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【発明の名称】 ワーク搬送装置
【発明者】 【氏名】増田 志乃武

【要約】 【課題】成形品とバリとを1系統のコンベアによって自動的に且つ高速で搬送することにある。

【解決手段】第1〜第4鍛造金型12a〜12dに近接する部位に配置された第1コンベア36と、前記第1コンベア36と同軸状に連続して配置される第2コンベア40と、前記第2コンベア40に設けられ、搬送方向に沿った前記第2コンベア40の終端部側を回動支点として搬送方向に沿った前記第2コンベア40の始点部側を所定角度だけ回動させる第2回動機構44とを備え、水平状態に保持された前記第1コンベア36及び第2コンベア40によって成形品が搬送された後、前記第2回動機構44の駆動作用下に開口部98が形成され、前記開口部98内にバリ28が搬入される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍛造成形装置内で鍛造成形された成形品と、前記鍛造成形する際に発生したバリとを前記鍛造成形装置の外部に搬出する装置であって、
鍛造金型に近接する部位に配置された第1コンベアと、
前記第1コンベアと同軸状に連続して配置される第2コンベアと、
前記第2コンベアに設けられ、搬送方向に沿った前記第2コンベアの終端部を回動支点として搬送方向に沿った前記第2コンベアの始点部側を所定角度だけ回動させる回動機構と、
を備え、
水平状態に保持された前記第1コンベア及び第2コンベアによって成形品が搬送された後、前記回動機構の駆動作用下に搬送方向に沿った前記第1コンベアの終点部と搬送方向に沿った前記第2コンベアの始点部との間で開口部が形成され、前記開口部内にバリが搬入されることを特徴とするワーク搬送装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
前記回動機構は、前記第2コンベアのフレームに固定された回転駆動源と、前記回転駆動源の駆動軸とプーリとの間に懸架されたチェーンと、前記プーリの回転中心から偏心して軸支され該プーリの回転運動が伝達される偏心カムと、前記偏心カムの偏位作用下に上下方向に沿って所定角度揺動するコンベアベッドとを含むことを特徴とするワーク搬送装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、
前記鍛造成形装置内で鍛造成形された成形品又はバリを挟持して前記第1コンベアに移送する一対のクランプ爪が設けられ、前記一対のクランプ爪には、成形品の端部を把持する凹部とバリを把持する一対の突起部とがそれぞれ設けられることを特徴とするワーク搬送装置。
【請求項4】
請求項1記載の装置において、
前記第1コンベア及び第2コンベアには、それぞれ、搬送方向と直交するコンベア幅を増減変更するコンベア幅調整機構が設けられることを特徴とするワーク搬送装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、鍛造成形された成形品と鍛造成形時に発生するバリとをそれぞれ1系統の搬送路を用いて分離して搬送することが可能なワーク搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、エンジン等のクランクシャフトや歯車等の部品は、円柱状のビレットに対して複数の鍛造成形工程を遂行することによって製造されている。この場合、前記鍛造成形する際、金型内へのビレットの配置形態によって、いわゆる「縦打ち」といわゆる「横打ち」とに大別される。
【0003】
前記「縦打ち」とは、ビレットの一端面が底面となるように下型のキャビティ内に配置されて鍛造成形される成形方法をいい、この「縦打ち」によって、例えば、歯車が鍛造成形される。
【0004】
一方、前記「横打ち」とは、ビレットの軸線方向に沿った両端面が両側面となるように下型のキャビティ内に配置されて鍛造成形される成形方法をいい、この「横打ち」によって、例えば、クランクシャフトが鍛造成形される。
【0005】
