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リング素材の鍛造方法及びその鍛造装置 - 特開2008−12562 | j-tokkyo
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【発明の名称】 リング素材の鍛造方法及びその鍛造装置
【発明者】 【氏名】柿本 英樹

【要約】 【課題】リング素材の初期設計値と鍛造後の形状に差がなく歩留まりの低下がないリング素材の鍛造方法及びその鍛造装置を提供することを課題とする。

【構成】所定温度に加熱された円筒形状のリング素材1に芯金2を挿入し、リング素材1の上方に配置した上金敷3によりリング素材1の外表面を、その全長に亘って圧下しつつ、芯金2の回転によりリング素材1を回転することによって圧下領域の移動を繰り返し行いリング素材1を鍛造するリング素材の鍛造方法において、上金敷3の中心軸をリング素材1の中心軸から平面視で傾けた状態で、リング素材1を鍛造する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定温度に加熱された円筒形状のリング素材に芯金を挿入し、リング素材の上方に配置した上金敷によりリング素材の外表面を、その全長に亘って圧下しつつ、芯金の回転によりリング素材を回転することによって圧下領域の移動を繰り返し行いリング素材を鍛造するリング素材の鍛造方法において、
上金敷の中心軸をリング素材の中心軸から平面視で傾けた状態で、リング素材を鍛造することを特徴とするリング素材の鍛造方法。
【請求項2】
上金敷の中心軸をリング素材の中心軸から傾けたずれ角度は、0°を超えθ°以下であることを特徴とする請求項1記載のリング素材の鍛造方法。
ここで、θ°=〔tan-1{W1/(L/2)}〕×180/π、W1=√〔{D/2}2−{(D/2)−R}2
上式で、θ°はずれ角度、W1は上金敷と素材とのずれ角度が0°の場合に上金敷とリング素材が接触する仮想接触幅、Lはリング素材の長さ、 Dはリング素材の外径、Rは一回の圧下量である。
【請求項3】
上金敷の両端近傍から夫々垂下する一対の端面ストッパーで、リング素材の両端面を保持しながらリング素材を鍛造することを特徴とする請求項1または2記載のリング素材の鍛造方法。
【請求項4】
対になって設けられた側面ストッパーで、リング素材の両側面を保持しながらリング素材を鍛造することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のリング素材の鍛造方法。
【請求項5】
リング素材の両端部には保温材及び/又は加熱装置が設けられており、リング素材の両端部と中心部の温度差を200℃以内にしてリング素材を鍛造することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のリング素材の鍛造方法。
【請求項6】
所定温度に加熱された円筒形状のリング素材に挿入され、それ自体が回転することによりリング素材を回転させる芯金と、
そのリング素材の上方に配置され、リング素材の外表面をその全長に亘って圧下する上金敷を備え、
その上金敷の中心軸をリング素材の中心軸から平面視で傾けた状態としていることを特徴とするリング素材の鍛造装置。
【請求項7】
上金敷の両端近傍から一対の端面ストッパーが夫々垂下し、リング素材の両端面を保持していることを特徴とする請求項6記載のリング素材の鍛造装置。
【請求項8】
対になって設けられた側面ストッパーで、リング素材の両側面を保持していることを特徴とする請求項6または7記載のリング素材の鍛造装置。
【請求項9】
リング素材の両端部には保温材及び/又は加熱装置が設けられていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載のリング素材の鍛造装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、リアクターなどの圧力容器の円筒形胴部を形成するリング素材を鍛造するリング素材の鍛造方法及びその鍛造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
所定温度に加熱された円筒形状のリング素材に芯金を挿入し、リング素材の上方に配置した上金敷によりリング素材の外表面を、その全長に亘って圧下しつつ、芯金の回転によりリング素材を回転することによって圧下領域の移動を繰り返し行いリング素材を鍛造することは、従来から行われており、例えば特許文献1により知られている。
