Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
アプセット成形装置 - 特開2008−49388 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B21 本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き

【発明の名称】 アプセット成形装置
【発明者】 【氏名】廣澤 利行

【要約】 【課題】簡便な機構を用いて鍛縮台の第1偏心位置と第2偏心位置とを相互に切り換えることにより、前記鍛縮台の耐久性を向上させると共に、設備コストを低減することにある。

【構成】楕円形状凹部19が形成された略円板状の受金18と、前記受金18に対し周方向に沿って回転可能に軸支される鍛縮台22と、前記受金18の楕円形状凹部19に対して前記鍛縮台22の一端面が摺接した状態において、前記鍛縮台22の軸心が前記楕円形状凹部19の長軸に沿った一方に所定距離だけ偏心した第1偏心位置と、前記鍛縮台22の軸心が前記楕円形状凹部19の長軸に沿った他方に所定距離だけ偏心した第2偏心位置とを相互に切り換える一対の回動プレート54a、54bを含む偏心位置切換機構25とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降自在に設けられたハウジングと、
前記ハウジングに連結され、楕円形状凹部が形成された略円板状の受金と、
前記受金に対し周方向に沿って回転可能に軸支されると共に、成形材料である棒状素材の一端部に当接し昇降自在に設けられた鍛縮台と、
軸心を回転軸として前記鍛縮台を所定角度ずつ回動させる送り機構と、
前記棒状素材の他端部に当接して該棒状素材を押圧する押圧機構と、
通電することにより前記棒状素材を加熱する電極と、
前記受金の楕円形状凹部に対して前記鍛縮台の一端面が摺接した状態において、前記鍛縮台の軸心が前記楕円形状凹部の長軸に沿った一方に所定距離だけ偏心した第1偏心位置と、前記鍛縮台の軸心が前記楕円形状凹部の長軸に沿った他方に所定距離だけ偏心した第2偏心位置とを相互に切り換える偏心位置切換機構と、
を備えることを特徴とするアプセット成形装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
前記偏心位置切換機構は、駆動手段と、前記駆動手段の駆動作用下に前記ハウジングに対して所定角度だけ回動自在に支持される一組の支持シャフトと、前記一組の支持シャフトの一端部に連結されて前記支持シャフトと一体的に所定角度だけ回動することにより前記鍛縮台を前記楕円形状凹部に沿って押圧すると共に、前記鍛縮台の環状溝に係合して該鍛縮台を懸吊支持する一組の回動プレートとを含むことを特徴とするアプセット成形装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、
前記偏心位置切換機構は、駆動手段側の連結バーに連結されるアーム部と、前記一組の支持シャフトの外周面に連結されるリング部とからなる一組のレバー部材を有し、前記リング部は、前記駆動手段の駆動作用下に相互に反対方向に回動することを特徴とするアプセット成形装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製の棒状素材を電極間で加熱しながら軸方向に圧縮するアプセット成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、エンジンの構成部品としてエンジンバルブが用いられている。このエンジンバルブは、一端部が傘形形状に形成された膨出部と、前記膨出部の下部側に一体的に形成された軸部とから構成されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、後工程での据え込み成形に要する時間を短縮するために、電極間に配置された棒状素材を通電加熱する加熱電源装置を直流インバータ加熱方式とする電気アプセッタが開示されている。
【0004】
ここで、前記エンジンバルブの製造工程について概略説明する。先ず、図示しないカッタ機構によって所定長に切断された金属製の棒状素材を電極間で通電加熱するアプセット成形を施すことにより、棒状素材の一端部が加圧され略球状の加熱部を有するアプセット成形体が得られる。このアプセット成形体の加熱部に対してプレス装置を介してプレス加工を施し、プレス成形体に対して所定の熱処理加工を施した後、研磨加工が遂行されてエンジンバルブが完成する。
【0005】
