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【発明の名称】 金属微粒子分散物、着色組成物、感光性転写材料、遮光画像付き基板、カラーフィルタ、及び表示装置
【発明者】 【氏名】宮城島 規

【氏名】高田 勝之

【要約】 【課題】熱安定性に優れた金属微粒子分散物、それを用いて作製された着色組成物、それを用いた感光性転写材料、遮光画像付き基板、及びカラーフィルタを提供、並びに表示装置を提供する。

【構成】金属微粒子を含み、該金属微粒子数の40%以上が、主平面に平行な1つ以上3つ以下の双晶面を含むアスペクト比2以上の平板粒子を形成していることを特徴とする金属微粒子分散物、それを用いた着色組成物、遮光画像付き基板、及びカラーフィルタ、並びに表示装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属微粒子を含み、該金属微粒子数の40%以上が、主平面に平行な1つ以上3つ以下の双晶面を含むアスペクト比2以上の平板粒子を形成していることを特徴とする金属微粒子分散物。
【請求項2】
前記双晶面が(111)面と平行であることを特徴とする請求項1に記載の金属微粒子分散物。
【請求項3】
前記主平面が六角形又は三角形であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属微粒子分散物。
【請求項4】
前記平板粒子のアスペクト比が2〜4であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属微粒子分散物。
【請求項5】
前記平板粒子の数平均粒径が5〜50nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属微粒子分散物。
【請求項6】
前記金属微粒子が、周期律表の第2族〜第14族からなる群から選ばれる1種または2種以上の金属を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属微粒子分散物。
【請求項7】
前記金属微粒子が、銀微粒子または銀を含有する合金微粒子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属微粒子分散物。
【請求項8】
硫黄原子及び/又は窒素原子を1個以上有する分散ポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに1項に記載の金属微粒子分散物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の金属微粒子分散物を少なくとも含む着色組成物。
【請求項10】
支持体上に少なくとも感光性遮光層を設けた感光性転写材料であって、前記感光性遮光層が請求項9に記載の着色組成物を用いて形成されたことを特徴とする感光性転写材料。
【請求項11】
請求項9に記載の着色組成物を用いて形成された遮光画像を有することを特徴とする遮光画像付き基板。
【請求項12】
請求項10に記載の感光性転写材料を用いて形成された遮光画像を有することを特徴とする遮光画像付き基板。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の遮光画像付き基板を用いて作製されたことを特徴とするカラーフィルタ。
【請求項14】
請求項13に記載のカラーフィルタを用いて作製されたことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、金属微粒子分散物、着色組成物、感光性転写材料、遮光画像付き基板、カラーフィルタ、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金属微粒子を用いた着色組成物は、印刷インク、インクジェットインク、エッチングレジスト、ソルダーレジスト、プラズマデイスプレイパネル(PDP)の隔壁、誘電体パターン、電極(導体回路)パターン、電子部品の配線パターン、導電ペースト、導電フイルム、ブラックマトリクス等の遮光画像等に広く用いられている。前記着色組成物の中で黒色材料用着色組成物は液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置の周辺部に設けられた黒色の縁や、赤、青、緑の画素間の格子状やストライプ状の黒色の部、さらにTFT遮光のためのドット状や線状の黒色パターン等、いわゆるブラックマトリクス(以下、「BM」ともいう。)の他に各種遮光画像に用いられていることが期待されている。
BMは表示コントラストを向上させるため、また薄膜トランジスター(TFT)を用いたアクティブマトリックス駆動方式の液晶表示装置の場合には光による電流リークによる画質低下を防止するために用いられており、高い遮光性(光学濃度ODで3以上)が必要である。
【0003】
一方で、近年は液晶表示装置がTVへ応用されるようになってきたが、TVでは、透過率が低くかつ高い色純度のカラーフィルタを使用して高輝度を得るため、バックライトの輝度が高くなる傾向にあり、コントラストの低下や、周辺額縁部分の透けを防止するため、BMに高い遮光性が要求される。

