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【発明の名称】 脱脂装置
【発明者】 【氏名】本田 真

【要約】 【課題】

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料粉末と有機バインダー(ワックスと総称する、以下同じ)を含む粉末成形体に対して脱脂処理を施すための脱脂炉と、該脱脂炉内にプロセスガスを供給するためのプロセスガス供給系と、脱脂処理により生じる脱脂ガスを脱脂炉から排出するための脱脂ガス排気系と、該脱脂ガス排気系および前記脱脂炉に接続して設けられ、脱脂炉から排出された前記脱脂処理により生じるワックスを含む脱脂ガスからワックスを除去するためのワックストラップを備えた脱脂装置において、ワックストラップの外周面にワックスを冷却してワックストラップの内周面にワックスを凝集させるための水冷ジャケットを配置し、ワックストラップの内周面に凝集したワックスを回収するためのスクリューフィーダーを設けたことを特徴とする脱脂装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形品、超硬合金、セラミックスなどの製造において、有機バインダー(ワックス)を含む粉末成形体を脱脂処理(脱ワックス処理)するための脱脂装置、詳しくは、脱脂処理により生じたワックスを含むガスからワックスを効率良く回収するためのワックストラップを含む脱脂装置に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形品、超硬合金、セラミックスなどの製造は、一般に、原料粉末に成形性を確保するための有機バインダー(ワックス)を添加して目的の形状に成形し、高温で焼結することにより行われる。この場合、焼結工程において、添加したワックスが焼結品の特性を害するため、焼結前に、粉末成形体に含まれるワックスを除去することが必要となる。
【0003】
ワックスの除去については、通常、粉末成形体に対して高温で脱脂処理(脱ワックス処理)を行うための脱脂炉と、脱脂炉内にプロセスガスを供給するためのプロセスガス供給系と、脱脂処理により生じる脱脂ガスを脱脂炉から排出するための脱脂ガス排気系と、脱脂ガス排気系および脱脂炉に接続して設けられ、脱脂炉から排出された脱脂処理により生じるワックスを含む脱脂ガスからワックスを除去するためのワックストラップを備えた脱脂装置を構成し、ワックストラップ内でワックスを回収することにより行われている。脱脂ガス排気系は脱脂炉の内部を減圧するための真空ポンプを備えている。
【0004】
従来、上記の脱脂装置におけるワックストラップ内でのワックスの回収は、ワックストラップ内でワックスを含むガスを冷却してワックスを凝固させて捕捉部材に付着させ、付着したワックスをその溶解温度以上に加熱してワックスを溶解し、ワックス回収タンク(ワックスポット)に回収することにより行われていた(例えば特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、この方式では、液化したワックスの一部が揮発して、脱脂ガス排気系に備えられた真空ポンプ内部に付着するため、真空ポンプを頻繁に点検してワックスを除去しなければならず、脱脂装置の保守、管理が煩わしいという難点がある。また、ワックスの種類によって凝固温度、溶解温度が異なるため、使用するワックスの種類に応じて、その都度、ワックストラップの冷却、加熱温度を調整しなければならず、液化したワックスの回収率を高めるために、ワックストラップにワックスが流動し易い傾斜を設けるなど構造上の配慮を要するなどの問題もある。
【特許文献1】特公平6−99724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ワックスを含む粉末成形体を脱脂処理するための脱脂装置における上記従来の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、ワックストラップの構造が簡単で、装置の頻繁な点検、保守、管理の煩わしさがなく、ワックストラップ内に残留するワックス量の低減を可能とする脱脂装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明による脱脂装置は、原料粉末と有機バインダーを含む粉末成形体に対して脱脂処理を施すための脱脂炉と、該脱脂炉内にプロセスガスを供給するためのプロセスガス供給系と、脱脂処理により生じる脱脂ガスを脱脂炉から排出するための脱脂ガス排気系と、該脱脂ガス排気系および前記脱脂炉に接続して設けられ、脱脂炉から排出された前記脱脂処理により生じるワックスを含む脱脂ガスからワックスを除去するためのワックストラップを備えた脱脂装置において、ワックストラップの外周面にワックスを冷却してワックストラップの内周面にワックスを凝集させるための水冷ジャケットを配置し、ワックストラップの内周面に凝集したワックスを回収するためのスクリューフィーダーを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、つぎのような効果が達成できる。
(1)揮発したワックスの真空ポンプ内部への付着が少なくなるから、真空ポンプを頻繁に点検してワックスを除去するという保守、管理の煩わしさが解消される。
(2)ワックストラップ内に凝集したワックスが強制的に掻き出されるから、ワックストラップ内のワックスは効率良く回収され、ワックストラップ内に残留するワックス量を低減させることができる。また、凝集付着したワックスは強制的に移送されるから、任意の位置にワックスの回収装置(回収タンク)を設置することができる。
