Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
成形体の評価方法及び焼結体の製造方法 - 特開2008−31500 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B22 鋳造;粉末冶金

【発明の名称】 成形体の評価方法及び焼結体の製造方法
【発明者】 【氏名】西澤 剛一

【氏名】遠田 茂夫

【氏名】高知尾 清

【要約】 【課題】原料粉末を成形した成形体における成形状態(クラックの発生状態)を簡単且つ的確に評価可能とする。

【構成】原料粉末の成形体1を溶液2中に浸漬し、泡の発生状態に基づいて成形体1の成形状態(クラックの発生状態)を評価する。あるいは、塗料を塗布した原料粉末の成形体1を溶液2中に浸漬し、塗料の浸入状態に基づいて成形体1の成形状態を評価する。さらには、これらを組み合わせることにより、成形体の成形状態を定量的に評価する。これら評価方法は、焼結体の製造方法(例えば希土類焼結磁石の製造方法)における成形工程に適用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料粉末の成形体を溶液中に浸漬し、泡の発生状態に基づいて成形体の成形状態を評価することを特徴とする成形体の評価方法。
【請求項2】
溶液中に浸漬した状態での成形体からの泡の発生状態に基づいて成形体におけるクラックの発生状態を評価することを特徴とする請求項1記載の成形体の評価方法。
【請求項3】
溶液から取り出した後の成形体からの泡の発生状態に基づいて成形体におけるクラックの発生状態を評価することを特徴とする請求項1記載の成形体の評価方法。
【請求項4】
前記溶液の粘度を100×10−3Pa・s以下とすることを特徴とする請求項1または2記載の成形体の評価方法。
【請求項5】
前記成形体の底面を一部支持した状態で溶液中に浸漬することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の成形体の評価方法。
【請求項6】
前記成形体を網状部材で底面を支持した状態で溶液中に浸漬することを特徴とする請求項5記載の成形体の評価方法。
【請求項7】
原料粉末の成形体を溶液中に浸漬し、塗料の浸入状態に基づいて成形体の成形状態を評価することを特徴とする成形体の評価方法。
【請求項8】
前記溶液として塗料を含む溶液を用いることを特徴とする請求項7記載の成形体の評価方法。
【請求項9】
前記原料粉末の成形体に予め塗料を塗布しておくことを特徴とする請求項7記載の成形体の評価方法。
【請求項10】
成形体の断面を観察し、クラックへ浸入した塗料を視認することで成形体におけるクラックの発生状態を評価することを特徴とする請求項7から9のいずれか1項記載の成形体の評価方法。
【請求項11】
原料粉末の成形体を溶液中に浸漬し、塗料の浸入状態に基づいて成形体の成形状態を把握した後、前記成形状態が把握された成形体と同一条件で成形された別の成形体を溶液中に浸漬し、
この時の泡の発生状態を基準として、評価対象となる原料粉末の成形体を溶液中に浸漬した時の泡の発生状態を比較することにより当該成形体の成形状態を評価することを特徴とする成形体の評価方法。
【請求項12】
前記原料粉末が磁石原料の粉末であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の成形体の評価方法。
【請求項13】
前記原料粉末がNdFeB系希土類合金粉末であることを特徴とする請求項12記載の成形体の評価方法。
【請求項14】
原料粉末を成形して成形体を作製する成形工程と、
前記成形体の成形状態を評価する成形体評価工程と、
前記成形体を焼結する焼結工程とを有し、
前記成形体評価工程においては、請求項1から13のいずれか1項記載の成形体の評価方法により成形体の成形状態を評価することを特徴とする焼結体の製造方法。
【請求項15】
前記成形体評価工程における評価結果に基づいて前記成形工程における成形条件を調整することを特徴とする請求項14記載の焼結体の製造方法。
【請求項16】
前記原料粉末がNdFeB系希土類合金粉末であり、前記成形工程において磁場中にて加圧成形することにより成形体を作製することを特徴とする請求項14または15記載の焼結体の製造方法。
【請求項17】
前記成形体の成形体密度を3.5g/cm〜4.8g/cmとすることを特徴とする請求項16記載の焼結体の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば原料粉末を成形した成形体において、クラックの発生状態等を的確に把握するための成形体の評価方法に関するものであり、さらには、これを応用した焼結体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばハードディスクドライブ用ボイスコイルモータや自動車駆動用モータ等の幅広い分野において、モータの小型化及び高性能化が要求されている。モータの小型化及び高性能化を図るためには、モータに組み込まれる磁石の性能向上が重要であり、近年では非常に高い磁気特性を示すネオジム鉄ボロン系焼結磁石等の希土類焼結磁石が広く使用されている。
