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【発明の名称】 鍛造製品の成形方法及び成形装置
【発明者】 【氏名】田中 宏治

【要約】 【課題】鍛造製品の外周に成形される精密鍛造部に対し欠肉がなく、しかも、鍛造装置の荷重を低減し、更に、鍛造製品の外周のバリ取り工程を省略した鍛造製品の成形方法及びその成形装置を提供することを目的とする。

【解決手段】略円盤状の予備鍛造品W2から、軸心部に貫通孔4を有し、外周に精密鍛造部2を有する鍛造製品W4を成形する成形方法において、予備鍛造品W2を鍛造する移動型42と固定型51が当接することにより、外周を閉塞した型彫空間59を形成し、予備鍛造品W2の外周に、移動型42及び固定型51により精密鍛造部2を成形すると共に、予備鍛造品W2の軸心部に、移動型42及び固定型51の少なくとも一部と非接触状態となる余肉部3を成形する中間鍛造品W3を得る精密鍛造部成形工程と、中間鍛造品W3の余肉部3を打抜いて貫通孔4を成形するピアス成形工程と、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円盤状の予備鍛造品(W2)から、軸心部に貫通孔(4)を有し、外周に精密鍛造部(2)を有する鍛造製品(W4)を成形する成形方法において、
前記予備鍛造品(W2)を鍛造する移動型(42)と固定型(51)が当接することにより、外周を閉塞した型彫空間(59)を形成し、該予備鍛造品(W2)の外周に、該移動型(42)及び該固定型(51)により前記精密鍛造部(2)を成形すると共に、
該予備鍛造品(W2)の軸心部に、該移動型(42)及び該固定型(51)の少なくとも一部と非接触状態となる余肉部(3)が成形される中間鍛造品(W3)を得る精密鍛造部成形工程と、
該中間鍛造品(W3)の余肉部(3)を打抜いて貫通孔(4)を成形するピアス成形工程と、
を有する鍛造製品の成形方法。
【請求項2】
前記精密鍛造部(2)は、歯形を有することを特徴とする請求項1の鍛造製品の成形方法。
【請求項3】
略円盤状の予備鍛造品(W2)の外周に精密鍛造部(2)が成形される中間鍛造品(W3)の成形装置において、
前記成形装置の金型は、移動型(42)と固定型(51)が当接して外周が閉塞した型彫空間(59)を形成し、
該外周が閉塞した型彫空間(59)は、前記精密鍛造部(2)と同一形状の第一空間部(57)と、
前記中間鍛造品(W3)の軸心部の少なくとも一部と非接触状態となる第二空間部(58)と、から構成されることを特徴とする中間鍛造品の成形装置。
【請求項4】
前記第一空間部(57)は、歯形を有する精密鍛造部(2)と同一形状であることを特徴とする請求項3の中間鍛造品の成形装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、外周に精密鍛造部、軸心部に貫通孔を有する鍛造製品の成形方法及びその成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、予備鍛造品から外周に歯形を有する中間鍛造品を鍛造により成形する場合、固定型と移動型により形成される型彫空間の容積が中間鍛造品の体積とほぼ等しい鍛造製品の成形装置を用い、予備鍛造品を型彫空間で閉塞した後、予備鍛造品全体をこの型彫空間内で移動型によって押圧することにより、予備鍛造品の軸心部の肉を外周方向に移動させ、外周に歯形が成形された中間鍛造品を成形する技術が知られている。この中間鍛造品の軸心部を更に打抜いて、外周に歯形、軸心部に貫通孔が成形された鍛造製品が成形されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、外周に歯形を有する中間鍛造品を鍛造により成形する場合の異なる鍛造方法として、固定型と移動型により形成される型彫空間を閉塞せず、固定型と移動型との間に隙間を形成する鍛造製品の成形装置を用い、予備鍛造品全体を閉塞しない型彫空間内で移動型によって押圧することにより、予備鍛造品の軸心部の肉を外周方向に移動させて、外周に歯形及びバリが成形された中間鍛造品を成形する技術も知られている。この中間鍛造品は、軸心部及びバリを打抜いて、外周に歯形、軸心部に貫通孔が成形された鍛造製品を成形している(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平9−108771号公報
