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【発明の名称】 伝動用無端ベルト製造装置及び伝動用無端ベルト製造方法
【発明者】 【氏名】島川 憲一

【氏名】長谷部 正広

【氏名】平野 貴久

【要約】 【課題】ベルトの品質及び耐久性を向上させることができるようにする。

【解決手段】変速機構を構成するプライマリプーリとセカンダリプーリとの間に張設され、リンクプレート51、及びリンクプレート51を連結するピンを備えたベルト132を製造するようになっている。所定の距離を置いて回転自在に配設された第1のプーリ71及び第2のプーリと、ベルト132の、第1のプーリ71及び第2のプーリに対する巻き掛け位置を変更するための駆動部とを有する。第1のプーリ71及び第2のプーリのV溝23の開き角度が、変速機構におけるプライマリプーリ及びセカンダリプーリの開き角度より大きく設定される。開き角度が大きくなる分だけ、第1のプーリ71及び第2のプーリの軸方向における反力の分力が小さくなるので、ピンの撓(たわ)み量が少なくなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速機構を構成するプライマリプーリとセカンダリプーリとの間に張設され、リンクプレート、及び該リンクプレートを連結するピンを備えたベルトを製造するための伝動用無端ベルト製造装置において、所定の距離を置いて回転自在に配設された第1、第2のプーリと、前記ベルトの、第1、第2のプーリに対する巻き掛け位置を変更するための駆動部とを有するとともに、前記第1、第2のプーリのV溝の開き角度が、前記変速機構におけるプライマリプーリ及びセカンダリプーリの開き角度より大きく設定されることを特徴とする伝動用無端ベルト製造装置。
【請求項2】
前記駆動部は、第1、第2のプーリのうちの少なくとも一方のプーリの軸を移動させ、第1、第2のプーリの軸間の距離を変更する請求項1に記載の伝動用無端ベルト製造装置。
【請求項3】
前記駆動部は、第1、第2のプーリのうちの少なくとも一方のプーリのシーブを移動させ、有効径を変更する請求項1に記載の伝動用無端ベルト製造装置。
【請求項4】
前記ベルトのピンの両端面は、第1、第2のプーリのシーブ面に向けて湾曲させて突出させられる請求項1〜3のいずれか1項に記載の伝動用無端ベルト製造装置。
【請求項5】
変速機構を構成するプライマリプーリとセカンダリプーリとの間に張設され、リンクプレート、及び該リンクプレートを連結するピンを備えたベルトを製造するための伝動用無端ベルト製造方法において、所定の距離を置いて回転自在に配設された第1、第2のプーリ間に前記ベルトを張設し、駆動部を駆動して、前記ベルトの第1、第2のプーリに対する巻き掛け位置を変更し、ベルトに張力を加えるとともに、前記第1、第2のプーリのV溝の開き角度を、前記変速機構におけるプライマリプーリ及びセカンダリプーリの開き角度より大きく設定することを特徴とする伝動用無端ベルト製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、伝動用無端ベルト製造装置及び伝動用無端ベルト製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動変速機を搭載した車両においては、エンジンを駆動することによって発生させられた回転を、変速機構に伝達し、該変速機構において変速を行い、変速が行われた後の回転を駆動輪に伝達して車両を走行させるようにしている。
【0003】
前記自動変速機には、有段変速機及び無段変速機が有り、該無段変速機においては、プライマリプーリとセカンダリプーリとの間に伝動用無端ベルトを構成するベルトが張設され、プライマリプーリ及びセカンダリプーリの半径方向におけるベルトの位置、すなわち、有効径を変化させることによって、変速機構の変速比を無段で変化させるようにしている。そのために、プライマリプーリ及びセカンダリプーリはそれぞれ固定シーブ及び可動シーブを備え、該各可動シーブを油圧サーボ、電動機等の駆動手段によって移動させることにより、前記有効径を変化させるようになっている。
【0004】
前記ベルトとしては、種々の形式のものが提供されているが、それらのうちの一形式として、多層に重ねられたリンクプレートをジョイントピンによってチェーン状に連結し、ジョイントピンの両端面と固定シーブ及び可動シーブの壁面とを係合させることによってトルクを伝達する形式のものがある。
【0005】
ところで、前記ベルトを製造するための製造装置、すなわち、伝動用無端ベルト製造装置は二つのプーリを備え、前記ベルトを二つのプーリ間に張設し、各プーリの軸間の距離を長くすることによって、前記ベルトに過大な張力を加えるようになっている。この場合、張力が加わるのに伴って、各リンクプレートの表面は塑性変形をするのに対して、内部は弾性変形をする。したがって、その後、加えた張力をなくすと、リンクプレートの表面が圧縮された状態で内部に残留応力が発生するので、強度をその分大きくすることができる。その結果、ベルトの耐久性を向上させることができる(特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−102784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の伝動用無端ベルト製造装置においては、前記ベルトに張力を加えると、両端がプーリに当接しているジョイントピンにプーリからの反力が加わり、ジョイントピンが大きく撓(たわ)み、湾曲してしまう。
