トップ :: B 処理操作 運輸 :: B22 鋳造;粉末冶金

【発明の名称】 鋳型造型方法及びその装置
【発明者】 【氏名】伊豆野 剛三

【氏名】西 昇一

【氏名】堀 雄二

【氏名】三浦 直洋

【要約】 【課題】装置を複雑化することなく、次回の混練砂の吹き込み充填時において、安定した混練砂の充填性を確保することができる鋳型造型方法及びその装置を提供する。

【構成】ブローヘッド内の混練砂を成形型に形成されたキャビティ内に加圧エアにより吹き込み充填して鋳型を造型する鋳型造型方法は、ブローヘッドの収容部内に、所定の第1圧力からこの第1圧力よりも高圧の第2圧力に上昇する第1加圧エアを供給して混練砂をキャビティ内に吹き込み充填して、収容部内の加圧エアを外部に排気した後、収容部内の混練砂の凹凸を均す為に収容部内の混練砂に第2圧力の第2加圧エアを衝撃的に作用させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブローヘッド内の混練砂を成形型に形成されたキャビティ内に加圧気体により吹き込み充填して鋳型を造型する鋳型造型方法において、
各造型サイクルは、
前記ブローヘッド内に第1加圧気体を供給して混練砂をキャビティ内に吹き込み充填する第1工程と、
前記ブローヘッド内の加圧気体を外部に排気する第2工程と、
前記ブローヘッド内の混練砂の凹凸を均す為にブローヘッド内の混練砂に第2加圧気体を衝撃的に作用させる第3工程と、
を備えたことを特徴とする鋳型造型方法。
【請求項2】
前記第1工程においてブローヘッド内に供給される第1加圧気体は、所定の第1圧力からこの第1圧力よりも高圧の第2圧力に上昇することを特徴とする請求項1に記載の鋳型造型方法。
【請求項3】
複数の成形型で形成されたキャビティ内に混練砂を吹き込み充填して鋳型を造型する鋳型造型装置において、
前記キャビティ内に連通可能なブローノズルを有し、このブローノズルを介してキャビティ内に吹き込む混練砂を収容するブローヘッドと、
前記ブローヘッド内に混練砂吹き込み充填時に第1加圧気体を供給する第1加圧気体供給手段と、
前記第1加圧気体の供給後にブローヘッド内の加圧気体を外部に排気する排気手段と、
前記排気手段による排気後にブローヘッド内の混練砂に第2加圧気体を衝撃的に供給する第2加圧気体供給手段と、
前記ブローヘッド内に第1加圧気体を供給して混練砂を吹き込み充填し、次にブローヘッド内の加圧気体を外部に排気し、その後ブローヘッド内に第2加圧気体を供給して混練砂に第2加圧気体を作用させるように、第1,第2加圧気体供給手段と排気手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする鋳型造型装置。
【請求項4】
前記第1加圧気体供給手段は、第1圧力の加圧気体を収容する第1エアタンクと、第1圧力よりも高圧の第2圧力の加圧気体を収容する第2エアタンクを備え、前記第1エアタンクの加圧気体をブローヘッドに供給する第1位置と第2エアタンクの加圧気体をブローヘッドに供給する第2位置とに択一的に切換えられる切換え弁を設け、
前記制御手段は、キャビティ内への混練砂の吹き込み充填時に、第1エアタンクの第1圧力の加圧気体の供給に続けて、第2エアタンクの第2圧力の加圧気体の供給に切換えるように前記切換え弁を制御することを特徴とする請求項3に記載の鋳型造型装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳型造型方法及びその装置に関し、特に混練砂の吹き込み充填時に供給されたブローヘッド内の第1加圧気体を外部に排気した後、ブローヘッド内の混練砂の凹凸を均す為にブローヘッド内に第2加圧気体を供給して混練砂に衝撃的に作用させるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鋳型を造型する方法として、ブローヘッド内に供給されたガス硬化性の混練砂を、複数の成形型に形成されたキャビティ内に加圧気体によって吹き込み充填した後、キャビティ内に硬化ガスを導入しキャビティ内に充填された混練砂を硬化させて鋳型を造型する方法が実用化されている。
【0003】