【特許文献2】特許2884044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、閉塞した型彫空間においては、閉塞した型彫空間の容積と成形される中間鍛造品の体積とがほぼ等しく設定してあり、鍛造成形過程において中間鍛造品に近い形状まで変形すると、予備鍛造品の肉の流動する隙間が狭くなり、しかも、金型に形成される歯型等の複雑な形状により肉の流動が抑制されるため、得られた中間鍛造品の外周の角部等に欠肉を生じるという問題があった。また、予備鍛造品全体を移動型によって押圧すると、押圧面積が大きい製品の場合、鍛造装置は、大きな荷重が必要となるという問題もあった(特許文献1参照)。
【0005】
そこで、特許文献2のように、中間鍛造品の外周の角部等に欠肉を生じさせないように、固定型と移動型との間に隙間を形成し、中間鍛造品の外周にバリが成形されるまで予備鍛造品を流動させる鍛造方法では、中間鍛造品に必要な外周形状を得ることができるという効果があるものの、外周にバリが成形されるので、後工程でバリ取りが必要となるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情により鑑みなされたもので、鍛造製品の外周に成形される精密鍛造部に対し欠肉がなく、しかも、鍛造装置の荷重を低減し、更に、鍛造製品の外周のバリ取り工程を省略した鍛造製品の成形方法及びその成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の鍛造製品の成形方法は、略円盤状の予備鍛造品から、軸心部に貫通孔を有し、外周に精密鍛造部を有する鍛造製品を成形する成形方法において、予備鍛造品を鍛造する移動型と固定型が当接することにより、外周を閉塞した型彫空間を形成し、予備鍛造品の外周に、移動型及び固定型により精密鍛造部を成形すると共に、予備鍛造品の軸心部に、移動型及び固定型の少なくとも一部と非接触状態となる余肉部が成形される中間鍛造品を得る精密鍛造部成形工程と、中間鍛造品の余肉部を打抜いて貫通孔を成形するピアス成形工程と、を有することを第1の特徴とする。
【0008】
本発明の鍛造製品の成形方法は、精密鍛造部は、歯形を有することを第2の特徴とする。
【0009】
本発明の中間鍛造品の成形装置は、略円盤状の予備鍛造品の外周に精密鍛造部が成形される中間鍛造品の成形装置において、成形装置の金型は、移動型と固定型が当接して外周が閉塞した型彫空間を形成し、外周が閉塞した型彫空間は、精密鍛造部と同一形状の第一空間部と、中間鍛造品の軸心部の少なくとも一部と非接触状態となる第二空間部と、から構成されることを第3の特徴とする。
【0010】
本発明の中間鍛造品の成形装置は、第一空間部は、歯形を有する精密鍛造部と同一形状であることを第4の特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の特徴の鍛造製品の成形方法によれば、略円盤状の予備鍛造品から、軸心部に貫通孔を有し、外周に精密鍛造部を有する鍛造製品の成形方法において、予備鍛造品を鍛造する移動型と固定型が当接することにより、外周を閉塞した型彫空間を形成し、予備鍛造品の外周に、移動型及び固定型により精密鍛造部が成形されると共に、予備鍛造品の軸心部に、移動型及び固定型の少なくとも一部と非接触状態となる余肉部が成形される中間鍛造品を得る精密鍛造部成形工程と、中間鍛造品の余肉部を打抜いて貫通孔を成形するピアス成形工程と、を有するため、外周を閉塞した型彫空間によって鍛造製品の外周にバリが発生することがなく、バリ取り工程を省くことができる。また、予備鍛造品の軸心部に成形される余肉部は移動型及び固定型の少なくとも一部と非接触状態であるため、外周に成形される精密鍛造部の肉が軸心部に成形される余肉部に流動し、精密鍛造部の肉の流動が促進され、中間鍛造品の外周の精密鍛造部に欠肉を生じることがない。また、成形される余肉部は、移動型及び固定型の少なくとも一部と非接触状態であるため、鍛造装置の成形荷重を下げることができる。
【0012】
本発明の第2の特徴の鍛造製品の成形方法によれば、精密鍛造部は、歯形を有するため、歯形に欠肉が生じることを防ぐことができる。
【0013】
