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ステアリングラックの製造方法及びステアリングラック - 特開2008−87025 | j-tokkyo
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【発明の名称】 ステアリングラックの製造方法及びステアリングラック
【発明者】 【氏名】小林 一登

【氏名】廣田 浩太郎

【要約】 【課題】ラック歯の成形を容易にすることができ、ラック歯の成形時に余肉が出ないようにすることができ、ラック歯に素材を十分に充填することができ、製造コストを削減することができるステアリングラックの製造方法及びステアリングラックを提供する。

【解決手段】パイプ材10をラック素材として用い、パイプ材10のラック歯10bが成形される部分に金型11,12を用いてテーパ形状10aを成形する工程と、パイプ材10のテーパ形状10aが成形された部分にラック歯形13aを有するパンチ13を押し当て、ラック歯10bを成形する工程と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ材をラック素材として用い、前記パイプ材のラック歯が成形される部分に金型を用いてテーパ形状を成形する工程と、前記パイプ材のテーパ形状が成形された部分にラック歯形を有するパンチを押し当て、ラック歯を成形する工程と、を備えることを特徴とするステアリングラックの製造方法。
【請求項2】
パイプ材をラック素材として用い、前記パイプ材のラック歯が成形される部分に金型を用いてテーパ形状を成形する工程と、前記パイプ材のテーパ形状が成形された部分に前記パイプ材の内径より小さい中子材又はマンドレルを挿入する工程と、前記パイプ材のテーパ形状が成形された部分にラック歯形を有するパンチを押し当て、ラック歯を成形する工程と、を備えることを特徴とするステアリングラックの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のステアリングラックの製造方法によって製造されたステアリングラック。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ラックアンドピニオン式のステアリング装置に使用されるステアリングラックの製造方法及びステアリングラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のステアリングラックの製造方法として、特許文献1〜7に示す製造方法が知られている。
【0003】
特許文献1及び2に記載のラックの製造方法は、中実の丸棒ラック素材を使用し、ラック歯成形時に排除された余肉をラック側部にバリとしてはみ出させ、このはみ出したバリをプレスや機械加工によって削除するものである。
【0004】
特許文献3に記載のラックの製造方法は、中実の丸棒ラック素材に対し、予め、ラック歯成形部を旋削加工で細く加工し、ラック歯成形時に排除された余肉を収容する逃出吸収部を、ラック歯の背面側の型に多段階に形成することにより、バリを出さないようにするものである。
【0005】
特許文献5〜7に記載のラックの製造方法は、中空管状のラック素材の内径孔にマンドレルを圧入して、ラック歯形を成型するものである。
【0006】
【特許文献1】特開平10−58081号公報
【特許文献2】特開2001−79639号公報
【特許文献3】特許第3442298号公報
【特許文献4】特公平3−5892号公報
【特許文献5】特許第2928427号公報
【特許文献6】米国特許第6575009号明細書
【特許文献7】特開2002−178095号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載のラックの製造方法では、バリを削除するための加工工程が必要となるため、製造コストが増大してしまっていた。また、余肉をバリとして側部に排出するために、金型の加圧荷重が大きくなってしまっていた。さらに、素材がバリ側に逃げてしまうため、ラック歯への素材の充填が不十分となり易かった。
【0008】
また、上記特許文献3に記載のラックの製造方法では、密封成形となるため、金型に加わる応力が大きく、金型の寿命が短くなるので、製造コストが増大してしまっていた。また、予め、素材の一部を細く加工するため、製造コストが増大する可能性があった。
【0009】
また、上記特許文献1〜3に記載のラックの製造方法では、ラック歯への素材の充填を十分に行うために、ラック素材の加熱が必要となるため、ラック歯の成形精度が低下する可能性があった。
【0010】
さらに、上記特許文献4〜7に記載のラックの製造方法では、マンドレルを複数回入れ替えて成形する必要があるため、生産サイクルが長くなってしまっていた。また、専用の加工機械が必要となるため、製造コストが増大してしまっていた。また、ラック歯の歯底の肉厚が薄くなるため、ラック歯の強度が低下する可能性があった。
【0011】
本発明は、このような不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、ラック歯の成形を容易にすることができ、ラック歯の成形時に余肉が出ないようにすることができ、ラック歯に素材を十分に充填することができ、製造コストを削減することができるステアリングラックの製造方法及びステアリングラックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) パイプ材をラック素材として用い、パイプ材のラック歯が成形される部分に金型を用いてテーパ形状を成形する工程と、パイプ材のテーパ形状が成形された部分にラック歯形を有するパンチを押し当て、ラック歯を成形する工程と、を備えることを特徴とするステアリングラックの製造方法。
