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【発明の名称】 パンチリベット接合及びクリンチングの品質特性のオンライン測定
【発明者】 【氏名】アンドレアス・ヴェンゼル

【氏名】アドナン・コーラック

【要約】 【課題】本発明は、可動パンチ10及び固定ダイ20によるパンチリベット接合工程における膨らみ寸法xST及び長さLのリベット3のリベットヘッド端部位置KHSのオンライン測定を開示するものである。

【解決手段】接合工程中、パンチ10がとった変位及びパンチがかけた力をオンラインで測定し評価する。接合部の品質特性は、所定の閾値や接合工程の力/変位データを図面によって評価することにより測定することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動パンチ(10)及びダイ(20)によるパンチリベット接合工程において、膨らみ寸法xST及び長さLの半中空パンチリベット(3)のリベットヘッド端部位置KHSをオンライン測定する方法であって、該方法は、
a)パンチリベット接合工程中に可動パンチ(10)がとった変位をトラベルセンサ(50)によって取込む工程(A)と、
b)パンチリベット接合工程中に該変位に従って可動パンチ(10)が半中空パンチリベット(3)にかけた力Fを取込む工程(B)と、
c)取込んだ力/変位データから、パンチ(10)による半中空パンチリベット(3)の被接合部品(5)への着接点x2、及びパンチリベット接合工程後のパンチ(10)の解放を特定する解放点x4を求める工程(D)と、
d)式KHS=x2+L−x4に従ってリベットヘッド端部位置KHSを計算し、式xST=x−x4(式中、xはパンチ(10)とダイ(20)の対向面間の最大距離を示す)に従って膨らみ寸法xSTを計算する工程(E)と
を含む、パンチリベット接合工程において膨らみ寸法xST及び半中空パンチリベット(3)のリベットヘッド端部位置KHSをオンライン測定する方法。
【請求項2】
可動パンチ(10)及びダイ(20)によるパンチリベット接合工程において、エンボス深さhd及び長さLのフルパンチリベットのリベットヘッド端部位置KVSをオンライン測定する方法であって、該方法は、
a)パンチリベット接合工程中に可動パンチ(10)がとった変位をトラベルセンサ(50)によって取込む工程(A)と、
b)パンチリベット接合工程中に該変位に従って可動パンチ(10)がフルパンチリベットにかけた力Fを取込む工程(B)と、
c)取込んだ力/変位データから、パンチ(10)によるフルパンチリベットの被接合部品(5)への着接点x2、及びパンチリベット接合工程後のパンチ(10)の解放を特定する解放点x4を求める工程(D)と、
d)式KVS=x2+L−x4に従ってリベットヘッド端部位置KVSを計算し、式hd=t−[x−(x2+L)](式中、xはパンチ(10)とダイ(20)の対向面間の最大距離を示し、tは被接合部品(5)の厚さを示す)に従ってエンボス深さhdを計算する工程(E)と
を含む、パンチリベット接合工程においてエンボス深さhd及びフルパンチリベットのリベットヘッド端部位置KVSをオンライン測定する方法。
【請求項3】
かけた力を力センサ(40)によって取込む工程と、
力/変位データをデータ処理ユニット(60)、特にコンピュータに保存する工程とをさらに含む、請求項1又は2に記載のオンライン測定方法。
【請求項4】
パンチを前進操作しても、取込まれた変位に変化がないこと、好ましくはパンチ前進操作中に1〜20増分に渡って変化がないことを検出することによって、力/変位データにおいて着接点x2を特定する工程、若しくは
取込んだ力が所定閾値、好ましくは装着ヘッドつまり押さえ装置(12)の押さえ力を越えた時の変位として、力/変位データにおいて着接点x2を特定する工程をさらに含む、請求項1又は2に記載のオンライン測定方法。
【請求項5】
パンチ(10)の最大力Fmaxに達した時の変位として点x3を特定する工程をさらに含む、請求項1又は2に記載のオンライン測定方法。
【請求項6】
パンチ(10)とダイ(20)との接続構造、好ましくはCフレーム(30)の可撓性を特定する、装置の剛性に関する基準変数ΔxCを、式ΔxC=x3−x4に従って計算する工程(F)をさらに含む、請求項1又は2に記載のオンライン測定方法。
【請求項7】
取込んだ力/変位データを曲線として表示する工程(C)と、
