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金属ナノ粒子の製造方法および金属ナノ粒子 - 特開2008−13846 | j-tokkyo
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【発明の名称】 金属ナノ粒子の製造方法および金属ナノ粒子
【発明者】 【氏名】シム、イン−クアン

【氏名】ジョン、ジェ−ウー

【要約】 【課題】金属ナノ粒子の製造方法を提供する。

【構成】本発明は、キャピング分子(capping molecule)、金属触媒、還元剤及び有機溶媒を含む混合液を準備する段階と、上記混合液に金属前駆体を投入して所定の温度に昇温して撹拌する段階と、及び上記混合液の温度を低めてナノ粒子を得る段階と、を含む金属ナノ粒子の製造方法に関する。本発明によれば、金属触媒を用いて水系で単一金属、金属合金または金属酸化物などのナノ粒子を高濃度に合成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャピング分子(capping molecule)、金属触媒、還元剤及び有機溶媒を含む混合液を準備する段階と、
前記混合液に金属前駆体を投入して所定の温度に昇温させて撹拌する段階と、及び
前記混合液の温度を低めてナノ粒子を得る段階と、
を含む金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項2】
前記金属前駆体は、銅、銀、ニッケル、鉄、金、白金、パラジウム、亜鉛、チタン、及びこれらの合金からなる群から選択される一つを含む化合物である請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項3】
前記金属前駆体は、Cu(NO、CuCl、CuSO、(CHCOO)Cu及びCCuOからなる群から選択される銅前駆体である請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項4】
前記金属前駆体の含量は、有機溶媒100重量部に対して0.001ないし50重量部である請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項5】
前記金属触媒として、ナノ粒子の金属より標準還元電位が小さな金属を用いる請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項6】
前記金属触媒として、亜鉛、鉄、錫、鉛及びアルミニウムからなる群から選択される金属パウダーを用いる請求項3に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項7】
前記金属触媒の含量は、有機溶媒100重量部に対して0.01ないし50重量部である請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項8】
前記キャピング分子は、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)、多重酸(polyacid)及びその誘導体、メルカプトアルカン酸及びオキシベンゾ酸類からなる群から選択される一つ以上の化合物である請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項9】
前記多重酸(polyacid)は、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリメチルメタクリル酸、ポリアクリル酸−コ−メタクリル酸、ポリマレイン酸−コ−アクリル酸及びポリアクリルアミド−コ−アクリル酸からなる群から選択される一つ以上であり、前記誘導体は、前記多重酸のナトリウム塩、カルウム塩及びアンモニウム塩からなる群から選択される一つ以上である請求項8に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項10】
前記キャピング分子の含量は、有機溶媒100重量部に対して10ないし80重量部である請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項11】
前記還元剤は、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、ヒドラジン(N)、ソジウムヒドラフォスフェート、グルコース、アスコルビン酸、タンニン酸、ジメチルホルムアミド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、ソジウムボロハイドライド(NaBH)及びリチウムボロハイドライド(LiBH)からなる群から選択される一つ以上である請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項12】