(2) パイプ材をラック素材として用い、パイプ材のラック歯が成形される部分に金型を用いてテーパ形状を成形する工程と、パイプ材のテーパ形状が成形された部分にパイプ材の内径より小さい中子材又はマンドレルを挿入する工程と、パイプ材のテーパ形状が成形された部分にラック歯形を有するパンチを押し当て、ラック歯を成形する工程と、を備えることを特徴とするステアリングラックの製造方法。
(3) (1)又は(2)に記載のステアリングラックの製造方法によって製造されたステアリングラック。
【発明の効果】
【0013】
本発明のステアリングラックの製造方法及びステアリングラックによれば、パイプ材をラック素材として用い、パイプ材のラック歯が成形される部分に金型を用いてテーパ形状を成形する工程と、パイプ材のテーパ形状が成形された部分にラック歯形を有するパンチを押し当て、ラック歯を成形する工程と、を備えるため、ラック歯の成形を容易にすることができ、ラック歯の成形時に余肉が出ないようにすることができ、ラック歯に素材を十分に充填することができ、製造コストを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係るステアリングラックの製造方法及びステアリングラックの各実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
(第1実施形態)
まず、図1〜図5を参照して、本発明に係るステアリングラックの製造方法及びステアリングラックの第1実施形態について説明する。
図1は本発明に係るステアリングラックの製造方法及びステアリングラックの第1実施形態を説明するための図であり、(a)はU溝パンチとテーパダイスとの間にパイプ材をセットした状態の一部切欠断面図、(b)は(a)のA−A線矢視断面図、図2(a)はパイプ材にテーパ部を成形させた状態の一部切欠断面図、(b)は(a)のB−B線矢視断面図、図3(a)は歯型パンチと下側ダイスとの間にテーパ部を成形させたパイプ材をセットした状態の一部切欠断面図、(b)は(a)のC−C線矢視断面図、図4(a)はパイプ材のテーパ部にラック歯を成形させた状態の一部切欠断面図、(b)はD−D線矢視断面図、図5は図4(a)のE部拡大図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態では、ラック素材として、断面円筒形状のパイプ材10を使用する。なお、本実施形態では、ラック素材は、断面円筒形状のパイプ材であるが、これに限定されず、矩形形状や多角形状等の断面形状のパイプ材であっても、その外周面と内周面の形状が異なるパイプ材であってもよい。
【0017】
まず、図1及び図2に示すように、このパイプ材10を、U溝パンチ(金型)11とテーパダイス(金型)12との間にセットし、U溝パンチ11でパイプ材10を押圧し、パイプ材10をテーパダイス12に押し込ませる。これにより、U溝パンチ11及びテーパダイス12の形状に倣い、パイプ材10にテーパ部(テーパ形状)10aが成形される。
【0018】
また、U溝パンチ11の下端部には、長手方向に沿って、パイプ材10の外周面と略同一の断面形状を有するU溝11aが形成される。テーパダイス12の上端部には、長手方向に沿って、パイプ材10にテーパ部10aを成形するための断面略V字状のテーパ面12aが形成される。
【0019】
次に、図3及び図4に示すように、このテーパ部10aが成形されたパイプ材10を、テーパ部10aが歯型パンチ(金型)13方向に向くようにして、この歯型パンチ13と下側ダイス(金型)14との間にセットし、歯型パンチ13をパイプ材10のテーパ部10aに押し当て、パイプ材10を下側ダイス14に押し込ませる。これにより、歯型パンチ13及び下側ダイス14の形状に倣い、パイプ材10のテーパ部10aの部分にラック歯10bが成形される。このとき、テーパ部10aは、歯形パンチ13と下側ダイス14の隙間の部分(図5のX部分参照)に余肉(素材)が出ることを防止している。また、テーパ部10aの角度を調整することにより様々な形状のラック歯に対応することが可能である。
【0020】
また、歯型パンチ13の下端部には、長手方向に沿って、ラック歯形13aが形成される。下側ダイス14には、長手方向に沿って、パイプ材10の外周面と略同一の断面形状を有するU溝14aが形成されると共に、このU溝14aの幅方向両端部からそれぞれ上方に延びるテーパ面14b,14bが形成される。
【0021】
以上説明したように、本実施形態のステアリングラックの製造方法及びステアリングラックによれば、パイプ材10をラック素材として用い、パイプ材10のラック歯10bが成形される部分に金型11,12を用いてテーパ形状10aを成形する工程と、パイプ材10のテーパ形状10aが成形された部分にラック歯形13aを有するパンチ13を押し当て、ラック歯10bを成形する工程と、を備えるため、パンチ13のラック歯形13aの押し当て長さを大きくすることができるので、ラック歯10bの成形を容易にすることができる。また、パイプ材10のテーパ形状10aが、ラック歯10b成形時に余肉が出ることを防止できるので、ラック歯10bに素材を十分に充填することができ、且つバリを削除するための加工工程をなくすことができるので、製造コストを削減することができる。
【0022】
また、本実施形態のステアリングラックの製造方法及びステアリングラックによれば、全工程で密封成形にならないようにしているため、成形応力を低く抑えることができる。これにより、金型11,12,13,14の寿命を長くすることができるので、製造コストを削減することができる。また、冷間鍛造で成形することができるので、温間鍛造と比較して、ラック歯10bの成形精度を向上することができる。