【0003】
この文献に記載された方法では、単にリング素材の中心軸に上金敷の中心軸が平面視で合わされた状態、即ち、リング素材の上方に上金敷が平行に配置された状態で、リング素材の鍛造が行われていた。この方法でリング素材を鍛造すると、リング素材を支持する芯金の中央部に、それらの重量及び圧下による圧力でたわみが発生するため、リング素材の外表面にかかる上金敷での圧下量が中央部で小さく、両端部で大きくなっていた。その結果、リング素材の軸方向に伸縮が生じ、リング素材の初期設計値と鍛造後の形状が異なることとなり、歩留まりが低下する原因の一つとなっていた。
【特許文献1】特開昭54−15454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、リアクターなどの圧力容器の円筒形胴部を形成するリング素材を鍛造するにあたり、リング素材の初期設計値と鍛造後の形状に差がなく歩留まりの低下がないリング素材の鍛造方法及びその鍛造装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、所定温度に加熱された円筒形状のリング素材に芯金を挿入し、リング素材の上方に配置した上金敷によりリング素材の外表面を、その全長に亘って圧下しつつ、芯金の回転によりリング素材を回転することによって圧下領域の移動を繰り返し行いリング素材を鍛造するリング素材の鍛造方法において、上金敷の中心軸をリング素材の中心軸から平面視で傾けた状態で、リング素材を鍛造することを特徴とするリング素材の鍛造方法である。
【0006】
請求項2記載の発明は、上金敷の中心軸をリング素材の中心軸から傾けたずれ角度は、0°を超えθ°以下であることを特徴とする請求項1記載のリング素材の鍛造方法である。
ここで、θ°=〔tan-1{W1/(L/2)}〕×180/π、W1=√〔{D/2}2−{(D/2)−R}2
上式で、θ°はずれ角度、W1は上金敷と素材とのずれ角度が0°の場合に上金敷とリング素材が接触する仮想接触幅(図9にその詳細を示す。)、Lはリング素材の長さ、Dはリング素材の外径、Rは一回の圧下量である。
【0007】
請求項3記載の発明は、上金敷の両端近傍から夫々垂下する一対の端面ストッパーで、リング素材の両端面を保持しながらリング素材を鍛造することを特徴とする請求項1または2記載のリング素材の鍛造方法である。
【0008】
請求項4記載の発明は、対になって設けられた側面ストッパーで、リング素材の両側面を保持しながらリング素材を鍛造することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のリング素材の鍛造方法である。
【0009】
請求項5記載の発明は、リング素材の両端部には保温材及び/又は加熱装置が設けられており、リング素材の両端部と中心部の温度差を200℃以内にしてリング素材を鍛造することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のリング素材の鍛造方法である。
【0010】
請求項6記載の発明は、所定温度に加熱された円筒形状のリング素材に挿入され、それ自体が回転することによりリング素材を回転させる芯金と、そのリング素材の上方に配置され、リング素材の外表面をその全長に亘って圧下する上金敷を備え、その上金敷の中心軸をリング素材の中心軸から平面視で傾けた状態としていることを特徴とするリング素材の鍛造装置である。
【0011】
請求項7記載の発明は、上金敷の両端近傍から一対の端面ストッパーが夫々垂下し、リング素材の両端面を保持していることを特徴とする請求項6記載のリング素材の鍛造装置である。
【0012】
請求項8記載の発明は、対になって設けられた側面ストッパーで、リング素材の両側面を保持していることを特徴とする請求項6または7記載のリング素材の鍛造装置である。
【0013】
請求項9記載の発明は、リング素材の両端部には保温材及び/又は加熱装置が設けられていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載のリング素材の鍛造装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明のリング素材の鍛造方法によると、リング素材の初期設計値と鍛造後の形状が略同じ形状となるため、歩留まりが向上し、それによるコストアップもなくなる。
【0015】
