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プレス成形金型及びダブルヘリカルギヤの製造方法 - 特開2008−80406 | j-tokkyo
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【発明の名称】 プレス成形金型及びダブルヘリカルギヤの製造方法
【発明者】 【氏名】石川 博

【氏名】山中 雅仁

【氏名】孫 暁輝

【要約】 【課題】高い精度のダブルヘリカルギヤが得られるプレス成形金型及びダブルヘリカルギヤの製造方法を提供する。

【解決手段】パンチホルダによって回動可能に支持される回動ブロック14に回動ブロック14と一体で回動する回動部材17を設け、プレス成形機のラムに固定されるベースプレートに規制部材18を設けておいて、回動部材17のプレート19を規制部材18の基準ブロック21に当接させてパンチのダイスに対する軸線回りの角度位相を初期位相に復帰させたので、パンチをダイスに対して確実に且つ高い精度で初期位相に復帰させることができる。これにより、各ヘリカル歯形間の軸線回りの角度位相が高い精度で形成されたダブルヘリカルギヤを得ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダブルヘリカルギヤの一方のヘリカル歯形の像を有する上型と前記ダブルヘリカルギヤの他方のヘリカル歯形の像を有する下型とを備え、前記上型が前記下型に対して前記ダブルヘリカルギヤの軸線回りに回動可能なプレス成形金型であって、
回動動作された前記上型の前記下型に対する角度位相を初期の角度位相に復帰させる初期位相復帰手段を備え、
前記初期位相復帰手段は、前記上型と一体で前記ダブルヘリカルギヤの軸線回りに回動可能な回動部材と、前記上型を前記ダブルヘリカルギヤの軸線回りに回動可能に支持するホルダに固定され、前記回動部材を当接させて前記回動部材の回動動作を規制して前記上型の前記下型に対する角度位相を初期の角度位相に復帰させる規制部材と、を備え、
前記回動部材は、前記規制部材の基準面に当接可能な当接面が形成された当接部と、該当接部を着脱可能に支持する支持部と、を備え、
前記規制部材は、前記基準面が形成された基準ブロックと、該基準ブロックを回動可能に支持する支持ブロックと、を備えることを特徴とするプレス成形金型。
【請求項2】
ダブルヘリカルギヤの一方のヘリカル歯形の像を有する上型と前記ダブルヘリカルギヤの他方のヘリカル歯形の像を有する下型とを備えるプレス成形金型を用いて素材をプレス成形して前記ダブルヘリカルギヤを形成するダブルヘリカルギヤの製造方法であって、
前記上型をホルダによって前記ダブルヘリカルギヤの軸線回りに回動可能に支持しておいて、前記上型に付設されたヘリカル歯形の像と前記下型に付設されたヘリカル歯形の像とを前記素材に転造して前記ダブルヘリカルギヤを形成し、前記素材を前記プレス成形金型によってプレス成形して前記ダブルヘリカルギヤを形成し、次に、前記上型を前記下型に対して前記ダブルヘリカルギヤの軸線回りに回動させつつ前記ダブルヘリカルギヤを前記上型から脱離させ、前記ダブルヘリカルギヤを前記上型から脱離させた後、前記上型を脱離時と反対の方向へ回動させて、前記上型と一体で前記ダブルヘリカルギヤの軸線回りに回動する回動部材の当接面を、前記ホルダに固定された規制部材の基準面に面接触で当接させ、前記上型の前記下型に対する前記ダブルヘリカルギヤの軸線回りの角度位相を成形前の初期の角度位相に復帰させることを特徴とするダブルヘリカルギヤの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス成形金型及びダブルヘリカルギヤの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘリカルギヤを製造する手段の一として、プレス成形によるものがある。上型と下型とに分割して構成されたプレス成形金型でプレス成形して素材をヘリカルギヤに形成する場合、下型に対して上型がヘリカルギヤの軸線回りに固定されていると、プレス成形時に金型内部で素材がダイスに付設されたヘリカル歯形のリードに沿って軸線回りに捩れるように回動して、歯形精度の悪化や型の破損の虞がある。そこで従来から、成形時に下型に対して上型をヘリカルギヤの軸線の回りに回動させることで素材に生じる捩れモーメントを吸収することが行われている。例えば、特許文献1には、内周面にヘリカル歯形形成用内歯を有する貫通孔が設けられた回動自在なダイスと、上記貫通孔の軸心上に軸方向へ進退可能に配置されたエジェクタピンとを備え、まず、略円筒状の素材をパンチによってダイスの貫通孔内へ押し込んで素材を回動させることなく一方向へ通過させ、次に、エジェクタピンによりダイスの貫通孔内に押し込まれた素材を回動させることなく逆方向へ通過させることにより、素材の外周面にヘリカル歯形を形成するヘリカルギヤの製造方法が開示されている。