前記還元剤の含量は、有機溶媒100重量部に対して0.001ないし50重量部である請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項13】
前記有機溶媒は、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、へキシレングリコール、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1、2−ペンタンジオール、1、2−ヘキサンジオール及びこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項14】
前記混合液の準備段階は、有機溶媒にキャピング分子を入れて70ないし100℃温度で撹拌した後、金属触媒と還元剤を入れて撹拌することにより行われる請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項15】
金属前駆体の投入の後、前記混合液の温度を80ないし150℃に昇温させて、金属酸化物のナノ粒子を得る請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項16】
金属前駆体の投入の後、前記混合液の温度を155ないし180℃に昇温させて、単一金属または金属合金のナノ粒子を得る請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項17】
0℃以下の蒸留水、エチレングリコール、アルコール類の溶媒またはこれらの混合溶媒に前記混合液を投入することにより前記混合液の温度を低める請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項18】
前記ナノ粒子の修得段階は、前記混合液に非極性溶媒を投入してナノ粒子を沈殿させることにより行われる請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項19】
前記非極性溶媒は、アセトンである請求項18に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項20】
前記ナノ粒子の修得段階は、前記混合液を遠心分離してナノ粒子を混合液から分離させる段階をさらに含む請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項21】
前記得られたナノ粒子を有機溶媒で洗浄して乾燥させる段階をさらに含む請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項22】
前記洗浄過程は、有機溶媒として蒸留水及び非極性溶媒を用いてナノ粒子を繰り返して洗浄することにより行われる請求項21に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項23】
前記乾燥過程は、真空オーブン、電気炉または乾燥器の中のいずれか一つを用いて行われる請求項21に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項24】
前記乾燥過程は、窒素または大気雰囲気下で、30ないし60℃温度で行われる請求項21に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項25】
請求項1ないし25のいずれか一項に記載の方法により製造される金属ナノ粒子。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ナノ粒子の製造方法(Method for manufacturing metal nanoparticles)に関するもので、より詳細には、金属触媒を用いて水系にて単一金属、金属合金または金属酸化物などのナノ粒子を高濃度に合成することができる金属ナノ粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属ナノ粒子を製造する方法には、化学的合成方法、機械的製造方法、電気的製造方法があるが、機械的な力を用いて粉砕する機械的製造方法は、工程上不純物の混入により高純度の粒子を合成しにくいし、ナノサイズの均一な粒子の形成が不可能である。また、電気分解による電気的製造方法の場合は、製造時間は長いが、濃度が低いので効率の低いという短所がある。化学的合成方法には、大きく気相法と液相法がある。プラズマや気体蒸発法を用いる気相法の場合、高価の装備が要求されるという短所があるため、低費用で均一な粒子の合成が可能である液相法が主に用いられている。