【0007】
これにより、ジョイントピンの中央部に位置するリンクプレートはそれほど変形せず、張力による荷重の分担が少ないのに対して、ジョイントピンの両端の近傍に位置するリンクプレートは大きく変形し、張力による荷重の分担が大きくなってしまう。したがって、各リンクプレート間における残留応力にばらつきが生じ、ベルトの品質が低下してしまうだけでなく、所望の残留応力を発生させることができないので、ベルトの耐久性がその分低下してしまう。
【0008】
本発明は、前記従来の伝動用無端ベルト製造装置の問題点を解決して、ベルトの品質及び耐久性を向上させることができる伝動用無端ベルト製造装置及び伝動用無端ベルト製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明の伝動用無端ベルト製造装置においては、変速機構を構成するプライマリプーリとセカンダリプーリとの間に張設され、リンクプレート、及び該リンクプレートを連結するピンを備えたベルトを製造するようになっている。
【0010】
そして、所定の距離を置いて回転自在に配設された第1、第2のプーリと、前記ベルトの、第1、第2のプーリに対する巻き掛け位置を変更するための駆動部とを有する。
【0011】
また、前記第1、第2のプーリのV溝の開き角度が、前記変速機構におけるプライマリプーリ及びセカンダリプーリの開き角度より大きく設定される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、伝動用無端ベルト製造装置においては、変速機構を構成するプライマリプーリとセカンダリプーリとの間に張設され、リンクプレート、及び該リンクプレートを連結するピンを備えたベルトを製造するようになっている。
【0013】
そして、所定の距離を置いて回転自在に配設された第1、第2のプーリと、前記ベルトの、第1、第2のプーリに対する巻き掛け位置を変更するための駆動部とを有する。
【0014】
また、前記第1、第2のプーリのV溝の開き角度が、前記変速機構におけるプライマリプーリ及びセカンダリプーリの開き角度より大きく設定される。
【0015】
この場合、前記第1、第2のプーリのV溝の開き角度が、前記変速機構におけるプライマリプーリ及びセカンダリプーリの開き角度より大きく設定されるので、前記開き角度が大きくなる分だけ、第1、第2のプーリの軸方向における反力の分力が小さくなる。したがって、ピンの撓み量が少なくなり、各リンクプレート間における残留応力にばらつきが生じるのを防止することができる。その結果、ベルトの品質を向上させることができるだけでなく、所望の残留応力を発生させることができるので、ベルトの耐久性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図2は本発明の第1の実施の形態における無段変速機の概念図である。
【0018】
図に示されるように、無段変速機10は、ベルト式の変速機構102、前後進切換装置103、ロックアップクラッチ105を内蔵した流体伝動装置としてトルクコンバータ106、中間伝動軸としてのカウンタシャフト107及び差動装置としてのディファレンシャル装置109を備える。
【0019】
前記トルクコンバータ106は、図示されないエンジンの出力軸110にフロントカバー117を介して連結されたポンプインペラ111、入力軸112にロックアップクラッチプレート104及びダンパスプリング120を介して連結されたタービンランナ113、並びにワンウェイクラッチ115を介して支持されたステータ116を備える。そして、前記ロックアップクラッチ105は、入力軸112とフロントカバー117との間に配設される。なお、121はポンプインペラ111に連結されて駆動されるオイルポンプである。
【0020】
前記変速機構102は、回転自在に配設された駆動側のプーリとしてのプライマリプーリ126、該プライマリプーリ126と所定の距離を置いて、回転自在に配設された従動側のプーリとしてのセカンダリプーリ131、及び前記プライマリプーリ126とセカンダリプーリ131との間に張設された伝動部材としての金属製のベルト132を有する。そして、前記プライマリプーリ126は、駆動軸としてのプライマリシャフト122に固定された第1のシーブとしての固定シーブ123、及び前記プライマリシャフト122に対して軸方向に摺(しゅう)動自在に支持された第2のシーブとしての可動シーブ125から成り、セカンダリプーリ131は、従動軸としてのセカンダリシャフト127に固定された第1のシーブとしての固定シーブ129、及び前記セカンダリシャフト127に対して軸方向に摺動自在に支持された第2のシーブとしての可動シーブ130から成る。
【0021】
また、可動シーブ125の背面にはダブルピストンから成る第1のシーブ駆動部としての油圧サーボ133が、可動シーブ130の背面にはシングルピストンから成る第2のシーブ駆動部としての油圧サーボ135が配設される。なお、該油圧サーボ135によって挟持圧発生部が構成される。
【0022】
前記油圧サーボ133は、プライマリシャフト122に固定されたシリンダ部材136及び反力支持部材137、並びに可動シーブ125の背面に固定された筒状部材139及びピストン部材140を備え、前記筒状部材139、反力支持部材137、及び可動シーブ125の背面によって第1の油室141が、シリンダ部材136及びピストン部材140によって第2の油室142が形成される。
【0023】
