Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
アンダカット部を有する成形品の鍛造成形方法及び装置 - 特開2008−194704 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B21 本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き

【発明の名称】 アンダカット部を有する成形品の鍛造成形方法及び装置
【発明者】 【氏名】木原 貴司

【要約】 【課題】鍛造成形品に対する歩留まりを向上させて切削加工量を抑制し後工程の省力化を図ることにある。

【解決手段】軸線方向に沿った一端部に形成され鍛造成形体28の第2据え込み成形部30bに近似した荒形状からなる環状拡径部18を有する被成形体である予備成形体16と、複数分割され型開き時に鍛造成形体28から離間可能に設けられた複数の割型80と、前記割型80の半径外方向への開き動作を抑制する型開き防止部材132と、前記割型80を反力によって上下方向に沿って変位可能に支持するガススプリング102と、昇降自在に設けられた単一のパンチ124とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向に沿った一端部に形成され成形体の据え込み成形部に近似した荒形状からなる環状拡径部と、前記環状拡径部に連続する中実部とからなる被成形体と、
周方向に沿って複数分割されて前記被成形体を囲繞すると共に、型開き時に成形体から離間可能に設けられた複数の割型と、
上型に設けられ、前記複数の割型の半径外方向への開き動作を抑制する型開き防止部材と、
前記割型の中心に設けられ、前記被成形体が載置される下型と、
前記複数の割型を上下方向に沿って変位可能に支持する付勢手段と、
前記下型と同軸状に配置され、昇降自在に設けられた単一のパンチと、
を備え、
前記パンチには、前記被成形体を前記下型に向かって加圧する第1成形部が形成され、
前記割型の内壁には、前記被成形体の環状拡径部に係合する環状突起部からなるアンダカット成形部と、前記アンダカット成形部から連続する下方側に形成された環状凹部からなる第2成形部とが設けられることを特徴とするアンダカット部を有する成形品の鍛造成形装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
前記複数の割型を支持する支持ブロックが設けられ、前記割型と前記支持ブロックとの間には、型開きする際に前記割型が傾動するときの支点となるリンクピンを含むリンク機構が配設されることを特徴とするアンダカット部を有する成形品の鍛造成形装置。
【請求項3】
分割された複数の割型に形成されたキャビティに対し、軸線方向に沿った一端部に形成され成形体の据え込み成形部に近似した荒形状からなる環状拡径部と前記環状拡径部に連続する中実部とからなる被成形体が装填される工程と、
上型と共にパンチが一体的に下降し、前記パンチによって前記被成形体に対して加圧力が付与される前、前記複数の割型の半径外方向への開き動作が規制されて拘束される工程と、
前記割型が拘束された状態に保持されたまま前記パンチによって前記被成形体に対して加圧力が付与された際、付勢手段によって上方に付勢された前記複数の割型が下降しながら据え込み成形が遂行され、前記割型が下死点に到達することにより、半径外方向に拡径した第1及び第2据え込み成形部と、前記第1据え込み成形部と前記第2据え込み成形部との間にアンダカット成形部とが形成される工程と、
前記複数の割型が成形体から離間して前記成形体が搬出される
を有することを特徴とするアンダカット部を有する成形品の鍛造成形方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、中間成形体に対して鍛造成形を施すことによって、軸方向に沿った両端部に第1据え込み成形部と第2据え込み成形部とが形成され、前記第1据え込み成形部と第2据え込み成形部との間にアンダカット部が設けられた成形品を得ることが可能なアンダカット部を有する成形品の鍛造成形方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アンダカット部を有する部材を鍛造成形によって製造することが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、周方向へ複数に分割され、軸方向の一方の端部に形成されている当接面並