ところで、ブローヘッドの下端部にキャビティ内に連通可能なブローノズルが設けられ、加圧気体がブローヘッドからブローノズルを通ってキャビティ内に吹き込まれるようになっているため、加圧気体をブローヘッド内に供給すると、ブローノズル周辺の混練砂がキャビティ内に充填される。その結果、ブローヘッド内においてブローノズルの上方近傍の混練砂に凹みが生じ、次回の吹き込み充填時に、ブローノズル周辺の混練砂が不足することになり,キャビティ内に混練砂が十分に充填されないという問題が生じる。
【0004】
特許文献1に記載の造型材料を充填する方法とその装置においては、ブローヘッド内に拡張又は収縮可能な複数のベローズを設け、2回のエアブローを行って造型砂を型へ充填した後、ベローズに空気を供給してベローズを拡張又は収縮させてブローヘッド内の造型砂を流動させて、造型砂の充填時に発生した空気通路を除去している。
【特許文献1】特開昭61−195732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記のようにベローズを設けてベローズの拡張や収縮によって造型砂を流動させた場合、装置が複雑化するだけでなくベローズ自体の耐久性も問題になる。それ故、ベローズを設けることなく、キャビティ内への吹き込み充填後のブローヘッド内の混練砂の凹凸を均し、次回の吹き込み充填時に、キャビティ内に混練砂を十分に充填させることができる鋳型造型方法及びその装置が望まれている。
【0006】
本発明の目的は、装置を複雑化することなく、次回の混練砂の吹き込み充填時において、安定した混練砂の充填性を確保することができる鋳型造型方法及びその装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の鋳型造型方法は、ブローヘッド内の混練砂を成形型に形成されたキャビティ内に加圧気体により吹き込み充填して鋳型を造型する鋳型造型方法において、各造型サイクルは、前記ブローヘッド内に第1加圧気体を供給して混練砂をキャビティ内に吹き込み充填する第1工程と、前記ブローヘッド内の加圧気体を外部に排気する第2工程と、前記ブローヘッド内の混練砂の凹凸を均す為にブローヘッド内の混練砂に第2加圧気体を衝撃的に作用させる第3工程とを備えたことを特徴とする。
【0008】
この鋳型造型方法では、先ず第1工程において、ブローヘッド内に第1加圧気体を供給して混練砂をキャビティ内に吹き込み充填する。すると、第1加圧気体によってブローノズル周辺の混練砂がキャビティ内に充填されるが、ブローヘッド内においてブローノズルの上方近傍の混練砂に凹みが生じる。次に第2工程において、ブローヘッド内の加圧気体を外部に排気すると、キャビティ内の圧力が低下し、第3工程において、ブローヘッド内の混練砂に第2加圧気体を衝撃的に作用させると、ブローヘッド内において大きな圧力変化が生じ混練砂に対する衝撃力が増す。これにより、混練砂が流動しブローヘッド内の混練砂の凹凸が小さくなる。
【0009】
請求項2の鋳型造型方法は、請求項1の発明において、前記第1工程においてブローヘッド内に供給される第1加圧気体は、所定の第1圧力からこの第1圧力よりも高圧の第2圧力に上昇することを特徴とする。
【0010】
請求項3の鋳型造型装置は、複数の成形型で形成されたキャビティ内に混練砂を吹き込み充填して鋳型を造型する鋳型造型装置において、前記キャビティ内に連通可能なブローノズルを有し、このブローノズルを介してキャビティ内に吹き込む混練砂を収容するブローヘッドと、前記ブローヘッド内に混練砂吹き込み充填時に第1加圧気体を供給する第1加圧気体供給手段と、前記第1加圧気体の供給後にブローヘッド内の加圧気体を外部に排気する排気手段と、前記排気手段による排気後にブローヘッド内の混練砂に第2加圧気体を衝撃的に供給する第2加圧気体供給手段と、前記ブローヘッド内に第1加圧気体を供給して混練砂を吹き込み充填し、次にブローヘッド内の加圧気体を外部に排気し、その後ブローヘッド内に第2加圧気体を供給して混練砂に第2加圧気体を作用させるように、第1,第2加圧気体供給手段と排気手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