【0004】
更にTVは、太陽光が入射する部屋に長期間設置されることから、太陽光によるTFTの劣化が懸念され、また、(1)ODが高いことで画像の引締まり感がでること、つまりコントラストが高いこと、及び(2)外光での液晶の白さが目立たなくなることの意味でもBMに高い遮光性が要求される。
【0005】
クロム等の金属膜を遮光層とするBMの形成方法としては、例えば、金属薄膜を蒸着法やスパッタリング法により作製し、該金属薄膜の上にフォトレジストを塗布し、次いでBM用パターンをもつフォトマスクを用いてフォトレジスト層を露光現像し、その後露出した金属薄膜をエッチングし、最後に金属薄膜上のレジスト層を剥離することによりBMを形成する方法がある(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
この方法は金属薄膜を用いるため、膜厚が小さくても高い遮光効果が得られるという利点がある。しかし、蒸着法やスパッタリング法という真空成膜工程やエッチング工程が必要となり、コストが高くなるとともに環境に対する負荷も無視できないという問題がある。また、金属膜であるため反射率が高く、強い外光の下では表示コントラストが低いという問題もある。これに対して、上記金属薄膜として、低反射クロム膜(金属クロムと酸化クロムとの2層からなるもの等)を用いるという手段があるが、更にコストアップとなることは否めない。
そしてエッチング工程では金属イオンを含有した廃液が排出されるため、環境負荷が大きいという大きな欠点も有している。特に最もよく用いられるクロムは、有害で環境負荷が非常に大きい。
昨今、EUのELV指令、RoHS指令に代表されるように環境負荷低減への社会的な関心が高まっており、クロムを代替した材料の提案が行われている。
【0007】
また、他のBM形成方法としては、遮光性顔料、例えばカーボンブラックを含有する感光性樹脂組成物を用いる方法も知られている。該方法としては、例えば、透明基板にR、G、B画素を形成した後、この画素の上にカーボンブラック含有感光性樹脂組成物を塗布し、透明基板のR、G、B画素非形成面側から全面に露光する、セルフアライメント方式のBM形成方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
上記方法は、上記金属膜のエッチングによる方法に比較して製造コストは低くなるものの、十分な遮光性を得るためには膜厚が厚くなるという問題がある。その結果、BMとR、G、B画素との重なり(段差)が生じ、カラーフィルタの平坦性が悪くなって液晶表示素子のセルギャップムラが発生し、表示ムラ等の表示不良につながることになる。
【0008】
表示ムラとは、ブラックマトリクス基板表面が平滑でない場合に、液晶の配向が乱れ、液晶表示装置にグレイのテスト信号を入力させた時に観察される淡いムラである。比較的くっきりした筋状に見える「スジムラ」は感光性樹脂層の形成時に生じた厚みムラ、露光のムラ、現像処理のムラ、熱処理のムラなど、配向制御用突起の形成時に発生しているものと、液晶表示装置として機能する際に、配向制御用突起と液晶の間のインターラクションにより発生するムラとが考えられるが、機構は定かではない。
【0009】
一方、透明基板上に親水性樹脂を含有する感光性レジスト層を形成し、BM用パターンを有するフォトマスクを介して露光・現像して透明基板上にレリーフを形成し、この透明基板を無電解メッキの触媒となる金属化合物の水溶液に接触させ、金属化合物をレリーフ中に含有させ乾燥した後、熱処理を施し、その後、上記透明基板上のレリーフを無電解メッキ液に接触させることにより、粒径0.01〜0.05μmの遮光用の金属粒子がその内部に均一に分散されたBMを作製する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。上記金属粒子としてはニッケル、コバルト、鉄、銅、クロムが記載され、具体例としては唯一ニッケルが示されている。
しかしながら、この方法は、露光現像工程を含むレリーフ形成−無電解メッキ触媒の付与−熱処理−無電解メッキという、水を扱う煩瑣な処理工程が多い。そのため、低コストでのBM製造を大きくは期待できない。
【0010】
また、黒色パターンを作製する着色組成物に磁性フィラーを使った例が開示されている(例えば、特許文献3)。これらの例は10μm以上の厚膜であり、単位膜厚辺りの濃度が低く、薄膜で遮光性能が高い遮光画像を低コストで作製することができない。
【0011】
上記以外に、環境負荷が小さく薄膜で光学濃度の高いブラックマトリクスを得る方法として、金属微粒子の粒子形状として平板を用いる方法が知られている(例えば、特許文献4,5参照。)。この方法によると、環境負荷が小さく、薄膜で光学濃度の高いブラックマトリクスを得ることができるとされているが、熱安定性が悪いという新たな問題を抱えていた。
【特許文献1】特開昭62−9301号公報
【特許文献2】特許第3318353号公報
【特許文献3】特開2001−13678号公報
【特許文献4】特開2004−334180号公報
【特許文献5】特開2005−17322号公報
【非特許文献1】共立出版(株)発行「カラーTFT液晶ディスプレイ」第218〜220頁(1997年4月10日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、熱安定性に優れた金属微粒子分散物を提供することにある。
また、本発明は、熱安定性に優れた前記金属微粒子分散物を用いて作製された着色組成物、それを用いた感光性転写材料、遮光画像付き基板、及びカラーフィルタを提供することにある。
また、更に本発明は、前記カラーフィルタを用いて作製された表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記実情に鑑み本発明者らは、鋭意研究を行ったところ、上記課題を解決しうることを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は下記の手段により達成されるものである。
【0014】
<1>金属微粒子を含み、該金属微粒子数の40%以上が、主平面に平行な1つ以上3つ以下の双晶面を含むアスペクト比2以上の平板粒子を形成していることを特徴とする金属微粒子分散物。
<2>前記双晶面が(111)面と平行であることを特徴とする上記<1>に記載の金属微粒子分散物。
【0015】
<3>前記主平面が六角形又は三角形であることを特徴とする上記<1>又は<2>に記載の金属微粒子分散物。
<4>前記平板粒子のアスペクト比が2〜4であることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の金属微粒子分散物。
<5>前記平板粒子の数平均粒径が5〜50nmであることを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の金属微粒子分散物。
【0016】
<6>前記金属微粒子が、周期律表の第2族〜第14族からなる群から選ばれる1種または2種以上の金属を含有することを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の金属微粒子分散物。
<7>前記金属微粒子が、銀微粒子または銀を含有する合金微粒子であることを特徴とする上記<1>〜<6>のいずれか1項に記載の金属微粒子分散物。
【0017】
<8>硫黄原子及び/又は窒素原子を1個以上有する分散ポリマーを含有することを特徴とする上記<1>〜<7>のいずれかに1項に記載の金属微粒子分散物。
<9>上記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の金属微粒子分散物を少なくとも含む着色組成物。
【0018】
<10>支持体上に少なくとも感光性遮光層を設けた感光性転写材料であって、前記感光性遮光層が上記<9>に記載の着色組成物を用いて形成されたことを特徴とする感光性転写材料。
<11>上記<9>に記載の着色組成物を用いて形成された遮光画像を有することを特徴とする遮光画像付き基板。
【0019】
<12>上記<10>に記載の感光性転写材料を用いて形成された遮光画像を有することを特徴とする遮光画像付き基板。
<13>上記<11>又は<12>に記載の遮光画像付き基板を用いて作製されたことを特徴とするカラーフィルタ。
【0020】
<14>上記<13>に記載のカラーフィルタを用いて作製されたことを特徴とする表示装置。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、熱安定性に優れた金属微粒子分散物を提供することができる。
また、本発明によれば、熱安定性に優れた前記金属微粒子分散物を用いて作製された着色組成物、それを用いた感光性転写材料、遮光画像付き基板、及びカラーフィルタを提供することができる。
また、更に本発明によれば、前記カラーフィルタを用いて作製された表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の金属微粒子分散物は、該金属微粒子数の40%以上が、主平面に平行な1つ以上3つ以下の双晶面を含む平板粒子であることを特徴とする。
本発明の金属微粒子分散物は、上記構成とすることにより熱安定性に優れたものとなる。前記金属微粒子の平板化率が40%未満であると、該金属微粒子を用いた本発明の金属微粒子分散物の熱安定性が不良となり、それを用いて得られた着色組成物、感光性転写材料、遮光画像付き基板、及びカラーフィルタの熱安定性が不良となってしまう。
ここで、前記金属微粒子数のうち、平板化された平板粒子の占める数の割合を、本発明において「平板化率」(%)という。
前記金属微粒子の平板化率は、本発明の熱安定性向上の観点から、40%以上であることが必要であるが、45%以上が好ましく、50%以上が特に好ましい。
本発明において、前記平板粒子として40%以上を含む金属微粒子を単に「金属微粒子」ともいう。また、該「金属微粒子」を含む分散物を単に「金属微粒子分散物」ともいう。
【0023】
本発明における「主平面」とは、前記金属微粒子分散物に含有する平板粒子の主たる任意の平面を言い、特に限定されず、いかなる面であっても良いが、(111)面であることが好ましい。
また、本発明における前記「平板粒子」とは、2つの対向する平行な主平面を有し、アスペクト比が2以上ある金属微粒子を指す。ここで、アスペクト比とは、投影面積に相当する塩の直径を粒子の厚さで割った値をいい、その定義の詳細については後述する。アスペクト比が大きいほど、平たくなり、平板形状となる。
以下、本発明を詳細に説明するにあたり、まず本発明の金属微粒子分散物について詳述する。
【0024】
≪金属微粒子分散物≫
本発明の金属微粒子分散物は、前述の通り、金属微粒子を含有し、かつ、該金属微粒子のうち、数の割合として40%(平板化率)以上が主平面に平行な1つ以上3つ以下の双晶面を含むアスペクト2以上の平板粒子であることを特徴とする。
【0025】
(金属微粒子の組成)
本発明における金属微粒子の金属としては、特に限定されず、いかなる金属であってもよい。また、本発明における金属微粒子としては、2種以上の金属を組み合わせて用いてもよく、合金として用いることも可能である。
その中でも、本発明における金属微粒子としては、金属又は金属および金属化合物から形成されるものが好ましく、金属から形成されるものが特に好ましい。
特に本発明においては、長周期律表(IUPAC1991)の第4周期、第5周期、および第6周期からなる群から選ばれる金属を1種または2種以上を含有することが好ましく、主成分として含むことが好ましい。また、本発明における金属微粒子は、第2〜14族からなる群から選ばれる金属を1種または2種以上を含有することが好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、および第14族からなる群から選ばれる金属を1種または2種以上を含有することが好ましく、主成分として含むことがより好ましい。
【0026】
前記金属微粒子の金属の好ましい例は、例えば、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。更に好ましい金属は、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウムまたはこれらの合金、より好ましい金属は、銅、銀、金、白金、錫及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種であり、更に好ましくは銀又は銀を含有する合金である。
【0027】
本発明における金属微粒子は、本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーの存在下で、金属イオンを還元することによって得られる。
具体的には、本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーの存在下に、前記金属を有する金属塩を含む溶液と還元剤とを添加し、混合して、金属イオンを還元することによって得られる。
前記金属塩は、特に制限無く用いることができ、例えば、塩化物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩、酢酸塩等の金属塩が挙げられ、これらの中でも、熱安定性の高い平板粒子形成の過程で粒子に吸着しないという観点から、硝酸塩、亜硝酸塩、酢酸塩が好ましく、硝酸塩、酢酸塩がより好ましく、硝酸塩が特に好ましい。
【0028】
また、前記還元剤としては、通常使用されるものであれば特に限定されず用いることができる。例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウムなどの水素化ホウ素金属塩;水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムカリウム、水素化アルミニウムセシウム、水素化アルミニウムベリリウム、水素化アルミニウムマグネシウム、水素化アルミニウムカルシウム等の水素化アルミニウム塩;亜硫酸ナトリウム、ヒドラジン化合物、デキストリン、ハイドロキノン、ヒドロキシルアミン、クエン酸およびその塩、コハク酸およびその塩、アスコルビン酸およびその塩等;ジエチルアミノエタノール、エタノールアミン、プロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノプロパノールなどのアルカノールアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジプロピレンアミン、エチレンジアミン、トリエチレンペンタミンなどの脂肪族アミン、ピペリジン、ピロリジン、Nメチルピロリジン、モルホリンなどのようなヘテロ環式アミン、アニリン、N−メチルアニリン、トルイジン、アニシジン、フェネチジンのような芳香族アミン、ベンジルアミン、キシレンジアミン、N−メチルベンジルアミンのようなアラルキルアミン等が挙げられ、金属微粒子の形状制御、双晶形成の観点から、これらの中でも、亜硫酸ナトリウム、ハイドロキノン、アスコルビン酸またはその塩から選択される1種以上を用いることが好ましく、亜硫酸ナトリウムとハイドロキノンとの組合わせ、亜硫酸ナトリウムとアスコルビン酸との組合わせ、又は亜硫酸ナトリウムとアスコルビン酸との組合わせがより好ましく、亜硫酸ナトリウムとハイドロキノンとの組合わせが更に好ましい。
【0029】
前記金属塩/前記還元剤当量比は0.2〜5質量%であることが好ましく、0.5〜2質量%であることがより好ましく、0.8〜1.5質量%であることが特に好ましい。
本発明の金属微粒子分散物の製造方法において、金属塩および還元剤の添加方法や反応温度等は特に制限はなく、調製する目的の金属微粒子組成に合わせて、適宜調整することが出来る。
金属微粒子の形状制御、双晶形成の観点から、反応時の温度は0℃以上〜45℃以下が好ましく、0℃以上〜30℃以下であることがより好ましく、0℃以上〜25℃以下であることが特に好ましい。また、添加方法は金属イオンと還元剤を同時に添加することが好ましい。そして、粒子形成時には均一系を形成する観点から攪拌することが好ましく、その回転数は400rpm以上〜2000rpm以下が好ましく、800rpm以上〜2000rpm以下がより好ましい。
【0030】
−複合微粒子−
前記「金属化合物と金属との複合微粒子」とは、金属と金属化合物が結合して1つの粒子になったものをいう。
前記「金属化合物」とは上述のごとき金属と金属以外の元素との化合物である。金属と他の元素との化合物としては、金属の酸化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩などが挙げられる。
複合微粒子を構成する金属化合物および金属は、それぞれ1種あってもよいし、2種以上であってもよい。
前記金属化合物と金属との複合微粒子の具体例としては、銀と硫化銀との複合微粒子、銀と酸化銅(II)との複合微粒子などが挙げられる。
本発明における複合微粒子の作成方法は平板粒子が形成されれば、特に限定されないが、例えば以下のようにして得ることができる。上記のように平板金属微粒子の存在下で、他の元素又はイオンを添加する、もしくは金属イオンと他の元素又はイオンを添加することにより得ることができる。他の元素又はイオンとしては、酸素、硫黄イオン、硫酸イオン、炭酸イオンなどが挙げられる。
【0031】
−金属微粒子の形状−
Advanced Materials 2002,14,80−82やJ.Phys.Chem.B.2003.107,2466−2470等に記載されているように、金属微粒子は粒子形状によって色味が変化することが知られている。