【0003】
上記先行技術文献では、素材がダイスの貫通孔を通過する際のパンチの押し込み作用により、素材の外周面にダイスのヘリカル歯形形成用内歯との圧接面側が高精度となるヘリカル歯形が成形される。また、素材がエジェクタピンにより押し出される際にヘリカル歯形の不完全な面、即ち上記圧接面と反対側の面が高精度に成形されることとなる。そして、押し込み、押し出しのいずれの場合も、素材を回動させずにダイス(可動ダイス)を回動させている。ところで、ヘリカルギヤには同一の軸に二つのヘリカル歯形が形成されるダブルヘリカルギヤがある。該ダブルヘリカルギヤをプレス成形により形成する場合、二つのヘリカル歯形の相互の軸線回りの角度位相は、上型と下型とに分割された各型の単体精度とこれらの型の組付け精度とで保証される。
【0004】
一般に、ダブルヘリカルギヤをプレス成形により形成する場合、成形完了後、パンチを上昇させると共にパンチの上昇に同期させてパンチピンを駆動し、該パンチピンによって素材の上端面を押圧してヘリカル歯形をパンチから脱離させる。この時、パンチとヘリカル歯形とがダブルヘリカルギヤの軸線方向(以下、単に軸線方向という)へ相対移動するに伴い、上型が軸線方向へ回動される。この場合、ヘリカル歯形をパンチから脱離させた後、下型に対する上型のダブルヘリカルギヤの軸線回り(以下、単に軸線回りという)の角度位相(以下、単に角度位相という)を成形前の角度位相(以下、初期位相と称す)に復帰させる必要がある。
【特許文献1】特公平6−85971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、高い精度のダブルヘリカルギヤが得られるプレス成形金型及びダブルヘリカルギヤの製造方法を提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のプレス成形金型は、ダブルヘリカルギヤの一方のヘリカル歯形の像を有する上型と前記ダブルヘリカルギヤの他方のヘリカル歯形の像を有する下型とを備え、前記上型が前記下型に対して前記ダブルヘリカルギヤの軸線回りに回動可能なプレス成形金型であって、回動動作された前記上型の前記下型に対する角度位相を初期の角度位相に復帰させる初期位相復帰手段を備え、前記初期位相復帰手段は、前記上型と一体で前記ダブルヘリカルギヤの軸線回りに回動可能な回動部材と、前記上型を前記ダブルヘリカルギヤの軸線回りに回動可能に支持するホルダに固定され、前記回動部材を当接させて前記回動部材の回動動作を規制して前記上型の前記下型に対する角度位相を初期の角度位相に復帰させる規制部材と、を備え、前記回動部材は、前記規制部材の基準面に当接可能な当接面が形成された当接部と、該当接部を着脱可能に支持する支持部と、を備え、前記規制部材は、前記基準面が形成された基準ブロックと、該基準ブロックを回動可能に支持する支持ブロックと、を備えることを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のダブルヘリカルギヤの製造方法は、ダブルヘリカルギヤの一方のヘリカル歯形の像を有する上型と前記ダブルヘリカルギヤの他方のヘリカル歯形の像を有する下型とを備えるプレス成形金型を用いて素材をプレス成形して前記ダブルヘリカルギヤを形成するダブルヘリカルギヤの製造方法であって、前記上型をホルダによって前記ダブルヘリカルギヤの軸線回りに回動可能に支持しておいて、前記上型に付設されたヘリカル歯形の像と前記下型に付設されたヘリカル歯形の像とを前記素材に転造して前記ダブルヘリカルギヤを形成し、前記素材を前記プレス成形金型によってプレス成形して前記ダブルヘリカルギヤを形成し、次に、前記上型を前記下型に対して前記ダブルヘリカルギヤの軸線回りに回動させつつ前記ダブルヘリカルギヤを前記上型から脱離させ、前記ダブルヘリカルギヤを前記上型から脱離させた後、前記上型を脱離時と反対の方向へ回動させて、前記上型と一体で前記ダブルヘリカルギヤの軸線回りに回動する回動部材の当接面を、前記ホルダに固定された規制部材の基準面に面接触で当接させ、前記上型の前記下型に対する前記ダブルヘリカルギヤの軸線回りの角度位相を成形前の初期の角度位相に復帰させることを特徴とする。
【0008】
本発明のプレス成形金型によれば、下型に対して回動された上型の下型に対する角度位相が、初期位相復帰手段によって初期の角度位相に復帰される。また、初期位相復帰手段は、回動部材を規制部材に当接させて回動部材の回動動作を規制することにより、上型の下型に対する角度位相を初期の角度位相に復帰させる。
【0009】
