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【発明の名称】 貴金属粒子分散液、その製造方法、表示方法及び表示素子
【発明者】 【氏名】阿部 昌昭

【氏名】森山 弘朗

【氏名】山本 保夫

【要約】 【課題】電気泳動方式の表示素子等にも利用可能な新規な貴金属粒子分散液及びその製造方法、並びに、前記貴金属粒子分散液を用いた表示方法及び表示素子を提供する。

【構成】貴金属粒子分散液はシリコーンオイル10と、該シリコーンオイル中に分散した貴金属粒子9とを含むことを特徴とし、シリコーンオイル中に分散した状態で発色性を呈することが必要で、プラズモン発色機能を有することが好ましい。貴金属粒子としては金、銀などが好ましい。表示素子は第1電極2、第2電極4と貴金属粒子分散液が封入された調光層と電圧印加手段を有し、電圧の印加がない場合には貴金属粒子は一様に分散して貴金属粒子の色として観察され、印加したときには貴金属粒子が第2電極側に移動し第1基板1の色が表示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーンオイルと、該シリコーンオイル中に分散した貴金属粒子とを含むことを特徴とする貴金属粒子分散液。
【請求項2】
前記貴金属粒子がプラズモン発色機能を有することを特徴とする請求項1に記載の貴金属粒子分散液。
【請求項3】
前記貴金属粒子が、金および銀から選択される少なくとも1種の貴金属を含むことを特徴とする請求項1に記載の貴金属粒子分散液。
【請求項4】
少なくとも1種以上の貴金属化合物と少なくとも1種以上のシランカップリング剤を含有するシリコーンオイル中に還元剤を添加して、前記貴金属化合物を還元することによって、貴金属粒子を生成することを特徴とする貴金属粒子分散液の作製方法。
【請求項5】
シリコーンオイル中に含まれる貴金属粒子を電気的に移動させて、前記シリコーンオイル中における前記貴金属粒子の分散・偏在状態を制御することにより表示の切り替えを行う表示方法。
【請求項6】
第一電極と、第二電極と、調光層と、前記第一電極及び前記第二電極を介して前記調光層に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
前記調光層が、シリコーンオイルと、該シリコーンオイル中に分散した貴金属粒子とを含むことを特徴とする表示素子。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な貴金属粒子分散液、特に各種の表示素子の調光材としても利用可能な貴金属粒子分散液及びその製造方法、並びに、この貴金属粒子分散液を用いた表示方法及び表示素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高度情報化社会の進展にともない電子ペーパー表示システムに対するニーズは増大しつつある。このため、それを実現する有望な技術として、電気泳動方式、液晶方式、有機EL方式等の表示素子が検討されている。
【0003】
電気泳動方式の表示素子は、電気的に移動する電気泳動粒子を含む分散媒を有する調光セルに対して電圧を印加して表示が行われる。電気泳動粒子としては、代表的には顔料や染料などの着色剤を含む着色粒子が利用されている。これに対して、分散媒としてはヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン等の絶縁性で無色透明な低分子有機溶媒が一般的に用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。また、特許文献1,2には、具体的に実施した例は示されていないものの、シリコーンオイルや高純度石油などのより分子量の大きい有機溶媒も利用可能であることが開示されている。
【0004】
一方、数ナノ〜数十ナノメートルオーダーの粒径を有する金属粒子が溶液中に均一に分散した状態で存在する金属コロイド溶液は、プラズモン吸収による特有の発色をすることが知られている。このような金属コロイド溶液は、例えば、アルキルアミン等の有機溶媒中にて、銀塩等の金属塩を還元して作製されることが知られている(特許文献3,4参照)。
【特許文献1】特開2005−352053号公報
【特許文献2】特開2004−174346号公報
【特許文献3】特開2004−027347号公報
【特許文献4】特開2005−036309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
金属コロイド溶液中に分散する金属粒子による発色は、従来の顔料や染料のような着色剤を含む着色粒子による発色と比較して、彩度や光線透過率が高く、耐久性に優れるなどの特徴を有する。それゆえ、本発明者らは、電気泳動方式の調光セルに金属コロイド溶液を利用することが好適であると考えた。
一方、調光セルに用いる分散媒としては、他の分散媒と比較して取り扱いが容易であること等からシリコーンオイルを用いることが好ましいと考えられる。そこで、本発明者らは、顔料や染料のような着色剤を含む着色粒子に対して種々の表面処理を施し、この着色粒子をシリコーンオイル中に分散させることを試みたが、いずれも十分に分散させることができなかった。
このような事情に鑑みて、本発明は、電気泳動方式の表示素子等にも利用可能な新規な貴金属粒子分散液及びその製造方法、並びに、前記貴金属粒子分散液を用いた表示方法及び表示素子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
<1>
シリコーンオイルと、該シリコーンオイル中に分散した貴金属粒子とを含むことを特徴とする貴金属粒子分散液である。
【0007】
<2>
前記貴金属粒子がプラズモン発色機能を有することを特徴とする<1>に記載の貴金属粒子分散液である。
【0008】
<3>
前記貴金属粒子が、金および銀から選択される少なくとも1種の貴金属を含むことを特徴とする<1>に記載の貴金属粒子分散液である。
【0009】
<4>
少なくとも1種以上の貴金属化合物と少なくとも1種以上のシランカップリング剤を含有するシリコーンオイル中に還元剤を添加して、前記貴金属化合物を還元することによって、貴金属粒子を生成することを特徴とする貴金属粒子分散液の作製方法である。
【0010】
<5>
シリコーンオイル中に含まれる貴金属粒子を電気的に移動させて、前記シリコーンオイル中における前記貴金属粒子の分散・偏在状態を制御することにより表示の切り替えを行う表示方法である。
【0011】
<6>
第一電極と、第二電極と、調光層と、前記第一電極及び前記第二電極を介して前記調光層に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
前記調光層が、シリコーンオイルと、該シリコーンオイル中に分散した貴金属粒子とを含むことを特徴とする表示素子である。
【発明の効果】
【0012】
以上に説明したように本発明によれば、電気泳動方式の表示素子等にも利用可能な新規な貴金属粒子分散液及びその製造方法、並びに、前記貴金属粒子分散液を用いた表示方法及び表示素子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(貴金属粒子分散液及びその製造方法)
本発明の貴金属粒子分散液は、シリコーンオイルと、該シリコーンオイル中に分散した貴金属粒子とを含むことを特徴とする。
このような本発明の貴金属粒子分散液の用途は特に限定されるものでなく、目的に応じて如何様な用途にも利用可能であるが、調光や表示のために粒子を分散させた分散媒を用いる各種の表示素子、特に電気泳動方式の表示素子に用いることが好適である。
