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【発明の名称】 気体通流管閉塞防止装置及びこれを備えた金属溶湯供給装置
【発明者】 【氏名】福丸 茂

【要約】 【課題】排気管や給気管等の気体通流管に金属溶湯等が付着、堆積することを抑える。

【構成】気体を通流させるために炉壁に貫設された気体通流管10の炉内側端部に着脱可能に取り付けられる箱体の気体通流管閉塞防止装置1であって、箱体に、気体通流管10の炉内側端部を挿入する挿入口管部材7と、炉内気体を箱体に通流させる通流口6と、通流口6と挿入口管部材7との間に位置し箱体内の気体の通流を妨げる位置に設けられた板部材13とを備え、箱体内を通じて炉内と気体通流管10との間で気体を通流させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体を通流させるために炉壁に貫設された気体通流管の炉内側端部に着脱可能に取り付けられる箱体の気体通流管閉塞防止装置であって、
前記箱体に、前記気体通流管の炉内側端部を挿入する挿入口と、炉内気体を箱体に通流させる通流口と、該通流口と前記挿入口との間に位置し箱体内の気体の通流を妨げる位置に設けられた板部材とを備え、
前記箱体内を通じて前記炉内と前記気体通流管との間で気体を通流させることを特徴とする気体通流管閉塞防止装置。
【請求項2】
前記挿入口は、前記気体通流管の炉内側端部と着脱可能に螺着されることを特徴とする請求項1に記載の気体通流管閉塞防止装置。
【請求項3】
前記通流口と前記板部材との間に複数の孔が穿設されたフィルタを更に備えてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の排出管閉塞防止装置。
【請求項4】
溶融炉から金属溶湯を取り入れて貯留する保持炉と、該保持炉に貯留された金属溶湯を炉内への気体供給による加圧により送湯するポンプ部とを備えてなる金属溶湯供給装置であって、
前記ポンプ部は、前記保持炉内に気体を供給する供給管と、前記保持炉内の気体を排出する排出管とを有し、前記供給管及び前記排出管の前記保持炉内側端部のうち少なくとも前記排出管の前記保持炉内側端部に請求項1ないし3の何れか1項に記載の気体通流管閉塞防止装置を着脱可能に取り付けてなることを特徴とする金属溶湯供給装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、金属溶湯保持炉内の排出管に金属溶湯の付着、堆積を防止する気体通流管閉塞防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属溶湯を鋳型に注入して成形品の製作においては、溶融炉からの金属溶湯の取出しに伴う危険回避と酸化防止の為に、溶融炉と鋳型との間を媒介する金属溶湯供給装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この金属溶湯供給装置は、主として溶融炉から注入された金属溶湯を貯留する保持炉と、保持炉から鋳型等へ送湯するポンプ装置とを備えてなるものである。このポンプ装置は、密閉された保持炉内に不活性ガスを給気管を通じて外部から送り、内部を加圧して吐出管より金属溶湯を鋳型等に送湯するものである。
【0004】
これにより取扱いが比較的難しい高温の金属溶湯を安全に、かつ大気に触れることなく移送することができる。
【特許文献1】特開2005−211904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
金属溶湯供給装置のうち、特に上記特許文献1に記載の装置は、保持炉の外部にある金属溶湯の吐出口に、残留溶湯の凝固付着と堆積を抑えるべく噴射ノズルを設けた構造のものであり、吐出口から射出スリーブ等へ残留酸化物が混入するのを極力防止することができる。
【0006】
しかしながら、保持炉内部に不活性ガスを給気する給気管や、給気された不活性ガスを外部に排出する排出管に金属溶湯が付着固化することがある。特に排出管は内部の減圧のために不活性ガスを吸引、排出するため、湯面が高いときは吸引時に金属溶湯を引き込むおそれが高く、これが付着固化する場合がある。そのため排出管が閉塞し、保持炉内の給排に支障が生じ、ポンプ機構が正常に作動しないおそれが生じる。
