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【発明の名称】 成型金型装置
【発明者】 【氏名】藤屋 順三

【氏名】西 昇一

【氏名】原田 淳志

【要約】 【課題】軽合金製分割型のピン挿通孔の磨耗性を防止すると共に、分割型を中空としたような場合でも、分割型ひいては成形金型の剛性及び強度を十分に確保することができる成形金型装置を提供する。

【構成】エジェクターピン17…17が挿通される下型2(分割型)を、キャビティ構成面を有するキャビティ側の壁部2dと、側壁部2eと、底板2b(支持板)とで構成して、中空体とする。壁部2dと底板2bとには、対向する位置に前記エジェクターピン17…17を挿通するピン挿通孔2c…2c,20a…20aを設ける。ピン挿通孔2c…2c,20a…20a同士を中空空間内で連結し、エジェクターピン17…17を挿通する筒状の該耐磨耗性スリーブ41…41を設ける。耐磨耗性スリーブ41…14における壁部2d側の端部を、ピン挿通孔2c…2cに挿通して嵌合固定すると共に、底板2b側の端部を底板2bに固定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の軽合金製分割型で構成される成形金型のキャビティ内に成形された成形品を押出すエジェクターピンが備えられた成形金型装置であって、
前記エジェクターピンが挿通される分割型は、中空体とされ、キャビティ構成面を有するキャビティ側の壁部と、該キャビティ側の壁部に接続された側壁部と、前記キャビティ側の壁部に対向し、前記側壁部の端縁部に中空空間を塞ぐように固定された支持板とを有し、
前記キャビティ側の壁部と支持板とには、対向する位置に前記エジェクターピンが挿通されるピン挿通孔がそれぞれ設けられていると共に、
対向するピン挿通孔同士を中空空間内で連結し、前記エジェクターピンが挿通される筒状の該耐磨耗性スリーブが設けられており、該耐磨耗性スリーブにおけるキャビティ側の壁部側の端部が、該壁部に設けられた前記ピン挿通孔に挿通されて嵌合固定されていると共に、支持板側の端部が支持板に固定されていることを特徴とする成型金型装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載の成型金型装置において、
前記エジェクターピンが挿通される分割型は、ジュラルミン製であり、キャビティに鋳物砂を充填して鋳型を造型するものであることを特徴とする成型金型装置。
【請求項3】
前記請求項1または請求項2に記載の成型金型装置において、
前記成形金型は、分割型として上型と下型とを有すると共に、
上型及び下型には、型締め時に互いに当接する第1受け部材及び第2受け部材が設けられていることを特徴とする成型金型装置。
【請求項4】
前記請求項3に記載の成型金型装置において、
前記第1受け部材は上型をセットする際のガイド機能を有し、前記第2受け部材は下型をセットする際のガイド機能を有することを特徴とする成型金型装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の軽合金製分割型で構成される成形金型のキャビティ内に成形された成形品を押出すエジェクターピンが備えられた成形金型装置に関し、金型装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
成形金型装置は、上型及び下型等の分割型で構成される成形金型と、エジェクターユニットとを有し、上型や下型の複数のピン挿通孔に挿入されて先端がキャビティに臨んで設けられた複数のエジェクタービンをキャビティ側に移動させることで、成形品を上型や下型から離脱させるようになっている。
【0003】