本発明のダブルヘリカルギヤの製造方法によれば、下型に対して回動された上型の下型に対する角度位相が、成形前の初期の角度位相に復帰される。また、上型の下型に対する角度位相は、回動部材を規制部材に当接させて回動部材の回動動作を規制することにより初期の角度位相に復帰される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高い精度のダブルヘリカルギヤが得られるプレス成形金型及びダブルヘリカルギヤの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の一実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。本実施形態のプレス成形金型1は、パンチ6(上型)とダイス7(下型)とに付設されたヘリカル歯形3,4の像を円柱形状の素材2に転造させることにより、図6に示されるように、同一軸に捩れが同一方向の二つのヘリカル歯形3,4が形成されたダブルヘリカルギヤ5を形成するものである。プレス成形金型1では、成形完了後、素材2(ヘリカル歯形3)をパンチ6から脱離させる時に、パンチ6がヘリカル歯形3に対して軸線方向へ相対移動するのに伴って、パンチ6がダイス7に対して回動、すなわち、パンチ6が、図1及び図4に示されるパンチ6とダイス7との角度位相が初期位相の状態から、図1における紙面視で軸線回りに時計回り方向へ回動される。そして、素材2(ヘリカル歯形3)をパンチ6から脱離させた後、初期位相復帰手段によって、パンチ6をダイス7に対して素材2(ヘリカル歯形3)をパンチ6から脱離させる時と反対の方向へ回動させ、パンチ6とダイス7との角度位相を成形前の初期位相に復帰させる。
【0012】
プレス成形金型1は、図3に示すように、プレス成形機のラムに取付けられた型上部9と、プレス成形機のテーブルに設置された型下部10と、に分割して構成される。型下部10は、ダブルヘリカルギヤ5のヘリカル歯形4の像が付設されたダイス7を備え、該ダイス7をダイスホルダ34で保持している。また、型下部10には、素材2と同軸上に配置されるノックアウトピン11が上下にスライド移動可能に設けられ、成形が完了して型上部9を上昇させた後、ノックアウトピン11を上方へ駆動してノックアウトピン11によってダイス7に嵌合された素材2(ダブルヘリカルギヤ5)を押し出すことにより、素材2(ダブルヘリカルギヤ5)がダイス7から型抜きされる。
【0013】
型上部9は、プレス成形機のラムに固定されたベースプレート8に取付けられるパンチホルダ12と、略円柱形状に形成されてスラストベアリング13を介してパンチホルダ12に軸線回りに回動可能に支持される回動ブロック14と、を含む。回動ブロック14には、ダブルヘリカルギヤ5のヘリカル歯形3の像が付設されたパンチ6が装着される。また、回動ブロック14には、素材2と同軸上に配置されたパンチピン15が設けられる。そして、プレス成形金型1では、成形完了後、パンチ6の上昇に同期させてパンチピン15を駆動し、パンチ6に嵌合された素材2(ダブルヘリカルギヤ5)をパンチピン15によって押し出すことにより、素材2(ダブルヘリカルギヤ5)がパンチ6から型抜きされる。
【0014】
図1〜図3に示すように、回動ブロック14には、回動ブロック14の直径上に配置されて両端部を回動ブロック14から半径方向へ突出させた回動アーム16が設けられる。図3に示すように、回動アーム16の両端面には、対向する側壁24,25の一対が上下方向に配置される溝26が形成される。また、回動アーム16の各溝26には、各流体圧シリンダ27のロッド28の先端部に取付けられたジョイントブロック29を貫通して回動アーム16と各ジョイントブロック29とを連結するジョイントピン30が設けられる。図1及び図2に示すように、各流体圧シリンダ27の基部には取付ブラケット31が設けられ、各取付ブラケット31は、ベースプレート8に立設された軸32によって回動可能に支持される。そして、プレス成形金型1は、各流体圧シリンダ27の各ロッド28を突出側へ動作させて、回動ブロック14を図1及び図2における紙面視で軸線回りに反時計回り方向へ付勢させている。
【0015】
図1及び図2に示すように、回動ブロック14には、回動ブロック14の略半径方向に向けて突出し、図1及び図2における紙面視で回動アーム16に対して任意の角度位相をなして配置される回動部材17が設けられる。回動部材17は、後述する規制部材18の基準面21aに当接可能な当接面19aが形成されたプレート19(当接部)と、該プレート19を着脱可能に保持して基部が回動ブロック14に固定された支持部20と、によって構成される。そして、パンチホルダ12には、回動部材17のプレート19が当接して回動部材17の軸線回りの回動動作を規制する規制部材18が設けられる。規制部材18は、略円筒状の部材の一側を軸線と平行な面で切欠いて形成された基準面21aを有する基準ブロック21と、パンチホルダ12に固定されて基準ブロック21を軸22の回りに回動可能に支持する支持ブロック23と、によって構成される。
