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【発明の名称】 ハブ輪製造用金型装置及びハブ輪製造方法
【発明者】 【氏名】平井 功

【氏名】田窪 孝康

【氏名】柴田 清武

【氏名】鈴木 昭吾

【要約】 【課題】鍛造による金型の摩耗により、フランジ外径が外径方向に突出することなく、1つの金型で多くの個数を鍛造することができ、打鍛後のノックアウト時にフランジが変形することを防止することができるハブ輪製造用金型装置及びハブ輪製造方法を提供する。

【解決手段】第1型1と第2型2とを有する金型を備え、第2型2の孔部14に第1型1が嵌入した閉状態で、ハブ輪4を鍛造するハブ輪製造用金型装置である。金型閉状態において、第1型1のキャビティ対応面16と、第2型2の孔部14の内径面及び段付面27とでフランジ鍛造用キャビティ11を形成し、フランジ鍛造用キャビティ11の内径面に反押出方向側に向かって縮径するテーパ面7aを設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1型と第2型とを有する金型を備え、第2型の孔部に第1型が嵌入した閉状態で、ハブ輪を鍛造するハブ輪製造用金型装置において、
金型閉状態において、第1型のキャビティ対応面と、第2型の孔部の内径面及び段付面とでフランジ鍛造用キャビティを形成し、このフランジ鍛造用キャビティの内径面に反押出方向側に向かって縮径するテーパ面を設けたことを特徴とするハブ輪製造用金型装置。
【請求項2】
前記フランジ鍛造用キャビティの内径面の反押出方向側に前記テーパ面を設けるとともに、フランジ鍛造用キャビティの内径面の押出方向側に、前記テーパ面から連続して軸方向と平行な平面を設けたことを特徴とする請求項1のハブ輪製造用金型装置。
【請求項3】
前記フランジ鍛造用キャビティは、外径方向に突出する突出部が周方向に沿って所定ピッチで配設される花びら形状としたことを特徴とする請求項1又は請求項2のハブ輪製造用金型装置。
【請求項4】
前記フランジ鍛造用キャビティは、ハブボルト座面形成部を鍛造する空間の軸方向隙間寸法を大とするとともに、他の部位の軸方向隙間寸法を小としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかのハブ輪製造用金型装置。
【請求項5】
前記請求項1〜請求項4のいずれかのハブ輪製造用金型を用いて、ハブ輪を形成するハブ輪製造方法であって、
ハブボルト座面を非旋削の鍛造肌仕上げのまま維持することを特徴とするハブ輪製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
車輪用軸受装置には、図7に示すように、外径方向に延びるフランジ114を有するハブ輪102と、ハブ輪102に外嵌される軸受構造部とを備えたものがある。
【0002】
ハブ輪102は、軸部113と、この軸部113から突設される前記フランジ114とからなる。フランジ114には周方向に沿って装着孔123が設けられ、この装着孔123にハブボルト133が装着される。すなわち、ブレーキロータ及びホイールがフランジ114の端面に重ね合わされて、前記ハブボルト133にて固定される。
【0003】
近年、省資源と低公害の面から、自動車の燃費向上のため車両重量の軽量化が強く要求されている。自動車部品において、車輪用軸受装置は、ばね下重量の軽量化による乗り心地の向上や、タイヤの接地性向上による走行安定性の向上等の面からも車両重量の軽量化が望まれている。ここで、ばね下重量とは、タイヤ・ホイール・アクスル・ブレーキ部品など、スプリングよりも下側にある部品の重量をいう。
【0004】
また、製品(例えば、ハブ輪)を製作する際に、途中の加工において切削加工等で除去され捨てられる重量(マテリアルロス)を減らすことも、投入される材料重量を使い切る(効率よく使う)というコスト削減の点からも望まれている。
【0005】
従来、フランジを有する機械部品(ハブ輪)を鍛造により成形する場合、図8(a)に示すようなビレット(鍛造用素材)S1を、(b)に示すように据え込みを行いS2の形状に成型して、(c)に示すように荒地打ちを行ってS3の形状に成型した後、鍛造金型装置によって、いわゆるバリ出し鍛造を行って、(d)に示すように仕上げ打ちを行ってS4の形状に成形する。ここで、据え込みとは、素材を軸方向に押圧することにより、該素材の所定部位に拡径部を形成しようとするものである。また、荒地打ちは、この場合、製品がハブ輪であり、金型装置に投入できる形状(大径部140と小径部141とこの大径部140と小径部141とを連結するテーパ状部142とからなる形状の柱状)のものを形成することになる。