この種の成形金型装置においては、前記上型や下型の段替えの容易化のため、これらの型の軽量化が望まれており、その手段として例えば上型や下型を軽合金により構成することが考えられる。しかし、軽合金製の型は、例えば鉄製の型と比べて耐磨耗性に劣るため、前記エジェクターピンと型との摺動によりピン挿通孔が磨耗し、造型不具合を招く虞がある。これに対処するものとして、例えば、特許文献1には、軽合金製の型のピン挿通孔の出口部に耐磨耗性部材を埋設して、ピン挿通孔の内周面とエジェクターピンの外周面とが直接当接しないように構成し、これにより、ピン挿通孔の磨耗を防止したものが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−277010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、段替え作業の更なる容易化のためには、成形金型の更なる軽量化が望まれるところであり、これを実現する手段として、分割型を肉抜き等により中空体とすることが考えられるが、このようにした場合、分割型の剛性及び強度が低下するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、軽合金製分割型のピン挿通孔の磨耗性を防止すると共に、分割型を中空としたような場合でも、分割型ひいては成形金型の剛性及び強度を十分に確保することができる成形金型装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
【0008】
まず、本願の請求項1に記載の発明は、複数の軽合金製分割型で構成される成形金型のキャビティ内に成形された成形品を押出すエジェクターピンが備えられた成形金型装置であって、前記エジェクターピンが挿通される分割型は、中空体とされ、キャビティ構成面を有するキャビティ側の壁部と、該キャビティ側の壁部に接続された側壁部と、前記キャビティ側の壁部に対向し、前記側壁部の端縁部に中空空間を塞ぐように固定された支持板とを有し、前記キャビティ側の壁部と支持板とには、対向する位置に前記エジェクターピンが挿通されるピン挿通孔がそれぞれ設けられていると共に、対向するピン挿通孔同士を中空空間内で連結し、前記エジェクターピンが挿通される筒状の該耐磨耗性スリーブ部材が設けられており、かつ、該耐磨耗性スリーブ部材におけるキャビティ側の壁部側の端部が、該壁部に設けられた前記ピン挿通孔に挿通されて嵌合固定されていると共に、支持板側の端部が支持板に固定されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の成型金型装置において、前記エジェクターピンが挿通される分割型は、ジュラルミン製であり、キャビティに鋳物砂を充填して鋳型を造型するものであることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の成型金型装置において、前記成形金型は、分割型として上型と下型とで構成されていると共に、上型及び下型には、型締め時に互いに当接する第1受け部材及び第2受け部材が固定されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の成型金型装置において、前記第1受け部材は上型をセットする際のガイド機能を有し、前記第2受け部材は下型をセットする際のガイド機能を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
次に、本発明の効果について説明する。
【0013】
まず、請求項1に記載の発明によれば、前記エジェクターピンが挿通される分割型は、キャビティ構成面を有するキャビティ側の壁部と、該キャビティ側の壁部に接続された側壁部と、前記キャビティ側の壁部に対向し、前記側壁部の端縁部に中空空間を塞ぐように固定された支持板とで構成され、中空体とされているので、該分割型、ひいては成形金型装置全体が軽量化される。
【0014】
その場合に、前記キャビティ側の壁部と支持板とには、対向する位置に前記エジェクターピンが挿通されるピン挿通孔がそれぞれ設けられていると共に、対向するピン挿通孔同士を中空空間内で連結し、前記エジェクターピンが挿通される筒状の該耐磨耗性スリーブが設けられており、かつ、該耐磨耗性スリーブにおけるキャビティ側の壁部側の端部が、該壁部に設けられた前記ピン挿通孔に挿通されて嵌合固定されていると共に、支持板側の端部が支持板に固定されているので、エジェクターピンが挿通される分割型のピン挿通孔の磨耗を防止することができると共に、該分割型の剛性・強度、特にキャビティ構成面を有するキャビティ側の壁部が該耐磨耗性スリーブを介して支持板に支持されることとなり、該壁部の剛性・強度が飛躍的に向上することとなる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明によれば、キャビティに鋳物砂を充填して鋳型を造型するジュラルミン製の分割型において、請求項1に記載の作用効果が得られることとなる。