【0003】
希土類焼結磁石の製造方法としては、粉末冶金法が一般的であり、具体的には、所望組成の原料合金を用い、粗粉砕工程、微粉砕工程、成形工程、焼結工程といった工程を経て製造されている。すなわち、前記希土類焼結磁石を作製するには、粉砕により形成した原料合金粉末を成形装置の金型キャビティ内に充填して所定の形状の成形体に成形し、これを焼結して焼結体とする。
【0004】
前述の通り、粉末冶金法を利用して希土類焼結磁石が作製されているが、粉末冶金法は、前記希土類焼結磁石の製造に限らず様々な分野において広く用いられており、各種焼結体を作製する上で不可欠の技術となっている。
【0005】
一般的な粉末冶金法では、数百μm以下にまで微粉化した原料粉末を加圧成形し、得られた粉末成形体(圧粉体)を加熱処理することにより焼結体が作製される。特に、モータ等に対して利用頻度が高いNdFeB系希土類焼結磁石は、先ず、原料合金の粗粉砕及び微粉砕を行ってミクロンオーダーまで微粉化し、この微粉末を磁場中で加圧成形した後、焼結及び時効処理を行うことにより作製される。
【0006】
前述の粉末冶金法においては、加圧成形の工程において、いわゆる金型かじりが発生する問題があり、前記金型かじりが発生した場合、成形体にキズや割れ、クラック等が発生し、成形体の品質を大きく低下するという問題が生ずる。特に、希土類合金粉末は流動性が悪く、前記金型かじりによる成形体品質低下の問題が顕著である。
【0007】
このような問題に対する対策の一つとして、原料粉末に潤滑剤を添加することが検討されている(例えば、特許文献1等を参照)。特許文献1には、Fe−R−B系磁石粉末に潤滑剤(ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ビスアマイドのうち少なくとも1種を含む)を混合することによって、成形時の成形体の抜き圧を低減し、キズ等の発生を抑制することが開示されている。
【特許文献1】特開平4−214803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、例えば潤滑剤を原料粉末に添加したとしても、成形条件の変動等によってクラックが発生することがあり、したがって、量産を考えた場合、成形された成形体の成形状態(クラック等の発生状態)を的確に把握することが必要となる。成形された成形体におけるクラックの発生状態等を正確に把握することができれば、成形条件等を微調整することにより前記クラックの発生を未然に防ぐことが可能となる。
【0009】
しかしながら、成形体のクラックを評価するのは容易ではない。例えば、脱型直後に成形体が破壊してしまうようなレベルのクラックは容易に判別することができるが、通常のクラックは目視評価することは難しい。通常のクラックは、成形体を外から観察してもほとんど見出すことはできない。
【0010】
クラックが発生した部位は、焼結により結着することがないため、焼結後に成形体のクラック部位に対応して大きなヒビが入り、場合によっては割れや変形等を伴う。このような焼結体は製品として出荷することはできない。製品サイズに比べて焼結体のサイズを大きくし、焼結後に外周部分を加工してクラックが発生した部分を除去することで製品化することも考えられるが、加工代が大きくなると加工自体が大変になり、また加工代部分は廃棄することになるので、原料粉末の利用効率も低下することになる。このように、焼結体の最終製品化を考えた場合、いずれの場合にもクラックは歩留まり低下の要因となり、成形体の段階でクラックを適正に評価することができれば、歩留まり改善に大きく寄与するものと考えられる。
【0011】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、成形体の成形状態(例えばクラックの状態)を簡単且つ確実に把握することが可能な成形体の評価方法を提供することを目的とする。また、本発明は、前記評価方法を応用することで、焼結後の焼結体におけるクラックの発生を抑制し、製品歩留まりを大幅に向上することが可能な焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の目的を達成するために、本願の第1の発明の成形体の評価方法は、原料粉末の成形体を溶液中に浸漬し、泡の発生状態に基づいて成形体の成形状態を評価することを特徴とする。第2の発明の成形体の評価方法は、原料粉末の成形体を溶液中に浸漬し、塗料の浸入状態に基づいて成形体の成形状態を評価することを特徴とする。第3の発明の成形体の評価方法は、原料粉末の成形体を溶液中に浸漬し、塗料の浸入状態に基づいて成形体の成形状態を把握した後、前記成形状態が把握された成形体と同一条件で成形された別の成形体を溶液中に浸漬し、この時の泡の発生状態を基準として、評価対象となる原料粉末の成形体を溶液中に浸漬した時の泡の発生状態を比較することにより当該成形体の成形状態を評価することを特徴とする。