びにアンダカット部の形状に対応して径方向内側へ突出する環状突出部を有し、被成形部材を径方向外側から支持する下型と、前記当接面と当接可能な座面を有し、前記下型の径方向外側に前記当接面の側から軸方向に嵌め込まれ、前記下型を径方向外側から内側へと締め付けることが可能な上型とが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、割型ノックアウトピンとノックアウトピンとを有する可動板と、割型の可動方向に対して所定角度で各割型を案内するガイド手段とを備え、割型の開放と成形品の突き出しとを同時に一動作で行うことにより、離型に要する時間を短縮して作業効率の向上を図る金型装置が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、中心に貫通孔を有する円筒形状からなり、軸方向に沿った両端部に外方向に突出する環状フランジ部がそれぞれ形成され、一方又は他方の環状フランジ部の外周に歯部が成形された歯付成形品が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2002−346683号公報
【特許文献2】特開平9−239740号公報
【特許文献3】特開平6−114486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1〜3に開示された技術的思想では、例えば、一つの鍛造成形(据え込み成形)工程によって、単一の据え込み成形部を膨出形成することができるのみであり、一つの据え込み成形工程によって、軸方向に沿った両端部に第1据え込み成形部と第2据え込み成形部とを略同時に形成すると共に、前記第1据え込み成形部と第2据え込み成形部との間にアンダカット部を設けた成形品を得ることが困難である。
【0008】
また、同軸状に配置された第1の可動パンチと第2の可動パンチとを用い、前記第1の可動パンチと前記第2の可動パンチとの間に挟持された被成形体をそれぞれ近接する軸方向に加圧して、第1据え込み成形部及び第2据え込み成形部をそれぞれ軸方向に沿った両端部に膨出形成することが考えられる。
【0009】
しかしながら、この場合、前記第1の可動パンチと前記第2の可動パンチとをそれぞれ駆動させる2つの駆動機構が必要となり、しかも、前記第1の可動パンチと前記第2の可動パンチのそれぞれの加圧力を制御して第1据え込み部と第2据え込み成形部とに分配される肉流れ量を調整しなければならないという問題がある。
【0010】
さらに、例えば、アンダカット付ミッションギア等のように複雑な形状によって構成される部材を鍛造成形によって製造した場合、製品形状に仕上げるために鍛造成形品のアンダカット部に対して仕上げ加工として切削加工を施す必要があると共にその切削加工量をできるだけ抑制して、鍛造成形後における後工程の省力化を図りたいという要望がある。
【0011】
本発明は、前記の問題等を鑑みてなされたものであり、分配される肉流れ量の調整が不要な簡便な単一の鍛造成形によって、軸方向に沿った両端部に第1据え込み成形部と第2据え込み成形部とが形成される共に、鍛造成形体に対する歩留まりを向上させて切削加工量を抑制して後工程の省力化を図ることが可能なアンダカット部を有する成形品の鍛造成形方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するために、本発明は、軸線方向に沿った一端部に形成され成形体の据え込み成形部に近似した荒形状からなる環状拡径部と、前記環状拡径部に連続する中実部とからなる被成形体と、
周方向に沿って複数分割されて前記被成形体を囲繞すると共に、型開き時に成形体から離間可能に設けられた複数の割型と、
上型に設けられ、前記複数の割型の半径外方向への開き動作を抑制する型開き防止部材と、
前記割型の中心に設けられ、前記被成形体が載置される下型と、
前記複数の割型を上下方向に沿って変位可能に支持する付勢手段と、
前記下型と同軸状に配置され、昇降自在に設けられた単一のパンチと、
を備え、
前記パンチには、前記被成形体を前記下型に向かって加圧する第1成形部が形成され、
前記割型の内壁には、前記被成形体の環状拡径部に係合する環状突起部からなるアンダカット成形部と、前記アンダカット成形部から連続する下方側に形成された環状凹部からなる第2成形部とが設けられることを特徴とする。
【0013】