【0007】
この場合、保持炉内での金属溶湯の付着であるから、上記特許文献1の噴出ノズルからの噴出ガスによる除去を行うことができない。
【0008】
本発明は、金属溶湯の保持炉内における排出管等に金属溶湯等が付着、堆積することを抑止する気体通流管閉塞防止装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために本発明が提案するものは、気体を通流させるために炉壁に貫設された気体通流管の炉内側端部に着脱可能に取り付けられる箱体の気体通流管閉塞防止装置であって、前記箱体に、前記気体通流管の炉内側端部を挿入する挿入口と、炉内気体を箱体に通流させる通流口と、該通流口と前記挿入口との間に位置し箱体内の気体の通流を妨げる位置に設けられた板部材とを備え、前記箱体内を通じて前記炉内と前記気体通流管との間で気体を通流させることを特徴とする気体通流管閉塞防止装置である。
【0010】
このように気体通流管の炉内側端部に気体通流管閉塞防止装置を着脱可能に取り付けると、炉体内から気体通流管に流れる気体は、箱体内の通流を妨げる位置に板部材があるため、気体内に例えば金属溶湯等のような付着物の原因となるものが含まれていても、気体通流管に付着するのを抑えることができる。すなわち気体通流管に至るまでに板部材に付着するからである。
【0011】
そして気体通流管閉塞防止装置は、気体通流管の炉内側端部に着脱可能に取り付けられているので、板部材に付着した付着物が堆積して気体の通流に支障が生じた場合は取り外して容易に交換することができる。そのため気体通流管の清掃、交換といった煩雑な手間を省くことができる。
【0012】
また、前記挿入口は、前記気体通流管の炉内側端部と着脱可能に螺着されることが好ましい。気体通流管閉塞部材の交換が容易であると共に、不用意な脱落を防止できる。
【0013】
さらに前記通流口と前記板部材との間に複数の孔が穿設されたフィルタを更に備えてなることが好ましい。板部材への付着を逃れた付着原因となるものをフィルタで捕らえることができ、気体通流管への付着、堆積をより防止することができる。フィルタに設けた孔のサイズは、付着原因物質により適宜選択することができる。
【0014】
また溶融炉から金属溶湯を取り入れて貯留する保持炉と、該保持炉に貯留された金属溶湯を炉内への気体供給による加圧により送湯するポンプ部とを備えてなる金属溶湯供給装置であって、前記ポンプ部は、前記保持炉内に気体を供給する供給管と、前記保持炉内の気体を排出する排出管とを有し、前記供給管及び前記排出管の前記保持炉内側端部のうち少なくとも前記排出管の前記保持炉内側端部に上記気体通流管閉塞防止装置を着脱可能に取り付けてなることにより、前記保持炉内側端部での付着、堆積を抑えることができる。
【0015】
なお上記金属溶湯供給装置の供給管及び排出管のそれぞれの保持炉内側端部に、上記気体通流管閉塞防止装置を着脱可能に取り付けてなることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、排気管や給気管等の気体通流管の炉内側端部に金属溶湯等が付着、堆積することを効果的に抑えることができ、また金属溶湯等が付着、堆積した気体通流管閉塞装置の交換を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0018】
図1は本発明に係る気体通流管閉塞装置の実施形態の概略横断面図、図2は同じく気体通流管閉塞装置の斜視図、図3は気体通流管閉塞装置の他の実施形態の概略横断面図、図4は気体通流管閉塞装置を取り付けた金属溶湯供給装置の概略断面図である。
【0019】
図1及び図2に示すように、本実施形態の気体通流管閉塞防止装置1(適宜「閉塞防止装置1」と略す。)は、円筒状の側板2とその両端に取り付けられた円盤状の表板3及び裏板5により、円柱状の箱体を形成している。表板3は炉内空間側に面しており、炉内から閉塞防止装置1の内部に気体を取り入れ、又は閉塞防止装置1から炉内に気体を供給するための通流口6が複数個、周囲に配設されている(図2参照)。