【0014】
なお、本発明の貴金属粒子分散液を各種の表示素子に利用するためには、貴金属粒子はシリコーンオイル中に分散した状態で発色性を呈することが必要である。
ここで、「分散した状態で発色性を呈する」とは、貴金属粒子がシリコーンオイル中に分散している状態で、貴金属粒子分散液を目視したときに観測できる色相を呈することをいう。なお、この場合の色相の観測は、目視方向に対する貴金属粒子分散液の厚みが10μm〜1cm程度の範囲内で観測されることを意味する。色相は、貴金属粒子の形状や粒径等、また貴金属粒子に含まれる貴金属の種類等を変化させることにより多彩とすることができる。
【0015】
貴金属粒子に起因した色相は、粒子自体の遮光性を利用したもの(すなわち、黒色)であってもよいが、粒子そのものが発色する特性を利用してもよい。後者の場合、貴金属粒子はプラズモン発色機能を有することが特に好ましい。
貴金属粒子のプラズモン発色は、電子のプラズマ振動に起因し、プラズモン吸収と呼ばれる発色機構によるものである。このプラズモン吸収による発色は、金属中の自由電子が光電場により揺さぶられ、粒子表面に電荷が現れ、非線形分極が生じるためであるとされている。この貴金属粒子による発色は、彩度や光線透過率が高く、耐久性等に優れている。このような貴金属粒子による発色は、粒径が数nm〜数十nm程度の、いわゆるナノ粒子において見られるものである。なお、色相の鮮やかさの観点からは、粒径分布が狭い金属粒子であることが有利である。それゆえ、貴金属粒子の平均粒径(体積平均粒径)としては1〜100nmの範囲内であることが好ましく、5〜50nmの範囲内であることが好ましい。
【0016】
貴金属粒子は、この粒子に含まれる金属の種類や、粒子の形状、体積平均粒径により、様々な色に発色させることができる。そのため、これらを制御した貴金属粒子を用いることにより、RGB発色を含む様々な色相を得ることができる。それゆえ、プラズモン発色機能を有する貴金属粒子を分散させた本発明の貴金属粒子分散液を用いて表示素子作製すればカラー表示が可能である上に、R、G、Bに対応した各色の貴金属粒子分散液を用いればRGB方式の表示素子を作製することもできる。
【0017】
RGB方式のR、G、Bそれぞれの色を呈するための貴金属粒子の体積平均粒径としては、用いる金属や、粒子の調製条件、形状等に依存するため、特に限定することができないが、例えば、金コロイド粒子の場合、体積平均粒径が大きくなるに従って、R発色、G発色、B発色を呈する傾向にある。
【0018】
本発明における体積平均粒径の測定方法としては、粒子群にレーザ光を照射し、そこから発せられる回折、散乱光の強度分布パターンから平均粒径を測定する、レーザ回折散乱法を採用する。例えば、日機装社製マイクロトラック粒度分布測定装置MT3300を用いて粒径の測定が可能である。
【0019】
貴金属粒子に含まれる貴金属としては、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金等の公知の貴金属類であれば特に限定されないが金および/または銀が特に好ましい。また、貴金属粒子中には、貴金属類以外の金属(例えば、銅)なども含まれていてもよい。
【0020】
一方、本発明の貴金属粒子分散液を電気泳動方式の表示素子に利用するためには、貴金属粒子に対して電界(電圧)が印加された場合に、貴金属粒子がシリコーンオイル中を移動可能な電気泳動性を有することが必要である。この点で本発明に用いられる貴金属粒子は電気泳動性を有するため、電気泳動方式の表示素子に適用することができる。なお、電気泳動特性は貴金属粒子の帯電性や分散性等を、貴金属粒子の表面を、例えば、シランカップリング剤等の表面処理剤により表面処理することによって制御することができる。
【0021】
以上に説明したように貴金属粒子がシリコーンオイル中に分散した状態で発色性を呈し、且つ、電気泳動特性を有する場合には、本発明の貴金属粒子分散液は電気泳動方式の表示素子に利用可能である。これに加えて、本発明の貴金属粒子分散液は貴金属粒子の分散媒として、シリコーンオイルを用いる。
このシリコーンオイルは、従来の電気泳動方式の表示素子に用いられていたヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン等の分散媒と比べて、(1)より高い電圧を印加しても分散媒が分解し難い、(2)粘性が高いために、貴金属粒子を電気泳動させた場合に激しい対流が起こりにくく、このような激しい対流に起因するコントラストの低下や表示の乱れが起こりにくい、(3)表示素子の作製に際して、表示素子の調光層となる空間に着色粒子を分散させた分散液を減圧充填する場合に分散媒の揮発が起こりにくいという特性を有する。
それゆえ、本発明の貴金属粒子分散液を用いて表示素子を作製する際に、減圧充填を利用する場合にはその作製が従来よりも容易となる上に、作製された表示素子の耐久性や信頼性、表示特性をより向上させることも可能となる。
【0022】
さらに、本発明に用いられる貴金属粒子がプラズモン発色機能を有する場合には、従来の顔料や染料のような着色剤を含む着色粒子による発色と比較して、彩度や光線透過率が高く、耐久性に優れるなどの特徴を有する。それゆえ、この点においても従来の電気泳動方式の表示素子と比べて優れた表示特性や信頼性を得ることができる。
【0023】
シリコーンオイルとしては公知のシリコーンオイルであれば特に制限なく利用できる。
(1)抵抗値は10Ωcm以上であることが好ましく、より好ましくは10Ωcm〜1019Ωcmであり、さらに好ましくは1010〜1019Ωcmである。(2)粘度は1〜1000cst、より好ましくは1〜100cstである。具体的には、信越化学社製KF−96、Dow corning社製DOW CORNING 200、GE東芝シリコーン社製TSF451などのジメチルシリコーンオイルが使用できる。また、ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部に有機基を導入した変性シリコーンオイル(例えば信越化学社製KF−393、X22−3710)なども使用できる。
【0024】
なお、シリコーンオイルには、必要に応じて、酸、アルカリ、塩、分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収などを目的とした安定剤、抗菌剤、防腐剤などを添加することができる。
【0025】
また、貴金属粒子分散液中に含まれる貴金属粒子の含有量(質量%)としては、特に限定されないが、表示素子に用いる場合の貴金属粒子の含有量は、表示素子の調光層の厚さに応じて適宜調整することができ、調光層が厚い場合には含有量は少なく、調光層が薄い場合には含有量を多くすることができる。この場合、含有量は一般的には、0.01〜50質量%の範囲が好適である。
【0026】
−貴金属粒子分散液の作製方法−
次に、本発明の貴金属粒子分散液の作製方法について説明する。本発明の貴金属粒子分散液の作製方法については特に限定されるものではないが、少なくとも1種以上の貴金属化合物と少なくとも1種以上のシランカップリング剤を含有するシリコーンオイル中に還元剤を添加して、貴金属化合物を還元することによって、貴金属粒子を生成するものであることが特に好ましい。
【0027】
本発明者らは、既述したようにシリコーンオイル中に顔料等を含む着色粒子に種々の表面処理を施して、これを分散させることを試みたが、十分に分散させることができなかった。これらの結果から、本発明者らは、シリコーンオイルは、ヘキサン等の低分子の有機溶媒と比べて粘性が高く、分子量も大きいなどの違いを有することから、既に粒子状態の材料を分散させるには不適な分散媒であると考えた。
