力間隙51には油が充満させられているため、その容積は減少させられない。逆止弁56によって、油供給通路53を通じて油が逆流することも阻止される。これにより、圧力間隙51の容積が減少させられようとする分、圧力間隙51内には圧力が発生させられる。この圧力によって、ロータ12の径が締りばめの締め代相当分拡大させられる。
【0021】
ロータ12の径が拡大させられた状態で、ロータ12が左向きに移動させられると、ロータ右小径部41が主軸中径部32に嵌合させられるとともに、ロータ左小径部43が主軸大径部33に嵌合させられる。この嵌合は、ロータ12の径が拡大させられていることにより、極めて、スムースに行われる。この嵌合が終了すると、空気抜き通路52からプラグ54を抜き去るとともに、油供給パイプ55を油供給通路53から取り外し、圧力間隙51内の圧力を開放すると、ロータ12の径が元の大きさとなって、同嵌合部が圧入された状態となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明による主軸11組立構成体の縦断面図である。
【図2】図1の要部を拡大して示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0023】
11 主軸
12 ロータ
13 ジャッキ
51 圧力間隙
53 油供給通路
56 逆止弁
【出願人】 【識別番号】000149066
【氏名又は名称】オークマ株式会社
【出願日】 平成18年7月18日(2006.7.18)
【代理人】 【識別番号】100083149
【弁理士】
【氏名又は名称】日比 紀彦

【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助

【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 彰

【識別番号】100069338
【弁理士】
【氏名又は名称】清末 康子


【公開番号】 特開2008−23606(P2008−23606A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−195400(P2006−195400)