【0020】
裏板5の中心部から閉塞防止装置1の内部に向けて、円形の開口である挿入口を形成する挿入口管部材7が、裏板5に取り付けられている。この挿入口管部材7は、その内側をネジ部8として形成されており、炉体の上部天板9を貫通して設置されている気体通流管10の炉内側端部を被覆するように固着されている取付管部材11のネジ部12を挿入、螺着するようになっている。なお取付管部材11は、炉体の上部天板9に気体通流管10を貫装する際、あらかじめ気体通流管10の炉内側端部に取り付けられている。
【0021】
閉塞防止装置1の内部には、中心を円形開口とする円盤状の板部材13が側板の内側に取り付けられており、例えば通流口6から閉塞防止装置1の内部に通流した気体に対して、通流を妨げる位置にあるため、邪魔板としての役割を有するものである。
【0022】
気体通流管閉塞防止装置1を構成する各部材、部品等の材質は、炉内にアルミニウム等の高温金属溶湯を貯留するため、高融点の材質、例えばステンレス鋼、セラミック等を使用するものである。
【0023】
次に、通流管閉塞防止装置1を通流管10の炉内側端部に取り付けたときの気体通流状態を説明する。通流管10には炉内に気体を給気する給気管と炉内から気体を排出する排出管があるが、説明の便宜上排出管に閉塞防止装置1を取り付けたときの気体の通流について説明する。
【0024】
図1に示すように、炉体の天板9に貫装された通流管10(排出管)の炉内側端部に、通流管閉塞防止装置1を螺着する。すなわち通流管10の端部には外側面がネジ部12である取付管部材11が予め取り付けられており、この取付管部材11を、閉塞防止装置1の挿入口を形成する挿入口管部材7に挿入するべく閉塞防止装置1を回動して、挿入口管部材7のネジ部分8に螺着する。このように閉塞防止装置1は、通流管10(排出管)に着脱可能に螺着されることになる。
【0025】
そして炉内から気体を排出するために、吸引用のモータ(図示せず)を作動させ、通流管10を介して炉内から気体を吸引する。このとき炉内の気体は複数個の通流口6からそれぞれ矢示A1、A2に示すように閉塞防止装置1の内部に吸い込まれる。そして吸い込まれた気体は、その通流を妨げる位置にある板部材13に突き当たる。板部材13は中心を円形の開口とした円盤状、すなわち輪環状を有しており、この輪環部分が通流口6に対向した位置となるように側板2の内側に取り付けられているので、通流口6から入った気体に付着物の原因となる物質が含まれているときは、この板部材13に付着しやすくなっている。
【0026】
板部材13に触れた気体は、矢示A3、A4に示すように後板部材の開口を通り、閉塞防止装置1の内部に挿入、螺着されている通流管10(排出管)の端部から通流管10内に入り、炉外に排出される。
【0027】
このように、通流管閉塞防止装置1は、通流口6から装置内に入った気体の通流を妨げる位置に板部材13を取り付けてあるので、付着原因となる物質を含む気体を排出するときに、通流管10に付着する前に板部材13に付着し易くなっているので、通流管10の閉塞防止を図ることができる。また通流管閉塞防止装置1に付着物が堆積し、通流に支障が生じたときは、通流管閉塞防止装置1を取り外しできるので、交換が容易となる。そのため通流管10の清掃、交換という煩雑な作業を免れることになる。
【0028】
図3は、気体通流管閉塞防止装置の他の実施形態を示すものであるが、上記した実施形態と相違するのは、通流口6と板部材13との間に複数の孔が穿設されたフィルタ15を板部材13の開口部を閉じるように取り付けた点である。したがって同一名称のものには同じ符号を記してある。
【0029】
図3に示すように、通流口6と板部材13の間で、板部材13側にその開口部を閉じるようにフィルタ15が取り付けられている。そのため通流口6から閉塞防止装置1内に入った気体は板部材13に通流を曲げられ、フィルタ15の複数の穿設された孔を通過して通流管10(排出管)に導かれる。フィルタ15の孔のサイズや孔数は、付着原因物資の径、排出量等に応じて定めることができる。
