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【発明の名称】 コネクティングロッドの製造方法
【発明者】 【氏名】大沼 孝之

【要約】 【課題】大端部から小端部までを一体に成形したコネクティングロッド中間成形体に対する大端部と小端部のピアス加工を簡素化し製造コストを低減する。

【解決手段】第3中間成形体18からなるワークWをピアス用下ダイ54の凹部52に載置し、ピアス用上ダイ62に固定されたガイドロッド56をピアス用下ダイ54に形成されたガイド孔58に挿通させ、前記ピアス用上ダイ62とピアス用下ダイ54とが位置決めされた状態で前記ピアス用上ダイ62に固定された第1パンチ66a及び第2パンチ66bによってワークWの大端部20a及び小端部20bに対して大端孔64a及び小端孔64bが同時に穿孔される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大端部と小端部とを一体的に有するコネクティングロッドの中間成形体からなるワークを下ダイの凹部に載置する工程と、
上ダイを下降させ、前記上ダイに固定されたガイドロッドを前記下ダイに形成されたガイド孔に挿通させることにより、前記上ダイと前記下ダイとが位置決めされる工程と、
前記上ダイをさらに下降させ、前記上ダイに固定された第1パンチ及び第2パンチによって前記ワークの大端部及び小端部に対して大端孔及び小端孔を同時に穿孔する工程と、
を有することを特徴とするコネクティングロッドの製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記上ダイと前記下ダイとが位置決めされた後、上ダイに設けられた押圧プレートによってワークが下ダイ側に向かって押圧され、前記ワークが前記押圧プレートと前記下ダイとの間で挟圧された状態で穿孔されることを特徴とするコネクティングロッドの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両用のエンジン部品を構成するコネクティングロッドの製造方法に関し、一層詳細には、大端部と小端部とを有するコネクティングロッドを一体成形した後、前記大端部をキャップ部とロッド部に破断分割するコネクティングロッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、内燃機関のピストンとクランクシャフトとを連結するコネクティングロッド(以下、略称してコンロッドともいう)が知られている。
【0003】
この種のコンロッドには、前記コンロッドのロッド部(本体部)とキャップ部とをそれぞれ個別に製造した後、一対のボルトを用いて前記ロッド部と前記キャップ部とを一体的に連結して組み立てる組立型のコンロッドが用いられている(特許文献1、2参照)。
【0004】
この組立型のコンロッドは、一端部に設けられた大端部と他端部に設けられた小端部とを有し、前記大端部のロッド部とキャップ部とをそれぞれ個別に製造した後、一対のボルトによって一体的に組み付けられる。この組立型のコンロッドは、ロッド部のピン穴及びキャップ部のピン穴にそれぞれ位置決めピンを嵌合することにより、ロッド部に対してキャップ部を位置決めさせた状態で組み付けている。
【0005】
しかしながら、前記組立型のコンロッドでは、ロッド部とキャップ部とをそれぞれ個別に鍛造成形した後、ロッド部及びキャップ部の2部品に対してそれぞれボルト孔を穿孔し、さらに、前記ロッド部及びキャップ部の合わせ面をそれぞれ平坦面に加工する必要があり、このため、加工工数が多くなって生産効率を上昇させるための障害となっている。
【0006】
そこで、近年、コネクティングロッドの大端部から小端部までを、例えば、鍛造成形等によって一体成形した後、前記大端部をキャップ部とロッド部とに破断分割することが行われている。
【0007】
すなわち、大端部を構成するロッド部とキャップ部とが同一部材として一体的に設けられた成形体を、例えば、鍛造成形等によって一体成形した後、大端部の孔部の内壁に形成されたクラッキング溝を破断線として、前記大端部をロッド部とキャップ部とに破断分割し、さらに、一対のボルトを介して、これらロッド部とキャップ部とを一体的に連結(結合)することによって製造される。
【0008】
この破断分割型のコンロッドの一端部である大端部には、大径な貫通孔からなる大端孔が設けられ、軸線方向に沿った反対側の他端部である小端部には、前記大端孔に比して小径な貫通孔からなる小端孔が設けられる。
【0009】
コンロッドの大端部は、クラッキング溝を破断線として、大端孔の略中央付近で該コンロッドの軸方向に対して略直交する方向に破断され、これによりコンロッドがロッド部とキャップ部とに分割される。この場合、ロッド部側の破断面及びキャップ部側の破断面がそれぞれ凹凸状及び凸凹状となるので、一対のボルトを装着した際、前記ロッド部側の凹凸破断面と前記キャップ部側の凸凹破断面とがそれぞれ密着して、両者をそれぞれ高精度に組み付けている。