また、本発明のリング素材の鍛造装置によると、鍛造されるリング素材の初期設計値と鍛造後の形状が略同じ形状となるため、歩留まりが向上し、それによるコストアップもなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいてさらに詳細に説明する。
【0017】
図1乃至図3において、1は円筒形のリング素材、2は円柱状の芯金、3は縦断面略長方形の四角柱状の上金敷である。リング素材1は、鍛造前に所定温度(例えば、1200℃)に加熱されており、その円筒空間に芯金2を挿入することにより、芯金2に吊るされ支持されている。芯金2はその両端部が架台8に回転自在に軸着されている。芯金2で支持されたリング素材1の上方には、上金敷3が鉛直方向に上下移動できるよう水平に設けられている。この上金敷3は縦断面略長方形であるが、その下面が芯金2の外表面に圧下するため、その圧下時に下側両角部が芯金2の外表面を疵付けないよう、その下側両角部はR状に仕上げられている。
【0018】
鍛造前からリング素材1の内径は、芯金2の外径より大きく、芯金2はリング素材1の円筒空間内に容易に挿入することができる。また、リング素材1の軸方向の長さは、芯金2の長さより短い。
【0019】
このリング素材1の軸方向の長さは、上金敷3の長さより短い。また、リング素材1の外径は、上金敷3の横幅よりも大きい。上金敷3はその中心軸が、リング素材1の中心軸から平面視で傾けて設けられている。平面視において、この上金敷3の中心軸がリング素材1の中心軸と交差する点は、上金敷3の中心点であり、且つリング素材1の中心点である。
【0020】
次に、このリング素材1の鍛造方法について説明する。
【0021】
まず、リング素材1を所定温度(例えば、1200℃)に加熱し芯金2に吊るす。次に、芯金2に吊るされたリング素材1の外表面に、上金敷3を圧下させる。その後、芯金2を回転させると芯金2と上金敷3で挟持されたリング素材1は、芯金2の回転に追随して回転する。リング素材1が回転することにより圧下領域の移動が行われる。この回転を、リング素材1の板厚、外径寸法が目標寸法になるまで、複数周繰り返す。以上の工程(拡径工程という)を行うことにより、目標寸法のリング素材1が完成する。
【0022】
リング素材1を支持する芯金2の中央部には、それらの重量及び圧下による圧力でたわみが発生するため、従来では、リング素材1の外表面にかかる圧下量が中央部で小さく、両端部で大きくなっていた。また、芯金2の中央部が軸方向に平面ひずみ状態であるのに対し、両端部は自由端により平面ひずみ状態ではないため、軸方向に伸縮させないためには、両端部の圧下量を中央部の圧下量より小さくする必要がある。しかしながら、上記の方法でリング素材1を鍛造すると、上金敷3の中心軸をリング素材1の中心軸に対して傾けるので、両端部での圧下量が小さくなる。その結果、リング素材1の軸方向全長に亘る圧下量のつりあいがとれることとなり、リング素材1の外表面への圧下量が軸方向全長のどの部位でも略一定となる。そのためリング素材1の軸方向に想定外の伸縮が発生せず、リング素材1の初期設計値と鍛造後の形状が略同じ形状となる。
【0023】
なお、上金敷3の中心軸をリング素材1の中心軸から傾けたずれ角度が一定以上を超えた場合、上記した効果は達成できなくなる。それは、下降した上金敷3がリング素材1外表面の両端部では当たらなくなり、上金敷3でリング素材1の外表面をその全長に亘って圧下できなくなるためである。
【0024】
図4は、本発明の異なる実施形態を示す。この実施形態では、リング素材1、芯金2、上金敷3の構成は、前記の実施形態と略同じであるが、上金敷3の長さは、リング素材1の軸方向の長さよりやや長いだけであり、その上金敷3の両端近傍の下面から一対の端面ストッパー4,4が夫々垂下している。
【0025】
上金敷3はその中心軸がリング素材1の中心軸から平面視で傾けられて設けられているので、上金敷3の長さとリング素材1の軸方向の長さは同一寸法ではないが、略同じ寸法である。また、端面ストッパー4,4のリング素材1に当たる面は垂直な平面となっている。
【0026】
この実施形態では、端面ストッパー4,4が、リング素材1の両端面を保持するため、リング素材1が回転時に傾かず、鍛造が確実に行われる。また、端面ストッパー4,4で、リング素材1がその軸方向に必要以上に伸長するのを防止することもできる。
【0027】
なお、前記の説明では、図4に示す実施形態に基づいて、上金敷3の長さが、リング素材1の軸方向の長さよりやや長いと説明したが、必ずしも、上金敷3の長さが、リング素材1の軸方向の長さよりやや長い必要はない。上金敷3の長さが、リング素材1の軸方向の長さと略同じであっても良く、また、上金敷3の長さが、リング素材1の軸方向の長さより完全に長くても良い。
