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【発明の名称】 中子支持構造および鋳造方法
【発明者】 【氏名】西田 雅文

【要約】 【課題】片持ちされた中子が配置されている鋳型のキャビティに、当該中子を破損することなく高速で溶湯を供給することが可能な中子支持構造、および鋳造方法を提供する。

【解決手段】鋳型2のキャビティ5のキャビティ面にて基部が支持される片持ち式中子10と、片持ち式中子10に貫装されるとともに、外周面が鋳型2のキャビティ5のキャビティ面に当接した状態で片持ち式中子10の先端部から基部に向かって摺動可能なスライド部材11と、を具備する中子支持構造9を鋳型2のキャビティ5に設け、スライド部材11を片持ち式中子10の先端部に対応する位置に配置し、鋳型2のキャビティ5に溶湯8を供給する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳型のキャビティ面にて基部が支持される片持ち式中子と、
前記片持ち式中子に貫装されるとともに、外周面が前記鋳型のキャビティ面に当接した状態で前記片持ち式中子の先端部から基部に向かって摺動可能なスライド部材と、
を具備する中子支持構造。
【請求項2】
前記スライド部材の先端側端面は、前記片持ち式中子の基部に対応する位置に摺動したときに前記鋳型のキャビティ面の一部を成す請求項1に記載の中子支持構造。
【請求項3】
前記スライド部材は崩壊性の中子からなる請求項1または請求項2に記載の中子支持構造。
【請求項4】
鋳型のキャビティ面にて基部が支持される片持ち式中子と、前記片持ち式中子に貫装されるとともに、外周面が前記鋳型のキャビティ面に当接した状態で前記片持ち式中子の先端部から基部に向かって摺動可能なスライド部材と、を具備する中子支持構造を前記鋳型のキャビティ内に設け、前記スライド部材を前記片持ち式中子の先端部に対応する位置に配置する中子支持構造配設工程と、
前記鋳型のキャビティに溶湯を供給する溶湯供給工程と、
からなる鋳造方法。
【請求項5】
前記溶湯供給工程において、前記スライド部材の先端側端面は前記片持ち式中子の基部に対応する位置に摺動したときに前記鋳型のキャビティ面の一部を成す請求項4に記載の鋳造方法。
【請求項6】
前記スライド部材は崩壊性の中子からなる請求項4または請求項5に記載の鋳造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳型のキャビティ内部に配置される片持ち式中子の支持構造および片持ち式中子の支持構造を用いた鋳造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のシリンダブロックの鋳造において、シリンダブロック内に形成されるシリンダボアの周囲となる部分に崩壊性の中子を配置することにより、冷却水を流通させる経路たるウォータージャケットを形成する方法は公知である。例えば、特許文献1乃至特許文献4に記載の如くである。
【0003】
自動車のシリンダブロックのシリンダボアの周囲に形成されるウォータージャケットは一般にシリンダボアの長手方向に延びた細長い空間となるため、これを形成するための中子の形状も当然に細長い形状となる。
崩壊性の中子は一般に脆く衝撃に弱いため、従来は図5に示すシリンダブロック100の如く、複数のシリンダボア101・101・・・の周囲に形成されるウォータージャケットを相互に連通したいわゆるオープンブロックのウォータージャケット102・102とすることにより、これに対応する崩壊性の中子を大きくして強度を確保していた。
【0004】
また、このような細長い形状の中子の基部側の端部を鋳型のキャビティ面にて片持ちして支持すると、中子の先端部が傾く等、鋳型に対する位置(姿勢)精度を確保することが困難である。特許文献1乃至特許文献4に記載の方法では、キャビティ面に対して所定の位置・姿勢で中子を保持するために、鋳物に鋳包むピン、あるいは鋳型からキャビティ内に向かって突出・退避可能なピンにより、中子の側面等を適宜支持している。
【0005】