【特許文献1】特開2004−160517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、電極間で通電加熱することにより膨出して略球状の加熱部となる棒状素材の一端部と接触して前記一端部を押圧する電極(鍛縮台)の接触部位が限定された特定部位であるため、前記鍛縮台の耐久性が劣化するという問題がある。
【0007】
例えば、図15に示されるように、1本の棒状素材1の一端部を略球状に膨出させて加熱部2を形成した後、横断面円形状の円柱体からなる鍛縮台3を図示しない送り装置によって所定角度ずつ僅かに回動させてアプセット成形を施した場合、すなわち、1本の棒状素材1を加工する毎に鍛縮台3を数ピッチで所定方向に回動させた場合であっても、前記棒状素材1の一端部と接触する鍛縮台3の底面4の接触部位が所定幅からなる単一の環状帯5に特定される。
【0008】
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、簡便な機構を用いて鍛縮台の第1偏心位置と第2偏心位置とを相互に切り換えることにより、前記鍛縮台の耐久性を向上させると共に、設備コストを低減することが可能なアプセット成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために、本発明は、昇降自在に設けられたハウジングと、
前記ハウジングに連結され、楕円形状凹部が形成された略円板状の受金と、
前記受金に対し周方向に沿って回転可能に軸支されると共に、成形材料である棒状素材の一端部に当接し昇降自在に設けられた鍛縮台と、
軸心を回転軸として前記鍛縮台を所定角度ずつ回動させる送り機構と、
前記棒状素材の他端部に当接して該棒状素材を押圧する押圧機構と、
通電することにより前記棒状素材を加熱する電極と、
前記受金の楕円形状凹部に対して前記鍛縮台の一端面が摺接した状態において、前記鍛縮台の軸心が前記楕円形状凹部の長軸に沿った一方に所定距離だけ偏心した第1偏心位置と、前記鍛縮台の軸心が前記楕円形状凹部の長軸に沿った他方に所定距離だけ偏心した第2偏心位置とを相互に切り換える偏心位置切換機構と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
この場合、前記偏心位置切換機構は、駆動手段と、前記駆動手段の駆動作用下に前記ハウジングに対して所定角度だけ回動自在に支持される一組の支持シャフトと、前記一組の支持シャフトの一端部に連結されて前記支持シャフトと一体的に所定角度だけ回動することにより前記鍛縮台を前記楕円形状凹部に沿って押圧すると共に、前記鍛縮台の環状溝に係合して該鍛縮台を懸吊支持する一組の回動プレートとを含むように構成されるとよい。
【0011】
さらに、前記偏心位置切換機構は、駆動手段側の連結バーに連結されるアーム部と、前記一組の支持シャフトの外周面に連結されるリング部とからなる一組のレバー部材を有し、前記リング部は、前記駆動手段の駆動作用下に相互に反対方向に回動するように設けられるとよい。
【0012】
本発明によれば、先ず、棒状素材の一端部が鍛縮台に当接し他端部が押圧機構によって押圧された状態で電極に通電して棒状素材を加熱する。前記棒状素材の一端部が半径外方に膨出した加熱部を有するアプセット成形体が得られる。このようにして1本の棒状素材に対してアプセット成形が施された毎に送り機構を介して鍛縮台を所定角度だけ回動させて、棒状素材に対する鍛縮台との接触部位を変化させてアプセット成形がなされる。
【0013】
この場合、本発明では、偏心位置切換機構を付勢することにより、鍛縮台の軸心が楕円形状凹部の長軸に沿った一方に所定距離だけ偏心した第1偏心位置と、前記鍛縮台の軸心が前記楕円形状凹部の長軸に沿った他方に所定距離だけ偏心した第2偏心位置とが相互に切換可能に設けられているため、例えば、予め第1偏心位置(又は第2偏心位置)に設定された受金と鍛縮台との位置関係を、所定期間経過した後、第2偏心位置(又は第1偏心位置)に容易に変更することができる。
【0014】
例えば、第1偏心位置のときには、棒状素材の一端部との接触軌跡が鍛縮台の底面における大径な環状帯となるのに対し、第2偏心位置のときには、棒状素材の一端部との接触軌跡が鍛縮台の底面における小径な環状帯となり、棒状素材に対して異なる接触部位とすることができる。
【発明の効果】
【0015】
ハウジングに連結される受金と鍛縮台との位置関係において、鍛縮台の軸心が受金の楕円形状凹部の長軸に沿った一方に所定距離だけ偏心した第1偏心位置と、前記鍛縮台の軸心が前記楕円形状凹部の長軸に沿った他方に所定距離だけ偏心した第2偏心位置とを相互に切り換える偏心位置切換機構を設けることにより、棒状素材の一端部を加圧する鍛縮台の加圧面が異なり、前記鍛縮台の耐久性を簡便な機構によって向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に係るアプセット成形装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0017】