本発明における金属微粒子のうち、平板粒子のアスペクト比は、2以上の平板であれば、特に制限はなく、いかなる形状の物であってもよいが、可視光全域の波長の光を吸収するために、アスペクト比が2.0〜4.0の粒子を含むことがより好ましく、2.5〜4.0の粒子を含むことがより好ましく、3.0〜4.0の粒子を含むことが更に好ましく、3.5〜4.0を含むことが特に好ましい。また、本発明の金属微粒子分散物は、アスペクト比の異なる金属微粒子を含むことが好ましい。
本発明における金属微粒子の主な形状は、前記多角形板状であることが好ましく、多角形板状粒子以外の鱗片状、楕円板状を含んでもよい。
【0032】
本発明において、「アスペクト比」とは、金属微粒子の投影面積に相当する円の直径を粒子の厚さ(b)で割った値を意味し、100個の金属微粒子について測定した値の平均値と定義する。
尚、粒子の投影面積は電子顕微鏡写真上での面積を測定し、撮影倍率を補正することにより得られる。
【0033】
前記金属微粒子における投影面積に相当する円の直径とは、金属微粒子を三軸径として、1個の金属微粒子がちょうど(きっちりと)収まるような箱(直方体)を考え、この箱の長さL、幅a、高さまたは厚みbをもってこの金属微粒子の寸法と定義する。
金属微粒子の厚さ(b)の測定は、金属微粒子分散物を塗布し、断面を電子顕微鏡写真上で観測して、ランダムに100個の粒子を選び測定して、撮影倍率を補正することにより、容易に行うことができる。
特に、前記平板粒子の粒子の厚さ(b)とは、平板粒子の2つの主平面間の距離を指し、本発明では、平板粒子の厚さは1nm〜50nmが好ましく、さらに好ましくは3nm〜40nm、特に好ましくは7nm〜25nmである。
平板粒子の厚さ(b)の測定は、前記金属微粒子の測定と同様に、金属微粒子分散物を塗布し、断面を電子顕微鏡写真上で観測して、平板粒子を100個選び測定して、撮影倍率を補正することにより、容易に行うことができる。
【0034】
本発明における平板粒子の数平均粒径は、形成する膜厚を超えない限り特に制限はないが、該平板粒子の数平均粒径は、5nm〜1000nmの範囲が好ましく、5nm〜200nmの範囲がより好ましく、5nm〜100nmの範囲が更に好ましく、5nm〜50nmの範囲が特に好ましい。
本発明における平板粒子の数平均粒径が5nm未満であると、生成が難しく、該数平均粒径範囲の平板粒子を用いて作製されたカラーフィルタは、その特性上、目視で茶褐色(黒色にはならない)に見える点で、好ましくない場合がある。また、本発明における平板粒子の数平均粒径が1000nmを超えると、粒子を分散した分散物の安定性が低下して、遮光性が悪化する場合がある。
尚、ここでいう「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について前記の粒径を求め、この100個平均値をいう。
また、本発明における金属微粒子は、粒径分布についても特に制約はない。
【0035】
本発明における平板粒子は、主平面に平行な双晶面を有し、熱安定性向上、色み調節の観点から、前記双晶面が(111)面と平行であることが好ましい。また、本発明における平板粒子の双晶面数は、1以上3以下とすることが必要であるが、熱安定性向上、高遮光能の観点から、1以上2以下が好ましい。
前述のごとく、平板粒子の断面を透過型電子顕微鏡を用い観測することにより、平板粒子の主平面に対して、垂直方向の断面の構造が観察できる。この時、電子線が、双晶面を通り抜ける際に、電子波に位相のずれが生じ、その為に双晶面の存在が確認できる。その平板粒子の断面構造を透過型電子顕微鏡を用い写真撮影し、主平面間の距離Xと双晶面間の距離Yの比(X/Y)を測定することによって双晶面数を観測できる。また本発明における双晶面数とは多数の平板粒子について断面構造を観察し、この100個平均数をいう。また、平板粒子以外の金属微粒子についても同様の方法により測定することができる。
【0036】
本発明における前記平板粒子の主平面の形状は、特に限定されるものではないが、高遮光能の観点から、六角形又は三角形であることが好ましい。
【0037】
−金属微粒子の分散−
本発明における前記平板粒子を含む金属微粒子は、本発明の金属微粒子分散物中において分散されている。分散時における金属微粒子の存在状態は特に限定されないが、金属微粒子が安定な分散状態で存在していることが好ましく、例えば、コロイド状態であることがより好ましい。
【0038】
前記金属微粒子を分散する際に用いる溶媒は特に制限なく用いられるが、中でもSP値が9.0以上のものが好ましい。「SP値」は溶解性パラメーターともいわれるもので、凝集エネルギー密度の平方根で表される。本発明においては、SP値とは、「接着ハンドブック」(日本接着学会編、日刊工業新聞社発行、1971年初版発行)の838頁記載のものを意味する。
例えば、n−ヘキサン/7.3、トルエン/8.9、酢酸エチル/9.1、メチルエチルケトン/9.3、アセトン/10.0、エチルアルコール/12.7、メチルアルコール/14.5、水/23.4等である。ここで前記SP値の単位は「(cal/cm1/2」である。
溶媒への再分散の際にSP値が9.0以上のものを用いると、分散性が特に良好となり、メチルエチルケトン、2−プロパノール、1−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、シクロヘキサノン、アセトン、N−メチルピロリドン、あるいはそれらの混合物などが好適に挙げられる。
【0039】
本発明の金属微粒子分散物中における金属微粒子の含有量は、本発明の効果をより効果的に発揮させる観点から、分散物中の全固形分に対して金属固形分質量(金属換算値)が70質量%以上〜99質量%以下であることが好ましく、80質量%以上〜97質量%以下であることがさらに好ましく、85質量%以上〜95質量%以下が特に好ましい。
前記金属微粒子の含有量が、99質量%を超えると分散能が十分でないため、凝集してしまう場合があり、70質量%未満であると平板成長を阻害してしまう場合がある。
【0040】
(硫黄原子および/または窒素原子を1個以上有する分散ポリマー)
次に、本発明における硫黄原子および/または窒素原子を1個以上有する分散ポリマー(以下、「アルカリ溶解性ポリマー」ともいう。)について説明する。
本発明の金属微粒子分散物は、アルカリ溶解性ポリマーを含有することにより金属微粒子の分散安定性を更に改良することができる。
また、本発明の金属微粒子分散物は、アルカリ溶解性ポリマーの存在下で金属微粒子を調製することにより、金属微粒子の分散安定性に優れた分散物とすることができる。
【0041】
本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーには、硫黄原子、窒素原子の両方を含むポリマーであってもよいし、硫黄原子または窒素原子のいずれか一方を有するポリマーであってよく、両者ともに本発明の金属微粒子の分散安定性効果を得ることができる。
硫黄原子をもつポリマーとしては、チオエーテル基、メルカプト基、スルフィド基、チオキソ基を有するものが好ましく、また、窒素原子をもつポリマーとしては、アミノ基、イミノ基を有するものや含窒素複素環化合物が好ましい。
【0042】
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、ピロール、ピロリジン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピペリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、キノリン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾールが挙げられ、これらの基は未置換でもよいし、置換された形でもよい。
【0043】
本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーは、上述した硫黄原子または窒素原子を含む基を後述する重合体(共重合体を含む。)或いは重合性化合物の側鎖末端基として有するものでも、また、その側鎖末端以外に有していてもよいが、側鎖末端基として有するものが好ましい。以下、重合体(共重合体を含む。)または重合性化合物を単に重合体ともいう。
【0044】
本発明において「アルカリ溶解性」とは、蒸留水(HO)に不溶であり、且つ、pH10〜13のアルカリ水溶液に溶解しうるものを意味する。例えば、水溶性高分子化合物はアルカリ水溶液に対して可溶性を示すが、蒸留水に対しても同様に可溶性を示すので、本発明におけるポリマーからは除外される。
【0045】
本発明における「アルカリ溶解性」の判定は、例えば、以下の評価法で決定することができる。
まず、pH12.0に調整したNaOH水溶液20mlに評価対象の化合物0.2gを添加し、激しく攪拌する。25℃の恒温層中に6時間放置し溶解性を確認する。同時に蒸留水20mlに評価対象の化合物0.2gを添加し、激しく攪拌する。25℃の恒温層中に6時間放置後に溶解性を確認する。この際、白濁、沈降物が確認されれば不溶、白濁、沈降物が確認されなければ可溶と判定する。このような評価法によって、pH12.0に調整したNaOH水溶液に可溶で、蒸留水に不溶の物を選択することにより、本発明における「アルカリ溶解性」を確認することができる。
【0046】
本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーとしては、例えば、酸性基を有するものが好適に挙げられる。前記酸性基としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができる。前記酸性基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、ボロン酸、フェノール類、スルホアミドなどが挙げられ、これらの中でもカルボキシル基が好ましい。また、本発明におけるアルカリ溶解性ポリマー中の前記アルカリ可溶性基を有する構造単位の導入量は、該アルカリ可溶性基の存在によって、本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーがpH10〜13のアルカリ水溶液に溶解しうるものであれば特に限定はされない。
【0047】
本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーの酸価としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、70〜300(mgKOH/g)が好ましく、90〜250(mgKOH/g)がより好ましく、100〜200(mgKOH/g)が分散安定性の観点から特に好ましい。
【0048】
前記酸性基としてカルボキシル基を有する重合体としては、例えば、カルボキシル基を有するビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂、変性エポキシ樹脂などが挙げられ、これらの中でも、塗布溶媒への溶解性、アルカリ現像液への溶解性、合成適性、膜物性の調整の容易さ等の観点からカルボキシル基を有するビニル共重合体が好ましい。また、スチレンおよびスチレン誘導体の少なくともいずれか1つを含む共重合体も好ましい。
【0049】
前記カルボキシル基を有するビニル共重合体は、少なくとも(1)カルボキシル基を有するビニルモノマーと、(2)前記(1)のビニルモノマーと共重合可能なモノマーとの共重合により得ることができる。
前記カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、水酸基を有する単量体(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)と環状無水物(例えば、無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物)との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、共重合性、コストおよび溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。尚、本願明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタクリル酸を総称し、その誘導体の場合も同様である。
また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の無水物を有するモノマーを用いてもよい。
【0050】
前記(1)のビニルモノマーと共重合可能なモノマーとしては、特に制限は無く目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類(例えば、スチレン、スチレン誘導体等)、(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環類(例えば、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール等)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、リン酸モノ(2−アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−アクリロイルオキシエチルエステル)、官能基(例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基)を有するビニルモノマーなどが挙げられ、これらの中でもスチレン類が好ましい。
【0051】
前記(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、β−フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、パーフロロクチルエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0052】
前記クロトン酸エステル類としては、例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、安息香酸ビニルなどが挙げられる。
前記マレイン酸ジエステル類としては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記フマル酸ジエステル類としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどが挙げられる。
前記イタコン酸ジエステル類としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
【0053】
前記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
【0054】
前記ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
前記ビニルアルコールのエステル類としては、ベルサト酸ビニル、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどが挙げられる。
前記スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えば、tert−ブチルオキシカルボニル基等)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
【0055】
本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーの分子量としては、特に制限は無く目的に応じて適宜選択することができるが、金属微粒子の分散安定性の観点から、例えば、重量平均分子量として、2,000〜300,000が好ましく、4,000〜150,000がより好ましく、6,000〜100,000が特に好ましい。
【0056】
また、本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーの有機性/無機性比(I/O値)は、0.44以上1.65以下が好ましく、0.5以上0.6以下が更に好ましい。前記I/O値が低すぎると水に可溶となってしまい、また、前記I/O値が高くなると、アルカリ水溶液にも不溶となってしまう。上記の有機性/無機性比(I/O値)は三共出版(株)発行「有機概念図」を参照することにより求めることができる。
本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーが硫黄原子を有する場合、ポリマー中の硫黄原子の含有量は、金属微粒子の分散安定性の観点から、0.5質量%〜20質量%が好ましく、1.0質量%〜10.0質量%が更に好ましい。
また、本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーが窒素原子を有する場合、ポリマー中の窒素原子の含有量は、金属微粒子の分散安定性の観点から、0.5質量%〜20質量%が好ましく、1.0質量%〜10.0質量%が更に好ましい。
更に、本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーが硫黄原子および窒素原子の両者を有する場合、硫黄原子(s)と窒素原子(n)との質量比(s/n)は、金属微粒子の分散安定性の観点から、0.01〜200好ましく、0.1〜20が更に好ましい。
【0057】
本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーが硫黄原子を含有する場合の具体例としては、例えば、下記一般式(1)で表される繰り返し単位の少なくとも1種を有する高分子化合物が挙げられる。
【0058】
【化1】



