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【発明の名称】 鋳物砂製造方法およびその装置
【発明者】 【氏名】伊藤 勝美

【氏名】兵頭 知樹

【氏名】岸 友三

【要約】 【課題】原料砂へのレジンの被着・冷却・硬化を最適なタイミングで行うことができる鋳物砂製造方法およびその装置を目的とするものである。

【構成】混練槽温度t1に基いて混練槽3内に原料砂投入を行い、砂温度st1に基いて砂中へのレジン供給を行い、攪拌用モータ6のピーク負荷電流i1に基いてヘキサ水供給を行い、砂温度st2に基いてステカル供給を行い、低下負荷電流i2と砂温度st3とに基いて鋳物砂の排出を行う方法及び原料砂の投入口1a、レジン供給口7、ステカル供給口8、ヘキサ水供給口および鋳物砂の排出口1bを設けた混練槽3の天板部に、攪拌羽根4と混練ローラ5を駆動する攪拌用モータ6を取り付け、混練槽温度t1の検出と砂温度st1、st2、st3とを検出する温度検出手段と、攪拌用モータ6のピーク負荷電流i1および前記砂温度st3条件に加えられる低下負荷電流i2を検出する攪拌用モータ6の負荷電流検出手段とを設けた装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度調整自在な筒状の混練槽に設けられた温度検出手段により検出された混練槽温度t1に基いて混練槽内に原料砂投入を行い、また、前記温度検出手段により検出された砂温度st1に基いて砂中へのレジン供給を行い、負荷電流検出手段により検出された攪拌用モータのピーク負荷電流i1に基いてヘキサ水供給を行い、さらに、前記温度検出手段により検出された砂温度st2に基いてステカル供給を行うとともに、前記負荷電流検出手段により検出された低下負荷電流i2と温度検出手段により検出された砂温度st3とに基いて混練処理を完了し鋳物砂の排出を行うことを特徴とする鋳物砂製造方法。
【請求項2】
ステカル供給が砂温度st2と混練槽湿度ht1とに基くことを特徴とする請求項1に記載の鋳物砂製造方法。
【請求項3】
原料砂の投入口、レジン供給口、ステカル供給口、ヘキサ水供給口および鋳物砂の排出口を設けた筒状の混練槽の天板部に、槽内に配置させた攪拌羽根と混練ローラを駆動する攪拌用モータを取り付け、また、砂投入時期を決定する混練槽温度t1の検出とレジンとステカルの供給時期を決定する砂温度st1、st2と混練処理を完了して鋳物砂の排出を決定する一つの条件となる砂温度st3とを検出する温度検出手段と、ヘキサ水の供給時期を決定する攪拌用モータのピーク負荷電流i1および混練処理を完了して鋳物砂の排出を決定する前記砂温度st3条件に加えられる低下負荷電流i2を検出する攪拌用モータの負荷電流検出手段とを設けたことを特徴とする鋳物砂製造装置。
【請求項4】
混練槽に混練槽湿度ht1を検出する湿度検出手段が設けられることを特徴とする請求項2に記載の鋳物砂製造装置。
【請求項5】
混練ローラが混練槽に投入される原料砂の供給レベルより高位置に配置されるばね材よりなる取付ブラケットを介して攪拌用モータに取り付けられることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の鋳物砂製造装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
新砂や再生砂等の原料砂にレジンを溶融被覆させて鋳物砂を得る鋳物砂製造方法およびその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鋳物砂の再生する際、攪拌機の攪拌負荷値を測定し、測定された攪拌負荷値を所望値とするように、所定量の補給材を混練槽に添加して混練するものがある(例えば、特許文献1参照)。また、駆動モータの負荷動力値を検出し、負荷動力値が所定値以下に達したことを所定時間連続して検出されることにより必要な混練度合いが得られた鋳物砂を排出させるものがある。(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
しかし、特許文献1では攪拌負荷値、すなわち鋳物砂の流動性に基き補給材を添加して最適な流動性を得るものであり、鋳物砂の混練処理工程のタイミングを決定するものではありません。また、特許文献2では、駆動モータの負荷動力値は初期砂、中間砂、混練終了砂全ての混練度合いに基くため、鋳物砂の排出タイミングが必ずしも最適化されないという問題があり、鋳物砂の混練処理工程全体のタイミングを最適化して効率よく鋳物砂を製造する装置の開発が要望されていた。