図1及び図2において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係るアプセット成形装置を示す。
【0018】
このアプセット成形装置10は、図示しない昇降ユニットに連結され図示しない昇降手段の駆動作用下に前記昇降ユニットと一体的に上下方向に沿って変位するハウジング12と、前記ハウジング12の下部側に空間部14を介して設けられる連結ブロック16と、前記連結ブロック16の下部側に図示しないねじ部材を介して固定され軸心O1を有する略円板状からなる受金18と、前記受金18の下部側に軸心O2を回転軸として周方向に沿って回転可能に軸支されると共に、成形材料である棒状素材20の上端部に当接し図示しない昇降手段を介して上下方向に沿って昇降自在に設けられた鍛縮台22とを含む。
【0019】
なお、前記受金18の底面には楕円形状凹部19が形成され(図4、図11A及び図12A参照)、前記楕円形状凹部19の楕円形の長軸と短軸の交点が略円板状に形成された前記受金18の軸心O1と一致するように設定されている。
【0020】
また、前記アプセット成形装置10は、前記軸心O2を回転軸として前記鍛縮台22を所定角度ずつ回動させる送り機構24と、前記鍛縮台22の軸心O2が前記楕円形状凹部19の長軸に沿った一方に所定距離だけ偏心した第1偏心位置と、前記鍛縮台22の軸心O2が前記楕円形状凹部19の長軸に沿った他方に所定距離だけ偏心した第2偏心位置とを相互に切り換える偏心位置切換機構25と有する。
【0021】
換言すると、前記偏心位置切換機構25は、受金18の軸心O1を基準点(固定点)として、前記鍛縮台22の軸心O2が前記受金18の軸心O1から直線状に沿った一方に所定距離だけ偏位した状態(第1偏心位置)と、前記とは反対に前記鍛縮台22の軸心O2が前記受金18の軸心O1から直線状に沿った他方に等距離だけ偏位した状態(第2偏心位置)とを相互に切り換える作用を営む。
【0022】
さらに、前記アプセット成形装置10は、図示しない下部側ユニットに固定され、前記棒状素材20の下端部に当接して該棒状素材20を上方に向かって押圧するピストンロッド(押圧機構)26が設けられた図示しない押圧用シリンダと、前記棒状素材20を挟持する一対のアーム28a、28bが設けられた図示しないクランプシリンダと、前記一対のアーム28a、28bにそれぞれ設けられ、通電することにより棒状素材20を加熱する一対の電極30a、30bとを有する。
【0023】
前記鍛縮台22は、略円柱体からなり、その中心部には軸線方向に沿って貫通する貫通孔31が形成される(図3及び図4参照)。また、前記鍛縮台22の外周面の上部側には、全周にわたって延在する環状溝32が形成される。この場合、鍛縮台22は、前記環状溝32に係合する一対の回動プレート及び支持シャフト(後述する)によって懸吊支持される。
【0024】
送り機構24は、図1及び図3に示されるように、鍛縮台22の外周面に嵌着されたリング体からなり周縁部に鋸歯状の歯部34が形成されたラチェット36と、前記ラチェット36の歯部34に係合する断面鋭角状の係止爪38が先端部に設けられたピストンロッド40を有し、前記ピストンロッド40の進退動作によって鍛縮台22を矢印C方向に沿って一定の角度ずつ回動させる送りシリンダ42とを含む。
【0025】
偏心位置切換機構25は、図1及び図4に示されるように、懸吊された状態で前記ハウジング12に上部側が支持される一組の支持シャフト44a、44b(第1支持シャフト44a、第2支持シャフト44bともいう)と、前記ハウジング12の孔部にそれぞれ装着され、前記一組の支持シャフト44a、44bの上部側及び下部側の外周面をそれぞれ回動自在に軸支する第1ブッシュ46a及び第2ブッシュ46bと、前記一組の支持シャフト44a、44bの外周面に沿ってそれぞれ係着され上端部が前記第1ブッシュ46aの環状フランジ部に係合すると共に他端部が前記第2ブッシュ46bの環状フランジ部に係合するばね部材50と、前記一組の支持シャフト44a、44bの下端部にボルト51を介して締結されることにより該支持シャフト44a、44bと一体的に所定角度だけ回動自在に設けられ、前記鍛縮台22の環状溝32に係合する係合部52が形成された略三角形状からなる一対の回動プレート54a、54bとを有する。
【0026】