【0059】
前記一般式(1)において、Rは、水素原子、または総炭素数1〜4のアルキル基を表す。総炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、secブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。
【0060】
前記一般式(1)において、Rは、水素原子、総炭素数1〜18のアルキル基、総炭素数6〜14のアリール基、または総炭素数7〜16のアラルキル基を表し、このアルキル基、アリール基、およびアラルキル基は各々独立に、無置換でも置換基を有していてもよく、飽和または不飽和の環状構造を形成していてもよい。飽和または不飽和の環状構造としては、2−メルカプトベンズイミダゾール、ピロール、ピロリジン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピペリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、キノリン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾールが挙げられる。
【0061】
前記Rで表される総炭素数1〜18のアルキル基は、無置換でも置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、secブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、ステアリル基等のアルキル基が挙げられる。置換基を有する場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、エステル基、スルホニル基等が好適である。
【0062】
上記のうち、総炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、総炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基ノルマルブチル基、tert−ブチル基は特に好ましい。
【0063】
前記Rで表されるアリール基は、無置換でも置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基、アントラセニル等のアリール基が挙げられる。置換基を有する場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、エステル基、スルホニル基等が好適である。
【0064】
上記のうち、総炭素数6〜10のアリール基が好ましく、フェニル基は特に好ましい。
【0065】
前記Rで表されるアラルキル基は、無置換でも置換基を有していてもよく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基等のアラルキル基が挙げられる。置換基を有する場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、エステル基、スルホニル基等が好適である。
上記のうち、総炭素数7〜11のアラルキル基が好ましく、ベンジル基は特に好ましい。
【0066】
前記一般式(1)において、Zは、−O−または−NH−を表す。また、Yは、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基またはアリール基)、又は総炭素数1〜8の2価の連結基を表す。
Yで表される総炭素数1〜8の2価の連結基は、アルキレン基(例、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アルケニレン基(例、エテニレン、プロぺニレン)、アルキニレン基(例、エチニレン、プロピニレン)、アリーレン基(例、フェニレン)、二価のヘテロ環基(例、6−クロロー1、3、5−トリアジン−2、4ージイル基、ピリミジン2、4−ジイル基、キノキサリン−2、3−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル)またはこれらの組み合わせ(例えば−NHCHCHNH−、−NHCONH−等)であることが好ましい。
上記のうち、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環基、Rのアルキル基またはアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、アリール基の置換基と同じである。Rのアルキル基およびアリール基は、Rのそれぞれと同義であり、好ましい例も同様である。
【0067】
Yで表される総炭素数1〜8の2価の連結基のうち、総炭素数1〜6の2価の連結基が好ましく、中でも、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、−CH−CH(OH)−CH−、−C−O−C−は特に好ましい。
【0068】
本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を1種のみならず、2種以上を共重合して硫黄原子を2以上含む高分子化合物であってもよい。
【0069】
本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーは、所望の高分子化合物に(好ましくは側鎖として)チオエーテル構造を導入する、あるいはチオエーテル基を(好ましくは側鎖に)持つ単量体の単独重合する、またはチオエーテル基を(好ましくは側鎖に)持つ単量体と他の単量体とを共重合することにより得ることができる。好ましくは、エチレン性不飽和単量体の側鎖にチオエーテル構造を導入する、あるいはチオエーテル構造を側鎖に含むエチレン性不飽和単量体の単独重合する、またはチオエーテル構造を側鎖に含むエチレン性不飽和単量体と他の共重合成分とを共重合することにより得ることができる。
【0070】
以下、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の具体例を示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
【0071】
【化2】



