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ゴム型の製造方法 - 特開2008−758 | j-tokkyo
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【発明の名称】 ゴム型の製造方法
【発明者】 【氏名】矢野 雅士

【氏名】岡 広太郎

【要約】 【課題】曲線分割モールドを、精度良く、かつ、従来に比し短時間、低コストで効率良く製造することができる技術を提供する。

【構成】タイヤ周方向に、かつ、曲線状に分割されてなる曲線分割形状のトレッドパターンが表面に形成された木型1をコアフレーム2内に配置し、コアフレーム2内に液状ゴムを流し込むことによりトレッドパターンを型取りしたゴム型を製造するゴム型の製造方法である。コアフレーム2内に、木型1表面の、少なくともトレッドパターンが形成されていない領域3を覆うカバー部材4を配置した状態で、液状ゴムの流し込みを行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ周方向に、かつ、曲線状に分割されてなる曲線分割形状のトレッドパターンが表面に形成された木型をコアフレーム内に配置し、該コアフレーム内に液状ゴムを流し込むことにより前記トレッドパターンを型取りしたゴム型を製造するゴム型の製造方法であって、
前記コアフレーム内に、前記木型表面の、少なくとも前記トレッドパターンが形成されていない領域を覆うカバー部材を配置した状態で、前記液状ゴムの流し込みを行うことを特徴とするゴム型の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はゴム型の製造方法(以下、単に「製造方法」とも称する)に関し、詳しくは、タイヤ用アルミニウム(AL)合金モールド鋳造において鋳造に使用する石膏鋳型を作製する際に用いるゴム型の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤを製造するに際しては、成形された生タイヤに内側から圧力をかけて、その外表面を加熱された金型の内壁に密着させ、熱と圧力により生ゴムを加硫する加硫用モールド(以下、「タイヤモールド」と称する)が用いられる。このようなタイヤモールドは、一般にAL合金等よりなり、金型内にタイヤのトレッドパターンが転写された鋳型を配置して、その内部に溶湯を流し込む鋳造方式により製造される。
【0003】
この方法では、具体的にはまず、製造しようとするタイヤのトレッドパターンを木型(ウッドレジン)にて作製する。次いで、得られたウッドレジンのトレッドパターンモデルをゴムにより型取りして、ゴム型を製造する。しかる後、トレッドパターンを型取りしたゴム型上に石膏等の鋳型配合組成物を流し込み、硬化させて、上記トレッドパターンが転写された鋳型を得る。このようにして作製した鋳型にAL合金等の溶湯を流し込むことにより、最終目的物であるタイヤモールドが得られるものである。
【0004】
一方、タイヤの加硫時には、タイヤ外表面とタイヤモールドとの間に、加硫中の生タイヤから発生したガスや残留空気が溜まって、製品タイヤ表面に微細な欠陥を形成する場合がある。そのため通常、タイヤモールドの成形面には、これらガスや空気を外部に排出するためのベントホール等が設けられるが、この場合、ベントホールを介して加硫時にゴムが流れ出すために、製品タイヤ表面にスピューと呼ばれる髭状のゴムの突起が形成されて、除去処理が必要となるという難点があった。
【0005】
これに対し近年では、タイヤモールドを分割構造とすることで、分割部の微細な隙間からのガス等の排出を可能とした、ノンスピューのタイヤモールドが開発されている。このノンスピューの分割モールドは、通常、タイヤサイド部に対応する一対の上下モールドと、タイヤクラウン部のトレッドパターン形成部に対応する複数の周方向分割モールドとからなる(例えば、特許文献1に記載)。
【0006】
このうちトレッドパターン形成部に対応する分割モールドは、目的とするトレッドパターンに応じて1種のタイヤにつき複数種類作製され、最終的なモールドの高精度を確保するために、通常、鋳造後に機械加工にて目的寸法に精密加工された後、トレッドパターンに従って組合わされて、タイヤ加硫に供される。