【0013】
成形体のクラックは、肉眼では判別することが非常に困難であるが、成形体を溶液中に浸漬すると、クラック部分から気泡が発生する。クラックが生じていない部位からは気泡がほとんど発生せず、目視により容易に区別可能である。これを利用して成形体の成形状態(クラックの発生状態)を評価するのが前記第1の発明の成形体の評価方法である。
【0014】
また、塗料を含んだ溶液を用い、あるいは成形体に塗料を塗布して、成形体を溶液に浸漬すると、溶液のクラック部分への浸入に伴い、塗料もクラックに浸入する。塗料の色彩を成形体の色彩と異なるものとすれば、前記溶液への浸漬の後、成形体の切断面を観察することで容易にクラックが視認される。これを利用して成形体の成形状態(クラックの発生状態)を評価するのが前記第2の発明の成形体の評価方法である。
【0015】
前記第1の発明の成形体の評価方法(泡の発生状態に基づいて成形体の成形状態を評価)は、極めて簡便な手法により成形体を評価することができるという利点を有するが、定性的な評価に止まる。一方、前記第2の発明の成形体の評価方法(塗料の浸入状態に基づいて成形体の成形状態を評価)は、クラックの発生状況を直接的に観察することができ、例えばクラックの大小や数等をある程度定量的に評価することができる。ただし、第1の発明の評価方法に比べると、若干の手間を要する。前記第3の発明の成形体の評価方法は、前記第1の評価方法と第2の評価方法とを組み合わせることで、クラックの発生状態をある程度定量的に把握可能とするものである。すなわち、前記第3の発明の成形体の評価方法では、先ず、塗料を含む溶液中に成形体を浸漬し、あるいは塗料を塗布した原料粉末の成形体を溶液中に浸漬し、塗料の浸入状態に基づいて成形体の成形状態を定量的に把握する。その後、前記成形状態が把握された成形体と同一条件で成形された成形体(同時成形された成形体)を溶液中に浸漬し、泡の発生状態を観察する。そして、この時の泡の発生状態を基準とし、評価対象となる原料粉末の成形体を溶液中に浸漬した時の泡の発生状態を比較することにより当該成形体の成形状態を評価する。したがって、前記第3の発明の評価方法では、泡の発生状態を観察するという簡便さを維持したまま、成形体の成形状態が定量的に評価される。
【0016】
一方、本発明の焼結体の製造方法は、原料粉末を成形して成形体を作製する成形工程と、前記成形体の成形状態を評価する成形体評価工程と、前記成形体を焼結する焼結工程とを有し、前記成形体評価工程においては、前述の第1から第3の発明の評価方法のいずれかにより成形体の成形状態を評価することを特徴とする。
【0017】
前記製造方法においては、成形体の成形状態を的確に把握することができ、例えば成形条件にフィードバックすることで、成形工程におけるクラックの発生が最小限に抑えられる。成形の段階でクラックの発生を抑えることができれば、焼結後のクラックの発生を未然に防ぐことができ、歩留まりが大幅に改善される。
【0018】
希土類焼結磁石の製造工程において、焼結前の成形体を油剤に含浸させることは、例えば特開2002−170728号公報や特開2002−8935号公報等にも開示されている。しかしながら、これら公報に開示される技術は、成形体の酸化防止に主眼が置かれている。希土類合金粉末を成形した成形体は、大気に晒されると酸素と反応して磁気特性の低下が生じ、最悪の場合、発熱や発火に至る。そこで、前記各公報記載の発明では、成形した成形体を油剤中に浸漬し、成形体の表面を油剤で被覆することで前記酸化を防止するようにしている。しかしながら、前記各公報には、成形体の成形状態(クラックの発生状態)の評価については何ら記載されておらず、本願発明とはその技術思想を大きく異にする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の各評価方法によれば、目視では把握し難い成形体の成形状態(例えばクラックの発生状態)を的確に評価することが可能であり、極めて簡単な操作によって成形体のクラックの発生状況等を正確に把握することが可能である。また、本発明の焼結体の製造方法によれば、前記評価方法を応用することで成形体におけるクラックの発生を抑えることが可能であるので、焼結後の焼結体におけるクラックの発生を抑制し、製品歩留まりを大幅に向上することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を適用した成形体の評価方法及び焼結体の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
(第1の実施形態)
本実施形態は、成形体の評価方法に関するものであり、溶液中に浸漬した成形体からの泡の発生により成形状態を把握することに特徴を有する。
【0022】