そして、前記第1、第2の油室141、142が連通孔137aによって互いに連通させられ、油圧サーボ133に油圧サーボ135と同じ油圧を供給することによって、油圧サーボ133に発生させられる軸力は、油圧サーボ135に発生させられる軸力のほぼ2倍になる。
【0024】
一方、前記油圧サーボ135は、セカンダリシャフト127に固定された反力支持部材143、及び可動シーブ130の背面に固定された筒状部材145を備え、前記反力支持部材143、筒状部材145、及び可動シーブ130の背面によって1個の油室146が形成されるとともに、可動シーブ130と反力支持部材143との間にプリロード用のスプリング147が配設される。
【0025】
前記前後進切換装置103は、差動回転装置としてのダブルピニオンプラネタリギヤ150、第1の係脱要素としてのリバースブレーキB、及び第2の係脱要素としてのダイレクトクラッチCを有する。前記ダブルピニオンプラネタリギヤ150において、第1の回転要素としてのサンギヤSと入力軸112とが連結され、第1、第2のピニオンP1、P2を支持する第2の回転要素としてのキャリヤCRと固定シーブ123とが連結され、第3の回転要素としてのリングギヤRと前記リバースブレーキBとが連結され、キャリヤCRとリングギヤRとが前記ダイレクトクラッチCを介して連結される。
【0026】
そして、前記カウンタシャフト107には、大ギヤ151及び小ギヤ152が固定され、前記大ギヤ151は、セカンダリシャフト127に固定されたギヤ153と噛(し)合し、また、小ギヤ152は、ディファレンシャル装置109のデフケース166に固定されたギヤ155と噛合する。前記ディファレンシャル装置109においては、前記デフケース166に支持されたデフギヤ156の回転が、左右の差動要素としてのサイドギヤ157、159を介して左右の車軸160、161に伝達される。なお、大ギヤ151、小ギヤ152及びギヤ153、155によって回転伝達系が構成される。
【0027】
また、固定シーブ123の外周縁には、第1の回転検出要素としての多数の凹凸部123aが歯切りによって等間隔に形成され、前記凹凸部123aに臨ませて、図示されないケースに固定された電磁ピックアップから成る第1の回転検出部としてのプライマリプーリ回転速度センサ162が配設され、該プライマリプーリ回転速度センサ162によって入力側の回転速度であるプライマリプーリ回転速度が検出される。前記固定シーブ129の外周縁には、第2の回転検出要素としての多数の凹凸部129aが歯切りによって等間隔に形成され、前記凹凸部129aに臨ませて、前記ケースに固定された電磁ピックアップから成る第2の回転検出部としてのセカンダリプーリ回転速度センサ44が配設され、該セカンダリプーリ回転速度センサ44によって出力側の回転速度であるセカンダリプーリ回転速度が検出される。なお、セカンダリプーリ回転速度センサ44は、車速センサとしても機能し、車両の走行条件を表す車速Vを検出することができる。
【0028】
また、前記フロントカバー117に近接させて前記ケースに固定された電磁ピックアップから成る第3の回転検出部としてのエンジン回転速度センサ165が配設され、該エンジン回転速度センサ165によってエンジン負荷を表すエンジン回転速度Neを検出することができる。
【0029】
前記構成の無段変速機10において、前記エンジンを駆動することによって発生させられた回転は、トルクコンバータ106及び前後進切換装置103を介して変速機構102に伝達され、該変速機構102において変速が行われた後、ギヤ153、大ギヤ151、小ギヤ152及びギヤ155を介してディファレンシャル装置109に伝達される。そして、前記前後進切換装置103において、リバースブレーキBを解放した状態でダイレクトクラッチCを係合させると、ダブルピニオンプラネタリギヤ150は直結状態になり、入力軸112に伝達された回転はそのままプライマリプーリ126に伝達され、車両が前進させられる。また、リバースブレーキBを係合させた状態でダイレクトクラッチCを解放すると、入力軸112に伝達された回転は、逆転させられた状態でプライマリプーリ126に伝達され、車両が後退させられる。
【0030】
そして、前記油圧サーボ133は、プライマリプーリ126及びセカンダリプーリ131の有効径を変更するために使用される。すなわち、シフトアップの変速を行う場合、油圧サーボ133に油圧が供給され、前記プライマリプーリ126の有効径が大きくされ、セカンダリプーリ131の有効径が小さくされる。その結果、変速比が小さくされる。また、シフトダウンの変速を行う場合、油圧サーボ133の油圧がドレーンされ、前記プライマリプーリ126の有効径が小さくされ、セカンダリプーリ131の有効径が大きくされる。その結果、変速比が大きくされる。
【0031】
また、前記油圧サーボ135は、ベルト132の挟持圧を発生させ、かつ、変更するために使用される。すなわち、油圧サーボ135に油圧が供給されると、該油圧に対応する挟持圧が発生させられ、セカンダリプーリ131は、固定シーブ129及び可動シーブ130によって前記挟持圧でベルト132を挟持する。
【0032】
そして、油圧回路に図示されない第1、第2の油圧調整弁が配設され、該第1、第2の油圧調整弁によって発生させられた油圧がそれぞれ油圧サーボ133、135に供給される。そのために、図示されない自動変速機制御部において発生させられたソレノイド信号が前記第1、第2の油圧調整弁のソレノイドに送られる。
【0033】
なお、本実施の形態において、油圧サーボ133は、プライマリプーリ126及びセカンダリプーリ131の有効径を変更するために使用され、油圧サーボ135は、ベルト132の挟持圧を発生させ、かつ、変更するために使用されるようになっているが、油圧サーボ135をプライマリプーリ126及びセカンダリプーリ131の有効径を変更するために使用し、油圧サーボ135をベルト132の挟持圧を発生させ、かつ、変更するために使用することもできる。
