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ストッパー制御型浸漬ノズル - 特開2008−809 | j-tokkyo
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【発明の名称】 ストッパー制御型浸漬ノズル
【発明者】 【氏名】温品 法明

【要約】 【課題】ドロマイトグラファイト質の耐火物を用いたアルミキルド鋼溶製用のストッパー制御型の浸漬ノズルにおいて、ノズル閉塞を抑制すると共にストッパーが接触する嵌合部の溶損を軽減させる。

【構成】浸漬ノズル13を浸漬ノズル本体15と嵌合部17とで構成し、浸漬ノズル本体15に形成した凸形部19を嵌合部17に形成した凹形部23に嵌合し、モルタル16により接続する。浸漬ノズル本体15は〔C〕25〜40質量%、〔CaO〕20〜50質量%、〔MgO〕10〜40質量%からなる耐火物で構成し、ストッパーが接触する嵌合部は〔C〕1〜10質量%、〔CaO〕40〜60質量%、〔MgO〕30〜50質量%からなる耐火物で構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続鋳造用のストッパー制御型浸漬ノズルにおいて、モールド14に浸漬される浸漬ノズル本体15と、該ノズル本体15の上端に接続され、ストッパー25が接触する嵌合部17よりなり、前記浸漬ノズル本体15が〔C〕25〜40質量%、〔CaO〕20〜50質量%、〔MgO〕10〜40質量%からなる耐火物で構成され、また前記嵌合部17が〔C〕1〜10質量%、〔CaO〕40〜60質量%、〔MgO〕30〜50質量%からなる耐火物で構成されることを特徴とするストッパー制御型浸漬ノズル。
【請求項2】
嵌合部17と浸漬ノズル本体15は、嵌合部17に形成された凹形部23に、浸漬ノズル本体15に形成した凸形部19が嵌合することにより接続されることを特徴とする請求項1記載のストッパー制御型浸漬ノズル。
【請求項3】
嵌合部17と浸漬ノズル本体15上部のうち、少なくとも嵌合部17は、その外径が、嵌合部から浸漬ノズル本体に向かい次第に大きくなるテーパ状に形成されていると共に、浸漬ノズル本体には羽口12の孔縁に係合する段20ないし突起が形成されることを特徴とする請求項1又は2記載のストッパー制御型浸漬ノズル。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミ脱酸鋼、とりわけアルミキルド鋼の連続鋳造に用いられるストッパー制御型の浸漬ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
アルミキルド鋼用の浸漬ノズルにおいては、鋼中のアルミナ系介在物がノズル内孔に付着し、これが進行してノズル閉塞を起こし易い。このノズル閉塞を防ぐ方法として、ノズル孔内にCaOを含有する耐火物を用いるとよいことが知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特公昭61−44836号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者らは、CaO、MgO、炭素を含むドロマイトグラファイト質の耐火物を用いてストッパー制御型の浸漬ノズルを成形し、アルミキルド鋼の溶製に供した。その結果、ノズル閉塞は解消されたが、ストッパーが接触する嵌合部の溶損が大きくなる、という新たな問題が発生した。
【0004】
本発明は、ドロマイトグラファイト質の耐火物を用いたストッパー制御型の浸漬ノズルにおいて、ノズル閉塞を起こすことなく嵌合部の溶損を軽減させた浸漬ノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係わる発明は、連続鋳造用のストッパー制御型浸漬ノズルにおいて、モールドに浸漬される浸漬ノズル本体と、該ノズル本体の上端に接続され、ストッパーが接触する嵌合部よりなり、前記浸漬ノズル本体が〔C〕25〜40質量%、〔CaO〕20〜50質量%、〔MgO〕10〜40質量%からなる耐火物で構成され、また前記嵌合部が〔C〕1〜10質量%、〔CaO〕40〜60質量%、〔MgO〕30〜50質量%からなる耐火物で構成されることを特徴とする。
【0006】
請求項2に係わる発明は、請求項1に係わる発明の浸漬ノズルにおいて、嵌合部と浸漬ノズル本体は、嵌合部に形成された凹形部に、浸漬ノズル本体に形成した凸形部が嵌合することにより接続されることを特徴とする。
【0007】