この鋳型造型装置では、請求項1と同様の作用を奏する。
【0011】
請求項4の鋳型造型装置は、請求項3の発明において、前記第1加圧気体供給手段は、第1圧力の加圧気体を収容する第1エアタンクと、第1圧力よりも高圧の第2圧力の加圧気体を収容する第2エアタンクを備え、前記第1エアタンクの加圧気体をブローヘッドに供給する第1位置と第2エアタンクの加圧気体をブローヘッドに供給する第2位置とに択一的に切換えられる切換え弁を設け、前記制御手段は、キャビティ内への混練砂の吹き込み充填時に、第1エアタンクの第1圧力の加圧気体の供給に続けて、第2エアタンクの第2圧力の加圧気体の供給に切換えるように前記切換え弁を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、ブローヘッド内に第1加圧気体を供給して混練砂をキャビティ内に吹き込み充填する第1工程と、ブローヘッド内の加圧気体を外部に排気する第2工程と、ブローヘッド内の混練砂の凹凸を均す為にブローヘッド内の混練砂に第2加圧気体を衝撃的に作用させる第3工程とを備えたので、吹き込み充填後のブローヘッド内において大きな圧力変化が生じ混練砂に対する衝撃力が増す。これにより、混練砂が流動しブローヘッド内の混練砂の凹凸が小さくなり、次回の吹き込み充填時における安定した混練砂の充填性を確保することができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、第1工程においてブローヘッド内に供給される第1加圧気体は、所定の第1圧力からこの第1圧力よりも高圧の第2圧力に上昇するので、第1圧力で第1加圧気体がブローヘッド内に供給される第1工程の開始直後においては、成形型のエジェクタピン孔やキャビティ内の加圧気体を排気する為のエアベントの開口が混練砂で覆われる。次にこの状態で第1圧力よりも高圧の第2圧力で第1加圧気体がブローヘッド内に供給されるので、キャビティ内への混練砂の充填性が向上すると共に、吹き込み充填開始直後は低圧の第1圧力であるため、成形型のエジェクタピン孔やエアベントからの混練砂の吹き抜けや詰まりを防止することができ、成形型のキャビティ面及び成形型のエジェクタピン孔やエアベントの摩耗を防止することができる。
【0014】
このように、キャビティ内への混練砂の充填性が向上するので、短時間でキャビティ内へ混練砂を充填することができ、全作業工程に要する時間を短縮することができる。
また、従来の高圧の第2圧力で吹き込み充填を行う場合よりも、ブローヘッド内の混練砂の温度上昇を抑制することができ、混練砂の結合強度が劣化するのを抑制できる。
【0015】
請求項3の発明によれば、ブローヘッドと、第1加圧気体供給手段と、排気手段と、第2加圧気体供給手段と、制御手段とを備えたので、吹き込み充填後のブローヘッド内において大きな圧力変化が生じ混練砂に対する衝撃力が増す。これにより、混練砂が流動しブローヘッド内の混練砂の凹凸が小さくなり、次回の吹き込み充填時における安定した混練砂の充填性を確保することができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、第1加圧気体供給手段は、第1エアタンクと第2エアタンクを備え、第1エアタンクの加圧気体をブローヘッドに供給する第1位置と第2エアタンクの加圧気体をブローヘッドに供給する第2位置とに択一的に切換えられる切換え弁を設け、制御手段は、キャビティ内への混練砂の吹き込み充填時に、第1エアタンクの第1圧力の加圧気体の供給に続けて、第2エアタンクの第2圧力の加圧気体の供給に切換えるように切換え弁を制御するので、簡単な構成でもって、第1加圧気体を低圧の第1圧力から高圧の第2圧力に応答性よく切換え供給でき、上記請求項2と同様の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の鋳型造型方法は、各造型サイクル毎に、ブローヘッド内に第1加圧気体を供給して混練砂をキャビティ内に吹き込み充填し、ブローヘッド内の加圧気体を外部に排気し、ブローヘッド内の混練砂の凹凸を均す為にブローヘッド内の混練砂に第2加圧気体を衝撃的に作用させるものである。