【0028】
上金敷3の長さが、リング素材1の軸方向の長さと略同じ前者の場合、端面ストッパー4,4は、上金敷3の下面からではなく両端面から夫々垂下することになる。なお、上金敷3の両端面も、請求項2に記載した上金敷3の両端近傍に含まれることは勿論である。上金敷3の長さが、リング素材1の軸方向の長さより完全に長い後者の場合、上金敷3から垂下する一対の端面ストッパー4,4のリング素材1に当たる面間の間隔寸法が、リング素材1の軸方向の長さと略同じであれば良い。また、端面ストッパー4,4が上金敷3の下面を軸方向にスライドできるように構成されておれば、様々な長さのリング素材1に対応することができる。
【0029】
図5及び図6は、本発明の更に異なる実施形態を示す。この実施形態では、リング素材1、芯金2、上金敷3の構成は、最初に説明した実施形態と同一であるが、それに加え、リング素材1の両側面を保持するようにして二対の側面ストッパー5,5,…が設けられている。この側面ストッパー5は床面から立ち上がるようにして設けられた角柱状のものであり、リング素材1の両側面の両端近傍の計四箇所に夫々当接している。
【0030】
この実施形態では、側面ストッパー5,5,…が、リング素材1の両側面を保持するため、リング素材1が回転時に傾かず、確実に目標寸法のリング素材1を鍛造することができる。
【0031】
なお、以上の説明では、リング素材1の両側面を保持するようにして2対の側面ストッパー5,5,…が設けられていると説明したが、必ずしも側面ストッパー5は二対でなくても良く、三対以上、或いは一対であっても良い。但し、一対の場合、側面ストッパー5,5はリング素材1の両側面に添った長尺状のものとなる。また、側面ストッパー5は床面から立ち上がる角柱状のものと説明したが、架台7から横に延びるもの、上方から垂下するものであっても良い。また、対になった側面ストッパー5,5の間隔が調整できるものであれば、様々な外径のリング素材1に対応することができるものとなり更に望ましい。
【0032】
次に、図7に示す本発明の更に異なる実施形態を説明する。この実施形態でも、リング素材1、芯金2の構成は、前記の各実施形態と略同様であるが、リング素材1の両端部に夫々保温材6が設けられている。
【0033】
この保温材6は、リング素材1の両端面を被覆するように塗布されたセラミックファイバー等を主原料としたものであり、鍛造前に所定温度に加熱されたリング素材1の両端部が鍛造時までに冷めるのを防止するためのものである。この保温材6が塗布されることにより、リング素材1の中央部と両端部での温度差は、鍛造時に200℃以内となる。なお、保温材6の厚みは、保温効果を得るためには少なくとも1mm以上は必要である。また、保温材6の厚みを調整することにより温度調整を行うことができる。以上、保温材6として塗布されるものの事例を示したが、保温材6は、シート状の貼着されるもの、溶着されるもの等であっても良い。
【0034】
この実施形態によると、リング素材1の中央部と両端部での温度差は、例え加熱後の経過時間の長い時、寒冷時等であっても、鍛造時には200℃以内に保つことができるため、リング素材1の軸方向に想定した以上の伸縮が温度差により発生せず、リング素材1の初期設計値と鍛造後の形状が略同じ形状となる。
【0035】
図8は、本発明の更に異なる実施形態を示す。この実施形態は図7に示す実施形態と、リング素材1の両端部に設けられたものが保温材6でなく加熱装置7である点でのみ異なる。この加熱装置7はインダクションヒータ、バーナー等であり、リング素材1の大きさ等に応じて、1対、或いは2対以上設置される。
【0036】
この実施形態では、リング素材1の中央部と両端部での温度差を管理することができ、例え加熱後の経過時間の長い時、寒冷時等であっても、鍛造時のリング素材1の中央部と両端部の温度差を常に200℃以内とすることができるため、リング素材1の軸方向に想定した以上の伸縮が温度差により発生せず、リング素材1の初期設計値と鍛造後の形状が略同じ形状となる。
【実施例】
【0037】
鍛造前の初期形状が、内径3000mm、外径3600mm、長さ3000mmのリング素材1を準備し、本発明の鍛造方法で、リング素材1の外径が4000mmになるまで拡径し、本発明の効果を確認した。リング素材1の材質はASME SA336 F22V(低合金鋼)である。合否判定は、リング素材1の鍛造前後の長さの変化量から求めた変化率を確認することで行った。変化率が4%未満のものを◎、4%以上6%以下のものを○で夫々合格、6%を超えるものを×で不合格とする。