【0072】
上述の中でも、特にRが水素原子あるいはメチル基であって、Rがメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、ノルマルブチル基、tert−ブチル基、フェニル基であって、Zが−O−であって、Yがエチレン基、である化合物が好ましい。
【0073】
本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーが窒素原子を含有する場合の具体例としては、例えば、下記で表される繰り返し単位の少なくとも1種を有する高分子化合物が挙げられる。
【0074】
【化3】



【0075】
以下に本発明における硫黄原子あるいは窒素原子を含有するアルカリ溶解性ポリマーの具体例を挙げるが、これらに限定される物ではない。下記化合物PO−1〜PO−34はA、B、Cで表される繰り返し単位を有した共重合体である。また繰り返し単位A,B,Cの量比は、それぞれの質量%の比で表す。
【0076】
【化4】



【0077】
【化5】



【0078】
本発明の金属微粒子分散物における前記アルカリ溶解性ポリマーの含有量としては、全固形分に対して、1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
前記アルカリ溶解性ポリマーの含有量が、1質量%未満であると分散能が十分でないため、凝集してしまう場合があり、30質量%を超えるとポリマーの吸着が平板成長を阻害してしまう場合がある。
【0079】
また、本発明の金属微粒子分散物には、界面活性剤、防腐剤、または分散安定化剤などを適宜配合してもよい。
【0080】
前記界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系界面活性剤のいずれも使用でき、アニオン系およびノニオン系界面活性剤が特に好ましい。界面活性剤のHLB値は塗布液の溶媒が非極性溶剤であるため、3〜6が好ましい。
【0081】
尚、前記HLB値については、例えば「界面活性剤ハンドブック」(吉田時行、進藤信一、山中樹好編、工学図書(株)発行昭和62年)に記載されている。
前記界面活性剤の具体例としては、プロピレングリコールモノステアリン酸エステル、プロピレングリコールモノラウリン酸エステル、ジエチレングリコールモノステアリン酸エステル、ソルビタンモノラウリル酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリル酸エステルなどがある。更に、前述の「界面活性剤ハンドブック」に記載されている界面活性剤の化合物も用いることができる。
【0082】
分散安定剤については、例えば「顔料分散技術(技術情報協会(株)1999年発行)」に記載されているものを用いることができる。
【0083】
《着色組成物》
本発明の着色組成物は、本発明の金属微粒子分散物を含有することを特徴とし、必要に応じて、樹脂またはその前駆体の少なくとも1種、顔料微粒子、バインダーとなるポリマー、モノマー、開始剤、溶媒等を含有してもよい。
そして、本発明の着色組成物は、印刷インク、インクジェットインク、フォトマスク作製材料、印刷用プルーフ作製用材料、エッチングレジスト、ソルダーレジスト、プラズマデイスプレイパネル(PDP)の隔壁、誘電体パターン、電極(導体回路)パターン、電子部品の配線パターン、導電ペースト、導電フィルム、ブラックマトリクス等の遮光画像等に用いることができる。
例えば、カラー液晶表示装置等に用いるカラーフィルタの表示特性向上のために、着色パターンの間隔部、周辺部分、およびTFTの外光側等に遮光画像を設けるために好適に用いることが好ましい。
また、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置の周辺部に設けられた黒色の縁や、赤、青、緑の画素間の格子状やストライプ状の黒色の部分、更に好ましくはTFT遮光のためのドット状や線状の黒色パターン等のブラックマトリクスとして特に好適に用いられる。
【0084】
また、本発明の着色組成物は、黒色の黒色組成物であることが好ましい。ここで、「黒色」とは、無彩色点(x=0.333,y=0.333,Y=0)からの色度のズレがΔEで100以内である色をいう。
【0085】
また、「黒色組成物」とは、本発明の着色組成物に含まれる全金属原子濃度を4.0×10−4モル/Lの分散溶液とした場合に、波長450nmと550nmでの吸光度の比、すなわち黒色度(k=Abs(450nm)/Abs(550nm))が0.5〜2.0の範囲である組成物を意味する。前記黒色組成物の吸収は、日立社製 U−3410形自記分光光度計を用いて測定することができる。
【0086】
(樹脂またはその前駆体)
本発明の着色組成物に添加することのできる樹脂としては、側鎖にカルボン酸基を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、および特開昭59−71048号公報に記載されているメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体が挙げられる。
更に、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。特に、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の共重合体やベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を好適に挙げることができる。
【0087】
前記樹脂としては、30〜400mgKOH/gの範囲の酸価と1000〜300000の範囲の重量平均分子量を有するものを選択して使用するのが好ましい。その他、種々の性能、例えば、硬化膜の強度を改良するために、現像性等に悪影響を与えない範囲で、アルカリ可溶性ポリマーを添加してもよい。これらのアルカリ可溶性ポリマーとしては、本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーを用いてもよいし、その他アルコール可溶性ナイロンやエポキシ樹脂を挙げることができる。
前記樹脂の前駆体としてはエチレン性不飽和二重結合を有し、光照射によって付加重合(以下「光重合性モノマー」という場合がある)し、硬化することで樹脂となる光重合性モノマー等が挙げられる。これらについては後述のものを用いることができる。
【0088】
(開始剤)
本発明の着色組成物に添加する開始剤は、光照射によってラジカルが発生する光重合開始剤等が挙げられる。これについては後述のものを用いることができる。
【0089】
(溶媒)
本発明の着色組成物に添加することのできる溶媒としては、特に制限なく用いられるが、前記金属微粒子の分散の際に用いた溶媒と同様な物が、金属微粒子分散安定性の観点からも好ましく、中でもSP値が9.0以上のものが好ましい。
例えば、メチルエチルケトン、2−プロパノール、1−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、シクロヘキサノン、アセトン、N−メチルピロリドン、あるいはそれらの混合物などが好適に上げられる。
【0090】
(顔料微粒子)
本発明の着色組成物には、金属微粒子の他に、顔料微粒子を含有させることにより、色相を黒色に近づけることも可能となる。
本発明の着色組成物に含有させることのできる顔料微粒子としては、カーボンブラック、チタンブラック、または黒鉛が好適なものとして挙げられる。
前記カーボンブラックの例としては、Pigment Black(ピグメント・ブラック) 7(カーボンブラック C.I.No.77266)が好ましい。市販品としては、「三菱カーボンブラックMA100」(三菱化学(株)製)、「三菱カーボンブラック#5」(三菱化学(株)製)が挙げられる。
【0091】
前記チタンブラックの例としては、TiO、TiO、TiNやこれらの混合物が好ましい。市販品として、三菱マテリアルズ(株)製の商品名「12S」や「13M」が挙げられる。また用いられるチタンブラックの粒子径は40〜100nmが好ましい。
【0092】
前記黒鉛の例としては、粒子径がストークス径として3μm以下のものが好ましい。3μmを超えた黒鉛を用いると、遮光パターンの輪郭形状が不均一になり、シャープネスが悪くなる場合がある。また、粒子径の大部分(好ましくは95%以上)が0.1μm以下であることが望ましい。
【0093】
本発明の着色組成物は、前記顔料微粒子の他に、他の公知の顔料微粒子を用いることもできる。顔料は一般に有機顔料と無機顔料とに大別されるが、本発明においては有機顔料が好ましい。好適に使用される有機顔料の例としては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ニトロ系顔料を挙げることができる。前記有機顔料の色相は、例えば黄色顔料、オレンジ顔料、赤色顔料、バイオレット顔料、青色顔料、緑色顔料、ブラウン顔料、黒色顔料等が好ましい。
【0094】
前記顔料微粒子としては、具体的には、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]に記載の色材や、特開2005−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0095】
また、前記着色剤の他、「顔料便覧、日本顔料技術協会編、誠文堂新光社、1989」、「COLOUR INDEX、THE SOCIETY OF DYES & COLOURIST、THIRD EDITION、1987」に記載のものを適宜用いることもできる。
【0096】
また、前記顔料微粒子は、色相が上述の本発明における金属微粒子の色相と補色関係にあるものを用いることが望ましい。また、顔料微粒子は1種で用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。好ましい顔料の組み合わせとしては、赤色系および青色系の互いに補色関係にある顔料混合物と黄色系および紫色系の互いに補色関係にある顔料混合物との組み合せや、前記の混合物に更に黒色の顔料を加えた組み合わせや、青色系と紫色系と黒色系との顔料の組合せを挙げることができる。
【0097】
前記顔料微粒子は、組成物中に均一に分散されていることが好ましい。前記顔料微粒子の数平均粒径は、5nm〜50nmが好ましく、特に10nm〜45nmが好ましい。本発明の着色組成物をカラーフィルタ用途として用いる場合には、前記顔料微粒子の数平均粒径は20nm〜40nmが好ましい。
【0098】
<遮光画像作製用着色組成物>
前記本発明の着色組成物を、特に遮光画像作製用の着色組成物(以下、「遮光用着色組成物」ともいう。)として用いる場合について以下に詳述する。
前記遮光用着色組成物を用いて遮光層(パターニングする前の層)を形成した場合、遮光層の膜厚1μmあたりの光学濃度は1以上となることが好ましい。例えば、カラーフィルタの作製時など、ポストベークの際、金属微粒子が融着するのを防止することを考慮すると、前記遮光用着色組成物における金属微粒子の含有量は、形成される遮光層の全固形分に対して10〜90質量%、好ましくは10〜80質量%程度になるように調節することが好ましい。また、前記含有量は、金属微粒子の数平均粒径による光学濃度の変動を考慮して行うのが好ましい。
また、後述の感光性を有する遮光用着色組成物における金属微粒子の含有量も同様である。
【0099】
本発明でいう「遮光画像」とは、ブラックマトリクスを包含する意味で用いられる。「ブラックマトリクス」とは、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置の周辺部に設けられた黒色の縁や、赤、青、緑の画素間の格子状やストライプ状の黒色の部分、更にTFT遮光のためのドット状や線状の黒色パターン等のことであり、このブラックマトリクスの定義は、例えば、菅野泰平著、「液晶ディスプレイ製造装置用語辞典」、第2版、日刊工業新聞社、1996年、p.64に記載されている。遮光画像の例としては、有機ELディスプレイ(例えば、特開2004−103507号公報)、PDPのフロントパネル(例えば、特開2003−51261号公報)、PALCではバックライトの遮光等が挙げられる。
ブラックマトリクスは表示コントラストを向上させるため、また薄膜トランジスター(TFT)を用いたアクティブマトリックス駆動方式の液晶表示装置の場合には光の電流リークによる画質低下を防止するため、高い遮光性(光学濃度ODで3以上)が必要である。
【0100】
<感光性遮光画像作製用着色組成物>
前記遮光画像作製用着色組成物は感光性を有することがより好ましい。具体的には、本発明の着色組成物に感光性樹脂組成物を添加することで感光性を付与することができる。前記感光性樹脂組成物は、バインダーとなるポリマー、光重合開始剤、光重合性モノマー等を含有してなる態様が好ましく挙げられる。
【0101】
前記感光性樹脂組成物は、アルカリ水溶液で現像可能なものと、有機溶剤で現像可能なものとがある。安全性と現像液のコストとの観点からは、アルカリ水溶液現像可能なものが好ましい。前記感光性樹脂組成物にアルカリ水溶液現像性を持たせるためにはバインダーのポリマーをアルカリ可溶性ポリマーにすることが好ましい。
前記感光性樹脂組成物は、上述のような光や電子線などの放射線を受容する部分が硬化するネガ型の組成物でもよいし、放射線未受容部が硬化するポジ型の組成物であってもよい。
【0102】
前記ポジ型の感光性樹脂組成物にはノボラック系の樹脂を用いたものが挙げられる。前記ノボラック系樹脂としては、例えば、特開平7−43899号公報記載のアルカリ可溶性ノボラック樹脂系を使用することができる。また、特開平6−148888号公報記載のポジ型感光材料、即ち、該公報記載のアルカリ可溶性樹脂と感光剤として1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルと該公報記載の熱硬化剤の混合物とを含むポジ型感光材料を用いることができる。更に、特開平5−262850号公報記載の組成物も活用可能である。
【0103】
ネガ型の感光性樹脂組成物としては、ネガ型ジアゾ樹脂とバインダーとからなる感光性樹脂、光重合性組成物、アジド化合物とバインダーとからなる感光性樹脂組成物、桂皮酸型感光性樹脂組成物等が挙げられる。その中でも、光重合開始剤、光重合性モノマーおよびバインダーを基本構成要素として含む光重合性組成物が特に好ましい。該光重合性組成物には、特開平11−133600号公報記載の「重合性化合物B」「重合開始剤C」「界面活性剤」「接着助剤」や、その他の組成物が利用できる。
例えば、ネガ型の感光性樹脂組成物であってアルカリ水溶液現像可能な感光性樹脂組成物としては、主成分としてカルボン酸基含有バインダー(アルカリ可溶性バインダー)と、光重合開始剤と、光重合性モノマーと、を含んでなる感光性樹脂組成物が挙げられる。尚、前記アルカリ可溶性バインダーとしては、前述の樹脂またはその前駆体として例示した樹脂を好適なものとして使用できる。
【0104】
前記アルカリ可溶性バインダーは、感光性の遮光用着色組成物の全固形分に対して通常、10〜95質量%含有され、更に20〜90質量%含有されることが好ましい。含有量が10〜95質量%の範囲では、感光性樹脂層の粘着性が高すぎることもなく、形成される層の強度および光感度が劣ることもない。
【0105】
前記光重合開始剤としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号および同第2951758号の各明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等が挙げられる。特に好ましくはトリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール、トリアリールイミダゾール二量体である。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとして挙げることができる。
これらの光重合開始剤または光重合開始剤系は、単独でも、二種類以上を混合して用いてもよく、特に二種類以上を用いることが好ましい。また、感光性樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
【0106】
黄ばみなどの着色がなく、且つ露光感度を高くすることが可能であり優れた表示特性を発揮することができる光重合開始剤の組み合わせの例としては、ジアゾール系光重合開始剤と、トリアジン系光重合開始剤との組み合わせが挙げられる。中でも、2−トリクロロメチル5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾールと、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキンカルボニルメチル)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジンとの組み合わせが最も好ましい。