【0034】
また、本実施の形態においては、前記第1、第2のシーブ駆動部として油圧サーボ133、135が使用されるが、該油圧サーボ133、135のうちの少なくとも一方を電動機に代えることもできる。その場合、電動機を駆動することによって可動シーブ125、130のうちの少なくとも一方が軸方向に移動させられ、可動シーブ125の位置を調整することによってプライマリプーリ126及びセカンダリプーリ131の有効径を変更したり、可動シーブ130の位置を調整することによってベルト132の挟持圧を変更したりすることができる。
【0035】
次に、前記ベルト132について説明する。
【0036】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるベルトの要部を示す側面図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるベルトの要部を示す平面図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるベルトの断面図である。
【0037】
前記ベルト132は、多数の平板状のリンクプレート51(51a、51’a、51b、51’b、…)、該リンクプレート51を相互に連結する第1、第2のピンとしてのジョイントピン52、53、及び規制部材としてのリテーナ54を備える。本実施の形態において、前記ジョイントピン52、53は、互いに当接させて配設され、長いピンと短いピンとから成り、分割ピン構造を有するが、一つのピンによって形成することができる。
【0038】
なお、図において、説明の便宜上、一部の部品の図示が省略される。例えば、リンクプレート51aの部位における一方のジョイントピン53及びリテーナ54、リンクプレート51bの部位における両リテーナ54の図示は省略され、リンクプレート51eの部位における一方のジョイントピン52及びリテーナ54の図示が省略されている。
【0039】
各リンクプレート51は、同じ形状を有し、薄鋼板を打抜き加工等を行うことによって形成され、4隅が丸められたほぼ矩(く)形の形状を有する板材を構成する。また、ベルト132の長手方向において隣接する各リンクプレート51は、一対のジョイントピン52、53によって互いに揺動可能になるように連結され、したがって、前記ベルト132は、所定の回転半径で湾曲し、プライマリプーリ126(図2)及びセカンダリプーリ131に巻き掛けられる。なお、一点鎖線Pは、ピッチ線であり、各ジョイントピン52の固定シーブ123及び可動シーブ125と当接する部分を結んだ線、及びその線をベルト132が直線状に延在する部分に延長した線から成る。
【0040】
前記各リンクプレート51は、長円形の環状体から成り、厚さ方向に貫通する長穴状の貫通部55を備え、該貫通部55は、両端に形成され、ジョイントピン52、53を貫通させるための一対のピン挿通部61、及び各ピン挿通部61を連結する連結部62を備える。該連結部62が形成される分だけリンクプレート51を軽量化することができる。なお、前記ピン挿通部61を、ジョイントピン52、53ごとに独立させた二つの穴によって形成することができる。
【0041】
前記貫通部55の内周面は、各ピン挿通部61と連結部62との境界部分p1、p2において、内径が、ジョイントピン52、53を組み合わせたときの外径よりわずかに小さくされ、ジョイントピン52、53は、境界部分p1、p2において回り止めされ、係止させられる。前記構成の各リンクプレート51は、ジョイントピン52、53の長さ方向(以下「板厚方向」という。)において隣接するもの同士(リンクプレート51a、51b、51c、…と、リンクプレート51’a、51’b、51’c、…と)が、ジョイントピン52、53の配設されたピッチ分だけ長手方向にずらして積層される。このとき、リンクプレート51a、51b、51c、…のピン挿通部61と、リンクプレート51’a、51’b、51’c、…のピン挿通部61とによって、ほぼ円形の形状の穴が形成される。
【0042】
そして、ジョイントピン52、53は、リンクプレート51a、51b、51c、…の一方のピン挿通部61とリンクプレート51’a、51’b、51’c、…の他方のピン挿通部61を交互に貫通して延在させられ、リンクプレート51a、51b、51c、…とリンクプレート51’a、51’b、51’c、…とを無端状に連結する。
【0043】
前記各ジョイントピン52、53は、リンクプレート51に対して相対的に摺動することがないように、前述されたように分割構造を有する。そして、板厚方向において隣接する各リンクプレート51のうちの一方のリンクプレート51a、51b、51c、…に、ジョイントピン52、53のうちの一方が係止させられ、固定され、他方のリンクプレート51’a、51’b、51’c、…に、ジョイントピン52、53のうちの他方が係止させられ、固定される。
【0044】
したがって、リンクプレート51a、51b、51c、…とリンクプレート51’a、51’b、51’c、…とが互いに回動させられると、ジョイントピン52、53が相互に転がり回転する。その結果、各ジョイントピン52、53同士が摺動することがない。そのために、ジョイントピン52、53は、前記ピン挿通部61と当接する側に弧状の係止面を、互いに対向する側に弧状の転がり面を有する。
【0045】