パンチ(10)の最大力Fmaxに到達した後、ほぼ直線的に移行する力/変位データ上に接線を設け、力/変位データが接線から所定値だけ外れることによって点x4が得られるようにすることにより、点x4を特定する工程(D)とをさらに含む、請求項1又は2に記載のオンライン測定方法。
【請求項8】
可動パンチ(10)及びダイ(20)によるクリンチ工程において、基部厚さtbをオンライン測定する方法であって、該方法は、
a)クリンチ工程中に可動パンチ(10)がとった変位をトラベルセンサ(50)によって取込む工程(A)と、
b)クリンチ工程中に該変位に従って可動パンチ(10)が被接合部品(5)にかけた力Fを取込む工程(B)と、
c)取込んだ力/変位データから、クリンチ工程後のパンチ(10)の解放を特定する解放点x4を求める工程(D)と、
d)式tb=x−x4(式中、xはパンチ(10)とダイ(20)の対向面間の最大距離を示す)に従って基部厚さtbを計算する工程(E)と
を含む、クリンチ工程において基部厚さtbをオンライン測定する方法。
【請求項9】
かけた力を力センサ(40)によって取込む工程と、
力/変位データをデータ処理ユニット(60)、特にコンピュータに保存する工程とをさらに含む、請求項8に記載のオンライン測定方法。
【請求項10】
パンチ(10)の最大力Fmaxに達した時の変位として点x3を特定する工程をさらに含む、請求項8に記載のオンライン測定方法。
【請求項11】
パンチ(10)とダイ(20)との接続構造、好ましくはCフレーム(30)の可撓性を特定する、装置の剛性に関する基準変数ΔxCを、式ΔxC=x3−x4に従って計算する工程(F)をさらに含む、請求項10に記載のオンライン測定方法。
【請求項12】
取込んだ力/変位データを曲線として表示する工程(C)と、
パンチ(10)の最大力Fmaxに到達した後、ほぼ直線的に移行する力/変位データ上に接線を設け、力/変位データが接線から所定値だけ外れることによって点x4が得られるようにすることにより、点x4を特定する工程(D)と
をさらに含む、請求項8に記載のオンライン測定方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、パンチリベット接合工程における、膨らみ寸法及びリベットのリベットヘッド端部位置のオンライン測定に関する。
【背景技術】
【0002】
パンチリベット接合は、リベット要素を用いて行う接合方法である。このリベット要素には、フルパンチリベットや半中空パンチリベットがある。
【0003】
パンチリベット接合後には、パンチリベット接合部の品質検査を行う。ここで非破壊検査による品質検査と破壊検査による品質検査とには違いがある。品質の非破壊検査手段としては、目視検査、接合構造の外形のチェック、及びプロセス監視が工業的に行われている。しかしながら、目視検査では、パンチリベット接合部の外観的特徴のみを見ているに過ぎないので、形成されたパンチリベット接合部について概略的な結果が得られるに過ぎない。半中空パンチリベット接合部の場合、例えば、リベットヘッドの分離、ダイ側シートの状態、押さえ装置による被接合部品表面の破損、及びダイに対するリベットのアラインメント等が挙げられる。
【0004】
接合要素の外形のチェックの場合であっても、形成された接合部の外側から見える変動状態がわかるに過ぎない。このような変動状態としては、リベットヘッド端部位置、半中空パンチリベットのパンチリベット接合中における膨らみ寸法、及びフルパンチリベットのパンチリベット接合中におけるエンボス深さが挙げられる。
【0005】
接合工程の力/変位データに基づくプロセス監視も品質検査に用いられている。最適に形成された接合部の力/変位曲線を基準曲線として用いて、接合工程を評価する。接合工程における力/変位データのこの基準曲線からの逸脱を測定することができるように、包絡線(envelopes)、公差帯域(tolerance bands)、若しくはプロセスウィンドウをこの基準曲線近くに配置する。
【0006】
別の品質検査方法として、上述したように、形成された接合部の破壊検査がある。品質の破壊検査のためには、接合部のマクログラインディング(macro grindings)を用意するか、及び/又は接合部の強度試験を行う。マクログラインディングでは、接合領域における被接合部品の均等さ、被接合部品間におけるシームの形成、パンチ側シートとリベットヘッドとの分離、下側裂け(undercut)の形成、及び接合部の亀裂の有無を評価することができる。上述の強度試験では、剪断応力、剥離応力、及びヘッド引抜応力(head-pull stress)下におけるパンチリベット接合部の支圧強度がわかる。
