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【発明の名称】 鍛造素材の重量測定方法、重量測定装置、及び鍛造ライン
【発明者】 【氏名】太田 陽介

【要約】 【課題】鍛造ラインの生産性を確保しつつ、鍛造素材の重量を高い精度で測定することが可能な鍛造素材の重量測定方法、重量測定装置、及び鍛造ラインを提供する。

【解決手段】ビレット2が搬送中に受ける重力を測定すると同時に、当該ビレット2が搬送中に受ける水平方向の加速力と、ビレット2を載置した搬送台3の振動と、を測定し、ビレット2が搬送中に受ける重力の測定値を、当該ビレット2が搬送中に受ける加速力の測定値と搬送台3の振動の測定値に基き補正して、ビレット2が搬送中に受ける重力の測定値から、当該ビレット2が搬送中に受ける加速力と搬送台3の振動との影響を除去する。これにより、搬送中であっても、ビレット2の重量を高い精度で測定することができると共に、ビレット2の重量が搬送中に測定されるため、鍛造ラインの生産性が確保される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍛造工程へ供給される鍛造素材の重量を測定する方法であって、
鍛造素材を前記鍛造工程へ向けて搬送しながら、
鍛造素材が搬送中に受ける重力と、該鍛造素材が搬送中に受ける水平方向の加速力と、を同時に測定し、
鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、鍛造素材が搬送中に受ける水平方向の加速力の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、鍛造素材が搬送中に受ける前記加速力の影響を除去することにより、鍛造素材の重量を測定することを特徴とする鍛造素材の重量測定方法。
【請求項2】
鍛造素材が搬送中に受ける重力を測定すると同時に、鍛造素材を搬送する搬送台の振動を測定し、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、鍛造素材を搬送する前記搬送台の振動の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、鍛造素材を搬送する前記搬送台の振動の影響を除去することにより、鍛造素材の重量を測定することを特徴とする請求項1に記載の鍛造素材の重量測定方法。
【請求項3】
鍛造工程へ供給される鍛造素材の重量を測定する装置であって、
鍛造素材が搬送中に受ける重力を測定する重力測定手段と、
鍛造素材が搬送中に受ける水平方向の加速力を測定する加速力測定手段と、
鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、鍛造素材が搬送中に受ける水平方向の加速力の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、鍛造素材が搬送中に受ける前記加速力の影響を除去する加速力除去手段と、
を具備することを特徴とする鍛造素材の重量測定装置。
【請求項4】
鍛造素材を搬送する搬送台の振動を測定する振動測定手段と、
鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、鍛造素材を搬送する前記搬送台の振動の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、鍛造素材が搬送中に受ける前記加速力の影響を除去する振動除去手段と、
を具備することを特徴とする請求項3に記載の鍛造素材の重量測定装置。
【請求項5】
鍛造工程と、該鍛造工程へ向けて鍛造素材を順次搬送する素材搬送工程と、を少なくとも含む鍛造ラインであって、
鍛造素材が搬送中に受ける重力と、該鍛造素材が搬送中に受ける水平方向の加速力と、を同時に測定し、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、鍛造素材が搬送中に受ける水平方向の加速力の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、鍛造素材が搬送中に受ける前記加速力の影響を除去する重量測定工程を含むことを特徴とする鍛造ライン。
【請求項6】
前記重量測定工程は、鍛造素材が搬送中に受ける重力を測定すると同時に、鍛造素材を搬送する搬送台の振動を測定し、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、鍛造素材を搬送する前記搬送台の振動の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、鍛造素材が搬送中に受ける前記加速力の影響を除去することを特徴とする請求項5に記載の鍛造ライン。
【請求項7】