【0030】
このように気体通流管閉塞防止装置1に更にフィルタ15を備えることで、板部材13への付着を逃れた付着物原因物質を、フィルタ15で捕捉することができるので、通流管10での付着、堆積をより抑えることがより可能となる。
【0031】
図4は、気体通流管閉塞防止装置1を金属溶湯供給装置21の気体排出管22及び気体給気管23の炉内側端部に取り付けた状態を表した概略断面図である。金属溶湯供給装置21は、熔融炉(図示せず)から注入されたアルミニウム等の金属溶湯を貯留する保持炉25と、この貯留された金属溶湯を鋳型等に送湯するポンプ機構からなるものである。
【0032】
保持炉25は上部天板26により密閉されており、熔融炉から注入管27を介して金属溶湯24が注入される。貯留された金属溶湯24は、ヒータ(図示せず)により加熱保温され、冷却固化防止されている。そしてポンプ機構のモータ(図示せず)を作動させ、不活性ガスを気体給気管23を通じて保持炉25に給気することで炉内を加圧して、金属溶湯24を送湯管を通じて鋳型等(図示せず)に送湯するものである。
【0033】
金属溶湯24の送湯後、給気を停止し、さらに排出管22から不活性ガスを排出することで保持炉25内部を減圧し、送湯を停止することができる。この保持炉25から不活性ガスを排出するときに、急な減圧に伴い金属溶湯24が排出管の端部に吸い寄せられ、付着固化する場合がある。付着固化した金属が堆積すると、不活性ガス等の気体を排出することが困難となるなどの支障が生じる。
【0034】
このとき排出管22の炉内側端部に気体通流管閉塞防止装置1を取付ることにより、気体排出時に吸い寄せられた金属溶湯24を、閉塞防止装置1内部の板部材13又はフィルタ15に付着させることで、排出管22への付着を抑えることができ、排出管22の清掃、取替え等の煩雑な作業を低減することができる。閉塞防止装置1は、ネジ部で螺着してあるので使用時の脱落を防止できると共に、金属付着により閉塞したときは交換作業を容易に行える。
【0035】
なお排出管22のほか供給管23にも気体通流管閉塞防止装置1を取り付けておくことで、給排のポンプ接続を逆にしたときでも支障を生じることがなく、また付着による閉塞防止の万全を期すことができる。
【0036】
また金属溶湯供給装置21を例えば溶融炉に浸漬して底部を連通して保持炉内に注入する場合は、気体通流管閉塞装置1が金属溶湯24に浸るのを防止するために、保持炉外部に注湯上限ラインを印して表示することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る気体通流管閉塞装置の実施形態の概略横断面図。
【図2】同じく気体通流管閉塞装置の斜視図。
【図3】気体通流管閉塞装置の他の実施形態の概略横断面図。
【図4】気体通流管閉塞装置を取り付けた金属溶湯供給装置の概略断面図。
【符号の説明】
【0038】
1、1a、1b 気体通流管閉塞防止装置
2 側板
3 表板
5 裏板
6 通流口
7 挿入口管部材
8 ネジ部
9 天板
10 気体通流管(排出管、供給管)
11 取付管部材
12 ネジ部
13 板部材
15 フィルタ
【出願人】 【識別番号】591140824
【氏名又は名称】有明セラコ株式会社
【出願日】 平成18年8月3日(2006.8.3)
【代理人】 【識別番号】100059281
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 正次

【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一

【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘

【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永


【公開番号】 特開2008−36654(P2008−36654A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−211549(P2006−211549)