本発明の第3の特徴の中間鍛造品の成形装置によれば、略円盤状の予備鍛造品の外周に精密鍛造部が成形される中間鍛造品の成形装置において、成形装置の金型は、移動型と固定型が当接して外周が閉塞した型彫空間を形成し、外周が閉塞した型彫空間は、精密鍛造部と同一形状の第一空間部と、中間鍛造品の軸心部の少なくとも一部と非接触状態となる第二空間部と、から構成されるため、上記鍛造方法を実現することができる。また、中間鍛造品の軸心部の少なくとも一部と非接触状態となる第二空間部を有するため、鍛造装置の押圧面積が小さくなり、鍛造装置の成形荷重を下げることができる。
【0014】
本発明の第4の特徴の中間鍛造品の成形装置によれば、第一空間部は、歯形を有する精密鍛造部と同一形状であるため、歯形に欠肉が生じることを防ぐことができる鍛造方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下本発明の実施例を図1乃至図4に基づいて説明する。図1は本発明の精密鍛造部と貫通孔とを有する鍛造製品の成形方法を表す断面平面図である。図2は本発明の予備鍛造品を成形する成形工程を表す部分断面平面図である。図3は本発明の中間鍛造品を成形する成形工程を表す部分断面平面図である。図4は本発明の精密鍛造部と貫通孔とを有する鍛造製品を成形する成形工程を表す部分断面平面図である。
【0016】
鍛造製品W4の成形方法は、図1の(ア)に示すように、まず線材を必要な長さに切断して円柱状の切断材W0を形成し、次に図1の(イ)に示すように、切断材W0を軸線方向に押圧して円盤状の素材W1を成形する。その後、円盤状の素材W1を軸線方向に押圧して外周に歯形2の基となる予備歯形部8、軸心部に余肉部3の基となる第一位置決め凸部7を有する予備鍛造品W2を成形する(図1の(ウ))。そして、予備鍛造品W2を更に押圧し、外周に精密鍛造部2としての歯形と、軸心部にお椀状の余肉部3とを成形した中間鍛造品W3を成形する。中間鍛造品W3は、軸線方向の一端に、後述するピアス装置61のピアスパンチ67を案内するための貫通孔成形案内凹部10を備えている。そして最後に中間鍛造品W3の余肉部3を打抜いて、軸心部に貫通孔4を有する鍛造製品W4を成形する。
【0017】
次に、円盤状の素材W1から鍛造製品W4を順次成形する第一鍛造装置21、第二鍛造装置41、及びピアス装置61を、図2乃至図4に基づいて説明する。
【0018】
鍛造装置21は、図2に示すように、固定型31及び移動型22により構成される。固定型31は、図1の円盤状の素材W1を投入する型彫空間37を形成するダイ36、ダイ36の内周側に配置され、同様に型彫空間37を形成する円柱形状のノックアウト32、ノックアウト32を進退自在とするノックアウトピン33、ノックアウト32を進退自在に支持する円筒状の第一支持型34、ノックアウトピン33を進退自在に支持する円筒状の第二支持型35と、を有する。また、ダイ36に形成される型彫空間37は、得られる予備鍛造品W2に凸部が形成されるように、反移動型側から移動型側に向かい第一段部36b、第二段部36c、及び第三段部36dが順に成形されている。
【0019】
移動型22は、円盤状の素材W1を押圧するパンチ23と、パンチ23の軸心部に配置されるピン24と、を備え、ピン24は、バネ25によって反固定型側へ付勢されている。そして、ダイ35の型彫空間37の内周部37aとパンチ23の外周部23aが当接して、閉塞した型彫空間37を形成する。
【0020】
次に第一鍛造装置21により成形された予備鍛造品W2の外周に精密鍛造部2である歯形を成形して中間鍛造品W3を成形する第二鍛造装置41について図3に基づいて説明する。第二鍛造装置41は、固定型51及び移動型42により構成される。固定型51は、型彫空間59の一部を形成するダイ55の内周側に配置され、同様に型彫空間59の一部を形成するノックアウト52、ノックアウト52を進退自在とするノックアウトピン53、ノックアウト52を進退自在に支持する円筒状の第一支持型54、ノックアウトピン53を進退自在に支持する円筒状の第二支持型48とを有する。ダイ55の内面には、歯形を形成する歯形成形部56を有する。
【0021】