前記重量測定工程によって測定された鍛造素材の重量に基き鍛造素材の良否を判定し、不良であると判定された鍛造素材をラインから排除することを特徴とする請求項5又は6に記載の鍛造ライン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、鍛造素材の重量測定方法、重量測定装置、及び鍛造ラインに関するもので、特に、搬送中の鍛造素材の重量を高い精度で測定する方法及び装置、並びに該重量測定方法及び装置を用いる鍛造ラインに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鍛造ラインにおいては、丸棒形状の素材から切り出された製品単位のビレットが鍛造工程へ供給される。ここで、高い精度の製品を得るためには、規定重量のビレットを鍛造工程へ供給することが必須である。そこで、多くの場合、鍛造工程へ供給されるビレットの重量測定が行われている(例えば、特許文献1参照)。鍛造ラインにおいてビレットの重量測定を行う場合、鍛造ラインの生産性を確保するためには、ビレットの重量測定を鍛造プレス装置のサイクルタイム内で完了させる必要がある。すなわち、ビレットを重量測定装置に載置して測定値が安定するのを静止状態で待ち、重量測定完了後、当該ビレットを重量測定装置から次工程へ搬送する、といった一連のビレットの工程(動作)を、極めて短い時間(例えば、2秒)で完了させる必要がある。しかしながら、従来、ビレットを重量測定装置に載置させてから測定値が安定するまでの間だけでも、1.5 〜 2.0秒の時間を要するため、重量測定の工程を鍛造工程のサイクルタイム内で完了させるのは、実質的に不可能である。
【0003】
そこで、従来、重量測定装置によってコンベヤを支持し、コンベヤと当該コンベヤ上を移動するビレットとの合計の重量を測定することが試行された。これにより、ビレットは、コンベヤで搬送される過程で重量測定が行われるため、ビレットの重量測定に要する時間がビレットの搬送時間に組み込まれて、生産性が犠牲になることがない。しかしながら、例えば、ビレットの規定重量を5 kgw、コンベヤの重量を15 kgwとした場合、少なくとも25 kgwの秤量を有する重量測定用センサ(例えば、ロードセンサ)が必要になる。この場合、ビレットとコンベヤとで合計20 kgwの測定対象物の重量を測定することになるが、この約20 kgwの測定対象物の重量を、許容される誤差(±1 gw)の範囲内で、しかも、コンベヤを作動させた状態で測定するのは極めて困難である。したがって、従来、ビレットの重量を高い精度で測定するためには、少なくともビレットの搬送を停止させる必要があり、生産性を低下させる要因になっていた。
【特許文献1】特開2005−81385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、鍛造ラインの生産性を確保しつつ、鍛造素材の重量を高い精度で測定することが可能な鍛造素材の重量測定方法、重量測定装置、及び鍛造ラインを提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の鍛造素材の重量測定方法は、鍛造工程へ供給される鍛造素材の重量を測定する方法であって、鍛造素材を鍛造工程へ向けて搬送しながら、鍛造素材が搬送中に受ける重力と、該鍛造素材が搬送中に受ける水平方向の加速力と、を同時に測定し、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、鍛造素材が搬送中に受ける水平方向の加速力の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、鍛造素材が搬送中に受ける加速力の影響を除去することにより、鍛造素材の重量を測定することを特徴とする。
本発明の鍛造素材の重量測定方法によれば、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、当該鍛造素材が搬送中に受ける加速力の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける加速力が、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、鍛造素材が搬送中に受ける加速力の影響を除去する。これにより、搬送中であっても、鍛造素材の重量を高い精度で測定することができる。そして、重量測定は、鍛造素材を搬送中に行われるので、鍛造ラインの生産性が確保される。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の鍛造素材の重量測定装置は、鍛造工程へ供給される鍛造素材の重量を測定する装置であって、鍛造素材が搬送中に受ける重力を測定する重力測定手段と、鍛造素材が搬送中に受ける水平方向の加速力を測定する加速力測定手段と、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、鍛造素材が搬送中に受ける水平方向の加速力の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、鍛造素材が搬送中に受ける加速力の影響を除去する加速力除去手段と、を具備することを特徴とする。