【0016】
そして、請求項3に記載の発明によれば、前記成形金型は、分割型として上型と下型とを有すると共に、上型及び下型には、型締め時に互いに当接する第1受け部材及び第2受け部材が設けられているから、型締め荷重を第1受け部材と第2受け部材との当接により受けることができるようになり、上型及び下型の変形を防止し、かつ耐久性を向上させることができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明によれば、前記第1受け部材は上型をセットする際のガイド機能を有し、前記第2受け部材は下型をセットする際のガイド機能を有するから、上型及び下型をセットするのが容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る成型金型装置について説明する。
【0019】
図1は成形装置1の下型2側の平面図(装置の手前側半分のみを示しており、奥側半分はほぼ手前側と対称に構成されている)、図2は図1のA,A断面図である。この成形装置1は、下型2と上型3とでなる成形金型MのキャビティXに、砂と粘結剤を混合した混練砂(鋳物砂に相当する)及び所定の硬化用ガス(アミンガス)を充填して、混練砂を硬化させることでエンジンのポート中子を成形する装置である。この成形装置1は、上記成形金型M以外にも3組、あわせて4組の成形金型をセットすることができ、前記ポート中子以外にもシリンダヘッドの側壁部等の型を1作業周期において同時に成形可能に構成されている。
【0020】
図1、図2に示すように、下型2を取り付けて固定する下部構造4には、本体ケース8、エジェクターユニット装着部9、エジェクターユニット5を駆動する駆動機構10、下型装着部11、下型装着部11に装着された下型2を支持する下型プレート12、下型2を下型プレート12に固定する複数のクランプ機構13…13、エジェクターユニット装着部9に装着されたエジェクターユニット5をロック状態にするロックバー19などが設けられている。本体ケース8の左端面には、開閉板8aがその下端部においてヒンジ結合されている。なお、図1、図2では、クランプ機構13…13によるクランプが解除された状態を示し、仮想線で、楔が前進して下型2の凹部(点線で示す)に嵌合してクランプされている状態を示す。
【0021】
エジェクターユニット5は、エジェクタープレート14とその下面に固定されるエジェクタープレート押え板15とからなる本体プレート16と、この本体プレート16から上方へ突出するように本体プレート16に立段された複数のエジェクターピン17…17と、本体プレート16の下面から下方へ突出して設けられた複数のロック用係合片18…18などを有する。エジェクターユニット5をエジェクターユニット装着部9にセット後、ロックパー19を図2の左方から右方ヘスライドさせて複数のロック用係合片18…18に係合させることでエジェクターユニット5が駆動機構10に固定される(図2は右方ヘスライドさせた状態を示している)。
【0022】
このエジェクターユニット5には、鋼板製のガイドプレート20が着説可能に装着されている。このガイドプレート20は、複数のエジェクターピン17…17をガタ付きなく挿通させる複数のガイド孔20a…20aを有し、ガイドプレート20の外周部の相互に離隔した3個所には、エジェクターユニット装着部9に装着されたガイドプレート20を下型プレート12に形成された3個所の位置決め保持部21…21に保持して位置決めする被位置決め保持部20b…20bが一体的に形成されている。
【0023】
ガイドプレート20は、エジェクターユニット5をエジェクターユニット装着部9にセットして固定した状態において、複数のエジェクターピン17…17の中段高さ位置を複数のガイド孔20a…20aで位置規制することにより複数のエジェクターピン17…17を鉛直姿勢に保持し、下型2を下型装着部11に装着する際に、複数のエジェクターピン17が下型2の複数のピン挿通孔2c…2c(詳しくは、後述するように挿通孔2c…2cに挿通されたスリーブ41…41の孔)に円滑に挿入できるようにする.為のものである。