【特許文献1】特開2004−223529号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、目的とするトレッドパターンによっては、分割モールドとして、タイヤ周方向に対し傾斜した方向に分割線を有する曲線分割形状のものを用いることが必要となる場合がある。このような曲線分割形状の分割モールドを製造する場合、従来は、通常の直線分割モールドと同様にして鋳造を行った後、機械加工により曲線状のモールド分割面を形成していた。
【0008】
しかしながら、一般的な機械加工では、曲線状の分割端面の加工しろ(研削しろ)は5mmが限界であり、5mmを超える曲線分割加工を行うことは困難であった。この場合、2回に分けて加工を行うことで7mm程度までは加工することが可能となるが、加工基準面が定まらないために分割摺り合わせ面の精度が得られず、手加工により追加仕上げを施すことが必要となっていた。より大型の加工機を用いれば、5mmを超える加工を1回で行うことも可能であるが、加工コストがかさむため、実用的な手段ではなかった。
【0009】
従って、従来の方法では、高精度のモールドを得るためには鋳造後に機械加工および手加工を複数回行うことが必要で、作業が煩雑であるとともに、時間的にもコスト的にも非効率的となっていた。
【0010】
そこ本発明の目的は、曲線分割モールドを、精度良く、かつ、従来に比し短時間、低コストで効率良く製造することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは鋭意検討した結果、曲線分割モールドの製造工程において、従来のようにモールド鋳造後に加工を行うのではなく、鋳造前のゴム型製造時に目的の分割形状に近い曲線加工面を形成しておくことで、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明のゴム型の製造方法は、タイヤ周方向に、かつ、曲線状に分割されてなる曲線分割形状のトレッドパターンが表面に形成された木型をコアフレーム内に配置し、該コアフレーム内に液状ゴムを流し込むことにより前記トレッドパターンを型取りしたゴム型を製造するゴム型の製造方法であって、
前記コアフレーム内に、前記木型表面の、少なくとも前記トレッドパターンが形成されていない領域を覆うカバー部材を配置した状態で、前記液状ゴムの流し込みを行うことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、上記構成としたことにより、目的とするモールドの曲線分割形状に近い形状のゴム型を得ることができ、これを用いて得られたタイヤモールドについて、鋳造後に機械加工を行うことで、簡易に所望の曲線分割モールドを得ることができる。従って本発明によれば、曲線分割モールドを、精度良く、かつ、従来に比し短時間、低コストで効率良く製造することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図1は、本発明のゴム型の製造方法に係る説明図であり、(a)は平面図を、(b)は(a)中のA−A線に沿う断面図を、(c)はコアフレームの一部を切り欠いた斜視図を、それぞれ示す。
【0015】
本発明においては、タイヤ周方向に、かつ、曲線状に分割されてなる曲線分割形状のトレッドパターン(図示せず)が表面に形成された木型1をコアフレーム2内に配置し、このコアフレーム2内に液状ゴムを流し込むことによりトレッドパターンを型取りしたゴム型を製造するにあたり、図示するように、コアフレーム2内に、木型1表面の、少なくともトレッドパターンが形成されていない領域3(図中の斜線部)を覆うカバー部材4を配置した状態で、液状ゴムの流し込みを行う。
【0016】
これにより、目的とする曲線分割モールドに近い曲線分割面を有するゴム型を得ることができるため、鋳造後における加工量を従来に比し大きく低減することができ、結果として短時間かつ低コストで、高精度の分割モールドを得ることが可能となる。
【0017】
具体的には、上記のようにして得られたゴム型上に鋳型配合組成物を流し込んで硬化させ、トレッドパターンが転写された鋳型を形成した後、この鋳型にアルミニウム合金等の溶湯を流し込んで硬化させることで、トレッドパターンを型取りしたタイヤモールドを得ることができる。即ち、曲線分割面を有するゴム型を用いることで、同様の曲線分割面を有する鋳型を作製することができ、さらに、この鋳型を用いて鋳造を行うことで、目的とする曲線分割モールドに近い曲線分割面を有するモールド鋳造品を得ることができるものである。
【0018】