しかし、近年、自動車のシリンダブロックの高強度化の要請に伴い、図6に示すシリンダブロック200の如く、シリンダボア201・201・・・のそれぞれに対して設けられ、相互に分離したいわゆるクローズドブロックのウォータージャケット202・202・・・とすることが求められている。クローズドブロックのウォータージャケット202・202・・・は一般にオープンブロックのウォータージャケットに比べて更に細長い形状となる。
従って、クローズドブロックのウォータージャケット202・202・・・を形成するための中子を崩壊性の中子で構成した場合には非常に折れやすく、ハンドリングが困難であるという問題がある。
【0006】
また、近年は作業効率向上のために鋳造時における鋳型内への溶湯の供給速度が益々増大する傾向にあり、高速かつ高圧で鋳型のキャビティに供給された溶湯が片持ちされた崩壊性の中子の先端部(支持されていない部分)に衝突すると、当該中子がキャビティ内で容易に折れてしまい、シリンダブロックの内部にクローズドブロックのウォータージャケットを確実かつ精度良く形成することが困難であるという問題がある。
【特許文献1】特開2003−191051号公報
【特許文献2】特開平6−142834号公報
【特許文献3】特開平6−71418号公報
【特許文献4】特許第3599279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の如き状況に鑑み、片持ちされた中子が配置されている鋳型のキャビティに、当該中子を破損することなく高速で溶湯を供給することが可能な中子支持構造、および鋳造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、
鋳型のキャビティ面にて基部が支持される片持ち式中子と、
前記片持ち式中子に貫装されるとともに、外周面が前記鋳型のキャビティ面に当接した状態で前記片持ち式中子の先端部から基部に向かって摺動可能なスライド部材と、
を具備するものである。
【0010】
請求項2においては、
前記スライド部材の先端側端面は、前記片持ち式中子の基部に対応する位置に摺動したときに前記鋳型のキャビティ面の一部を成すものである。
【0011】
請求項3においては、
前記スライド部材は崩壊性の中子からなるものである。
【0012】
請求項4においては、
鋳型のキャビティ面にて基部が支持される片持ち式中子と、前記片持ち式中子に貫装されるとともに、外周面が前記鋳型のキャビティ面に当接した状態で前記片持ち式中子の先端部から基部に向かって摺動可能なスライド部材と、を具備する中子支持構造を前記鋳型のキャビティ内に設け、前記スライド部材を前記片持ち式中子の先端部に対応する位置に配置する中子支持構造配設工程と、
前記鋳型のキャビティに溶湯を供給する溶湯供給工程と、
からなるものである。
【0013】
請求項5においては、
前記溶湯供給工程において、前記スライド部材の先端側端面は前記片持ち式中子の基部に対応する位置に摺動したときに前記鋳型のキャビティ面の一部を成すものである。
【0014】
請求項6においては、
前記スライド部材は崩壊性の中子からなるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果としては、鋳型のキャビティに片持ちされた中子が配置されている場合であっても、当該中子を破損することなく高速で溶湯を供給することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下では、図1に示す鋳造装置1を用いて本発明に係る中子支持構造の実施の一形態である中子支持構造9について説明する。
【0017】
鋳造装置1はアルミニウム合金からなるシリンダブロックを鋳造するための装置であり、鋳型2、スリーブ6、プランジャチップ7、中子支持構造9等を具備する。
【0018】
鋳型2は固定型3および可動型4からなる。固定型3は地面(あるいは構造体)に固定される。可動型3は図示せぬアクチュエータ(油圧シリンダ等)により固定型3に対して接近する方向および離間する方向に移動する。