従って、シリコーンオイル中に予め粒子を形成する成分(粒子前駆体成分)を溶解分散させておき、シリコーンオイル中で粒子前駆体成分から粒子を形成する方法を利用すれば、シリコーンオイル中に粒子を分散させることができる可能性があるものと考えた。
【0028】
また、粒子前駆体成分を溶解・分散させた分散媒中から粒子を形成する方法としては、特許文献3,4等に示されるような金属塩や金属錯体等の貴金属化合物を有機溶媒中で還元する方法が知られている。そこで、この方法を利用すればシリコーンオイル中に貴金属粒子を分散させた分散液が得られるものと本発明者らは考えた。但し、この方法を利用する場合、単純に使用する分散媒をシリコーンオイルに置き換えただけでは、貴金属化合物そのものの溶解・分散が困難になるため、ドデシルベンゼンスルホン酸等の低分子の分散剤を併用することが有効であると思われる。
一方、シリコーンオイルは、絶縁性が高いために、電気泳動方式の表示素子に用いる場合には、より高電圧下でも利用できるというメリットがある。しかしながら、高い電圧を印加した場合には、低分子分散剤の分解が懸念される。このような分解が発生した場合には表示素子内で低分子分散剤の分解に起因する気泡が発生して、表示特性の劣化を招くのみならず、シリコーンオイル中の分散剤の減少により貴金属粒子の分散性の低下も招くものと考えられる。それゆえ、低分子の分散剤を利用した場合には、シリコーンオイルを利用するメリットである高電圧下での表示素子の駆動を困難にしてしまうことも考えられる。
【0029】
しかしながら、本発明者らは、分散剤としてシランカップリング剤を用いればこのような問題が解決できることを見出した。シランカップリング剤は、一般的には表面処理剤として用いられるものであるが、シリコーンオイル中に添加した場合には貴金属化合物の分散剤として機能すると共に、貴金属化合物が還元されて貴金属粒子が生成した後は、この粒子表面と反応して、貴金属粒子の分散性を確保するものと考えられる。また、シランカップリング剤を用いた場合には、その種類を選択することにより貴金属粒子の帯電性や分散性の制御も容易となる。
【0030】
貴金属粒子分散液の作製に際して用いることが可能な貴金属化合物としては、上述した貴金属を含む公知の金属錯体や金属塩であればいずれも利用できる。
貴金属化合物の具体例としては、塩化金酸、硝酸銀、脂肪族銀塩、酢酸銀、過塩素酸銀、塩化白金酸、塩化白金酸カリウム等を挙げることができる。また、貴金属以外の金属を併用する場合には、例えば、塩化銅(II)、酢酸銅(II)、硫酸銅(II)等を利用することができる。
シリコーンオイルに対する貴金属化合物の添加量としては作製する貴金属粒子分散液中に含まれる貴金属粒子に応じて適宜選択でき特に限定されないが、一般的には0.01〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
【0031】
貴金属粒子分散液の作製に際して用いることが可能なシランカップリング剤としては公知のシランカップリング剤が利用できる。
具体的には、Phenethyltrimethoxysilane、Aminopropyltriethoxysilane、3−Aminopropyltrimethoxysilane、Metacryloxytrimethoxysilane、Methoxytrimethylsilane、3−Aminopropyldiethoxymethylsilane、N−(2−Aminoethyl)−3−aminopropyltrimethoxysilane、N−(2−Aminoethyl)−3−aminopropylmethyldimethoxysilane等を挙げることができる。
【0032】
シランカップリング剤の添加量は、貴金属化合物に対してモル比で0.1倍以上であることが好ましく、モル比で1倍以上であることが更に好ましい。添加量が貴金属化合物に対してモル比で0.1倍未満では、貴金属化合物や、貴金属化合物を還元して得られた貴金属粒子を十分に分散させることが困難となる場合がある。一方、シランカップリング剤の添加量の上限は特に限定されないが、実用上は貴金属化合物に対してモル比で100倍以下であることが好適である。
【0033】
貴金属粒子分散液の作製に際して用いることが可能な還元剤としては公知の還元剤が利用できる。
具体例としては、アスコルビン酸や、水素化ホウ素ナトリウム等のアルカリ金属水素化ホウ素塩、ヒドラジン化合物、クエン酸又はその塩、コハク酸又はその塩等を挙げることができる。
【0034】
還元剤の添加量は、貴金属化合物に対してモル比で1倍以上であることが好ましく、貴金属化合物に対してモル比で1.5倍以上であることが更に好ましい。添加量が貴金属化合物に対してモル比で1倍未満では、貴金属化合物の還元が不十分となり、貴金属粒子を十分に生成できなくなる場合がある。一方、還元剤の添加量の上限は特に限定されないが、実用上は貴金属化合物に対してモル比で50倍以下であることが好適である。
【0035】
(表示方法及び表示素子)
−表示方法−
次に、本発明の貴金属粒子分散液を用いた表示方法および表示素子について説明する。
本発明の貴金属粒子分散液を用いた表示の切り替えは、シリコーンオイル中に含まれる貴金属粒子を電気的に移動させて、シリコーンオイル中における貴金属粒子の分散・偏在状態を制御することにより行われる。貴金属粒子の電気的な移動(電気泳動)は、シリコーンオイルに電界を印加することにより行われ、印加する電界を制御することによって、シリコーンオイル中における貴金属粒子の分散・偏在状態を制御する。
ここで、貴金属粒子がシリコーンオイル中に分散している場合にはシリコーンオイルは基本的には貴金属粒子に起因した色相を呈し、シリコーンオイルが偏在している場合には、シリコーンオイルそのものの色相(貴金属粒子以外の着色成分が溶解していない場合には通常は無色)を呈する。それゆえ、このような貴金属粒子の分散・偏在状態の違いを利用して表示の切り替えを行うことができる。
【0036】
また、本発明の貴金属粒子分散液を用いて表示を行う場合には、貴金属粒子分散液中に貴金属粒子とは異なる特性を有する粒子(異性粒子)を添加して用いてもよい。例えば、異性粒子が白色で電界により移動せず且つシリコーンオイル中に常に分散した状態で存在する特性を有する場合に、貴金属粒子を偏在させるような電界を印加すれば、貴金属粒子分散液を観察する方向や貴金属粒子の偏在状態にも依存するものの、貴金属粒子分散液の色相を見かけ上白色(異性粒子の色)とすることもできる。
【0037】
−表示素子−
このような表示方法を利用した本発明の表示素子の構成は特に限定されるものではないが、第一電極と、第二電極と、調光層と、第一電極及び第二電極を介して調光層に電圧を印加する電圧印加手段とを備えたものであることが好ましい。なお、この表示素子の調光層には、本発明の貴金属粒子分散液が含まれる。
【0038】
表示素子の具体的な構成としては種々の態様が挙げられるが、一般的に、調光層は少なくともいずれか一方が透明な一対の基板間に設けられることが好ましい。また、表示素子に設けられる調光層はひとつのみであってもよいが、2つ以上の調光層を設けることが好ましい。この場合、各々の調光層に印加される電圧を独立に制御したり、使用する貴金属粒子分散液の種類を異なるものとすることにより、多様な表示が可能である。
