| 【発明の名称】 |
鋳造用発熱材および鋳造用発熱性造形品 |
| 【発明者】 |
【氏名】小野山 潔 士
【氏名】徳 永 覚
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| 【要約】 |
【課題】本発明は従来酸化促進剤として使用されていたフッ化物を使用せずとも従来の鋳造用発熱保温材と同等以上の発熱効果が得られる鋳造用発熱保温材および鋳造用発熱性造形品を提供する。
【構成】アルミニウム発熱材5〜40重量%、マグネシウム粉粒体1〜30重量%、さらに必要に応じて粘結剤2〜15重量%、繊維質材料0.5〜20重量%、膨張剤1〜20重量%の少なくとも一種、および残部として耐火性骨材を含有することを特徴とする鋳造用発熱材、およびこの鋳造用発熱材を造形してなる鋳告用発熱性造形品。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アルミニウム発熱材を5〜40重量%、マグネシウム粉粒体を1〜30重量%、酸化剤を3〜30重量%および残部として耐火性骨材を0〜50重量%含有することを特徴とする、鋳造用発熱材(但し、各成分の合計を100重量%とする)。 【請求項2】 さらに、粘結剤を2〜15重量%含有する、請求項1に記載の鋳造用発熱材。 【請求項3】 さらに、繊維質材料を0.5〜20重量%含有する、請求項1または2に記載の鋳造用発熱材。 【請求項4】 さらに、膨張剤を1〜20重量%含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋳造用発熱材。 【請求項5】 実質的にフッ素化合物を含有しない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋳造用発熱材。 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の鋳造用発熱材を造形してなる、鋳造用発熱性造形品。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、鋳造用発熱材および鋳造用発熱性造形品に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来より、鋳造の際に押湯温度が過度に低下しないように、鋳型内に発熱材を塗布したりあるいはその造形品を設置し、この発熱材を燃焼させることによって押湯温度の低下を抑制することが行われている。 【0003】 従来から多用されている鋳造用発熱材および鋳造用発熱性造形品は、発熱源としてアルミニウムなどの易酸化性金属粉末を利用したものが主流である。通常、その金属粉末の表面には既に薄い酸化皮膜を有している。このことから、この皮膜が発熱材としての必要な酸化反応(燃焼)を抑制することとなるので、酸化反応を促進する目的で易酸化性金属の表面の酸化皮膜を溶解することの出来る蛍石や氷硝石などのフッ素化合物も同時に混合しておくことが慣用技術となっている。 【0004】 例えば、特開2000−176604号公報(特許文献1)には、その特許請求の範囲の請求頃7には「酸化促進剤は、クレオライト、四弗化アルミニウムカリウムまたは六弗化アルミニウムカリウムの何れか1種以上である請求項6記載の鋳物用発熱性アセンブリ」と明記されているように、フッ化物を用いることが酸化促進に有効であることが示されている。 【0005】 また、特開2004−298939号公報(特許文献2)の発熱性塗型剤では、特許請求の範図[請求項5]項に「酸化促進剤を5〜15重量部含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発熱性塗型剤」と記載されており、発明の実施の形態[0013]段落に「酸化促進剤としては氷昌石、蛍石等の弗化物の1種類以上を使用することが好ましい」と記載されている。 【0006】 同じく特開2003−136201号公報(特許文献3)の鋳造用発熱材でも易酸化性金属の助燃剤に積極的にフッ化物の使用を薦めている。 【0007】 従って、結果的にこの種の鋳造用発熱材または鋳造用発熱性造形品からはかなり多量のフッ素が検出されることになる。 【特許文献1】特開2000−176604号公報 【特許文献2】特開2004−298939号公報 【特許文献3】特開2003−136201号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 鋳造時に砂型として使用された鋳物砂は、鋳造が終わると破砕し、適当な網で篩って異物を取り除き繰り返し使用されることが通例となっている。