この場合、前記複数の割型を支持する支持ブロックが設けられ、前記割型と前記支持ブロックとの間には、型開きする際に前記割型が傾動するときの支点となるリンクピンを含むリンク機構が配設されることにより、複数の割型が成形体から離間する方向に円滑に型開きされる。
【0014】
本発明によれば、先ず、分割された複数の割型に形成されたキャビティに対し、軸線方向に沿った一端部に形成され成形体の据え込み成形部に近似した荒形状からなる環状拡径部と前記環状拡径部に連続する中実部とからなる被成形体が装填される。
【0015】
続いて、上型と共にパンチが一体的に下降し、前記パンチによって前記被成形体に対して加圧力が付与される前、前記複数の割型の半径外方向への開き動作が規制されて拘束される。前記割型が拘束された状態に保持されたまま前記パンチによって前記被成形体に対して加圧力が付与された際、付勢手段によって上方に付勢された前記複数の割型が下降しながら据え込み成形が遂行される。
【0016】
そして、前記割型が下死点に到達することにより、半径外方向に拡径した第1及び第2据え込み成形部と、前記第1据え込み成形部と前記第2据え込み成形部との間にアンダカット成形部とが形成される。さらに、前記複数の割型が成形体から離間して前記成形体が搬出される。
【0017】
このように、本発明によれば、被成形体の軸線方向に沿った一端部に成形体の据え込み成形部に近似した荒形状からなる環状拡径部が予め形成されたものを被成形体として用いると共に、付勢手段によって上方に向かって付勢された割型を用いて変位可能な状態に配置し、単一のパンチによって被成形体を軸方向に加圧して据え込み成形を遂行することにより、軸方向に沿った両端部側に第1据え込み成形部と第2据え込み成形部とがそれぞれ略同時に形成されると共に、前記第1据え込み成形部と前記第2据え込み成形部との間にアンダカット部が形成された成形体が得られる。
【発明の効果】
【0018】
単一のパンチによって被成形体を軸方向に加圧することによって、軸方向に沿った両端部に第1据え込み成形部と第2据え込み成形部とが形成される共に、前記第1据え込み成形部と第2据え込み成形部との間にアンダカット部を有する成形体を得ることができる。この結果、鍛造成形体に対する歩留まりを向上させて切削加工量を抑制して後工程の省力化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係るアンダカット部を有する成形品の鍛造成形方法について、これを実施する装置との関連において好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0020】
本発明の実施の形態に係る鍛造成形装置を用いて製造されたトランスミッションギアの製造工程を図1A〜図1Dに示す。
【0021】
このトランスミッションギアは、以下の複数の鍛造成形工程を経て製造される。なお、図1A〜図1Cに示される複数の工程は、温間又は熱間鍛造成形によって遂行されると好適である。
【0022】
先ず、図示しない鍛造成形装置を用いて円柱体からなるビレット12(図1A参照)に対して予備据え込み成形を行い、前記ビレット12の底面に位置決め用凹部14が形成された予備成形体(被成形体)16が得られる(図1B参照)。
【0023】
この予備成形体16の軸線方向に沿った一端部(上部側)には、予備据え込み成形により半径外方向に向かって所定長だけ拡径された環状拡径部18が形成されると共に、前記環状拡径部18の上面には、中心部に向かって傾斜する環状裾部20を含む略円形状凹部22が形成される。また、予備成形体16の軸線方向に沿った他端部(下部側)には、前記環状拡径部18に連続しビレット12の外径と略同径な円柱状の中実部24が形成されている。前記環状拡径部18と前記中実部24との間には、上方に向かって徐々に拡径する環状テーパ部26が形成される。
【0024】
前記予備成形体16の上部側に形成された環状拡径部18は、後述する鍛造成形体28の第1据え込み成形部30aに対応し、前記第1据え込み成形部30aの形状に近似した荒形状として形成されるものである。
【0025】
続いて、この予備成形体16を被成形体とし後述する本実施の形態に係る鍛造成形装置60を用いて前記予備成形体16の他端部(下部側)に対してさらに据え込み成形を施すことにより、図1Cに示されるような鍛造成形体(成形品)28が得られる。
【0026】
この鍛造成形体28には、軸方向に沿った両端部側に半径外方向に向かって所定長だけ拡径された第1据え込み成形部30aと第2据え込み成形部30bとがそれぞれ形成され、前記第1据え込み成形部30aと第2据え込み成形部30bとの間には、半径内方向に所定長だけ環状に窪んだアンダカット部32が設けられる。この場合、一端部側の第1据え込み成形部30aの側周壁34の外径が他端部側の第2据え込み成形部30bの側周壁36の外径よりも大きく形成される。