例えば、貴金属粒子がシリコーンオイル中に分散した状態で赤色を呈する貴金属粒子分散液、緑色を呈する貴金属粒子分散液及び青色を呈する貴金属粒子分散液の3種類を用いれば、フルカラー表示を行うこともできる。このようなR、G,Bに対応した各々の調光層は、RGBの調光セルを1セットとして表示素子の平面方向に配置してもよいが、表示素子の厚み方向に積層して配置してもよい。なお、後者の場合、基板と各々の調整セルが順次積層された構成となるため、少なくとも、表示素子の両面を構成する基板のうちの少なくとも一方の基板を除いた残りの基板は全て透明であることが必要である。
【0039】
一方、第一電極及び第二電極は、調光層に対して電圧の印加が可能であれば表示素子の任意の位置に配置でき、調光層中に含まれる貴金属粒子分散液と非接触に設けられていてもよいが、双方の電極が貴金属粒子分散液と接触するように設けられていることが好ましい。なお、双方の電極が貴金属粒子分散液と接触するように設けられている場合、従来の電気泳動方式の表示素子では、高い電圧を印加すると分散媒が分解劣化し、表示素子の信頼性や表示特性の低下を招く恐れがあったが、本発明においては高電圧を印加しても分解し難いシリコーンオイルを用いているため、高電圧を印加して表示素子を駆動させても長期に渡って高い信頼性や表示特性を維持することが容易である。
【0040】
また、調光層に用いられる貴金属粒子分散液には、必要に応じて上述した異性粒子が含まれていてもよい。なお、表示素子として異性粒子を用いる場合の異性粒子の好ましい特性としては、貴金属粒子に対して異なる色相(濃淡を含む)、異なる形態(異なる体積平均粒径や異なる形状等)、異なる移動性、異なる機能(例えば、貴金属粒子が色表示の機能を有し、異性粒子がスペーサの機能を有すること)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。特に、異性粒子が白色の場合、当該異性粒子が観察面近傍に位置していることにより、視野角依存性がより低減される。
表示素子のコントラストの向上を考慮すると、異性粒子の色は白色であることが好ましい。当該異性粒子が白色の場合、その濃淡は限定されず、視覚的に白色であればよい。
【0041】
また、異性粒子の体積平均粒子径(X)が、貴金属粒子の体積平均粒径(Y)よりも大きいことが好ましく、それらの比(X/Y)が、2〜50000であることがより好ましく、20〜10000であることが更に好ましい。異性粒子が貴金属粒子より大きいと、貴金属粒子が異性粒子同士の間隙を移動しやすくなり、貴金属粒子による色表示の応答性を向上させることができる。
【0042】
異性粒子の体積平均粒径は、0.1〜50μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい。0.1〜50μmであることで、当該異性粒子をスペーサーとして利用できるといった効果を発揮することができる。
【0043】
異性粒子の材料としては、有機物や無機物など特に限定されず、使用することができる。例えば、有機物としては、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。無機物としては、酸化チタン、シリカ、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
【0044】
調光層中の異性粒子の体積充填率は、30〜95vol%であることが好ましく、50〜90vol%であることがより好ましい。体積充填率が30〜95vol%であることで、異性粒子の色、例えば、白色を効果的に表示することができる。
異性粒子は、貴金属粒子とは異なる色相を呈する色表示用の粒子として使用することができるが、調光層の膜厚の均一化の観点から、スペーサーとして使用することもできる。
【0045】
以下、本発明の表示素子の具体例を図面を用いて説明する。尚、同様の機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、その説明を省略する。
【0046】
図1は、本発明の表示素子の一例とそれを製造するプロセスを示す模式断面図であり、
図1(a)、(b)は表示素子を製造する途中の工程について説明する図であり、図1(c)は、図1(a)(b)に示す工程を経て完成した表示素子の構成について示す図であり、図1(d)は、図1(c)に示す表示素子を電源に接続して電圧を印加した状態について示す図である。
【0047】
図1(c)に示す表示素子は、第1基板1と、第1基板1の片方の面の全面を覆うように設けられた第1電極2と、第1電極2表面全面を覆うように設けられた絶縁層5と、第1基板1の絶縁層5が設けられた側に対向配置された第2基板8と、第1基板1および第2基板8とからなるセルの端部を封止するように絶縁層5と第2の基板8の第1基板1と対向する側の面との間に配置された隔壁6と、絶縁層5と隔壁6との間で且つ第1基板1の片側の辺(断面(図中の紙面)と直交する方向の辺)に沿って設けられた帯状の第2電極4とを有すると共に、第1基板1と第2基板8と隔壁6とで密閉された空間(調光層に相当する空間部分)内に、貴金属粒子10及びシリコーンオイル9を含む貴金属粒子分散液が封入された1つのセル部分について示したものである。なお、第2電極4は、その幅が隔壁6の幅よりも長くなるように形成されている。
【0048】
このように、図1(c)に示す表示素子は、第1電極と第2電極とが基板面に対して水平方向及び垂直方向に位置をずらして一方の基板の片面側上に積層され、かつ、第2電極は第1電極と水平方向に重なる領域を有している構成となっている。
また、隔壁6と第2基板8との接合面は接着層7により接着されている。なお、図1(c)に示す表示素子は、1つのセル部分について示したものであるが、隣接する他のセルと隔壁で仕切られる形で、複数のセルが基板平面方向に1次元的あるいは2次元的に連続して配置されていてもよい。
【0049】
図1(c)に示す表示素子の作製は、例えば以下のように実施することができる。まず、第1基板1の片面全面に、第1電極2と、絶縁層5とをこの順に積層する(図1(a))。続いて、第1基板1の片側の辺に沿って、絶縁層5の表面に直線状の第2の電極4を積層する(図1(b))。その後、第1基板1の絶縁層5が設けられた側の面に隔壁6を積層する(隔壁形成工程)。続いて、隔壁6と第2基板8とを接着層7を介して接着する(接着工程)。
ここで、貴金属粒子分散液の調光層部分への封入は、以下のようにして行う。まず、隔壁形成工程において、後工程で調光層部分に貴金属粒子分散液を減圧充填できるように、隔壁6の一部を形成せずに貴金属粒子分散液の充填口を同時に形成する。続いて、接着工程を実施した後に、充填口を利用して、減圧充填により貴金属粒子分散液を調光層部分に封入する。その後、充填口を封止することにより、表示素子を得ることができる(図1(c))。
なお、図1(d)は、図1(c)に示す表示素子の第1電極1および第2電極4に対して電圧印加手段として接続された電源により、第1電極1に正の電圧を、第2電極4に負の電圧を印加した状態について示している。
【0050】
次に、図1に例示する本発明の表示素子の動作を、図1(c)及び(d)を用いて以下に説明する。
なお、動作の説明にあたり、第2基板8、絶縁層5及び第1電極2が可視光に対して透明であり、第1基板1が可視光に対して不透明であり、貴金属粒子10が正に帯電しており、且つ、表示素子により表示される色は、表示素子の第2基板8が設けられた側の面から観察するものとする。