この種の鍛造成形装置に関し、例えば、特許文献1には、1台の鍛造プレス装置によって「縦打ち」と「横打ち」とを行うことによってそれぞれ逆の部位から排出される成形品とピアス、又は成形品とバリを、2系統の各コンベアを成形品払い出し用とスクラップ払い出し用に適宜選択的に入れ換えて使用することによって、成形品とスクラップを自動的に払い出すことができる鍛造設備の払い出し装置と、その鍛造設備の払い出し装置に使用されるコンベアとがそれぞれ開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平7−112233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1に開示された払い出し装置では、成形品・ピアス排出用コンベア、成形品・バリ排出用コンベア、成形品搬送コンベア、スクラップ搬送コンベアからなる4種類のコンベアが使用されているため、各コンベアの設置スペースが増大すると共に、多種類の複数のコンベアの中から適宜選択されたコンベアによって成形品・スクラップ等が搬送されるため、ワークの搬送速度が低下し生産効率が低下するという問題がある。
【0008】
本発明は、成形品とバリとを1系統のコンベアによって自動的に且つ高速で搬送することが可能なワーク搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために、本発明は、鍛造成形装置内で鍛造成形された成形品と、前記鍛造成形する際に発生したバリとを前記鍛造成形装置の外部に搬出する装置であって、
鍛造金型に近接する部位に配置された第1コンベアと、
前記第1コンベアと同軸状に連続して配置される第2コンベアと、
前記第2コンベアに設けられ、搬送方向に沿った前記第2コンベアの終端部を回動支点として搬送方向に沿った前記第2コンベアの始点部側を所定角度だけ回動させる回動機構と、
を備え、
水平状態に保持された前記第1コンベア及び第2コンベアによって成形品が搬送された後、前記回動機構の駆動作用下に搬送方向に沿った前記第1コンベアの終点部と搬送方向に沿った前記第2コンベアの始点部との間で開口部が形成され、前記開口部内にバリが搬入されることを特徴とする。
【0010】
この場合、前記回動機構は、前記第2コンベアのフレームに固定された回転駆動源と、前記回転駆動源の駆動軸と偏心カムに連結されたプーリとの間に懸架されたチェーンと、前記偏心カムの偏位作用下に上下方向に沿って所定角度揺動するコンベアベッドとを含んで構成されるとよい。
【0011】
また、前記鍛造成形装置内で鍛造成形された成形品又はバリを挟持して前記第1コンベアに移送する一対のクランプ爪が設けられ、前記一対のクランプ爪には、成形品の端部を把持する凹部とバリを把持する一対の突起部とがそれぞれ設けられるとよい。すなわち、一対のクランプ爪によって成形品とバリとの挟持をそれぞれ共用することができ、別個に設ける必要がない。
【0012】
さらに、前記第1コンベア及び第2コンベアには、それぞれ、搬送方向と直交するコンベア幅を増減変更するコンベア幅調整機構が設けられるとよい。例えば、コンベア幅を増減させることにより、例えば、全長がそれぞれ異なる各種のクランクシャフト等の軸成形体に対応することができる。
【0013】
本発明によれば、鍛造成形装置の複数の金型によって、例えば、クランクシャフト等の成形品が得られた後、前記成形品が第1コンベア上に載置される。水平状態に保持された第1コンベア及び第2コンベアを介して前記成形品が前記鍛造成形装置の外部に移送された後、鍛造成形時に発生したバリが第1コンベア上に載置されて第2コンベア側に向かって搬送される。
【0014】
その際、第2回動機構が付勢され搬送方向に沿った第2コンベアの終端部を回動支点として第2コンベアの始点部側が上昇に向かって所定角度回動することにより、搬送方向に沿った第1コンベアの終端部と搬送方向に沿った第2コンベアの始点部との間に開口部が形成される。
【0015】
従って、第1コンベアによって水平状態で移送されたバリが、第1コンベアと第2コンベアとの間に形成された開口部内に落下し、例えば、第2コンベアの下部側に設けられたバリシュートに沿って移送される。
【0016】