このように、リンクプレート51a、51b、51c、…とリンクプレート51’a、51’b、51’c、…とが互いに回動させられる際に、各ジョイントピン52、53がリンクプレート51に対して相対的に摺動することがなく、各ジョイントピン52、53同士も相対的に摺動することがないので、摩擦によるエネルギーの損失を抑制することができる。
【0046】
また、前記リテーナ54は、楕(だ)円形の形状を有する環状の板状部材によって形成され、ジョイントピン52の断面の形状とほぼ一致する扁(へん)平な形状の穴64を備え、該穴64の周囲の環状部65の幅(内周面と外周面との間の距離)は、ジョイントピン53の短径とほぼ等しくされる。そして、前記リテーナ54は、各ジョイントピン52の両端の近傍に、圧入によって固定され、これに伴って、ジョイントピン53の端面がリテーナ54の環状部65とわずかな隙(すき)間を置いて対向させられる。したがって、ジョイントピン53が、軸方向に移動したときに、リンクプレート51から抜け落ちることはない。なお、前記ジョイントピン53とリテーナ54との間にわずかな隙間が形成されるので、前記ジョイントピン53とリテーナ54とが摺動するのを防止することができる。
【0047】
本実施の形態において、リテーナ54は、ジョイントピン53の端面の全体を被うように形成されるが、ジョイントピン53の端面の一部を被うように形成することができる。
【0048】
前記構成のベルト132を、プライマリプーリ126とセカンダリプーリ131との間に張設すると、プライマリプーリ126及びセカンダリプーリ131への巻掛け位置において、ジョイントピン52の両端が固定シーブ123及び可動シーブ125と接触し、伝動状態では、ジョイントピン52だけが駆動力を伝達することになる。すなわち、プライマリプーリ126側において、固定シーブ123及び可動シーブ125からジョイントピン52に伝達された動力がジョイントピン53及びリンクプレート51に伝達され、次のジョイントピン52、53及びリンクプレート51に伝達され、セカンダリプーリ131側において、ジョイントピン52から固定シーブ123及び可動シーブ125に伝達される。
【0049】
ところで、前記ベルト132を製造するための伝動用無端ベルト製造装置においては、各リンクプレート51内に残留応力を発生させてベルト132の強度が大きくなるようにしている。
【0050】
図6は本発明の第1の実施の形態における伝動用無端ベルト製造装置の概念図、図7は本発明の第1の実施の形態における伝動用無端ベルト製造装置の動作を示す図である。
【0051】
図において、71は所定の位置に配設された軸sh1を中心として回転自在に配設された第1の張力発生部材としての第1のプーリ、72は、該第1のプーリ71と所定の距離を置いた所定の位置において、軸sh2を中心として回転自在に、かつ、移動自在に配設された第2の張力発生部材としての第2のプーリであり、第1、第2のプーリ71、72間にベルト132が張設される。前記第1、第2のプーリ71、72は張力発生用の、かつ、慣らし運転用のプーリである。また、51はリンクプレート、52はジョイントピンである。
【0052】
前記第1のプーリ71は、前記軸sh1、及び該軸sh1の両端に、径方向外方に突出させて形成された円形の形状を有する第1のシーブとしての固定シーブk1及び第2のシーブとしての可動シーブk2を備え、前記第2のプーリ72は、前記軸sh2、及び該軸sh2の両端に、径方向外方に突出させてて形成された円形の形状を有する第1のシーブとしての固定シーブk3及び第2のシーブとしての可動シーブk4を備える。前記固定シーブk1、k3にシーブ面s1、s3が、可動シーブk2、k4にシーブ面s2、s4が形成される。本実施の形態において、前記第1、第2のプーリ71、72はいずれもプライマリプーリ126(図2)、セカンダリプーリ131等と同様の構造を有し、固定シーブk1、k3と可動シーブk2、k4とは別体に形成されるが、一体に形成することができる。
【0053】
前記第1のプーリ71は、回転用の駆動部としての図示されない入力用モータを駆動することによって、矢印A方向に回転させられ、それに伴って、ベルト132が矢印B方向に走行させられ、前記第2のプーリ72を同じ方向に回転させる。そして、張力発生用の駆動部としての図示されない張力発生シリンダを駆動することによって、前記第2のプーリ72を矢印G方向に移動させ、軸sh1、sh2間の距離を変更し、長くすると、第1、第2のプーリ71、72に対するベルト132の各巻き掛け位置間の距離を変更し、長くすることができる。その結果、ベルト132に張力を加えることができる。本実施の形態において、張力発生シリンダは、油圧シリンダによって構成され、図示されない油圧回路の開閉弁を開閉することによって駆動される。
【0054】
なお、張力発生シリンダに代えて、入力用モータを使用することができる。その場合、モータを駆動することによって発生させられた回転の回転運動を、運動方向変換部としてのボールねじ等に基づいて直進運動に変換し、第2のプーリ72を移動させることができる。また、本実施の形態においては、第1のプーリ71に対して第2のプーリ72を移動させることによってベルト132に張力を加えるようになっているが、第2のプーリ72に対して第1のプーリ71を移動させ、軸sh1、sh2間の距離を長くすることによってベルト132に張力を加えたり、第1、第2のプーリ71、72をいずれも互いに移動させ、軸sh1、sh2間の距離を長くすることによってベルト132に張力を加えたりすることができる。
【0055】
