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【発明の名称】 離型剤洗浄装置
【発明者】 【氏名】山喜 義則

【要約】 【課題】離型剤噴霧供給装置において、この離型剤噴霧供給装置での離型剤噴霧供給経路、更にはスプレーノズル中に残留付着した離型剤を簡単、確実に除去清掃する

【構成】スプレーノズルNから金型面に離型剤を噴霧塗布させる離型剤噴霧供給装置の供給経路に接続し、また水源2からの洗浄水を取水貯留する洗浄水貯留タンク1と、洗浄水貯留タンク1内の洗浄水を加熱するヒーター4とを備える。また、洗浄水貯留タンク1内で洗浄水を一定量で確保保持させるべく貯水量を制御するリミット部8と、洗浄水をスプレーノズルN側に強制的に供給させるよう洗浄水貯留タンク1内の加熱洗浄水を供給する洗浄水供給手段10とを備えて成る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレーノズルから金型面に離型剤を噴霧塗布させる離型剤噴霧供給装置の供給経路に接続され、また水源から洗浄水が取水貯留される洗浄水貯留タンクと、洗浄水貯留タンク内の洗浄水を加熱するヒーターと、洗浄水貯留タンク内で洗浄水を一定量で保持させるべく貯水量を制御するリミット部と、加熱洗浄水をスプレーノズル側に強制的に供給させる洗浄水供給手段とを備えて成ることを特徴とする離型剤洗浄装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は各種金型における成型品の容易な取り出し等に使用される離型剤等を金型内面に噴霧塗布する離型剤噴霧供給装置(スプレーノズル)において、この離型剤噴霧供給装置での離型剤噴霧のための供給経路中、更にはノズル先端内等に残留付着する離型剤を除去清掃する離型剤洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から例えばダイカスト機器において、その成形用金型内側面に離型剤等を噴霧塗布しておいて成型後の成型品を容易に取り出しできるようにしている。離型剤自体は原液を所定濃度に希釈した後に離型剤噴霧供給装置(スプレーカセット・スプレーノズル)によって金型内側面に噴霧塗布される。ただ、離型剤の噴霧塗布に際し、間欠的な成形作動に関連して行われる関係でその噴霧塗布が連続的になされずに、断続的なものであるから、スプレーノズル、供給経路内には一時的にでも残留する離型剤が付着する。そのため、供給経路、特にノズル先端等を定期的にでも洗浄し、離型剤の噴霧塗布が円滑に行われるようにしなければならない。
【0003】
こうしたことから特許文献1に示すダイカスト装置に用いられる離型剤スプレーカセットの洗浄方法及び離型剤スプレーカセットの洗浄装置が提案されている。これによると、スプレーノズルを洗浄槽の洗浄液中に浸漬し、スプレーノズルの内径通路に加圧液体を供給しノズル出口から流体を排出する一方、洗浄槽の底部から気泡を供給することで、内径通路に付着した残留離型剤を剥離除去するとしている。
【特許文献1】特開平7−155920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この従来の洗浄方法、装置によると、スプレーノズル自体を洗浄槽内に浸漬するから、洗浄に際しスプレーノズルを噴霧供給装置本体から取り外さなければならず、極めて面倒である。しかも供給経路、ノズル先端内部にこびり付き状に付着している離型剤の除去は困難である。
【0005】
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、その目的は離型剤が例えば目詰まり等で噴霧供給が困難となったときに供給経路内、ノズル先端等に付着した残留離型剤を簡単に除去洗浄できるようにする。またスプレーノズル自体を取り外すことなく、塗布噴霧の供給作業中でも例えば離型剤の供給を一時的にでも遮断し、加熱された洗浄水を強制的に供給することで除去洗浄できる離型剤洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、スプレーノズルNから金型M面に離型剤を噴霧塗布させる離型剤噴霧供給装置の供給経路に接続され、また水源2から洗浄水が取水貯留される洗浄水貯留タンク1と、洗浄水貯留タンク1内の洗浄水を加熱するヒーター4と、洗浄水貯留タンク1内で洗浄水を一定量で保持させるべく貯水量を制御するリミット部8と、加熱洗浄水をスプレーノズルN側に強制的に供給させる洗浄水供給手段10とを備えて成る。