本発明の鍛造素材の重量測定装置によれば、加速力除去手段は、重力測定手段の測定値を加速力測定手段の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、鍛造素材が搬送中に受ける加速力の影響を除去する。これにより、搬送中であっても、鍛造素材の重量を高い精度で測定することができる。そして、重量測定は、鍛造素材を搬送中に行われるので、鍛造ラインの生産性が確保される。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の鍛造ラインは、鍛造工程と、該鍛造工程へ向けて鍛造素材を順次搬送する素材搬送工程と、を少なくとも含む鍛造ラインであって、鍛造素材が搬送中に受ける重力と、該鍛造素材が搬送中に受ける水平方向の加速力と、を同時に測定し、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、鍛造素材が搬送中に受ける水平方向の加速力の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、鍛造素材が搬送中に受ける加速力の影響を除去する重量測定工程を含むことを特徴とする。
本発明の鍛造ラインによれば、重量測定工程は、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、当該鍛造素材が搬送中に受ける加速力の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、鍛造素材が搬送中に受ける加速力の影響を除去する。これにより、搬送中であっても、鍛造素材の重量を高い精度で測定することができる。そして、重量測定は、鍛造素材を搬送中に行われるので、鍛造ラインの生産性が確保される。
【0008】
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)〜(7)項の各々が、請求項1〜7の各々に相当する。
【0009】
(1)鍛造工程へ供給される鍛造素材の重量を測定する方法であって、鍛造素材を鍛造工程へ向けて搬送しながら、鍛造素材が搬送中に受ける重力と、該鍛造素材が搬送中に受ける水平方向の加速力と、を同時に測定し、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、鍛造素材が搬送中に受ける水平方向の加速力の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、鍛造素材が搬送中に受ける加速力の影響を除去することにより、鍛造素材の重量を測定することを特徴とする鍛造素材の重量測定方法。
本項に記載の鍛造素材の重量測定方法によれば、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、当該鍛造素材が搬送中に受ける加速力の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、鍛造素材が搬送中に受ける加速力の影響を除去するので、搬送中であっても、鍛造素材の重量を高い精度で測定することができる。
本項の態様において、鍛造素材が搬送中に受ける重量の測定は、測定値が安定してから、当該測定値を平均化処理することにより行われる。これにより、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から振動の影響を除去して、鍛造素材の重量をより高い精度で測定することができる。
【0010】
(2)鍛造素材が搬送中に受ける重力を測定すると同時に、鍛造素材を搬送する搬送台の振動を測定し、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、鍛造素材を搬送する搬送台の振動の測定値に基き補正して、鍛造素材を搬送する搬送台の振動が、鍛造素材が搬送中に受ける重力へ及ぼす影響を除去することにより、鍛造素材の重量を測定する(1)の鍛造素材の重量測定方法。
本項に記載の態様によれば、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を搬送台の振動の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、搬送台の振動の影響を除去するので、搬送中であっても、鍛造素材の重量を高い精度で測定することができる。
【0011】
(3)鍛造装置へ供給される鍛造素材の重量を測定する装置であって、鍛造工程へ供給される鍛造素材の重量を測定する装置であって、鍛造素材が搬送中に受ける重力を測定する重力測定手段と、鍛造素材が搬送中に受ける水平方向の加速力を測定する加速力測定手段と、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、鍛造素材が搬送中に受ける水平方向の加速力の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、鍛造素材が搬送中に受ける加速力の影響を除去する加速力除去手段と、を具備することを特徴とする鍛造素材の重量測定装置。
本項に記載の鍛造素材の重量測定装置によれば、加速力除去手段は、重力測定手段の測定値を加速力測定手段の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、鍛造素材が搬送中に受ける加速力の影響を除去するので、搬送中であっても、鍛造素材の重量を高い精度で測定することができる。