【0027】
前記アンダカット部32は、第1据え込み成形部30aの側周壁34に連続する断面曲線状の角部R部38を経て、軸方向と略直交する水平方向に沿って延在する略平坦な第1環状壁面40と、前記第1環状壁面40に対して所定角度だけ傾斜し第2据え込み成形部30bに向かって徐々に縮径するテーパ面42と、前記テーパ面42に連続し軸方向と略平行に延在する第2環状壁面44と、前記第2環状壁面44に連続し軸方向と略直交する水平方向に沿って延在する略平坦な第3環状壁面46とによって構成される。
【0028】
なお、前記第3環状壁面46から角部R部48を経て第2据え込み成形部30bの側周壁36に連続するように設けられる。
【0029】
続いて、図示しない穿孔装置により前記鍛造成形体28の中実部50を打ち抜くピアス成形が施されて貫通孔52を有する成形体54が形成された後、機械加工によって第1据え込み成形部30a及び第2据え込み成形部30bの側周壁34、36に対して図示しない第1ギア部及び第2ギア部がそれぞれ形成されて製品としてのトランスミッションギアが得られる。
【0030】
次に、本発明の実施の形態に係る鍛造成形装置60を図3〜図6に示す。
【0031】
この鍛造成形装置60は、図1Bに示される予備成形体16を被成形体として、さらに据え込み成形を行うものである。
【0032】
前記鍛造成形装置60は、ダイベース62と、図示しない固定機構を介して前記ダイベース62上に積層されて固定された第1〜第4バックプレート64a〜64dと、最上層である第1バックプレート64a上に交換可能に装着され被成形体に対する成形量を厚さによって調整するスペーサ66と、ロッド部68に連結され図示しないアクチュエータの駆動作用下に積層された前記第1〜第4バックプレート64a〜64dを貫通する貫通孔70に沿って変位自在に設けられた略円形状のノックアウトブロック72と、前記ノックアウトブロック72の中心部に連結されて該ノックアウトブロック72と一体的に変位するノックアウトピン74と、前記ノックアウトブロック72の周方向に沿って所定角度離間して複数本連結された円柱体からなり該ノックアウトブロック72と一体的に変位するノックアウトシャフト76とを含む。
【0033】
さらに、この鍛造成形装置60は、前記ノックアウトピン74の上端部に同軸状に連結されて該ノックアウトピン74と共に昇降自在に設けられた略円柱状の第1下型78aと、前記第1下型78aの外周面に一体的に組み付けて固定された円筒体からなる第2下型78bと、前記第2下型78bの外周面に固定されて前記第1下型78a及び第2下型78bと一体的に変位すると共に、一端部に設けられたテーパ面79が分割された割型80に係合して該割型80を半径外方向に向かって所定角度傾斜させて型開きさせる型開き用スリーブ82と、前記第2下型78bの外周面を囲繞するように配置され周方向に沿って略均等に4分割されて被成形体を保持すると共に、型開き時に鍛造成形体28から離間可能に設けられた複数の割型80とを有する。
【0034】
なお、前記第1下型78aの上面には、予備成形体16の底面に形成された位置決め用凹部14に係合する位置決め用凸部84が膨出形成されている。
【0035】
さらに前記鍛造成形装置60は、前記複数の割型80を略水平状態に支持する平坦な環状支持面86と型開き時に前記複数の割型80を半径外方向に向かって所定角度だけ傾動可能に案内する環状傾斜面88とが上面に設けられたリング状の支持ブロック90と、前記割型80と前記支持ブロック90との間に設けられ型開きする際に4分割された各割型80を鍛造成形体28から離間する方向へと傾動可能とするリンク機構92と、型開きして所定角度だけ傾動した割型80を元の水平状態に復帰させる際、前記割型80の突起部94が係合することにより該割型80の水平状態を保持するストッパブロック96と、前記支持ブロック90に当接するロッド98及び前記ロッドに連結されたピストン99を有し前記積層された第1〜第4バックプレート64a〜64dの周方向に沿って複数個配置されシリンダ室100内に注入された高圧ガス及びオイルの反力によって前記割型80及び支持ブロック90をフローティング可能に支持するガススプリング102と、前記第1〜第4バックプレート64a〜64dの側方に設けられた側方型部材104とを備える。