これらの光重合開始剤の比率は、ジアゾール系/トリアジン系の質量比率で、95/5〜20/80が好ましく、より好ましくは90/10〜30/70であり、特に好ましくは80/20〜60/40である。これらの光重合開始剤は、特開平1−152449号公報、特開平1−254918号公報、特開平2−153353号公報に記載されている。
更に、前記光重合開始剤の好適な例としてはベンゾフェノン系も挙げられる。
【0107】
また、感光性の遮光用着色組成物の固形分全体に占める顔料の割合が15〜25質量%の場合、前記光重合開始剤に、クマリン系化合物を混合することによっても、黄ばみなどの着色を抑制し、且つ高感度化することができる。
前記クマリン系化合物としては、7−[2−[4−(3−ヒドロキシメチルビペリジノ)−6−ジエチルアミノ]トリアジニルアミノ]−3−フェニルクマリンが最も好ましい。これらの光重合開始剤とクマリン系化合物との比率は、光重合開始剤/クマリン系化合物の質量比率で、20/80〜80/20が好ましく、より好ましくは30/70〜70/30であり、最も好ましくは40/60〜60/40である。
ただし、本発明に使用できる光重合開始剤はこれらに限定されるものではなく、公知のものの中から適宜選択することできる。
【0108】
前記光重合開始剤は、感光性の遮光用着色組成物の全固形分に対して、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。前記含有量が前記範囲内であると、光感度や画像強度の低下を防止でき、十分に性能を向上させることができる。
【0109】
前記光重合性モノマーとしては、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートおよびフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン若しくはグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加反応させた後で(メタ)アクリレート化したもの等の多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0110】
更に、特公昭48−41708号、同50−6034号、特開昭51−37193号の各公報に開示されているウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、同52−30490号の各公報に開示されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートを挙げることができる。これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。前記光重合性モノマーは、単独でも2種類以上を混合して用いてもよい。前記光重合性モノマーの感光性の遮光用着色組成物の全固形分に対する含有量は、5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。前記含有量が前記範囲内にあると光感度や画像の強度も低下せず、感光性遮光層の粘着性が過剰になることもない。
【0111】
感光性の遮光用着色組成物としては、前記成分の他に更に熱重合防止剤を添加することが好ましい。前記熱重合防止剤の例としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、β−ナフトール、ピロガロール等の芳香族ヒドロキシ化合物、ベンゾキノン、p−トルキノン等のキノン類、ナフチルアミン、ピリジン、p−トルイジン、フェノチアジン等のアミン類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩またはアンモニウム塩、クロラニール、ニトロベンゼン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
【0112】
感光性の遮光用着色組成物は、更に必要に応じて公知の添加剤、例えば、可塑剤、界面活性剤、密着促進剤、分散剤、垂れ防止剤、レベリング剤、消泡剤、難燃化剤、光沢剤、溶剤等を添加することができる。
【0113】
前記密着促進剤としては、例えばアルキルフェノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリイソブチレン、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ゴム、アクリル樹脂系粘着剤、芳香族系、脂肪族系または脂環族系
の石油樹脂、シランカップリング剤等が挙げられる。
【0114】
本発明の遮光用着色組成物(感光性のものを含む)を用いてブラックマトリクスを形成することで、薄膜で且つ光学濃度が高いブラックマトリクスを作製することができる。
【0115】
≪感光性転写材料≫
(感光性遮光層)
本発明の感光性転写材料は、支持体上に感光性遮光層(以下、「遮光層」ともいう。)を有する。
前記感光性遮光層は、前記本発明の金属微粒子分散物を含む感光性を有する遮光用着色組成物を用いて、支持体上に形成することができる。
本発明の感光性転写材料を用いることによりブラックマトリクス等の遮光画像を形成することができる。
【0116】
以上の通り、前記感光性転写材料は、支持体上に、着色組成物、特に上述の感光性を有する遮光用着色組成物等を用い形成された感光性遮光層を少なくとも1層有し、必要に応じて熱可塑性樹脂層、中間層、または保護層等を設けることができる。
前記感光性遮光層の膜厚は0.1〜4μmの範囲が好ましく、0.1〜2.0μmの範囲がより好ましく、0.2〜1.0μmが更に好ましい。
【0117】
(支持体)
前記感光性転写材料における支持体としては、ポリエステル、ポリスチレン等の公知の支持体を用いることができる。中でも2軸延伸したポリエチレンテレフタレートはコスト、耐熱性、寸法安定性の観点から好ましい。前記支持体の厚みは15〜200μm程度、より好ましくは30〜150μm程度が好ましい。前記支持体の厚みが前記範囲内にあると、ラミネーション工程時に熱によりトタン板状のしわが発生するのを効果的に抑制することができ、コスト上も有利である。
また前記支持体には必要に応じて特開平11−149008号公報に記載されている導電性層を設けてもよい。
【0118】
(熱可塑性樹脂層)
また、支持体と感光性遮光層との間、または支持体と中間層との間に、アルカリ可溶性の熱可塑性樹脂層を設けることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂層は、下地表面の凹凸(既に形成されている画像などによる凹凸等も含む)を吸収することができるようにクッション材としての役割を担うものであるため、当該凹凸に応じて変形しうる性質を有していることが好ましい。
【0119】
アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層に含まれる樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステルとの共重合体のケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体のケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体のケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、および(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等との(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のケン化物、等より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。更に「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)による有機高分子のうちアルカリ水溶液に可溶なものを使用することもできる。また、これらの熱可塑性樹脂のうち、軟化点が80℃以下のものが好ましい。
【0120】
前記熱可塑性樹脂層に含まれる樹脂としては、上述のアルカリ可溶な熱可塑性樹脂層に含まれる樹脂の中でも、重量平均分子量3千〜50万(Tg=0〜170℃)の範囲で選択して使用することが好ましく、更には重量平均分子量4千〜20万(Tg=30〜140℃)の範囲がより好ましい。これらの樹脂の具体例としては、特公昭54−34327号、特公昭55−38961号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭61−134756号、特公昭59−44615号、特開昭54−92723号、特開昭54−99418号、特開昭54−137085号、特開昭57−20732号、特開昭58−93046号、特開昭59−97135号、特開昭60−159743号、特開昭60−247638号、特開昭60−208748号、特開昭60−214354号、特開昭60−230135号、特開昭60−258539号、特開昭61−169829号、特開昭61−213213号、特開昭63−147159号、特開昭63−213837号、特開昭63−266448号、特開昭64−55551号、特開昭64−55550号、特開平2−191955号、特開平2−199403号、特開平2−199404号、特開平2−208602号、特開平5−241340号の各公報に記載されているアルカリ水溶液に可溶な樹脂を挙げることができる。
【0121】
また、これらの中でも特に好ましいものとしては、特開昭63−147159号明細書に記載されたメタクリル酸/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体、特公昭55−38961号、特開平5−241340号の各公報に記載のスチレン/(メタ)アクリル酸共重合体が挙げられる。
【0122】
さらに、前記熱可塑性樹脂層には、熱可塑性樹脂層と支持体との接着力を調節するために、各種可塑剤、各種ポリマー、過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、または離型剤等を加えることが可能である。
好ましい可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂とポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、有機ジイソシアナートとポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、有機ジイソシアナートとポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、ビスフェノールAとポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの縮合反応生成物等を挙げることができる。
前記熱可塑性樹脂層中の可塑剤の含有量は、可塑性樹脂層の全固形分に対して、200質量%以下が一般的であり、好ましくは20〜100質量%である。
【0123】
また、前記熱可塑性樹脂層の厚みは6μm以上が好ましい。熱可塑性樹脂の厚みが6μm以上であれば、下地表面の凹凸を完全に吸収することができる。また、上限については、現像性、製造適性から約100μm以下が一般的であり、好ましくは約50μm以下である。
【0124】
本発明において、熱可塑性樹脂層を形成する際に用いる塗布液の溶媒としてはこの層を構成する樹脂を溶解するものであれば特に制限なく使用できる。前記溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、n−プロパノール、i−プロパノール等が挙げられる。
【0125】
(中間層)
本発明の感光性転写材料は、仮支持体と感光性遮光層との間に中間層を設けてもよい。
中間層を構成する樹脂としてはアルカリ可溶であれば特に制限はない。該樹脂の例としては、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、セルロース系樹脂、アクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ゼラチン、ビニルエーテル系樹脂、ポリアミド樹脂、およびこれらの共重合体を挙げることができる。またポリエステルのように通常はアルカリ可溶性でない樹脂にカルボキシル基やスルホン酸性基を持つモノマーを共重合した樹脂も用いることができる。
これらの中で好ましいものはポリビニルアルコールである。前記ポリビニルアルコールとしては鹸化度が80%以上のものが好ましく、83〜98%のものがより好ましい。
【0126】
中間層を構成する樹脂は2種類以上を混合して使用することが好ましく、特にポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとを混合して用いることが特に好ましい。両者の質量比はポリビニルピロリドン/ポリビニルアルコール=1/99〜75/25の範囲が好ましく、更には10/90〜50/50の範囲がより好ましい。前記質量比が前記の範囲内にあると中間層の面状が良好であり、その上に塗設した感光性遮光層との密着性がよく、更に、酸素遮断性が低下して感度が低下するのを防止することができる。
尚、前記中間層には必要に応じて界面活性剤などの添加剤を添加することができる。
【0127】
前記中間層の厚みは0.1〜5μm、更に0.5〜3μmの範囲が好ましい。中間層の厚みが前記範囲内にあると、酸素遮断性を低下させることなく、また、現像時の中間層除去時間が増大するのを防止することができる。
中間層の塗布溶媒としては、前記の樹脂が溶解し、前記熱可塑性樹脂層を有する場合は、該層を溶解しない溶媒であれば、特にその他の制限はないが、中でも水が好ましく、また水に前述の水混和性有機溶剤を混合した混合溶媒も好ましい。好ましい塗布溶媒の具体例としては、例えば、水、水/メタノール=90/10、水/メタノール=70/30、水/メタノール=55/45、水/エタノール=70/30、水/1−プロパノール=70/30、水/アセトン=90/10、水/メチルエチルケトン=95/5(ただし比は質量比を表す)等が挙げられる。
【0128】
(感光性転写材料の作製)
本発明の感光性転写材料は、支持体に、本発明の感光性を有する遮光用着色組成物の溶液を、例えば、スピナー、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布機を用いて塗布・乾燥させることにより感光性遮光層を形成することにより作製することができる。また、アルカリ可溶性熱可塑性樹脂の層を設ける場合にも同様にして形成することができる。
【0129】
本発明の感光性転写材料は、上述のごとき本発明の遮光用着色組成物を用いて感光性遮光層を設けているため、薄膜で且つ光学濃度が高い遮光層を作製することができる。
【0130】
≪遮光画像の作製方法≫
(遮光層の形成方法)
本発明において、遮光画像は、本発明の金属微粒子分散物、これを含有する着色組成物または感光性転写材料を用いて形成した遮光層をパターニングすることにより作製される。この際、前記遮光層の膜厚は0.2〜2.0μm、更には0.2〜0.9μmであることが好ましい。前記遮光層は本発明における金属微粒子を分散させたものであるため、前記のごとき薄膜でも十分な光学濃度(O.D3.5以上)を発揮することができる。
【0131】
また、本発明の金属微粒子分散物、これを含有する着色組成物または感光性転写材料を用いて遮光画像を作製する(パターニングする)方法は特に限定はされない。以下にブラックマトリクスのパターン形成方法の一例を挙げる。
【0132】
第1の方法は、まず本発明における金属微粒子と本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーとを含有し、感光性を有する本発明の遮光用着色組成物を基板に塗布し、金属微粒子および本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーを含有した感光性遮光層を形成する。第1の方法は、その後、露光現像によりパターン以外の部分の遮光層を除却することによりパターン形成を行い、遮光画像を得る方法である。また、上述の中間層と同組成の層を前記感光性遮光層上に形成して保護層とすることもできる。この場合、塗布液の塗布は、上述の塗布機を用いて塗布することができ、中でもスピンコート法によって行うのが好ましい。