本項の態様では、重力測定手段、並びに加速力測定手段には、例えば、ロードセルを有する測定装置が用いられる。この場合、例えば、搬送台の上面に重力測定装置(重力測定手段)を配置し、該重力測定装置の測定面に鍛造素材を支持するための素材支持台を設置する。そして、素材支持台には加速力測定装置(加速力測定手段)を縦方向(鉛直方向)に配置して、該加速力測定装置によって、鍛造素材が搬送中に受ける加速力を測定する。なお、重力測定装置(重力測定手段)は、素材支持台、加速力測定装置(加速力測定手段)、並びに鍛造素材の各要素が受ける重力を合計した重力を測定する。ここで、鍛造素材を除く要素(素材支持台及び加速力測定装置)の重量は既知であるため、重力測定装置の測定値から、素材支持台及び加速力測定装置が受ける重力を減算することにより、鍛造素材のみの重力が重力測定装置によって測定される。
【0012】
(4)鍛造素材を搬送する搬送台の振動を測定する振動測定手段と、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、鍛造素材を搬送する搬送台の振動の測定値に基き補正して、鍛造素材を搬送する搬送台の振動が、鍛造素材が搬送中に受ける重力へ及ぼす影響を除去する振動除去手段と、を具備する(3)の鍛造素材の重量測定装置。
本項に記載の態様によれば、振動除去手段は、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を搬送台の振動の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、搬送台の振動の影響を除去するので、搬送中であっても、鍛造素材の重量を高い精度で測定することができる。
本項の態様において、振動除去手段には、重力測定装置(重力測定手段)と同一の、例えば、ロードセルを有する測定装置を使用し、当該振動除去装置(振動除去手段)を、重力測定装置と同一の搬送台に設置すればよい。
【0013】
(5)鍛造工程と、該鍛造工程へ向けて鍛造素材を順次搬送する素材搬送工程と、を少なくとも含む鍛造ラインであって、鍛造素材が搬送中に受ける重力と、該鍛造素材が搬送中に受ける水平方向の加速力と、を同時に測定し、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、鍛造素材が搬送中に受ける水平方向の加速力の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、鍛造素材が搬送中に受ける加速力の影響を除去する重量測定工程を含むことを特徴とする鍛造ライン。
本項に記載の鍛造ラインによれば、重量測定工程は、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、当該鍛造素材が搬送中に受ける加速力の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、鍛造素材が搬送中に受ける加速力の影響を除去するので、搬送中であっても、鍛造素材の重量を高い精度で測定することができる。そして、重量測定は、鍛造素材を搬送中に行われるので、鍛造ラインの生産性が確保される。
【0014】
(6)重量測定工程は、鍛造素材が搬送中に受ける重力を測定すると同時に、鍛造素材を搬送する搬送台の振動を測定し、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を、鍛造素材を搬送する搬送台の振動の測定値に基き補正することにより、鍛造素材を搬送する搬送台の振動が、鍛造素材が搬送中に受ける重力へ及ぼす影響を除去する(5)の鍛造ライン。
本項に記載の態様によれば、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値を搬送台の振動の測定値に基き補正して、鍛造素材が搬送中に受ける重力の測定値から、搬送台の振動の影響を除去するので、搬送中であっても、鍛造素材の重量を高い精度で測定することができる。
【0015】
(7)重量測定工程によって測定された鍛造素材の重量に基き鍛造素材の良否を判定し、不良であると判定された鍛造素材をラインから排除する(5)又は(6)の鍛造ライン。
本項に記載の態様によれば、鍛造工程には規定の重量の鍛造素材のみが供給されるので、製品不良の発生や、鍛造金型へのダメージ等の不具合を未然に防ぐことができる。
本項の態様において、不良(NG)と判定された鍛造素材、すなわち、規定の重量でないと判定された鍛造素材は、例えば、ロボットによってラインから排除されてスクラップボックスに収容される。
【発明の効果】
【0016】
鍛造ラインの生産性を確保しつつ、鍛造素材の重量を高い精度で測定することが可能な鍛造素材の重量測定方法、重量測定装置、及び鍛造ラインを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の一実施形態を添付した図に基き説明する。本実施形態の鍛造ラインは、丸棒形状の鍛造素材から製品単位のビレット2を切り出すビレット切り出し工程と、該ビレット切り出し工程によって切り出されたビレット2を鍛造工程へ向けて搬送するビレット搬送工程(素材搬送工程)と、該ビレット搬送工程によって搬送されたビレット2を鍛造工程へ供給するビレット供給工程と、が配置される。また、本実施形態の鍛造ラインは、搬送工程に並行して搬送中のビレット2の重量を測定する重量測定工程が配置される。そして、重量測定工程は、ビレット2が搬送中に受ける重力の測定値を、当該ビレット2が搬送中に受ける加速力及び振動の測定値に基き補正して、ビレット2が搬送中に受ける重力の測定値から、ビレット2が搬送中に受ける加速力及び振動の影響を除去することにより、搬送中であっても、ビレット2の重量を高い精度で測定することが可能な重量測定装置1を備える。
