トップ :: B 処理操作 運輸 :: B21 本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き

【発明の名称】 テーパ付ピストンピンの形成方法
【発明者】 【氏名】ロバート・ワイス

【氏名】ステフェン・バングズ

【氏名】ジェイムス・エンダール

【氏名】ポール・フェクトー

【要約】 【課題】単一の成形工程で中央隔壁を有する又は無隔壁のテーパ状ピストンピンを冷間成形する方法を提供する。

【構成】この方法は、例えば、列記するものに限定されないが、機械加工工程、焼き鈍し工程、被覆工程及び2次成形工程等の2次処理工程を省略することができる。この方法は、ほぼ円柱状の小片に金属棒を切断する工程と、金型を使用して小片を押出成形して、小片に第1の空洞を形成する工程と、任意に金型を使用して小片を押出成形して、小片に第2の空洞を形成する工程と、小片を穿孔して、小片を中空円筒状片に形成する工程と、金型を使用して中空円筒状片の各端部を押出成形して、中空円筒状片の各端部の内面にテーパを有する中空円筒状片を形成する工程とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型を使用して中空円筒状片の各端部を押出成形して、中空円筒状片の各端部の内側面に長さ方向テーパを形成する工程を含むことを特徴とするテーパ付ピストンピンの製造方法。
【請求項2】
中空円筒状片の一端部又は両端部内に最初の単一又は複数のポンチを挿入して、単一又は複数の先のポンチにより、中空円筒状片の内面に予め選択された鋭角にテーパを形成する工程と、
中空円筒状片の端部又は両端部に単一又は複数の次のポンチを挿入して、単一又は複数の次のポンチにより、中空円筒状片の内面に予め選択された第2の鋭角に第2のテーパを形成する工程とを更に含む請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
第2のテーパの予め選択された第2の鋭角は、第1のテーパの予め選択された第1の鋭角より小さい請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
第2のテーパの予め選択された第2の鋭角は、第1のテーパの予め選択された第1の鋭角より大きい請求項2に記載の製造方法。
【請求項5】
ほぼ円柱状の小片に金属棒を切断する工程と、
金型を使用して小片を押出成形して、第1の空洞部を小片に形成する工程と、
金型を使用して小片を押出成形して、第2の空洞部を小片に形成する工程と、
小片を穿孔して、小片を中空円筒状片に形成する工程と、
金型を使用して中空円筒状片の各端部を押出成形して、中空円筒状片の各端部の内面にテーパを有する中空円筒状片を形成する工程とを含むことを特徴とするテーパ付ピストンピンの製造方法。
【請求項6】
中空円筒状片の端部に第1の金型ポンチを挿入して、第1の金型ポンチにより、中空円筒状片の内面に予め選択された第1の鋭角の第1のテーパを形成する工程と、
中空円筒状片の端部に第2のポンチを挿入して、第2の金型ポンチにより、中空円筒状片の内面に予め選択された第2の鋭角の第2のテーパを形成する工程とを更に含む請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
第2のテーパの予め選択された第2の鋭角は、第1のテーパの予め選択された第1の鋭角より小さい請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
第2のテーパの予め選択された第2の鋭角は、第1のテーパの予め選択された第1の鋭角より大きい請求項6に記載の製造方法。
【請求項9】
小片を穿孔して、小片を中空円筒状片に形成する工程と、
金型を使用して中空円筒状片の各端部を押出成形して、中空円筒状片の各端部の内面にテーパを有する中空円筒状片を形成する工程とを含むことを特徴とするテーパ付ピストンピンの製造方法。
【請求項10】
中空円筒状片の端部に第1の金型ポンチを挿入して、第1の金型ポンチにより、中空円筒状片の内面に予め選択された第1の鋭角で第1のテーパを形成する工程を更に含む請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