【0003】
液相法による金属ナノ粒子の製造方法は、大きく水系と非水系方式に分けられる。
【0004】
非水系方式の場合、粒子の大きさを均一に形成させることはできるが、粒子の大きさが普通数ナノに過ぎないので銅などの金属ナノ粒子を非水系方式で合成する場合、酸化防止のためにまた別の表面処理、例えば、酸化防止膜のコーティングなどが必要になる。
【0005】
一方、水系方式の場合、粒子分布は相対的に大きいが、合成される粒子の大きさが基本的に数十ナノであるので酸化速度が非水系に比して非常に遅い。よって、非水系でのような特別な酸化防止処理が不要である。
【0006】
しかし、水系方式によれば、高濃度に金属ナノ粒子を合成しにくいという問題点がある。ナノ粒子合成における高濃度合成法が重要である理由は、ナノ粒子を高濃度に合成するほどバッチ(batch)当たり得られるナノ粒子の量が多くなるので低い材料費、少ない廃液発生で親環境的工法及び効率的な大量生産という長所を有するからである。
【0007】
よって、水系方式でナノ粒子を高濃度に合成することができる新しい方法に関する研究が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するために、金属触媒を用いて水系にて、高濃度にナノ粒子を合成することができる金属ナノ粒子の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、
キャピング分子(capping molecule)、金属触媒、還元剤及び有機溶媒を含む混合液を準備する段階と、
上記混合液に金属前駆体を投入して所定の温度に昇温させて撹拌する段階と、及び
上記混合液の温度を低めてナノ粒子を得る段階と、
を含む金属ナノ粒子の製造方法が提供される。
【0010】
ここで、上記金属前駆体は、銅、銀、ニッケル、鉄、金、白金、パラジウム、亜鉛、チタン、及びこれらの合金からなる群から選択される一つを含む化合物である。好ましい実施例によれば、上記金属前駆体として、Cu(NO、 CuCl、 CuSO、(CHCOO)Cu及びC5HCuOからなる群から選択される銅前駆体を用いることができる。上記金属前駆体の含量は、有機溶媒100重量部に対して0.001ないし50重量部であることが好ましい。
【0011】
上記金属触媒としては、ナノ粒子の金属より標準還元電位が小さい金属を使用する。例えば、銅または酸化銅ナノ粒子を製造する場合、金属触媒として、亜鉛、鉄、錫、鉛及びアルミニウムからなる群から選択される金属パウダーを用いることができる。上記金属触媒の含量は、有機溶媒100重量部に対して0.01ないし50重量部であることが好ましい。
【0012】
上記キャピング分子は、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(poly vinyl alcohol)、多重酸(polyacid)及びその誘導体、メルカプトアルカン酸、オキシベンゾ酸類からなる群から選択される一つ以上の高分子を用いることができる。ここで、上記多重酸(polyacid)は、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリメチルメタクリル酸、ポリアクリル酸−コ−メタクリル酸、ポリマレイン酸−コ−アクリル酸、及びポリアクリルアミド−コ−アクリル酸からなる群から選択される一つ以上であり、上記誘導体は上記多重酸のナトリウム塩、カルウム塩及びアンモニウム塩からなる群から選択される一つ以上である。上記キャピング分子の含量は、有機溶媒100重量部に対して10ないし80重量部であることが好ましい。
【0013】
上記還元剤としては、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、ヒドラジン(N)、ソジウムヒドラフォスフェート、グルコース、アスコルビン酸、タンニン酸、ジメチルホルムアミド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、ソジウムボロハイドライド(NaBH)及びリチウムボロハイドライド(LiBH)からなる群から選択される一つ以上を用いることができる。上記還元剤の含量は、有機溶媒100重量部に対して0.001ないし50重量部であることが好ましい。
【0014】
上記有機溶媒は、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、へキシレングリコール、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1、2−ペンタンジオール、1、2−ヘキサンジオール及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0015】
