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【発明の名称】 発泡模型の塗型方法
【発明者】 【氏名】磯野 昭夫

【氏名】伊与田 吉次

【要約】 【課題】消失模型鋳造法に使用される発泡模型に塗型剤を均一に、かつ一様に塗布することができる発泡模型の塗型方法を提供する。

【構成】消失模型鋳造法に使用される発泡模型に塗型剤を塗布する発泡模型の塗型方法であって、前記発泡模型を塗型槽内の液状の塗型剤に浸した状態で、該発泡模型を振動させる。模型表面上の気泡を塗型槽の液面上に浮かせて、模型表面に気泡が残らないようする。模型表面の塗型付着性が向上し、塗型剤を均一に、かつ一様に塗布させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消失模型鋳造法に使用される発泡模型に塗型剤を塗布する発泡模型の塗型方法であって、
前記発泡模型を塗型槽内の液状の塗型剤に浸した状態で、該発泡模型を振動させることを特徴とする発泡模型の塗型方法。
【請求項2】
前記振動の振動時間が10〜40秒、振動サイクルが60〜100(回/min)、振幅が0.1〜0.3mmに制御されている請求項1記載の発泡模型の塗型方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は発泡模型の塗型方法に関する。さらに詳しくは、消失模型鋳造法に使用される発泡模型に塗型剤を均一に、かつ一様に塗布するための発泡模型の塗型方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消失模型を使用した鋳物製造方法においては、まず発泡樹脂で作製される発泡模型を製品型としたのち、発泡模型の外面に湯道、湯口、湯受け皿、押し湯部などを形成し、これらを組み立てて鋳物砂の中に埋め込み、ついで、この湯受け皿に溶湯を供給する。この溶湯は、発泡模型を熱により分解ガス化させて消失させ、発泡模型が存在していた空間(キャビティ)に充填され凝固することにより鋳物が製造される。
【0003】
前記発泡模型の表面には、鋳物砂と溶湯との反応を防止し、発泡模型の剛性を向上させたり、補強したりするため、黒鉛の微粉末などを水やアルコールで溶いた塗型剤が塗布されている。この塗型剤を塗布する方法として、模型に液状の塗型剤を流し塗り(ブッカケ法)、浸漬する(ドブ漬け法)、刷毛塗りまたはスプレー塗布したのち、該模型を振動させる方法がある(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−336937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1記載の方法においては、発泡模型は塗型剤をはじきやすいため、塗型剤を塗布したのち、該模型を振動させると、模型表面と塗型剤がなじまないうちに、塗型剤が流れ落ちてしまったり、また小さい気泡が模型表面に残ったまま塗型剤を乾燥させ、付着させてしまうことがある。すなわち、塗型付着性が充分でないうちに、振動を付与するため、高精度な塗型膜厚さを得るのが難しい。
【0006】
そこで、本発明は、叙上の事情に鑑み、消失模型鋳造法に使用される発泡模型に塗型剤を均一に、かつ一様に塗布することができる発泡模型の塗型方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発泡模型の塗型方法は、消失模型鋳造法に使用される発泡模型に塗型剤を塗布する発泡模型の塗型方法であって、前記発泡模型を塗型槽内の液状の塗型剤に浸した状態で、該発泡模型を振動させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、発泡模型を塗型槽内の液状の塗型剤に浸した状態で、該発泡模型に振動を加えることによって、模型表面上の気泡を塗型槽の液面上に浮かせて、模型表面に気泡が残らないようにできるため、模型表面の塗型付着性が向上し、塗型剤を均一に、かつ一様に塗布させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付図面に基づいて本発明の発泡模型の塗型方法を説明する。本発明の一実施の形態に用いられる塗型装置は、図1に示されるように、液状の塗型剤(塗型液)1を入れた塗型槽2と、所定の個数の発泡模型3を載置するフレーム4と、該発砲模型3を固定する模型固定治具5と、前記フレーム4を介して前記発泡模型3に振動を付与する振動付与手段としてのバイブレータ6と、前記フレーム4の上下振動の方向に該フレーム4を案内支持するガイド部材として、フレーム4の四隅に挿通される軸7と、前記フレーム4の昇降バランス機構8と、前記バイブレータ6の振動条件を制御する制御部(図示せず)を備えている。