【0018】
さらに、本実施形態の鍛造ラインでは、重量測定装置1によって測定されたビレット2の重量に基き、ビレット2の良否が判定される。すなわち、ビレット2の重量が規定する重量であるか否かが判定されて、規定の重量であると判定されたビレット2のみがビレット供給工程において鍛造工程へ供給される。これにより、不良(NG)と判定されたビレット2、すわなち、規定の重量でないと判定されたビレット2が鍛造工程へ供給されることがなく、製品(鍛造品)の品質が確保される。なお、ビレット切り出し工程(素材切り出し工程)、ビレット供給工程(素材供給工程)並びに鍛造工程は、従来技術(ビレット切り出し装置、ビレット供給用ロボット、鍛造プレス装置)を適宜配置するものとし、その詳細な説明を省く。
【0019】
ビレット搬送工程では、搬送台3に載置されたビレット2がコンベヤ4によって鍛造工程へ向けて搬送される。コンベヤ4は、ビレット搬送方向(図1における右方向)に沿って配置されて、電動モータによって駆動される。搬送台3は、矩形の板材によって構成されて、当該搬送台3の前側(図1における右側)の上面には、ビレット2を支持するビレット支持部5が配置される。該ビレット支持部5は、搬送台3に固定された重力測定装置6(重力測定手段)と、該重力測定装置6の測定部6aに固定される基台7と、正面視(図1における紙面視)で楔形に形成されて脚部8を介して基台7に支持される傾斜台9と、後側に配置された脚部8に鉛直に立設される壁体10と、を含む。そして、円柱形のビレット2は、外周面2aが、傾斜台9の傾斜面9aと壁体10の支持面10aとに接した状態で、傾斜台9と壁体10との間に支持される。壁体10の後側の面(壁体10における支持面10aと反対側の面)には、加速力測定装置11(加速力測定手段)が配置される。
【0020】
重量測定装置1は、ビレット2が搬送中に受ける重力が、重力測定装置6によって測定されると同時に、ビレット2が搬送中に受ける水平方向(図1における左右方向)の加速力が、加速力測定装置11によって測定される。そして、重量測定装置1は、演算処理装置(加速力除去手段)によって、加速力測定装置11の測定値(ビレット2が搬送中に受ける加速力)に基き、重力測定装置6の測定値(ビレット2が搬送中に受ける重力)が補正される。これにより、ビレット2が搬送中に受ける重力の測定値から、ビレット2が搬送中に受ける加速力の影響が除去されて、搬送中のビレット2であっても、重量が高い精度で測定される。
【0021】
また、搬送台の後側(図1における左側)の上面には、振動測定装置12(振動測定手段)が重力測定装置6に対して平行に配置される。重量測定装置1は、ビレット2が搬送中に受ける重力が、重力測定装置6によって測定されると同時に、ビレット2を搬送中の搬送台3の振動が振動測定装置12によって測定される。そして、重量測定装置1は、演算処理装置(振動除去手段)によって、振動測定装置12の測定値(ビレット2を搬送中の搬送台3の振動)に基き、重力測定装置6の測定値(ビレット2が搬送中に受ける重力)が補正される。これにより、ビレット2が搬送中に受ける重力の測定値から、ビレット2を搬送中の搬送台3の振動の影響が除去されて、搬送中のビレット2であっても、重量が高い精度で測定される。
【0022】
そして、本実施形態の鍛造ラインでは、重量測定装置1によって測定されたビレット2の重量に基き、当該ビレット2の重量が規定の重量であるか否かが判定され、規定の重量である(本実施形態では、規定重量の±1 gw)と判定されたビレット2のみが、ビレット供給工程(素材供給工程)に配置されたビレット供給用ロボットによって鍛造工程へ供給される。なお、規定の重量でない(NG)と判定されたビレット2は、ビレット供給工程(素材供給工程)に配置されたビレット供給用ロボットによって当該ラインから排除されてスクラップボックスに収容される。また、重力測定装置6、加速力測定装置11並びに振動測定装置12は、ロードセルを有する測定装置によって構成される。さらに、ビレット支持部5は、傾斜台9の傾斜面9aの角度が、搬送中にビレット2にガタツキが生じないように適宜設定される。そして、重量測定装置1は、重力測定装置6(重力測定手段)、加速力測定装置11(加速力測定手段)、振動測定装置12(振動測定手段)並びに演算処理装置(加速力除去手段及び振動除去手段)によって構成される。
【0023】
次に、本実施形態の鍛造ラインの作用を説明する。ビレット切り出し工程(素材切り出し工程)において所定の重量となるように切り出されたビレット2は、ハンドリングロボット等の操作により搬送台3のビレット支持部5に順次載置される。そして、ビレット2を載せた搬送台3は、ビレット搬送工程(素材搬送工程)に配置したコンベヤ4によって鍛造工程に向けて搬送される。ビレット搬送工程では、ビレット2の搬送に並行して、重量測定装置1によって当該ビレット2の重量が測定される。具体的に説明すると、ビレット2が搬送中に受ける重力が、重力測定装置6(重力測定手段)によって測定される。これと同時に、ビレット2が搬送中に受ける水平方向(図1における左右方向)の加速力が加速力測定装置11(加速力測定手段)によって測定されると共に、ビレット2を搬送する搬送台3の振動が振動測定装置12(振動測定手段)によって測定される。
