トップ :: B 処理操作 運輸 :: B22 鋳造;粉末冶金

【発明の名称】 鋳造物の砂落とし処理装置
【発明者】 【氏名】市橋 薫

【要約】 【課題】自動車部品等、鋳造によって成型された鋳造物(ワーク)の砂型枠を除去し、あるいは中空部に付着している中子砂を除去する鋳造物(ワーク)の砂落とし処理装置であって、鋳造物(ワーク)の位置と姿勢を変えずに、そのままに保持した状態で、解枠工程と砂落とし工程を実施し得、このため、設置スペースを小さくし、さらにはラインの自動化を可能にする鋳造物(ワーク)の砂落とし処理装置を提供する。

【構成】砂型鋳造された鋳造物(ワーク)1の砂型枠3を除去する串さし解枠装置B等からなる解枠装置4と、解枠されたワーク1の内部に残存する砂を除去する振動砂落とし装置C等からなる砂除去装置5と、上記各工程間を搬送する垂直多関節型ロボット等からなる移載装置7とを備えて構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
砂型鋳造された鋳造物の砂型枠を除去する解枠装置と、解枠された鋳造物の内部に残存する砂を除去する砂除去装置と、上記各工程間を搬送する移載装置とを備えてなる鋳造物の砂落とし処理装置。
【請求項2】
鋳造物がアルミ製製品である請求項1に記載の鋳造物の砂落とし処理装置。
【請求項3】
解枠装置が串さし解枠装置である請求項1に記載の鋳造物の砂落とし処理装置。
【請求項4】
砂除去装置が振動砂落とし装置である請求項1に記載の鋳造物の砂落とし処理装置。
【請求項5】
移載装置が垂直多関節型ロボットである請求項1に記載の鋳造物の砂落とし処理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は自動車部品等、鋳造によって成型された鋳造物(ワーク)の砂型枠を除去し、あるいは中空部に付着している中子砂を除去する鋳造物(ワーク)の砂落とし処理装置に係り、特に、鋳造物(ワーク)の位置と姿勢を変えずに、そのままに保持した状態で、解枠工程と砂落とし工程を実施し得、このため、設置スペースを小さくし、さらにはラインの自動化を可能にした鋳造物(ワーク)の砂落とし処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車部品等、各種機械部品の多くは鋳造によって成型されている。鋳造された鋳造物(ワーク)には砂型枠が付着され、さらに中空部に多量の砂が付着しており、これら付着している砂は砂落とし作業を必要とする。
【0003】
この種の砂落とし技術として、従来、特開平11−138253号公報に記載される鋳造ラインにおける解枠装置が知られている。
【0004】
この公知装置は上記公報に示されるように、反転取出装置6に、搬送手段により取出位置に搬送した下枠3をクランプするクランプ装置23と、クランプした下枠の上方を覆って位置する開閉ゲート装置24と、クランプ装置および開閉ゲート装置を支持して上下面を反転する反転機19と、反転機を支持して昇降移動する昇降装置15と、昇降装置を支持して取出位置とシェーカー7上の排出位置とにわたって往復移動する移動装置10とを備えて構成され、製品を取り出す解枠時に、健全な鋳型砂と焼砂とを効率良く分離して回収することができ、砂落とし性能を阻害することなく製品の引っ掛かりによるトラブルの発生を防止するという利点を有するものである。
【0005】
しかし、上述の公知装置では、直接振動台に砂型枠をおろし、振動により解枠するため、ワークの位置も姿勢もともにランダムなバラバラの状態になっている、自動設備で次工程にワークを搬送するためには、現在の姿勢を検出し、位置決め設備でワークを次工程設備が必要とする姿勢に変更する必要がある。このランダムな姿勢を検出し、必要な姿勢に変更することは一般的に非常に困難な技術であり、設備が複雑な大きなものとなるため、一般的には作業者による目視作業工程となり、自動化が困難な工程となっている。
【0006】
自動化が困難な原因としては次のことが考えられる。すなわち、ワークには砂、バリが付着しているため現在の姿勢を検出すること自体が難しい。画像認識の場合は砂、バリの付着状況の変化に対応しきれない。一般化されたパターン認識が必要になり、膨大なソフト開発コストが必要になる。機械的検出は検出用基準部位を設定することが出来ないため、一層困難である。
【0007】
本発明者は各工程を専用化すれば砂崩し後のワークが治具に収納されるように治具と砂崩し工具を設定することが出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、ワークの位置と姿勢が決まっていれば、ワークに付着する砂、バリを避けてワークをクランプするハンドを設定することが可能となり、搬送の自動化ができる。このため、ワーク位置決め設備が不要であるため、設備が簡単になり、自動化が可能になる。
