Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
動力伝達チェーンの製造方法およびこれに用いる圧入装置 - 特開2008−188597 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B21 本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き

【発明の名称】 動力伝達チェーンの製造方法およびこれに用いる圧入装置
【発明者】 【氏名】安原 伸二

【要約】 【課題】リンクの圧入に要する時間を減少し、組立てコストを低減することができる動力伝達チェーンの製造方法およびこれに用いる圧入装置を提供する。

【解決手段】圧入装置40は、すべてのピン14およびインターピース15の下端部を挿入可能な所要数のピン挿入孔42を有する円盤状のピン保持治具41と、すべてのピン14およびインターピース15を挿通可能な所要数のピン挿通孔44を有し、チェーン幅方向同じ位置にあるすべてのリンク11を同時にピン14およびインターピース15の所定位置まで押し込む円盤状のリンク押圧治具43とを備えている。リンク圧入工程は、チェーン幅方向同じ位置となるすべてのリンク11をピン14およびインターピース15の一端部に配置するリンク配置工程と、チェーン幅方向同じ位置となるすべてのリンク11を同時に圧入してピン14およびインターピース15の所定位置に位置させるリンク押圧工程とを含んでいる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所要数のピンを所定ピッチで配置してチェーンとして組み立てられたときの配列状態で保持するピン保持工程と、これらのピンに所要数のリンクを圧入するリンク圧入工程とを備えている動力伝達チェーンの製造方法において、
リンク圧入工程は、チェーン幅方向同じ位置となるすべてのリンクをピンの一端部に配置するリンク配置工程と、チェーン幅方向同じ位置となるすべてのリンクを同時に圧入してピンの所定位置に位置させるリンク押圧工程とを含んでいることを特徴とする動力伝達チェーンの製造方法。
【請求項2】
複数のリンクおよびチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する複数のピンを有しかつ各ピンが圧入によりリンクに固定される動力伝達チェーンを製造する際に使用される圧入装置であって、
すべてのピンの一端部を挿入可能な所要数のピン挿入孔を有するピン保持治具と、すべてのピンを挿通可能な所要数のピン挿通孔を有し、チェーン幅方向同じ位置にあるすべてのリンクを同時にピンの所定位置まで押し込むリンク押圧治具とを備えていることを特徴とする圧入装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、動力伝達チェーンの製造方法およびこれに用いる圧入装置、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンの製造方法およびこれに用いる圧入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用無段変速機として、図6に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するもの(チェーン式無段変速機)が知られている。
【0003】
このような無段変速機に適した動力伝達チェーンとしては、ピンが挿通される複数のリンクと、チェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する複数のピンとを備え、各ピンが圧入によりリンクに固定されるものが知られており、特許文献1には、その製造方法として、所要数のピンを所定ピッチで垂直状に配置してチェーンとして組み立てられたときの配列状態で保持しておいてから、これらのピンにリンクを1枚ずつ圧入していくものが提案されている。
【特許文献1】特開2006−95583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の動力伝達チェーンの製造方法によると、リンクを1枚ずつ圧入していくことから、チェーンを構成するリンクの枚数が多くなると、リンクの圧入に要する時間が増加し、組立てコストが上昇することになる。
【0005】
この発明の目的は、リンクの圧入に要する時間を減少し、組立てコストを低減することができる動力伝達チェーンの製造方法およびこれに用いる圧入装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による動力伝達チェーンの製造方法は、所要数のピンを所定ピッチで配置してチェーンとして組み立てられたときの配列状態で保持するピン保持工程と、これらのピンに所要数のリンクを圧入するリンク圧入工程とを備えている動力伝達チェーンの製造方法において、リンク圧入工程は、チェーン幅方向同じ位置となるすべてのリンクをピンの一端部に配置するリンク配置工程と、チェーン幅方向同じ位置となるすべてのリンクを同時に圧入してピンの所定位置に位置させるリンク押圧工程とを含んでいることを特徴とするものである。
【0007】
ピンは、垂直状または水平状に支持される。リンク配置は、1枚ずつ行ってもよく、また、すべてのリンクを同時に配置するようにしてもよいが、複数回に分けて数枚ずつまとめて行うことが好ましい。リンクの圧入は、サーボモータを使用して行えばよい。
【0008】
動力伝達チェーンは、チェーン幅方向に並ぶリンク間に隙間が設定されているものがより好ましい。このような動力伝達チェーンでは、チェーン幅方向に並ぶリンクの隣り合うもの同士が強く接触すると、摩擦力によってリンクが摩耗しやすいという問題が生じやすく、全く接触しないと、チェーンの弦振動が発生した場合の抑止力となる摩擦力が無くなるので、振動および騒音が大きくなるという問題が生じやすい。従来のように1枚ずつリンクを圧入する方法においては、圧入ごとのばらつきによって隙間を管理することが難しいものとなっているが、チェーン幅方向同じ位置となるすべてのリンクを同時に圧入することにより、チェーン幅方向に並ぶリンク間の隙間管理が容易となり、圧入時に得られる隙間の精度が向上し、適正な隙間によって、摩耗と振動とのバランスを取ることができる。また、圧入を1枚ずつ行う場合、トータルの圧入時間を短くするために高速で圧入する必要があるが、すべてのリンクを同時に圧入することにより、圧入工数を大幅に削減することができ、圧入を1枚ずつ行う場合に比べて、ゆっくりと圧入することができ、これにより、精度をより一層向上させることができる。
【0009】
この発明による圧入装置は、複数のリンクおよびチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する複数のピンを有しかつ各ピンが圧入によりリンクに固定される動力伝達チェーンを製造する際に使用される圧入装置であって、すべてのピンの一端部を挿入可能な所要数のピン挿入孔を有するピン保持治具と、すべてのピンの他端部を挿通可能な所要数のピン挿通孔を有し、チェーン幅方向同じ位置にあるすべてのリンクを同時にピンの所定位置まで押し込むリンク押圧治具とを備えていることを特徴とするものである。
【0010】