【0006】
図8の(d)に示すように形成されたS4は、フランジ114の先端部に外径バリ130が形成されるため、(e)に示すように外径バリ130をトリミングして製品Sを仕上げることになる。フランジ114と軸部113とを有するハブ輪102を成型した後、図10に示すように、フランジ面131とハブボルト座面132とが平行になるように、ハブボルト座面132を旋削する。なお、図10の仮想線は、旋削前のフランジを示している。
【0007】
しかし、前記のようなバリ出し鍛造では、外径バリ130をトリミングにより切除するため、この切除分がマテリアルロスとなっていた。そこで、前記マテリアルロスを削減するための手段として、図9に示すような密閉鍛造による加工方法が有効であることが知られている(特許文献1)。密閉鍛造には、図11に示すような密閉鍛造金型装置を使用する。この場合、前記図8に示すバリ出し鍛造と同様、まず、図9(a)に示すようなビレットS1(鍛造用素材)を、(b)に示すように据え込みを行いS2の形状に成型して、(c)に示すように荒地打ちを行ってS3の形状に成型する。その後、図11に示すような密閉鍛造金型装置を用いて、(d)に示すような仕上げ打ちを行う。
【0008】
密閉鍛造金型装置は、図11に示すように、第1型(上型)110と、上型110に嵌合する第2型(下型)111とを有している。また、下型111の孔部にはノックアウトピン117が挿入されている。すなわち、第1型110と第2型111とノックアウトピン117とで、ハブ輪102を成型する空間が形成されている。そして、第1型110と第2型111とを組み合わせた金型を用いて、第2型111の成形孔内の素材を第1型110と第2型111とで押圧する。
【特許文献1】2004−034058号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記のような密閉鍛造による加工方法は、外径バリ130をトリミングする工程が不要となるので、マテリアルロスが抑えられる上、加工の手間や加工費の削減を図ることができるが、鍛造金型に対する負荷は高くなり、金型寿命が短寿命となる場合がある。すなわち、ハブベアリングのハブ輪102を密閉鍛造する際、鍛造個数が増加するにつれ、図12や図13に示すように、第2型111のフランジ外径対応部112が摩耗する。この摩耗により、図13に示すように、製品(ハブ輪)のフランジ外径119が太鼓上に大きくなる(外径方向に突出する)。このため、鍛造最終工程で鍛造が終了した製品を金型からノックアウトピン117で押し出すノックアウトの際に、ハブブランジ外径119が金型摩耗部分(フランジ外径対応部112)にひっかかかり、正常の製品(図14(a)に示すように、フランジ114がハブ輪102軸心に対して直交する方向に延びているもの)に対し図14(b)に示すように、フランジ114が反るものが発生した。このように反りが発生すれば、フランジ114の反りの修正のために、後でフランジ114をコイニングする等の工程が必要となる。また、コイニングしない場合は、フランジ114の反りにより、反りがない場合よりフランジ面131の旋削取代が余計に必要となり、密閉鍛造でマテリアルロスを削減する効果がなくなってしまう不具合がある。
【0010】
また、マテリアルロスの削減方法の1つとして、ハブボルト座面132の旋削加工の省略が挙げられる。しかし、ハブボルト座面132の旋削加工を省略すると、ハブボルト座面132とフランジ面131とを平行とする工程が省略されるため、ハブボルト座面132は、鍛造精度の影響を受けることになる。ハブボルト座面132がフランジ面131に対して傾いている場合、以下のような問題が生じる。(A)ハブボルトの頭部がハブボルト座面132に密着せず、頭部の一部のみでホイールナット締付の荷重(軸力)を受けることでナット締付時にボルト頭部が破損する可能性(B)ボルト打込み時に斜めになってしまう可能性(C)一部のみ接地したボルト頭部が走行の繰り返し荷重で摩耗し、軸力が減少することでナットが緩みホイールの脱落に繋がる可能性等がある。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みて、鍛造による金型の摩耗により、フランジ外径が外径方向に突出することなく、1つの金型で多くの個数を鍛造することができ、打鍛後のノックアウト時にフランジが変形することを防止することができるハブ輪製造用金型装置及びハブ輪製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のハブ輪製造用金型装置は、第1型と第2型とを有する金型を備え、第2型の孔部に第1型が嵌入した閉状態で、ハブ輪を鍛造するハブ輪製造用金型装置において、金型閉状態において、第1型のキャビティ対応面と、第2型の孔部の内径面及び段付面とでフランジ鍛造用キャビティを形成し、このフランジ鍛造用キャビティの内径面に反押出方向側に向かって縮径するテーパ面を設けたものである。