そのためフッ化物を使用した発熱材等の残材が鋳物砂に混入することは避けることが出来ない。 【0009】 フッ化物が鋳物砂に混入すると鋳物砂の耐火度を下げることから鋳物の肌を悪化させることにつながるので、鋳物砂のリサイクルの観点からフッ化物の使用量を少なくすることが以前から望まれていた。 【0010】 更に、平成13年環境庁告示によりフッ素に係る土壌環境基準が検液1リットルに付き0.8mg以下にすることが規制されたことから、鋳造業界でも産業廃棄物中のフッ化物を減少させる必要が生じ、フッ素化合物を使用しない鋳造用発熱材または鋳造用発熱性造形品の開発が一層強く望まれるようになったのである。 【0011】 しかし、発熱材の主な熱源であるアルミニウム粒子の表面は薄いアルミナ耐火物皮膜で覆われているために燃焼し難い性質を有している。このことから、発熱材は外部から熱を受けてアルミナ耐火物皮膜が崩壊または溶解して燃焼を開始することの出来る1000℃程度の温度まで上昇しなければ燃焼を開始することができず、その結果、遅燃にならざるを得なかった。そこで、今までは発熱材を早期に着火し燃焼させるために最も容易で且つ有効な手段としてフッ化物を混合する方法が続けられて来た。 【課題を解決するための手段】 【0012】 鋳物製造にあたっては押湯の熱をなるべく放散させずに維持することが求められている。このことから、鋳物の押湯に使用される発熱材には、できるだけ早期に燃焼を開始しかつ長い期間高温を維持できるよう燃焼をコントロールすることが必要となる。 【0013】 本発明者らは、種々実験の結果、特定の鋳造用発熱材によればフッ素化合物を使用しなくとも早期燃焼と必要十分な発熱・保温特性が得られることを見出した。 【0014】 本発明は、早期に着火したマグネシウムの燃焼熱でアルミニウム表面の酸化皮膜を崩壊・溶解させることが出来れば早期に着火した後引き続き主たる発熱源であるアルミニウムの燃焼を促進させうるとの考えからなされたものである。 【0015】 したがって、本発明による鋳造用発熱材は、アルミニウム発熱材料を5〜40重量%、マグネシウム粉粒体を1〜30重量%、酸化剤を3〜30重量%および残部として耐火性骨材を0〜50重量%含有することを特徴とするもの(但し、各成分の合計を100重量%とする)、である。 【0016】 このような本発明による鋳造用発熱材は、好ましい態様として、さらに粘結剤を2〜15重量%含有するもの、を包含する。 【0017】 このような本発明による鋳造用発熱材は、好ましい態様として、さらに繊維質材料を0.5〜20重量%含有するもの、を包含する。 【0018】 このような本発明による鋳造用発熱材は、好ましい態様として、さらに膨張剤を1〜20重量%含有するもの、を包含する。 【0019】 このような本発明による鋳造用発熱材は、好ましい態様として、実質的にフッ素化合物を含有しないもの、を包含する。 【0020】 また、本発明による鋳造用発熱性造形品は、上記いずれかの鋳造用発熱材を造形してなるもの、である。 【0021】 早期に発熱するものとしては例えば有機物などの可燃物や油脂などもあるが、これらは早く燃焼したとしてもアルミニウムの表面の耐火物皮膜を溶解するまでの高温には至らない。高温に発熱するマグネシウムであればこそ少量の混合でも局部的に高温になり隣接するアルミニウムの燃焼を誘発し連続的にアルミニウムの燃焼を促進させることが可能になるのである。 【0022】 また、一旦燃焼を開始した後は、発熱源であるアルミニウムの粒径を細かくしたり、または酸化鉄粉末や過酸化物などを増量混合することで早期に燃焼させることは可能であるが、着火を早めて早期に燃焼を開始させることは、アルミニウムの表面に耐火物皮膜が存在する以上アルミニウムの粒子径を細かくしたり酸化鉄粉末や過酸化物などの酸化剤を増量したとしても期待することは出来ない。 【発明の効果】 【0023】 本発明によれば、従来の鋳造用発熱材および発熱性造形品と同一の発熱性能を有しながら使用残材には有害物質であるフッ素を含まない環境適合型の押湯保温材を提供することが出来る。 【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 <鋳造用発熱材> 本発明による鋳造用発熱材は、アルミニウム発熱材を5〜40重量%、マグネシウム粉粒体を1〜30重量%、酸化剤を3〜30重量%および残部として耐火性骨材を0〜50重量%含有することを特徴とするものである。本発明において鋳造用発熱材とは、鋳造に用いられた際に発熱し、鋳造型および(または)押湯の加熱あるいはその温度低下を抑制ないし遅延させる材料を言う。