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【発明の名称】 中子セッティング装置および中子セッティング方法
【発明者】 【氏名】田子 隆三

【氏名】高見 透

【氏名】浅野 芳則

【氏名】水谷 博樹

【要約】 【課題】中子および主型の位置ズレや傾きに合わせて正確に中子を主型にセットできる中子セッティング装置を提供する。

【構成】多関節式ロボット1のアーム2の先端の把持爪4aにより中子9を把持して主型内に納める中子セッティング装置であって、所定位置へ運ばれた中子9を撮像し得る把持爪4a付近に設けられた1台のカメラ5と、このカメラ5からの撮像情報により中子9の位置,姿勢を演算するとともに、演算結果に基づいてロボット1の作動を制御する制御装置11を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多関節式ロボットのアーム先端の把持爪により鋳物中子を把持して主型内に納める中子セッティング装置であって、
所定位置へ運ばれた前記中子および主型を撮像し得る前記把持爪付近に設けられた1台のカメラと、
該カメラからの撮像情報により前記中子,主型の位置,姿勢を演算するとともに、該演算結果に基づいて前記ロボットの作動を制御する制御装置を
備えていることを特徴とする中子セッティング装置。
【請求項2】
前記制御装置には、前記カメラによる複数の2次元画像の相似形変化を高さ情報に変換するソフトが格納されていることを特徴とする請求項1に記載の中子セッティング装置。
【請求項3】
多関節式ロボットのアーム先端の把持爪により鋳物中子を把持して主型内に納める中子セッティング方法であって、
所定位置へ運ばれた前記中子を前記ロボットに設けたカメラで撮像し、該中子撮像情報により前記中子の位置,姿勢を演算する工程と、
該演算結果のデータを前記ロボットに送信して、前記把持爪により前記中子をそのままの姿勢で把持する工程と、
中子を把持したまま前記主型位置までロボットのアームを移動させる工程と、
主型を前記カメラで撮像し、該撮像情報により主型の位置,姿勢を演算する工程と、
中子,主型の画像計測情報を元に前記中子を前記主型にセットする工程
からなることを特徴とする中子セッティング方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳物中子を主型内にセッティングする中子セッティング装置、および中子セッティング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、CCDカメラと2次元画像処理装置を組み合わせた多関節ロボットによる中子納め装置が存在する。
【特許文献1】特開平10−85899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に開示されている中子納め装置では、中子の形状を投影平面でしか検知できず、より正確な位置検知のため、中子に位置検知専用の凹凸を付ける必要があったり、中子および中子を納める主型の正確な位置決めが必要であった。
また、高さや傾きについては認識できないため、別途高さや傾きを検知する機構が必要であり、良好に高さや傾きを検知することが困難なため、主型のズレがあると、中子を納める時に主型に傷をつけたりすることとなり、そのためロボットのハンドリング部にフローチング機構を付ける必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、主型の位置ズレや傾きに合わせて中子を毎回正確にセットすることができる中子セッティング装置および中子セッティング方法を提供するものであり、その請求項1は、多関節式ロボットのアーム先端の把持爪により鋳物中子を把持して主型内に納める中子セッティング装置であって、所定位置へ運ばれた前記中子および主型を撮像し得る前記把持爪付近に設けられた1台のカメラと、該カメラからの撮像情報により前記中子,主型の位置,姿勢を演算するとともに、該演算結果に基づいて前記ロボットの作動を制御する制御装置を備えていることである。
【0005】
また、請求項2は、前記制御装置には、前記カメラによる複数の2次元画像の相似形変化を高さ情報に変換するソフトが格納されていることである。
【0006】