このように本発明では、直線状に1系統からなる第1コンベア及び第2コンベアを配置し、第1コンベア及び第2コンベアにより水平方向に沿って成形品を搬送した後、回動機構を介して搬送方向に沿った第2コンベアの始点部を所定角度だけ回動(傾動)させることにより、搬送方向に沿った第1コンベアの終端部と搬送方向に沿った第2コンベアの始点部との間に形成された開口部を介してバリを好適に収容することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、成形品とバリとを1系統からなる第1コンベア及び第2コンベアによって自動的に且つ高速で搬送することができる。従って、本発明では、従来技術のように多種類のコンベアを設けることが不要となり、コンベアの設置スペースを削減して設置スペースの有効利用を図ることができると共に、従来技術と比較してワークの搬送速度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係るワーク搬送装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0019】
図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係るワーク搬送装置が組み込まれた鍛造成形システムを示す。この鍛造成形システム10は、第1〜第5工程が連続して遂行される第1〜第4鍛造金型12a〜12dを有する鍛造成形装置14と、前記鍛造成形装置14に近接配置され該鍛造成形装置14によって鍛造成形された成形品及びバリをそれぞれ搬送するワーク搬送装置16とから構成される。
【0020】
この場合、前記鍛造成形装置14は、前記第1〜第4鍛造金型12a〜12dからなる複数の上型及び下型により同時に多工程の型打ちを行うことができる多工程鍛造成形プレスであって、型打ち時における上下の金型の位置決め精度を保持しながら、第1〜第4鍛造金型12a〜12dからなる上型及び下型全体を図示しない上ダイホルダ及び下ダイホルダと一体的に交換可能に設けられている。
【0021】
なお、図1では、いわゆる「横打ち」によってクランクシャフト24を鍛造成形する第1〜第4鍛造金型12a〜12dが下ダイホルダ上に配置された状態が示されており、一方、図2は、例えば、「縦打ち」によってギヤ25a、25bを2個同時に鍛造成形することが可能な第1〜第4鍛造金型18a〜18dに交換された場合を示している。
【0022】
また、図1に示されるように、前記第1〜第4鍛造金型12a〜12dは直線状に配列された単一の上型(図示せず)と単一の下型とによって構成されており、前記上型は、図示しないプレスラムに連結された上ダイホルダ(図示せず)に固定されて一体的に昇降自在に設けられ、前記下型は、図示しないクランプ機構を介して下ダイホルダに固定される。
【0023】
さらに、前記第1〜第4鍛造金型12a〜12dの配列方向の両側には、該下型から所定距離離間しワークを各成形工程に対して連続して自動送りするための中空でレール状の一対のフィードバー20a、20bが前記下型を間にした水平方向に沿って対向配置されている。
【0024】
前記一対のフィードバー20a、20bは、図示しない装置本体に固定されたトランスファ機構によって、第1〜第4鍛造金型12a〜12dの配列方向に沿ったX軸方向と、前記X軸方向と直交するY軸方向と、前記第1〜第4鍛造金型12a〜12dの上下方向(高さ方向)に沿ったZ軸方向とからなる3軸方向に沿ってそれぞれ略同時に移動可能に設けられる。
【0025】
前記一対のフィードバー20a、20bには、各工程においてワークを把持するための複数のクランプ爪22a〜22fが対向配置されると共に、前記一対のクランプ爪22c〜22fが第1〜第4鍛造金型12a〜12dに対応する位置にそれぞれ離間して複数個並列状に配置される。
【0026】
また、一方のフィードバー20a側のクランプ爪22a〜22fには、ワークが把持されて該ワークによってクランプ爪22a〜22fが押圧されることによりワークのクランプ状態を検知する図示しない検出センサがそれぞれ付設されている。なお、前記検出センサは、図示しないばね部材のばね力によって付勢されたクランプ爪22a〜22fが前記ばね部材のばね力に抗して押圧されることにより、ワークが確実にクランプされたことを検知するクランプ検出信号を図示しない外部制御装置に向かって導出する近接センサによって構成されるとよい。
【0027】