前記構成の伝動用無端ベルト製造装置において、まず、ベルト132を組み立て、続いて、慣らし運転工程で、ベルト132に対して慣らし運転を行う。
【0056】
そのために、ベルト132を第1、第2のプーリ71、72間に張設するとともに、第1のプーリ71を図示されない入力軸に連結し、第2のプーリ72を図示されない出力軸に連結する。このとき、第1のプーリ71側において、前記ジョイントピン52の両端がシーブ面s1、s2に、第2のプーリ72側において、前記ジョイントピン52の両端がシーブ面s3、s4に当接させられる。なお、前記出力軸は、図示されないブレーキ装置等の負荷発生源に連結される。
【0057】
次に、前記入力用モータを駆動して入力軸を回転させ、第1のプーリ71を回転させる。これにより、ベルト132が走行させられ、第2のプーリ72が回転させられ、第2のプーリ72の回転が前記負荷発生源に伝達される。すなわち、動力は、第1のプーリ71のシーブ面s1、s2から、ジョイントピン52に伝達され、各ジョイントピン52、53(図3)及びリンクプレート51を介して第2のプーリ72のシーブ面s3、s4に伝達される。
【0058】
前記慣らし運転において、第1、第2のプーリ71、72の各軸sh1、sh2間の距離M、入力用モータによって発生させられる駆動力を表すモータトルクTM、負荷発生源に発生させられる負荷等を適宜設定することによって、ベルト132に所定の張力F1を加えることができる。この場合、張力F1は、ベルト132の最大許容張力Fmaxより大きい所定の値にされ、各リンクプレート51の表面に、塑性変形をさせ、リンクプレート51の内部に弾性変形をさせる。すなわち、各リンクプレート51の各ピン挿通部61の内周面が、対応するジョイントピン52、53によって押圧力を受け、塑性変形をする。
【0059】
したがって、その後、加えた張力F1をなくすと、リンクプレート51の表面が圧縮された状態で内部に残留応力が発生するので、ベルト132の強度をその分大きくすることができる。その結果、ベルト132の耐久性を向上させることができる。
【0060】
ところが、前記ベルト132に張力を加えると、ジョイントピン52に第1、第2のプーリ71、72からの反力が加わるが、このとき、ジョイントピン52が大きく撓み、湾曲すると、板厚方向に積層された各リンクプレート51間における残留応力にばらつきが生じてしまう。
【0061】
図8は伝動用無端ベルト製造装置の要部を示す比較図、図9はジョイントピンに加わる反力の説明図である。なお、この場合、第1のプーリ71側及び第2のプーリ72側の構造は同じであるので、第1のプーリ71側についてだけ説明する。
【0062】
図において、132はベルト、71は第1のプーリ、23は、開き角度αで形成された「V」字状の形状を有する溝(以下「V溝」という。)であり、該V溝23は、傾斜角度α/2で傾斜するシーブ面s1、s2、及び底壁s5(軸sh1の外周面)によって形成される。また、51はリンクプレート、52はジョイントピンであり、該ジョイントピン52は、両端が丸くされ、所定の部位でシーブ面s1、s2と当接させられる。なお、開き角度αは、実機のプライマリプーリ126(図2)の開き角度と等しくされる。本実施の形態においては、ジョイントピン52の両端が丸くされるが、シーブ面s1、s2と対応させて平坦(たん)にすることができる。また、k1は固定シーブ、k2は可動シーブである。
【0063】
ここで、ベルト132に加わる張力をF1とし、ジョイントピン52の両端に加わる反力をf1としたとき、反力f1はシーブ面s1、s2に対して直角の方向に加わるので、反力f1が軸sh1に対して成す角度は前記シーブ面s1、s2の傾斜角度α/2と等しくなる。したがって、第1のプーリ71における反力f1の軸方向の分力をfx1とし、径方向の分力をfy1とすると、分力fx1、fy1は、
fx1=f1・cos(α/2)
fy1=f1・sin(α/2)
になり、
2fy1=F1
になる。
【0064】
そして、ジョイントピン52に張力F1が加わるとともに、軸方向の分力fx1が加わるので、ジョイントピン52は図8の破線で示されるように撓み、湾曲させられる。
【0065】
このとき、ジョイントピン52は、中央部において、軸sh1と平行なまま底壁s5に近づくのに対して、中央部から離れるのに従って、軸sh1に対して傾斜させられ、軸sh1とジョイントピン52との成す角度が大きくなる。したがって、ジョイントピン52の中央部に位置するリンクプレート51はそれほど変形せず、張力F1による荷重の分担が少ないのに対して、ジョイントピン52の両端の近傍に位置するリンクプレート51は大きく変形し、張力による荷重の分担が大きくなってしまう。したがって、各リンクプレート51間における残留応力にばらつきが生じ、ベルト132の品質が低下してしまうだけでなく、所望の残留応力を発生させることができないので、ベルト132の耐久性がその分低下してしまう。
【0066】
そこで、本実施の形態においては、V溝23の開き角度を、実機の変速機構102のプライマリプーリ126及びセカンダリプーリ131の開き角度より大きく設定するようにしている。
【0067】
図1は本発明の第1の実施の形態における伝動用無端ベルト製造装置の要部を示す図、図10は本発明の第1の実施の形態におけるジョイントピンに加わる反力の説明図である。なお、この場合、第1のプーリ71側及び第2のプーリ72側の構造は同じであるので、第1のプーリ71側についてだけ説明する。
【0068】