【0018】
また、本発明の鋳型造型装置は、混練砂を収容するブローヘッドと、ブローヘッド内に混練砂吹き込み充填時に第1加圧気体を供給する第1加圧気体供給手段と、第1加圧気体の供給後にブローヘッド内の加圧気体を外部に排気する排気手段と、排気後にブローヘッド内の混練砂に第2加圧気体を衝撃的に供給する第2加圧気体供給手段と、第1,第2加圧気体供給手段と排気手段を制御する制御手段とを備えたものである。
【実施例】
【0019】
以下、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、鋳型造型装置1はコールドボックス鋳型造型装置であって、この鋳型造型装置1は、複数の成形型20で形成されたキャビティ21内に混練砂30を吹き込み充填することにより、例えば、シリンダブロックやシリンダヘッドのウォータジャケット用中子等の鋳型を造型する装置である。
【0020】
鋳型造型装置1は、混練砂30を収容するブローヘッド2と、所定の第1圧力の加圧エアを収容する第1エアタンク10と、第1圧力よりも高圧の第2圧力の加圧エアを収容する第2エアタンク11と、第1エアタンク10と第2エアタンク11のうち何れの加圧エアをブローヘッド2に供給するかを択一的に切換える切換え弁12と、ブローヘッド内の加圧エアを外部に排気する排気弁13(これが排気手段に相当する)と、シャッター駆動機構16と、鋳型造型装置1全体の制御を司る制御手段としてのコントローラ17等を備えている。尚、加圧エアが加圧気体に相当する。
【0021】
ブローヘッド2の下側には、内部にキャビティ21が形成された上下1対の成形型20がセットされている。ブローヘッド2には、混練砂30を収容する収容部3と、収容部3に供給される混練砂30を混練する混練部4と、収容部3と混練部4とを連通可能に開閉するシャッター5と、キャビティ21内に連通可能なブローノズル6とを有する。
【0022】
混練砂30は、フェノール樹脂とポリイソシアネート化合物からなる液状の粘結剤と溶剤とを含み、砂にこれら粘結剤と溶剤が混練されて生成されている。ブローヘッド2の上部、つまり、収容部3の上側には混練部4が設けられ、混練部4には混練砂30を混練する為の混練機19が設けられている。混練部4に粘結剤と溶剤と砂が投入され、混練機19を回転させることにより均一に混練されて混練砂30が生成される。
【0023】
混練部4の底部には、シャッター駆動機構16により開閉されるシャッター5が配設されており、コントローラ17からの指令によりシャッター駆動機構16が駆動されてシャッター5が開放されて、混練部4が収容部3に連通し、混練部4から一定量の混練砂30が自重で落下して収容部3に充填される。
【0024】
収容部3内の上端部には、収容部3内の混練砂量Vを検出する為の混練砂量検出センサ18が設けられている。この混練砂量検出センサ18は、赤外線を下方に放出して収容部3内において最上部の混練砂30により反射された赤外線を受信し、その強度によって収容部3内の混練砂量Vを検出する。
【0025】
ブローヘッド2の下端には、キャビティ21内に連結可能な4つのブローノズル6が設けられ、加圧エアによって収容部3内の混練砂30がこれらのブローノズル6を介してキャビティ21内に吹き込まれる。上側の成形型20の上壁には、4つのブローノズル6を挿入する為の挿入穴22が夫々設けられ、下側の成形型20の底壁には、キャビティ21内に吹き込まれた加圧エアを外部に排気する為の4つのエアベント23が設けられている。また、成形型20には、上側の成形型20と下側の成形型20を分離した状態で鋳型を取り出す為のエジェクタピン(図示略)が設けられている。
【0026】
ブローヘッド2の側壁において収容部3の上端部に対応する部位には、第1エアタンク10や第2エアタンク11から供給された加圧エアを収容部3内に供給する為のエア供給口3aと、収容部3内の加圧エアを外部に排気する為のエア排気口3bが夫々設けられている。エア供給口3aには、切換え弁12を介して第1エアタンク10と第2エアタンク11が接続され、エア排気口3bには、排気弁13が接続されている。