【特許文献1】特開平7−232233号公報
【特許文献2】特開平8−257679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、原料砂へのレジンの被着・冷却・硬化を最適なタイミングで行うことができる鋳物砂製造方法およびその装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、温度調整自在な筒状の混練槽に設けられた温度検出手段により検出された混練槽温度t1に基いて混練槽内に原料砂投入を行い、また、前記温度検出手段により検出された砂温度st1に基いて砂中へのレジン供給を行い、負荷電流検出手段により検出された攪拌用モータのピーク負荷電流i1に基いてヘキサ水供給を行い、さらに、前記温度検出手段により検出された砂温度st2に基いてステカル供給を行うとともに、前記負荷電流検出手段により検出された低下負荷電流i2と温度検出手段により検出された砂温度st3とに基いて混練処理を完了し鋳物砂の排出を行う鋳物砂製造方法と、原料砂の投入口、レジン供給口、ステカル供給口、ヘキサ水供給口および鋳物砂の排出口を設けた筒状の混練槽の天板部に、槽内に配置させた攪拌羽根と混練ローラを駆動する攪拌用モータを取り付け、また、砂投入時期を決定する混練槽温度t1の検出とレジンとステカルの供給時期を決定する砂温度st1、st2と混練処理を完了して鋳物砂の排出を決定する一つの条件となる砂温度st3とを検出する温度検出手段と、ヘキサ水の供給時期を決定する攪拌用モータのピーク負荷電流i1および混練処理を完了して鋳物砂の排出を決定する前記砂温度st3条件に加えられる低下負荷電流i2を検出する攪拌モータの負荷電流検出手段とを設けた鋳物砂製造装置であり、該鋳物砂製造方法において、ステカル供給が砂温度st2と混練槽湿度ht1とに基くものとすればより好ましいものとなる。また、鋳物砂製造装置において、混練槽に混練槽湿度ht1を検出する湿度検出手段を設たり、混練ローラが混練槽に投入される原料砂の供給レベルより高位置に配置されるばね材よりなる取付ブラケットを介して攪拌用モータに取り付けたものとすればより好ましいものとなる。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、負荷電流検出手段により攪拌用モータに流れるピーク負荷電流i1や低下負荷電流i2を検出するとともに、温度検出手段により混練槽温度t1または砂温度st1、st2、st3を検出し、検出された該混練槽温度t1または砂温度st1、st2、st3および検出された攪拌用モータのピーク負荷電流i1や低下負荷電流i2に基いて原料砂投入や、レジン供給、ヘキサ水供給、ステカル供給および混練処理を完了して鋳物砂の排出を制御するものであるから、各処理を最適なタイミングで行うことができ鋳物砂を効率よく短時間で製造することができるものとなる。しかも、ステカルによる砂処理が完了したら直ちに鋳物砂を排出するから、混練を必要以上繰り返すことにより砂に被着されたレジンの剥離が生じることを防止できる。このため鋳造システムに組み込めば鋳物砂の供給が安定し成形品を効率よく生産することができる。しかも、鋳物砂の供給が安定するため大量の鋳物砂をバックアップ用に保管する必要がなくなるので省スペースとなる。
【0007】
請求項2のように、ステカル供給が砂温度st2と混練槽湿度ht1とに基くものとすれば、砂中の水分量をステカル処理に最適なものとすることができるので効率よく砂を分散して流動性を与えることができるものとなる。
【0008】
請求項5のように、混練ローラが混練槽に投入される原料砂の供給レベルより高位置に配置されるばね材よりなる取付ブラケットを介して攪拌用モータに取り付けられるものとすることにより、取付ブラケットは原料砂に触れることがないので、攪拌用モータの負荷電流値の変動が主に攪拌羽根が受ける砂の粘性によるものに限定され、より高い精度で砂の粘性を検出することができる。
【0009】
また、取付ブラケットが砂による抵抗を受けないので攪拌用モータへの負荷が減り電力消費を低減できるうえに、取付ブラケットは砂と接触することがないので砂による摩耗がなく長期耐用でき、ランニングコストを低減できるものとなる。また、取付ブラケットはばね材のため混練ローラにより砂に必要以上の押圧力が加えられることがないので、砂を破砕することを防止できるうえに、槽に付着固化した砂にぶつかってもばね材により混練ローラは逃げるので攪拌用モータに大きな負荷が加わることがなく、攪拌モータの負荷電流変動を抑えられるうえに電力消費を低減できるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図1〜4に基づいて詳細に説明する。