図1は、本実施形態における評価方法を模式的に示すものである。本実施形態においては、図1に示すように、評価対象となる成形体1を溶液2中に浸漬し、この時の泡の発生状態を観察する。成形体1は、例えば網板3に載せ、溶液2中に浸漬する。網板3を用いることで、例えば直方体形状の成形体1の6面について泡の発生状態を観察することができる。なお、溶液2は、例えば透明容器4に入れて前記評価を行うことが好ましい。透明容器4を用いることで、側面や底面からも成形体1の泡の発生状況を観察することができるからである。
【0023】
評価対象となる成形体1は、原料粉末を成形したものであれば如何なるものであってもよく、あらゆる分野の粉末成形体に適用することが可能である。特に、成形後に焼結して焼結体とする成形体において、クラック等の発生状況を把握することの意義は大きく、前記評価方法の適用が有効である。具体的には、磁石の原料粉末を成形した成形体を挙げることができ、例えばNdFeB系希土類焼結磁石の原料粉末である希土類合金粉末を成形した成形体や、SmCo系磁石の原料粉末を成形した成形体、さらにはフェライト磁石の原料粉末の成形体等を挙げることができる。あるいは、セラミックス製品や陶磁器等の製造過程において、これらの原料粉末の成形体等にも適用可能である。
【0024】
一方、前記溶液2は、気泡の発生に適した溶液を用いることが好ましい。ここで、気泡の発生に適しているのは、例えば各種溶剤のように比較的粘度が低い液状の物質である。溶液2の粘度が高いと、クラックへの浸入速度が遅く、気泡の発生が遅く且つ単位時間当たりの発生量が少ないため判断が困難になる。
【0025】
前記の通り、溶液2の粘度によって気泡発生の様子が変化するため、溶液2はクラック評価に適した粘度範囲に設定することが好ましい。具体的には、溶液2の粘度を100×10−3Pa・s以下とすることが好ましい。粘度が100×10−3Pa・sを越える溶液に成形体1を浸しても、発生する気泡からクラックの有無等を判別することは難しい。より好ましくは粘度50×10−3Pa・s以下であり、さらに好ましくは粘度10×10−3Pa・s以下である。また、代表的な有機溶剤であるアセトンの粘度が0.3×10−3Pa・sであるので、実用上の下限値としては0.1×10−3Pa・sということになる。なお、溶液の粘度は、B型粘度計による測定値である。
【0026】
また、使用する溶液2は、無色透明であることが好ましい。溶液2が無色透明であれば、クラックが発生している箇所を容易に確認することができ、例えば複雑な形状の成形体1の異常箇所を認識し、金型や粉体特性を設計変更する等、成形工程へのフィードバックが可能となる。したがって、特にVCM用マグネット形状のような特殊形状に対応した成形体への適用において有用である。
【0027】
さらに、前記溶液2としては、評価材質(すなわち、成形体1を構成する原料粉末の材質)と反応し難い溶液を選定することが重要である。成形体1を構成する原料粉末と溶液2とが反応すると、反応に伴って泡が発生する可能性がある。反応に伴って泡が発生すると、反応による気泡とクラックの発生による気泡を区別することが難しく、混同を防止するために前記溶液2として成形体1と反応し難い溶液を選定することが好ましい。また、例えば連続成形工程において前記評価方法を利用する場合には、評価も一定間隔で実施するため、あまり揮発性の高い溶液は好ましくない。
【0028】
例えば成形体1が前記各種磁石の原料粉末を成形した成形体である場合、前述の各条件を満たす溶液2としては、アルカリ系洗浄剤(例えば日化精工社製、商品名デベール等)や、ターピネオール溶液、ケロシン(灯油)等を用いることができる。これら溶液の粘度が前記粘度範囲内に入るように調整し、前記溶液2として用いる。
【0029】
前述の溶液2中に成形体1を浸漬することにより、クラックの発生部位から気泡が発生する。図2は焼結体に発生したクラック5の写真であり、図3は成形体1に生じたクラック5の様子を模式的に示すものである。例えば直方体形状の成形体1においては、クラック5はいずれかの辺に沿って成形体1の内部に斜めに入り込むように形成される。このようなクラック5が形成された場合、図4(写真)及び図5(模式図)に示すように、クラック5が形成された部位(成形体1の1辺)から気泡6の発生が見られる。これは、成形体1の内の空隙に溶液2が浸入し、代わりに空気が追い出されることにより発生する現象である。成形体1に生じた亀裂(クラック)が大きければその浸入速度や浸入量が大となり、より激しく気泡が発生する。クラック部位から発生する気泡は、大きく激しいのが特徴である。
【0030】
前述の通り、本実施形態においては、評価する成形体1を予め用意した低粘度溶液に浸すという極めて簡単な操作により、気泡の発生状況からクラックの有無等、成形体1の成形状態を判定することが可能となる。気泡の発生状況による成形状態の判定は、基本的には定性的なものとなるが、例えば気泡の発生度合い等により、例えばクラックの発生度合い等をある程度定量的に把握することも可能である。
【0031】