さらに、第4鍛造金型12dに対応する位置に所定距離離間して設けられた相互に対向する一対のクランプ爪22fには、図3に示されるように、成形品であるクランクシャフト24の両端部をそれぞれ把持する凹部26が形成されると共に、図4に示されるように、前記成形品に付着して打ち抜かれたバリ28を把持するための略ハの字形状からなる一対の突起部30a、30bがその上面に膨出形成される。
【0028】
なお、相互に対向する一方のクランプ爪22a〜22fと他方のクランプ爪22a〜22fは、クランクシャフト24の両端部の形状がそれぞれ異なるため、具体的には爪形状が僅かに相違するが、図面では便宜上同一形状に描写されている。また、成形品をギヤ25a、25bとした場合、前記ギヤ25a、25bを把持するクランプ爪の形状がクランクシャフト24と相違することは勿論である(図1及び図2比較参照)。
【0029】
前記一対のフィードバー20a、20bの両端部は、それぞれトランスファ機構のフィードバー着脱部32a、32bによって挟持され、後述するように、前記フィードバー着脱部32a、32bを介してトランスファ機構に対して前記一対のフィードバー20a、20bが着脱自在且つ交換可能に設けられている。この場合、トランスファ機構のフィードバー着脱部32a、32bとフィードバー20a、20bの両端部には、図示しない凹部と凸部とからなる位置決め機構が設けられ、前記位置決め機構を介して同軸状に精度よく連結される。
【0030】
金型の交換作業では、前記フィードバー20a、20bがダイセット(金型を含む)と一体的に交換される。すなわち、トランスファ機構を3軸方向に付勢してフィードバー着脱部32a、32bをフィードバー20a、20bの両端部からそれぞれ離間させることにより、フィードバー20a、20bをトランスファ機構から取り外し、前記取り外されたフィードバー20a、20bを下ダイホルダ上に設けられた図示しないフィードバー支持部に支持することにより、上下型及び上下ダイセットと一体的に前記フィードバー20a、20bを鍛造成形装置14の外部に引き出して交換することができる。
【0031】
ワーク搬送装置16は、鍛造成形装置14に近接して配置され第1回転駆動源34の駆動作用下に所定距離離間する一組のローラがそれぞれ回転し前記ローラの回転運動が伝達されたベルト体が回転することにより成形品(クランクシャフト24、ギヤ25a、25b)又はバリ28を水平方向に沿って搬送する第1コンベア36と、前記第1コンベア36に連続し且つ同軸で直線状に配置され第2回転駆動源38の駆動作用下に所定距離離間する一組のローラがそれぞれ回転し前記ローラの回転運動が伝達されたベルト体が回転することにより成形品のみを水平方向に沿って搬送する第2コンベア40とを有する。
【0032】
なお、前記第2コンベア40の下流側には、図示しないスラットコンベアが設けられ、第2コンベア40によって搬送された成形品が前記スラットコンベアを介して次工程に移送される。
【0033】
前記第1コンベア36及び第2コンベア40には、それぞれ軸線方向に沿った一端部(搬送方向に沿った終端部)を支点として該第1コンベア36及び第2コンベア40の他端部(搬送方向に沿った始点部)を円弧状に所定角度だけ回動させる第1回動機構42及び第2回動機構44と(図8〜図11参照)、前記第1コンベア36及び第2コンベア40をそれぞれ構成する並列的に配置された第1搬送路46aと第2搬送路46bとの離間距離X(搬送方向と直交するコンベア幅)を調整する第1コンベア幅調整機構48a及び第2コンベア幅調整機構48bと(図12及び図13参照)、第1コンベア36にのみ設けられ、鍛造成形装置14に近接する第1コンベア36の軸線方向に沿った全長を調整するコンベア長調整機構50(図14参照)とを有する。
【0034】
第1コンベア36に設けられた第1回動機構42は、主として、金型交換の際に金型との接触を防止するために設けられたものであり、図8に示されるように、ピボット47を揺動支点として揺動自在に設けられたトラニオン形の第1シリンダ52を有し、前記第1シリンダ52を駆動させることにより、搬送方向に沿ったフレーム49の終端部側に設けられたヒンジ部51をその回動支点として第1コンベア36が略水平状態から上方に向かって所定角度だけ回動(傾動)する。