【0013】
本発明のハブ輪製造用金型は、金型閉状態において形成されるフランジ鍛造用キャビティの内径面に反押出方向側に向かって縮径するテーパ面を形成したので、鍛造数が増加することによりフランジ鍛造用キャビティの内径面が摩耗しても、鍛造されたハブ輪のフランジの外径面が、フランジ鍛造用キャビティの内径面より大となることを防止できる。
【0014】
前記フランジ鍛造用キャビティの内径面の反押出方向側に前記テーパ面を設けるとともに、フランジ鍛造用キャビティの内径面の押出方向側に、前記テーパ面から連続して軸方向と平行な平面を設けることができる。これにより、外径面に平面とテーパ面とを有するフランジを形成することができる。
【0015】
前記フランジ鍛造用キャビティは、外径方向に突出する突出部が周方向に沿って所定ピッチで配設される花びら形状とすることができる。これにより、外径方向に突出する突出部を周方向に沿って所定ピッチで配設した花びら形状のフランジを形成することができる。
【0016】
前記フランジ鍛造用キャビティは、ハブボルト座面形成部を鍛造する空間の軸方向隙間寸法を大とするとともに、他の部位の軸方向隙間寸法を小とすることができる。これにより、ハブボルト座面形成部が肉厚のリブとなり、このボルト座面形成部間は薄肉部となるフランジを形成することができる。
【0017】
請求項1〜請求項4のいずれかのハブ輪製造用金型を用いて、ハブ輪を形成するハブ輪製造方法であって、ハブボルト座面を非旋削の鍛造肌仕上げのまま維持することができる。すなわち、鍛造後におけるハブボルト座面の旋削加工を省略することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のハブ輪製造用金型は、鍛造回数が多くなっても、鍛造されるハブ輪のフランジの外径面がフランジ鍛造用キャビティの内径面より大となるのを防止できるので、長期にわたってノックアウト時におけるフランジの金型に対する引っかかりを防止できる。これにより、1つの金型で、従来より多くの個数を鍛造することができ、製品1個あたりの金型費用が減少し、製作コストの減少が期待できる。また、打鍛後のノックアウト時にフランジが金型にひっかかることがないので、フランジの反りを防止することができる。これにより、ハブボルト座面のフランジ面との平行度が向上し、ハブボルト座面を鍛造のままとしてもボルト頭部全体がハブボルト座面と密着する。このため、ナット締付時にボルト頭部が破損することや、ボルト打込み時に斜めになる可能性や、ナットが緩み、ホイールの脱落が生じることを防止することができる。さらに、フランジ面の旋削取代を縮小し、材料ロスを削減することができる。
【0019】
フランジ鍛造用キャビティの外径面の押出方向側に、前記テーパ面から連続して軸方向と平行な平面を形成することにより、外径面に平面とテーパ面とを有するフランジを形成することができる。これにより、フランジの剛性を確保することができる。なお、前記フランジ鍛造用キャビティに設けられた平面は短いため、鍛造後のノックアウト時に大きな力がかかることはない。
【0020】
花びら形状のフランジを有したハブ輪を形成することや、ハブボルト座面のみが肉厚であるフランジを有したハブ輪を形成することができるため、ハブ輪の軽量化を図ることができるとともに、材料コストを削減することができる。
【0021】
ハブボルト座面を非旋削の鍛造肌仕上げのまま維持することができるため、ハブボルト座面の旋削加工を省略することができて、加工工数の減少を図ることができるとともに、加工コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明に係るハブ輪製造用金型及びハブ輪製造方法の実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
【0023】
本発明のハブ輪製造用金型は、図3に示すような車輪用軸受装置のハブ輪4を形成するものである。この車輪用軸受装置は、フランジ6を有するハブ輪4と、ハブ輪4に外嵌される軸受構造部とを備える。
【0024】
軸受構造部は、ハブ輪4に外嵌固定される内方部材(内輪)32と、ハブ輪4及び内輪32の周囲に配設される外方部材(外輪)31と、この外輪31とハブ輪4との間に介装される転動体(ボール)30aと、外輪31と内輪32との間に介装される転動体(ボール)30bを備える。
【0025】