まず、電圧の印加がない場合は、貴金属粒子10は図1(c)に示すとおり、調光層中に一様に分散して貴金属粒子10の色が表示される色(例えば、赤色)として観察される。一方、電圧を印加したとき、貴金属粒子10は、マイナス電極(第2電極4)側へ移動する。このため、第1基板の色が観察され、第1基板の色が例えば白色であれば、表示素子には白色が表示される。
なお、表示素子に対して電圧を印加した場合、貴金属粒子10は、第1基板1、第2基板8の面に対して略平行方向に移動する。
【0051】
第1基板1、第2基板8としては、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、)、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、シリコーン樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素樹脂、セルロース誘導体、ポリオレフィンなどの高分子のフイルムや板状基板、ガラス基板、金属基板、セラミック基板等の無機基板などが好ましく用いられる。
なお、これら2つの基板のうちの少なくとも一方は、可視光に対して光透過性を有する透明基板が用いられ、透過型の表示素子を作製する場合には、第1基板1および第2基板8の双方共に、透明基板が用いられる。なお、透明基板は、可視域の光に対する光透過率が少なくとも50%以上であることが好ましく、光透過率は100%に近いほどよい。
【0052】
第1電極2及び第2電極4の材料としては、酸化錫−酸化インジウム(ITO)、酸化錫、酸化亜鉛などに代表される金属酸化物層が形成されたものが好ましく用いられる。少なくとも可視域の光に対して50%以上の光透過率を有する透明電極が好ましく用いられる。また、反射型光学素子用途の場合、目視方向から見て遠い方に位置する電極に用いられる電極材料としては、前記酸化錫−酸化インジウム(ITO)、酸化錫、酸化亜鉛などに代表される金属酸化物層の他に、導電性高分子や、カーボン、銅、アルミニウム、金、銀、ニッケル、プラチナなどに代表される金属層を用いることができる。
第1電極2及び第2電極4の材料としては、これらの材料を単独、或いは、複数種の材料を積層して用いることもできる。
【0053】
なお、透過型の表示素子を作製する場合には、第1電極2及び第2電極4双方共に透明電極が用いられる。また、第1電極2、第2電極4の厚みや大きさは表示素子によって様々なものが利用でき、特に限定されるものではない。
【0054】
隔壁6の高さは、特に限定されるものではなく、通常20μm〜1mm程度である。
隔壁6の幅は、特に限定されるものではないが、一般的には幅が小さい方が、表示素子の解像度の観点より有効であり、通常、10μm〜1mm程度である。
また、隔壁6の材料としては、特に限定されず、例えば、公知の感光性樹脂を用いることができる。
【0055】
接着層7の材料としては、特に限定されず、熱硬化性樹脂、紫外光硬化性樹脂等を使用することができるが、隔壁の材料や、調光層等を構成する材料に影響を与えない材料が選択される。
絶縁層5の材料としては、特に限定されず、公知の絶縁材料を用いることができ、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、アモルファスフッ素樹脂等を用いることができ、透過型の表示素子を作製する場合には可視光に対して光透過性を有する材料が用いられる。
【0056】
次に、図1に示す表示素子とは別の構成を有する表示素子について説明する。
図2は、本発明の表示素子の他の例とそれを製造するプロセスを示す模式断面図であり、図2(a)は表示素子を製造する途中の工程について説明する図であり、図2(b)は、図2(a)に示す工程を経て完成した表示素子の構成について示す図であり、図2(c)は、図2(b)に示す表示素子を電源に接続して電圧を印加した状態について示す図である。
【0057】
図2(b)の表示素子は、第1基板1と、この第1基板1の片面側で且つ対向する平行な2つの辺(断面(図中の紙面)と直交する方向の辺)に各々沿うように配置された帯状の第1電極2および第2電極4と、第1基板1の第1電極2および第2電極4が設けられた側に対向配置された第2基板8と、第1基板1と第2基板8とからなるセルの端部を封止するように設けられた隔壁6とを有すると共に、第1基板1と第2基板8と隔壁6とで密閉された空間(調光層に相当する空間部分)内に、貴金属粒子10及びシリコーンオイル9を含む貴金属粒子分散液が封入された1つのセル部分について示したものである。なお、隔壁6と第2基板8との接合面は接着層7により接着されており、また、第1電極2おおよび第2電極4は、その幅が隔壁6の幅よりも長くなるように形成されている。
なお、図2(b)に示す表示素子は、1つのセル部分について示したものであるが、隣接する他のセルと隔壁で仕切られる形で、複数のセルが基板平面方向に1次元的あるいは2次元的に連続して配置されていてもよい。
【0058】
ここで両電極2,4の線幅は、特に限定されるものではないが、通常、20μm〜1mm程度であることが好ましく、両電極2,4の厚さとしては、特に限定されるものではないが、通常、10nm〜1μm程度が好ましい。隔壁6の高さとしては、特に限定されるものではないが、通常、20μm〜1mm程度である。隔壁6の幅としては、特に限定されるものではないが、通常、10μm〜1mm程度である。
また、図2(b)に示す表示素子に用いられる各部材については、図1(c)と同様のものが利用できる。
【0059】
図2(b)に示す表示素子の作製は、例えば以下のように実施することができる。まず、第1基板1の片側面で且つ対向する平行な2つの辺(断面(図中の紙面)と直交する方向の辺)に各々沿うように帯状の第1電極2および第2電極4を形成する(図2(a))。その後、第1基板1の第1電極2および第2電極4が設けられた側の面に隔壁6を積層する(隔壁形成工程)。続いて、隔壁6と第2基板8とを接着層7を介して接着する(接着工程)。なお、貴金属粒子分散液の調光層部分への封入は、図1に示した表示素子の場合と同様に行うことができ、これにより表示素子を得ることができる(図2(b))。
【0060】
なお、図2(c)は、図2(b)に示す表示素子の第1電極1および第2電極4に対して電圧印加手段として接続された電源により、第1電極2に負の電圧を、第2電極4に正の電圧を印加した状態について示している。ここで、貴金属粒子10が正に帯電していれば、図2(c)に示すように、貴金属粒子10はマイナス電極(第1電極2)側に移動する。よって、電圧の印加がない場合(図2(b))には、貴金属粒子10の色が表示色として観察され、電圧が印加された場合(図2(c))には、表示素子が透過型であれば透明が、表示素子が反射型であれば、第1基板1(又は第2基板8)の色が観察されることになる。
【0061】
次に、図1、2に示す表示素子とは別の構成を有する表示素子について説明する。
図3は、本発明の表示素子の他の例とそれを製造するプロセスを示す模式断面図であり、図3(a)は表示素子を製造する途中の工程について説明する図であり、図3(b)は、図3(a)に示す工程を経て完成した表示素子の構成について示す図であり、図3(c)は、図3(b)に示す表示素子を電源に接続して電圧を印加した状態について示す図である。
【0062】
図3(b)の表示素子は、第1基板1と、この第1基板1の片面側で且つ対向する平行な2つの辺(断面(図中の紙面)と直交する方向の辺)に各々沿うように配置された隔壁の機能も兼ねる第1電極2および第2電極4と、第1電極2と第2電極4とを絶縁するように第1電極2および第2電極4が配置されない部分に設けられた(絶縁性材料からなる)隔壁(不図示)と、第1基板1の第1電極2、第2電極4および不図示の隔壁が設けられた側に対向配置された第2基板8とを有すると共に、第1基板1と第2基板8と隔壁6とで密閉された空間(調光層に相当する空間部分)内に、貴金属粒子10及びシリコーンオイル9を含む貴金属粒子分散液が封入された1つのセル部分について示したものである。