【0007】
実際には、接合部の接合パラメータ及び幾何学的変数は通常予備試験によって決定する。これに基づいて、最適な接合部のリベットヘッド端部位置及び膨らみ寸法を基準変数として求める。これらの変数は非破壊法によって求めることができるからである。それにより破壊検査による品質検査にかかる労力を削減することができる。しかしながらこれらの基準変数は、各接合工程後に個別に測定しなければならない。これには多くの時間がかかり、連続生産には不向きである。さらに別の方法としては、上記基準変数のランダムチェックがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
よって本発明の目的は、従来技術よりも改良された、接合部の品質特性を検査するための方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、独立請求項である請求項1に記載した方法によって解決される。本発明のさらなる展開及び好ましい実施態様を、以下の説明、添付図面、及び請求項によって明らかにする。
【0010】
本発明の方法は、可動パンチ及び固定ダイによるパンチリベット接合工程における膨らみ寸法xST及び長さLの半中空パンチリベットのリベットヘッド端部位置KHSのオンライン測定を開示するものである。このオンライン測定は、パンチリベット接合工程中に可動パンチのとった変位をトラベルセンサによって取込む工程と、パンチリベット接合工程中にこの変位に従って可動パンチが半中空パンチリベットにかけた力を取込む工程と、取込んだ力/変位データからリベットの被接合部品への着接点x2及びパンチリベット接合工程後のパンチの解放を特定する解放点x4を求める工程と、式KHS=x2+L−x4に従ってリベットヘッド端部位置KHSを、及び式xST=x−x4(式中xはパンチとダイの対向面間の最大距離を示す)に従って膨らみ寸法xSTを計算する工程とを含む。
【0011】
本発明は、各接合工程ごとの力/変位データの取込み及び評価に基づくものである。パンチリベット接合工程中、一方ではパンチがとった変位を、他方では半中空パンチリベットにかかった力を、それぞれ記録し、総合評価する。取込んだパンチリベット接合工程の力/変位データを力/変位図において曲線で表すと、その表示から、若しくは曲線で表示しなくても力/変位データの典型的な変化から、膨らみ寸法xST及びリベットヘッド端部位置KHSの計算に関する変数を導き出すことができる。半中空パンチリベットの被接合部品への着接点x2は、例えば、パンチを前進操作しても取込まれたパンチの変位に変化がないことを検出することによって、力/変位データからわかる。別の態様によれば、力/変位データにおける着接点x2は、取込んだ力が、装着ヘッドつまり押さえ装置の押さえ力を所定の閾値だけ超えた時の変位として特定することができる。装着ヘッドも押さえ装置も使用しない場合には、閾値を他のいずれかの力の初期値に従わせることが考えられる。
【0012】
取込まれた力/変位データは、ある実施態様ではデータ処理ユニット特にコンピュータに取込んで評価する。この目的のために、トラベルセンサ及び力センサからのデータは、例えば直接的に若しくはアナログ/デジタルコンバータを介して、データ処理ユニットに送信する。
【0013】
さらに、式ΔxC=x3−x4に従って、接合装置の装置剛性/追従性(machine rigidity/compliance)に関する基準変数ΔxCを計算することが好ましい。この基準変数は、パンチ−ダイ間の接続構造の可撓性を特定するものである。例えばCフレームを用いてパンチリベット接合工程を行っている場合、基準変数ΔxCから、材質疲労がCフレームにおける接合工程によるものであるかどうかを調べることができる。力/変位データからこの基準変数を計算するには、点x3を、接合工程中にパンチの最大力Fmaxに達した時の変位として取込む。
【0014】
別の実施態様では、接合工程の力/変位データを力/変位図に曲線として表す。パンチは最大力Fmaxに達した後、後退し、それによりパンチがリベット接合部から機械的に解放される。このパンチの後退は、接合工程の力/変位データにおいて後退と呼ばれる。パンチが最大力Fmaxに達した直後、この後退は最初はほぼ直線的な移行を示す。後退開始時にほぼ直線的に移行する力/変位データ上に接線を設けると、力/変位データが接線から特定値だけ外れることによって点x4が特定されるので、この後退中に点x4を特定することができる。