【0036】
この場合、前記割型80は、支持ブロック90の下方側に配置され付勢手段として機能するガススプリング102によって、上方側の所定位置に押圧されていると共に、上下方向に沿って変位可能に支持されるように設けられているが、この付勢手段は、前記ガススプリング102に限定されるものではなく、例えば、図示しないコイルスプリング、板ばね等の弾性力を有する弾性部材も含まれる。
【0037】
前記リンク機構92は、図9に示されるように、割型80の底面と支持ブロック90の上面との間に介装された円柱状(円筒状でもよい)のリンクピン106と、前記割型80の底面及び支持ブロック90の上面にそれぞれ形成された半割円柱状の凹部108に装着され前記リンクピン106の外周面に係合する半円状からなる軸受部材110とを有する。
【0038】
また、前記割型80の上部側の内壁には、半径内方向(略水平方向)に向かって突出し予備成形体16の環状テーパ部26に係合する環状突起部からなるアンダカット成形部112と、前記アンダカット成形部112から連続する下方側に形成された環状凹部からなり、予備成形体16の中実部24を半径外方向に向かって塑性変形させて第2据え込み成形部30bを形成するための第2成形部114とが設けられる。
【0039】
さらに、前記割型80の外径側には、該割型80と一体的に形成され半径外方向に向かって突出する突起部94と、前記割型80の外壁と前記ストッパブロック96との間に介装さればね力によって前記割型80を中心に向かって押圧する第1コイルスプリング118とが設けられる。なお、前記割型80の突起部94が側方型部材104側に設けられたストッパブロック96に当接することにより、型開きして所定角度だけ傾動した割型80を水平状態の初期位置に復帰させることができる。
【0040】
さらにまた、鍛造成形装置60は、図示しないラムの駆動作用下に鉛直上下方向に沿って昇降自在に設けられた昇降部材120と、前記昇降部材120に固定された荷重支持ブロック122と、前記荷重支持ブロック122を介して昇降部材120と一体的に昇降自在に設けられたパンチ124とを備える。前記パンチ124の先端部には、予備成形体16の上面を塑性変形させて第1据え込み成形部30aを形成するための第1成形部126が設けられる。
【0041】
前記パンチ124には、前記第1据え込み成形部30aの上面を規制する円筒状のスリーブ128が外嵌され、前記スリーブ128は、パンチ124と一体的に変位可能に設けられる。前記スリーブ128の外径側には、荷重支持ブロック122との間に介装された第2コイルスプリング130のばね力によって上下方向に沿って変位自在に支持され、鍛造成形する際、分割された各割型80の半径外方向への開き動作を抑制する型開き防止部材132と、前記型開き防止部材132の下降位置を規制して抜け止めとして機能するホルダ134と、前記ホルダ134を囲繞するハウジングブロック136とがそれぞれ設けられる。
【0042】
前記型開き防止部材132は、各割型80の合体形状に対応する凹部138が形成された環状側壁部140を有し、前記環状側壁部140が上方から降下して前記凹部138によって各割型80が被覆されることにより鍛造成形時における各割型80の開き動作が阻止される。なお、前記型開き防止部材132の上面には、該型開き防止部材132の変位量を調整するためのスペーサ142が交換可能に設けられる。
【0043】
本実施の形態に係る鍛造成形装置60は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について以下詳細に説明する。
【0044】
先ず、図2に示されるように、予備成形体16(図1B参照)を第1下型78a、第2下型78b及び割型80によって形成されたキャビティ内に装填する(ステップS1)。その際、割型80の上部内壁に形成され半径内方向に向かって突出するアンダカット成形部112と予備成形体16の環状テーパ部26とが係合すると共に、第1下型78aの位置決め用凸部84に対して予備成形体16の位置決め用凹部14が係合することにより、前記予備成形体16が所定位置に位置決めされた状態で保持される。
【0045】
そこで、図示しない昇降手段を付勢して昇降部材120と一体的にパンチ124及び型開き防止部材132等を下降させ、図3に示されるように、パンチ124の先端面に形成された第1成形部126が予備成形体16の上面に当接する前に、型開き防止部材132の環状側壁部140のみが各割型80と当接し前記環状側壁部140に形成された凹部138によって割型80全体が被覆される。