【0023】
また、本実施形態のステアリングラックの製造方法及びステアリングラックによれば、金型11,12,13,14の形状が簡素なため、汎用のプレス設備で成形することができるので、金型制作費や成形設備費を低く抑えることができ、製造コストを削減することができる。
【0024】
(第2実施形態)
次に、図1、図2、図6、及び図7を参照して、本発明に係るステアリングラックの製造方法及びステアリングラックの第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
図6は本発明に係るステアリングラックの製造方法及びステアリングラックの第2実施形態を説明するための図であり、(a)は歯型パンチと下側ダイスとの間に中子材を挿入させたパイプ材をセットした状態の一部切欠断面図、(b)は(a)のF−F線矢視断面図、図7(a)は中子材を挿入させたパイプ材のテーパ部にラック歯を成形させた状態の一部切欠断面図、(b)はG−G線矢視断面図である。
【0025】
まず、図1及び図2に示すように、このパイプ材10を、U溝パンチ11とテーパダイス12との間にセットし、U溝パンチ11でパイプ材10を押圧し、パイプ材10をテーパダイス12に押し込ませる。これにより、U溝パンチ11及びテーパダイス12の形状に倣い、パイプ材10にテーパ部10aが成形される。
【0026】
次いで、パイプ材10のテーパ部10a内にパイプ材10の内径より小さい中子材15を挿入する。なお、本実施形態では、パイプ材10のテーパ部10a内に中子材15を挿入しているが、マンドレルを挿入してもよい。
【0027】
そして、図6及び図7に示すように、このテーパ部10aが成形され、中子材15が挿入されたパイプ材10を、テーパ部10aが歯型パンチ13方向に向くようにして、この歯型パンチ13と下側ダイス14との間にセットし、歯型パンチ13をパイプ材10のテーパ部10aに押し当て、パイプ材10を下側ダイス14に押し込ませる。これにより、歯型パンチ13及び下側ダイス14の形状に倣い、パイプ材10のテーパ部10aの部分にラック歯10bが成形される。
【0028】
以上説明したように、本実施形態のステアリングラックの製造方法及びステアリングラックによれば、パイプ材10をラック素材として用い、パイプ材10のラック歯10bが成形される部分に金型11,12を用いてテーパ形状10aを成形する工程と、パイプ材10のテーパ形状10aが成形された部分にパイプ材10の内径より小さい中子材15を挿入する工程と、パイプ材10のテーパ形状10aが成形された部分にラック歯形13aを有するパンチ13を押し当て、ラック歯10bを成形する工程と、を備えるため、ラックの強度を向上することができる。また、中子材15の材質を変更することによりラックの強度を調整することができる。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
【0029】
なお、本発明は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、各実施形態において、パイプ材のテーパ部にラック歯を成形する工程の後にサイジング工程を追加してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係るステアリングラックの製造方法及びステアリングラックの第1実施形態を説明するための図であり、(a)はU溝パンチとテーパダイスとの間にパイプ材をセットした状態の一部切欠断面図、(b)は(a)のA−A線矢視断面図である。
【図2】(a)はパイプ材にテーパ部を成形させた状態の一部切欠断面図、(b)は(a)のB−B線矢視断面図である。
【図3】(a)は歯型パンチと下側ダイスとの間にテーパ部を成形させたパイプ材をセットした状態の一部切欠断面図、(b)は(a)のC−C線矢視断面図である。
【図4】(a)はパイプ材のテーパ部にラック歯を成形させた状態の一部切欠断面図、(b)はD−D線矢視断面図である。
【図5】図4(a)のE部拡大図である。
【図6】本発明に係るステアリングラックの製造方法及びステアリングラックの第2実施形態を説明するための図であり、(a)は歯型パンチと下側ダイスとの間に中子材を挿入させたパイプ材をセットした状態の一部切欠断面図、(b)は(a)のF−F線矢視断面図である。
【図7】(a)は中子材を挿入させたパイプ材のテーパ部にラック歯を成形させた状態の一部切欠断面図、(b)はG−G線矢視断面図である。
【符号の説明】
【0031】
10 パイプ材(ラック素材)
10a テーパ部(テーパ形状)
10b ラック歯
11 U溝パンチ(金型)
11a U溝
12 テーパダイス(金型)
12a テーパ面
13 歯型パンチ(金型)
13a ラック歯形
14 下側ダイス(金型)
14a U溝
14b テーパ面
15 中子材
【出願人】 【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
【出願日】 平成18年10月2日(2006.10.2)
【代理人】 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平

【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳

【識別番号】100108589
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 利光


【公開番号】 特開2008−87025(P2008−87025A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−270863(P2006−270863)