【0010】
【特許文献1】特開昭63−57125号公報
【特許文献2】特開2004−144174公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、鍛造成形によってコネクティングロッドの大端部から小端部までを一体成形した場合、例えば、鍛造成形された成形品に対し後加工によって大端部に貫通する大端孔を形成すると共に、小端部に貫通する小端孔を形成する必要がある。この場合、鍛造成形後の後加工を簡素化して製造コストを低減したいという要望がある。
【0012】
なお、組立型のコンロッドでは、大端孔及び小端孔が予め形成されているため、後加工によって前記大端孔及び小端孔を穿孔することが不要である。
【0013】
本発明の目的は、鍛造成形体の大端部と小端部に対して略同時にピアス加工を施すことにより、鍛造成形後の後加工を簡素化することが可能なコネクティングロッドの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記の目的を達成するために、本発明では、先ず、大端部と小端部とを一体的に有するコネクティングロッドの中間成形体をワークとして用い、前記ワークを下ダイの凹部に載置する。続いて、上ダイを下降させ、前記上ダイに固定されたガイドロッドを前記下ダイに形成されたガイド孔に挿通させることにより、前記上ダイと前記下ダイとが位置決めされる。前記上ダイをさらに下降させ、前記上ダイに固定された第1パンチ及び第2パンチによって前記ワークの大端部及び小端部に対して大端孔及び小端孔を同時に穿孔するピアス加工が施される。
【0015】
前記ピアス加工が遂行される際、下ダイに載置されたワークに対して上ダイに固定された第1パンチ及び第2パンチが所定位置に位置決めされた状態で大端孔及び小端孔が同時に穿孔される。
【0016】
なお、前記上ダイと前記下ダイとが位置決めされた後、上ダイに設けられた押圧プレートによってワークを下ダイ側に向かって押圧し、前記ワークが前記押圧プレートと前記下ダイとの間で挟圧された状態で穿孔されるとよい。
【0017】
本発明によれば、上ダイに固定された第1パンチ及び第2パンチによってワークの大端部及び小端部に対して大端孔及び小端孔が同時に穿孔穿孔される際、下ダイのガイド孔に対し上ダイに固定されたガイドロッドが係合してガイド機能が発揮されることにより、ワークの大端部及び小端部に対して第1パンチ及び第2パンチが所定位置に位置決めされた状態で穿孔される。この結果、ワークの大端部及び小端部の所定位置に対して高精度に大端孔及び小端孔が形成される。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、上ダイに固定された第1パンチ及び第2パンチによってワークの大端部及び小端部に対して大端孔及び小端孔が同時に穿孔されるため、鍛造成形後の後加工工程でピアス加工を施すことが不要となり後加工を簡略化して製造コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係るコネクティングロッドの製造方法について、これを実施する製造装置との関係において好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0020】
図1において、参照符号10は、本発明のコネクティングロッドの製造方法を実施する鍛造成形装置を示す。この鍛造成形装置10は、第1〜第5工程が順次連続して遂行される複数の第1〜第5金型12a〜12eを有する(但し、図1中では、第1〜第5金型12a〜12eを構成する上型を省略し下型のみを図示している)。
【0021】
前記鍛造成形装置10によって遂行される成形工程を概略説明すると、図示しない供給ステーションから所定温度(例えば、約1250度)に加熱された図示しない鍛造用素材を順次搬送し、供給された鍛造用素材を加圧して第1の荒加工を施すことにより、成形品のほぼ概略形状である第1中間成形体14(図2A参照)が成形される第1工程と、前記第1中間成形体14をさらに加圧して第2の荒加工を施すことにより、成形品の概略形状である第2中間成形体16(図2B参照)が成形される第2工程と、前記第2中間成形体16をさらに加圧して仕上げ加工を施すことにより、前記第2中間成形体16の形状を成形品に近似する第3中間成形体18(図2C参照)が成形される第3工程と、前記第3工程により鍛造成形された第3中間成形体18の大端部20a及び小端部20bに付着するピアスバリ22a、22b(図2C参照)を同時に射抜くピアス加工を行う第4工程(図2D)と、前記第3中間成形体18の外縁側に付着した外バリ24(図2D参照)を射抜くトリム加工を行う第5工程(図2E)とがそれぞれ連続してなされることにより、所望の形状からなるコネクティングロッドの成形品26a、26bが得られる。