【0007】
以上のように構成された本発明に係る離型剤洗浄装置にあって、スプレーノズルNを洗浄するとき、ヒーター4にて加熱された加熱洗浄水が洗浄水供給手段10を経てスプレーノズルN側に強制的に供給されることで、スプレーノズルにおける付着している離型剤等を溶融しながらも洗浄、清掃する。
【0008】
ヒーター4は洗浄水貯留タンク1内の洗浄水を加熱して所定の加熱温度に維持する。またリミット部8は洗浄水貯留タンク1内で貯留される洗浄水量を常時一定に保持してヒーター4によって加熱されるときの洗浄水の空炊きを防止し、また供給消費された洗浄水を水源2から補給させ、ヒーター4にて加熱させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は以上説明したように構成されているため、離型剤噴霧供給装置におけるスプレーノズルNにおいて、離型剤が例えば目詰まり等で噴霧供給が困難となったときに供給経路内、スプレーノズルN先端等に付着した残留離型剤を加熱された洗浄水を強制的に供給することで溶融させながらも簡単に除去洗浄できる。またスプレーノズルNにおける供給経路、スプレーノズルN等の内部から強制洗浄するからノズル自体を取り外すことなく簡単に作業を遂行できる。しかも、噴霧供給作業中でも例えば離型剤の供給を一時的にでも遮断し、加熱洗浄水を強制的に供給することで除去洗浄できるから、保守点検に要する時間を大幅に削減できる。
【0010】
すなわちこれは、本発明において、スプレーノズルN側に連通させておいて、洗浄水貯留タンク1内でヒーター4によって加熱された洗浄水を洗浄水供給手段10にて強制的に供給噴出させるとしたからであり、これによって、洗浄水の所定温度での加熱貯留、スプレーノズルNの供給経路内への加熱洗浄水の強制的な供給による離型剤の溶融洗浄等の優れた効果を奏する。
【0011】
またリミット部8は、水源2からの洗浄水を取水貯留させる洗浄水貯留タンク1内に供給される洗浄水量を一定量に制御でき、ヒーター4による加熱時の空炊きを防止し、洗浄水に対する加熱効率を向上させている。
【0012】
離型剤が付着するスプレーノズルNにおける供給経路に接続していることで、加熱洗浄水は供給経路内を経てそのスプレーノズルNに到達するから、内部に離型剤が付着していてもこれを溶融しながらも確実、円滑に排除できる。しかもスプレーノズルN自体は噴霧供給装置本体から分離したり、これらを解体する必要がないことと相俟ち、洗浄に要する総体的な作業時間を大幅に削減でき、ひいてはダイカスト製品を安価に製造することに役立つ。
【0013】
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項夫々において付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付した。本発明は図面中の符号によって示された構造・形状等に限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下図面を参照して本発明を実施するための最良の一形態を説明する。図において示される符号1は所定の離型剤噴霧供給装置における複数の離型剤の供給経路に、それらを選択して着脱、交換自在に接続される洗浄水供給タンクである。この洗浄水貯留タンク1には、これの内部に洗浄水を取水し、貯留させるべく適当な水源2からの洗浄水が供給されるようになっている。図示にあっての洗浄水貯留タンク1は上部開放のオープンタイプのタンク構造とし、底部には移動のためのキャスター3が固定されている。洗浄水貯留タンク1の内部にはヒーター4、温度センサー5、フロートスイッチ6、リミット部8が内蔵され、また洗浄水供給手段10を備えている。
【0015】
洗浄水貯留タンク1自体は、スプレーノズルN等を洗浄する洗浄水を一時的にでも貯留可能とするに足りる充分な容積、例えば30リットル程度の容量を有する。尚、図示のようにオープンタイプとせずに、蒸気抜き部を備えたほぼ密閉構造とするも、また移動可能とせずに固定的な据付設置方式とするも可能である。
