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素材保持装置 - 特開2008−12629 | j-tokkyo
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【発明の名称】 素材保持装置
【発明者】 【氏名】菅原 慎吾

【氏名】一言 大輔

【要約】 【課題】全ての爪部材の交換するという煩雑な作業を行うことなく、異なる2つの素材を保持できる素材保持装置を提供する。

【構成】本発明装置は、軸線Oの周りに間隔を空けて配置した複数の爪部材1,2を備え、当該爪部材1,2の先端で異なる2つの素材11,12の保持及び解放を行う素材保持装置である。本装置は、素材11を保持するための寸法の長い第一爪部材1と、素材12を保持するための、寸法の短い第二爪部材2と、第一爪部材1及び第二爪部材2を軸線Oの周りに交互に保持するベース3を備え、このベース3に、第一爪部材1を取り外し可能に保持する台座部3aを設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定した軸線の周りに間隔を空けて配置した複数の爪部材を備え、当該爪部材の先端で異なる2つの素材の保持及び解放を行う素材保持装置であって、
前記素材保持装置は、一方の素材を保持するための第一爪部材と、他方の素材を保持するための、前記第一爪部材よりも寸法の短い第二爪部材と、前記第一爪部材及び前記第二爪部材を前記軸線の周りに交互に保持するベースとを備え、このベースに、前記第一爪部材を取り外し可能に保持する台座部を設けたことを特徴とする素材保持装置。
【請求項2】
前記台座部は、前記第二爪部材と同形の第三爪部材を着脱可能に保持するものである、請求項1に記載の素材保持装置。
【請求項3】
前記第一爪部材は、外径の小さな素材を保持し、前記第二爪部材は、外径の大きな素材を保持するものである、請求項1又は2に記載の素材保持装置。
【請求項4】
前記素材が自動変速機用のプーリである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の素材保持装置。
【請求項5】
前記ベースに、前記プーリの背面に当接して当該プーリの位置決めを行う位置決め部位を設けた、請求項4に記載の素材保持装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
予め設定した軸線の周りに間隔を空けて配置した複数の爪部材の先端で異なる2つの素材を保持及び解放するための素材保持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
素材保持装置としては、例えば、自動変速機用のプーリを素材として切削加工する際に用いられるものがある(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−271827号公報
【0003】
一方、生産ライン上では、1つのラインに2種類の素材を供給する場合があるが、素材の種類が異なることにより、素材を保持する爪部材を変更しなければならないことがある。
【0004】
このため、こうした従来の装置では、例えば、図7(a)に示す一方の素材21では、爪部材10を軸線Oの周りに間隔を空けて3つ配置し、これら3つの爪部材10で保持する一方、図7(b)に示す他方の素材22では、爪部材10と異なる爪部材20を軸線Oの周りに間隔を空けて6つ配置し、これら6つの爪部材20で保持することがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来装置では、保持する素材を素材22から素材21に変更した場合、図7(b)に示す6つの爪部材20全てを取り外した後、3つの爪部材10を図7(a)に示すように取り付ける必要がある。即ち、1回の段取りに、爪部材20の取り外しを6回行った後、爪部材10の取り付けを3回行う必要があり、切換作業が煩雑である。
【0006】
同様に、保持する素材を素材21から素材22に変更した場合、図7(a)に示す3つの爪部材10全てを取り外した後、6つの爪部材20を図7(b)に示すように取り付ける必要がある。即ち、1回の段取りに、爪部材10の取り外しを3回行った後、爪部材20の取り付けを6回行う必要があり、切換作業が煩雑である。