【0015】
接合工程中に力/変位データを取込み、それを直ぐにコンピュータで評価することによって、膨らみ寸法xST及びリベットヘッド端部位置KHSのオンライン測定を品質検査として行うことができる。これらの自動記録された品質変数を用いて、工程能力検査を行い、品質管理チャートを作成する。さらに、形成した接合部の幾何学的変数及び耐負荷挙動についての結論を出すことができる。これは従来、接合部の破壊検査によってしか判断することができなかったものである。これにより、神経細胞のようなネットワークにおいて管理できる品質変数の関連性及び相関性を利用することができる。
【0016】
半中空パンチリベットのパンチリベット接合中の品質変数のオンライン測定と同様に、この方法は、フルパンチリベットのパンチリベット接合及びクリンチングにも利用することができる。可動パンチ及びダイを用いたパンチリベット接合工程中における、エンボス深さhd及び長さLのフルパンチリベットのリベットヘッド端部位置KVSのオンライン測定の主な工程は、トラベルセンサを用いてパンチリベット接合工程中に可動パンチがとった変位を取込む工程と、パンチリベット接合工程中にその変位に従って可動パンチがフルパンチリベットにかけた力Fを取込む工程と、パンチによるフルパンチリベットの被接合部品への着接点x2及びパンチリベット接合工程後のパンチの解放を特定する解放点x4を取込んだ力/変位データから求める工程と、式KVS=x2+L−x4に従ってリベットヘッド端部位置KVSを、式hd=t−[x−(x2+L)](式中、xはパンチとダイの対向面間最大距離を示し、tは被接合部品の厚さを示す)に従ってエンボス深さhdを、それぞれ計算する工程とを含むものと要約することができる。
【0017】
クリンチングの場合、品質変数である基部厚さtbのオンライン測定には、トラベルセンサを用いてクリンチング工程中に可動パンチがとった変位を取込む工程と、クリンチング工程中にその変位に従って可動パンチが被接合部品にかけた力Fを取込む工程と、取込んだ力/変位データから、クリンチング工程後のパンチの解放を特定する解放点x4を決定する工程と、式tb=x−x4(式中、xはパンチとダイの対向面間最大距離を示す)に従って基部厚さtbを計算する工程とを行う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の好ましい実施態様を、添付図面を参照して、以下により詳細に説明する。
【0019】
膨らみ寸法xST及びリベットのリベットヘッド端部位置KHSのオンライン測定を、半中空パンチリベットのパンチリベット接合工程を例にとって以下に説明する。以下の説明と同様に、半中空パンチリベットの品質特性のオンライン測定は、フルパンチリベットのパンチリベット接合工程又はクリンチングにも応用することができる(以下参照)。
【0020】
半中空パンチリベットのパンチリベット接合を行うための接合装置の説明的実施態様を図1に示す。この装置は、パンチ10及びダイ20を備え、これらはCフレーム30を介して対向して配置されている。パンチ10がかけた力は、ロードセル等の力センサ40によって取込まれる(図6における工程A)。従来の形式のトラベルセンサ50は、パンチ10がとる変位を取込む(図6における工程B)。力センサ40によって取込まれた力データ及びトラベルセンサ50によって取込まれた変位データは、コンピュータ等のデータ処理ユニット60へ送信され、そこにパンチリベット接合工程の力/変位データとして保存される。好ましくは力/変位図に力/変位データを表示することに加え(図6における工程C)、データ処理ユニット60において、取込まれた力/変位データのオンライン評価が接合工程と平行して全般的に行われる。
【0021】
図2は、図1の拡大断面概略図であり、半中空パンチリベット接合の様々な部品を示す。半中空パンチリベット接合の場合、まず被接合部品5を装着ヘッドつまり押さえ装置12によって所定の押さえ力でダイ20に対して押し付ける。次いで接合部を形成するために、半中空パンチリベット3をパンチ10によってダイ20に向かって移動させる。この移動においてパンチ10がとった変位を変位センサ50によって取込む。同様に、パンチ10の移動中にリベット3にかかった力を、力センサ40によって取込む。さらに、被接合部品5のための押さえ装置12の押さえ力を力センサ40によって記録し、それを後に評価される接合工程の力/変位データへと送信することが好ましい。このようにして測定された接合工程の力/変位データは、半中空パンチリベット3を被接合部品5へ押込むまでのパンチ10の前進(図4の実線参照)と、パンチ10及び押さえ装置12の初期位置までの後退(図4の点線参照)の両方を含み、データ処理ユニット60において、接合工程のためにオンラインで評価される。