【0133】
第2の方法は、本発明における金属微粒子と本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーとを含有し、非感光性の本発明の着色組成物を基板に塗布して、金属微粒子および本発明におけるアルカリ可溶性ポリマーを含有した遮光層を形成する。その後、該遮光層上に感光性レジスト液を塗布してレジスト層を形成する。第2の方法は、次いで露光によりレジスト層を露光現像してレジスト層にパターンを形成した後、このパターンに応じて遮光層の非パターン部を溶解し、遮光層にパターンを形成する。最後にレジスト層を除去して、遮光画像を得る方法である。
【0134】
第3の方法は、予め基板上のパターン以外の部分に塗布層を形成しておき、この上に金属微粒子および本発明におけるアルカリ溶解性ポリマーを含有した、非感光性の本発明の遮光用着色組成物を塗布して遮光層を形成する。次いで、初めに形成した塗布層を上の遮光層とともに除去し、遮光画像を得る方法である。
【0135】
前記感光性転写材料を用いる遮光画像の作製方法としては、光透過性基板の上に、前記感光性転写材料を、感光性転写材料の感光性遮光層が接触するように配置して積層する。次に、感光性転写材料と光透過性基板との積層体から支持体を剥離し、その後、前記層を露光した後現像して遮光画像を形成する方法である。
この遮光画像の製造方法は、煩瑣な工程を行うことを必要とせず、低コストである。
【0136】
(露光および現像)
次に、前記露光および現像工程について述べる。
前記基板上に形成された遮光層の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスク上方から露光し、次いで現像液による現像を行い、パターニング画像を得、引き続き必要に応じて、水洗処理を行う、という工程により、本発明の遮光画像を得ることができる。露光は上述のようなマスクを配置する方法以外に、マスクを介さずに直接に画像データに基づいて露光光を相対走査することでパターン画像を得てもよい。
ここで、前記露光の光源としては、感光性樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LD、超高圧水銀灯、YAG−SHG固体レーザー、KrFレーザー、固体レーザー等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cmであり、好ましくは10〜100mJ/cmである。
この際に使用する露光機は、特に限定されるわけではないが、前記マスクを介して露光するプロキシミティ露光機の他、散乱光線露光機、平行光線露光機、ステッパー、およびレーザー露光などを用いることができる。
【0137】
また、前記現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、公知の現像液を使用することができ、本発明ではアルカリ性物質の希薄水溶液が好ましく用いられる。詳しくは、現像液は感光性樹脂層が溶解型の現像挙動をするものが好ましい。尚、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。
また、前記現像の前には、純水をシャワーノズル等にて噴霧して、該感光性遮光層の表面を均一に湿らせることが好ましい。
【0138】
前記遮光画像の塗布による形成方法および感光性転写材料を用いる形成方法における、前記アルカリ性物質としては、アルカリ金属水酸化物類(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ金属炭酸塩類(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属ケイ酸塩類(例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、アルカリ金属メタケイ酸塩類(例えば、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類(例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、燐酸三ナトリウム、等が挙げられる。アルカリ性物質の濃度は、0.01〜30質量%が好ましく、pHは8〜14が好ましい。
【0139】
前記「水と混和性の有機溶剤」としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等が好適に挙げられる。水と混和性の有機溶剤の濃度は0.1〜30質量%が好ましい。更に、公知の界面活性剤を添加することもでき、該界面活性剤の濃度としては0.01〜10質量%が好ましい。
【0140】
前記現像液は、浴液としても、或いは噴霧液としても用いることができる。遮光層の未硬化部分を除去する場合、現像液中で回転ブラシや湿潤スポンジで擦るなどの方法を組み合わせることができる。現像液の液温度は、通常室温付近から40℃が好ましい。現像時間は、遮光層の組成、現像液のアルカリ性や温度、有機溶剤を添加する場合にはその種類と濃度、等に依るが、通常10秒〜2分程度である。短すぎると非露光部の現像が不充分となると同時に紫外線の吸光度も不充分となることがあり、長すぎると露光部もエッチングされることがある。いずれの場合にも、遮光画像形状を好適なものとすることが困難となる。この現像工程にて、遮光画像が形成される。
【0141】
≪遮光画像付き基板≫
本発明の遮光画像付き基板は、光透過性基板の上に前記金属微粒子分散物を含む前記着色組成物、または、前記感光性転写材料を用いて形成された遮光層を上述したようにしてパターニングすることにより作製される。
この遮光画像付き基板(好ましくは、ブラックマトリクス基板)における遮光画像の膜厚は0.2〜2.0μmが好ましく、特に0.2〜0.9μmが好ましい。前記遮光画像付き基板における遮光層は本発明における金属微粒子を分散させたものであるため、前記のごとき薄膜でも十分な光学濃度を有する。
【0142】
本発明の遮光画像付き基板は、テレビ、パーソナルコンピュータ、液晶プロジェクター、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなどの用途に特に制限なく適用できる。また、下記カラーフィルタの作製においても好適に用いることができる。
【0143】
≪カラーフィルタ≫
本発明のカラーフィルタは、前記金属微粒子分散物を用いた前記着色組成物または前記感光性転写材料を用いて作製された遮光画像付き基板を用いて作製される。
更に、具体的には、本発明のカラーフィルタは、光透過性基板の上に、着色層からなり、互いに異なる2色以上を呈する画素群を有し、前記画素群を構成する各画素は互いに遮光画像(ブラックマトリクス)により離画されている構成を有することが好ましい。
前記異なる2色以上を呈する画素群は、2色でも、3色でも4色以上でもよい。例えば3色の場合は赤(R)、緑(G)および青(B)の3つの色相が好適に用いられる。赤、緑、青の3色の画素群を配置する場合は、モザイク型、トライアングル型等の配置が好ましく、4種以上の画素群を配置する場合ではどのような配置であってもよい。
【0144】
前記光透過性基板としては、表面に酸化珪素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス板、ノンアルカリガラス板、石英ガラス板等の公知のガラス板或いはプラスチックフィルム等が用いられる。
本発明のカラーフィルタを作製するには、光透過性の基板に常法により2色以上の画素群を形成した後、前記のようにしてブラックマトリクスを形成してもよいし、或いは、最初にブラックマトリクスを形成し、その後2色以上の画素群を形成してもよい。
本発明のカラーフィルタは上述のごとき薄膜で高濃度であるブラックマトリクスを備えているため、表示コントラストが高くまた平坦性に優れている。
【0145】
≪表示装置≫
本発明の表示装置は、前記カラーフィルタを用いて作製されたことを特徴とする。
本発明の表示装置としては、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置、液晶表示装置等が挙げられる。
表示装置の定義や各表示装置の説明は、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、隅工業調査会 1990毎発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順幸著、産業図書側 平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置のうち、液晶表示装置は特に好ましい。
【0146】
前記液晶表示装置は、前記カラーフィルタ以外に電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ.視野角補償フィルム、反射防止フィルム、光拡散フィルム、防眩フィルムなどさまざまな部材を用いることができる。
これらの部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表良吉(株)富士キメラ総研 2003等発行)」に記載されており、LCDの種類としては、STN、TN、VA、IPS、OCS、およびR−OCB等が挙げられる。
【0147】
液晶表示装置の一つとしては、少なくとも一方が光透過性の1対の基板の間に、カラーフィルタ、液晶層および液晶駆動手段(単純マトリックス駆動方式およびアクティブマトリックス駆動方式を含む)を少なくとも備えたものが挙げられる。
前記カラーフィルタとしては、前記のごとき複数の画素群を有し、前記画素群を構成する各画素が遮光画像により離画されている本発明のカラーフィルタを用いる。
【0148】
また、前記液晶表示装置の別の態様としては、少なくとも一方が光透過性の1対の基板の間に、カラーフィルタ、液晶層および液晶駆動手段を少なくとも備え、前記液晶駆動手段がアクティブ素子(例えばTFT)を有し、且つ各アクティブ素子の間に本発明の金属微粒子分散物を用いた着色組成物若しくは感光性転写材料を用いて作製されるブラックマトリクスが形成されているものである。
液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、側工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明の表示装置(液晶表示装置)には特に制限はなく、例えば前記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。本発明はこれらの中でも、特にカラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。
【0149】
また、カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。更に本発明はもちろんIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
【0150】
前記液晶表示装置に用いることのできる液晶としては、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶、強誘電液晶等が挙げられる。
【実施例】
【0151】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0152】
[実施例1]
<平板状銀ナノ粒子分散液の調製:A−1>
純水1000mLにアルカリ溶解性ポリマーPO−1を6.0×10−3%(W/W)となるように添加して攪拌した。その後、1.0モル/L硝酸銀水溶液50mLと1.0モル/L亜硫酸ナトリウム水溶液50mLと1.0モル/Lハイドロキノン水溶液25mLを30分かけゆっくりと同時添加した。
前記銀微粒子液(金属微粒子分散液)に、硝酸を滴下してpH4に調整し銀微粒子を凝集沈降させた。
上記凝集銀微粒子液の上澄み液を除去し、これに蒸留水750mLを加えて120分静置し再び上澄みを除去した。これを4回繰り返した。
【0153】
上記凝集銀微粒子にメチルエチルケトンを銀が8質量%となるよう加え、ブランソン社製「ソニファー(Sonifier)II型」超音波ホモジナイザーを用いて20kHzの超音波を5分間照射した。
その後、ブランソン社製「モデル(Model)2000bdc−h 40:0.8型超音波ホモジナイザー」で40kHzの超音波を10分間照射して、銀ナノ粒子分散液(金属微粒子分散液)を得た。
上記超音波照射の間は、上記液が25℃に維持されるよう、ヤマト科学社製クールニクスCTW400により冷却した。
【0154】
この銀ナノ粒子分散液における銀ナノ粒子について、双晶面数、主な粒子形状、アスペクト比、数平均粒径、平板化率を下記のようにして求め、表1に示した。
【0155】
−双晶面数−
平板粒子の断面構造を透過型電子顕微鏡を用い写真撮影し、主平面間の距離Xと双晶面間の距離Yの比(X/Y)を測定することによって双晶面数を求め、この値100個の平均数を双晶面数とした。
【0156】
−主な粒子形状−
上記で得られた銀ナノ粒子分散液について、透過型電子顕微鏡を用い写真撮影した画像に基づき、粒子形状を観察して、粒子100個中で最も多い形状を主な粒子形状とした。
【0157】
−アスペクト比−
上記で得られた銀ナノ粒子分散液における粒子について、透過型電子顕微鏡写真上での投影面積を測定して、粒子の投影面積に相当する円の直径を求め、その直径を粒子の厚さで割った値を算出し、この値100個の平均値をアスペクト比とした。
【0158】
−数平均粒径−
上記で得られた銀ナノ粒子分散液の銀ナノ粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を求め、この値100個の平均値を数平均粒径とした。
【0159】
−平板化率−
上記で得られた銀ナノ粒子分散液の透過型電子顕微鏡写真画像に基づき、全銀微粒子数に対する、主平面に平行な1〜3の双晶面を有するアスペクト比2以上の平板化された銀ナノ粒子数の割合を求めて平板化率(%)とした。ここで、全銀微粒子数は、前記平均粒径と同様の測定方法で求めた粒径10nm以上の粒子数とする。
【0160】
[実施例2]
<銀ナノ粒子分散液の調製:A−2>
前記A−1に示した銀ナノ粒子分散液の調製において、アルカリ溶解性バインダー(例示化合物)PO−1を用いる代わりに、PO−2を用いた以外は、実施例1と同様にして調製して、同様に評価した。結果は、表1に示す。
[実施例3]
<銀ナノ粒子分散液の調製:A−3>
実施例1の前記A−1に示した銀ナノ粒子分散液の調製において、ハイドロキノン水溶液の代わりに、アスコルビン酸水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして調製して、同様に評価した。結果は、表1に示す。
この銀粒子は、粒子形成直後と同様の色味を有していた。
【0161】
[比較例1]
<銀ナノ粒子分散液の調製:S−1>
実施例1の前記A−1に示した銀ナノ粒子分散液の調製において、1.0モル/L亜硫酸ナトリウム水溶液を用いない以外は、実施例1と同様にして調製して、同様に評価した。結果は、表1に示す。
【0162】
[比較例2]
<銀ナノ粒子分散液の調製:S−2>
実施例1の前記A−1に示した銀ナノ粒子分散液の調製において、1.0モル/L亜硫酸ナトリウム水溶液50mLの代わりに、0.5モル/L亜硫酸ナトリウム水溶液50mLを用いた以外は、実施例1と同様にして調製して、同様に評価した。結果は、表1に示す。
【0163】
[比較例3]
<銀ナノ粒子分散液の調製:S−3>
実施例1の前記A−1に示した銀ナノ粒子分散液の調製において、1.0モル/L亜硫酸ナトリウム水溶液50mLの代わりに、1.5モル/L亜硫酸ナトリウム水溶液50mLを用いた以外は、実施例1と同様にして調製して、同様に評価した。結果は、表1に示す。
【0164】
[比較例4]
<銀ナノ粒子分散液の調製:S−4>
実施例1の前記A−1に示した銀ナノ粒子分散液の調製において、1.0モル/L硝酸銀水溶液50mLと1.0モル/L亜硫酸ナトリウム水溶液50mLと1.0モル/Lハイドロキノン水溶液25mLを30分かけゆっくりと同時添加する代わりに、1.0モル/L硝酸銀水溶液50mLと1.5モル/L亜硫酸ナトリウム水溶液50mLと1.0モル/Lハイドロキノン水溶液25mLを120分かけゆっくりと同時添加する以外は、実施例1と同様にして調製して、同様に評価した。結果は、表1に示す。
【0165】
【表1】