なお、第1電極2、第2電極4および不図示の隔壁と第2基板8との接合面は接着層7により接着されている。
なお、図3(b)に示す表示素子は、1つのセル部分について示したものであるが、隣接する他のセルと隔壁で仕切られる形で、複数のセルが基板平面方向に1次元的あるいは2次元的に連続して配置されていてもよい。
【0063】
両電極2、4の幅は、特に限定されるものではないが、通常、10μm〜1mm程度である。両電極2、4の高さは、特に限定されるものではないが、20μm〜1mm程度である。なお、不図示の隔壁の幅や高さも、両電極2、4と同様である。
図3(b)に示す表示素子の作製は、例えば以下のように実施することができる。まず、第1基板1の片側面で且つ対向する平行な2つの辺(断面(図中の紙面)と直交する方向の辺)に各々沿うように帯状の第1電極2および第2電極4を形成する(図2(a))と共に、第1電極2と第2電極4とを絶縁するように第1電極2および第2電極4が配置されない部分に絶縁性材料からなる隔壁(不図示)を形成する(電極および隔壁形成工程)。続いて、第1電極2、第2電極4および不図示の隔壁と第2基板8とを接着層7を介して接着する(接着工程)。なお、貴金属粒子分散液の調光層部分への封入は、図1に示した表示素子の場合と同様に行うことができ、これにより表示素子を得ることができる(図3(b))。
【0064】
なお、図3(c)は、図3(b)に示す表示素子の第1電極1および第2電極4に対して電圧印加手段として接続された電源により、第1電極2に負の電圧を、第2電極4に正の電圧を印加した状態について示している。ここで、貴金属粒子10が正に帯電していれば、図3(c)に示すように、貴金属粒子10はマイナス電極(第1電極2)側に移動する。よって、電圧の印加がない場合(図3(b))には、貴金属粒子10の色が表示色として観察され、電圧が印加された場合(図3(c))には、表示素子が透過型であれば透明が、表示素子が反射型であれば、第1基板1(又は第2基板8)の色が観察されることになる。
【0065】
次に、図2に示す表示素子を積層した構成を有する表示素子について説明する。
図4は、本発明の表示素子の他の例とそれを製造するプロセスを示す模式断面図であり、図2に示す構成を有する表示素子(調光セル)を、この調光セルの厚み方向に3つ積層した構成を有する表示素子について示すものである。
ここで、図4(a)、(b)は表示素子を製造する途中の工程について説明する図であり、図4(c)は、図4(a)、(b)に示す工程を経て完成した表示素子の構成について示す図であり、図4(d)は、図4(c)に示す表示素子を電源に接続して電圧を印加した状態について示す図である。
【0066】
図4(c)に示す表示素子は、図2(b)に示す表示素子と同様の構成を有する第1の調光セル20A、第2の調光セル20Bおよび第3の調光セル20Cをこの順に積層した構成を有するものであり、第1の調光セル20Aの第2基板として基板11Aを、第2の調光セル20Bの第1基板として基板11Aを、第2の調光セル20Bの第2基板として基板11Bを、第3の調光セル20Cの第1基板として基板11Bを用いている以外は、各々の調光セルの構成や、その構成部材は図2(b)に示す表示素子と同様である。
なお、図4(c)中に示す基板11Aは、第1の調光セル20Aにおける第2基板および第2の調光セル20Bの第1基板の機能を兼有し、基板11Bは、第2の調光セル20Bにおける第2基板および第3の調光セル20Cの第1基板の機能を兼有し、基板11Aおよび基板11Bとしては表示素子が透過型であるか反射型であるかを問わず、透明基板が用いられる。
【0067】
また、第1の調光セル20Aの調光層、第2の調光セル20Bの調光層および第3の調光セル20Cの調光層に各々用いられる貴金属粒子10A、10Bおよび10Cは、各々の色が同一であっても異なっていてもよい。3種類の貴金属粒子10A、10Bおよび10Cの色が同一である場合には、3段階の諧調表示を行うことができ、3種類の貴金属粒子10A、10Bおよび10Cの色が互いに異なる場合、例えば、貴金属粒子10Aの色を赤色(R)、貴金属粒子の10Bの色を緑色(G)、貴金属粒子10Cの色を青色(B)とした場合にはフルカラー表示を行うことができる。
【0068】
図4(c)に示す表示素子の作製は、図2(a)に示すような工程(図4(a))を経て、1層目の調光セル(第1の調光セル20A)を作製する。続いて、この調光セル20Aの第2基板(基板11A)の第1基板1が配置された側と反対側の面に、第2の調光セル20Bを積層するために第1電極2および第2電極4を形成する。以降の工程については、図2(b)に示す表示素子を作製する場合と同様である。このような工程を、第2の調光セル20Bが形成された後に再度繰り返して実施することにより第3の調光セル20Cを形成し、表示素子を得ることができる(図4(c))。
但し、上述した作製方法以外にも、例えば、各々の調光セルを別個に作製した後、これらを積層することにより図4(c)に示すような表示素子を作製することもできる。なお、この場合、基板11Aおよび基板11Bは、2枚の基板を積層した構成となる。
【0069】
なお、図4(d)は、図4(c)に示す第1の調光セル20Aおよび第3の調光セル20Cの第1電極1および第2電極4に対して電圧印加手段として接続された電源により、第2電極4に負の電圧を、第1電極2に正の電圧を印加した状態について示している。
【0070】
次に、図4に例示する本発明の表示素子の動作を、図4(c)及び(d)を用いて以下に説明する。
なお、動作の説明にあたり、第2基板8及び第1電極2が可視光に対して透明であり、第1基板1が可視光に対して不透明であり、貴金属粒子10Aの色を赤色(R)、貴金属粒子の10Bの色を緑色(G)、貴金属粒子10Cの色を青色(B)とし、且つ、表示素子により表示される色は、表示素子の第2基板8が設けられた側の面から観察するものとする。
まず、電圧の印加がない場合は、貴金属粒子10A、10Bおよび10Cは図4(c)に示すとおり、調光層中に一様に分散して貴金属粒子10、10B、10C各々の色が重なり合った状態の色(黒色)として観察される。
【0071】
一方、図4(d)に示すように、第1の調光セル20Aおよび第3の調光セル20Cに電圧を印加したとき、マイナスに帯電している貴金属粒子10Aおよび10Cは、プラス電極(第1電極2)側へ移動する。但し、第2の調光セル20Bには何らの電圧も印加されないため、第2の調光セル20Bの調光層中には貴金属粒子10Bが分散した状態が維持されている。このため表示素子には緑色(貴金属粒子10Bの色)が表示される。
同様にして、第1の調光セル20Aおよび第2の調光セル20Bのみに電圧を印加した場合には青色が表示され、第2の調光セル20Bおよび第3の調光セル20Cのみに電圧を印加した場合には赤色が表示され、3つの調光セル20A、20B、20Cの全てに電圧を印加した場合には白色が表示される。よって、これら3つの調光セル各々に対する電圧印加を制御すればフルカラー表示が可能である。
【0072】
次に、図1〜4に示す表示素子とは別の構成を有する表示素子について説明する。