【0016】
ヒーター4は洗浄水貯留タンク1の内部に、例えば洗浄水貯留タンク1の側部である側壁からほぼ水平状にして配置される。ヒーター4自体は例えば電熱構造タイプであり、洗浄水を所定の温度に加熱する。また洗浄水貯留タンク1内で加熱された洗浄水の温度を検出し、図示を省略した温度制御機構によってヒーター4加熱を制御するようにした温度センサー5を洗浄水貯留タンク1内の例えば中部位置に設けてある。
【0017】
フロートスイッチ6は、例えば側壁から例えば逆L字状に突設したガイドロッド7の鉛直部分に、洗浄水の水面に浮上あるいは水中に浸漬するようスライド自在に嵌め合わせてある。ガイドロッド7の上下部には洗浄水の供給量位置に対応したリミット部8を設けてあって、ヒーター4による洗浄水の加熱時にはヒーター4が洗浄水中に常時没している状態でヒーター4が作動するように、空焚き防止を図っている。すなわち洗浄水貯留タンク1内で所定量の洗浄水が貯留されていなければヒーター4が作動しないようにON−OFFさせる。
【0018】
洗浄水供給手段10は、洗浄水貯留タンク1内の加熱洗浄水をスプレーノズルN側に強制的に供給し、供給経路、ノズル等に付着している離型剤等を溶融しながらも除去する。洗浄水供給手段10自体は例えばダイヤフラムポンプ、電動ポンプ等であり、加熱洗浄水に所定の供給圧力を付与してスプレーノズルN側に供給する。
【0019】
また加熱洗浄水が洗浄水供給手段10によって供給管9を経てスプレーノズルNに供給されるとき、複数のスプレーノズルN夫々に選択して接続されるように例えば着脱自在とするカップリング11を供給管9端に備えている。
【0020】
尚、図中符号Tは所定濃度に希釈される離型剤を貯留している離型剤タンク、12はドレン、13はスプレーノズルN側に供給する加熱洗浄水あるいは離型剤を切り替える切替弁装置である。
【0021】
次にこれの使用の一例を説明する。水源2から所定量の洗浄水を洗浄水貯留タンク1内に供給貯留し、ヒーター4にて加熱しておく。そして所定の金型M面に離型剤を噴霧塗布するスプレーノズルNにおいて、離型剤の噴霧供給に伴いスプレーノズルN等に離型剤が付着した場合には、これを洗浄すべきものとして選択接続する。その選択に従い接続するには、選択したスプレーノズルNに対して、その離型剤の供給経路に、洗浄水貯留タンク1における洗浄水供給手段10からの供給管9をカップリング11を介して、また切替可能になるように切替弁装置11を介して接続設置する。次いで切替弁装置11と共に洗浄水供給手段10をも操作し、洗浄水貯留タンク1内の加熱された洗浄水をスプレーノズルN等に強制的に供給し、離型剤を溶融させながらも洗浄する。
【0022】
洗浄後は、洗浄終了後のスプレーノズルNから取り外す一方、洗浄水貯留タンク1内の洗浄水が供給消費されていれば、水源2から再度補給し、リミット部8にて所定貯留量で制御されるようにし、ヒーター4にて加熱し、次動作に備えたものとする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を実施するための最良の形態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0024】
M…金型 N…スプレーノズル
T…離型剤タンク
1…洗浄水貯留タンク 2…水源
3…キャスター 4…ヒーター
5…温度センサー 6…フロートスイッチ
7…ガイドロッド 8…リミット部
9…供給管 10…洗浄水供給手段
11…カップリング 12…ドレン
13…切替弁装置
【出願人】 【識別番号】399027015
【氏名又は名称】ロボテック株式会社
【出願日】 平成18年7月10日(2006.7.10)
【代理人】 【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛


【公開番号】 特開2008−12583(P2008−12583A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−188755(P2006−188755)