【0016】
プレス成形金型1では、各流体圧シリンダ27に任意の流体圧の流体が供給されることにより、回動ブロック14は、図1及び図2における紙面視で軸線回りに反時計回り方向へ回動するように付勢される。そして、成形完了後、素材2(ヘリカル歯形3)をパンチ6から脱離させる時に、パンチ6がヘリカル歯形3に対して軸線方向へ相対移動するのに伴って、図2に示されるように、回動ブロック14が軸線回りに時計回り方向へ回動される。素材2(ヘリカル歯形3)をパンチ6から脱離させると、回動ブロック14が軸線回りに回動可能となり、これにより、回動ブロック14は、各流体圧シリンダ27による付勢力によって反時計回り方向へ回動する。そして、図1に示されるように、回動部材17と一体で軸線回りに回動するプレート19が規制部材18の基準面21aに当接することにより、回動ブロック14の軸線回りの回動動作が規制され、パンチ6(上型)とダイス7(下型)との軸線回りの角度位相が初期位相に復帰される。
【0017】
本実施形態の初期位相復帰手段は、回動アーム16、回動部材17、規制部材18、及び流体圧シリンダ27により主要な構成がなされている。また、本実施形態のプレス成形金型1は、回動部材17のプレート19と支持部20との間にシム33が介挿され、該シム33(初期位相補正手段)の厚みT(図1参照)を調節することにより、パンチ6(上型)とダイス7(下型)との初期位相を補正して、ダブルヘリカルギヤ5の各ヘリカル歯形3,4の軸線の回りの角度位相が適正に保持される。
【0018】
次に、本実施形態のプレス成形金型1を用いて、図6に示されるダブルヘリカルギヤ5の製造方法を説明する。まず、図4に示すように、プレス成形金型1に円柱形状の素材2をセットする。図1に示されるように、この状態におけるプレス成形金型1は、回動部材17のプレート19(当接部)の当接面19aが規制部材18の基準ブロック21の基準面21aに当接され、パンチ6とダイス7との角度位相が初期位相となるように、パンチ6がダイス7に対して軸線回りに位置決めされる。この状態で、図5に示されるように、型上部9を下降させてプレス成形金型1で素材2を加圧し、パンチ6とダイス7とに付設されたヘリカル歯形3,4の像を素材2に転造することによりダブルヘリカルギヤ5を形成する。
【0019】
本実施形態では、ダイス7(下型)が軸線回りに固定されることから、成形中、すなわち、素材2にヘリカル歯形3,4が成形(転造)されている間、素材2には、軸線回りの捩れモーメントが生じる。この素材2に生じる捩れモーメント、言い換えると、プレス成形金型1に作用する成形反力によって、回動ブロック14が図1及び図2における紙面視で軸線回りに反時計回り方向へ付勢される。ここで、回動部材17のプレート19の当接面19aが規制部材18の基準ブロック21の基準面21aに当接されて回動ブロック14の反時計回り方向への回動動作が規制されていることから、成形中においては、パンチ6はダイス7に対して軸線回りに反時計回り方向へ回動することができず、素材2がプレス成形金型1の中で回転する。
【0020】
次に、型上部9を上昇させてパンチ6を上昇させると共にパンチ6の上昇に同期させてパンチピン15を駆動して当該パンチピン15で素材2の上端面を押圧し、素材2(ヘリカル歯形3)をパンチ6から脱離させる。この時、パンチ6とヘリカル歯形3とが軸線方向へ相対移動するに伴い、回動ブロック14は、軸線回りに時計回り方向へ回動する。そして、素材2(ヘリカル歯形3)がパンチ6から脱離した時点で、各流体圧シリンダ27のロッド28が突出し、回動ブロック14が軸線回りに反時計回り方向へ回動して回動ブロック14と一体で回動する規制部材18のプレート19の当接面19aが型上部9のベースプレート8に設けられた基準ブロック21の基準面21aに当接する。これにより、回動ブロック14の回動動作が制止され、図1に示されるように、パンチ6(上型)とダイス7(下型)との軸線回りの角度位相が初期位相に復帰する。
【0021】
次に、ノックアウトピン11を上昇させて当該ノックアウトピン11で素材2の下端面を押圧し、ダイス7から素材2(ヘリカル歯形4)を脱離させて金型1からダブルヘリカルギヤ5を型抜きする。これにより、ヘリカル歯形3とヘリカル歯形4との軸線回りの角度移動が高い精度で形成されたダブルヘリカルギヤ5を得ることができる。なお、パンチ6とダイス7との初期位相は、同一形状(角度位相)の製品(ダブルヘリカルギヤ5)を成形する場合であっても、素材2の機械的な特性や潤滑状態等の諸条件の差異により型転写性、回動ブロック14の回動量が異り、これら諸条件により生じる誤差は、テストピース成形後、製品の精度チェックを行い、正規値との誤差に応じて回動部材17のプレート19と支持部20との間にシム33を介挿させることで容易に補正することができる。