(3)液化したワックスの回収率を高めるために、ワックストラップにワックスが流動し易い傾斜を設けるなどの構造上の配慮を必要とすることなく、また、ワックストラップの外周面を水冷するだけで足り、従来のように加熱ヒータの設置を要せず、構造、操作が簡単となるため、製作費用面、保守管理費用面で有利となる。
(4)減圧されたワックストラップ内で、ワックスの沸点が低下し、凝集し難い状況下においても、冷却水の温度を低下させることにより容易に凝集させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明による脱脂装置の具体的な実施形態を図面により説明する。
【0010】
本発明による脱脂装置は、原料粉末と有機バインダーを含む粉末成形体に対して脱脂処理を施すための脱脂炉と、脱脂炉内にプロセスガスを供給するためのプロセスガス供給系と、脱脂処理により生じる脱脂ガスを脱脂炉から排出するための脱脂ガス排気系と、該脱脂ガス排気系に接続して設けられ、脱脂炉から排出されたワックスを含む脱脂ガスからワックスを除去するためのワックストラップを備えてなるが、脱脂炉、プロセスガス供給系、脱脂ガス排気系は従来と同じものであるから、本発明の特徴とするワックストラップの構造のみについて説明する。
【0011】
図1は、減圧脱脂炉をそなえた脱脂装置に設置された縦型のワックストラップ1を示すものであり、配管6は脱脂炉に接続し、脱脂炉から脱脂処理の結果として排出されたワックスを含む脱脂ガスが、配管6を通じてワックストラップ1に送られる。配管7は、真空ポンプを含む脱脂ガス排気系と連結し、配管7を通じてワックスを除去されたガスが排出される。すなわち、ワックストラップ1は、脱脂炉と脱脂ガス排気系を結ぶ経路の途中に配置される。
【0012】
ワックストラップ1の外周面には水冷ジャケット2が配置され、ワックストラップ1の内部にはスクリューフィーダー3が設けられており、スクリューフィーダー3はモータ5により作動するようになっている。4はワックストラップ1の下部に設置されたワックス回収タンクであり、ワックストラップ1の本体とOリングなどの手段で気密に接続されている。
【0013】
配管6を通じて脱脂炉から送られたワックスを含む脱脂ガスは、水冷ジャケット2で冷却されて固形化しワックストラップ1の内周面に凝集する。この場合、水冷ジャケット2に供給する冷却水の温度を調整して、減圧下で沸点が低下したワックスが固形化し易いようにするのが好ましい。
【0014】
本発明においては、有機バインダーの主成分がタールのような場合には、ワックスを固形化させるとともに、一部液化させ、液化したワックスをワックス回収タンク4へ自然流動させるようにしてもよい。
【0015】
固形化され、ワックストラップ1の内周面に凝縮したワックスは、スクリューフィーダー3の回転によりワックストラップ1の内周面から掻き落とされて、ワックス回収タンク4に落下し、ワックスを除去されたガスが配管7を通じて真空ポンプを含む脱脂ガス排出系に排出される。
【0016】
図2は、脱脂装置に設置された横型のワックストラップ1を示すものであり、図1と同じ部位には同一の符号を付した。配管6は脱脂炉に接続し、脱脂炉から脱脂処理の結果として排出されたワックスを含む脱脂ガスが、配管6を通じてワックストラップ1に送られる。配管7は、真空ポンプを含む脱脂ガス排気系と連結し、配管7を通じてワックスを除去されたガスが排出される。
【0017】
図1に示す縦型のワックストラップと同様、ワックストラップ1の外周面には水冷ジャケット2が配置され、ワックストラップ1の内部にはスクリューフィーダー3が設けられており、スクリューフィーダー3はモータ5により作動するようになっている。4はワックストラップ1の下部に設置されたワックス回収タンクであり、ワックストラップ1の本体とOリングなどの手段で気密に接続されている。
【0018】
配管6を通じて脱脂炉から送られたワックスを含む脱脂ガスは、水冷ジャケット2で冷却されて固形化しワックストラップ1の内周面に凝集する。固形化され、ワックストラップ1の内周面に凝縮したワックスは、スクリューフィーダー3の回転によりワックストラップ1の内周面から掻き落とされ、ワックス回収タンク4に落下し、ワックスを除去されたガスが配管7を通じて脱脂ガス排出系に排出される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の脱脂装置に設置されるワックストラップの一実施例を示す一部断面側面図である。
【図2】本発明の脱脂装置に設置されるワックストラップの他の実施例を示す一部断面側面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 ワックストラップ
2 水冷ジャケット
3 スクリューフィーダー
4 ワックス回収タンク
5 モータ
6 配管(排ガスIN)
7 配管(排ガスOUT)
【出願人】 【識別番号】000219750
【氏名又は名称】東海高熱工業株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100071663
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 保夫

【識別番号】100098682
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 賢次


【公開番号】 特開2008−1928(P2008−1928A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−171022(P2006−171022)