また、中子セッティング方法は、多関節式ロボットのアーム先端の把持爪により鋳物中子を把持して主型内に納める中子セッティング方法であって、所定位置へ運ばれた前記中子を前記ロボットに設けたカメラで撮像し、該中子撮像情報により前記中子の位置,姿勢を演算する工程と、該演算結果のデータを前記ロボットに送信して、前記把持爪により前記中子をそのままの姿勢で把持する工程と、中子を把持したまま前記主型位置までロボットのアームを移動させる工程と、主型を前記カメラで撮像し、該撮像情報により主型の位置,姿勢を演算する工程と、中子,主型の画像計測情報を元に前記中子を前記主型にセットする工程からなることである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、多関節式ロボットのアーム先端の把持爪により鋳物中子を把持して主型内に納める中子セッティング装置であって、所定位置へ運ばれた前記中子および主型を撮像し得る前記把持爪付近に設けられた1台のカメラと、該カメラからの撮像情報により前記中子,主型の位置,姿勢を演算するとともに、該演算結果に基づいて前記ロボットの作動を制御する制御装置を備えていることにより、1台のカメラを用いて中子および主型を撮像し、中子の形状または傾きに合わせて中子を把持爪により直角方向からズレることなく把持することができて、主型の位置ズレに合わせて中子を正確に主型にセットすることができ、主型の位置ズレによる傷付き等を防ぐことができるとともに、1台のカメラであるためメンテナンスが容易であり、多少の位置ズレにも良好に対応することができるため、主型と中子の搬送装置の位置決め機構を簡単な構成とすることができる。
【0008】
また、前記制御装置には、前記カメラによる複数の2次元画像の相似形変化を高さ情報に変換するソフトが格納されていることにより、1台のカメラで複数の2次元画像を撮像して、複数の2次元画像の相似形変化より高さを演算して、中子および主型の位置および姿勢を良好に検出できるものとなる。
【0009】
また、多関節式ロボットのアーム先端の把持爪により鋳物中子を把持して主型内に納める中子セッティング方法であって、所定位置へ運ばれた前記中子を前記ロボットに設けたカメラで撮像し、該中子撮像情報により前記中子の位置,姿勢を演算する工程と、該演算結果のデータを前記ロボットに送信して、前記把持爪により前記中子をそのままの姿勢で把持する工程と、中子を把持したまま前記主型位置までロボットのアームを移動させる工程と、主型を前記カメラで撮像し、該撮像情報により主型の位置,姿勢を演算する工程と、中子,主型の画像計測情報を元に前記中子を前記主型にセットする工程からなることにより、カメラによる複数の2次元画像から中子の特徴ポイントの相似形変化を高さ情報に変換して3次元情報を得ることができ、同様に主型の3次元情報も1台のカメラによる複数の2次元画像から得られて、1台のカメラで中子と主型の位置,姿勢を検出し、中子,主型の位置ズレや傾きに合わせて中子を正確に主型にセットすることができるものとなる。
【実施例】
【0010】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、中子セッティング装置の要部平面概略構成図であり、図2は、図1の正面概略構成図である。
中子セッティング装置は、多関節式ロボット1と、中子を搬送する中子搬送装置6と、主型を搬送する主型搬送装置7で構成されており、多関節式ロボット1から延びるアーム2の先端には、ローダー3を介してハンドリング機構4が設けられており、このハンドリング機構4には、中子を把持する把持爪4aが設けられている。
また、ハンドリング機構4の把持爪4aの近傍には1台のカメラ5が設けられており、このカメラ5は、LEDランプ付きの単眼のCCDカメラで構成されている。
【0011】
中子搬送装置6は、中子治具パレット8上に中子9を載せて搬送し、簡単な位置決めストッパーで位置決めされて所定位置に中子9が停止されるように構成されており、所定位置に停止された中子9を前記カメラ5で撮像できるものであり、多関節式ロボット1のハンドリング機構4の角度および方向を変えてカメラ5で中子9を撮像できるものである。
【0012】
この中子搬送装置6に、例えば直交状に主型搬送装置7が配置されており、主型搬送装置7上に主型10が載せられて搬送され、簡単な位置決めストッパーで位置決めされて多関節式ロボット1に対する所定位置で主型10が停止されるものであり、この停止した主型10を多関節式ロボット1のカメラ5で撮像できるように構成されている。
【0013】
なお、この場合も、ハンドリング機構4が例えばサーボモータでXYZ方向に作動できる構成であれば、ハンドリング機構4の角度および方向を変えて主型10をカメラ5で撮像できるものである。