【0046】
従って、パンチ124によって鍛造成形が開始される前、上型側に設けられた型開き防止部材132によって各割型80の型開き動作が規制されて、各割型80が拘束された状態にある(ステップS2)。この場合、割型80のアンダカット成形部112が予備成形体16の外表面である環状テーパ部26に当接した状態にあるが、該割型80は、下方側に向かって変位することがなく、ガススプリング102の反力によってフローティング状態に付勢されているため、予備成形体16の環状テーパ部26に対してアンダカット成形部112により加圧力が付与されることがない。
【0047】
上記のように各割型80が型開き防止部材132によって拘束された状態において、図4に示されるように、パンチ124がさらに第1下型78a及び第2下型78bに向かって下降すると、前記パンチ124と第1下型78a及び第2下型78bによって予備成形体16の中実部24が加圧されて該中実部24が半径外方向に塑性変形する据え込み成形が開始される(ステップS3)。
【0048】
この場合、予備成形体16の中実部24が割型80の第2成形部114の形状に対応して塑性変形する据え込み成形が施されることにより、最終的に第2据え込み成形部30bが形成される。なお、前記割型80は、図4に示されるように、パンチ124によって予備成形体16に付与される加圧力と、前記パンチ124を介して予備成形体16の第1据え込み成形部30a及び第2据え込み成形部30bのそれぞれに付与される成形内圧が合算された力とのバランスに対応して徐々に下降した状態となる(ステップS4)。
【0049】
換言すると、パンチ124によって予備成形体16に付与される加圧力と、予備成形体16の第1据え込み成形部30aに発生する成形反力と第2据え込み成形部30bに発生する成形反力とが合算された力とがバランスすることにより、前記割型80が下降状態となる。なお、その際、ガススプリング102は、その付勢力の作用下に、割型80を上方側の所定位置に押圧しているだけであって、前記のバランス関係には影響しない。
【0050】
パンチ124の先端部が予備成形体16の中実部24を下方側に向かって加圧することにより、固定型である第1下型78a及び第2下型78bによって保持された予備成形体16の中実部24が拡径し、隣接する割型80の環状凹部からなる第2成形部114側に向かって塑性変形した肉の膨出が促進される。
【0051】
次に、図5に示されるように、パンチ124が第1下型78a及び第2下型78bに向かってさらに下降し、支持ブロック90がスペーサ66に当接する下死点に到達するまで予備成形体16に対する据え込み成形が遂行される。
【0052】
従って、塑性変形した肉が割型80の環状凹部である第2成形部114内に流れ込んで隅々まで充填されることにより、第2据え込み成形部30bが形成され(図5参照)、一方、割型80のアンダカット成形部112、パンチ124、スリーブ128及び型開き防止部材132の各壁面によって規制されることにより、予め荒形状に形成されていた予備成形体16の環状拡径部18が塑性変形されて第1据え込み成形部30aが形成される(ステップS5)。
【0053】
この結果、図1Cに示されるように、軸方向に沿った両端部側に半径外方向に向かって所定長だけ拡径された第1据え込み成形部30aと第2据え込み成形部30bとがそれぞれ形成され、前記第1据え込み成形部30aと第2据え込み成形部30bとの間にアンダカット部32を有する鍛造成形体28が得られる。
【0054】
続いて、図示しないアクチュエータの駆動作用下にロッド部68を上方に向かって変位させることにより、ノックアウトブロック72、ノックアウトシャフト76及びノックアウトピン74が一体的に上昇する。この場合、第2下型78bの外径に設けられた型開き用スリーブ82が変位して4分割された各割型80を上方に向かって押圧することにより、各割型80が支持ブロック90の環状傾斜面88に沿って案内されリンクピン106を支点として所定角度だけ回動動作する(図7及び図8参照)。
【0055】
従って、各割型80がリンクピン106を支点として予備成形体16から離間する方向に所定角度だけ傾動することにより、割型80のアンダカット成形部112が鍛造成形体28から離間して型開きが完成する(ステップS6)。
【0056】
さらに、割型80の中心部からノックアウトピン74と一体的に上昇した鍛造成形体28を図示しない把持手段によって把持することにより、次工程に移送される(ステップS7)。