【0022】
本実施形態では以下の効果を奏する。
本実施形態によれば、パンチホルダ12によって回動可能に支持される回動ブロック14に、回動ブロック14と一体で回動する回動部材17を設け、プレス成形機のラムに固定されるベースプレート8に規制部材18を設けておいて、回動部材17のプレート19を規制部材18の基準ブロック21に当接させてパンチ6とダイス7との軸線回りの角度位相を初期位相に復帰させたので、パンチ6とダイス7とを確実に、且つ高い精度で初期位相に復帰させることができる。これにより、各ヘリカル歯形3,4間の軸線回りの角度位相が高い精度で形成されたダブルヘリカルギヤ5を得ることができる。
回動ブロック17に半径方向へ延びる回動アーム16を設け、該回動アーム16を流体圧シリンダ27で押圧して回動ブロック14を回動させたので、構造が簡易で、機構としての信頼性が高く、また金型製作費を低く抑えて製造コストの増大を抑制することができる。
回転部材17のプレート19と支持部20との間に介挿されるシム33の厚みを調節してパンチ6とダイス7との初期位相が補正されるので、素材2の機械的な特性、潤滑状態等の諸条件の差異により生じる各ヘリカル歯形3,4間の軸線の回りの角度位相の誤差を補正して、高い精度のダブルヘリカルギヤ5を形成することができる。
【0023】
なお、実施の形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
本実施の形態では、回動ブロック14を2つの流体圧シリンダ27で駆動して素材2の軸線の回りに回動させたが、1つの流体圧シリンダ27で回動ブロック14を回動させてもよい。
回動アーム16に流体圧シリンダ27のロッド28を連結して回動ブロック14を回動させる機構を構成したが、回動ブロック14と一体で素材2の軸線の回りに回動可能なピニオンギヤを設け、また該ピニオンギヤにラックギヤを噛合させて、当該ラックギヤを流体圧シリンダでスライド移動させて回動ブロック14を回動させてもよい。
回動ブロック14をサーボモータで素材2の軸線の回りに回動及び位置決めさせてもよい。
本実施形態では、プレス成形金型1の中で素材2を回転させてパンチ6とダイス7とのヘリカル歯形3,4の像を素材2に転造させたが、成形時にパンチ6をダイス7に対して軸線回りに回動させて素材2に作用する捩れモーメントを解放させるように、プレス成形金型1を構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施の形態の説明図で、特に、パンチとダイスとの素材の軸線の回りの角度位相が初期位相に復帰した状態を示す金型の一部の平面図である。
【図2】本実施の形態の説明図で、特に、図1の状態から回動ブロックが素材の軸線の回りに回動した成形完了時の状態を示す一部の平面図である。
【図3】本プレス成形金型の主要部を断面で示した図である。
【図4】本プレス成形金型の一部を断面で示した図で、特に、素材が金型にセットされた状態を示す図である。
【図5】本プレス成形金型の一部を断面で示した図で、特に、成形完了時の状態(パンチが下降端位置に位置する状態)を示す図である。
【図6】ダブルヘリカルギヤの説明図である。
【符号の説明】
【0025】
1 プレス成形金型、2 素材、3,4 ヘリカル歯形、5 ダブルヘリカルギヤ、6 パンチ(上型)、7 ダイス(下型)、16 回動アーム(初期位相復帰手段)、17 回動部材(初期位相復帰手段)、18 規制部材(初期位相復帰手段)、27 流体圧シリンダ(初期位相復帰手段)
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【識別番号】593060849
【氏名又は名称】株式会社ヤマナカゴーキン
【出願日】 平成19年12月20日(2007.12.20)
【代理人】 【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫

【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫

【識別番号】100109690
【弁理士】
【氏名又は名称】小野塚 薫


【公開番号】 特開2008−80406(P2008−80406A)
【公開日】 平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願番号】 特願2007−328735(P2007−328735)