【0024】
そして、重力測定装置6の測定値(ビレット2が搬送中に受ける重力)を、加速力測定装置11の測定値(ビレット2が搬送中に受ける加速力)と振動測定装置12の測定値(搬送台3の振動)とに基き補正することにより、ビレット2が搬送中に受ける重力の測定値から、当該ビレット2が搬送中に受ける加速力の影響を除去する。これにより、搬送中であっても、ビレット2の重量を高い精度で測定することができる。ここで、重量測定装置1は、重力測定装置6の測定値が安定した領域(測定値が安定した時間帯)の測定値を抽出し、該抽出した領域の測定値を平均化処理することにより、搬送中のビレット2の重量測定の精度を向上させている。
【0025】
また、ビレット2は、重量測定装置1(重量測定工程)によって測定された重量に基き、規定する重量であるか否かが判定される。そして、規定の重量である(本実施形態では、規定重量の±1 gw)と判定されたビレット2は、ビレット供給工程(素材供給工程)に配置されたビレット供給用ロボットによって鍛造工程へ供給される。一方、規定の重量でない(NG)と判定されたビレット2は、ビレット供給工程に配置されたビレット供給用ロボットによって当該ラインから排除されてスクラップボックスに収容される。
【0026】
この実施形態では以下の効果を奏する。
本実施形態によれば、ビレット2が搬送中に受ける重力を測定すると同時に、当該ビレット2が搬送中に受ける水平方向の加速力と、ビレット2を載置した搬送台3の振動と、を測定し、ビレット2が搬送中に受ける重力の測定値を、当該ビレット2が搬送中に受ける加速力の測定値と搬送台3の振動の測定値に基き補正して、ビレット2が搬送中に受ける重力の測定値から、当該ビレット2が搬送中に受ける加速力と搬送台3の振動との影響を除去する。これにより、搬送中であっても、ビレット2の重量を高い精度で測定することができる。そして、ビレット2の重量が搬送中に測定される、すなわち、重量を測定するためにコンベヤ4を停止させることがないので、鍛造ラインの生産性も確保される。
また、本実施形態によれば、ビレット2が搬送中に受ける重力の測定値が安定した領域を抽出し、該抽出した領域の測定値を平均化処理して搬送中のビレット2の重量を測定するので、搬送中であっても、ビレット2の重量を高い精度で測定することができる。
さらに、本実施形態によれば、ビレット2は、重量測定装置1(重量測定工程)によって測定された重量に基き、その重量が規定する重量であるか否かが判定され、規定された重量であると判定されたビレット2のみが鍛造工程へ供給される。そして、規定された重量でない(NG)と判定されたビレット2は、当該ラインから排除される。したがって、規定された重量でないビレット2が鍛造工程へ供給されることがない。これにより、製品(鍛造品)の品質が確保されると共に、金型へのダメージ(特に、ビレット2の重量が規定よりも大きい場合)を防ぐことができる。
【0027】
なお、実施形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
重力測定装置6(重力測定手段)、加速力測定装置11(加速力測定手段)並びに振動測定装置12(振動測定手段)は、必ずしもロードセルを用いた測定装置でなくてもよく、例えば、ジャイロセンサ(加速度センサ)等を用いた測定装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施形態の説明図であって、搬送台及び該搬送台の上面に配置された重量測定装置を示す正面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 重量測定装置、2 ビレット(鍛造素材)、3 搬送台、4 コンベヤ(素材搬送手段)、5 ビレット支持部、6 重力測定装置(重力測定手段)、11 加速力測定装置(加速力測定手段)、12 振動測定装置(振動測定手段)
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成19年2月23日(2007.2.23)
【代理人】 【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫

【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫

【識別番号】100109690
【弁理士】
【氏名又は名称】小野塚 薫

【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫

【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏

【識別番号】100093193
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 壽夫


【公開番号】 特開2008−207192(P2008−207192A)
【公開日】 平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願番号】 特願2007−43729(P2007−43729)