(第2の実施形態)
本実施形態も成形体の評価方法に関するものであり、塗料の染み込みにより成形状態を把握することに特徴を有する。
【0032】
本実施形態においては、溶液2に塗料を添加し、溶液2自体を着色してクラックに浸入させる。添加する塗料の種類等は任意であり、各種ペンキや絵の具等、顔料を着色剤として含む顔料系の塗料や、各種インクや染料塗料等、染料を着色剤として含む塗料等が使用可能である。また、溶液2の種類に応じて、水性塗料、油性塗料、溶剤系塗料等から適宜選択して使用すればよい。ただし、成形体1の色彩と異なる色彩のものを用いることが好ましい。例えば、成形体1が黒色である場合には、白色や黄色等の塗料を用いる。これにより、塗料の浸入を明瞭に視認することが可能となる。
【0033】
前述の通り、成形体1を溶液2中に浸漬すると、クラックが存在した場合、クラック中に溶液2が浸入する。塗料を含む溶液2を用いれば、溶液2のクラックへの浸入に伴って塗料も浸入する。その後、成形体1を切断すれば、塗料の浸入によりクラックを目視にて確認することができる。塗料の浸入によりクラック部位の色彩が他の部分と異なる状態となり、クラックが存在する場合、例えば黒色の成形体1中に白色や黄色の線が明瞭に観察される。ここで、前記現象は全てのクラックにおいて起こり、したがって成形体1に発生しているクラックの数や、各クラックの長さ等を定量的に把握することが可能となる。
【0034】
あるいは、成形体1の表面に予め塗料を塗布しておき、これを溶液2中への浸漬によりクラック中に浸入させることも可能である。この場合には、先ず、成形体1の表面に塗料を塗布しておく。そして、塗料を塗布した成形体1を、溶液2中に浸漬する。ここで、溶液2に要求される要件としては、前記粘度を挙げることができ、本実施形態においても、クラックへの浸入速度等を考慮して、粘度の小さい溶液を用いることが好ましい。また、塗料に対する溶解性も考慮する必要がある。塗料に対して溶解性が高すぎると、成形体1の表面に塗布した塗料が溶液2中に拡散してしまい、クラック中への塗料の浸入が不十分となるおそれがある。逆に、塗料に対する溶解性が低すぎると、溶液2が浸入しても塗料がクラック中に溶解浸入しなくなり、やはり塗料の浸入が不十分になるおそれがある。したがって、使用する溶液2は、塗料に対して適度な溶解性を有することが好ましい。
【0035】
なお、成形体1への塗料の塗布のみによってクラック中に塗料を染み込ませることも考えられるが、塗料の粘度が高いので、クラック中に十分に塗料を浸入させることは難しい。したがって、前述の通り、成形体1への塗料の塗布と溶液2中への浸漬とを組み合わせることが、クラックの発生状態を評価する上で最適である。また、溶液2中への塗料(染料や顔料)の添加と成形体1表面への塗料の塗布を組み合わせることも可能である。
【0036】
(第3の実施形態)
本実施形態は、先の第1の実施形態の評価方法と第2の実施形態の評価方法を組み合わせることにより、最小限の手間により成形体1のクラックの発生状況を定量的に把握するというものである。
【0037】
第1の実施形態の評価方法(気泡の発生状態に基づいて成形体の成形状態を評価する方法)は、極めて簡便な方法であるが、定性的な評価に止まるという短所がある。一方、第2の実施形態の評価方法(塗料の浸入状態に基づいて成形体の成形状態を評価する方法)は、クラックの長さや数等を定量的に評価することが可能であるが、成形体1を切断して断面を観察する必要があり、第1の実施形態の評価方法に比べて操作が煩雑である。
【0038】
そこで、本実施形態においては、これらを組み合わせることにより、簡便な方法でありながら成形体1におけるクラックの発生状況をある程度定量的に把握することを可能とする。具体的には、先ず、第2の実施形態の評価方法により、成形体1のクラックの発生状況を調べる。そして、クラックの発生状況の異なる成形体1について、第1の実施形態の評価方法の手法により、気泡の発生状況を調べる。このとき、クラックの大きさ等によって気泡の発生状況が異なるが、各成形体1について第2の実施形態の評価方法によりクラックの発生状況を把握しているので、クラックの発生状況に応じた気泡の発生状況を把握することができる。
【0039】
前記評価により成形状態が把握された成形体1と同一の成形条件で成形された別の成形体(前記成形体と同時に成形された別の成形体)を溶液中に浸漬した時の気泡の発生状態を把握した後、これを基準として評価対象となる成形体1を溶液中に浸漬した時の気泡の発生状態を比較する。前記比較により気泡の発生状態がほぼ同等と判断されると、これに該当する成形体1と同等のクラックが生じているものと推測される。したがって、前記基準の設定後は、単に成形体1を溶液2中に浸漬し気泡の発生状態を見るだけでクラックの発生を定量的に把握することができる。
【0040】
(第4の実施形態)
本実施形態は、焼結体の製造方法に関するものであり、前記評価方法を希土類焼結磁石の製造方法に適用した実施形態である。
【0041】