好ましい実施例によれば、本発明による金属ナノ粒子の製造方法において、上記混合液の準備段階は、有機溶媒にキャピング分子を入れて70ないし100℃の温度で撹拌した後、金属触媒と還元剤を入れて撹拌することにより行われることができる。
【0016】
本発明による金属ナノ粒子の製造方法は、金属前駆体の投入の後、上記混合液の温度を80ないし150℃に昇温させて金属酸化物のナノ粒子を得ることができる。または、金属前駆体の投入の後、上記混合液の温度を155ないし180℃に昇温させて、単一金属または金属合金のナノ粒子を得ることもできる。
【0017】
上記混合液の温度を低める方法は、0℃以下の蒸留水、エチレングリコール、アルコール類の溶媒またはこれらの混合溶媒に上記混合液を投入することで上記混合液の温度を低めることができる。
【0018】
上記ナノ粒子の修得段階は、上記混合液に非極性溶媒を投入してナノ粒子を沈殿させることにより行われることができ、具体的な例として、上記の非極性溶媒としてはアセトンを用いることができる。
【0019】
上記ナノ粒子の修得段階は、上記混合液を遠心分離してナノ粒子を混合液から分離させる段階をさらに含むことができる。
【0020】
本発明による金属ナノ粒子の製造方法は、上記得られたナノ粒子を有機溶媒で洗浄して乾燥させる段階をさらに含むことができる。上記洗浄過程は、有機溶媒として蒸留水及び非極性溶媒を用いてナノ粒子を繰り返して洗浄することにより行われることができ、上記乾燥過程は、真空オーブン、電気炉または乾燥器の中のいずれか一つを用いて行われることができる。ここで、上記乾燥過程は、窒素または大気雰囲気下での30ないし60℃温度で行われることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の金属ナノ粒子の製造方法によれば、水系にて金属触媒を用いて高濃度に分散安定性の優れた金属ナノ粒子を製造することができる。本発明によれば、工程設備の空間を最小化し、低い材料費、少ない廃液発生で親環境的で効率的な大量生産が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明による金属ナノ粒子の製造方法に対してより詳細に説明する。
【0023】
既存の金属ナノ粒子の場合、一般的に水系での10−M程度の低い濃度範囲で合成がなされた。特に、銅ナノ粒子の場合、一般的な貴金属に比して銅の粒子成長速度が速いので高濃度での合成の場合、粒子の大きさが調節しにくいため高濃度の合成が難しいという問題点がある。よって、本発明は、金属触媒を用いて金属前駆体の金属イオンを有効に還元させることで既存合成法に比して10〜100倍の高濃度に金属ナノ粒子を製造することができ、安定的な分散状態を維持する金属ナノ粒子を高収率に合成することができる。
【0024】
先ず、本発明において、使用される金属前駆体、金属触媒、キャピング分子、還元剤、有機溶媒に対して説明する。
【0025】
本発明で用いられる金属前駆体は、銅、銀、ニッケル、鉄、金、白金、パラジウム、亜鉛、チタンなどの金属、またはこれらの合金を含む化合物である。このような化合物としては、上記金属または金属合金の硝酸塩、炭酸塩、塩化物、リン酸塩、ボウ酸塩、酸化物、スルホン酸塩、硫酸などの無機酸塩やステアリン酸塩、ミリスチン酸塩、アセト酸塩などの有機酸塩を用いることができる。具体的に例を挙げると、銅ナノ粒子または酸化銅ナノ粒子を製造する場合、上記金属前駆体は、Cu(NO、CuCl、CuSO、(CHCOO)Cu、CCuOなどの化合物のように銅を含む化合物を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0026】
上記金属前駆体の含量は、有機溶媒100重量部に対して0.001ないし50重量部であることが好ましい。金属前駆体の含量が0.001重量部未満であると所定の所望の分量でナノ粒子を形成しにくいし、含量が50重量部を超過すると形成されるナノ粒子の粒子の大きさが不均一であり、粒子の成長速度が過度に速くなるので好ましくない。
【0027】
本発明で用いられる金属触媒は、合成するナノ粒子の金属種類に応じて変わるし、その基準は、ナノ粒子の金属より金属触媒の標準還元電位が小さい金属であれば全て用いることができる。
【0028】