ハブ輪4は、軸部5と、この軸部5から突設される前記フランジ6とからなる。図5に示すように、フランジ6には周方向に沿って装着孔22が設けられ、この装着孔22にハブボルト23が装着される。すなわち、ブレーキロータ及びホイールがフランジ6のフランジ面20に重ね合わされて、前記ハブボルト23にて固定される。
【0026】
このハブ輪製造用金型は、図1に示すように、第1型(上型)1と、上型に嵌合する第2型(下型)2とを有している。また、下型2の孔部12にはノックアウトピン3が挿入されている。すなわち、第1型1と第2型2とノックアウトピン3とで、ハブ輪4を成型する空間26が形成されている。
【0027】
上型1は、短円柱状であって、その下面の中央部に凸部9が設けられ、この凸部9の外周に凹溝10が形成されている。
【0028】
下型2は、中央部に上下方向を貫通する貫通孔29を有している。前記貫通孔29は、上部孔14と、中間部孔13と、下部孔12とからなる。上部孔14は、大径孔部8とテーパ孔部7とからなる。テーパ孔部7は、反押出方向側に向かって縮径している。中間孔部13は、大径孔部17と中径孔部18と小径孔部19とからなり、下部孔12は、前記中間孔13の小径孔部19より小径の小径孔部24からなる。
【0029】
第1型1が貫通孔29の大径孔部8に嵌合するとともに、ノックアウトピン3が貫通孔29の小径孔部24に挿通することで、ハブ輪4を成型する空間26が形成される。すなわち、上型1のキャビティ対応面16と下型2の孔部14の内径面及び段付面27とで、フランジ鍛造用キャビティ11が形成される。このため、フランジ鍛造用キャビティ11は、その内径面に反押出方向側に向かって縮径するテーパ面7aが形成されるとともに、押出方向側には、前記テーパ面7aから連続して軸方向と平行な平面8aが形成される。なお、前記テーパ面7aの傾きα(図2参照)は、10°以上30°以下としている。上型1の凹溝10は、図3に示すようなハブ輪4のパイロット部15を形成するための孔となる。下型2の中間部孔13は、ハブ輪4の軸部5を形成するための軸部鍛造用キャビティ28が形成される。
【0030】
次に、前記実施形態の製造用金型装置の使用方法について説明する。まず、図9(a)に示すように加熱されたビレット(鍛造用素材)を、(b)に示すように据え込みを行って、(c)に示すように荒地打ちを行う。そして、(d)に示すような仕上げ打ちを行う際には、図1に示すような金型を用いてハブ輪4を成型する。すなわち、第1型1と第2型2とが互いに開状態のとき、第2型内に鍛造用素材を入れる。そして、第1型1がプレス機(図示省略)によって第2型2に向かって降下して両者が閉じ、第1型1と第2型2との間で鍛造用素材が打圧される。これにより、第1型1と第2型2の各成形面に応じた輪郭の軸部5及びフランジ6を有する所定の形状のハブ輪4が成形される。その後では、その製品(ハブ輪4)をノックアウトピン3で矢印A(図1参照)方向へ押出してこの金型から取り出すことになる。
【0031】
その後、図4に示すように、フランジ面20の旋削加工を行って、フランジ面20とハブボルト座面21とを平行にする。これにより、ハブボルト座面21は、旋削加工を省略することができる。なお、図4の仮想線は、旋削前のフランジ6の形状を示している。
【0032】
本発明では、金型閉状態において形成されるフランジ鍛造用キャビティ11の内径面に反押出方向側に向かって縮径するテーパ面7aを形成したので、鍛造数が増加することによりフランジ鍛造用キャビティ11の内径面が摩耗しても、鍛造されたハブ輪4のフランジ6の外径が、フランジ鍛造用キャビティ11の内径面より大となることを防止できる。これにより、1つの金型で、従来より多くの個数を鍛造することができ、製品1個あたりの金型費用が減少し、製作コストの減少が期待できる。
【0033】
また、打鍛後のノックアウト時にフランジ6が金型にひっかかることがないので、フランジ6の反りを防止することができる。これにより、ハブボルト座面21のフランジ面20との平行度が向上し、ハブボルト座面21を鍛造のままとしてもボルト頭部全体がハブボルト座面21と密着する。このため、ナット締付時にボルト頭部が破損することや、ボルト打込み時に斜めになる可能性や、ナットが緩み、ホイールの脱落が生じることを防止することができる。さらに、フランジ面20の旋削取代を縮小し、材料ロスを削減することができる。なお、前記テーパ面7aの傾きαは、10°以上30°以下とするのが好ましい。10°未満であると、第2型2のフランジ鍛造用キャビティ11の内径面の摩耗により、鍛造後のフランジ6が突出し、30°を超えると、フランジ6先端が鋭くなり、フランジ6の剛性を確保することができない。
【0034】