【0022】
なお、前記成形品26a、26bは、図2Eに示されるように、一対のコネクティングロッドの大端部20aと小端部20bとが相互に反対方向に並列に配置された、いわゆる並列2個取り成形によって製造される。
【0023】
この場合、前記鍛造成形装置10は、前記第1〜第5金型12a〜12eからなる複数の上型ダイス及び下型ダイスにより同時に多工程の型打ちを行うことができる多工程鍛造成形プレスであって、型打ち時における上下の金型の位置決め精度が保持されるように設けられている。また、鍛造成形装置10は、前記第1〜第5金型12a〜12eが直線状に配列された単一の上型(図示せず)と単一の下型28とによって構成される。
【0024】
さらに、前記第1〜第5金型12a〜12eの配列方向の両側には、中空でレール状の一対のフィードバー30a、30bが前記下型28を間にした水平方向に対向配置されている(図1参照)。前記一対のフィードバー30a、30bは、下型28から所定距離離間し成形体を各成形工程に対して連続して自動送りする機能を営む。
【0025】
前記一対のフィードバー30a、30bは、装置本体に固定された図示しないトランスファ機構によって、第1〜第4金型12a〜12dの配列方向に沿った矢印X方向と、前記第1〜第5金型12a〜12eに向かって接近又は離間する矢印Y方向と、前記第1〜第5金型12a〜12dの上下方向(高さ方向)に沿った矢印Z方向とからなる3軸方向に沿ってそれぞれ略同時に移動可能に設けられる。
【0026】
前記一対のフィードバー30a、30bには、各工程において成形体を把持するための一対のクランプ爪32a、32bが対向配置されると共に、前記一対のクランプ爪32a、32bが第1〜第4金型12a〜12dに対応する位置にそれぞれ離間して複数個設けられる。なお、一方のクランプ爪32a(32b)には、成形体が把持されて該成形体によってクランプ爪32a(32b)の図示しないチャック部が押圧されることにより成形体のクランプ状態を検知する図示しない検出センサがそれぞれ付設されている。
【0027】
次に、第3工程で鍛造成形された第3中間成形体18の大端部20a及び小端部20bに付着するピアスバリ22a、22bを同時に射抜く第4工程に使用される第4金型12dの概略構成を図3〜図6に示す。
【0028】
この第4金型12dは、下ダイカセット40上に固定されたピアス用下型42と、図示しないプレスラムの駆動作用下に前記ピアス用下型42に対して接近又は離間自在に設けられたピアス用上型44とから構成される。
【0029】
前記ピアス用下型42は、第1固定用ブロック46a及び第2固定用ブロック46bを介して下ダイカセット40上に積層された状態で固定される下部側スペーサ48及びダイプレート50と、図示しないクランプ機構を介して前記ダイプレート50上に固定され、上面にワークW(第3中間成形体18)が載置される凹部52が形成されたピアス用下ダイ54とを有する。前記ピアス用下ダイ54は、図示しないフローティング機構(例えば、ばね部材のばね力)によってフローティング可能に支持されている。なお、前記ピアス用下ダイ54の一端部には、後述する複数本のガイドロッド56が挿通するためのガイド孔58が複数個貫通して形成される。
【0030】
前記ピアス用上型44は、図示しない昇降機構を介して昇降自在に設けられた図示しないプレスラムと、前記プレスラムに連結される上部側スペーサ60と、図示しないクランプ機構を介して前記上部側スペーサ60に固定されるピアス用上ダイ62と、前記ピアス用上ダイ62に固定され、ワークWの大端部20aを穿孔して大端孔64aを形成する大径な第1パンチ66a及びワークWの小端部20bを穿孔して小端孔64bを小径な第2パンチ66bとを有する。
【0031】
なお、前記第1パンチ66a及び第2パンチ66bは、コンロッドの並列2個取り成形に対応して合計2対配置されるが、便宜上、一対の第1パンチ66a及び第2パンチ66bのみを図示し他の一対の第1パンチ66a及び第2パンチ66bの図示を省略する。
【0032】