例えば、銅または酸化銅ナノ粒子を製造する場合、金属触媒としては、亜鉛、鉄、錫、鉛及びアルミニウムからなる群から選択される金属パウダーを用いることができる。銅の場合、標準還元電位が0.24vであるので、亜鉛(−0.76V)、鉄(−0.02V)、錫(−0.14V)、鉛(−0.16V)、アルミニウム(−1.66V)などのように標準還元電位が低い金属を触媒として用いれば、反応過程いおいてこれらの触媒は自分が酸化されて反応温度に応じて+2価の銅を+1価または0価の銅に有効に還元させることができる。これで、高濃度の水系ナノ粒子の合成が可能になる。酸化された金属触媒は、有機溶媒などを酸化させる過程と、反応に参加しない余分の還元剤から発生される電子によりまた還元されて最終的なメカニズムで触媒の役目をする。
【0029】
より具体的に、 一般的な水系ナノ粒子において主に用いられるエチレングリコールを有機溶媒とし、還元剤としてグルコース及び水酸化ナトリウムを使用し、金属触媒として亜鉛パウダーを使用して銅ナノ粒子を製造する場合、下記反応式(化1)のような合成メカニズムが提示されることができる。
【0030】
【化1】


【0031】
上記反応式(化1)の最後の段階(4)には、反応温度を制御して酸化銅ナノ粒子が合成されたことが示されている。このように金属触媒を用いた金属ナノ粒子の製造方法は、高収率に金属ナノ粒子を製造することができ、3000rpm以上の遠心分離下でも沈殿が起きないし、停止相では半月以上の間溶液で分散状態を維持する分散安定性の優れた金属ナノ粒子を製造することができる。
【0032】
本発明において、上記金属触媒の含量は有機溶媒100重量部に対して0.01ないし50重量部であることが好ましい。金属触媒の含量が0.01重量部未満であると得されるナノ粒子の量が少なくて好ましくないし、含量が50重量部を超過するとナノ粒子の大きさが不均一であるので好ましくない。
【0033】
本発明によれば、金属ナノ粒子をナノ大きさで安定的に成長させるためにキャピング分子(capping molecule)を用いる。ここで、キャピング分子とは、金属粒子が溶媒上で安定的に成長してナノサイズを有するように金属粒子を取り囲む分子を言う。このようなキャピング分子は、当業界で使用可能な公知の化合物であれば全て用いることができる。具体的には、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(polyvinylalcohol)、多重酸(polyacid)及びこれらの誘導体からなる群から選択される一つ以上の高分子を用いることができる。ここで、上記多重酸(polyacid)は、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリメチルメタクリル酸、ポリアクリル酸−コ−メタクリル酸、ポリマレイン酸−コ−アクリル酸及びポリアクリルアミド−コ−アクリル酸からなる群から選択される一つ以上であり、上記誘導体は、上記多重酸のナトリウム塩、カルウム塩及びアンモニウム塩からなる群から選択される一つ以上である。または、上記キャピング分子として、メルカプトウンデカン酸(mercaptoundecanoic acid)、メルカプトプロピオン酸(mercaptopropionic acid)などのメルカプトアルカン酸系列の化合物、またはオキシベンゾ酸類などの単分子を用いることができる。
【0034】
上記キャピング分子の含量は、有機溶媒100重量部に対して10ないし80重量部であることが好ましい。キャピング分子の含量が10重量部未満であると金属粒子がナノサイズ以上に不均一に大きくなったり、ナノ粒子の分散安定性が落ちるし、含量が80重量部を超過すると収率がこれ以上増加しなくて製造単価が高くなるので好ましくない。
【0035】
本発明に用いられる還元剤は、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、ヒドラジン(N)、ソジウムヒドラフォスフェート、グルコース、アスコルビン酸、タンニン酸、ジメチルホルムアミド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、ソジウムボロハイドライド(NaBH)及びリチウムボロハイドライド(LiBH)からなる群から選択される一つ以上であることが好ましい。
【0036】
上記還元剤の含量は、有機溶媒100重量部に対して0.001ないし50重量部であることが好ましい。還元剤の含量が0.001重量部未満であると金属イオンを全て還元させることができなくて合成収率が減少するので好ましくないし、含量が50重量部を超過すると反応が爆発的に起きて反応容器が大きくなくてはならないので好ましくない。
【0037】