【0027】
第1エアタンク10はレギュレータ10aを有し、第2エアタンク11はレギュレータ11aを有しており、コントローラ17からの指令に基づいてこれらのレギュレータ10a,11aが制御される。エア供給源(図示略)より一定の圧力で供給された加圧エアは、収容部3内の混練砂30の嵩密度と混練砂量Vに応じた圧力となるように夫々減圧されて、第1エアタンク10と第2エアタンク11に夫々収容される。第1エアタンク10には、第1圧力(例えば0.2〜0.3MPa程度)の加圧エアが収容され、第2エアタンク11には、第1エアタンク10に収容された加圧エアよりも高圧の第2圧力(例えば0.4MPa程度)の加圧エアが収容されている。
【0028】
切換え弁12は、コントローラ17からの指令によって、第1エアタンク10の加圧エアをブローヘッド2の収容部3に供給する第1位置と、第2エアタンク11の加圧エアをブローヘッド2の収容部3に供給する第2位置と、第1エアタンク10と第2エアタンク11の何れも収容部3内と連通しない第3位置とに択一的に切換え可能に構成されている。排気弁13は、コントローラ17からの指令によって開閉可能に構成されている。
【0029】
コントローラ17は、切換え弁12と排気弁13とレギュレータ10a,11aとシャッター駆動機構16と混練砂量検出センサ18に接続されている。図4に示すように、コントローラ17は、収容部3内に第1加圧エアを供給して混練砂30を吹き込み充填し、次に収容部3内の加圧エアを外部に排気し、その後収容部3内に第2加圧エアを供給して混練砂30に第2加圧エアを作用させるように、切換え弁12と排気弁13を制御する。
【0030】
また、コントローラ17には、収容部3内の混練砂30の嵩密度と混練砂量Vに基づいて、最良の充填性が得られる第1エアタンク10と第2エアタンク11の加圧エアの圧力を夫々決定する為のテーブルが格納されており、コントローラ17は、第1エアタンク10と第2エアタンク11の加圧エアの圧力が、決定された圧力となるように各レギュレータ10a,11aを制御する。
【0031】
次に、コントローラ17で実行される各造型サイクル毎に実行される吹き込み充填制御について、図2、図3のフローチャートと、図4〜図7に基づいて説明する。尚、図中Si(i=1,2・・・)は各ステップを示し、以下の説明は鋳型造型方法についての説明を含む。
スタートスイッチ(図示略)をオンすると、先ず排気弁13を閉止し(S1)、次に、混練砂量検出センサ18で検出された混練砂量Vが読込まれる(S2)。
【0032】
混練砂30の混練砂量Vとコントローラ17に格納されたテーブルに基づいて、第1エアタンク10と第2エアタンク11から噴出させる加圧エアの圧力を夫々決定し、その圧力となるようにレギュレータ10a,11aを夫々制御する(S3)。次に、タイマーTMをリセットしてスタートし(S4)、図4に示すように、ブローヘッド2の収容部3内に、第1圧力から第2圧力に上昇する第1加圧エアを供給して混練砂30をキャビティ21内に吹き込み充填する。
【0033】
具体的には、切換え弁12を第1位置に切換えて、第1エアタンク10からの加圧エアの供給を開始する(S5)。次に、図4の時間t1が経過したか否かが判定され、時間t1が経過した場合(S6;Yes)、切換え弁12を第2位置に切換えて、第1エアタンク10からの加圧エアの供給を停止すると共に、第2エアタンク11からの加圧エアの供給を開始する(S7)。
【0034】
次に、図4の時間t2が経過したか否かが判定され、時間t2が経過した場合(S8;Yes)、切換え弁12を第3位置に切換えて、第2エアタンク11からの加圧エアの供給を停止すると共に、排気弁13を開放し収容部3内の加圧エアを外部に排気する(S9)。このとき、キャビティ21内の圧力が低下する。尚、第1エアタンク10と第2エアタンク11と切換え弁12とが第1加圧気体供給手段に相当する。
【0035】