【特許文献1】特開平11−138253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の解決しようとする課題は鋳造物(ワーク)の位置と姿勢を変えずに、そのままに保持した状態で、解枠工程と砂落とし工程を実施し得、このため、各工程を専用設備とし、設置スペースを小さくし、さらにはラインの自動化を可能とし、従来の公知技術に存する欠点を改良した鋳造物(ワーク)の砂落とし処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するため、本発明の鋳造物の砂落とし装置によれば、砂型鋳造された鋳造物の砂型枠を除去する解枠装置と、解枠された鋳造物の内部に残存した砂を除去する砂除去装置と、上記各工程間を搬送する移載装置とを備えてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の鋳造物の砂落とし処理装置は上述のように解枠装置と、砂除去装置と、上記工程間を搬送する移載装置とを備えて構成され、各工程を専用設備化することにより、鋳造物の位置と姿勢を変えずに、そのままに保持した状態で、解枠工程と砂落とし工程を実施し得、このため、設置スペースを小さくし、さらにはラインの自動化を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を添付図面を用いて詳述する。
【0012】
図1は本発明にかかる鋳造物の砂落とし処理装置の一具体例を示したフローシートである。図2は解枠装置の一具体例である串さし解枠装置を表した断面図である。図3は砂除去装置の一具体例である振動砂落とし装置を表した平面図である。
【0013】
図1に示されるように、本発明の鋳造物(ワーク)の砂落とし処理装置Aは内部に例えばアルミニウム製の製品鋳造物(ワーク)1の入っている砂型1aを搬入する搬入コンベア2、ワーク1外周の砂型枠3を除去する解枠装置4、解枠されたワーク1の内部に残存する砂除去装置5、除去されたワーク1を搬出する搬出コンベア6から構成される。
【0014】
搬入コンベア2で搬送された砂型1aは例えば6軸垂直多関節ロボットからなる移送装置7により解枠装置4に移送され、砂型枠3が除去される。
【0015】
砂型枠3が除去されたワーク1は移送装置7により移送コンベア8を介し、さらに移送装置7により砂除去装置5に移送され、ここでワーク1の内部に残存する砂を除去する。内部に残存した砂の除去されたワーク1は移送装置7により搬出コンベア6に移送され、砂処理を終了する。
【0016】
解枠装置2としては各種のものを利用できるが、例えば図2に示される串さし解枠装置Bが用いられる。これは図2に示されるように、複数本のとがった棒9、9・・9を円形に配置して構成される串さし10を有し、この下方に砂型1aを載置し、串さし10を下方に降下することにより砂型1aの砂型枠3を破壊して除去する。
【0017】
砂除去装置5としては各種のものを利用できるが、例えば図3に示される振動砂落とし装置Cが用いられる。これは図3に示されるように、鋳造物(ワーク)1の中空部11の中子砂を振動によって落とす鋳造物の振動砂落とし装置Cであって、一端12が中心軸14上にゴムクッションを介して載置保持された振動台板15と、この振動台板15上の中心軸14をはさんだ対称の位置に配置された一対の振動モーター16、16と、振動台板15の中心軸14に対して対向する他端13に備えられた鋳造物(ワーク)1の保持具17とを備えて構成される。
【0018】
なお、保持具17のワーク1は図3に示されるように、すのこ箱18中に保持することもでき、これによりワーク1から落とされた中子砂の飛散を防止することができる。
【0019】
上述構成からなる本発明の振動砂落とし装置Cは砂落としすべき装置鋳造物(ワーク)1を保持具17に保持した後、一対のモーター16、16を稼動して振動台板15を振動させ、これにより保持具17に保持された振動台板上のワーク1に振動与え、この振動力により中空部11の中子砂を落とす。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は鋳造物(ワーク)位置と姿勢を変えずに、そのままに保持した状態で、解枠工程と砂落とし工程を実施し得、このため、設置スペースを小さくし、さらにはラインの自動化を可能にし、鋳造技術分野において利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明にかかる鋳造物の砂落とし処理装置の一具体例を示したフローシートである。
【図2】解枠装置の一具体例である串さし解枠装置を表した断面図である。
【図3】砂除去装置の一具体例である振動砂落とし装置を表した平面図である。
【符号の説明】
【0022】
A 本発明にかかる砂落とし処理装置
B 串さし解枠装置
C 振動砂落とし装置
1 ワーク
1a 砂型
2 搬入コンベア
3 砂型枠
4 解枠装置
5 砂除去装置
6 搬出コンベア
7 移載装置
8 移送コンベア
9 棒
10 串さし
11 中空部
12 一端
13 他端
14 中心軸
15 振動台板
16 振動モーター
17 保持具
18 すのこ箱
【出願人】 【識別番号】000145149
【氏名又は名称】株式会社滋賀山下
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100070758
【弁理士】
【氏名又は名称】染谷 仁


【公開番号】 特開2008−6481(P2008−6481A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181262(P2006−181262)