図において、132はベルト、71は第1のプーリ、23は、開き角度βで形成されたV溝であり、該V溝23は、傾斜角度β/2で傾斜するシーブ面s1、s2、及び底壁s5(軸sh1の外周面)によって形成される。また、51はリンクプレート、52はジョイントピンであり、該ジョイントピン52は、両端面が丸くされ(湾曲させて、かつ、シーブ面s1、s2に対して突出させて形成され)、所定の部位で局所的にシーブ面s1、s2と当接させられる。なお、開き角度βは、実機のプライマリプーリ126(図2)及びセカンダリプーリ131の開き角度より大きく設定される。また、k1は固定シーブ、k2は可動シーブである。
【0069】
ここで、ベルト132に加わる張力をF1とし、ジョイントピン52の両端に加わる反力をf2としたとき、傾斜角度β/2が大きくなるのに伴って、ジョイントピン52のシーブ面s1、s2と当接する位置、すなわち、反力f2が作用する位置をジョイントピン52の中心より軸sh1側に移動させることができる。反力f2がジョイントピン52の中心より軸sh1側に作用することによって、ジョイントピン52に軸sh1側と反対方向、すなわち、張力F1による撓み方向と反対方向にジョイントピン52が凸になるように曲げモーメントMが発生させられる。これにより、ジョイントピン52の撓み量を図8の比較例より小さくすることができる。
【0070】
しかも、前述されたように、ジョイントピン52の両端面は丸くされているので、反力f2が作用する位置をジョイントピン52の中心より軸sh1側に移動させることができ、よりいっそうジョイントピン52に生じる曲げモーメントMを大きくすることができる。
【0071】
また、反力f2はシーブ面s1、s2に対して直角の方向に加わるので、反力f2が軸sh1に対して成す角度は前記シーブ面s1、s2の傾斜角度β/2と等しくなる。したがって、第1のプーリ71における反力f2の軸方向の分力をfx2とし、径方向の分力をfy2とすると、分力fx2、fy2は、
fx2=f2・cos(β/2)
fy2=f2・sin(β/2)
になり、
2fy2=F1
になる。
【0072】
したがって、反力f2は、
f2=F1/(2sin(β/2))
になり、同様に、図8の比較例において、反力f1は、
f1=F1/(2sin(α/2))
になる。ここで、両者に同じ張力F1が加わると、前記開き角度βが前記開き角度αより大きくなる分、シーブ面s1、s2の傾斜角度β/2は通常の45°より大きく設定されることはないので、
sin(β/2)>sin(α/2)
になり、
f2<f1
になる。したがって、ジョイントピン52に作用する反力f2を小さくすることができるので、慣らし運転中に固定シーブ123及び可動シーブ125に作用する軸力を小さくすることができる。
【0073】
したがって、ジョイントピン52の撓み量が図8の比較例より少なくなり、例えば、実機の変速機構102を稼働したときの撓み量とほぼ等しくすることができるので、ジョイントピン52の中央部に位置するリンクプレート51及びジョイントピン52の両端の近傍に位置するリンクプレート51は、いずれも、それほど変形せず、張力F1による荷重の分担が少なくなる。その結果、各リンクプレート51間における残留応力にばらつきが生じるのを防止することができ、ベルト132の品質を向上させることができるだけでなく、所望の残留応力を発生させることができるので、ベルト132の耐久性を向上させることができる。
【0074】
また、固定シーブ123及び可動シーブ125に作用する軸力を小さくすることができるので、張力発生シリンダに加える油圧を小さくすることができる。したがって、慣らし運転のコストを抑制することができる。
【0075】
次に、このようにして製造されたベルト132を変速機構102に取り付けた状態について説明する。
【0076】
図11は本発明の第1の実施の形態における実機の変速機構の要部を示す図である。なお、この場合、プライマリプーリ126及びセカンダリプーリ131の構造は同じであるので、プライマリプーリ126についてだけ説明する。
【0077】
図において、132はベルト、126はプライマリプーリ、123は固定シーブ、125は可動シーブ、81は開き角度αで形成されたV溝、51はリンクプレート、52はジョイントピンである。
【0078】
ここで、無段変速機を稼働するときのベルト132に加わる張力をF3とし、ジョイントピン52の両端に加わる反力をf3としたとき、張力F3は、
F3<F1
にされる。
【0079】
したがって、反力f3も、
f3<f1
になる。
【0080】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0081】
図12は本発明の第2の実施の形態における伝動用無端ベルト製造装置の概念図、図13は本発明の第2の実施の形態における伝動用無端ベルト製造装置の動作を示す図である。
【0082】
図において、71は所定の位置において軸sh1を中心として回転自在に配設された第1の張力発生部材としての第1のプーリ、82は、該第1のプーリ71と所定の距離を置いた所定の位置において軸sh12を中心として回転自在に配設された第2の張力発生部材としての第2のプーリであり、第1、第2のプーリ71、82間に伝動部材としてのベルト132が張設される。前記第1、第2のプーリ71、82は張力発生用の、かつ、慣し運転用のプーリである。また、51はリンクプレート、52は第1のピンとしてのジョイントピンである。
【0083】