【0007】
本発明の解決すべき課題は、こうした事実認識に基づいてなされたものであり、初めに所望する爪部材を選定して段取りを行えば、その後に、全ての爪部材の交換するという煩雑な作業を行うことなく、異なる2つの素材を保持することができる素材保持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、予め設定した軸線の周りに間隔を空けて配置した複数の爪部材を備え、当該爪部材の先端で異なる2つの素材の保持及び解放を行う素材保持装置であって、前記素材保持装置は、一方の素材を保持するための第一爪部材と、他方の素材を保持するための、前記第一爪部材よりも寸法の短い第二爪部材と、前記第一爪部材及び前記第二爪部材とを前記軸線の周りに交互に保持するベースとを備え、このベースに、前記第一爪部材を取り外し可能に保持する台座部を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明において、前記台座部は、前記第二爪部材と同形の第三爪部材を着脱可能に保持するものであることが好ましい。
【0010】
本発明において、前記第一爪部材は、外径の小さな素材を保持し、前記第二爪部材は、外径の大きな素材を保持するものとすることができる。
【0011】
更に、本発明は、角材、棒材等の様々な外観形状の素材に対応させることができ、例えば、自動変速機用のプーリを素材とすることもできる。この場合、前記ベースには、前記プーリの背面に当接して当該プーリの位置決めを行う位置決め部位を設けることが好ましい。
【0012】
なお、本発明において、異なる2つの素材を保持及び解放するとは、本来の意味である異なる2つの素材を保持及び解放することにのみに限定されることなく、同一の素材のうちの異なる部位を保持及び解放することも含む。即ち、本発明において、第一爪部材と第二爪部材とが保持及び解放するものは、同一の素材上に存在する部位でも、異なる2つの素材上にそれぞれ別個に存在する部位でもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、初めに所望する第一爪部材及び第二爪部材を選定して段取りを行えば、その後に、全ての爪部材の交換するという煩雑な作業を行うことなく、異なる2つの素材を保持することができ、汎用性の高い素材保持装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に従うチャック装置を詳細に説明する。
【0015】
先ず図1は、本発明に従うチャック装置の第一の形態を示す正面図であり、図2,3はそれぞれ、第一の形態で一方の素材である第一プーリ11を保持する前の状態と後の状態を図1のX−X断面から示す要部断面図である。
【0016】
また、図4,5はそれぞれ、同チャック装置の第二の形態を示す正面図及び、この形態で他方の素材である第二プーリ12を保持した状態を図3のY−Y断面から示す要部断面図である。
【0017】
図1において、符号1は、第一プーリ11を保持するための寸法の長い第一爪部材であり、符号2は、第二プーリ12を保持するための、第一爪部材1よりも寸法の短い第二爪部材である。第一爪部材1と第二爪部材2とはそれぞれ、ベース3に予め設定した軸線Oの周りに交互に3個ずつ計6個配置されている。また、第一爪部材1及び第二爪部材2の先端には、互いに相似形の湾曲した保持面1f,2fを有する。
【0018】
ベース3は、図3に示すように、第一爪部材1及び第二爪部材2をボルトにより固定するための台座部3aを備える。台座部3aには、ボルトB1及びボルトB2により、第一爪部材1及び第二爪部材2をそれぞれ着脱可能に保持する保持面f1,f2が形成されている。保持面f1は、第一爪部材1及び第二爪部材2よりも幅狭で第一爪部材1及び第二爪部材2を軸線Oに沿った突き当て方向に保持し、保持面f2は、第一爪部材1及び第二爪部材2よりも軸線Oに沿った高さが低く第一爪部材1及び第二爪部材2を径方向内側に保持する。これにより、第一爪部材1及び第二爪部材2はそれぞれ、保持面f1,f2に対してそれぞれボルトB1及びボルトB2を緩めて外すことにより、台座部3aから取り外すことができる一方、ボルトB1及びボルトB2を締めることにより、台座部3aに固定することができる。