【0022】
図3は、半中空パンチリベット3と被接合部品5とからなる接合部の概略断面図である。この接合部は、品質特性である膨らみ寸法xSTとリベットヘッド端部位置KHSとによって特性を示すことができ、その幾何学的意味を図3の接合部に示す。リベットヘッド端部位置KHSは、半中空パンチリベット3のリベットヘッド表面と被接合部品5の表面との間の距離を示す。膨らみ寸法xSTは、半中空パンチリベット3のリベットヘッド表面と半中空パンチリベット3下の被接合部品5下面との間の距離を示す。
【0023】
半中空パンチリベットの接合の場合と同様に、フルパンチリベットの接合及びクリンチングにおいても品質特性をオンラインで測定することができる。図8は、被接合部品5とフルパンチリベット4とからなる接合部を示す。この接合部は、フルパンチリベット4のリベットヘッド表面と被接合部品5の上面との間の距離を示すリベットヘッド端部位置KVSによって特性を示すことができる。もう一つの品質特性として、エンボス深さhdがあり、これはダイ20(図7参照)を下層被接合部品5へ圧入した深さを示す。さらに図10に示すもう一つの品質特性である基部厚さtbもクリンチング中にオンラインで測定することができる。
【0024】
接合工程のプロセス監視中にパンチ10の変位信号を記録する(工程A)、つまり上述の力/変位データのオンライン測定及び評価を行う。装着ヘッド12は、ほぼパンチ行程長さの分だけパンチ10よりも先んずる。まず装着ヘッド12が被接合部品5上に配置され、被接合部品5をダイ20に対して押し付ける。この運動量は、図4に示す接合工程の力/変位曲線において点P1で示され、この点までの変位x1はパンチ10の変位である。パンチ10はパンチ行程からリベット3の長さLを差し引いた距離に相当する変位をし、半中空パンチリベット3を被接合部品5上に配置する(図4の点P2参照)。この点は着接点と呼ばれ、変位x2で示される。パンチ10の押圧力がさらに高まると、半中空パンチリベット3は被接合部品5内へ押込まれ、ダイ20の反力によって変形する。接合工程において予め設定されている最大力Fmax若しくは予め設定されているパンチの変位に達すると、半中空パンチリベット3は被接合部品5内へ押込まれる(図4の変位x3上の点P3参照)。この工程中、パンチ10とダイ20とを押し合わせることにより、Cフレームはその弾性的物性及び構造のため湾曲する。点P3までの力/変位曲線は、図4において実線で示され、パンチ10の前進と呼ばれる。点線で示されるパンチ10の後退は、点P3からパンチ力ゼロまでである。このパンチ10の後退は、パンチ10がかける力を減少させることから始まり、Cフレーム30の湾曲は元に戻る。後退の開始においてパンチ力を減少させる間、パンチ10が、変位x4上の点P4ににおいて、その前のパンチ10の前進中の最大力Fmaxと比較して最小の力でリベットヘッド表面のみに接触する状態まで、パンチ10の力は直線的に急落する。点P3と点P4との間の変位の差は、Cフレーム30の湾曲によるものと言える。図4の点P4に達した後、パンチ10及び押さえ装置つまり装着ヘッド12は元の位置へ戻る。
【0025】
このように上記工程は、取込まれた接合工程の力/変位データから読み取ることができる。品質特性である膨らみ寸法xST及びリベットヘッド端部位置KHSのオンライン測定を行うためには、パンチ10の底面と、ダイ20、好ましくはダイパンチの頂面との間の最大距離xがわかっている必要がある。この変数xは接合装置の構造により定数として得られる。この最大距離xは手作業で測定することもできるが、パンチ10をダイパンチ又はダイベースと接触するまで参照操作して得ることもできる。点P1における装着ヘッドの着接点x1の位置、点P2における半中空パンチリベットの着接点x2の位置、点P3における最大接合力Fmaxに達した時のパンチ変位x3の位置、及び点P4におけるCフレームを解放した後のリベットヘッド位置x4は、例示的工程曲線つまり図4及び図5に示す力/変位曲線から読み取れるが、データ処理ユニットにおいて力/変位データから所定の数学的基準に基づいて自動的に求めることもできる。これらの位置を正確に取込むことができるように、トラベルセンサ50を適切に校正する必要がある。