また、本発明において、鋳造用発熱性造形品とは、上記材料から形成された造形品、例えば押湯用の粉粒状発熱材、押湯保温スリーブ、発熱性中子、発熱性ネックダウンコア、発熱性鋳型、発熱性パッドおよびこれらの類似品をいう。 【0025】 アルミニウム発熱材 主な発熱源であるアルミニウム発熱材の含有量は5〜40重量%である。ここで、アルミニウムとは、金属アルミニウム、アルミニウム合金およびこれらの酸化物、並びにこれらの混合物のいずれかを意味する。 【0026】 アルミニウム発熱材の入手源、製造方法、形状、粒度等は規制されるものではない。例えば、アルミニウム精錬の際に発生するスラグの粉砕粉(アルミ灰)もフッ素が含まれていなければ使用可能である。 【0027】 なお、このアルミニウム発熱材はその表面部に酸化皮膜が形成されている場合があるが、本発明におけるアルミニウム発熱材は酸素との反応によって発熱可能なものである点で耐火性骨材として例示されたアルミナとは区別されるものである。 【0028】 アルミニウムは爆発的に燃焼するマグネシウムと違って粒径や酸化鉄粉末などの酸化剤の添加量を調整することで緩やかに燃焼させることも可能であり、なるべく高温を維持させる必要がある発熱材にとってはアルミニウムを含有させることは必要不可欠の成分となる。その含有量が少な過ぎると高温を維持する能力に欠けて発熱材としての十分な効果を得られないこととなり、一方で含有量が多くなり過ぎると発熱能力が増大し高温になり過ぎて発熱をコントロールすることが難しくなり、更に高温になり過ぎて発熱材の焼結が進み本来の保温効果も損なわれることとなる。アルミニウム発熱材の平均粒径は、好ましくは50μm〜5mm、特に好ましくは150μm〜2mmである。また、アルミニウム発熱材の形状は任意である。例えば粒状、粉状、箔状等の形状のものを用いることができる。この中では特に粒状および粉状が好ましい。 【0029】 マグネシウム粉粒体 マグネシウム粉粒体の含有量は1〜30重量%、好ましくは3〜10重量%である。含有量が少な過ぎるとフッ化物に代わる酸化促進の効果を発揮することが出来ず、一方で含有量が多くなれば酸化反応が早くなるが、多過ぎると必要以上に反応が早くなるだけでなく爆発的に燃焼して危険と判断されることもある。 【0030】 マグネシウム粉粒体の入手源、製造方法、形状、粒度等は規制されるものではないが、マグネシウム粉粒体の平均粒径は、好ましくは50μm〜5mm、特に好ましくは150μm〜2mmである。また、マグネシウム粉粒体の形状は任意であるが、例えば粒状、粉状、箔状等の形状のものを用いることができる。この中では特に粒状および粉状が好ましい。 【0031】 ここで、マグネシウムとは、金属マグネシウム、マグネシウム合金およびこれらの酸化物、並びにこれらの混合物のいずれかを意味する。 【0032】 酸化剤 酸化剤の含有量は3〜30重量%、好ましくは5〜15重量%である。含有量が少な過ぎるとマグネシアの燃焼熱がアルミニウム発熱材を着火させた直後に、テルミット反応でアルミニウム発熱材を活発に燃焼させるのに不十分であり、一方で含有量が多くなれば本発明品の耐火度を下げて、鋳造時の熱割れや溶融を誘発することになるので好ましくない。 【0033】 本発明の酸化剤としては、例えば、酸化鉄、ベンガラ、硝酸塩、二酸化マンガン、および過マンガン酸カリウムを用いることができる。この中では効果をコストの両面から特に酸化鉄が好ましい。 【0034】 酸化剤は、平均粒径が50μm〜2mm、特に15μm〜0.5mmであるものが好ましい。酸化剤の形状は任意であって、例えば粒状、粉状、扁平状等の形状のものを用いることができる。この中では特に粉状が好ましい。 【0035】 耐火性骨材 耐火性骨材の配合は必須ではないが、最大50重量%の範囲内で必要に応じて混合することができる。 【0036】 耐火性骨材としては、従来の鋳造用発熱性造形品を得る際に用いられてきたものを本発明においても採用することができる。本発明において好ましい本耐火性骨材としては、例えば、アルミナ、SiO2、ZrO2、MgO、CaO等を挙げることができる。この中では特にアルミナが好ましい。アルミナはバイヤー法で製造されたものでもボーキサイト、バンド頁岩等の天然物も使用可能である。また、発泡バルーン等の軽量骨材等を使用することもできる。 【0037】 他の成分(粘結剤、繊維質材料および膨張剤) 上記の本発明による鋳造用発熱材は、アルミニウム発熱材、マグネシウム粉粒体、酸化剤および耐火性骨材以外の他の成分を含有することができる。そのような他の成分としては、例えば粘結剤、繊維質材料および膨張剤等を挙げることができる。 【0038】 粘結剤は、本発明による鋳造用発熱材を不定形のものとして得るときには必須ではないが、本発明による鋳造用発熱材を造形する際には必要に応じて配合される成分である。