ピン保持治具およびリンク押圧治具は、炭素工具鋼や合金工具鋼などを用いて製作され、プレス機等に取り付けられる。この際、ピン保持治具は、中心軸(例えば垂直軸)回りにリンク供給装置に対して相対的に回転可能に支持され、リンク押圧治具は、ピン保持治具に対して相対的に中心軸方向に移動可能に支持される。ピン保持治具のピン挿入孔は、所要数のピンを所定ピッチで配置してチェーンとして組み立てられたときの配列状態で保持するように形成され、リンク押圧治具のピン挿通孔は、ピン保持治具のピン挿入孔に対応する位置に形成される。
【0011】
上記の製造方法および圧入装置は、圧入を必要とする種々の動力伝達チェーンを製造するのに適しているが、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に圧入により固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に圧入により固定されているものである動力伝達チェーンを製造するのにより適している。この場合の圧入は、挿通部の長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われることが好ましい。
【0012】
この場合に、チェーン幅方向同じ位置に並ぶリンクの枚数は、20〜30枚程度とされ、これが例えば25層に積層されることでチェーンが組み立てられる。ピン保持治具およびリンク押圧治具に設けられるピン挿入孔およびピン挿通孔の数は、60〜100程度となる。
【0013】
上記動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
【0014】
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
【発明の効果】
【0015】
この発明の動力伝達チェーンの製造方法および圧入装置によると、リンクの圧入に要する時間を減少し、組立てコストを低減することができる。しかも、チェーン幅方向に隣り合うリンク間の隙間を精度よく管理することが容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいうものとする。
【0017】
図1は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法および圧入装置を使用して製造される動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者は、インターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
【0018】
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
【0019】
図2に示すように、リンク(11)の前挿通部(12)と後挿通部(13)との間には、柱部(21)が介在させられており、前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
【0020】
各ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下縁部には、各ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
【0021】
図2において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
【0022】
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
【0023】
リンク(11)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
【0024】
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、インボリュート曲線とされており、この実施形態では、ピン(14)の接触面が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の接触面が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から曲線部分へまたは曲線部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその接触面がインターピース(15)の接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその接触面がピン(14)の接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
【0025】
上記の動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡がインボリュート曲線とされていることにより、ピンおよびインターピースの接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
【0026】
この動力伝達チェーン(1)は、図6に示したCVTで使用されるが、この際、図3に示すように、プーリ軸(2e)を有するプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)にインターピース(15)の端面が接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。
【0027】
図3において、実線で示した位置にあるドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近・離隔させると、ドライブプーリ(2)における巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。ドリブンプーリ(3)では、図示省略するが、その可動シーブがドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動し、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が大きくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が小さくなり、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が小さくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が大きくなる。この結果、変速比が1:1である状態(初期値)を基準にして、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最小で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最大であるU/D(アンダードライブ)状態が得られ、また、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最大で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最小のO/D(オーバードライブ)状態が得られる。
【0028】
この動力伝達チェーン(1)は、所要数のピン(14)およびインターピース(15)を保持した後、所要数のリンク(11)を順次圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(18)およびインターピース固定部(17)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。
【0029】