前記発泡模型3は、1列に5個の発泡模型3を連結させた模型構造の製品模型体Aを4〜6列、本実施の形態では、図1〜2に示されるように、6列配置して、フレーム4に30個載置されている。なお、本実施の形態では、図3に示されるように、製品模型体Aを6個組み合わせて注湯するため、該製品模型体Aは、発泡模型3の堰9と湯道の一部である同時に5個の発泡模型3を連結するための連結部10とを有する構造をしている。この連結部10を6個組み合わせたものが湯口棒11となる。前記模型固定治具5による製品模型体Aの固定は、たとえば連結部10の三角形状に合せた模型固定治具5の凹部5aに上方から嵌め込む方式または連結部10を模型固定治具5の凹部へ差し込む差し込み式などにより行うことができる。また、この製品模型体Aを固定した模型固定治具5をフレーム4に保持させるのに、たとえばクランプ部材12を用いることができる。
【0010】
本実施の形態では、前記発泡模型3を連結した製品模型体Aを前記フレーム4の開口を通して該フレーム4に乗せたのち、該発泡模型3に前記模型固定治具5を上から乗せて該発泡模型3を固定する。ついで、このフレーム4を軸7に沿って下降させる。このとき、発泡模型3も同時に下降する。
【0011】
ついで、発泡模型3が全て塗型液1に浸ったのち、フレーム4に取り付けてあるバイブレータ6を運転させることによって、このフレーム4とともに、発泡模型3を所定の振動条件で振動させる。
【0012】
そして、振動作業が終了したのち、フレーム3を上昇し、発泡模型3の表面に付着した塗型剤を乾燥させて、製品模型を作製する。
【0013】
本実施の形態では、発泡模型3が塗型液1の中に浸った状態で振動することによって、模型表面に残っている気泡が塗型槽の液面上に浮かせ、模型表面に気泡が残らない(塗型膜下に気泡が残らない)。これにより、模型表面の塗型付着性を向上ないし改善させることができる。したがって、模型表面に塗型剤の塗布厚さが均一に、また一様になるように塗型剤を付着させることができる。また、多数の発泡模型を一度に塗布できるため、塗布時間を短縮することができる。
【0014】
本発明における発泡模型としては、たとえば30個/枠程度の込め数となるような、円筒状、板状またはスリーブ状などの形状をした小さな模型を用いるのが好ましい。また、本発明における液状の塗型剤としては、水溶性のシリカ系、ジルコン系または黒鉛系の塗型剤などを用いることができる。また、前記振動条件としては、本実施の形態のように振動が上下方向の振動にされている場合、振動時間を10〜40秒、好ましくは10〜20秒、振動サイクルを60〜100(回/min)、振幅を0.1〜0.3mmなどに設定することができる。また、振動は周方向振動(周方向に揺動する振動)の場合、さらに、前記上下方向と周方向の振動を複合させた複合振動とすることもできる。この場合、前記振動条件を適宜選定して組み合わせることができる。
【0015】
前記昇降バランス機構8は、模型固定治具5を軽い力で上下動させることができる機能を有しており、一端が前記フレーム4の四隅近傍に固定される分岐ワイヤー8aと、該分岐ワイヤー8aの結束端に接続されるバランサ8bと、該分岐ワイヤー8aを張っている滑車8cとから構成されている。また、このバランサ8bの構造は、たとえばスプリング機構を備える構造にされている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態に用いられる塗型装置の概略図である。
【図2】複数の発泡模型を連結した製品模型体の一例を示す斜視図である。
【図3】製品模型体を組み合わせた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0017】
A 製品模型体
1 塗型液
2 塗型槽
3 発泡模型
4 フレーム
5 模型固定治具
5a 凹部
6 バイブレータ
7 軸
8 バランス機構8
8a 分岐ワイヤー
8b バランサ
8c 滑車
9 堰
10 連結部
11 湯口棒
12 クランプ部材
【出願人】 【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
【出願日】 平成18年8月10日(2006.8.10)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−36701(P2008−36701A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−217604(P2006−217604)