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【発明の名称】 鍛造機
【発明者】 【氏名】大迫 昭司

【要約】 【課題】鍛造機のフレームに通気路を形成することによるフレームの強度低減のおそれをなくすと共に、孔空け加工等の新たな工数を要することなく設備改造が容易にできるようにする。

【解決手段】ボルスタ201を保持するフレーム200に回り止めボルト210を螺合し、該回り止めボルトの先端部を該ボルスタの外周に係合することにより該ボルスタを回転不能に固定すると共に、該ボルスタ内に形成されたシリンダ206に圧縮空気を送給することによりホールドピン205が進退動するように構成された鍛造機において、前記回り止めボルトを中空筒状にすることで通気路216を形成し、該回り止めボルトの先端部を前記シリンダ206に連通させ、圧縮空気が該回り止めボルトの通気路216を介して前記シリンダ206に送給されるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボルスタを保持するフレームに回り止めボルトを螺合し、該回り止めボルトの先端部を該ボルスタの外周に係合することにより該ボルスタを回転不能に固定すると共に、該ボルスタ内に形成されたシリンダに圧縮空気を送給することによりホールドピンが進退動するように構成された鍛造機において、前記回り止めボルトを中空筒状にすることで通気路を形成し、該回り止めボルトの先端部を前記シリンダに連通させ、圧縮空気が該回り止めボルトの通気路を介して前記シリンダに送給されるようにしたことを特徴とする鍛造機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ボルスタ内に形成されたシリンダに圧縮空気を送給することにより、ホールドピンが進退動するように構成された鍛造機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鍛造機のボルスタは、周知のように、回り止めボルトによりフレーム内に回転不能に固定され、パンチ(可動型)を交換する際に該回り止めボルトを緩めることにより、該ボルスタがフレーム内から引き出せるように構成されている。
また、上記ボルスタ内にシリンダが形成され、該シリンダに圧縮空気を送給することによりパンチの先端部からホールドピンを突出させ、該ホールドピンによってワークを一時的に保持し得るようにしている。なお、下記特許文献1には、このようなホールドピンを備えた熱間鍛造型が示されている。
【特許文献1】特開平07−100573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記シリンダに圧縮空気を送給するための通気路は、従来では、フレームに横孔を空けることにより専用のものとして形成されていたが、このように通気路を形成すると、フレームの強度が著しく損なわれ、鍛造圧力に耐えられなくなるおそれがあった。また、ワークを各鍛造部に移動し、多段の鍛造工程を要する小物部品を連続的に鍛造する連続鍛造装置では、ダイ(固定型)とパンチ(可動型)とからなる複数の鍛造部を隣接状に配置した構成であるので、フレームに上記のような横孔を空けるスペースが十分でないという問題があった。しかもその孔空け加工には工数を要するものであったので、短時間で設備改造をすることができないものであった。
【0004】
そこで本発明は、上記通気路と回り止めボルトとを兼用できる鍛造機を提供し、上記課題を一挙に解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために本発明は、ボルスタを保持するフレームに回り止めボルトを螺合し、該回り止めボルトの先端部を該ボルスタの外周に係合することにより該ボルスタを回転不能に固定すると共に、該ボルスタ内に形成されたシリンダに圧縮空気を送給することによりホールドピンが進退動するように構成された鍛造機において、前記回り止めボルトを中空筒状にすることで通気路を形成し、該回り止めボルトの先端部を前記シリンダに連通させ、圧縮空気が該回り止めボルトの通気路を介して前記シリンダに送給されるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、鍛造機が本来具備している回り止めボルトを介して圧縮空気がシリンダに送給され、ホールドピンを作動させることができる。このため、フレームに別途に通気路を形成した場合のように該フレームの強度を低減させるおそれがないと共に、孔空け加工等の新たな工数を要することなく設備改造が容易にできるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は本発明の実施形態である鍛造機の概略を示す縦断面図である。この鍛造機は固定型に対して可動型を水平方向に往復動させる方式のもので、100は固定側フレーム、200は可動側フレームである。固定側フレーム100にはボルスタ101、ダイホルダ102が設けられ、該ダイホルダ102にダイ(固定型)103が設定されている。また、可動側フレーム200にはボルスタ201、ダイホルダ202、スペーサ203が設けられ、該ダイホルダ102にパンチ(可動型)204が設定される。