【0035】
第2コンベア40に設けられた第2回動機構44は、成形品であるクランクシャフト24を水平方向に沿って搬送した後、続いて搬送されるバリ28を下方のバリシュート54側に導入するために設けられたものである。
【0036】
第2回動機構44は、図9〜図11に示されるように、フレーム56に固定された回転駆動源58と、前記回転駆動源58の駆動軸に連結された駆動プーリ62aと従動プーリ62bとの間に懸架されたチェーン64と、前記従動プーリ62bの回転中心から偏心して軸支され該従動プーリ62bの回転運動が伝達される偏心カム60と、前記偏心カム60の偏位作用下に上下方向に沿って所定角度揺動するコンベアベッド66と、前記コンベアベッド66の下部であって搬送方向と直交する両側にそれぞれ配置され前記コンベアベッド66が所定角度傾動する際に補助的に作動する一組の第2シリンダ68とを有する。なお、前記第2シリンダ68は、ピボット69を揺動支点として揺動自在に設けられたトラニオン形シリンダによって構成される。
【0037】
第1コンベア幅調整機構48aは、図示しない第2コンベア幅調整機構48bと同一構成からなるため、第1コンベア幅調整機構48aについて詳細に説明し、第2コンベア幅調整機構48bの説明を省略する。
【0038】
前記第1コンベア幅調整機構48aは、図12に示されるように、回転駆動源70と、前記回転駆動源70の駆動軸に連結された第1プーリ72aと第2プーリ72bとの間に懸架され前記回転駆動源70の駆動力を前記第2プーリ72bに伝達するチェーン74と、前記第2プーリ72bに軸着されて該第2プーリ72bと一体的に回転運動が伝達されると共に第1及び第2ベアリングブロック76a、76bを介して回転自在に軸支される回転シャフト78と、前記回転シャフト78の両端部側に所定間隔離間して設けられねじ切り方向が互いに逆方向となるように形成された第1雄ねじ部80a及び第2雄ねじ部80bと、前記回転シャフト78の第1雄ねじ部80a及び第2雄ねじ部80bにそれぞれ螺合する第1雌ねじ部及び第2雌ねじ部を有する一対のブラケット82a、82bと、前記一対のブラケット82a、82bにそれぞれ連結されフレーム56に固定された一対のガイドレール84a、84b(図13参照)に沿って接近又は離間可能に設けられたコンベアベッド66とを含む。
【0039】
この場合、前記回転駆動源70の駆動力がチェーン74及び第2プーリ72bを介して前記回転シャフト78に伝達され該回転シャフト78が所定方向に回動することにより、互いに逆ねじに形成された第1雄ねじ部80a及び第2雄ねじ部80bを介して一対のブラケット82a、82bが水平方向に沿った相互に接近する方向又は離間する方向(搬送方向と直交する方向)に変位し、前記ブラケット82a、82bにそれぞれ連結されたコンベアベッド66を介して第1コンベア36を構成する第1搬送路46aと第2搬送路46bとの離間距離(X)がワークに対応して適宜設定される。
【0040】
この場合、第1搬送路46aと第2搬送路46bとの離間距離(X)を調整して適宜選択することによって、例えば、種々のエンジンに組み込まれる各種クランクシャフト24の全長に対応した所望のコンベア幅に設定することができる。なお、成形品をギヤとした場合には、前記第1搬送路46aと第2搬送路46bとの離間距離(X)が略零に設定され(図2参照)、前記ギヤを第1及び第2搬送路46a、46b上に載置して好適に搬送される。
【0041】
コンベア長調整機構50は、図14及び図9に示されるように、第1コンベア36の上部側フレームに固定された扁平な第3シリンダ86と、前記第3シリンダ86のピストンロッド86aが進退自在に挿通する貫通孔が形成されたブロック体からなるヨーク88と、前記第3シリンダ86のピストンロッド86aを間にしてその両側に略平行に配置された一組のガイドロッド90a、90bと、前記第3シリンダ86のピストンロッド86a及び前記ガイドロッド90a、90bの一端部に連結されたスライダ92と、前記スライダ92の両側に回転自在に軸着されると共に、前記スライダ92と一体的に水平方向に沿って移動するベルト回転用ローラ94とを有する。
【0042】