【0038】
まず、請求項1に示す鍛造方法で本発明の効果を確認した。リング素材1の中心軸と上金敷3の中心軸の平面視でのずれ角度を順次変えたものを表1に示す。この際、リング素材1の両端部と中央部の温度差は100℃、上金敷3の長さは3500mmとする。
【表1】


【0039】
表1から明らかなように、ずれ角度が5°の場合、リング素材1の長さの変化率は0.8%で初期設計値と鍛造後の形状に殆ど差がなく最適である。また、ずれ角度が10°は、前記式θ°=〔tan-1{W1/(L/2)}〕×180/π、W1=√〔{D/2}2−{(D/2)−R}2〕、前式で、θ°はずれ角度、W1は上金敷とリング素材の接触幅、Lはリング素材の長さ、Dはリング素材の外径、Rは一回の圧下量において、D=3000mm、L=3000mm、R=25mm(従って、W1=273mm)より算出されるθ°(=10.31°)に対応する場合であるが、この場合も変化率は4.9%で合格基準の範囲内である。これに対し、ずれ角度が0°の場合では変化率は6.2%と合格基準には僅かに達せず、また、ずれ角度が15°場合は変化率が8.0%と合格基準には達しない。
【0040】
即ち、ずれ角度が0°の場合は、芯金2の中央部に発生するたわみの影響を受け、リング素材1の外表面にかかる圧下量に中央部と両端部で差が出たため、リング素材1の鍛造後長さが短くなったと想定することができる。また、ずれ角度が15°場合は、下降した上金敷3がリング素材1外表面の両端部では当たらなくなり、上金敷3でリング素材1の外表面をその全長に亘って圧下できなくなったため、リング素材1の鍛造後長さが短くなったと想定することができる。
【0041】
この結果から、リング素材1の中心軸と上金敷3の中心軸の平面視でのずれ角度が0°を超え10°以下の範囲であれば、リング素材1の初期設計値と鍛造後の形状が略同じ形状となることが想定される。従って、ずれ角度が0°を超え10°以下の範囲であれば、歩留まりが向上し、それによるコストアップもなくなるという本発明の効果は達成することができると判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、上金敷の中心軸をリング素材の中心軸から傾けた状態を示す平面図である。
【図2】同上の実施形態を示すもので、上金敷をリング素材表面に圧下する前の部分縦断面図である。
【図3】同上の実施形態を示すもので、図1における上金敷をリング素材表面に圧下した状態のA−A線断面図である。
【図4】本発明の異なる実施形態を示すもので、両端ストッパーでリング素材の両端面を保持した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の更に異なる実施形態を示すもので、両側ストッパーでリング素材の両側面を保持した状態を示す平面図である。
【図6】同上の実施形態を示すもので、両側ストッパーでリング素材の両側面を保持した状態を示す図1のA−A線断面図である。
【図7】本発明の更に異なる実施形態を示すもので、保温材をリング素材の両端面に塗布した状態を示す正面図である。
【図8】本発明の更に異なる実施形態を示すもので、加熱装置の位置を示す正面図である。
【図9】上金敷がリング素材の外表面に接触する仮想接触幅を示す説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1…リング素材
2…芯金
3…上金敷
4…端面ストッパー
5…側面ストッパー
6…保温材
7…加熱装置
【出願人】 【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
【出願日】 平成18年7月5日(2006.7.5)
【代理人】 【識別番号】100089196
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 良之

【識別番号】100104226
【弁理士】
【氏名又は名称】須原 誠

【識別番号】100131750
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 芳通


【公開番号】 特開2008−12562(P2008−12562A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−185815(P2006−185815)