前記第1のプーリ71は、前記軸sh1、及び該軸sh1の両端に、径方向外方に突出させて形成された円形の形状を有する第1のシーブとしての固定シーブk1及び第2のシーブとしての可動シーブk2を備え、前記第2のプーリ82は、前記軸sh12、及び該軸sh12の両端に、軸sh12に対して移動自在に配設された第1、第2のシーブとしての可動シーブk13、k14を備える。前記固定シーブk1にシーブ面s1が、可動シーブk2、k13、k14にシーブ面s2、s13、s14が形成される。
【0084】
また、前記軸sh12は、両端に、径方向外方に突出させて形成された円形の形状を有するフランジ部m1、m2を備え、前記可動シーブk13、k14は、フランジ部m1、m2より中央側に配設され、フランジ部m1、m2と可動シーブk13、k14との間に、張力発生用の駆動部としての張力発生シリンダcy1、cy2が形成される。
【0085】
該張力発生シリンダcy1、cy2を駆動することによって、第2のプーリ82における有効径を大きくすると、第1、第2のプーリ71、82に対するベルト132の各巻き掛け位置間の距離を変更し、長くすることができる。その結果、ベルト132に張力を加えることができる。本実施の形態において、張力発生シリンダcy1、cy2は、油圧シリンダによって構成され、油圧回路85の図示されない開閉弁を開閉することによって駆動される。
【0086】
この場合も、V溝23の開き角度β(図1)は、実機の変速機構102(図2)の駆動側のプーリとしてのプライマリプーリ126及び従動側のプーリとしてのセカンダリプーリ131の開き角度より大きく設定される。
【0087】
なお、張力発生シリンダcy1、cy2に代えて、出力用モータを使用することができる。その場合、出力用モータを駆動することによって発生させられた回転の回転運動を、運動方向変換部としてのボールねじ等に基づいて直進運動に変換し、可動シーブk13、k14を移動させることができる。また、本実施の形態においては、第2のプーリ82において有効径を大きくし、ベルト132に張力を加えるようになっているが、第1のプーリ71において有効径を大きくし、ベルト132に張力を加えたり、第1、第2のプーリ71、82において有効径を大きくし、ベルト132に張力を加えたりすることができる。
【0088】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1の実施の形態における伝動用無端ベルト製造装置の要部を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における無段変速機の概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるベルトの要部を示す側面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるベルトの要部を示す平面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるベルトの断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における伝動用無端ベルト製造装置の概念図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における伝動用無端ベルト製造装置の動作を示す図である。
【図8】伝動用無端ベルト製造装置の要部を示す比較図である。
【図9】ジョイントピンに加わる反力の説明図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるジョイントピンに加わる反力の説明図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における実機の変速機構の要部を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における伝動用無端ベルト製造装置の概念図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態における伝動用無端ベルト製造装置の動作を示す図である。
【符号の説明】
【0090】
23 V溝
51、51a、51’a、51b、51’b、51c、51’c、51e リンクプレート
52、53 ジョイントピン
71 第1のプーリ
72、82 第2のプーリ
102 変速機構
126 プライマリプーリ
131 セカンダリプーリ
132 ベルト
cy1、cy2 張力発生シリンダ
k1、k3 固定シーブ
k2、k4、k13、k14 可動シーブ
s1〜s4、s13、s14 シーブ面
sh1、sh2、sh12 軸
【出願人】 【識別番号】591261509
【氏名又は名称】株式会社エクォス・リサーチ
【識別番号】000100768
【氏名又は名称】アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
【出願日】 平成19年3月23日(2007.3.23)
【代理人】 【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠

【識別番号】100089635
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 守

【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明


【公開番号】 特開2008−229698(P2008−229698A)
【公開日】 平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願番号】 特願2007−76047(P2007−76047)