本発明に用いられる有機溶媒は、水またはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、へキシレングリコール、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1、2−ペンタンジオール、1、2−ヘキサンジオールなどの多価アルコール種類であれば全て用いることができる。これらを単独、または二つ以上混合して用いることができる。
【0038】
図1は、本発明による金属ナノ粒子の製造方法を示す順序図である。
【0039】
図1を参照して説明すると、先ず(a)段階で、キャピング分子(capping molecule)、金属触媒、還元剤及び有機溶媒を含む混合液を準備する。
【0040】
好ましい実施例によれば、上記含量に応じて有機溶媒にキャピング分子を入れて70ないし100℃温度で撹拌した後、金属触媒と還元剤を入れて撹拌して混合液を準備することができる。
【0041】
混合液を準備した後、(b)段階で、上記混合液に金属前駆体物質を投入して所定の温度に昇温させて撹拌する。
【0042】
この段階で、上記昇温温度を調節することでナノ粒子の酸化状態を決定することができる。本発明により、金属酸化物のナノ粒子を合成する場合には金属前駆体の投入の後、上記混合液の温度を80ないし150℃に昇温させることが好ましい。これは、エチレングリコールなどの水系溶媒を用いる場合、80℃未満では粒子生成がほとんど起きないし、150℃を超えると反応速度が速くて金属イオンの還元程度を調節しにくくなり金属酸化物のナノ粒子の形成が難しいからである。
【0043】
また、単一金属または金属合金を合成する場合には、金属前駆体の投入の後、上記混合液の温度を155ないし180℃に昇温させることが好ましい。これは、155℃の未満では反応速度が遅くて完全に還元された状態の単一金属または金属合金を得ることができないこともあり、昇温温度が180℃を超過すると有機溶媒が気化されて好ましくない。上記温度に昇温させた状態で10分ないし2時間の間混合液を撹拌する。
【0044】
上記混合液の反応が進行されて粒子の核が形成されてナノ粒子が成長すると、(c)段階で、上記混合液の温度を低めてナノ粒子を得る。
【0045】
混合液の温度を低める方法は、蒸留水、エチレングリコール、アルコール類の溶媒、またはこれらの混合溶媒などを0℃以下まに冷却させて、ここに混合液を投入することで温度を低めることができる。このように反応温度を急激に低めることによりナノ粒子の大きさを調節することができる。
【0046】
上記ナノ粒子の修得段階は、上記混合液に過量の非極性溶媒を投入してナノ粒子を沈殿させることにより行われることができる。具体的な例で、上記非極性溶媒として、アセトンを用いることができる。本発明の好ましい実施例によれば、投入する非極性溶媒の量は、前段階の溶液の総重量100重量部に対して200ないし300重量部であることが好ましい。このように混合液に過量の非極性溶媒を投入すると、エチレングリコールなどの有機溶媒に分散された状態のナノ粒子は溶解度差により非極性溶媒に混じりつつ沈む。
【0047】
このように沈殿されたナノ粒子は、上記混合液を遠心分離して混合液から分離することができる。遠心分離は、2、000ないし4、000rpmで1分ないし10分間実施することができる。
【0048】
本発明による金属ナノ粒子製造方法は、このように得られたナノ粒子を有機溶媒で洗浄して乾燥させることにより、金属ナノ粒子をパウダー形態に得ることができる。
【0049】
上記洗浄過程は、有機溶媒として蒸留水及び非極性溶媒を用いてナノ粒子を繰り返して洗浄することにより行われることができ、上記乾燥過程は、真空オーブン、電気炉または乾燥器の中のいずれか一つを用いて行われることができる。ここで、上記乾燥過程は窒素または大気雰囲気下で30ないし60℃温度で行われることが好ましい。
【0050】
以下、本発明を下記実施例を挙げて例示するが、本発明の保護範囲は下記実施例に限定されることはない。
【0051】
下記実施例1及び2は酸化銅ナノ粒子の製造例であり、下記実施例3及び4は銅ナノ粒子の製造例である。
【実施例1】
【0052】
三つ口の1Lラウンドフラスコに500gのエチレングリコールと分子量10、000であるPVP200gを入れて90℃で撹拌して均一に溶かした。ここに2gの亜鉛(Zn)パウダーと5gのNaOH及び10gのグルコースを入れて撹拌した。その後、硫酸銅五水和物(cupper sulfate pentahydrate)40gを入れて110℃で30分間撹拌した。反応完結の後、500gの蒸留水に反応溶液を注いで温度を低めて、ここに1Lのアセトンを入れて酸化銅ナノ粒子を沈殿させた。この溶液を4000rpmで5分間遠心分離して酸化銅ナノ粒子を溶液から分離させ、蒸留水とアセトンで同じ方法で3回洗浄した後、45℃の真空オーブンで乾燥してパウダー状態の酸化銅ナノ粒子(9g、収率90%)を製造した。