希土類焼結磁石は、例えば希土類元素R、遷移金属元素T及びホウ素を主成分とするものであるが、磁石組成は特に限定されず、用途等に応じて任意に選択すればよい。例えば、希土類元素Rとは、具体的にはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb又はLuのことをいい、これらから1種又は2種以上を用いることができる。中でも、資源的に豊富で比較的安価であることから、希土類元素Rとしての主成分をNdとすることが好ましい。また、遷移金属元素Tは、従来から用いられている遷移金属元素をいずれも用いることができ、例えばFe、Co、Ni等から1種又は2種以上を用いることができる。これらの中では、磁気特性の点からFeを主体とすることが好ましく、特に、キュリー温度の向上、粒界相の耐蝕性向上等に効果があるCoを添加することが好ましい。また、前記希土類元素R、遷移金属元素T及びホウ素Bのみならず、他の元素の含有を許容する。例えば、Al、Cu、Zr、Ti、Bi、Sn、Ga、Nb、Ta、Si、V、Ag、Ge等の元素を適宜含有させることができる。一方で、酸素、窒素、炭素等の不純物元素を極力低減することが望ましい。特に磁気特性を害する酸素は、その量を7000ppm以下、さらには5000ppm以下とすることが望ましい。酸素量が多いと非磁性成分である希土類酸化物相が増大して、磁気特性を低下させるからである。なお、製造対象となる希土類焼結磁石としては、前記R−T−B系の希土類焼結磁石に限られるものではない。例えば希土類焼結磁石は、SmCo系焼結磁石等であってもよい。
【0042】
希土類焼結磁石は粉末冶金法によって作製されるが、その製造プロセスは、基本的には、合金化工程、粗粉砕工程、微粉砕工程、成形工程、焼結工程、時効工程とにより構成される。なお、高特性の焼結磁石を製造するには更なる酸化防止が必須になり、焼結後までの各工程は、ほとんどの工程を真空中、あるいは不活性ガス雰囲気中(窒素ガス雰囲気中、Arガス雰囲気中等)で行うのが望ましい。
【0043】
合金化工程では、原料となる金属、あるいは合金を所望の組成に応じて配合し、真空あるいは不活性ガス、例えばAr雰囲気中で溶解し、鋳造することにより合金化する。鋳造法としては、任意の方法を採用し得るが、溶融した高温の液体金属を回転ロール上に供給し、合金薄板を連続的に鋳造するストリップキャスト法(連続鋳造法)が生産性等の観点から好適であり、得られる合金の形態の点でも好適である。
【0044】
前記合金化の際に用いる原料金属(合金)としては、純希土類元素、希土類合金、純鉄、フェロボロン、さらにはこれらの合金等を使用することができる。合金は、ほぼ最終磁石組成である単一の合金を用いても良いし、最終磁石組成になるように、組成の異なる複数種類の合金を混合しても良い。
【0045】
粗粉砕工程では、先に鋳造した原料合金の薄板、あるいはインゴット等を、粒径数百μm程度になるまで粉砕する。粉砕手段としては、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用いることができる。粗粉砕性を向上させるために、水素を吸蔵させて脆化させた後、粗粉砕を行うことが効果的である。
【0046】
前述の粗粉砕工程が終了した後、必要に応じて粗粉砕した原料合金粉に潤滑剤を添加する。潤滑剤としては、例えば脂肪酸系化合物等を使用することができるが、特に、融点が60℃〜120℃の脂肪酸や脂肪酸アミドを潤滑剤として用いることで、良好な磁気特性、特に高配向度で高い磁化を有する希土類焼結磁石を得ることができ、その種類や添加量によって、成形体強度を所定の値に調整することができる。
【0047】
粗粉砕工程の後、微粉砕工程を行うが、この微粉砕工程は、例えば気流式粉砕機等を使用して行われる。微粉砕の際の条件は、用いる気流式粉砕機に応じて適宜設定すればよく、原料合金粉を平均粒径が1〜10μm程度、例えば2〜7μmとなるまで微粉砕する。気流式粉砕機としては、ジェットミル等が好適である。
【0048】
微粉砕工程の後、磁場中成形工程において、原料合金粉を磁場中にて成形する。具体的には、微粉砕工程にて得られた原料合金粉を電磁石を配置した金型内に充填し、磁場印加によって結晶軸を配向させた状態で磁場中成形する。磁場中成形は、成形圧力と磁界方向が平行な平行磁界成形、成形圧力と磁界方向が直交する直行磁界成形のいずれであってもよい。さらに、磁界印加手段として、パルス電源と空芯コイルも採用することができる。この磁場中成形は、例えば700〜1600kA/mの磁場中で、30〜300MPa、好ましくは130〜160MPa前後の圧力で行えばよい。磁場中成形で得られる成形体の最終的な相対密度は、通常50〜65%である。
【0049】
前述の成形工程においては、成形される成形体について、先の第1の実施形態、あるいは第2の実施形態、さらには第3の実施形態として開示した評価方法を実施する。前記評価は、成形開始時の初期状態と、連続成形時には所定時間毎(例えば4時間毎)に数個の成形体について行えばよい。これにより、連続成形中の成形体について、成形条件等を管理し、焼結後のクラックの発生防止を実現することができる。