また、コンベア長調整機構50は、前記第3シリンダ86に近接配置され、ピストンロッド96aが下方側に向かって延在するように設けられた第4シリンダ96を有する。この第4シリンダ96は、コンベア長が変更されたときに複数のプーリ72間を懸架するチェーン74のテンションを適度に調整するためのものであり、例えば、コンベア長が短縮されてチェーン74が弛み状態のときにピストンロッド96aが下方側に伸長して前記チェーン74のテンションを適度に調整すると共に、コンベア長が伸長されたときにピストンロッド96aが上方側に伸長してチェーン74のテンションを適度に調整する機能を有する。
【0043】
本発明の実施の形態に係るワーク搬送装置16が組み込まれた鍛造成形システム10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0044】
図示しないワーク供給ステーションからワーク(円柱状のビレット)を順次搬送し、供給されたワークを保持する第1工程と、前記ワークを圧潰する第2工程と、第2工程で潰されたワークを成形品の概略形状とする荒打ちからなる第3工程と、ワークの形状を成形品の形状に仕上げる第4工程と、前記成形品に付着したバリ28を射抜く第5工程とがそれぞれ連続してなされることにより、例えば、クランクシャフト24の成形品が得られる。
【0045】
このように、鍛造成形装置14の複数の第1〜第4鍛造金型12a〜12dによって、クランクシャフト24の成形品が得られた後、フィードバー20a、20bの第4鍛造金型12dに対応する位置に設けられた一対のクランプ爪22fの凹部26によって前記成形品のみが把持され、前記フィードバー20a、20bの移動動作によって前記成形品が第1コンベア36上に載置される。その際、第1回転駆動源34の駆動作用下に前記第1コンベア36が回転して前記成形品が第1コンベア36から第2コンベア40に向かって移送される。
【0046】
水平状態に保持された第1コンベア36及び第2コンベア40を介して前記成形品が外部に移送された後、一対のクランプ爪22fの上面に形成された略ハの字形状の突起部30a、30bによってバリ28を把持し、前記フィードバー20a、20bによって前記バリ28が第1コンベア36上に載置されて第2コンベア40側に向かって搬送される。なお、前記バリ28は、一対のクランプ爪22fによって前記成形品と略同一の高さに持ち上げられて移送される。
【0047】
この場合、バリ28が鍛造成形装置14(第4鍛造金型12d)から排出されたことを図示しないセンサによって検出し、前記センサからの検出信号が図示しない外部制御装置に導入される。外部制御装置では、前記センサからの検出信号に基づいてバリ28が第1コンベア36上に載置されたことを確認した後、第2コンベア40の第2回動機構44を付勢するために、回転駆動源58に対して付勢信号を出力する。
【0048】
第2回動機構44では、前記回転駆動源58が回転駆動され、この回転駆動源58の回転駆動力はチェーン64及び駆動プーリ62a、従動プーリ62bを介して偏心カム60に伝達され、前記偏心カム60が回転することにより、前記偏心カム60の一端部に連結されたコンベアベッド66が点Oを支点として円弧状に所定角度だけ上昇し、搬送方向に沿った第1コンベア36の終端部と搬送方向に沿った第2コンベア40の始点部との間に開口部98が形成される(図11参照)。前記偏心カム60の回動動作と同時に一組の第2シリンダ68がそれぞれ補助的に駆動され、前記偏心カム60及び第2シリンダ68によって第2コンベア40の上方に向かう回動動作が円滑に遂行される。
【0049】
従って、第1コンベア36によって水平状態で移送されたバリ28は、前記第2コンベア40の始点部が所定角度だけ上昇して形成された開口部98内に落下し、第2コンベア40の下部側に設けられたバリシュート54に沿って移動する。なお、前記バリ28は、バリシュート54の下流側に設けられた図示しない収納ボックス内に収納される。
【0050】
このように本実施の形態では、直線状に1系統からなる第1コンベア36及び第2コンベア40を配置し、第1コンベア36及び第2コンベア40により水平方向に沿って成形品を搬送した後、点Oを支点として第2コンベア40の始点部を所定角度だけ傾動(上昇)させることにより、搬送方向に沿った第1コンベア36の終端部と搬送方向に沿った第2コンベア40の始点部との間に形成された間隙を介してバリを落下させて好適に収容することができる。