移動型42は、予備鍛造品W2の外周を押圧する外パンチ46と、外パンチ46の内周に配置され中間鍛造品W3の貫通孔成形案内凹部10を成形する内パンチ47と、内パンチ47の軸心部に配置されるピン44と、を備え、ピン44は、バネ45によって反固定型側へ付勢されている。そして、ダイ55の型彫空間59の内周部55aと外パンチ46の外周部46aが当接することにより、閉塞した型彫空間59を形成している。閉塞した型彫空間59は、外パンチ46とダイ55の間に、中間鍛造品W3の外周の精密鍛造部2と同一形状の第一空間部57と、内パンチ47とノックアウト52の間に、中間鍛造品W3の軸心部に形成される余肉部3と内パンチ47及びノックアウト52が非接触状態となる第二空間部58と、を有する。
【0022】
次に第二鍛造装置41により成形された中間鍛造品W3の余肉部3を打抜くピアス装置61について図4に基づいて説明する。ピアス装置61は、固定型71及び移動型62により構成される。固定型71は、外周に中間鍛造品W3の外周を位置決め支持する第一支持型74、第一支持型74の内周側に配置され、中間鍛造品W3を支持する第二支持型75を有する。第二支持型75の内周には、中間鍛造品W3の打抜かれた余肉部3を排出する余肉部排出口76が形成されている。
【0023】
移動型62は、中間鍛造品W3を固定型71に押し付けるピアスストリッパー66と、ピアスストリッパー66の内側に配置され中間鍛造品W3に貫通孔4を成形するピアスパンチ67と、を備え、ピアスストリッパー66は、バネ65によって固定型側へ付勢されている。
【0024】
続いて、円盤状の素材W1から鍛造製品W4を成形する工程について、図2乃至図4に基づいて説明する。
【0025】
第一鍛造装置21により円盤状の素材W1から予備鍛造品W2を成形する場合、図示せぬ搬送装置により、円盤状の素材W1を軸線方向端部の外端部6をダイ36の第一段部36bに当接させることにより位置決めして、ダイ36に載置する。続いて図2に示すように移動型22を下降させ、円盤状の素材W1を押圧して、閉塞された型彫空間37内で円盤状の素材W1の肉が外周方向に流動して、外周に予備歯形部8、軸心部に素材W1の外端部6が変形した第一位置決め凸部7、予備歯形部8と第一位置決め凸部7との間に第二位置決め凸部9、を有する予備鍛造品W2を成形する。予備鍛造品W2の成形が完了すると、移動型22は上方に退避する。その後、ノックアウトピン33によりノックアウト32が移動型22側に移動して予備鍛造品W2がダイ35から取り出される。
【0026】
次に第二鍛造装置41により予備鍛造品W2から中間鍛造品W3を成形する工程について図3に基づいて説明する。図示せぬ搬送装置により、予備鍛造品W2を第二位置決め凸部9がノックアウト52の型彫空間59の開口52aに嵌合するように載置して固定型51に位置決めする。続いて移動型42を下降させ、予備鍛造品W2の外周を押圧すると、予備鍛造品W2の予備歯形部8が、外パンチ46及びダイ55の間に形成された第一空間部57と同一形状に変形する。この時、内パンチ47とノックアウト52の間に形成される第二空間部58には、予備鍛造品W2の第一位置決め凸部7が変形して余肉部3が形成される。この余肉部3は、内パンチ47、及び、ノックアウト52の少なくとも一部と非接触状態である。このため、第一空間部57内の予備歯形部8の余肉が軸心部の第二空間部58内に流入することが促進され、流入した肉の重さにより下降して、余肉部3の形状がお椀状となる。第一空間部57内においては、肉の流動が促進されるので、中間鍛造品W3の外周に欠肉のない精密鍛造部2(歯形)が成形される。お椀状の余肉部3は、お椀内部に貫通孔がないので、精密鍛造部2から余肉部3側に過度に肉が流動することを抑えている。中間鍛造品W3の外周の精密鍛造部2と軸心部の余肉部3の間には、後工程で余肉部3を打抜く時に打抜き長さが短くなるように、貫通孔成形案内凹部10が内パンチ47により成形される。中間鍛造品W3を成形すると、移動型42は上方に退避する。その後、ノックアウトピン53によりノックアウト52が上方に移動して中間鍛造品W3がダイ55から取り出される。
【0027】