図4および図5は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法およびこれに用いる圧入装置を示している。以下の説明において、上下は、図の上下をいうものとするが、これは便宜的なものであり、図の左右が上下になるようにすることもできる。
【0030】
動力伝達チェーンの製造方法は、チェーン(1)で使用されるすべてのピン(14)およびインターピース(15)を対にして所定ピッチで配置してチェーン(1)として組み立てられたときの配列状態で保持するピン保持工程と、チェーン(1)で使用されるすべてのリンク(11)がチェーン幅方向に積層されるようにこれらのピン(14)およびインターピース(15)にリンク(11)を順次圧入していくリンク圧入工程とを備えている。
【0031】
リンク圧入工程は、チェーン幅方向同じ位置となるすべてのリンク(11)をすべてのピン(14)およびインターピース(15)の上端部に配置するリンク配置工程と、チェーン幅方向同じ位置となるすべてのリンク(11)を同時に圧入してピン(14)およびインターピース(15)の所定位置に位置させるリンク押圧工程とを含んでいる。
【0032】
圧入装置(40)は、すべてのピン(14)およびインターピース(15)の下端部を挿入可能な所要数のピン挿入孔(42)を有する円盤状のピン保持治具(41)と、すべてのピン(14)およびインターピース(15)を挿通可能な所要数のピン挿通孔(44)を有し、チェーン幅方向同じ位置にあるすべてのリンク(11)を同時にピン(14)およびインターピース(15)の所定位置まで押し込む円盤状のリンク押圧治具(43)とを備えている。
【0033】
ピン保持治具(41)のピン挿入孔(42)は、有底のもので、その深さは、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)の最外側のものからのピン(14)およびインターピース(15)の突出量(出代)に合致する大きさとされており、ピン挿入孔(42)の底面は、ピン(14)およびインターピース(15)がそれぞれ所定の出代を有するように、段付に形成されている。ピン挿入孔(42)の横断面形状は、リンク(11)の前後挿通部(12)(13)とほぼ同じ形状とされており、ピン(14)およびインターピース(15)の挿入および抜き出しが可能でかつ挿入されたピン(14)およびインターピース(15)が動かない程度の嵌め合いとされている。
【0034】
リンク押圧治具(43)の外径は、ピン保持治具(41)の外径にほぼ等しくなされており、ピン保持治具(41)に保持されたピン(14)およびインターピース(15)にチェーン幅方向同じ位置にあるすべてのリンク(11)をセットしてから、リンク押圧治具(43)を下方に移動させることにより、チェーン幅方向同じ位置にあるすべてのリンク(11)を同時にピン(14)およびインターピース(15)の所定位置まで押し込むことができる。リンク押圧治具(43)のピン挿通孔(44)は、貫通孔であり、その横断面形状は、リンク(11)の前後挿通部(12)(13)とほぼ同じ形状とされており、リンク押圧治具(43)を下方に移動させる際にピン(14)およびインターピース(15)に接触するが干渉はしない程度の嵌め合いとされている。
【0035】
ピン保持治具(41)は、垂直軸回りに回転可能とされており、まず、ピン保持治具(41)を回転させながら、ピン(14)およびインターピース(15)が挿入されていないピン挿入孔(42)にもピン(14)およびインターピース(15)を挿入し、これと並行してまたはすべてのピン(14)およびインターピース(15)を挿入し終えた後、まず、1層目のリンク(チェーンの最外側に位置するリンク)(11)がすべてのピン(14)およびインターピース(15)の上端部に配置される。このリンク(11)の配置は、リンク供給装置(図示略)によって行われ、複数枚のリンク(11)が一度にセットされる。次いで、リンク押圧治具(43)を下降させ、1層目のリンク(11)をピン保持治具(41)の上面に押し付ける。次いで、2層目のリンク(11)がすべてのピン(14)およびインターピース(15)の上端部に配置され、その後、リンク押圧治具(43)が下降させられる。この際の下降量は、1層目のリンク(11)と2層目のリンク(11)とを密着させるのではなく、1層目のリンク(11)と2層目のリンク(11)との間に所定量の隙間が形成されるように制御される。このようにして、チェーン幅方向同じ位置となるすべてのリンク(11)を配置した後にリンク押圧治具(43)の下降を繰り返すことにより、チェーン幅方向に25列に並ぶリンク(11)を有するチェーン(1)が25回の圧入操作によって組み立てられる。
【0036】
リンク(11)を1枚ずつ圧入する場合、1層のリンク枚数がすべて25枚であるとすると、圧入回数は、25×25=625回となるのに対し、上記の製造方法によると、圧入回数が1/25となることで、圧入に必要な時間を少なくとも1/10以下にすることができる。また、1層分のすべてのリンク(11)の位置がリンク押圧治具(43)によって規制されることにより、リンク(11)間の隙間を精度よく制御することができ、また、リンク(11)の位置(組立て時の上下位置、チェーン時の幅方向位置)のばらつきを大幅に減少することができ、これにより、騒音の原因となる出代のばらつきも抑えられ、リンク間隙間が安定した品質のよいチェーンを低コストで組み立てることができる。
【0037】
なお、上記の製造方法および圧入装置は、リンク、ピンおよびインターピースの形状に限定されることはなく、圧入タイプの種々の動力伝達チェーンに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法で製造される動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。
【図2】図2は、リンクの拡大側面図である。
【図3】図3は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。
【図4】図4は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法および圧入装置を示す斜視図である。
【図5】図5は、同垂直断面図である。
【図6】図6は、無段変速機を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
(1) 動力伝達チェーン
(11) リンク
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)
(40) 圧入装置
(41) ピン保持治具
(42) ピン挿入孔
(43) リンク押圧治具
(44) ピン挿通孔
【出願人】 【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
【出願日】 平成19年2月1日(2007.2.1)
【代理人】 【識別番号】100083149
【弁理士】
【氏名又は名称】日比 紀彦

【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助

【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 彰

【識別番号】100069338
【弁理士】
【氏名又は名称】清末 康子


【公開番号】 特開2008−188597(P2008−188597A)
【公開日】 平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願番号】 特願2007−22574(P2007−22574)