本発明では、有機または無機の粘結剤を用いることができる。有機粘結剤はデキストリン、澱粉、フェノール樹脂等のもので、無機粘結剤は粘土、ベントナイト、珪酸ソーダといったものである。混合する比率は保形に必要な強度を保有すれば良いが、好ましくは2〜15重量%である。 【0039】 また、本発明では、必要に応じて、無機質または有機質の繊維質材料を配合することができる。このように繊維質材料を混合することによって嵩が増えて保温性能が向上させることができる。無機質繊維はロックウール、アルミナシリケートファイバー、ガラスファイバー等で、有機質繊維は古紙、セルロース、綿、糸屑と云ったものである。混合する場合は0.5〜20重量%の範囲内で混合する。 【0040】 そして、 本発明では、必要に応じて膨張剤を配合することができる。この膨張剤は発熱材が燃焼すると同時に膨張し、その結果、断熱保温性能が高められる。本発明では、鱗状黒鉛を酸で処理した膨張黒鉛や、蛭石、黒曜石などの膨張剤が好ましい。混合する場合には1〜20重量%範囲内で混合する。好ましくは最も膨張率が高く少量の混合で済む膨張黒鉛を2〜5重量%混合する。 【0041】 なお、上記成分の含有量は、いずれも本発明による鋳造用発熱材を構成している各成分の合計量を100重量%としたときのものである。 【0042】 <鋳造用発熱性造形品> 本発明による鋳造用発熱性造形品は、上記の本発明による鋳造用発熱材を造形してなるものである。造形方法や造形品の形態および大きさ等は、従来の鋳造用発熱性造形品を得る際に用いられてきたものを本発明においても採用することができる。 【実施例】 【0043】 以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。 【0044】 〔実施例1、2および比較例1、2〕 表1に示される配合割合で、マグネシウム切削粉(マグネシウム含有率95%)、アルミニウム切削粉(アルミニウム含有率85%)、酸化鉄粉(FeO含有率90%)、アルミナ(アルミナ含有率98%)および膨張黒鉛(カーボン含有率99%)を混合して、本発明による膨張性粉状発熱材(実施例1および実施例2)を得た。 【0045】 一方、従来使用されている、氷硝石をさらに3重量%含む発熱材(比較例1)と、マグネシウム切削粉を含まない発熱材(比較例2)を用意した。各成分の配合量は表1に示される通りである。 【表1】
【0046】 本発明の効果を確認するために、上記の実施例1、2および比較例1、2の各試料を、それぞれ50グラムを採取し、厚さ15mm×横50mm×縦50mmの断熱耐火煉瓦に載せて煉瓦とともに1000℃に維持されたエレマ電気炉内に挿入し、発熱材の着火時間、即ち燃焼開始時間、を測定した。 【0047】 着火時間が遅くなるにつれて鋳物の押湯の熱を奪い発熱材の保温効果が減少するので好ましくないが、早すぎると爆発的に燃焼して危険なので従来品は経験上適切な燃焼速度に設定されている。 表2および図1は、着火時間とマグネシウムの添加量の関係を示すものである。 【表2】
【0048】 上記の表2および図1から明らかなように、本発明の発熱材はフッ化物(氷硝石)を含んでいないが、比較例1と同等の着火時間を得ることが出来た。 また、上記の実施例1、2および比較例1、2の各試料について、下記方法によってフッ素溶出試験を行った。結果は表3示される通りである。 【0049】 フッ素溶出試験:「環境庁告示13号」の方法に従った。 【表3】
【0050】 〔実施例3〜5および比較例3〜5〕 表4に示される配合割合で、マグネシウム切削粉(マグネシウム含有率95%)、アルミニウム切削粉(アルミニウム含有率85%)、酸化鉄粉(FeO含有率90%)、アルミナ(アルミナ含有率98%)、繊維質材料(Al2O3−SiO2ファイバー、古紙)および粘結剤(フェノール樹脂)を混合し、この混合物を造形して、本発明による鋳造用発熱性造形品を得た(実施例3〜実施例5)。 【0051】 一方、従来使用されている、氷硝石をさらに3重量%含む混合物を上記と同様に造形した鋳造用発熱性造形品(比較例3)と、マグネシウム切削粉を含まない発熱材(比較例4)と、アルミニウム切削粉を含まない発熱材(比較例5)とを用意した。各成分の配合量は表1に示される通りである。 【表4】
【0052】 一般的には燃焼時間が長いほど造形品の保温力が高くなり好ましい。 鋳造用発熱性造形品における本発明の効果を確認するために、上記の実施例1〜3および比較例3〜5の造形品を、厚さ15mm×横50mm×縦50mmの断熱耐火煉瓦に載せて煉瓦とともに1000℃に維持されたエレマ電気炉内に挿入し、造形品の着火時間、即ち燃焼開始時間、を測定した。 【0053】 表5および図2は、着火時間とマグネシウムの添加量の関係を示すものである。 【表5】