次に上記ピアス装置61により中間鍛造品W3の余肉部3を打抜いて貫通孔4を成形するピアス成形工程について図4に基づいて説明する。図示せぬ搬送装置により中間鍛造品W3を第一支持台74の形彫空間77内に納まるように第二支持台75の上に載置する。続いて移動型62を下降させ、ピアスストリッパー66が中間鍛造品W3の外周を押し付けた状態で、さらに、移動型62が下降する。ピアスストリッパー66は、バネ65の弾性によって下降を停止するが、ピアスストリッパー66内に成形されたピアスパンチ67は更に下降し、中間鍛造品W3の余肉部3を打抜いて貫通孔4を成形して鍛造製品W4が成形される。そして、貫通孔4が成形されると、ピアスストリッパー66が中間鍛造品W3の外周を押し付けた状態で、ピアスパンチ67が上昇し、ピアスパンチ67と鍛造製品W4の貫通孔4の嵌合が解除される。その後、ピアスストリッパー66も上方に退避して、鍛造製品W4を搬出する。
【0028】
従って、本発明の鍛造製品の成形方法によれば、略円盤状の予備鍛造品W2から、軸心部に貫通孔4を有し、外周に精密鍛造部2を有する鍛造製品W4を成形する成形方法において、予備鍛造品W2を鍛造する移動型42と固定型51が当接することにより、外周を閉塞した型彫空間59を形成し、予備鍛造品W2の外周に、移動型42及び固定型51により精密鍛造部2を成形すると共に、予備鍛造品W2の軸心部に、移動型42及び固定型51の少なくとも一部と非接触状態となる余肉部3が成形される中間鍛造品W3を得る精密鍛造部成形工程と、中間鍛造品W3の余肉部3を打抜いて貫通孔4を成形するピアス成形工程と、を有するため、外周に成形される精密鍛造部2の肉が軸心部に成形される余肉部3に流動し、精密鍛造部2の肉の流動が促進され、中間鍛造品W3の外周の精密鍛造部2である歯形に欠肉を生じることがない。また、成形される余肉部3は、移動型42及び固定型51の少なくとも一部と非接触状態であり、移動型42の押圧面積が小さくなるため、第二鍛造装置41の成形荷重を下げることができる。
【0029】
また、略円盤状の予備鍛造品W2の外周に精密鍛造部2が成形される中間鍛造品W3の成形装置21において、成形装置21の金型は、移動型42と固定型51が当接して外周が閉塞した型彫空間59を形成し、外周が閉塞した型彫空間59は、精密鍛造部2と同一形状の第一空間部57と、中間鍛造品W3の軸心部の少なくとも一部と非接触状態となる第二空間部58と、から構成されるため、上記鍛造方法を実現することができる。また、中間鍛造品W3の軸心部の少なくとも一部と非接触状態となる第二空間部58を有するため、第二鍛造装置41の押圧面積が小さくなり、第二鍛造装置41の成形荷重を下げることができる。
【0030】
尚、本発明の実施例では、中間鍛造品W3の外周の精密鍛造部2に歯形を形成したが、外周を略円形とする、又は、ボスを形成する等、異なる形状としてもよい。また、中間鍛造品W3の余肉部3は、移動型42及び固定型51の上下両面と非接触状態であるが、どちらか一面が接触状態であってもよい。移動型22,42,62及び固定型31,51,71を構成するダイ、パンチ、ピン、ノックアウト、支持型の数は、異なる数に分割、若しくは、統合してもよい。第二鍛造装置41は、ダイ55の型彫空間59の内周部55aと外パンチ46の外周部46aが当接することにより、閉塞した型彫空間59を形成しているが、ダイ55の型彫空間59の外周部と外パンチ46の内周部が当接することにより、閉塞した型彫空間を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の精密鍛造部と貫通孔とを有する鍛造製品の成形方法を表す断面平面図である。
【図2】本発明の予備鍛造品を成形する成形工程を表す部分断面平面図である。
【図3】本発明の中間鍛造品を成形する成形工程を表す部分断面平面図である。
【図4】本発明の精密鍛造部と貫通孔とを有する鍛造製品を成形する成形工程を表す部分断面平面図である。
【符号の説明】
【0032】
2 精密鍛造部
3 余肉部
4 貫通孔
42 移動型
51 固定型
41 成形装置
57 第一空間部
58 第二空間部
59 外周を閉塞した型彫空間
W2 予備鍛造品
W3 中間鍛造品
W4 鍛造製品
【出願人】 【識別番号】000238360
【氏名又は名称】武蔵精密工業株式会社
【出願日】 平成18年9月29日(2006.9.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−87002(P2008−87002A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−267734(P2006−267734)