このカメラ5は、制御装置であるパソコン11に接続されており、また、パソコン11は多関節式ロボット1の動作を制御できるように多関節式ロボット1に接続されており、パソコン11内には画像処理ソフトおよび画像演算ソフトが格納されている。
【0014】
中子セッティング装置の動作を以下に説明する。
先ず、中子搬送装置6で所定位置に搬送されて停止された中子9をカメラ5で撮像する。
カメラ5の画像は、中子9の形状の特徴(円形,四角形,エッジ等)を検出するためのポイントとして用いられるものであり、カメラ5による画像はアナログまたはデジタルの2次元画像であり、パソコン11内でアナログ画像はデジタル画像に変換され、その後、フィルタリングをかけて画像の質を向上させ、デジタル画像は、そのままフィルタリングをかけて画像の質を向上させて、複数の画像から中子9の位置,姿勢を算出するものである。
【0015】
パソコン11内の画像演算ソフトでは、図3に示すように、Aの状態で見える例えば四角形の中子9と、Bの状態で見える中子9がある場合、このAとBは相似形であり、その縮小あるいは拡大の割合から相似形変化を高さ情報に変換して、Z軸方向の高さを算出することができ、最初にカメラ5と中子9間の距離が測定されていれば、中子9の高さを正確に算出できるものであり、この高さ情報を含む3次元情報により中子の位置,姿勢が演算されて、この演算結果のデータをパソコン11から多関節式ロボット1に送信して、多関節式ロボット1を作動させ、多関節式ロボット1のハンドリング機構4の把持爪4aにより中子9をそのままの姿勢で掴むことができるものである。
【0016】
即ち、把持爪4aを通常は垂直方向に降下させて中子9の上方より掴むのであるが、中子9に傾きが生じているような場合には、図4に示すように、中子9の傾きに応じて把持爪4aの傾きを制御し、把持爪4aで中子9を直角方向から正確に把持することができ、そのため把持爪4aで把持した後に、中子9が把持爪4aからズレることがない。
このように、中子を正しい姿勢で把持した後、中子9を掴んだまま多関節式ロボット1のアーム2を主型10の位置まで移動させ、次に主型10をカメラ5にて撮像し、主型10の複数の2次元画像からパソコン11内で主型の位置,姿勢を演算し、主型10に位置ズレが生じている場合でも、演算結果に基づいて中子9を主型10内の正確な位置にセットすることができ、主型10を傷つけることなく中子9をセットできるものである。
【0017】
このように、中子9を主型10の位置ズレや傾きに合わせて毎回正確にセットできるものであり、そのため、中子搬送装置6や主型搬送装置7の位置決め機構は簡単な機構で構成することができ、多少の位置ズレが生じていても正確に中子がセットできるものである。
また、中子9の形状や傾きに合わせて、把持爪4aで直角方向から中子9を把持することができ、中子9の損傷も防ぐことができるものである。
【0018】
また、本例では、カメラ5は1台であるためメンテナンスが容易であり、カメラ5の照明はLEDランプで構成しておけば、長寿命で、コストを低減させることができるものである。
なお、パソコン11内では、カメラ5で撮像した複数の画像の相似形変化を高さ情報に変換し、3次元情報を得て中子9や主型10を立体的に認識し、これをロボットのハンドリング機構4にフィードバックして制御することができるものであるため、機種選別もできるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】中子セッティング装置の概略平面構成図である。
【図2】図1の正面概略構成図である。
【図3】画像の相似形変化を高さ情報へ変換する際の作用説明図である。
【図4】中子の傾きに応じて把持爪で直角方向から把持する状態の作用説明図である。
【符号の説明】
【0020】
1 多関節式ロボット
2 アーム
4 ハンドリング機構
4a 把持爪
5 カメラ
6 中子搬送装置
7 主型搬送装置
8 中子治具パレット
9 中子
10 主型
11 パソコン
【出願人】 【識別番号】000142883
【氏名又は名称】株式会社五十鈴製作所
【識別番号】500588075
【氏名又は名称】トークエンジニアリング株式会社
【出願日】 平成18年7月25日(2006.7.25)
【代理人】 【識別番号】100086520
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義久


【公開番号】 特開2008−23590(P2008−23590A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−202636(P2006−202636)