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連続鋳造切断装置 - 特開2008−30081 | j-tokkyo
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【発明の名称】 連続鋳造切断装置
【発明者】 【氏名】大谷 正司

【要約】 【課題】鋳片の移動速度、即ち、油圧装置への移動速度制御指令と油圧シャーの移動速度との速度偏差を最小限にする連続鋳造切断装置を提供する。

【構成】油圧装置制御手段200に、鋳片4の走行速度に相当する油圧シャー13の移動速度制御指令に対し、所定の遅延時間で移動速度検出値との偏差を出力する不感帯補償手段30を備え、この不感帯補償手段30は、鋳片4の走行速度に相当する油圧シャー13の移動速度制御指令SPD−Rと油圧シャー13の移動速度SPD−Fとの偏差を比較部30aで生成し、この偏差を不感帯補償部30bに入力した後、比例制御する比例制御部30cを経てヒステリシス補償部30dに出力し、その出力の変化にヒステリシス補償を加え、鋳片4の移動速度と油圧シャー13の移動速度のアンマッチ量を最小限に抑える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳片走行速度に基づいて油圧シリンダーを伸縮させることにより、上記油圧シリンダーに直結された油圧シャーを移動させて上記鋳片を切断し、その後、上記油圧シャーを復帰させる連続鋳造切断装置であって、
上記油圧シリンダーを駆動する油圧装置と、上記油圧シャーの位置制御指令と位置検出値との偏差、及び上記鋳片走行速度に相当する上記油圧シャーの移動速度制御指令と移動速度検出値との偏差がそれぞれ零になるように上記油圧装置を制御する油圧装置制御手段と、を具備する連続鋳造切断装置において、
上記油圧装置制御手段に、上記鋳片走行速度に相当する上記油圧シャーの移動速度制御指令に対し、所定の遅延時間で移動速度検出値との偏差を出力する不感帯補償手段を備えたことを特徴とする連続鋳造切断装置。
【請求項2】
上記不感帯補償手段の出力の変化にヒステリシス補償を加えるヒステリシス補償手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の連続鋳造切断装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は連続鋳造切断装置に係り、特に、鋳片走行速度に基づいて油圧シリンダーを伸縮させることにより、その油圧シリンダーに直結された油圧シャーを移動させて鋳片を切断し、その後、油圧シャーを復帰させる連続鋳造切断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の従来装置として、溶鋼が収納された取鍋から連続して供給される鋳片を、油圧シャーの走行速度と鋳片引抜き速度(ピンチロール速度)とを同調させて所定の長さに切断する走行切断装置があり、次の技術が公知である。
即ち、連続鋳造機用油圧シャーにおけるシャー走行用油圧シリンダーの油圧回路に、比例電磁式流量制御弁と、ピンチロールの速度を検出する鋳込速度検出器及び速度制御ユニットとを設ける。そして、鋳片切断時その切断指令信号によりピンチロール鋳込速度検出器の信号出力を速度制御ユニットにおける比例電磁式流量制御弁を作動する増幅器の入力電圧に変換する。その入力電圧に比例して作動する比例電磁式流量制御弁により油圧流量を制御し、走行用油圧シリンダーの速度をピンチロール引抜速度と同調させて、シャー走行用油圧シリンダーを前進させる。鋳片の切断後には、高速切換信号回路の切換信号入力により、増幅器への入力電圧を上げ、その入力電圧に比例して制御流量を増大させ、シャー走行用油圧シリンダーを高速で所定の前進、及び元の位置への復帰をさせる油圧シャー走行同調装置を備えた連続鋳造切断装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平2−295657号公報(課題を解決するための手段の欄、第1図及び第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のような油圧装置で駆動する連続鋳造切断装置においては、鋳片を切断する油圧シャーを移動させる油圧装置への移動速度制御指令と油圧シャーの移動速度との相関関係が非線形であるため、これに起因する速度偏差が多くなると、上記従来装置の制御方法では制御しきれず、連続鋳造の切断機能を正常に実行することを阻害する課題がある。特に、鋳片の移動速度、即ち油圧装置への移動速度制御指令が大きいほど油圧シャーの移動速度とのアンマッチ量が大きくなりこの現象が顕著に現れるものである。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するために成されたものであり、鋳片の移動速度、即ち、油圧装置への移動速度制御指令と油圧シャーの移動速度との速度偏差を最小限にする連続鋳造切断装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る連続鋳造切断装置は、鋳片走行速度に基づいて油圧シリンダーを伸縮させることにより、油圧シリンダーに直結された油圧シャーを移動させて鋳片を切断し、その後、油圧シャーを復帰させる連続鋳造切断装置であって、油圧シリンダーを駆動する油圧装置と、油圧シャーの位置制御指令と位置検出値との偏差、及び鋳片走行速度に相当する油圧シャーの移動速度制御指令と移動速度検出値との偏差がそれぞれ零になるように油圧装置を制御する油圧装置制御手段と、を具備する連続鋳造切断装置において、油圧装置制御手段に、鋳片走行速度に相当する油圧シャーの移動速度制御指令に対し、所定の遅延時間で移動速度検出値との偏差を出力する不感帯補償手段を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、例え鋳片の移動速度、即ち油圧装置への移動速度制御指令を大きくしても、油圧装置への移動速度制御指令と油圧シャーの移動速度とのアンマッチ量が大きくならず、連続鋳造の切断機能を正常に実行する連続鋳造切断装置が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る連続鋳造切断装置について好適な実施の形態を説明する。
【0009】
実施の形態1.