【0024】
駆動機構10は、エジェクターユニット5の本体プレート16を載置して固定する昇降プレート24と、この昇降プレート24の4隅に立設された4本のリターンロッド25…25と、昇降プレート24の下面に突設された複数の脚部材26…26と、脚部材26…26の下端が載置され、図示外のエジェクターシリンダのロッド27の上端に固定された駆動板28とを有する。
【0025】
下型2は、ジュラルミン製であり、箱状の中空体とされ、キャビティ構成面を有するキャビティ構成壁部2dと、該キャビティ構成壁部2dに接続され、その縁部から該壁部2dに対して直交する方向に広がる側壁部2eとを有する下型本体2aと、該下型本体2aのキャビティ構成壁部2dに対向し、側壁部2eの端縁部に中空空間を塞ぐように固定された軽合金製の底板2bとを有している。キャビティ構成壁部2d及び底板2bには、それぞれ、対向する位置に、エジェクターユニット5の複数のエジェクターピン17…17をキャビティXに導入する為の複数のピン挿通孔2c…2c,2h…2hが鉛直に形成されている。ここで、本実施の形態で用いる下型2のジュラルミン素材について一例として説明すると、化学成分は、Siが0.40%以下、Feが0.50%以下、Cu1.2〜2.0%、Mnが0.30%以下、Mgが2.1〜0.9%、Znが5.1〜6.1%、Crが0.18〜0.28%、Ti+Zrが0.25%以下、Tiが0.20%以下、Alが残りであり、機械的性質は、調質がT651、引張強さが560N/平方mm、耐力が490N/平方mm、伸びが12%、ブリネル硬さが155(10/500)のものである。
【0026】
ここで、下型2を中空状に肉抜きすると、該下型2の剛性や強度が低下しやすくなる。そこで、キャビティ構成壁部2dの反キャビティX側の面には、図3に示すように、キャビティ構成壁部2d等を補強するためのリブ壁2f…2fが縦横に形成されている。また、図4にも示すように、底板2bとキャビティ構成壁部2dとの間には、対向するピン挿通孔2c…2c,2h…2h同士を下型2の中空空間内で連結し、前記エジェクターピン17…17が挿通される筒状のスリーブ41…41が設けられている。図5に示すように、これらのスリーブ41…41におけるキャビティ構成壁部2d側の端部(上端部)には小径部41aが形成されており、該小径部41aがキャビティ構成壁部2dのピン挿通孔2c…2cに挿通嵌合され、該ピン挿通孔2c…2cの周壁部2iの下端とスリーブ41…41の段差面41dとが当接した状態となっている。また、スリーブ41…41における底板2b側の端部(下端部)は、底板2bの上面に形成された凹部2jに嵌合固定されている。
【0027】
ここで、これらのスリーブ41…41は、エジェクターピン17…17との摺動による摩耗や、スリーブ41…41内に侵入してきた鋳物砂との摺動による摩耗を防止するため、耐磨耗性素材を用いて形成されている。本実施の形態で用いるスリーブ41の素材について一例として説明すると、JISでSKD61、化学成分は、Cが0.39%、Siが1.0%、Mnが0.65%、Pが0.030%以下、Sが0.130%、Crが5.15%、Moが1.40%、Vが0.55%、Feが残りであり、機械的性質は、硬さが40(HRC)、0.2%耐力が1060(MPa)、引張強さが1240MPa、伸びが2%、絞りが20%のものである。そして、表面に窒化処理が施されている。一方、エジェクターピン17は、JISでSK4またはSK3のものが用いられている。
【0028】
下型プレート12上には、前記4本のリターンロッド25…25が摺動可能に挿通されるガイドロッド35が立設されている。このガイドロッド35は、図1に示すように平面視で下型2の左右のガイド溝2gとほぼ同形状とされており、下型2を上方からセットするときに、ガイド溝2gとガイドロッド35とを係合させて降下させることで、所定位置にセットされるようになっている。つまり、ガイドロッド35は、下型2をセットするときのガイド機能を有している。
【0029】
そして、下型2は、このようにガイドされて下型装着部11にセットしてから、複数のクランプ機構13…13により下型プレート12に固定される。
【0030】