請求項3に係わる発明は、請求項1又は2に係わる浸漬ノズルにおいて、嵌合部と浸漬ノズル本体上部のうち、少なくとも嵌合部は、その外形が、嵌合部から浸漬ノズル本体に向かい次第に大きくなるテーパ状に形成されていると共に、浸漬ノズル本体には羽口の孔縁に係合する段ないし突起が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係わる発明によると、浸漬ノズル本体及び嵌合部共、ドロマイトグラファイト質の耐火物を用いたことによりノズル閉塞が防止され、また嵌合部の耐火物組成を上記の範囲とすることにより耐摩耗性及び耐食性が向上し、ストッパーが接触する部位の溶損を軽減することができる。
【0009】
本発明の浸漬ノズルにおいては、嵌合部は浸漬ノズル本体より炭素の含有量が少ないため熱膨張量も大きくなる。そのため嵌合部に凸形部を形成して浸漬ノズル本体の凹形部に嵌合させるようにすると、凸形部の熱膨張により浸漬ノズル本体が押し割りされる不具合を生ずる。これに対し、請求項2に係わる発明のように、嵌合部に形成した凹形部に浸漬ノズル本体に形成した凸形部を嵌合させるようにすると、凹形部に嵌合する凸形部の熱膨張が小さいため押し割りを生ずることがない。
【0010】
図1は、従来の浸漬ノズル1の上部構造を示すもので、図示するように、浸漬ノズルを構成する嵌合部2と、浸漬ノズル本体3の上部が、下方に向って外径を次第に小さくしたテーパ状に形成されていると、タンディッシュの乾燥時や操業時に熱膨張の大きな嵌合部が浮き上がったり、浸漬ノズルの周りに装填される可縮性のモルタル4が収縮して浸漬ノズルがずり落ちようとし、そのため嵌合部2と浸漬ノズル本体3との間の目地が開いたり、或いはまた、浸漬ノズルの取り付けが斜めに行われていると、上述する浸漬ノズルのずり落ちにより羽口との接合部に偏荷重が作用し、浸漬ノズルに割れを生ずるおそれがある。これに対し、請求項3に係わる発明のように、嵌合部と浸漬ノズル本体上部のうち、少なくとも嵌合部の外径がノズル本体に向って次第に大きくなるようなテーパ状に形成されていると、タンディッシュの乾燥時や操業時の熱膨張による嵌合部の浮き上がりが抑制され、また浸漬ノズルの周りのモルタルが乾燥時や操業時に収縮するようなことがあっても、ノズル本体に形成した段又は突部が羽口の孔縁に係合することにより浸漬ノズルのずり落ちが阻止され、そのため嵌合部と、浸漬ノズル本体との間の目地が開くのが抑制されると共に、上記段部の孔縁への係合により浸漬ノズル自体の傾きが生じにくく、したがって偏荷重やこれによる浸漬ノズルの割れを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図2は、タンディッシュ11の羽口12に取付けられ、本発明が適用されるストッパー制御型の浸漬ノズル13について示すものであり、図3は、図2に示す浸漬ノズル13の要部の詳細図で、浸漬ノズル13は、下端部がモールド14に浸漬される浸漬ノズル本体15と、該ノズル本体15の上端にモルタル16により接続される嵌合部17よりなり、浸漬ノズル本体15は上端部に径大の頭部15aが形成されると共に、頭部上に凸形部19が突出形成され、頭部下端の段20がモルタル16を介し、鉄皮21の羽口周縁に係止することにより浸漬ノズル13のずり落ちが阻止されるようになっている。
【0012】
嵌合部17には下端に凹形部23が形成され、該凹形部23に前記浸漬ノズル本体15の凸形部19が嵌合し、モルタル16により両者15及び17の接続が行われるようになっている。嵌合部17はまた、その外径が浸漬ノズル本体15の上端部と共に、浸漬ノズル本体15に向かい、すなわち下方に向って次第に大きくなるようにテーパ状に形成され、これにより嵌合部17更には浸漬ノズル本体15の浮き上がりが抑制されるようになっている。図中、25はストッパーである。尚、浸漬ノズル本体15は、全体が一体成形されたものであっても良いし、例えば浸漬ノズルと上ノズルで構成されるもののようにノズル軸方向に分割された構造をなしてモルタルにより接続されたものであっても良い。
【0013】
本発明の実施形態は、以上のように構成される浸漬ノズル13において、浸漬ノズル本体15を〔C〕25〜40質量%、〔CaO〕20〜50質量%、〔MgO〕10〜40質量%からなる耐火物で構成すると共に、嵌合部17を〔C〕1〜10質量%、〔CaO〕40〜60質量%、〔MgO〕30〜50質量%からなる耐火物で構成してアルミキルド鋼の溶製に用いたものである(なお、各耐火物には不可避的不純物としてFeO、Al23、SiOなどの酸化金属も含まれている)。上述する各耐火物にはまた、酸化を抑制するためにSiCを添加することが好ましい。
以上述べた耐火物の組成は、それぞれ下記実験に基づいて次のようにして求めた。
【0014】
図4は、浸漬ノズル本体15に関し、〔CaO〕と〔C〕の配合比を変えた場合のノズル閉塞の有無を示すものであり、図5は嵌合部17について〔CaO〕と〔C〕の配合比を変えた場合のノズル閉塞の有無を示すもので、浸漬ノズル本体15に関しては、〔CaO〕が20〜50質量%、〔C〕が25〜40質量%の範囲内で、嵌合部17に関しては、〔CaO〕が40〜60質量%、〔C〕が1〜10質量%の範囲内で、ノズル閉塞をほぼ生じないことが確認された。