図中、1は原料砂にコーティング用のレジンを溶融被覆する混練機であり、該混練機1には混練槽3の底部と側部に滞留する砂を分散させる攪拌羽根4と、混練槽3の周胴壁に沿って回転して砂を押圧してレジンを被着させる混練ローラ5と、攪拌羽根4と混練ローラ5を回動させる攪拌モータ6とが設けられている。
【0011】
また、混練槽3には混練槽温度t1または砂温度st1、st2、st3検出する図示しない温度検出手段と、攪拌用モータ6のピーク負荷電流i1や低下負荷電流i2等の負荷電流を検出する負荷電流検出手段と、混練槽湿度ht1を検出する湿度検出手段とが設けられており、該混練槽温度t1または砂温度st1、st2、st3とピーク負荷電流i1や低下負荷電流i2、および混練槽湿度ht1等に基いて原料砂の投入、レジン、ヘキサ水、ステカル等の添加剤の供給から混練処理を完了して鋳物砂の排出等までの工程が制御される。
【0012】
前記攪拌モータ6は混練槽3の天板部に取り付けられる軸受6aを介して槽上部に設けられるものとしているため、原料砂の微紛等が軸受6a内に浸入することを的確に防止できる。
【0013】
該混練槽3は天板部上面に設けられる原料砂の投入口1aと周胴壁に形成される鋳物砂の排出口1bとが設けられるとともに、天板部上面にはレジン供給口7、ステカル供給口8、排気ダクト9、点検窓10が設けられる。また、混練槽3の側壁や底部には図示しない冷却用パイプや冷却用空間等よりなる冷却手段が設けられて混練槽温度や砂温度を冷却できるようになっている。2は排出口1bに設けられる開閉蓋、2aは鋳物砂の排出をガイドするシュートである。なお、ステカル供給口8は滑剤としてのステアリン酸カルシウム(ステカル)が計量されて混練槽3内に供給されるもので、ステカルにより鋳物砂にレジンが被覆された砂を分散させて流動性が付与される。
【0014】
前記混練槽3の槽体はステンレスや鉄等のライニング用金属薄板3aと、ステンレスや鉄等よりなる構造用金属板3bとからなるものであり、ライニング用金属薄板3aと構造用金属板3b間に図示しない水冷用の冷却用パイプや冷却用空間等を配設して冷却手段が構成されるものである。
【0015】
また、ライニング用金属薄板3aは薄いため摩耗は早くなるが、混練槽3の底部を着脱自在とすることにより、ライニング用金属薄板3aの交換は迅速に行えるので、摩耗によるライニング用金属薄板3aの交換頻度を高めても稼働率の低下は抑えられる。さらに、混練槽3の底部を着脱自在とすることにより、混練ローラ、攪拌ばね等の保守点検作業は勿論、これらの交換作業も極めて簡便なものとなりメンテナンス時間を短縮でき短時間で再稼動できるので稼働率の低下を抑えることができるものとなる。
【0016】
さらに、前記混練ローラ5は混練槽3内に垂設される攪拌用モータ6の出力回転軸15に位置決めブロック20および取付ブラケット16を介して180°間隔に配設される一対のものであり、前記取付ブラケット16はばね材により構成されていて混練ローラ5に砂を破砕する力が加わりそうになると、ばね材の弾性により混練ローラ5を逃がして砂が破砕されることがないようにしている。この逃げにより攪拌用モータ6に大きな負荷が加わることがないので、攪拌用モータ6の負荷電流が大きく変動することを抑えられるうえに電力消費を低減できるものとなる。
【0017】
また、図5に示されるように、負荷電流検出手段により検出される攪拌用モータ6の負荷電流値は主に混練被着されるレジンの被着による砂の粘性上昇あるいはステカルによる砂の粘性低下に基くため、この負荷電流値と温度検出手段により検出された砂温度に基いてヘキサ水の供給や鋳物砂の排出を制御する。
【0018】
さらに、取付ブラケット16は混練槽3内に投入された砂の供給レベルより上方に配置されるように出力回転軸15に取り付けられ、砂中に埋没されることがないので、前記した負荷電流検出手段により検出される攪拌用モータ6のピーク負荷電流i1や低下負荷電流i2等の負荷電流値は主に砂中に浸漬される攪拌羽根4にかかる砂の粘性によるものとなる。
【0019】
しかも、取付ブラケット16は砂中に浸漬されないので攪拌用モータ6の電力消費を低減することができるうえに、砂により取付ブラケット16が損耗することが防止される。また、混練ローラ5は砂を側壁に押圧させて圧縮作用と剪断作用を与えることによりレジンの被着混練を行なうもので、砂中に深く浸漬されることがないので砂の粘性の影響を受け難く、攪拌用モータ6の負荷電流値を大きく変動させることがない。