図1〜図3は、この発明の実施の形態1を説明する図で、図1はこの発明に係る連続鋳造切断装置が適用される連続鋳造機の全体構成図、図2は連続鋳造切断装置のブロック構成図、図3は図2の速度制御手段に含まれる不感帯補償手段の概略ブロック構成図である。
【0010】
先ずこの発明に係る連続鋳造切断装置が適用される連続鋳造機の全体構成図について、上記特開平2−295657号公報の開示内容を引用して説明する。即ち、図1において、取鍋1には溶鋼が収納されており、この取鍋1の下部に連結されるタンデイッシュ2の底部に形成された複数のタンディッシュノズルから各モールド3に溶鋼が流入される。
【0011】
鋳片4は、フットロール5、上部ローラーエプロン6および下部ローラーエプロン7を経由して移動し、ピンチロール8で、前面テーブル9上から油圧シャー設置部を通過して引抜き出される。鋳片4の長さは、メジャーリングロール10により検出され、このメジャーリングロール10で、鋳片の所定長さを検出すると油圧シャー下刃11および油圧シャー上刃12を具備した油圧シャー13に切断指令を出すようになっている。また、油圧シャー13を鋳片4の移動速度で図中矢印で示す鋳片引抜方向に移動させると共に、油圧シャー13を元の位置に復帰させるシャー移動用油圧シリンダー(以下、油圧シリンダーという。)14を備えている。
【0012】
この発明の実施の形態1に係る連続鋳造切断装置が適用される連続鋳造機は上記のように構成されており、次に、連続鋳造切断装置について図2により説明する。
【0013】
図2において、連続鋳造切断装置200は、油圧シャー13と、油圧シャー13を鋳片引抜方向に移動させる油圧シリンダー14(図1参照)を駆動する油圧装置201と、油圧シリンダー14に直結された油圧シャー14の位置、即ち、油圧シリンダー14の位置を検出する位置検出器202と、油圧装置201を制御する油圧装置制御手段203と、から構成されている。
【0014】
油圧装置制御手段203は、鋳片4(図1参照)の走行速度に相当する油圧シャー13の移動速度制御指令SPD−Rを速度制御手段20へ出力する移動速度制御指令手段21と、油圧シャー13の位置制御指令POS−Rを位置制御手段22へ出力する位置制御指令手段23と、油圧シャー14の位置である油圧シリンダー14の位置を検出する位置検出器202の出力POS−Fを油圧シャー13の移動速度SPD−Fに変換し、速度制御手段20へ出力する位置・速度変換手段24と、を備えている。更に、油圧装置制御手段203は、速度制御手段20の出力を上限及び下限において制限する速度制御指令出力リミッタ25と、速度制御指令出力リミッタ25の出力を受けて、増幅手段26を介して油圧装置201に、この油圧装置201の弁開度制御電流を出力する電流制御手段27と、を備えるように構成されている。
【0015】
また、速度制御手段20は、図3にその概略ブロック構成を示す不感帯補償手段30を含んでおり、この不感帯補償手段30は、鋳片4の走行速度に相当する油圧シャー13の移動速度制御指令SPD−Rと油圧シャー13の移動速度SPD−Fとの偏差を得る比較部30aと、比較部30aの出力を入力とする不感帯補償部30bと、この不感帯補償部30bの出力を比例制御する比例制御部30cと、比例制御部30cの出力の変化にヒステリシス補償を加えるヒステリシス補償部30dから構成されている。
【0016】
実施の形態1に係る連続鋳造切断装置は上記のように構成されており、次に動作について説明する。
位置検出器202により検出された油圧シャー13の位置である油圧シリンダー14の位置検出値POS−Fを位置制御手段22の前段までフィードバックし、油圧シャー13の位置制御指令POS−Rとの偏差を位置制御手段22に入力することにより油圧シャー13の位置制御基準出力を得る。さらに速度制御手段20、速度制御基準出力リミッタ25、電流制御手段27、増幅手段26を経て油圧装置201へ、この油圧装置201の弁開度制御電流の基準出力が供給される。これにより位置検出値POS−F と位置制御指令POS−Rとの偏差が零になるように油圧装置201への電流基準出力を制御している。
【0017】
同様に、位置検出器202により検出された油圧シャー13の位置である油圧シリンダー14の位置検出値POS−Fを速度制御手段20の前段までフィードバックし、位置・速度変換手段24により得られる油圧シャー13の速度検出値SPD−Fと鋳片4の走行速度に相当する油圧シャー13の移動速度制御指令SPD−Rとの偏差を速度制御手段20、速度制御基準出力リミッタ25、電流制御手段27、増幅手段26を経て油圧装置201へ、この油圧装置201の弁開度制御電流の基準出力が供給される。これにより位置検出値POS−Fと位置制御指令POS−Rとの偏差が零になるように油圧装置7への電流基準出力を制御している。