【0026】
図5を参照して、点P1までの変位x1は、点P1においてパンチ10にかけた力が所定の閾値を越えることによって特定することができる。閾値を越えたということは、装着ヘッドつまり押さえ装置12がダイ20の方向の圧縮力を被接合部品5にかけているということを示している。この力が予め設定した値に達すると、点P1から点P3の間、所定の変位に渡って維持され、装着ヘッドつまり押さえ装置12はこの力で被接合部品5に押し付けられる。
【0027】
点P1から点P2へ移行する間、パンチ10は半中空パンチリベット3を伴ってダイ20の方向に移動し、点P2において半中空パンチリベット3が被接合部品5の上面に接触する。点P2におけるパンチ10の被接合部品5への着接点x2は、パンチを前進操作しても、取込まれたパンチ10のとり得る変位に変化がないことを検出することによって、特定することができる。パンチの前進操作が1〜20増分の間、変位が変化しないことが好ましい。好ましい変位センサ50は、例えば測定範囲0〜100mm、0〜150mm、若しくは0〜200mmを測定するものである。取込んだ変位に従って、センサは0〜10Vの範囲の出力信号を発信する。解像度が12ビットである場合には、この電圧範囲を4096の増分に細分することができる。これを150mmの測定範囲に応用すると、1増分は0.036mmの変位及び0.0024Vの出力信号に相当する。別の方法において、解像度16ビットのデジタル変位センサを使用する場合には、当該変位センサの測定範囲は65536増分に細分することができる。従って測定範囲が150mmの場合には、1増分は0.00229mmの変位に相当する。
【0028】
別の方法によれば、力/変位データの点P2における着接点x2は、取込んだパンチ10の力が装着ヘッドつまり押さえ装置12の押さえ力を所定閾値だけ越えた時の変位として特定することができる。また、変位x1を式x1=x2−(パンチ行程+L)(式中、Lは半中空パンチリベットの長さを示す)に従って数学的に求めることもできることがわかる。パンチ行程は、パンチ10の底面と装着ヘッドつまり押さえ装置12の底面との間の距離である。
【0029】
点P3までの変位x3は、パンチ10の最大力Fmaxに到達したことによって特定することができる。この最大力Fmaxは、接合工程前に部品3,5に従って設定することができるものであり、機知の値である。
【0030】
点P4までの変位x4は、パンチ10の後退中(図4及び図5の点線を参照)に以下のように(工程D)特定することができる。変位x3上の点P3において、ほぼ直線状に移行する後退(図4及び図5に点線で示す曲線を参照)上に接線を形成し、力/変位曲線が接線から所定値だけ逸脱することによって変位x4上に点P4が得られる。ここで、許容最大変位変化の閾値、つまり接線からの変位の逸脱は、下記式で定義することができる。接線の許容最大逸脱Δxを越えると、点P4及び変位x4が決まる。
【0031】
【数1】


【0032】
また、曲線を描かなくても、力/変位データから点x4を読み取ることができることもわかる。この場合、点P3から始まってパンチ10が解放されるまでの後退中は、力/変位データが直線的に変化すると仮定することができる。力/変位データがこのように仮定した直線的変化から逸脱すると、この逸脱した点が変位x4を決める。
【0033】
さらに別の方法では、予備試験において、Cフレーム30の剛性に関する基準変数ΔxCを求めておく。この基準変数ΔxCを用いると、x4は式x4=x3−ΔxCに従ってx3とΔxCとの差として求められる。x3及びx4を力/変位曲線から決定すると、ΔxCは式ΔxC=x3−x4に従って変位x3とx4との差として算出することができる(工程F)。
【0034】
力/変位データから求めた変数に基づいて、膨らみ寸法xST及びリベットヘッド端部位置KHSは以下の式に従って求めることができる(工程E)。膨らみ寸法xSTは、式xST=x−x4に従って求めることができ、式中、xはパンチの底面とダイの頂面との間の最大距離であり、x4は点P4においてCフレーム30を解放した後のリベットヘッドの位置である。
【0035】