ブローヘッド2の収容部3内に供給された第1加圧エアによってブローノズル6周辺の混練砂30がキャビティ21内に充填されるが、第1加圧エアがブローヘッド2からブローノズル6を通ってキャビティ21内に吹き込むようになっているため、例えば、図6に示すように、ブローヘッド2の収容部3内においてブローノズル6の上側の混練砂30に凹み部30a,30bが生じる。そこで、混練砂30の凹凸を均す為にブローヘッド2の収容部3内の混練砂30に第2加圧エアを衝撃的に供給する。
【0036】
具体的には、図4の時間t3が経過したか否かが判定され、時間t3が経過した場合(S10;Yes)、排気弁13を閉止すると共に、切換え弁12を第2位置に切換えて、第2エアタンク11からの加圧エアの供給を開始する(S11)と、吹き込み充填後のブローヘッド2の収容部3内において大きな圧力変化が生じ混練砂30に対する衝撃力が増す。これにより、収容部3内の混練砂30が流動し、図7に示すように、収容部3内の混練砂30の凹凸が小さくなる。尚、第2エアタンク11と切換え弁12とが第2加圧気体供給手段に相当する。
【0037】
次に、図4の時間t4が経過したか否かが判定され、時間t4が経過した場合(S12;Yes)、切換え弁12を第3位置に切換えて、第2エアタンク11からの加圧エアの供給を停止すると共に、排気弁13を開放し収容部3内の第2加圧エアを排気する(S13)。次に、混練砂量検出センサ18で検出された混練砂量Vが読込まれ(S14)、混練砂量Vが所定量よりも少ないか否かが判定され、混練砂量VがV1以下の場合(S15;Yes)、シャッター駆動機構16を作動させてシャッター5を開放し、混練部4から混練砂30を落下させて収容部3に充填する(S16)。但し、混練砂量VがV1以上の場合は(S15;No)、スタートへリターンする。
【0038】
次に、混練砂30を収容部3に充填後は、シャッター駆動機構16を作動させてシャッター5を閉止し(S17)、リターンする。
吹き込み充填後、キャビティ21内に硬化ガス(例えばトリエチルアミンガス)を導入しキャビティ21内に充填された混練砂30を硬化させて鋳型を造型する。
【0039】
次に、収容部3内の温度変化について、図4、図5、図8、図9に基づいて簡単に説明する。ここで、図4、図5は、本実施例における鋳型造型方法で吹き込み充填を行った場合の収容部3内の圧力変化と温度変化を示す線図であり、図8、図9は、従来の第2圧力で吹き込み充填を行った場合の収容部3内の圧力変化と温度変化を示す線図である。
【0040】
図4、図5に示すように、本実施例では、第1加圧エアにおいて低圧の第1圧力から高圧の第2圧力に上昇させて吹き込み充填を行っているため、図8、図9に示す従来の第2圧力で吹き込み充填で行った場合と比較すると、収容部3内の温度が低下し、それに伴い収容部3内の混練砂30の温度も低下することから、混練砂30の結合強度の劣化を抑制する効果が得られることが分かる。
【0041】
すなわち、ブローヘッド2内の混練砂30の温度が上昇すると、充填前に粘結剤の硬化反応が進み、且つ溶剤が揮発して粘結剤の粘性が上昇し、吹き込み充填時の混練砂30の流動性が低下してキャビティ21内への充填性が低下し、これらの現象により混練砂30の結合強度が低下し鋳型強度が低下する。これに対し本発明では、従来技術に比べてブローヘッド2内の混練砂30の温度上昇を抑制し、上記現象の発生を抑制する効果がある。
【0042】
次に、以上説明した鋳型造型方法とその装置1の作用、効果について説明する。
この鋳型造型装置1には、ブローヘッド2と、第1エアタンク10と、第2エアタンク11と、切換え弁12と、排気弁13と、コントローラ17が設けられ、ブローヘッド2の収容部3内に第1加圧エアを供給して混練砂30をキャビティ21内に吹き込み充填し、収容部3内の加圧エアを外部に排気した後、収容部3内の混練砂30の凹凸を均す為に収容部3内の混練砂30に第2加圧エアを衝撃的に作用させるので、吹き込み充填後の収容部3内において大きな圧力変化が生じ混練砂30に対する衝撃力が増す。
【0043】