上型3を取り付けて固定する上部構造6は、厚板状の上型プレート31と、上型プレート31の下面に上型3を固定する複数対のクランプ機構32と、前記下型2側の4本のガイドロッド35…35と平面視で重なる位置に4つのガイドロッド33…33などを備えている。そして、型締め時には、下型2側の4本のガイドロッド35…35の上端面35a…35aと、上型3側の4本のガイドロッド33…33の下端面33a…33aとが当接し、これにより、型締め荷重を受けるようになっている。なお、これらのガイドロッド33は、下型2側のガイドロッド35…35同様、上型2に形成された図示しないガイド溝と平面視でほぼ同形状とされて係合可能とされており、上型3をセットするときのガイド機能を有している。また、下型2側のガイドロッド35…35の上端面には、上型3側のガイドロッド33…33の下端に設けられた図示しない凸部に型締め時に係合可能な位置決め用凹部35bが形成されている。上部構造6は、成形装置1の上型昇降機構(図示略)に連結され、成形品の取り出しタイミング毎に所定ストローク上昇駆動される,
【0031】
上型3は、ジュラルミン製であり、下型本体2aとでキャビティXを形成する上型本体3aと、この上型本体3aの上端を塞ぐ軽合金製の底板3bとを有する。なお、詳しい説明は省略するが、上型3に対しても本発明は適用可能である。
【0032】
この成形装置1には、上部構造6の上方に、上下に移動可能なブローヘッド(図示略)が配設されており、該プローヘッドは、混練砂を収容するタンクと、このタンクの底板に付設された複数のプローノズルN(図2に仮想線で上型プレート31の挿通孔に挿通してキャビティXに臨ませた状態を示す)と、タンクの底板に下方に向けて突設された複数のガイドピンと、プローヘッド移動機構(図示略)に連結する為の複数の連結部材などを備えている。
【0033】
また、この成形装置1には、硬化用ガスを充填する為の成形ユニット(図示略)も設けられていて、ブローヘッドによりキャビティX内へ混練砂を充填してからブローヘッドが退避して、そこに成形ユニットがセットされ、成形ユニットにより成形金型MのキャビティX内へ硬化用ガス(アミンガス)が充填されて成形品を硬化させる処理が実行され、その後、下型2から上型3を型開きするのと並行して成形ユニット側の上型エジェクターユニットが作動され、その型開き後に下型側エジェクターユニット5が作動されて成形品が下型2から離脱され、外部へ搬出される。
【0034】
ここで、成形金型Mの段替え方法について説明しておく。成形装置1に対して、キャビティXを有する成形金型Mとエジェクターピン17…17を備えたエジェクターユニット5とを段替えする際には、次の手順を踏んで行う。最初の準備工程において、エジェクターユニット5の複数のエジェクターピン17…17をガイドプレート20の複数のガイド孔20a…20aに挿通させた状態にしてガイドブレート20をエジェクターユニット5の本体プレート16上に載置したものを予め準備する。
【0035】
このガイドプレート20には、複数のガイド孔20a…20aが、エジェクターユニット5の複数のエジェクターピン17…17に夫々対応する位置に且つ対応するエジェクターピン17…17をガタ付きなしに挿通可能に予め形成されていると共に、前記の3つの被位置決め保持部20b…20bが予め形成されている。
【0036】
次にエジェクターユニットセット工程において、ガイドプレート20を載置したエジェクターユニット5を成形装置1のエジェクターユニット装着部9に装着して駆動機構10にセットすると共に、ガイドプレート20を下型ホルダである下型プレート12の位置決め保持部21に位置決め保持してエジェクターユニット5の本体プレート16から上方へ所定距離だけ離間させ、ガイドプレート20の複数のガイド孔20a…20aで複数のエジェクターピン17…17の中段高さ位置を位置規制することにより、複数のガイド孔20a…20aで複数のエジェクターピン17…17を鉛直姿勢に保持する。
【0037】
次に下型セット工程において、下型2を作業者が手で支持しながら下型2を下型装着部11に装若し、下型2の複数のピン挿通孔2c…2c(正確には挿通孔2c…2cに挿通されたスリーブ41…41の孔)に複数のエジェクターピン17…17を挿入した状態で下型2を下型ホルダである下型プレート12にセットし、複数対のクランブ機構13により下型2を下型プレート12に固定する。