【0051】
なお、バリシュート54に沿ってバリ28が収納された後、図示しない外部制御装置が第2回動機構44に対して滅勢信号を導出することにより、第2コンベア40が支点Oを中心として下降し、水平な初期状態に復帰する。
【0052】
次に、図示しない金型搬送用台車を用い、図1に示すクランクシャフトの「横打ち」用の第1〜第4鍛造金型12a〜12dから図2に示されるギヤの「縦打ち」用の第1〜第4鍛造金型18a〜18dに金型交換する。成形品としてギヤを鍛造成形する場合、図15に示されるように、一つの工程で2個のギヤを同時に成形するいわゆる「2個取り」が行われる。
【0053】
さらに、ギヤの第1〜第4鍛造金型18a〜18dに交換された場合、外部制御装置は、コンベア長調整機構50を付勢し、第1コンベア36における全長を所定長だけ伸長させる。
【0054】
すなわち、フィードバー20a、20bにおけるワークの搬送距離Sはクランクシャフト24からギヤに変更した場合であっても同一であるため、第4鍛造金型12dから第1コンベア36へのワークの移送距離Sは、同一である(図15及び図16参照)。ギヤ用の第1〜第4鍛造金型18a〜18dに交換された場合、ギヤの成形品は、搬送方向に沿って前後に連続する2個の配置となるため、移送距離Sとの関係から後方側のギヤの成形品を第1コンベア36上に載置することができない。
【0055】
換言すると、ワークの移送距離Sを設定するためのワークの中心がクランクシャフト24の軸線と一致するが、2個取りのギヤでは、ワークの中心が2個のギヤの離間距離を二等分した位置となるため、前記ワークの中心より前方に位置する一方のギヤのみが第1コンベア36上に載置されるのに対し、前記ワークの中心より後方に位置する他方のギヤが移送距離の範囲外となる(図16参照)。
【0056】
このため、クランクシャフト24用の第1〜第4鍛造金型12a〜12dからギヤ用の第1〜第4鍛造金型18a〜18dに交換された場合、コンベア長調整機構50によって搬送方向に沿った第1コンベア36のコンベア長を伸長させる必要がある。なお、ギヤ用の第1〜第4鍛造金型18a〜18dからクランクシャフト24用の第1〜第4鍛造金型12a〜12dに交換された場合には、前記とは逆に、コンベア長調整機構50によって搬送方向に沿った第1コンベア36のコンベア長が短縮される。
【0057】
コンベア長調整機構50では、第3シリンダ86に対して圧力流体が供給されることによりピストンロッド86aが伸長し、前記ピストンロッド86aの先端部に連結された複数のガイドロッド90a〜90cが同時に変位する。この場合、前記複数のガイドロッド90a〜90cの一端部に設けられたベルト回転用ローラ94が水平方向に沿って前記ガイドロッド90a〜90cと一体的に変位することにより、搬送方向に沿ったコンベア全長が伸長される。
【0058】
なお、第1コンベア36に懸架されたチェーン74のテンションについては、第4シリンダ96によって好適に調整される。また、ギヤ用の第1〜第4鍛造金型18a〜18dを用い成形品としてギヤが鍛造成形された場合には、クランクシャフト24と異なってその鍛造成形時にバリ28が発生しないため、第2回動機構44が付勢されることがない。
【0059】
本実施の形態では、鍛造成形装置14に近接して第1コンベア36と第2コンベア40とを同軸状に連続して配置し、搬送方向に沿った第2コンベア40の始点部を所定角度傾動させて第1コンベア36と第2コンベア40との間に開口部98を形成する第2回動機構44を設けることにより、第1コンベア36及び第2コンベア40によって成形品(クランクシャフト24等の軸成形体)を水平方向に沿って搬送した後、前記第2回動機構44を付勢して前記開口部98内にバリ28のみを落下させ、成形品とバリ28とを1系統からなる第1コンベア36及び第2コンベア40によって自動的に且つ高速で搬送することができる。この結果、成形品の搬送速度を上昇させることができるため、生産効率を向上させることができる。
【0060】