【0015】
図6は、アルミナ系介在物付着速度(mm/min)と〔CaO〕量の関係を示すもので、付着速度0はアルミナ系介在物の付着がなく溶損もないことを示している。図示されるように、〔CaO〕量が上述するように20〜50質量%の範囲内の浸漬ノズル本体15および〔CaO〕量が40〜60質量%の範囲内の嵌合部17共にアルミナ系介在物の付着速度が0に近く、ノズル閉塞の防止効果が得られることがわかる。
【0016】
ここで、浸漬ノズル本体の〔CaO〕量を20〜50質量%としたのは、20質量%未満の場合、CaOの供給が十分でないため、アルミナ系介在物の付着抑制効果が低下するためであり、50質量%を超える場合、鋼中の脱酸生成物などとの反応により耐火物が溶損傾向となり、介在物欠陥が生じる可能性があるためである。
【0017】
また、嵌合部の〔CaO〕量を40〜60質量%としたのは、40質量%未満の場合、嵌合部はアルミナ系介在物との接触頻度が高いため、CaOの供給が追いつかずに十分な付着抑制効果が得られなくなり、また60質量%を超える場合、耐火物が溶損傾向となるためである。
【0018】
図7は、耐磨耗性(指数)と炭素〔C〕量の関係を示すもので、指数が低いほど耐磨耗性が良好であることを示している。図示されるように〔C〕量が1〜10質量%の嵌合部17は耐磨耗性に優れストッパーの接触による嵌合部17の溶損が低減されることを示している。
【0019】
ここで、浸漬ノズル本体の〔C〕量を25〜40質量%としたのは、25質量%未満の場合、耐火物の熱膨張量が大きくなり、溶鋼を受けた際に大きな熱応力が発生するため割れの危険性が高くなり、また40質量%を超える場合、熱膨張量が小さくなり、割れは抑制できるものの摩耗、溶損および酸化によりノズル寿命が低下するためである。
【0020】
また、嵌合部の〔C〕量を1〜10質量%としたのは、前述の耐摩耗性に優れることの他に溶鋼の浸潤およびスラグの浸透による耐火物の溶損を抑制するためで、1質量%未満の場合は、カーボンボンドを形成できず十分な耐摩耗性が得られなくなると共にスラグ成分の浸透抑制効果が期待できなくなり、また10質量%を超える場合、耐摩耗性が劣ると共に溶鋼の浸潤による耐火物の溶損が発生し易くなる。
【0021】
MgOについては、耐食性を付与する骨材として添加している。
ここで、浸漬ノズル本体の〔MgO〕量を10〜40質量%としたのは、10質量%未満の場合、耐火物が溶損傾向となり介在物欠陥が生じる可能性があり、また40質量%を超える場合、耐食性には優れるものの熱膨張が大きくなり、割れの危険性が高くなる。なお、嵌合部の〔MgO〕量については耐食性を考慮した上で〔CaO〕と〔C〕の残部として30〜50質量%とした。
【0022】
本発明のストッパー制御型浸漬ノズルをアルミ脱酸鋼、とりわけアルミキルド鋼の連続鋳造に用いることにより、アルミナ系介在物の付着によるノズル閉塞を防止できると共に、ストッパーが接触する嵌合部の溶損の抑制および熱膨張差による押し割りの抑制により浸漬ノズルの耐用性が向上し、アルミキルド鋼の連続鋳造を安定して実施できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来の浸漬ノズルの上部構造を示す断面図。
【図2】本発明に係わるストッパー制御型浸漬ノズルの断面図。
【図3】同ノズルの上部構造を示す断面図。
【図4】浸漬ノズル本体の〔CaO〕量と〔C〕量を変えた場合のノズル閉塞の有無を示す図。
【図5】嵌合部の〔CaO〕量と〔C〕量を変えた場合のノズル閉塞の有無を示す図。
【図6】アルミナ系介在物付着速度(mm/min)と〔CaO〕量の関係を示す図。
【図7】耐摩耗性と〔C〕量の関係を示す図。
【符号の説明】
【0024】
11・・タンディッシュ
12・・羽口
13・・浸漬ノズル
14・・モールド
15・・浸漬ノズル本体
16・・モルタル
17・・嵌合部
19・・凸形部
20・・段
21・・鉄皮
23・・凹形部
25・・ストッパー
【出願人】 【識別番号】000004581
【氏名又は名称】日新製鋼株式会社
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100079636
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 晃一


【公開番号】 特開2008−809(P2008−809A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−175625(P2006−175625)