トップ :: B 処理操作 運輸 :: B21 本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き

【発明の名称】 鍛造装置
【発明者】 【氏名】石田 均

【氏名】石島 実

【氏名】山崎 健太

【要約】 【課題】偏肉部付き頭部にシャフト主体と略同軸の有底穴を高精度に形成することができる鍛造装置を得る。

【解決手段】シャフト主体(21)の頭部(22)に一側方に張り出す偏肉部(22a)を有するシャフト素材(20)を設け、該シャフト素材(20)をダイ(4)の成形孔(6)に嵌合させ、シャフト主体(21)と略同軸に配置したパンチ(12)を前記頭部(22)に打ち込んで該頭部(22)にシャフト主体(21)と略同軸の有底穴(23)を形成するに際し、前記パンチ先端側の加圧面(13)に、成形圧力を受けて反偏肉部方向に分力が発生する斜面(14)を設ける。前記斜面(14)は加圧面(13)の、前記偏肉部(22a)側に位置する周縁を面取りして形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト主体の頭部に一側方に張り出す偏肉部を有するシャフト素材を設け、該シャフト素材をダイの成形孔に嵌合させ、シャフト主体と略同軸に配置したパンチを前記頭部に打ち込んで該頭部にシャフト主体と略同軸の有底穴を形成するに際し、前記パンチ先端側の加圧面に、成形圧力を受けて反偏肉部方向に分力が発生する斜面を設けたことを特徴とする鍛造装置。
【請求項2】
斜面は、加圧面の周縁の一部であってかつ頭部の偏肉部側に位置する部位を面取りして形成したことを特徴とする請求項1記載の鍛造装置。
【請求項3】
斜面は、加圧面を反偏肉部側から偏肉部側に向けて上方に傾斜させたことを特徴とする請求項1記載の鍛造装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、偏肉部を有する頭部にシャフト主体と略同軸の有底穴を形成する鍛造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シャフトの頭部に形成される係合用の有底孔は、周面の一部に平坦側面を有したり、断面角形で有ったりするため、ドリル、エンドミル等の回転工具による機械加工が困難となり、鍛造装置により形成する必要がある。この場合、前記頭部がシャフト主体と同軸である場合は、パンチをシャフト主体と同軸に配置することで該頭部にシャフト主体と同軸の有底穴を容易に形成することができる。しかしながら、前記頭部に一側方に張り出す偏肉部を有する場合、パンチをシャフト主体と同軸に配置しても、該パンチを前記頭部に打ち込んだ際に成形圧力が半径方向に偏倚し、パンチが曲がって有底穴がシャフト主体と同軸に形成されなくなる。
【特許文献1】特開2002−263775号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、偏肉部付き頭部にシャフト主体と略同軸の有底穴を高精度に形成することができる鍛造装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、前記目的を達成するために以下の如く構成したものである。即ち、シャフト主体の頭部に一側方に張り出す偏肉部を有するシャフト素材を設け、該シャフト素材をダイの成形孔に嵌合させ、シャフト主体と略同軸に配置したパンチを前記頭部に打ち込んで該頭部にシャフト主体と略同軸の有底穴を形成するに際し、前記パンチ先端側の加圧面に、成形圧力を受けて反偏肉部方向に分力が発生する斜面を設ける構成にしたものである。
請求項2に係る発明は、前記斜面を、加圧面の周縁の一部であってかつ頭部の偏肉部側に位置する部位を面取りして形成したものである。
請求項3に係る発明は、前記斜面は、加圧面を反偏肉部側から偏肉部側に向けて上方に傾斜させたものである。
【発明の効果】
【0005】
パンチがシャフト素材の頭部に打ち込まれると、偏肉部側への材料流動が多くなってパンチが偏肉部方向に引きずられる傾向となるが、この場合、加圧面に形成した斜面の反偏肉部方向に働く分力(反力)によって前記パンチの偏肉部方向への曲がりを阻止することになる。このため、前記パンチはシャフト主体に対して同軸に保持されながら頭部に嵌入することになる。この結果、前記頭部にシャフト主体と同軸度の高い有底穴が形成されることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。図において、図1は本発明による鍛造装置の断面図、図2は本発明によるパンチの第1実施例を示す部分側面図、図3は図2の底面図、図4はシャフト素材の一部断面側面図、図5は図4の平面図、図6は有底穴が形成されたシャフトの一部断面側面図、図7は図6の平面図、図8は本発明によるパンチの第2実施例を示す部分側面図である。
【0007】