【0038】
次に上型セット工程において、下型2上に上型3をセットする。その後、上部構造6を下降させ、クランプ機構32…32により上型プレート31の下面に上型3を固定する。このようにして成形金型Mの段替えを終了すると、成形可能な状態になる。
【0039】
次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0040】
まず、下型2は、キャビティ面構成面を有するキャビティX側のキャビティ構成壁部2dと、該キャビティ構成壁部2dに接続された側壁部2eと、前記キャビティ構成壁部2dに対向し、前記側壁部2eの端縁部に中空空間を塞ぐように固定された底板2bとで構成され、中空体とされているので、下型2、ひいては成形装置1全体が軽量化される。
【0041】
その場合に、前記キャビティ構成壁部2dと底板2bとには、対向する位置に前記エジェクターピン17…17が挿通されるピン挿通孔2c…2c,2h…2hがそれぞれ設けられていると共に、対向するピン挿通孔2c…2c,2h…2h同士を中空空間内で連結し、前記エジェクターピン17…17が挿通される筒状の該耐磨耗性スリーブ41…41が設けられており、かつ、該耐磨耗性スリーブ17…17におけるキャビティ構成壁部2d側の端部が、該壁部2dに設けられた前記ピン挿通孔2c…2cに挿通されて嵌合固定されていると共に、底板2b側の端部が底板2bに固定されているので、エジェクターピン17…17が挿通される下型2のピン挿通孔2c…2cの磨耗を防止することができると共に、該下型2の剛性・強度、特にキャビティ構成面を有するキャビティX側のキャビティ構成壁部2dが該耐磨耗性スリーブ41…41を介して底板2bに支持されることとなり、該壁部2dの剛性・強度が飛躍的に向上することとなる。
【0042】
そして、型締め時に上型3側のガイドロッド33の下端面33aと下型2側のガイドロッド35の上端面33aとが当接するように構成されているから、型締め荷重をこれらの部材33,35の当接により受けることができるようになり、ジュラルミン製金型の変形を防止し、かつ耐久性を向上させることができる。
【0043】
また、ガイドロッド33は、上型3をセットする際のガイド機能を有し、ガイドロッド35は、下型2をセットする際のガイド機能を有するから、これらの型をセットするのが容易になる。
【0044】
なお、本実施の形態では混練砂を用いて吸気ポート用砂中子を成形する成形装置に本発明を適用した例について説明したが、砂中子以外の種々の金属製または合成樹脂製の成形品を成形する成形装置にも本発明を同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、複数の軽合金製分割型で構成される成形金型のキャビティ内に成形された成形品を押出すエジェクターピンが備えられた成形金型装置に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態に係る成形金型装置の下型の平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】下型本体の下面図である。
【図4】図2における左側部分の拡大図である。
【図5】図4のB部分の拡大図である。
【符号の説明】
【0047】
1 成形装置(成形金型装置)
2 下型(分割型、エジェクターピンが挿通される分割型)
2b 底板(支持板)
2c…2c ピン挿通孔
2d キャビティ構成壁部(キャビティ構成面を有するキャビティ側の壁部)
2e 側壁部
3 上型(分割型)
17…17 エジェクターピン
33…33 ガイドロッド(第1受け部材)
35…35 ガイドロッド(第2受け部材)
41…41 耐磨耗性スリーブ
X キャビティ
【出願人】 【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
【出願日】 平成18年7月25日(2006.7.25)
【代理人】 【識別番号】100083013
【弁理士】
【氏名又は名称】福岡 正明


【公開番号】 特開2008−23580(P2008−23580A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−201702(P2006−201702)