【0020】
前記攪拌羽根4は槽側部に滞留する砂を中央に寄せる内寄せ羽根4aと槽底部に滞留する砂を上方に掻き上げる一対の掻き上げ羽根4bとからなるものであるため、砂の粘性による影響を直接的に受けるものである。攪拌羽根4の内寄せ羽根4aは混練槽3内に垂設される攪拌用モータ6の出力回転軸15に180°間隔に配設される一対のものである。また、掻き上げ羽根4bも混練槽3内に垂設される攪拌用モータ6の出力回転軸15に180°間隔に配設される一対のものであり、これらにより砂を攪拌することにより砂の密度が偏ることがないようにしている。
【0021】
掻き上げ羽根4bと混練ローラ5とは約60°配置位置がずらされている。内寄せ羽根4aは掻き上げ羽根4bと混練ローラ5との間に取り付けられるもので、出力回転軸15の略中心に向かって取り付けられている。
【0022】
30は常温風、冷風、熱風あるいはこれらを適宜組み合わせて噴射させて混練槽3や原料砂を加熱したり冷却したりする噴射装置であり、該噴射装置30は混練槽下部寄りの胴壁に取り付けられ常温風や冷風等の媒体を斜め下向きの接線方向に噴射して原料砂内に直噴するノズル30aと、混練槽下部寄り胴壁に取り付けられヒータにより加熱された熱風を噴射するノズル30bと、槽底部に取り付けられ常温風または冷風を上方に噴射させて原料砂内に直噴するノズル30cとよりなり、該噴射装置30は初期起動時、冷え過ぎの混練槽3を昇温させたり、予め加熱された砂を処理温度まで冷却したりするものである。
【0023】
前記ノズル30aは槽胴壁に等間隔で4個配設され、媒体を略接線方向の斜め下向きに噴出させることにより、槽底部の砂を攪拌浮遊させるとともに攪拌羽根4の回転方向への流動を促進することにより、砂を拡散流動させて媒体が砂粒に確実に接触するようにして所定温度への移行が急速に行われるようにしている。また、ノズル30aの一つは常温風・冷風供給ラインをヘキサ水供給ラインと切り換えてヘキサ水を原料砂中に噴射供給するヘキサ水供給口としている。ヘキサ水は硬化剤としてのヘキサメチレンテトラミンと冷却水とを混合したものであり、砂にレジンが溶融被着された後、ヘキサ水を噴射することによりレジンの硬化と冷却を促進するものである。
【0024】
また、ノズル30bは槽胴壁下方部に出力回転軸15を挟んで対向して2個配設され、ヒータにより加熱された空気を混練槽3内送り込んで混練槽3や砂の温度を昇温させるものである。なお、ノズル30bの取付位置は槽胴壁下方部に限らず混練槽胴壁の上部や天板部としてもよい。これは取付位置を槽胴壁下方部に限定した場合、混練槽3を昇温させるときには問題とならないが、砂の温度調整を熱風と常温風あるいは冷風を吹き込んで行う場合、砂中に熱風を直噴すると部分的に砂の温度が上昇し、砂温度が均一になり難いからである。
【0025】
さらに、ノズル30cは出力回転軸15を挟んで配設される一対のもので、槽底部から砂中に常温風または冷風を直噴して砂を攪拌浮遊させつつ所定温度に移行させるものであるが、混練処理の初期、混練槽3に原料砂が少量投入された時点で常温風を砂中に直噴して砂を流動させ、該砂をショットブラストとして働かせ混練槽内面や攪拌羽根4や混練ローラ5に付着している砂やレジン等を除去すれば混練槽内面や攪拌羽根4に付着堆積した砂やレジンが剥離して処理中の砂内に混入した不良の鋳物砂が製造されることを防止できる。
【0026】
40は温度検出手段としての熱電対であり、該熱電対40は混練槽3の胴壁と底部に取り付けられている。温度検出手段としての熱電対40を介して混練槽温度や砂温度をモニタリングして、噴射装置30より噴射される常温風や冷風、熱風等の噴射流量を設定したり、砂温度st1、st2、st3と前記した攪拌用モータ6のピーク負荷電流i1や低下負荷電流i2等の負荷電流値あるいは混練槽湿度ht1とに基いて、原料砂の投入時期、ヘキサ水の供給時期、ステカルの供給時期および鋳物砂の排出時期等は制御される。低下負荷電流i2は滑剤としてのステカルが砂中に供給されて攪拌混練されることにより、砂が分散され流動性が高まることにより得られるもので、時間当たりの低下電流や電流低下を微分することにより得られるものである。
【0027】
このように構成されたものは、先ず、温度検出手段により混練槽温度を検出し、混練槽温度t1となるよう冷却手段または噴射装置30を用いて混練槽3を冷却または加熱する。混練槽3が混練槽温度t1に達したら、予め予熱された原料砂を混練槽3の投入口1aより投入する。このとき投入口1aより投入される砂の投入量は混練ローラ5の取付ブラケット16が浸漬されないものとする。砂は予め予熱されているので混練槽3の冷却手段あるいは噴射装置30のノズル30aや30cより常温風または冷風を直噴して鋳物砂を攪拌流動させながら所定の砂温度st1まで冷却する。