図5は、本発明の表示素子の他の例を示す模式断面図であり、図5(a)は、表示素子に対して電圧が印加されない状態を、図5(b)は表示素子に対して電圧が印加された状態を、図5(c)は表示素子に対して図5(b)に示した場合と逆向きの電圧が印加された状態を示したものである。
図5に示す表示素子は、互いに対向配置された第1基板1および第2基板8と、第1基板1の第2基板8が配置された側の面全面を覆うように形成された第1電極2と、第2基板8の第1基板1が配置された側の面全面を覆うように形成された第2電極4と、第1基板1と第2基板8とからなるセルの端部を封止するように設けられた隔壁6とを有すると共に、第1基板1と第2基板8と隔壁6とで密閉された空間(調光層に相当する空間部分)内に、貴金属粒子10及びシリコーンオイル9を含む貴金属粒子分散液が、異性粒子12と共に封入された1つのセル部分について示したものである。なお、図5に示す表示素子は、1つのセル部分について示したものであるが、隣接する他のセルと隔壁で仕切られる形で、複数のセルが基板平面方向に1次元的あるいは2次元的に連続して配置されていてもよい。
【0073】
図5に示す表示素子の異性粒子12を除く各部材の構成材料やそのサイズについては、基本的に図1に示す表示素子と同様とすることができる。なお、異性粒子12としては、既述したものが利用できるが、例えば、コントラストの向上を目的として粒径10μm程度の白色の酸化チタン粒子を利用することができる。この場合は、図5に示すように、異性粒子12は、隣接する他の異性粒子12と調光層の平面方向に隙間を形成しないように調光層内に配置される。
【0074】
次に、図5に例示する本発明の表示素子の動作を、図5(a)〜(c)を用いて以下に説明する。
なお、動作の説明にあたり、第2基板8、第2電極4が可視光に対して透明であり、貴金属粒子10が正に帯電した赤色の粒子であり、異性粒子12は白色であり、且つ、表示素子により表示される色は、表示素子の第2基板8が設けられた側の面から観察するものとする。
まず、電圧の印加がない場合は、貴金属粒子10は図5(a)に示すとおり、調光層中に一様に分散しているため、赤色が観察される。ここで、図5(b)に示すように第1電極2に正の電圧を、第2電極4に負の電圧を印加した場合には、貴金属粒子10はマイナス電極(第2電極4)側へ移動する。このため、表示素子には濃い赤色が表示される。
一方、図5(b)に示すように第1電極2に負の電圧を、第2電極4に正の電圧を印加した場合には、貴金属粒子10はマイナス電極(第1電極2)側へ移動する。このため、表示素子には白色(異性粒子12の色)が表示される。
【0075】
以上に説明した本発明の表示素子には、その用途に応じて、基板には、配線、薄膜トランジスタ、金属・絶縁層・金属構造を持つダイオード、バリアブルコンデンサ、強誘電体等の駆動用スイッチング素子を形成してもよい。
【実施例】
【0076】
以下に本発明を実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
<貴金属粒子分散液の調整>
(実施例A1)
100mlフラスコに2−エチルヘキシル酸銀4.0×10−5molとオクタメチルトリシロキサン20mLを採取し、マグネチックスターラーを用いて攪拌して分散させた。 Phenethyltrimethoxysilaneを1.7×10−2mol加え、さらに3−Aminopropyltriethoxysilaneを9.0×10−4molを加えたところ、液体は無色透明となった。さらに、還元剤として1.2×10−5molのアスコルビン酸を加え、マグネチックスターラーを用いて攪拌し、黄色の銀コロイド分散液を得た。
なお、この銀コロイド分散液をビーカーに入れて1週間静置した後、再度目視により色の濃度や濁り具合、コロイド粒子の沈降の有無等を観察したが、分散液の調整直後と比べて何らの変化も観られなかった。よって、生成した銀コロイドは、分散液中で安定して分散していることがわかった。
【0077】
(実施例A2)
100mlフラスコに塩化金酸2.0×10−5molとオクタメチルトリシロキサン20mLを採取し、マグネチックスターラーを用いて攪拌して分散させた。
Phenethyltrimethoxysilaneを1.7×10−2mol加え、さらに3−Aminopropyltriethoxysilaneを9.0×10molを加えた。さらに、還元剤として4.0×10−4molのアスコルビン酸を加え、マグネチックスターラーを用いて攪拌し、赤色の金コロイド分散液を得た。
なお、この金コロイド分散液をビーカーに入れて1週間静置した後、再度目視により色の濃度や濁り具合、コロイド粒子の沈降の有無等を観察したが、分散液の調整直後と比べて何らの変化も観られなかった。よって、生成した金コロイドは、分散液中で安定して分散していることがわかった。
【0078】
(比較例A1)
赤色顔料粒子(大日本インキ化学工業(株)製 KET RED)2gをシリコーンオイル(信越化学社製KF-96)100gに分散させ、ホモジナイザー(Heidolph社製 Silent Crusher M)を用いて8000rpm、100℃、1時間処理を行ったが、凝集が発生し、安定して分散しなかった。
【0079】
(比較例A2)
赤色顔料粒子(大日本インキ化学工業(株)製 KET RED)2gをシリコーンオイル(信越化学社製KF-96)100gに分散させ、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを2g添加した後、ホモジナイザー(Heidolph社製 Silent Crusher M)を用いて8000rpm、100℃、1時間処理を行ったが、凝集が発生し、安定して分散しなかった。
【0080】
(比較例A3)
赤色顔料粒子(大日本インキ化学工業(株)製 KET RED)2gをシリコーンオイル(信越化学社製KF-96)100gに分散させ、第一工業製薬社製ノイゲンET−65を2g添加した後、ホモジナイザー(Heidolph社製 Silent Crusher M)を用いて8000rpm、100℃、1時間処理を行ったが、凝集が発生し、安定して分散しなかった。
【0081】
(比較例A4)
赤色顔料粒子(大日本インキ化学工業(株)製 KET RED)2gをシリコーンオイル(信越化学社製KF-96)100gに分散させ、3−Aminopropyltriethoxysilaneを2g添加した後、ホモジナイザー(Heidolph社製 Silent Crusher M)を用いて8000rpm、100℃、1時間処理を行ったが、凝集が発生し、安定して分散しなかった。
【0082】
(実施例B1)
−表示素子の作製−
図2(b)に示す構成を有する表示素子を以下の手順で作製した。
まず、第1基板として縦50mm、横50mm、厚さ200μm、のポリエチレンテレフタレート(PET)を準備し、第1基板上にスパッタリング法により厚み50nmとなるようにITOを成膜した後、帯状にパターンニングして第1電極および第2電極を形成した。このとき、各々の電極の長さは10mm、線幅は200μm、2つの電極間のスペースは400μmとした。
続いて、第1基板のITO電極が形成された面側にシリコーンラバー(Dow corning社製Silpot184)を用いて、2本の電極上および2本の電極の両端部分を結ぶように幅100μm、厚み100μmの隔壁を形成した。なお、隔壁の形成に際しては後から貴金属粒子分散液を充填するための充填口も確保できるように隔壁を形成した。
【0083】
その後、熱硬化性のエポキシ接着剤を用いて、電極および隔壁が形成された第1基板を、縦50mm、横50mm、厚さ0.7mmの石英ガラスと貼り合わせて加熱しセルを作製した。