中空円筒状片の端部に第2の金型ポンチを挿入して、第2の金型ポンチにより、中空円筒状片の内面に予め選択された第2の鋭角の第2のテーパを形成する工程とを更に含む請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
第2のテーパの予め選択された第2の鋭角は、第1のテーパの予め選択された第1の鋭角より小さい請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
第2のテーパの予め選択された第2の鋭角は、第1のテーパの予め選択された第1の鋭角より大きい請求項11に記載の製造方法。
【請求項14】
ほぼ円柱状の小片に金属棒を切断する工程と、
金型を使用して小片を押出成形して、小片に第1の空洞部を形成する工程と、
金型を使用して小片を押出成形して、小片に第2の空洞部を形成する工程と、
小片を穿孔して、小片を中空円筒状片に形成する工程と、
金型を使用して中空円筒状片の一端を押出成形して、中空円筒状片の各端部の内面にテーパを有する中空円筒状片を形成する工程とを使用して製造されることを特徴とするテーパ付ピストンピン。
【請求項15】
中空円筒状片の端部に第1の金型ポンチを挿入して、第1の金型ポンチにより、中空円筒状片の内面に予め選択された第1の鋭角で第1のテーパを形成する工程を更に使用して製造される請求項14に記載のテーパ付ピストンピン。
【請求項16】
中空円筒状片の端部に第2の金型ポンチを挿入して、第2の金型ポンチにより、中空円筒状片の内面に対して予め選択された第2の鋭角で第2のテーパを形成する工程を更に使用して製造される請求項15に記載のテーパ付ピストンピン。
【請求項17】
第2のテーパの予め選択された第2の鋭角は、第1のテーパの予め選択された第1の鋭角より小さい請求項16に記載のテーパ付ピストンピン。
【請求項18】
第2のテーパの予め選択された第2の鋭角は、第1のテーパの予め選択された第1の鋭角より大きい請求項16に記載のテーパ付ピストンピン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンピンの形成方法、詳細には、テーパ状内孔を形成する工程を含む単数又は多数の工程でピストンピンを形成する方法に関する。本発明は、この形成方法を利用して製造されるテーパ付ピストンピンも含む。
【背景技術】
【0002】
往復内燃機関(エンジン)は、シリンダ内で往復運動を行うピストンを通常使用する。図1に示すように、ピストン12は、シリンダの口径に緊密に嵌合する摺動栓として機能する。ピストン12は、基本的にシリンダ内で交互に往復駆動される。燃料と空気との混合物をピストン12上で燃焼させて、圧縮しかつ点火した燃焼気体から気体圧力を発生させる。この気体圧力は、ピストンを下方に押圧する。燃焼行程では、ピストン12は、ピストンピン10を通じて燃焼気体の膨張力を連接棒(コンロッド)14に伝達する。連接棒14を介してクランク軸に取り付けられるピストン12は、往復運動を回転運動に変換する。
【0003】
ピストンピン10は、往復内燃機関装置の重要な部分を形成する。ピストン12と連接棒14とを通じて同軸上に整合して形成された開口部内に配置される各ピストンピン10は、連接棒14とピストン12との間に軸着構造を形成する。往復内燃機関のクランク軸が回転するとき、各連接棒14の一端は、軌道を描いてクランク軸の周囲を旋回する。連接棒14の他端がピストン12内のピストンピン10周りに揺動して、各ピストン12は、連接棒14を通じてクランク軸に回転力を伝達する。各ピストンピン10は、連接棒14とピストン12との軸着部として作用する。
【0004】
ピストン12、ピストンピン10及び連接棒14に与えられる燃焼時の爆発力は、巨大である。更に、ピストン組立体(前記ピストン12、ピストンピン10及び連接棒14)は、エンジン性能での摩擦損失の大部分を占める。クランク軸を有するピストン組立体の往復運動を行う質量を減少する傾向がエンジン設計にある。従って、より軽量のピストンピン10を設けて慣性力による損失を減少し、エンジン効率を向上して、往復内燃機関装置の性能を増加することができる。従って、有効なピストンピン10とピストン組立体の基本的な特徴は、軽量化にある。また、理想的なピストンピン10は、燃焼行程で生じる最高の爆発力に耐える耐摩耗性、剛性及び高強度等の他の重要な特徴を備える。ピストンピン10の重量を減少する一方法は、外側に拡径する内部を形成して、ピストンピン10の内径端部での質量を減少することである。