【0019】
台座部3aには、ダイヤフラム部3bが一体に繋がる。ダイヤフラム部3bは、その一方が筒状部3cに一体に繋がる一方、その他方は、筒状部3cに当接する自由端をなす。ダイヤフラム部3bと筒状部3cとの相互間には、筒状部3cの外面に沿ってスライド可能なピストン3dが設けられている。このピストン3dの先端は、ダイヤフラム部3bの自由端付近に当接する。
【0020】
これにより、図3に例示するように、ピストン3dが爪部材側にスライドしない状態では、ダイヤフラム部3bの自由端が筒状部3cに当接したままであるので、第一爪部材1及び第二爪部材2は、径方向(軸線Oと直交する方向)内側に収縮してプーリ等の素材を保持することができる。これに対し、図2に例示するように、ピストン3dが爪部材側にスライドすると、ピストン3dがダイヤフラム部3bを径方向外側に押し開くので、第一爪部材1及び第二爪部材2はそれぞれ、径方向外側に拡張してプーリ等の素材の取り付け又は保持したプーリ等の素材の解放を可能にする。
【0021】
更に、ベース3には、第一プーリ11の背面11bに当接して当該第一プーリ11の軸線O方向に対する位置決めを行う第一突起(位置決め部位)3eと、第二プーリ12の背面12b2に当接して当該第二プーリ12の軸線O方向に対する位置決めを行う第二突起(位置決め部位)3fとが設けられている。
【0022】
次に、図1〜5を参照して、本発明に従い素材11,12を保持する方法を説明する。
【0023】
第一プーリ11のシーブ面11aを切削・研磨するにあたり、第一プーリ11を保持するときは、図1に示すように、第一爪部材1と、第二爪部材2とを軸線Oの周りに交互に配置したまま、第一プーリ11を取り付ける。
【0024】
詳細には、先ず、図2に示すように、ベース3内のピストン3dを第一プーリ11側にスライドさせてダイヤフラム部3bを径方向外側に押し開くことにより、第一爪部材1及び第二爪部材2の全てを径方向外側に拡張しておく。これにより、第一プーリ11をベース3の中空部R内に差し込めるようになる。
【0025】
次に、図2の矢印に示す方向から、第一プーリ11を、その背面11bが第一突起3eに当接するまでベース3に差し込む。これにより、第一プーリ11は、ベース3に対してその軸線O方向に沿った適正な位置、即ち、素材11の円筒部11cが第一爪部材1の保持面1fと対向する位置に位置決めされる。
【0026】
この後、図3に示すように、ベース3内のピストン3dを第一プーリ11から離れる側にスライドさせてダイヤフラム部3bを径方向内側に収縮させれば、第一爪部材1及び第二爪部材2の全てが径方向内側に収縮して元の位置(ダイヤフラム部3bの自由端が筒状部3cに当接する位置)まで復帰しようとする。これにより、寸法の長い3つの第一爪部材1の保持面1fで外径の小さな円筒部(小径部)11cを保持することができる。
【0027】
これに対し、第二プーリ12のシーブ面12aを切削・研磨するにあたり、第二プーリ12を保持するときは、3つの第一爪部材1のボルトB1,B2をそれぞれ緩めて取り外し、図4に示すように、3つの第一爪部材1に代えて新たに3つの第二爪部材2と同形の第三爪部材をそれぞれボルトB1,B2で締め付けて固定する。即ち、3つの第一爪部材1をそれぞれ第二爪部材2と同形の第三爪部材に交換し、実質、6個の第二爪部材2を軸線Oの周りに配置した状態で第二プーリ12を取り付ける。
【0028】
詳細には、先ず、図2に例示した場合と同様、ピストン3dをスライドさせてダイヤフラム部3bを押し開くことにより、実質上6つの第二爪部材2(図2では第一爪部材1に相当。)の全てを径方向外側に拡張しておく。これにより、第二プーリ12をベース3の中空部R内に差し込めるようになる。
【0029】
次に、図5に示すように、第二プーリ12を、その背面12b1,12b2が第一突起3e及び第二突起3fに当接するまでベース3に差し込む。これにより、第二プーリ12は、ベース3に対してその軸線O方向に沿った適正な位置、即ち、第二プーリ12のシーブ面外径部12dが第二爪部材2の保持面2fと対向する位置に位置決めされる。
【0030】
この後、第一プーリ11の場合と同様、ピストン3dをスライドさせてダイヤフラム部3bを収縮させれば、実質上6つの第二爪部材2の全てが元の位置まで復帰しようとする。これにより、寸法の短い実質上6つの第二爪部材2の保持面2fにより、第一プーリ11の円筒部11cよりも外径の大きなシーブ面外径部12dを保持することができる。