リベットヘッド端部位置KHSは、式KHS=(x1+ΔxS+L)−x4=x2+L−x4に従って求めることができる。式中、x1は点P1における装着ヘッド12の被接合部品5への着接点を示し、式x2=ΔxS+x1は、点P2における半中空パンチリベット3の被接合部品5への着接点を示し、Lは半中空パンチリベット3の長さを示し、x4はCフレーム30を解放した後のリベットヘッドの位置を示し、ΔxSは、点P1における装着ヘッドつまり押さえ装置12の被接合部品5への着接から、点P2におけるリベット3の被接合部品5への着接までにパンチ10がとった変位ΔxSとして変数x2とx1との差を示す。
【0036】
上記の計算と同様に、フルパンチリベット接合において、品質特性であるパンチリベットのリベットヘッド端部位置KVS及びエンボス深さhdを、またクリンチングにおいて、基部厚さtbを測定することができる。
【0037】
フルパンチリベット4を接合するための構成要素を図7に概略的に示す。長さLのフルパンチリベット4は、パンチ10を用いて被接合部品5に接合される。接合の間、被接合部品5はダイ20に対して押しつけられる。半中空パンチリベット3の接合の場合と同様に、力/変位データを取込み、接合工程中に評価する。半中空パンチリベット3の接合について説明したように(図4及び図5)、パンチ10のフルパンチリベット4上への着接点までの変位x2及び点P4におけるパンチ10の解放後の変位x4は、フルパンチリベット4による接合の力/変位データにおいて検出することができる。さらに、変位x3の点P3は、最大接合力Fmaxに達した時の力/変位データ及び値ΔxC=x3−x4から求めることができる。リベットヘッド端部位置KVSは、式KVS=x2+L−x4=x2+L−(x3−ΔxC)に従って計算することができる。エンボス深さhdは、式hd=t−[x−(x2+L)]に従って求めることができ、式中、tは接合領域における被接合部品5の合計厚さを示す(図7参照)。
【0038】
クリンチングの場合、図9に概略的に示すように、パンチ10は被接合部品5をダイ20に対して押し付ける。この工程において、半中空パンチリベット3の接合の場合と同様に、力/変位データを取込み、評価する。既に上述したように、変数x3、x4、及びΔxCは、この力/変位データにおいて特定することができる。パンチ10の底面とダイ20の頂面との間の最大距離xはわかっている。これに基づいて、被接合部品5間に形成されたクリンチ接合の特性を表すために、基部厚さtbを式tb=x−x4=x−(x3−ΔxC)に従って計算する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、パンチリベット接合を行うための装置の一実施態様の一部分解図である。
【図2】図2は、図1の一部の断面の概略図である。
【図3】図3は、半中空パンチリベットの接合中における変数であるリベットヘッド端部位置KHS及び膨らみ寸法xSTを示す図である。
【図4】図4は、パンチリベット接合工程中に記録された力/変位データ、並びに半中空パンチリベットの接合工程中の主要位置を示す力/変位図である。
【図5】図5は、力/変位図に記入したパンチリベット接合工程の力/変位データ、並びに形成されたパンチリベット接合部の品質測定のための様々な幾何学的変数が得られる曲線の特徴点を示す。
【図6】図6は、パンチリベット接合方法及びクリンチング方法の工程を示すフローチャートである。
【図7】図7は、フルパンチリベット接合を行うための装置の概略図である。
【図8】図8は、フルパンチリベット接合中の変数であるリベットヘッド端部位置KVS及びエンボス深さhdを示す図である。
【図9】図9は、クリンチングを行うための装置の概略図である。
【図10】図10は、クリンチング中の変数である基部厚さtbを示す図である。
【出願人】 【識別番号】505156341
【氏名又は名称】ボルホフ・フェルビンダンクシュテヒニーク・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテン・ハフツング
【出願日】 平成20年1月16日(2008.1.16)
【代理人】 【識別番号】100081514
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 一

【識別番号】100082692
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵合 正博


【公開番号】 特開2008−173688(P2008−173688A)
【公開日】 平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願番号】 特願2008−7180(P2008−7180)