本発明においては、上記したように、ゴム型の製造をカバー部材4を用いて行うことにより、目的の曲線分割形状に近いゴム型を得る点のみが重要であり、それ以外の具体的な製造条件等については常法に従い適宜決定すればよく、特に制限されるものではない。好適には、鋳造後における機械加工による曲線分割面の加工しろを5mm以下に抑えられるようにカバー部材4の配置領域を調整して、ゴム型の製造を行う。これにより、曲線分割面の機械加工を1回で完了させることができ、従来法に比して加工時間を半減以下にすることができ、大幅なコストダウンも図ることができる。
【0019】
カバー部材4としては、液状ゴムの加硫を阻害せず、加硫後においてゴム型との離型が容易であって、かつ、得られるゴム型の形状を損なわないものであれば、いかなる材質のものを用いてもよい。特に、ゴム型の材料として一般的なチオコールを用いる場合には、例えば、油粘土を好適に用いることができる。油粘土は適宜形状に造形容易であるため、容易に所望の曲線形状の分割面を形成することが可能であるというメリットがある。また、油粘土はゴム型の製造後に取り出して再度使用することができるため、リサイクル使用が可能で産業廃棄物にならない点でも有利である。
【実施例】
【0020】
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
(実施例)
図1に示すように、曲線分割形状のトレッドパターンが形成された木型1をコアフレーム2内に配置し、さらに、木型1表面の、トレッドパターンが形成されていない領域3を覆うように、曲線分割部を形成する油粘土4を配置して、コアフレーム2内にチオコールを流し込むことにより、ゴム型の製造を行った。木型1は、ウッドレジンをHC加工して製作した。得られたゴム型は、曲線分割端面を有していた。
【0021】
上記ゴム型内に石膏を流し込むことにより、曲線分割端面を内部に有する鋳型を製造し、これを用いて鋳造を行って、端面が曲線分割形状を有する分割モールド鋳造品を得た。得られた分割モールドは、すでに端面が曲線分割されているために、加工しろは3.0mm程度であり、容易に曲線分割面を加工形成することができた。
【0022】
(従来例)
カバー部材を用いない以外は実施例と同様にしてゴム型の製造を行い、通常の直線状の端面を有するゴム型を得た。このゴム型内に石膏を流し込むことにより鋳型を製造し、これを用いて鋳造を行って、端面が直線分割形状を有する分割モールド鋳造品を得た。得られた分割モールドは15.0mm程度の加工しろを有しており、曲線分割の機械加工は困難なものとなった。
【0023】
実施例および従来例の曲線分割面の機械加工および仕上げ加工に要した時間をそれぞれ計測して、従来例の曲線分割面の機械加工による加工時間を100としたときの指数にて表示した。数値が小なるほど時間が短く、短時間で加工できたことを示す。その結果を、下記の表1中に示す。
【0024】
【表1】


【0025】
上記表1に示すように、ゴム型の製造時にカバー部材を用いることで曲線分割端面を有するゴム型を得た実施例においては、カバー部材を用いずに直線状の分割端面を有するゴム型を得た従来例に比し、鋳造後における加工時間を大幅に短縮することができ、これに伴い、コストダウンにも寄与できることが確かめられた。また、得られた分割モールドの精度は、実施例と従来例で同等であり、いずれも高精度のものであった。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のゴム型の製造方法に係る説明図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線に沿う断面図、(c)はコアフレームの一部を切り欠いた斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
1 木型
2 コアフレーム
3 トレッドパターンが形成されていない領域
4 カバー部材
【出願人】 【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】 【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎

【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子


【公開番号】 特開2008−758(P2008−758A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−169909(P2006−169909)