【0050】
例えば、前記評価結果を成形工程における成形条件にフィードバックし、成形条件を調整することにより、成形体におけるクラックを抑制することが可能である。成形工程において、同じ成形装置を用い、同じ成形条件によって成形を行っても、経時による僅かな変動によりクラックが発生することがある。このような場合、前記評価に基づいて成形条件を微調整すれば、確実にクラックの発生を防止することができる。例えば、成形圧を調整することができ、その他、フィーダボックスにより原料合金粉末を金型中に供給する際の揺動回数、揺動振幅等を調整してもよい。
【0051】
なお、前述の成形体の評価方法をNdFeB系希土類合金粉末の成形体に適用する場合において、当該粉末が酸化し易いことを考慮して、合金粉末の含有酸素濃度によって溶液を選定することが好ましい。具体的には、合金粉末の酸素濃度が3000ppm以上の場合には前記各溶液(アルカリ系洗浄剤等)を使用すればよいが、合金粉末の酸素濃度が3000ppm以下である場合には、水溶液以外の油系や溶剤系の溶液を用いることが好ましい。これは、酸素濃度が3000ppm以下の合金粉末は非常に活性が高いため、水溶液に浸漬すると酸化反応により泡が発生しクラック判定が困難になるためである。
【0052】
前述の評価方法により例えばNdFeB系希土類合金粉末の成形体におけるクラックの評価を行う場合、成形体密度を3.5g/cm〜4.8g/cmとすることが好ましい。より好ましくは、4.0g/cm〜4.8g/cmである。成形体密度が3.5g/cm未満であると、保形性に乏しく前記評価方法を実施することが難しい。逆に、成形体密度が4.8g/cmを越えると、溶液が成形体に浸入し難くなり、クラック評価の困難性が高まるおそれがある。これに対して、成形体密度を前記範囲内に設定すれば、成形体表面のクラックだけでなく成形体内部に残存するクラックの評価も可能となる。NdFeB系希土類合金粉末は、流動性が悪いため、その成形に際してクラックが発生し易く、前記評価方法の適用及びそれに基づく成形条件の調整が有効である。
【0053】
なお、前記評価に用いた成形体は、廃棄処分とすることが好ましい。溶液が染み込んだ成形体を焼結すると、変形や焼結不十分となり、製品として不良となる。これを回避するためには、評価に用いた成形体を十分に脱バインダし、焼結条件も最適化する必要があるが、これを評価に用いていない成形体についても適用すると、過焼結や変形を招く原因となる。さらに、評価を行った成形体と評価を行っていない成形体を同時に脱バインダし焼結を行うと、処理中に評価を行った成形体から発生するガス化溶液、あるいは反応ガスが評価を行っていない成形体にまで悪影響を及ぼし、変形や焼結不良が発生するおそれもある。
【0054】
次に、焼結工程を行うが、焼結工程において、焼結温度は、組成、粉砕方法、粒度と粒度分布の違い等、諸条件に応じて調整する必要があるが、例えば1000℃〜1300℃で1〜10時間程度焼結処理を行う。焼結処理時の雰囲気は真空又は不活性ガス雰囲気(アルゴンガス雰囲気等)とすることが好ましい。
【0055】
前記焼結処理後には、得られた焼結体に時効処理を施すことが好ましい。この時効処理は、得られる希土類磁石の保磁力Hcjを制御する上で重要な工程であり、例えば真空中又は不活性ガス雰囲気中で行う。時効処理としては、2段時効処理が好ましい。2段時効処理は、1段目の時効処理工程においては800℃前後の温度で1時間〜3時間保持し、2段目の時効処理工程においては600℃前後の温度で1時間〜3時間保持して行えばよい。600℃近傍の熱処理で保磁力Hcjが大きく増加するため、時効処理を1段で行う場合には、600℃近傍で時効処理を施すとよい。
【0056】
前記焼結工程の後、機械加工工程や被膜形成工程を行い、希土類焼結磁石を完成する。機械加工工程は、所望の形状に機械的に加工する工程である。被膜形成工程は、得られた希土類焼結磁石の酸化を抑えること等を目的に行う工程であり、例えばめっき被膜や樹脂被膜を希土類焼結磁石の表面に形成する工程である。
【0057】
以上のような希土類焼結磁石の製造方法においては、焼結後の希土類焼結磁石におけるクラックの発生を最小限に抑制することができる。したがって、希土類焼結磁石を歩留まり良く製造することが可能である。
【実施例】
【0058】
以下、本発明を具体的な実験結果に基づいて説明する。
【0059】
実験1
本実験では、クラックの有無による気泡の発生状態の相違を調べた。評価用の成形体として、希土類合金粉末を成形して成形体を作製した。希土類合金粉末の組成は、Nd30.2質量%、Dy1.4質量%、B1質量%、Cu0.1質量%、Al0.2質量%、Co0.5質量%、残部Feとした。希土類合金粉末の平均粒径は4.0μmであり、酸素含有量4000ppm、炭素含有量1000ppmである。成形した成形体のサイズは、60mm×10mm×20mm、成形体重量は50gである。また、設定した成形体密度は4.2g/cmである。