【0166】
[実施例4]
(1)ブラックマトリクスP−1の作製
<感光性遮光層用塗布液B−1の調製>
下記組成を混合して、感光性遮光層用塗布液B−1を調製した。
〔組成〕
・金属微粒子分散液A−1 40.00部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 28.6部
・メチルエチルケトン 37.6部
・フッ素系界面活性剤 0.2部
(商品名:F176PF、大日本インキ化学工業(株)製)
・ヒドロキノンモノメチルエーテル 0.001部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 2.1部
(モル比=73/27、分子量30000)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPHA(日本化薬社製))
ここで、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの添加量は、塗布液におけるベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体の量を1としたときの質量比率で0.9となる量とし、且つ、上記金属微粒子分散液A−1の体積分率が0.13になるような量とした。
・ビス[4−[N−[4−(4、6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート 0.1部
【0167】
<保護層用塗布液の調製>
下記組成を混合して、保護層用塗布液を調製した。
・ポリビニルアルコール 3.0部
(商品名:PVA205、(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン 1.3部
(商品名:PVP−K30、アイエスピー・ジャパン社製)
・蒸留水 50.7部
・メチルアルコール 45.0部
【0168】
<感光材料の作製>
ガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が1.00μmになるように上記感光性遮光層用塗布液B−1を塗布して100℃で5分間乾燥し感光性遮光層を形成した。
次いで、この上にスピンコーターを用いて上記保護層用塗布液を乾燥膜厚が1.5μmになるように塗布して、100℃で5分間乾燥し保護層を形成して、本発明の感光材料P−1を作製した。
【0169】
<ブラックマトリクスP−1の作製>
超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)で、前記感光材料P−1とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と保護層の塗布面の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cmでパターン露光した。次いで、現像処理液TCD(富士写真フイルム(株)製、アルカリ現像液)を用いて現像処理(33℃・20秒)を行った。画面サイズ10インチで、画素数が480×640であり、また、ブラックマトリクス幅が24μmで、画素部の開口が86μm×304μmであるブラックマトリクスP−1を得た。
【0170】
(2)カラーフィルタC−1の作製
上記で得られたブラックマトリクス(遮光画像)P−1を用いて、特開2004−347831号公報の[0075]〜[0086]に記載の転写型の感光性樹脂フイルムを用いて、赤色、緑色、青色の所定サイズ、形状の着色パターンを形成しカラーフィルタを作製した。
【0171】
(3)液晶表示装置R−1の作製
前記で得られたカラーフィルタC−1を用い、RGBのパターンに対応してガラス基板上に薄膜トランジスタ(TFT)、画素電極を形成し、配向膜を設けたアクティブマトリックス基板を作製した。
次いで、カラーフィルタC−1上にITOと配向膜を形成し対向基板を作製した。このアクティブマトリクス基板と対向電極間にTN液晶を封入し、シール剤を介して貼り合わせ、各基板の両側に偏光板をクロスニコルにて配置し、アクティブマトリックス基板側にバックライトを配置して液晶表示装置R−1とした。
本発明のブラックマトリクスを用いた液晶表示装置が良好な表示特性を示すことを確認した。
【0172】
《評価》
上記で得られた実施例4のブラックマトリクスP−1について、下記の評価を行った。結果を下記表2に示す。
【0173】
−光学濃度の測定−
膜の光学濃度は以下の方法で測定した。
まず、ブラックマトリクス作製前のガラス基板上に塗設された感光性遮光層に前記超高圧水銀灯を用いて塗布面側から500mJ/cmの露光を行った。次いで、この光学濃度(O.D.)をマクベス濃度計(商品名:TD−904、マクベス社製)を用いて測定し、更に240℃120分ベークを行った後に光学濃度(O.D.)を測定した。
別途、ガラス基板の光学濃度(OD)を同様の方法で測定し、上記O.D.からODを差し引いて、ベーク前及び後における膜の光学濃度とした。
【0174】
−品位(色味)評価−
上記ベーク前及び後における感光性遮光層を目視観察して、その品位(色味)を評価した。
【0175】
−ベーク前の遮蔽性評価−
前記ベーク前における光学濃度について、下記基準によりベーク前遮蔽性を評価した。
・○:OD変化が4.0以上
・×:OD変化が4.0未満
【0176】
−耐熱性評価−
前記ベーク前後における光学濃度の変化によって、下記基準により耐熱性を評価した。
・○:OD変化が0.5未満で、且つ色みに変化が見られない。
・×:OD変化が0.5以上、又は色みに変化が見られる。
【0177】
[実施例5、6、比較例5〜8]
実施例4において、下記の操作以外は、実施例4と同様に実施例5、6、比較例5〜8を行った。同様に評価し、ブラックマトリクスの評価結果を表2に示す。
(1)ブラックマトリクスP−2〜P−7の作製
<感光性遮光層用塗布液B−2〜B−7の調製>
実施例4の感光性遮光層用塗布液B−1の調製において、金属微粒子分散液A−1を用いる代わりに、金属微粒子分散液A−2〜A−3、S−1〜S−4を用いた以外は、実施例4と同様に行い、感光性遮光層用塗布液B−2〜B−7を調製した。
【0178】
<感光材料P−2〜P−7の作製>
実施例4の感光材料P−1の作製において、感光性遮光層用塗布液B−1を用いる代わりに、感光性遮光層用塗布液B−2〜B−7を用いた以外は、実施例4と同様に行い、感光材料P−2〜P−7の作製した。
【0179】
<ブラックマトリクスP−2〜P−7の作製>
実施例4のブラックマトリクスP−1の作製において、感光材料P−1の代わりに、感光材料P−2〜P−7を用いた以外は、実施例4と同様に行い、ブラックマトリクスP−2〜P−7を作製した。
【0180】
(2)カラーフィルタC−2〜C−7の作製
実施例4のカラーフィルタC−1の作製において、ブラックマトリクスP−1の代わりに、ブラックマトリクスP−2〜P−7を用いた以外は、実施例4と同様に行い、カラーフィルタC−2〜C−7を作製した。
【0181】
(3)液晶表示装置R−2〜R−7の作製
液晶表示装置の作製において、ブラックマトリクスR−1を用いる代わりに、P−2〜P−7を用いて液晶表示装置R−2〜R−7を作製した。
本発明のブラックマトリクスを用いて得られた液晶表示装置は誤作動なく良好な表示特性を示す表示することを確認した。
【0182】
【表2】


【0183】
本発明の金属微粒子分散液を用いた実施例は、ベーク前後の遮蔽性、光学濃度、色味の変化が極めて少なく、耐熱性が良好であることが分かった。
一方、比較例はいずれの評価においても、ベーク前後の変化が大きいことが分かった。
【出願人】 【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
【出願日】 平成18年6月23日(2006.6.23)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳

【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳

【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一

【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志


【公開番号】 特開2008−1961(P2008−1961A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−174370(P2006−174370)