固定型3と可動型4との合わせ面(固定型3と可動型4とが当接する面)には凹みが形成され、当該凹みが形成する空間がキャビティ5を成す。キャビティ5の外周面(キャビティ面)の形状は鋳造装置1により鋳造されるシリンダブロックの外形と略同じである。
【0019】
スリーブ6は略円筒形状の部材であり、その一端は固定型3と可動型4との合わせ面に形成された溶湯供給経路5aを介してキャビティ5に連通接続される。
プランジャチップ7は図示せぬアクチュエータ(油圧シリンダ等)によりスリーブ6の内周面に液密的に当接しつつ摺動する。
【0020】
溶湯8は溶融状態のアルミニウム合金であり、鋳造装置1により鋳造されるシリンダブロックの原料となるものである。溶湯8はスリーブ6の内部空間に充填され、プランジャチップ7をスリーブ6に押し込むことにより溶湯供給経路5aを通じてキャビティ5に供給される。
なお、本実施例の溶湯8はAl−Si−Cu合金(ADC12)を溶融状態としたものからなるが、本発明に係る溶湯を構成する材料はこれに限定されず、溶融状態の金属(例えば、鋳鉄、亜鉛合金、マグネシウム合金等)、溶融状態の樹脂その他鋳造により成形し得る材料を広く含む。
また、本発明に係る溶湯は、粘度が高い、いわゆる半溶融状態の金属材料や樹脂等も含む。
【0021】
中子支持構造9は片持ち式中子10、スライド部材11を具備する。
【0022】
片持ち式中子10は鋳造装置1により鋳造されるシリンダブロックにウォータージャケットを形成するための崩壊性の中子である。本実施例の片持ち式中子10の形状はウォータージャケットの形状に対応し、シリンダブロックに形成されるシリンダボアに沿って延びた細長い形状である。
片持ち式中子10の一端である基部は巾木12により拘束され、鋳型2のキャビティ5のキャビティ面にて支持される。一方、片持ち式中子10の他端である先端部はキャビティ5のキャビティ面に対して拘束されておらず、フリーになっている。すなわち、片持ち式中子10は「片持ち」の状態で支持される。
片持ち式中子10はその先端部を溶湯8が供給されてくる方向(本実施例の場合、溶湯供給経路5aのキャビティ5側の開口部)に向けて配置される。言い換えると、片持ち式中子10の先端部は基部よりも溶湯供給経路5aに近くなるように配置される。
【0023】
ここで、「崩壊性の中子」は、種々の砂あるいはNaCl、KCl等の水溶性無機塩類等からなる粉粒体(粉体、粒体またはこれらの混合物)、レジン(例えば、フェノール樹脂)等からなるバインダ、および必要な場合には耐火物や崩壊助剤等の添加物を混練し、これを固めて所定の形状に成型したものである。崩壊性の中子は鋳造後に粉砕、または水に溶かすことにより鋳物から除去される。除去された粉粒体は回収されて再利用される。
【0024】
図1および図2に示す如く、スライド部材11は片持ち式中子10に貫装される部材であり、スライド部材11の外周面はキャビティ5のキャビティ面のうち、(α)シリンダブロックの外周面に対応する部分、および(β)シリンダボアの内周面に対応する部分に当接する。
また、スライド部材11は(α)および(β)に当接した状態で、片持ち式中子10に貫装されたまま片持ち式中子10の先端部から基部に向かって摺動することが可能である。
図1に示す如く、中子支持構造9をキャビティ5の内部に配設する際には、スライド部材11を片持ち式中子10の先端部に対応する位置に貫装した状態とする。
【0025】
以下では、図3を用いてキャビティ5に溶湯8を供給したときの中子支持構造9の挙動について説明する。
【0026】
図3の(a)に示す如く、溶湯8がキャビティ5に供給され、片持ち式中子10の先端部に衝突したとき、片持ち式中子10には先端部を基部に向かって押す力(圧縮応力)および片持ち式中子10を曲げる力(曲げ応力)が作用する。
しかし、片持ち式中子10の先端部に対応する部分にはスライド部材11が貫装されており、スライド部材11は(α)シリンダブロックの外周面に対応する部分および(β)シリンダボアの内周面に対応する部分に当接しているため、片持ち式中子10の先端部はスライド部材11により支持され、片持ち式中子10が曲がったり折れたりすることはない。