【0054】 表5および図2から明らかなように、氷硝石もマグネシウムも含まない比較例4は、アルミニウムの着火に時間が掛かり過ぎており、一方、アルミニウムを使用せずマグネシウムだけを使用した比較例5は着火時間、燃焼終了時間のいずれも非常に早く着火とほぼ同時に爆発的に燃焼を完了しており、この造形品を押湯保温に用いると燃焼時に一気に多量のガスが発生し溶湯が沸騰飛散し極めて危険な状況になるものと考えられる。 【0055】 本発明品のうち実施例3および実施例4は着火時間、燃焼終了時間のいずれも比較例3と同等か、もしくは優れている。また、実施例5の燃焼時間は比較例3よりやや短いが着火時間は早く、それも使用上危険なほどの早さでは無いので、内径100mm以下の比較的小型の押湯保温用造形品としては比較例3より好適であり、いずれも本発明の効果が確認できた。 【0056】 また、上記の実施例3〜5および比較例3〜5の各造形品について、上記と同様なフッ素溶出試験を行った。結果は表6に示される通りである。 【表6】
【0057】 〔実施例6および比較例6〕 表7に示される配合割合で、マグネシウム切削粉(マグネシウム含有率95%)、アルミニウム切削粉(アルミニウム含有率85%)、酸化鉄粉(FeO含有率95%)、アルミナ(アルミナ含有率98%)、繊維質材料(Al2O3−SiO2ファイバー、古紙)および粘結剤(フェノールレジン)を混合し、この混合物を外径240mm、内径200mm、高さ200mmの押湯保温スリーブを造型した。 【0058】 本発明の効果を確認するために実際にダクタイル鋳鉄の鋳造に押湯保温材として使用し、押湯の外観および形状を調査した。 その結果、本発明品と比較材を使用した押湯の形状はいずれも同等で良好であり、フッ化物を含まない本発明品が十分実用できることが確認できた。 【表7】
【0059】 上記の結果より、本発明によれば、フッ化物を使用しなくともアルミニウムとマグネシウムを規定量併用することにより着火時間を早めながら所望の燃焼時間を確保できることが確認出来た。 【0060】 また、従来品である比較例1、3の使用後の燃焼残渣に含まれるフッ素の溶出試験結果は、表3および表4に示すようにいずれも30〜32ppmであったが、本発明品はいずれもフッ素は検出されず、使用後の残材は環境汚染の心配が無いことが確認できた。 【0061】 実施例6および比較例6から、本発明による発熱性造形品はフッ化物を使用している従来品と比較して同等の押湯の引け状態が得られ、本発明品は従来品と同等の発熱性能を有していることが確認できた。 【0062】 発明の効果 本発明によれば、従来の鋳造用発熱材および発熱性造形品と同一の発熱性能を有しながら使用残材には有害物質であるフッ素を含まない環境適合型の押湯保温材を提供することが出来る。 【図面の簡単な説明】 【0063】 【図1】発熱材の着火時間とマグネシウムの添加量の関係を示す図。 【図2】発熱材の着火時間とマグネシウムの添加量の関係を示す図。









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| 【出願人】 |
【識別番号】591023767 【氏名又は名称】滲透工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月23日(2006.6.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075812 【弁理士】 【氏名又は名称】吉武 賢次
【識別番号】100091487 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 行孝
【識別番号】100094640 【弁理士】 【氏名又は名称】紺野 昭男
【識別番号】100107342 【弁理士】 【氏名又は名称】横田 修孝
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| 【公開番号】 |
特開2008−799(P2008−799A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月10日(2008.1.10) |
| 【出願番号】 |
特願2006−174041(P2006−174041) |
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