続いて、充填口から、実施例A1にて製作した銀コロイド分散液をセル内に充填した後、充填口を上述したシリコーンゴムにより封止して、高さ10mm、縦50mm、横50mmの表示素子を得た。
【0084】
−評価−
電圧印加前の表示素子に表示される色は黄色(銀コロイド分散液の色)であったが、第1電極を負極、第2電極を正極となるように20Vの直流電圧を印加したところ、銀コロイド粒子が第1電極側へと移動したため、表示素子に表示される色は白色となった。なお、この結果から銀コロイド粒子はプラスに帯電していることがわかった。
続いて、2つの電極に交流電圧を印加すると、銀コロイド粒子が調光層全体に再度分散して、表示素子に表示される色は黄色を示した。
【0085】
(実施例B2)
−表示素子の作製−
図3(b)に示す構成を有する表示素子を以下の手順で作製した。
まず、第1基板として縦50mm、横50mm、厚さ200μm、のポリエチレンテレフタレート(PET)、第2基板として縦50mm、横50mm、厚さ0.7mmの石英ガラス基板を準備し、第2基板上に鍍金により厚み1mmとなるように金を成膜した後、帯状にパターンニングして第1電極および第2電極を形成した。このとき、各々の電極の長さは10mm、線幅は200μm、2つの電極間のスペースは400μmとした。
続いて、シリコーンラバー(Dow corning社製Silpot184)を用いて、2本の金電極の両端を結ぶように厚み1mm、幅1mmの隔壁を形成した。なお、隔壁の形成に際しては後から貴金属粒子分散液を充填するための充填口も確保できるように隔壁を形成した。
【0086】
その後、熱硬化性のエポキシ接着剤を用いて、電極および隔壁が形成された第2基板を、第1基板と貼り合わせて加熱しセルを作製した。
続いて、充填口から、実施例A2にて製作した金コロイド分散液をセル内に充填した後、充填口を上述したシリコーンゴムにより封止して、高さ1.9mm、縦50mm、横50mmの表示素子を得た。
【0087】
−評価−
電圧印加前の表示素子に表示される色は赤色(金コロイド分散液の色)であったが、第1電極を負極、第2電極を正極となるように20Vの直流電圧を印加したところ、銀コロイド粒子が第1電極側へと移動したため、表示素子に表示される色は白色となった。なお、この結果から金コロイド粒子はプラスに帯電していることがわかった。
続いて、2つの電極に交流電圧を印加すると、金コロイド粒子が調光層全体に再度分散して、表示素子に表示される色は赤色を示した。
【0088】
(実施例B3)
−表示素子の作製−
図5(a)に示す構成を有する表示素子を以下の手順で作製した。
まず、第1基板として縦50mm、横50mm、厚さ200μm、のポリエチレンテレフタレート(PET)、第2基板として縦50mm、横50mm、厚さ0.7mmの石英ガラス基板を準備し、各々の基板の片面全面にITO(Indium Tin Oxide)からなる厚み50nmの透明電極をスパッタリング法により形成した。
次に、作製した第1基板を用いて、電極面側にスピンコート法により光感光性エポキシ樹脂(MicroChem Corp.製SU−8)を塗布して塗膜を形成した後、この塗膜を露光及びウエットエッチング処理してパターニングし、縦横のサイズが10×10mmで、高さ50μm、幅20μmの隔壁を形成した。
【0089】
続いて、この隔壁の上面に熱融着性のエポキシ接着剤を塗布し、続いて、隔壁で仕切られたエリア内に、白色粒子(酸化チタン、粒径10μm)と共に、実施例A2で製作した金コロイド分散液を満たした。なお、白色粒子は隔壁で仕切られたエリア全面を満遍なく覆う程度の量を使用した。
その後、2枚目のITO電極付ガラス基板を、電極面同士が対向するようにして貼り合わせた後、加熱して隔壁と2枚目のITO電極付ガラス基板とを接着し、表示素子を得た。
【0090】
−評価−
第1電極を正極、第2電極を負極となるように15Vの直流電圧を印加したところ、金コロイド粒子が第2電極側へと移動した。この際、表示素子が表示する色を、素子の第2電極が設けられた側の面から観察し続けたところ、電圧印加前も赤色を呈していたものの、電圧印加後には、電圧印加前よりも赤色が濃くなり、電圧印加を続けるに従い表示素子の明度は徐々に暗くなり濃赤色を呈した。
続いて、第1電極を負極、第2電極を正極となるように15Vの直流電圧を印加したところ、金粒子は第1電極側へ移動した。この際の表示素子が表示する色を素子の第2電極が設けられた側の面から観察し続けたところ、濃赤色から白色に変化した。
【0091】
(比較例B1)
溶媒をオクタメチルトリシロキサンからエタノールに代えた以外は実施例A1と同様にして黄色の銀コロイドをエタノールに分散させた銀コロイドのエタノール分散液を製作した。
更に、実施例B1において、実施例A1で製作した銀コロイド分散液の代わりに、銀コロイドのエタノール分散液を用いた以外は全て実施例B1と同様にして表示素子を作製した。この表示素子に30Vの電圧を印加したところ、激しい対流が発生した。また、この時の表示は安定せず、コントラストも不十分であった。
【0092】
(比較例B2)
100mlフラスコに2−エチルヘキシル酸銀4.0×10−5molとシクロヘキサン20mLを採取し、マグネチックスターラーを用いて攪拌して分散させた。続いてn−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを3.0×10−3mol加え加えたところ、液体は無色透明となった。さらに、還元剤として1.2×10−6molのアスコルビン酸を加え、マグネチックスターラーを用いて攪拌し、黄色の銀コロイド分散液を得た。
この銀コロイド分散液を用いた以外は、実施例B1と同様にして表示素子を作製した。続いて、この素子に5Vの電圧を印加したが電極から気泡が発生した。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の表示素子の一例とそれを製造するプロセスを示す模式断面図である。
【図2】本発明の表示素子の他の例とそれを製造するプロセスを示す模式断面図である。
【図3】本発明の表示素子の他の例とそれを製造するプロセスを示す模式断面図である。
【図4】本発明の表示素子の他の例とそれを製造するプロセスを示す模式断面図である。
【図5】本発明の表示素子の他の例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
【0094】
1 第1基板
2 第1電極
4 第2電極
5 絶縁層
6 隔壁
7 接着層
8 第2基板
9 シリコーンオイル
10、10A、10B、10C 貴金属粒子
11A、11B 基板
12 異性粒子
20A、20B、20C 調光セル
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【出願日】 平成18年7月14日(2006.7.14)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳

【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳

【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一

【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志


【公開番号】 特開2008−19493(P2008−19493A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−194137(P2006−194137)