図1において、1は鍛造装置であり、ダイユニット2及びパンチユニット10により構成されている。ダイユニット2は、受金3の中心部上面に上下に3分割されたダイ4、即ち、上ダイ4a、中ダイ4b、下ダイ4cを載置し、該ダイ4を上下に2分割された締金5、即ち上締金5a、下締金5bに圧入して前記受金3に固定する。
【0008】
前記ダイ4の中心部に成形孔6を上下に貫通形成する。該成形孔6は上部から下部に向かって段状に縮径する段付孔にするとともに、上部に右方に向かって膨出する膨出部6aを形成する。
【0009】
前記ダイユニット2の上方にパンチユニット10を設ける。該パンチユニット10は、ラムによって上下動されるパンチヘッド11の軸心部下面に、柱状のパンチ12を前述した成形孔6と同軸に配置して垂下固定する。即ち、パンチ12の上部をパンチホルダ15に圧入固定し、該パンチホルダ15を保持リング16により前記パンチヘッド11に固定する。
【0010】
前記パンチ12は、下部に小径かつ角柱状の嵌入部12aを一体に有する。該嵌入部12aは、図2、図3に示すように、先端(下端)を若干大径にするとともに、該先端の下面に加圧面13及び斜面14を形成する。加圧面13はパンチ12の軸心と直交する平滑面に形成する。
【0011】
前記斜面14は、前記加圧面13の端縁部、即ち、前述した成形孔6の膨出部6aと対面する側の端縁部(図2、図3において右端部)を、高さH1が約1.6mm、傾斜角度α1が約45度となる如く面取りして形成する。
【0012】
20は前記成形孔6に嵌合されるシャフト素材であり、図4に示すように、下方に向かって段状に縮径する軸状のシャフト主体21の上部に偏肉部22a付きの頭部22を一体に有する。前記偏肉部22aは、前述した成形孔6の膨出部6aに嵌合するものであり、図5に示すように、前後幅W1が頭部22の基準直径の幅でもって右方に突出し、右端部は平面から見て角形に形成されるとともに、該右端部に直線状の突起22bが形成されている。
【0013】
前記実施例によれば、パンチ12が降下してその嵌入部12aがシャフト素材20の頭部22に打ち込まれると、加圧面13に形成した斜面14の反偏肉部方向に働く分力(反力)によって前記嵌入部12aの偏肉部22a方向への曲がりが阻止されることになる。このため、前記嵌入部12a、即ち、パンチ12はシャフト主体21に対して同軸に保持されながら頭部22に嵌入することになる。これにより、図6、図7に示すように、素材20の頭部22にシャフト主体21と同軸度の高い角形の有底穴23が形成されることになる。
【0014】
図8はパンチ12の第2実施例を示す。このものは、前述した嵌入部12aの下面(加圧面)全面を、左端(反偏肉部22a側)から右端(偏肉部22a側)に向けて上方に傾斜させ、該下面を斜面14’としたものである。この場合、前記斜面14’の角度α2は、嵌入部12aの左端に対する右端の高さH2が約1.6mmとなる角度とする。
【0015】
なお、前述した高さH1、H2及び斜面の傾斜角度α1、α2は、偏肉部22aの量、穴形状等によって適宜設定する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による鍛造装置の断面図である。
【図2】本発明によるパンチの第1実施例を示す部分側面図である。
【図3】図2の底面図である。
【図4】シャフト素材の一部断面側面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】有底穴が形成されたシャフトの一部断面側面図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】本発明によるパンチの第2実施例を示す部分側面図である。
【符号の説明】
【0017】
1 鍛造装置
2 ダイユニット
3 受金
4 ダイ
5 締金
6 成形孔
6a 膨出部
10 パンチユニット
11 パンチヘッド
12 パンチ
12a 嵌入部
13 加圧面
14(14’) 斜面
15 パンチホルダ
16 保持リング
20 シャフト素材
21 シャフト主体
22 頭部
22a 偏肉部
23 有底穴
【出願人】 【識別番号】591178997
【氏名又は名称】株式会社クリアテック
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
【出願日】 平成19年2月20日(2007.2.20)
【代理人】 【識別番号】100097700
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 恒則


【公開番号】 特開2008−200707(P2008−200707A)
【公開日】 平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願番号】 特願2007−39114(P2007−39114)