【0057】
このように本実施の形態では、軸線方向に沿った一端部に鍛造成形体28の第2据え込み成形部30bに近似した荒形状からなる環状拡径部18が軸線方向に沿った一端部に予め形成された予備成形体16を被成形体として用いると共に、例えば、ガススプリング等からなる付勢手段によって付勢された割型80を用いて変位可能な状態に配置し、単一のパンチ124によって予備成形体16を軸方向に加圧して据え込み成形を遂行する。
【0058】
従って、軸方向に沿った両端部側に第1据え込み成形部30aと第2据え込み成形部30bとがそれぞれ略同時に形成されると共に、前記第1据え込み成形部30aと前記第2据え込み成形部30bとの間にアンダカット部32が形成された鍛造成形体28が得られる。この結果、鍛造成形体28に対する歩留まりを向上させて切削加工量を抑制して後工程の省力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1A〜図1Dは、本発明の実施の形態に係る鍛造成形装置によって製造されたトランスミッションギアの製造工程を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る鍛造成形装置の軸線方向に沿った縦断面図である。
【図3】図2に示す鍛造成形装置において、パンチによる鍛造成形が開始する前、上型に設けられた型開き防止部材が下降し前記型開き防止部材によって複数の割型が拘束された状態を示す縦断面図である。
【図4】図3に示す状態からパンチがさらに下降して予備成形体に対する加圧力が付与されると共に、フローティング可能に支持された割型が下降した状態を示す縦断面図である。
【図5】前記割型が型開きして成形品が上昇した状態を示す縦断面図である。
【図6】パンチが加工して被成形体が塑性変形して第1据え込み成形部と第2据え込み成形部とを有する第3次成形体が形成された状態を示す縦断面図である。
【図7】前記鍛造成形装置を構成し、周方向に沿って4分割された割型が閉じた状態を示す平面図である。
【図8】前記割型が矢印方向に傾動して型開きした状態を示す斜視図である。
【図9】前記割型が傾動して型開きする際の支点となるリンク機構を示す一部破断斜視図である。
【図10】4分割された割型の一つが支持ブロックに対して型閉めされた水平状態にあるときの一部破断斜視図である。
【図11】図10に示す状態から割型が矢印方向に傾動して型開きされた状態を示す一部破断斜視図である。
【図12】図2〜図6に示す鍛造成形装置によって鍛造成形が遂行される工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
16…予備成形体 18…環状拡径部
20…環状裾部 24、50…中実部
26…環状テーパ部 28…鍛造成形体
30a…第1据え込み成形部 30b…第2据え込み成形部
32…アンダカット部 34、36…側周壁
60…鍛造成形装置 64a〜64d…バックプレート
66、142…スペーサ 68…ロッド部
70…貫通孔 72…ノックアウトブロック
74…ノックアウトピン 76…ノックアウトシャフト
78a、78b…下型 80…割型
82…型開き用スリーブ 86…環状支持面
88…環状傾斜面 90…支持ブロック
92…リンク機構 102…ガススプリング
106…リンクピン 112…アンダカット成形部
114…第2成形部 118、130…コイルスプリング
124…パンチ 126…第1成形部
132…型開き防止部材 134…ホルダ
138…凹部 140…環状側壁部
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成19年2月8日(2007.2.8)
【代理人】 【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏

【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸

【識別番号】100142066
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿島 直樹

【識別番号】100126468
【弁理士】
【氏名又は名称】田久保 泰夫


【公開番号】 特開2008−194704(P2008−194704A)
【公開日】 平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願番号】 特願2007−29550(P2007−29550)