【0060】
前記成形体について、成形条件を調整し、クラックの発生の無い成形体A、クラックの大きさが5〜10mm程度の成形体B、クラックの大きさが10mm以上の成形体Cを作製した。そして、これら成形体A〜Cを溶液(アルカリ系洗浄剤水溶液:日化精工社製、商品名デベール)に浸漬し、気泡の発生状態を観察した。その結果、クラックの発生の無い成形体Aでは、気泡の発生はほとんど見られなかったのに対して、クラックが形成された成形体B,Cではクラック部位において気泡が激しく発生した。また、成形体Bに比べて成形体Cにおいて気泡の発生が多く認められ、発生する気泡も大きいものであった。
【0061】
実験2
本実験では、溶液の粘度について検討した。評価対象として使用した成形体は、先の実験1と同様である。表1に示す溶液を用い、その粘度を調整してクラックの評価を行った。なお、水溶液系の溶液の粘度の調整は水で濃度調整することにより行い、有機溶剤系の溶液の粘度調整はエタノールで濃度調整することにより行った。クラックの評価は、クラック部位からの気泡を目視にて確認し、明らかに識別可能である場合を◎、なんとか識別できるレベルである場合を○、識別が難しい場合を×として評価した。評価結果を表1に併せて示す。
【0062】
【表1】


【0063】
溶液の粘度が100×10−3Pa・s以下である場合に識別が可能であり、粘度10×10−3Pa・s以下で明瞭に識別可能であった。これに対して、溶液の粘度が100×10−3Pa・sを越えると、泡の発生が非常に遅く、クラック部位における気泡の発生とそれ以外の部位における気泡の発生を区別することが難しかった。
【0064】
実験3
本実験では、SmCo磁石の原料合金粉末の成形体について成形状態の評価を行った。原料合金粉末の組成は、Sm26.4質量%、Fe15.9質量%、Cu7.4質量%、Zr2.2質量%、残部Coである。成形した成形体の密度は5.4g/cmである。表2に示す溶液を用い、その粘度を調整してクラックの評価を行った。評価結果を表2に併せて示す。
【0065】
【表2】


【0066】
SmCo磁石においても、適正な粘度の溶液を用いることで、成形体のクラック部位における気泡の発生を識別することが可能であった。
【0067】
実験4
本実験では、Sr系フェライト磁石の原料粉末の成形体について成形状態の評価を行った。成形した成形体の密度は3.0g/cmである。表3に示す溶液を用い、その粘度を調整してクラックの評価を行った。評価結果を表3に併せて示す。
【0068】
【表3】


【0069】
フェライト磁石においても、適正な粘度の溶液を用いることで、成形体のクラック部位における気泡の発生を識別することが可能であった。
【0070】
実験5
実験4と同様の成形体について、塗料を含む溶液を用いてクラックの発生状態を調べた。具体的には、白色のペンキをシンナーで20倍に希釈した溶液に、前記フェライト磁石成形体を浸漬した。その後、成形体を切断して破断面を観察した結果、クラック部に白色線を確認することができた。
【0071】
実験6
実験4と同様のフェライト磁石成形体について、成形条件を変えてクラックの発生状況が異なる複数種類の成形体を作製した。そして、これら成形体を、実験5と同様の白色のペンキをシンナーで希釈した溶液に浸漬し、破断面を観察してクラック部を観察した。
【0072】
次に、前記各成形体と同時に成形した成形体について、実験4と同様、デベール水溶液(粘度1.2×10−3Pa・s)に浸漬し、泡の発生状態を調べた。その結果、クラック発生度合いの大きい成形体ほど泡の発生が多く、塗料の浸入により確認されたクラックの大きさと泡の発生度合いがほぼ比例していることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の評価方法を説明する模式図である。
【図2】焼結体に発生したクラックの一例を示す図面代用写真である。
【図3】成形体に発生したクラックの一例を示す模式図である。
【図4】クラック部位における気泡の発生状態を示す図面代用写真である。
【図5】クラック部位における気泡の発生状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0074】
1 成形体、2 溶液、3 網板、4 透明容器、5 クラック、6 気泡
【出願人】 【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
【出願日】 平成18年7月26日(2006.7.26)
【代理人】 【識別番号】100105809
【弁理士】
【氏名又は名称】木森 有平


【公開番号】 特開2008−31500(P2008−31500A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−203683(P2006−203683)