【0005】
図3に示すように、ピストンピン20の中央付近に中央隔壁26を形成するピストンピン20もある。これらのピストンピン20は、中央隔壁ピストンピン、二方向押出成形ピストンピン又は二方向成形ピストンピンと称される。図4に示す他のピストンピン30は、ピストンピン30の端部に隔壁を形成して、更に軽量化される。この方法では、隔壁を完全に除去して更に質量が減少される。前記ピストンピン30は、無隔壁ピストンピン、隔壁端ピストンピン、一方向鍛造押出ピストンピン又は一方向成形ピストンピンと一般に称される。図3及び図4のピストンピン製造方法では、テーパ状孔径を形成して重量を減少してもよい。ピストンピンの内側にテーパを機械加工するか又は中央隔壁ピストンピンの内側部にテーパを押出成形するのが現在の技術である。更に、2次機械加工又は2次成形により内側部にテーパを追加して形成する一方向成形ピストンピンもある。焼き鈍し工程、潤滑材付着工程及び2次成形工程の何れかの組み合わせ工程を前記テーパ追加工程に設けてもよい。前記方法の何れも、費用効果が低く最適な質量減少を達成できない。前記方法の全ては、非常に高価である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記のように、従来のピストンピンは、低効率、高価格及び非最適質量減少を招来する様々な欠陥を有する。加工機械の一成形法では、中央隔壁を有し又は無隔壁のテーパ付ピストンピンを形成する価格効果のある製造方法が必要である。また、ピストンピンに内側テーパをより経済的に形成する改善された方法が必要である。
現在の往復式内燃機関装置には、中央隔壁を有し又は無隔壁の軽量でかつ高強度のテーパ付ピストンピンを経済的に製造する方法が必要である。本発明は、価格効果のある効率的な工程を通じて冷間成形されかつ中央隔壁を有し又は無隔壁のテーパ付ピストンピンを製造する製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるテーパ付ピストンピンの製造方法は、金型を使用して中空円筒状片の各端部を押出成形して、中空円筒状片の各端部の内側面に長さ方向テーパを形成する工程を含む。本発明では、単独で実施される2次工程又は機械加工、被覆成形及び2次成形等との組み合わせ工程を省略することができる。本発明の別の実施の形態では、ピストンピンのテーパをより大きな角度及び長さで形成して、従来のピストンピンより更に軽量化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図3及び図4のA〜Dは、典型的なピストンピンの製造工程を示す。前記製造工程は、棒鋼又は巻線鋼から開始する。ピストンピンの形成に適する炭素鋼の物理的特性と機械的特性とを備えかつ最終製品に価格効果を生ずるのに必要な特性を備えるとの理由で、炭素鋼線が通常使用される。しかしながら、必要な適用状態により他の金属を使用することもできる。金属巻線は、直線状に展開される。展開装置から排出された金属巻線は、個々の小片に切断される。切断された小片は、ほぼ円柱状に形成される。次に、複数の小片に押出鍛造工程が実施される。顧客の要求する仕様により、ピストンピンにテーパを設けることも要求されることがある。図3以降の図面について、テーパの形成工程を説明する。
【0009】
図3は、ピストンピンを製造する代表的な二方向/中央隔壁押出成形工程順序を示す。冷間成形技術に精通する当業者は、図3は、ピストンピンを形成する方法の一例に過ぎないことを理解できよう。本発明の目的に対して本例のみを示すが、押出成形される管状半加工品にテーパを形成するあらゆる方法に本発明を適用できよう。
【0010】