これにより、混練砂30が流動し収容部3内の混練砂30の凹凸が小さくなり、次回の吹き込み充填時における安定した混練砂30の充填性を確保することができる。また、第1加圧エアを供給して吹き込み充填した後に、第2加圧エアを収容部3内に供給することで、キャビティ21内の混練砂30の充填性が一層高まる。しかも、第1エアタンク10と、第2エアタンク11と、切換え弁12と、排気弁13とを設け、コントローラ17は、キャビティ21内への混練砂30の吹き込み充填時に、第1エアタンク10の第1圧力の加圧エアの供給に続けて、第2エアタンク11の第2圧力の加圧エアの供給に切換えるように切換え弁12を制御するので、このような鋳型造型装置1を簡単な構成で実現できる。
【0044】
さらに、収容部3内に供給される第1加圧エアは、所定の第1圧力からこの第1圧力よりも高圧の第2圧力に上昇するので、第1圧力で第1加圧エアが収容部3内に供給される吹き込み充填開始直後においては、成形型20のエジェクタピン孔やキャビティ21内の加圧エアを排気する為のエアベント23の開口が混練砂30で覆われる。次にこの状態で第1圧力よりも高圧の第2圧力で第1加圧エアが収容部3内に供給されるので、キャビティ21内への混練砂30の充填性が向上すると共に、吹き込み充填開始直後は低圧の第1圧力であるため、成形型20のエジェクタピン孔やエアベント23からの混練砂30の吹き抜けや詰まりを防止することができ、成形型20のキャビティ面及び成形型20のエジェクタピン孔やエアベント23の摩耗を防止することができる。
【0045】
さらに、キャビティ21内への混練砂30の充填性が向上するので、短時間でキャビティ21内へ混練砂30を充填することができ、全作業工程に要する時間を短縮することができる。さらに、従来の高圧の第2圧力で吹き込み充填を行う場合よりも、収容部3内の混練砂30の温度上昇を抑制することができ、混練砂30の結合強度が劣化するのを抑制できる。また、2つのエアタンク10,11を設け、切換え弁12でこれらを切換えるように構成したので、応答性よく圧力を切換えることができる。
【0046】
次に、前記実施例を部分的に変更した変更例について説明する。
1]上記実施例において、本発明をコールドボックス鋳型造型装置に適用した例を示したが、熱硬化性混練砂を成形型のキャビティ内に吹き込み充填し、その成形型を加熱することで混練砂を硬化させるシェルモールド鋳型造型装置に適用してもよい。
【0047】
2〕上記実施例において、第1エアタンク10から第1加圧エアを供給し、第2エアタンク11から第2加圧エアを供給するように、第1エアタンク10と第2エアタンク11と切換え弁12を制御してもよいし、1つのエアタンクのみ設けて、第1加圧エアと第2加圧エアを供給するように、そのエアタンクと切換え弁12を制御してもよい。
3〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能で、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施例に係る鋳型造型装置の概略構成図である。
【図2】吹き込み充填制御のフローチャートの一部である。
【図3】吹き込み充填制御のフローチャートの残部である。
【図4】実施例における収容部内の圧力変化を示す線図である。
【図5】実施例における収容部内の温度変化を示す線図である。
【図6】第1加圧エア供給後の収容部の要部の拡大断面図である。
【図7】第2加圧エア供給後の収容部の要部の拡大断面図である。
【図8】従来の第2圧力で吹き込み充填を行った場合の収容部内の圧力変化を示す線図である。
【図9】従来の第2圧力で吹き込み充填を行った場合の収容部内の温度変化を示す線図である。
【符号の説明】
【0049】
1 鋳型造型装置
2 ブローヘッド
10 第1エアタンク
11 第2エアタンク
12 切換え弁
13 排気弁
17 コントローラ
【出願人】 【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
【出願日】 平成18年8月7日(2006.8.7)
【代理人】 【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄


【公開番号】 特開2008−36674(P2008−36674A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−214354(P2006−214354)