【0008】
205はパンチ204の中心部を貫通するように設けられたホールドピン、206はボルスタ201の中心部に形成されたシリンダ、207は該シリンダ中に設けられたピストンで、そのピストンロッド208はホールドピン205の後端部に対向している。このため、ピストンロッド208に押されて該ホールドピン205がパンチ204の中心から突出することで、該ホールドピン205の先端が加熱状態のワーク300をダイ103上に押圧し、該ワーク300をダイ103上に保持させる。そしてその後に可動側フレーム200が前進し、パンチ204が該ワーク300を加圧することにより、該ワーク300がダイ103との間で挟着され、該ワーク300を所定形状に鍛造し得る。
【0009】
上記ボルスタ201は、図2にも示したように円柱状であって、外周に係合溝209が形成され、可動側フレーム200に貫挿された回り止めボルト210の先端部を該係合溝中に係合させることにより該ボルスタ201を回転不能に固定している。この構成は、図3にさらに詳しく示すように、可動側フレーム200の上部にツールブロック211をツール止ボルト212により固定し、該ツールブロック211と可動側フレーム200に一連の竪孔213を形成し、回り止めボルト210の外周に形成された螺子溝214を該ツールブロック211の竪孔内周面に形成された螺子溝215に螺合させ、該回り止めボルト210の先端部を該係合溝209中に係合させたもので、これにより円柱状のボルスタ201は回転不能に固定される。
【0010】
また、回り止めボルト210を中空筒状にすることで該回り止めボルトの内部に通気路216を形成し、該回り止めボルトの頭部には接続口217を設け、該接続口に給気ホース218が接続されるようにすると共に、該回り止めボルトの先端面に図5に示したように十字状に通気溝219を形成し、該回り止めボルトの通気路216を該係合溝209中に連通させる。また、該係合溝209の底部に該係合溝と前記シリンダ206とを連通させる連通路220を形成している。
【0011】
このため、給気ホース218をエアー源(図示せず)に繋ぎ、該給気ホース218より圧縮空気を回り止めボルトの通気路216を通して係合溝209に送給し、該圧縮空気を該係合溝209と連通するシリンダ206に送給する。これにより、ピストン207,ピストンロッド208が進出し、該ピストンロッドがホールドピン205の後端部を押すことにより、図1に示したように、該ホールドピン205の先端がパンチ204から突出し、該ホールドピン205によってワーク300が保持されるようになる。
【0012】
このように本発明に係る鍛造機は、回り止めボルト210を中空筒状にすることで通気路216を形成し、該回り止めボルトの先端部をシリンダ206に連通させ、圧縮空気が該通気路216を介してシリンダ206に送給されるようにしたので、可動側フレーム200に通気路(横孔)を別途に形成する必要がなく、鍛造機が本来具備している回り止めボルト210を介して圧縮空気をシリンダ206に送給することできる。このため、従来のようにフレームに通気路を形成することにより該フレームの強度を低減させるおそれがないと共に、孔空け加工等の新たな工数を要することなく設備改造が容易にできるようになるなど有益な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態を示す鍛造機の縦断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1の要部の拡大縦断面図。
【図4】図3のB−B線断面図。
【図5】図3のC−C線断面図。
【符号の説明】
【0014】
200 可動側フレーム
201 ボルスタ
202 ダイホルダ
204 パンチ
205 ホールドピン
206 シリンダ
207 ピストン
208 ピストンロッド
209 係合溝
210 回り止めボルト
211 ツールブロック
213 竪孔
214 螺子溝
215 螺子溝
216 通気路
217 接続口
218 給気ホース
219 通気溝
220 連通路
300 ワーク
【出願人】 【識別番号】000003713
【氏名又は名称】大同特殊鋼株式会社
【出願日】 平成18年12月20日(2006.12.20)
【代理人】 【識別番号】100112531
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩二


【公開番号】 特開2008−149362(P2008−149362A)
【公開日】 平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願番号】 特願2006−342117(P2006−342117)