【0028】
温度検出手段により砂温度st1が検出されるとレジン供給口7より所定量のレジンが供給される。混練槽3内に供給されたレジンと砂は攪拌用モータ6により回転されている内寄せ羽根4aと掻き上げ羽根4bとよりなる攪拌羽根4により攪拌される。そして、攪拌用モータ6により回転されている混練ローラ5により溶融したレジンは砂に押し付けられて被着される。
【0029】
このレジンの被着混練時、砂温度st1が維持されるよう温度検出手段としての熱電対40により検出される砂温度に基づいて混練槽3の冷却手段や噴射装置30が作動される。噴射装置30のノズル30aや30cにより常温風、冷風、熱風あるいはこれらが砂中に噴射されると砂は攪拌流動されるので、常温風、冷風、熱風等は砂粒に接触することとなり砂温度を急速に所定温度に移行させことができる。
【0030】
また、混練処理時、取付ブラケット16は原料砂中に浸漬されないの攪拌用モータ6に対する負荷を低減できるので省電力となるうえ、砂により摩耗されることがなく長期耐用できるものとなる。しかも、混練ローラ5はばね材よりなる取付ブラケット16により取り付けられているので、混練ローラ5がライニング用金属薄板3a等に付着固化した砂に乗り上げても砂を破砕することがないうえに、ばね材よりなる取付ブラケット16により混練ローラ5は逃げるので攪拌用モータ6に過剰な負荷がかかることがない。このため負荷電流検出手段に検出される負荷電流値が大きく変動して実際の砂の粘度と大きく異なる負荷電流値を示すことがない。
【0031】
このようにして砂の混練を行うことにより、砂にレジンが被着されて攪拌用モータ6にかかる負荷は増大する。そして、砂粒にレジンが被着されて砂の粘性が最大となり攪拌用モータ6に流れるピーク負荷電流i1が負荷電流検出手段により検出される。
【0032】
このようにしてレジンの被着完了が検知されると、ヘキサ水供給口としてのノズル30aからヘキサ水が砂中に噴射供給されレジンを冷却硬化させる。このとき噴射装置30の他のノズル30aやノズル30cより常温風または冷風を噴射してレジンが被着された砂の冷却を促進することにより、冷却時間を短縮できるものとなる。また、ヘキサ水の噴射により砂の温度が低下し過ぎる場合は、噴射装置30より熱風を若干噴射する。
【0033】
このようにして、レジンの冷却硬化が行われ砂温度st3が温度検出手段の熱電対40により検出されるとともに、湿度検出手段により検出された混練槽湿度ht1に基いてステカル供給口8より計量された滑剤としてのステアリン酸カルシウム(ステカル)が供給される。
【0034】
ステカルをレジンが被着された砂中に投入することにより、レジンにより塊状となっている砂は分散され、且つ自由流動性が付与されるので、攪拌用モータ6の負荷電流は急速に低下し、負荷電流検出手段によりその低下負荷電流i2が検出されるとともに、砂温度st3が検出されたらステカルによる処理は完了したことになるので、混練槽3の排出口1bを開放し鋳物砂を排出口1bより排出する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の好ましい実施の形態を示す正面図である。
【図2】同じく側面図である。
【図3】同じく平面図である。
【図4】同じく横断面図である。
【図5】攪拌用モータの負荷電流を示すグラフである。
【符号の説明】
【0036】
1a 投入口
1b 排出口
3 混練槽
4 攪拌羽根
5 混練ローラ
6 攪拌モータ
7 レジン供給口
8 ステカル供給口
16 ばね材よりなる取付ブラケット
30 噴射装置
30a ヘキサ水供給口としてのノズル
【出願人】 【識別番号】393011038
【氏名又は名称】菱栄エンジニアリング株式会社
【出願日】 平成18年7月4日(2006.7.4)
【代理人】 【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄

【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫


【公開番号】 特開2008−12552(P2008−12552A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−184180(P2006−184180)