さらに、前記ピアス用上型44は、前記ピアス用上ダイ62に固定され、ピアス用下ダイ54に形成されたガイド孔58内に挿通されることによりピアス用下ダイ54の凹部52内に載置されたワークWに対して前記第1パンチ66a及び第2パンチ66bを位置決めする複数本のガイドロッド56と、図示しない支持機構を介して前記ピアス用上ダイ62にフローティング自在に支持され、高荷重用スプリング70のばね力によってワークWをピアス用下ダイ54側に向かって押圧する押圧プレート72と、前記ピアス用上ダイ62と前記押圧プレート72との間に介装され該押圧プレート72をピアス用下ダイ54側に向かって押圧する方向に付勢する高荷重用スプリング70と、例えば、シリンダ等の図示しないアクチュエータに連結され前記アクチュエータの付勢作用下にピアス用上ダイ62の上面を下方側に向かって押圧することにより第1パンチ66a及び第2パンチ66bをワークWから離間させるノックアウトパンチ74とを有する。
【0033】
本発明の実施の形態に係る鍛造成形装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、図7に示されるフローチャートに沿って第4金型12dの動作並びに作用効果について以下詳細に説明する。
【0034】
先ず、図3に示されるように、ピアス用上型44がピアス用下型42から離間し上方の所定位置に待機した状態を初期位置とする。
【0035】
このような初期位置において、第3金型12cで仕上げ加工が施された外バリ24を含む第3中間成形体18(ワークW)が一対のフィードバー30a、30bの一対のクランプ爪32a、32bによって把持され、前記一対のフィードバー30a、30bの変位作用下にワークWがピアス用下ダイ54まで搬送されて凹部52内に載置される(ステップS1)。
【0036】
続いて、図示しないプレスラムの駆動作用下にピアス用上型44を一体的に下降させ(ステップS2)、押圧プレート72がワークWに当接する前、ピアス用上ダイ62に固定された複数のガイドロッド56がピアス用下ダイ54に形成されたガイド孔58内に挿通されることにより(ステップS3)、ピアス用上ダイ62とピアス用下ダイ54とが位置決めされる共に、前記ピアス用上ダイ62に固定された第1パンチ66a及び第2パンチ66bがワークWに対して高精度に所定位置に位置決めされる(ステップS4)。
【0037】
前記ピアス用上型44がさらに下降動作を継続することにより、ワークWの上面に対して押圧プレート72が当接し高荷重用スプリング70のばね力によってワークWがピアス用下ダイ54側に向かって押圧される(ステップS5)。換言すると、ワークWは高荷重用スプリング70のばね力の作用下に押圧プレート72とピアス用下ダイ54との間に挟圧された状態で所定位置に保持される。
【0038】
このようにワークWが所定位置に位置決めされて保持された状態において、ピアス用上ダイ62が高荷重用スプリング70のばね力に抗してさらに下降することにより、前記ピアス用上ダイ62と一体的に第1パンチ66a及び第2パンチ66bが下降し、一方の第1パンチ66aによってワークWの大端部20aに対し大端孔64aが穿孔されると同時に、他方の第2パンチ66bによってワークWの小端部20bに対し小端孔64bが穿孔される(ステップS6)。
【0039】
すなわち、ピアス用上ダイ62に固定された第1パンチ66a及び第2パンチ66bによって、ワークWの大端部20aに付着したピアスバリ22aが除去されると同時に、該ワークWの小端部20bに付着したピアスバリ22bが除去され、大端孔64a及び小端孔64bを同時に穿孔するピアス成形が遂行される。
【0040】
この場合、ガイド孔58及びガイドロッド56による案内作用下に、ワークWに対して第1パンチ66a及び第2パンチ66bがそれぞれ所定位置に精度良く位置決めされているため、前記ワークWの大端部20aに対して大端孔64aが位置決めされた所定位置に穿孔されると同時に、前記ワークWの小端部20bに対して小端孔64bが位置決めされた所定位置に穿孔される。
【0041】
前記第1パンチ66a及び第2パンチ66bの穿孔作用下にワークWに対して大端孔64a及び小端孔64bが形成された後、図示しないアクチュエータを付勢してノックアウトパンチ74を下方側に向かって変位させ前記ノックアウトパンチ74によって押圧プレート72を下方側に向かって押圧する。従って、前記ノックアウトパンチ74の押圧作用により、ワークWの大端孔64a及び小端孔64bから第1パンチ66a及び第2パンチ66bが円滑に抜脱し、前記第1パンチ66a及び第2パンチ66bをワークWから円滑に離脱させることができる(ステップS7)。
【0042】
この場合、加熱されたワークWの温度低下によってワークWが収縮し、大端孔64a及び小端孔64bを射抜いた後に第1パンチ66a及び第2パンチ66bの外周面に該ワークWの肉がへばりつくことを防止することができる。
【0043】
最後にピアス用上型44全体がピアス用下型42から離間して初期位置に復帰(ステップS8)した後、一対のフィードバー30a、30bの変位作用下に大端孔64a及び小端孔64bのピアス加工が施された成形体を前記フィードバー30a、30bのクランプ爪32a、32bで把持して第5金型12eに搬送し、前記第5金型12eにおいて外縁部に付着した外バリ24を射抜くことにより、一対のコンロッドの成形品26a、26bが得られる。