また、片持ち式中子10は崩壊性の中子からなるが、圧縮応力に対する強度は曲げ応力に対する強度に比べて高いため、溶湯8の衝突に起因する圧縮応力により片持ち式中子10が変形・破損することはない。
【0027】
図3の(b)に示す如く、溶湯8がさらにキャビティ5に供給されると、溶湯8によりスライド部材11が押され、スライド部材11は片持ち式中子10の基部に向かって摺動していく。
このとき、片持ち式中子10のうち、スライド部材11よりも溶湯8側に突出している部分は溶湯8に浸漬された状態となっているため、当該部分には片持ち式中子10を曲げる力(曲げ応力)のみならず、溶湯8からの圧力があらゆる方向に均等に加わる。従って、片持ち式中子10においてスライド部材11よりも溶湯8側に突出している部分が変形・破損することはない。
【0028】
図3の(c)に示す如く、溶湯8がさらにキャビティ5に供給されると、スライド部材11は片持ち式中子10の基部に対応する位置まで摺動し、巾木12に接触した位置で停止する。
【0029】
以上の如く、中子支持構造9は、
鋳型2のキャビティ5のキャビティ面にて基部が支持される片持ち式中子10と、
片持ち式中子10に貫装されるとともに、外周面が鋳型2のキャビティ5のキャビティ面に当接した状態で片持ち式中子10の先端部から基部に向かって摺動可能なスライド部材11と、
を具備するものである。
このように構成することにより、片持ちされた中子である片持ち式中子10が配置されている鋳型2のキャビティ5に、片持ち式中子10を破損することなく高速で溶湯8を供給することが可能である。ひいては、鋳造の高速化(作業効率向上、鋳造コストの削減)に寄与する。
【0030】
また、スライド部材11が片持ち式中子10の基部に対応する位置に摺動したときに、スライド部材11の先端側端面(溶湯8に対向する面)が鋳型2のキャビティ5のキャビティ面の一部を成す、すなわちキャビティ5のキャビティ面と面一となるように、片持ち式中子10の基部の周囲にスライド部材11が収容される空間(収容部)を形成することにより、鋳物(シリンダブロック)におけるスライド部材11との当接面を加工(切削、研磨等)する工程を省略することが可能であり、工数の削減ひいては鋳造コストの削減に寄与する。
【0031】
また、スライド部材11は、金属材料やセラミックス等の溶湯8に接触しても溶解しない材料からなる構成としても、片持ち式中子10と同様の崩壊性の中子からなる構成としても良い。
スライド部材11を金属材料やセラミックス等で構成した場合、鋳物(シリンダブロック)に鋳包まれてしまい、剥離することが困難な場合がある。従って、スライド部材11が鋳物(シリンダブロック)に鋳包まれることを回避したい場合には、スライド部材11を崩壊性の中子からなる構成とすることが望ましい。
【0032】
以下では、図4を用いて本発明に係る鋳造方法の実施の一形態について説明する。
本発明に係る鋳造方法の実施の一形態は鋳造装置1を用いてシリンダブロックを鋳造する方法であり、主として中子支持構造配設工程S1000、溶湯供給工程S2000からなる。
なお、本実施例はシリンダブロックを鋳造する方法であるが、本発明に係る鋳造方法はこれに限定されず、種々の鋳物の鋳造に適用可能である。
【0033】
中子支持構造配設工程S1000は鋳型2のキャビティ5のキャビティ面にて基部が支持される片持ち式中子10と、片持ち式中子10に貫装されるとともに外周面が鋳型2のキャビティ5のキャビティ面に当接した状態で片持ち式中子10の先端部から基部に向かって摺動するスライド部材11と、を具備する中子支持構造9を鋳型2のキャビティ5に設け、スライド部材11を片持ち式中子10の先端部に対応する位置に配置する工程である。
より詳細には、中子支持構造配設工程S1000においては、中子支持構造9を鋳型2のキャビティ5に設け、スライド部材11を片持ち式中子10の先端部に対応する位置に配置した後、鋳型2を型締めし、キャビティ5を所定の真空度となるまで減圧する。また、鋳型2を所定の温度に保持し、スリーブ6の内部空間に溶湯8を充填する。
中子支持構造配設工程S1000が終了したら、溶湯供給工程S2000に移行する。
【0034】
溶湯供給工程S2000は鋳型2のキャビティ5に溶湯8を供給する工程である。