図4は、ピストンピンを製造する一方向/隔壁端押出成形工程順序を示す。冷間成形に精通する当業者は、図4は、ピストンピンを形成する方法の一例に過ぎないことを理解できよう。本発明の目的に対して本例のみを示すが、押出される管状半加工品にテーパを形成するあらゆる方法に本発明を適用できよう。例えば、図5に示すように、ステップ71では、棒材を小片に切断する。次に、ステップ72では、金型により押出成形して小片に空洞部を形成する。続いて、ステップ73では、小片を穿孔して、中空円筒状に形成する。その後、金型を使用して小片の内側表面にテーパを有する中空円筒状片を形成する(ステップ74)。更に、ステップ75〜78に示すように、中空円筒状片に浸炭処理、熱処理、焼き戻し及び仕上げ加工を行う。本発明では、押出成形には、鍛造押出成形、プレス押出成形、穿孔押出成形、ポンチ押出成形等種々の成形法、特に冷間成形法を使用することができる。
【0011】
図2Aは、管状に形成されたピストンピン半加工品50の両端の内側にテーパを形成する本発明の成形工程を示す。図2Aは、ピストンピンの完成時軸方向テーパ長さに等しいか又はこれより短い所定の長さで中心軸から外側に角度52より大きい角度58のテーパを形成する工程を表す。完成する最終外形(輪郭)を符号56で示す。これは、一例に過ぎない。成形技術に精通する当業者は、単一又は多数のステーションでこれを完成できても、本発明は、管状の半加工品の内部にテーパを成形する最も費用効果の高い方法に重点を置くことを理解するであろう。しかしながら、本発明は、管状の半加工品の内部にテーパを形成する全ての多数の工程を包含すべきである。
【0012】
図2Bは、前のテーパ形成工程に続き半加工品68から最終要求製品にピストンピンを形成する工程の一例を示す。図2Bは、先にテーパを形成した半加工品68の壁部168上に配置した仕上げ工具62を示す。最終完成外形を符号66で示す。成形技術に精通する当業者は、単一又は多数のステーションでこれを完成できても、本発明は、管状の半加工品の内部にテーパを成形する最も費用効果の高い方法に重点を置くことを理解するであろう。
【0013】
ピストンピンにテーパを形成する前記方法は、一実施例に過ぎない。前記方法は、高価な機械加工工程、被覆工程又は追加の成形工程を必要とせずに、ピストンピンにテーパを形成する実施可能な一方法を示す。実際の実施では、前記装置が変更されることもある。また、本願特許請求の範囲に包含される限り、当業者が適宜選択する他の様々な改良及び変更を本発明に加えてもよい。
【0014】
本発明の精神又は本質的な特徴から逸脱しなければ、他の特定の形態で本発明を実施してもよい。本明細書に記載する実施の形態は、あらゆる点で例示的でありかつ限定的ではない。従って、本発明の権利範囲は、特定かつ例示的な前記実施の形態に制限されない。本明細書は、均等の概念と均等の範囲内の全変更又は全修正を包含することを企図する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】連接棒とピストンとを軸着するピストンピンを有するピストン装置の正面図
【図2A】次のステーションポンチが最初に接触する状態を示すより広い角度の第1のテーパ形成操作を示す断面図
【図2B】次のステーションポンチが最初に接触する状態を示すより狭い角度の第1のテーパ成形操作を示す断面図
【図3】中央隔壁を有するテーパ付ピストンピンを製造する例示的な二方向押出法を示す断面図
【図4】無隔壁のテーパ付ピストンピンを製造する例示的な一方向押出法を示す断面図
【図5】本発明によるテーパ付ピストンピンの形成方法の実施の形態による成形工程を示すフローチャート
【符号の説明】
【0016】
(10,20,30)・・ピストンピン、 (12)・・ピストン、 (14)・・連接棒、 (50,68)・・半加工品、
【出願人】 【識別番号】507012308
【氏名又は名称】バージェス・ノートン・マニュファクチャリング・カンパニー・インコーポレーテッド
【出願日】 平成19年8月1日(2007.8.1)
【代理人】 【識別番号】100082049
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 敬一


【公開番号】 特開2008−44010(P2008−44010A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2007−200345(P2007−200345)