【0018】
油圧装置201に供給される電流基準出力により油圧シリンダー14が伸縮動作を実施し、油圧シリンダー14に直結された油圧シャー13に伝達される。逆に、油圧シャー13からは油圧シリンダー14を介して油圧装置201へ駆動負荷として伝達されるが、鋳片4を切断した時の材料の状態や材形状等により油圧シャー13からの負荷が非定常になると位置制御指令POS−Rと位置検出値POS−Fとのアンマッチとなって現れ、このアンマッチは油圧シャー13の移動速度制御指令SPD−Rと油圧シャー13の速度検出値SPD−Fのアンマッチを生じてしまうことになる。
【0019】
これらの要因により油圧シャー13の移動速度制御指令SPD−Rと油圧シャー13の速度検出値SPD−Fとに過大なアンマッチが発生すると、鋳片4の先端あるいは尾端が油圧シャー13の歯面と干渉し、上部ローラーエプロン6および下部ローラーエプロン7により、鋳片4の円滑な搬送ができなくなり、連続鋳造の切断機能を正常に実行することを阻害する。そこで、この本実施の形態では、図3に示すように、不感帯補償手段30を構成し、この不感帯補償手段30により、鋳片4の移動速度に相当する油圧シャー13の移動速度制御指令SPD−Rに対し、移動速度検出値SPD−Fとの偏差が所定の遅延時間で速度制御基準出力リミッタ25に出力するように構成されている。
【0020】
即ち、鋳片4の走行速度に相当する油圧シャー13の移動速度制御指令SPD−Rと油圧シャー13の移動速度SPD−Fとの偏差を比較部30aで生成し、この偏差を不感帯補償部30bに入力した後、比例制御する比例制御部30cを経てヒステリシス補償部30dに出力し、その出力の変化にヒステリシス補償を加え、鋳片4の移動速度と油圧シャー13の移動速度のアンマッチ量を最小限に抑えている。なお、不感帯補償部30b出力にヒステリシス補償を加えることにより円滑制御が可能となる。
【0021】
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、鋳片の移動速度、即ち、油圧装置への移動速度制御指令と油圧装置により駆動される油圧シャーの移動速度との速度偏差を最小限にできる連続鋳造切断装置を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
この発明に係る連続鋳造切断装置は、油圧装置に供給される鋳片走行速度に基づく油圧シリンダーの伸縮動作により、上記油圧シリンダーに直結された油圧シャーを走行させ、上記鋳片を切断した後に上記油圧シャーを復帰させる振り子式切断装置を備えた連続鋳造機に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明に係る連続鋳造切断装置が適用される連続鋳造機の全体構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る連続鋳造切断装置のブロック構成図である
【図3】図2の速度制御手段に含まれる不感帯補償手段の概略ブロック構成図である。
【符号の説明】
【0024】
1 取鍋 2 タンデイッシュ
3 モールド 4 鋳片
5 フットロール 6 上部ローラーエプロン
7 下部ローラーエプロン 8 ピンチロール
9 前面テーブル 10 メジャーリングロール
11 油圧シャー下刃 12 油圧シャー上刃
13 油圧シャー 14 シャー移動用油圧シリンダー
20 速度制御手段 21 移動速度制御指令手段
22 位置制御手段 23 位置制御指令手段
24 位置・速度変換手段 25 速度制御指令出力リミッタ
26 増幅手段 27 電流制御手段
30 不感帯補償手段 30a 比較部
30b 不感帯補償部 30c 比例制御部
30d ヒステリシス補償部 200 連続鋳造切断装置
201 油圧装置 202 位置検出器
203 油圧装置制御手段
【出願人】 【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
【出願日】 平成18年7月27日(2006.7.27)
【代理人】 【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守

【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹


【公開番号】 特開2008−30081(P2008−30081A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−205005(P2006−205005)