また、本実施の形態では、第1コンベア幅調整機構48a及び第2コンベア幅調整機構48bをそれぞれ設けることにより、第1コンベア36及び第2コンベア40の搬送方向と直交するコンベア幅である第1搬送路46aと第2搬送路46bとの離間距離(X)を自在に調整することができ、全長がそれぞれ異なる各種クランクシャフト24等を含む軸成形体を好適に搬送することができる。
【0061】
さらに、本実施の形態では、第1コンベア36における搬送距離を伸縮させるコンベア長調整機構50を設けることにより、ワークに対する縦打ちと横打ちに対応して鍛造金型を交換した場合であっても、2個取りで成形された2個のギヤ及びクランクシャフト24等の成形品をそれぞれ第1コンベア36上に円滑に載置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の形態に係るワーク搬送装置が組み込まれた鍛造成形システムを示す一部省略平面図である。
【図2】図1に示す鍛造成形システムを構成する鍛造成形装置の鍛造金型がギヤ成形用に交換された状態を示す一部省略平面図である。
【図3】前記鍛造金型を構成する一対のクランプ爪によってクランクシャフトの成形品を把持した状態を示す斜視図である。
【図4】前記鍛造金型を構成する一対のクランプ爪によって鍛造成形時に発生したバリを把持した状態を示す斜視図である。
【図5】図1に示すワーク搬送装置の一部破断側面図である。
【図6】図5に示すワーク搬送装置の一部省略平面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿った縦断面図である。
【図8】前記ワーク搬送装置を構成する第1コンベアの側面図である。
【図9】前記ワーク搬送装置を構成する第2コンベアの平面図である。
【図10】図9のX−X線に沿った縦断面図である。
【図11】前記ワーク搬送装置を構成する第2コンベアが所定角度だけ回動して第1コンベアとの間で開口部が形成された状態を示す一部破断側面図である。
【図12】前記ワーク搬送装置を構成するコンベア幅調整機構を示す縦断面図である。
【図13】前記コンベア幅調整機構を構成するガイドレールを示す縦断面図である。
【図14】前記ワーク搬送装置を構成するコンベア長調整機構を示す部分拡大側面図である。
【図15】クランクシャフトを成形品とした場合の第4鍛造金型から第1コンベアへのワーク移送距離Sを示す一部省略平面図である。
【図16】2個取り成形されるギヤを成形品とした場合の第4鍛造金型から第1コンベアへのワーク移送距離Sを示す一部省略平面図である。
【符号の説明】
【0063】
10…鍛造成形システム
12a〜12d、18a〜18d…鍛造金型
14…鍛造成形装置 16…ワーク搬送装置
20a、20b…フィードバー 22a〜22f…クランプ爪
24…クランクシャフト 28…バリ
30a、30b…突起部 34、38、58、70…回転駆動源
36、40…コンベア 42、44…回動機構
46a、46b…搬送路 48a、48b…コンベア幅調整機構
50…コンベア長調整機構 52、68、86、96…シリンダ
54…バリシュート 49、56…フレーム
60…偏心カム 62a、62b、72…プーリ
64、74…チェーン 66…コンベアベッド
78…回転シャフト 80a、80b…雄ねじ部
82a、82b…ブラケット 84…ガイドレール
88…ヨーク 90a〜90c…ガイドロッド
92…スライダ 94…ベルト回転用ローラ
98…開口部
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成18年10月3日(2006.10.3)
【代理人】 【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏

【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸

【識別番号】100142066
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿島 直樹

【識別番号】100126468
【弁理士】
【氏名又は名称】田久保 泰夫


【公開番号】 特開2008−87048(P2008−87048A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−271712(P2006−271712)