【0031】
即ち、本発明に従う装置では、保持する素材を第二プーリ12から第一プーリ11に変更した場合、図6(b)の模式図に示す6つの第二爪部材1のうち、3つの第二爪部材1を取り外した後、3つの第一爪部材1を図6(a)の模式図に示すように取り付ける。即ち、1回の段取りに、第二爪部材2の取り外しを3回行った後、第一爪部材1の取り付けを3回行うため、従来と比べて第二爪部材2の取り外し回数が3回に軽減されている。
【0032】
同様に、保持する素材を第一プーリ11から第二プーリ12に変更した場合、図6(a)に示す3つの第一爪部材1全てを取り外した後、3つの第二爪部材2を図6(b)に示すように取り付ける。即ち、1回の段取りに、第一爪部材1の取り外しを3回行った後、第二爪部材2の取り付けを3回行うため、従来と比べて第二爪部材2の取り付け回数が3回に軽減されている。
【0033】
従って、本発明によれば、初めに所望する第一爪部材1及び第二爪部材2を選定して段取りを行えば、その後に、爪部材1,2全てを交換するという煩雑な作業を行うことなく、異なる2つのプーリ11,12を保持することができ、汎用性の高いチャック装置を実現することができる。
【0034】
また、上述したように、素材が自動変速機用のプーリである場合、入力プーリと出力プーリとは互いに外観形状が相似であるため、その加工等における作業の効率化に有効である。更に、この場合、本形態の如く、ベース3に、第一プーリ11の背面11b及び第二プーリ12の背面12b1,12b2に当接して当該プーリ11,12の位置決めを行う位置決め部位3e,3fを設ければ、シーブ面11a,12aの加工等を精度良く行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明方法及び装置は、例えば、旋盤、フライス盤、NC(数値制御)装置等を用いた切削・研磨加工の分野や、延伸や曲げ等の塑性加工の分野においても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に従うチャック装置の第一の形態を示す正面図である。
【図2】同形態で一方の素材を保持する前の状態を図1のX−X断面から示す要部断面図である。
【図3】同形態で一方の素材を保持した状態を図1のX−X断面から示す要部断面図である。
【図4】同チャック装置の第二の形態を示す正面図である。
【図5】同形態で他方の素材を保持した状態を図3のY−Y断面から示す要部断面図である。
【図6】(a),(b)はそれぞれ、本発明装置で一方の素材を保持した状態を示す模式正面及び、本発明装置で他方の素材を保持した状態を示す模式正面図である。
【図7】(a),(b)はそれぞれ、従来装置で一方の素材を保持した状態を示す模式正面及び、従来装置で他方の素材を保持した状態を示す模式正面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 第一爪部材
1f 保持面
2 第二爪部材
2f 保持面
3 ベース
3e 第一突起(位置決め部位)
3f 第二突起(位置決め部位)
11 第一プーリ(一方の素材)
11b プーリ背面
11c 円筒部
12 第二プーリ(他方の素材)
12b プーリ背面
12d シーブ面外径部
【出願人】 【識別番号】000231350
【氏名又は名称】ジヤトコ株式会社
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100072051
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 興作

【識別番号】100107227
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 史朗

【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志


【公開番号】 特開2008−12629(P2008−12629A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−186706(P2006−186706)