溶湯供給工程S2000において、プランジャチップ7を所定の速度でスリーブ6に押し込むことにより、溶湯供給経路5aを通じてキャビティ5に溶湯8を供給する。キャビティ5に溶湯8が充填された後、さらにプランジャチップ7をスリーブ6に押し込むことにより溶湯8に所定の圧力を付与した状態を保持しつつ、溶湯8を凝固させる。
溶湯8が凝固し、鋳物たるシリンダブロックの温度が所定の温度以下となった時点で、鋳型2を開き、シリンダブロックを外部に取り出す。そして、取り出されたシリンダブロックのウォータージャケットに対応する部分の片持ち式中子10を除去する。
【0035】
以上の如く、本発明に係る鋳造方法の実施の一形態は、
鋳型2のキャビティ5のキャビティ面にて基部が支持される片持ち式中子10と、片持ち式中子10に貫装されるとともに、外周面が鋳型2のキャビティ5のキャビティ面に当接した状態で片持ち式中子10の先端部から基部に向かって摺動可能なスライド部材11と、を具備する中子支持構造9を鋳型2のキャビティ5に設け、スライド部材11を片持ち式中子10の先端部に対応する位置に配置する中子支持構造配設工程S1000と、
鋳型2のキャビティ5に溶湯8を供給する溶湯供給工程S2000と、
からなるものである。
このように構成することにより、片持ちされた中子である片持ち式中子10が配置されている鋳型2のキャビティ5に、片持ち式中子10を破損することなく高速で溶湯8を供給することが可能である。ひいては、鋳造の高速化(作業効率向上、鋳造コストの削減)に寄与する。
【0036】
以下では、鋳造装置1を用いた鋳造実験の結果を示す。
当該鋳造実験の実験条件は、二気筒のシリンダブロックのテストピースを鋳造するものとし、鋳造装置1の鋳型2の保持温度を250℃、型締め力を800tとした。また、片持ち式中子10およびスライド部材11は表面にBN塗型材を塗布した崩壊性の中子(シェル砂および3wt%のレジン)からなるものを使用し、溶湯8の温度は630℃とし、プランジャチップ7を押し込む速度(射出速度)を3m/sec(溶湯供給経路5aを通過する溶湯8の流速に換算すると30m/sec)とした。
上記実験条件のもと、(1)スライド部材11を正しく片持ち式中子10に貫装した状態、(2)スライド部材11を片持ち式中子10に貫装しない状態(スライド部材11が無い状態)、の二つの場合についてそれぞれ50回ずつ鋳造試験を行った。
その結果、(1)スライド部材11を正しく片持ち式中子10に貫装した状態では1回も片持ち式中子10が破損することが無かったのに対し、(2)スライド部材11を片持ち式中子10に貫装しない状態では50回の全てにおいて片持ち式中子10が破損した。
このように、本実施例の中子支持構造9により、キャビティ内で片持ちで支持される中子がある場合でも、当該中子の破損を防止しつつ高速で溶湯を鋳型に供給することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る中子支持構造の実施の一形態を具備する鋳造装置を示す断面図。
【図2】本発明に係る中子支持構造の実施の一形態を具備する鋳造装置の要部断面図。
【図3】本発明に係る中子支持構造の実施の一形態の挙動を示す図。
【図4】本発明に係る鋳造方法の実施の一形態を示すフロー図。
【図5】オープンブロックのウォータージャケットを有するシリンダブロックの断面模式図。
【図6】クローズドブロックのウォータージャケットを有するシリンダブロックの断面模式図。
【符号の説明】
【0038】
1 鋳造装置
2 鋳型
5 キャビティ
10 片持ち式中子
11 スライド部材
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成18年10月19日(2006.10.19)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎


【公開番号】 特開2008−100263(P2008−100263A)
【公開日】 平成20年5月1日(2008.5.1)
【出願番号】 特願2006−285487(P2006−285487)