前記フランジ鍛造用キャビティ11の内径面の反押出方向側に前記テーパ面7aを設けるとともに、フランジ鍛造用キャビティ11の内径面の押出方向側に、前記テーパ面7aから連続して軸方向と平行な平面8aを設けることができる。これにより、外径面に平面とテーパ面とを有するフランジ6を形成することができて、フランジ6の剛性を確保することができる。なお、前記フランジ鍛造用キャビティ11に設けられた平面8aの軸方向長さβは短いため、鍛造後のノックアウト時に大きな力がかかることはない。βは、2mm以上、5mm以下とするのが好ましい。5mmを超えると、鍛造後のノックアウト時に大きな力がかかり、2mmより小さいと、フランジ6の剛性を確保することができない。
【0035】
ところで、前記フランジ鍛造用キャビティ11は、外径方向へ突出する突出部を周方向に沿って所定ピッチで配設される花びら形状とすることができる。これにより、図6に示すように、外径方向へ突出する突出部25(つまり、ハブボルト座面21が形成されたハブボルト座面形成部)が周方向に沿って所定ピッチで配設される花びら形状のフランジ6を有したハブ輪4を形成することができる。このため、ハブ輪4の軽量化を図ることができるとともに、材料コストを削減することができる。
【0036】
また、前記フランジ鍛造用キャビティ11は、ハブボルト座面形成部25を鍛造する空間の軸方向隙間寸法を大とするとともに、他の部位の軸方向隙間寸法を小とすることができる。これにより、ハブボルト座面形成部25(ハブボルト座面21が形成される部位)が肉厚のリブとなり、このハブボルト座面形成部25間は薄肉部のフランジ6を有したハブ輪4を形成することができる。このため、ハブ輪4の軽量化を図ることができるとともに、材料コストを削減することができる。
【0037】
前記ハブ輪製造用金型を用いて、ハブボルト座面21を非旋削の鍛造肌仕上げのまま維持することができる。これにより、ハブボルト座面21の旋削加工を省略することができて、加工工数の減少を図ることができるとともに、加工コストの低減を図ることができる。
【0038】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、フランジ外径面は、全面旋削されていてもよく、また、一部のみ又は全面旋削されていなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態を示すハブ輪製造用金型の断面図である。
【図2】前記図1のハブ輪製造用金型の要部拡大断面図である。
【図3】前記図1のハブ輪製造用金型を用いて製造したハブ輪を使用した車輪用軸受装置の断面図である。
【図4】前記図1のハブ輪製造用金型を用いて製造したハブ輪の要部拡大断面図である。
【図5】前記ハブ輪の正面図である。
【図6】前記図1のハブ輪製造用金型を用いて製造した他のハブ輪の正面図である。
【図7】従来の車輪用軸受装置の断面図である。
【図8】従来のハブ輪製造の工程図である。
【図9】従来の他のハブ輪製造の工程図である。
【図10】従来のハブ輪の要部拡大断面図である。
【図11】従来のハブ輪製造用金型の断面図である。
【図12】前記図10のハブ輪製造用金型の要部拡大断面図である。
【図13】前記図10のハブ輪製造用金型の摩耗後の要部拡大断面図である。
【図14】従来のハブ輪製造における問題点を示す簡略図である。
【符号の説明】
【0040】
1 第1型
2 第2型
4 ハブ輪
6 フランジ
7a テーパ面
8a 平面
11 フランジ鍛造用キャビティ
14 孔部
16 キャビティ対応面
21 ハブボルト座面
25 ハブボルト座面形成部
27 段付面
【出願人】 【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
【出願日】 平成19年1月17日(2007.1.17)
【代理人】 【識別番号】100064584
【弁理士】
【氏名又は名称】江原 省吾

【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳

【識別番号】100101616
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 吉之

【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦

【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛


【公開番号】 特開2008−173661(P2008−173661A)
【公開日】 平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願番号】 特願2007−8375(P2007−8375)