【実施例2】
【0053】
金属触媒として亜鉛(Zn)パウダーの代わりに錫(Sn)パウダーを用いたことを除けば、上記実施例1と同一な方法で実施して酸化銅ナノ粒子(8g、収率80%)を製造した。
【実施例3】
【0054】
硫酸銅五水和物を入れた後、昇温温度を170℃にして撹拌したことを除けば、実施例1と同一な方法で実施してパウダー状態の銅ナノ粒子(9g、収率90%)を製造した。
【実施例4】
【0055】
金属触媒として、亜鉛(Zn)パウダーの代わりに錫(Sn)パウダーを用いたことと、硫酸銅五水和物を入れた後、昇温温度を170℃にして撹拌したことを除けば、実施例1と同一な方法で実施してパウダー状態の銅ナノ粒子(8g、収率80%)を製造した。
【0056】
図2は、上記実施例1により製造された酸化銅ナノ粒子のTEM写真であり、図3は上記実施例3により製造された銅ナノ粒子のTEM写真である。上記TEM写真に示すように、本発明により製造された酸化銅ナノ粒子及び銅ナノ粒子は、主に20ないし30nmの粒子の大きさを有して安定した状態で合成されたことが分かる。
【0057】
図4は、上記実施例1により製造された酸化銅ナノ粒子の結晶分析のためのXRD測定結果であり、図5は上記実施例3により製造された銅ナノ粒子の結晶分析のためのXRD測定結果である。
【0058】
図4を参照すると、上記酸化銅ナノ粒子は面心立方構造を有することが分かる。酸化銅ナノ粒子の場合、回折ピーク2θが、36.5゜、42.3゜、61.3゜及び73.4゜に現れるが、これは、(111)、(200)、(220)及び(311)指数で表示されることができる。この結果は、Joint Committee for Power Diffraction Standards(JCPDS)のCardNo.5−0667により立証される。
【0059】
図5を参照すると、銅ナノ粒子も面心立方構造を有することが分かる。銅ナノ粒子の場合、回折ピーク2θが、43.3゜、50.1゜、74.1゜に現れるが、これは、(111)、(200)、(220)指数で表示されることができる。この結果は 、Joint Committee for Power Diffraction Standards(JCPDS)のCardNo.4−0836により立証される。
【0060】
図6は、上記実施例1により製造された酸化銅ナノ粒子のTGA−DTA分析結果を示す。図6から分かるように、150℃から350℃まで7%の重さ減少が示されるが、これはキャピング分子であるPVPの熱分解に起因する。
【0061】
図7は、上記実施例3により製造された銅ナノ粒子のTGA−DTA分析結果を示す。150℃から現れる質量減少は、酸化銅ナノ粒子の場合と同一にキャピング分子であるPVPの熱分解に起因する。しかし、200℃から450℃まで漸進的な質量増加が現れることは、銅ナノ粒子が酸化銅ナノ粒子に相変異をするので、結晶構造にて酸素原子が入った量程度に質量が増加した結果である。
【0062】
本発明は、上記実施例に限定されず、多くの変形が本発明の思想内で当分野での通常の知識を持った者により可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明による金属ナノ粒子の製造方法を示す順序図である。
【図2】本発明の実施例1により製造された酸化銅ナノ粒子のTEM写真である。
【図3】本発明の実施例3により製造された銅ナノ粒子のTEM写真である。
【図4】本発明の実施例1により製造された酸化銅ナノ粒子のXRD測定結果を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例3により製造された銅ナノ粒子のXRD測定結果を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例1により製造された酸化銅ナノ粒子のTGA−DTA分析結果を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例3により製造された銅ナノ粒子のTGA−DTA分析結果を示すグラフである。
【出願人】 【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
【出願日】 平成19年4月16日(2007.4.16)
【代理人】 【識別番号】100104156
【弁理士】
【氏名又は名称】龍華 明裕


【公開番号】 特開2008−13846(P2008−13846A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2007−106686(P2007−106686)