【0044】
本実施の形態では、鍛造成形装置10を構成する第4金型12dの第1パンチ66a及び第2パンチ66bによってワークWの大端部20a及び小端部20bに対して大端孔64a及び小端孔64bが同時に穿孔されるため、鍛造成形後の後加工工程でピアス加工を施すことが不要となり後加工を簡略化して製造コストを低減することができる。
【0045】
また、本実施の形態では、第1パンチ66a及び第2パンチ66bによって大端孔64a及び小端孔64bが同時に穿孔される際、ピアス用下ダイ54のガイド孔58に対しピアス用上ダイ62に固定されたガイドロッド56が係合してガイド機能が発揮されることにより、ワークWの大端部20a及び小端部20bに対して第1パンチ66a及び第2パンチ66bが所定位置に位置決めされた状態で穿孔される。この結果、ワークWの大端部20a及び小端部20bの所定位置に対して高精度に大端孔64a及び小端孔64bが形成される。
【0046】
さらに、本実施の形態では、鍛造用素材を荒加工する第1工程から成形品が得られる第5工程までを順次連続して遂行する複数の第1〜第5金型12a〜12eが直線状に近接して配置された鍛造成形装置10を用い、前記鍛造成形装置10に配置された第4金型12dによって大端孔64a及び小端孔64bを穿孔するピアス成形がなされることにより、生産効率を向上させて大量生産することが可能となる。
【0047】
さらにまた、第1工程から第5工程までの各中間成形体を搬送する一対のフィードバー30a、30bを用いた場合であっても、前記一対のフィードバー30a、30bによってワークWがピアス用下ダイ54の凹部52内に円滑に載置され、前記ワークWを所定位置に位置決め保持した状態でピアス成形を遂行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明のコネクティングロッドの製造方法を実施する鍛造成形装置の概略構成斜視図である。
【図2】図1に示す鍛造成形装置によって連続成形される中間成形体の形状を示す工程図である。
【図3】図1に示す鍛造成形装置を構成する第4金型のピアス用上型とピアス用下型とが離間した初期位置の縦断面概略構成図である。
【図4】図3に示す状態からピアス用上型が下降し、ピアス用上型に固定されたガイドロッドがピアス用下型に形成されたガイド孔に係合した状態を示す縦断面概略構成図である。
【図5】図4に示す状態からピアス用上型がさらに下降し、押圧プレートとピアス用下ダイとによってワークが挟圧された状態において、第1パンチ及び第2パンチによって大端孔及び小端孔が同時に穿孔された状態を示す縦断面概略構成図である。
【図6】前記ピアス用上型が上昇し、第1パンチ及び第2パンチがワークWから離間した状態を示す縦断面概略構成図である。
【図7】第4金型によってワークの大端部及び小端部に対し、第1パンチ及び第2パンチによって大端孔及び小端孔が同時に穿孔される工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
10…鍛造成形装置 12a〜12e…金型
14、16、18…中間成形体 20a…大端部
20b…小端部 22a、22b…ピアスバリ
24…外バリ 26a、26b…成形品
30a、30b…フィードバー 40…下ダイカセット
42…ピアス用下型 44…ピアス用上型
46a、46b…固定用ブロック 48…下部側スペーサ
50…ダイプレート 52…凹部
54…ピアス用下ダイ 56…ガイドロッド
58…ガイド孔 60…上部側スペーサ
62…ピアス用上ダイ 64a…大端孔
64b…小端孔 66a、66b…パンチ
70…高荷重用スプリング 72…押圧プレート
74…ノックアウトパンチ
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成18年10月20日(2006.10.20)
【代理人】 【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏

【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸

【識別番号】100142066
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿島 直樹

【識別番号】100126468
【弁理士】
【氏名又は名称】田久保 泰夫


【公開番号】 特開2008−100270(P2008−100270A)
【公開日】 平成20年5月1日(2008.5.1)
【出願番号】 特願2006−286103(P2006−286103)