さらに、偏心位置切換機構25は、ハウジング12に連結された略三角形状のテーブル56に固定された駆動用シリンダ(駆動手段)58と、前記駆動用シリンダ58のピストンロッド60の先端部に該ピストンロッド60の軸線と直交した状態で連結された長尺な単一の第1連結バー62と、前記第1連結バー62の両端部に支点ピン64を介してそれぞれ軸着された短尺な一組の第2連結バー66a、66bと、前記第2連結バー66a、66bの一端部に支点ピン64を介してそれぞれ軸着されるアーム部67と支持シャフト44a、44bの外周面に対してスプライン嵌合されたリング部68とを有し所定距離離間した直線状に対向配置された一対のレバー部材70a、70bと、前記支持シャフト44a、44bに螺合されることにより前記レバー部材70a、70bのリング部68を前記支持シャフト44a、44bに保持するロックナット72とを備える。
【0027】
この場合、後述するように、駆動用シリンダ58の駆動作用下にピストンロッド60を進退動作させて第1支持シャフト44a及び第2支持シャフト44bを所定角度だけ正転又は逆転させることにより、前記第1支持シャフト44a及び第2支持シャフト44bの下端部に連結された一対の回動プレート54a、54bがそれぞれ該第1支持シャフト44a及び第2支持シャフト44bと一体的に回動して鍛縮台22を押圧してスライドさせることにより、前記鍛縮台22を第1偏心位置と第2偏心位置との間で移動させることができる。
【0028】
この場合、底面視して略円形状に形成された受金18には、図4に示されるように、下方側に向かって突出する環状フランジ部74が形成され、前記環状フランジ部74の内部には、楕円形状凹部19が形成される。前記鍛縮台22の上面は前記受金18の底面に形成された楕円形状凹部19に摺接し、前記楕円形状凹部19の長軸方向の一方又は他方に沿って前記鍛縮台22が摺動変位することにより第1偏心位置と第2偏心位置との間で相互に切り換えられる。
【0029】
すなわち、図11Aは、円板状に形成された受金18の軸心O1と円柱体からなる鍛縮台22の軸心O2とが、前記軸心O1と前記軸心O2とワークである棒状素材20の軸心O3とをそれぞれ結ぶ仮想直線A(楕円形状凹部19の長軸)上において所定距離X1だけ偏心した第1偏心位置を示したものである。
【0030】
一方、図12Aは、円板状に形成された受金18の軸心O1と円柱体からなる鍛縮台22の軸心O2とが、前記軸心O1と前記軸心O2とワークである棒状素材20の軸心O3とをそれぞれ結ぶ仮想直線A(楕円形状凹部19の長軸)上において、前記とは反対方向に所定距離X1と等距離X2だけ偏心した第2偏心位置を示したものである。
【0031】
本発明の実施の形態に係るアプセット成形装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0032】
先ず、成形材料である金属製の棒状素材20を、押圧用シリンダのピストンロッド26と鍛縮台22との間にセットした後、図示しないクランプシリンダの駆動作用下に一対のアーム28a、28bを接近させ、前記一対のアーム28a、28bにそれぞれ設けられた一対の電極30a、30bが棒状素材20に接触した状態でクランプされる(図13A〜13C参照)。その際、図示しない昇降手段を介して鍛縮台22を所定位置まで下降させた後、所定位置で停止して固定状態とし、前記鍛縮台22の底面22aが棒状素材20の上端部に接触した状態とする。
【0033】
前記棒状素材20がクランプされた状態において、図示しない電源供給手段を介して一組の電極30a、30bに通電して前記棒状素材20をそれぞれ加熱すると共に、押圧用シリンダの駆動作用下にピストンロッド26を上昇させて棒状素材20を上方に向かって押圧する(図13D参照)。
【0034】
従って、前記一組の電極30a、30bによる通電加熱作用及び押圧用シリンダによる押圧作用下に、鍛縮台22の底面22aに当接する棒状素材20の上端部が膨張して略球形状の加熱部20aが形成される。鍛縮台22の底面22aによって平面状の窪みを有する略球形状の所望の加熱部20aの形状が形成された後、前記電極30a、30bに対する通電を停止し、図示しないクランプシリンダを駆動させてアーム28a、28bを棒状素材20から離間させることにより(図13E参照)、アプセット成形体(図13F参照)が図示しない容器内に収納される。
【0035】
1本のアプセット成形体が完成した後、送りシリンダ42を駆動させてピストンロッド40を伸長させ、前記ピストンロッド40の先端部に連結された係止爪38を鍛縮台22の外周面に嵌着されたラチェット36の歯部34と係合させることにより、軸心O2をその回転中心として前記鍛縮台22が所定角度(例えば、3度)だけ矢印C方向に回動する(図3参照)。
【0036】
次にアプセット成形がなされる棒状素材20を前記と同様にしてセットして前記のようなアプセット成形体が得られた後、送りシリンダ42の駆動作用下に鍛縮台22を所定角度だけ矢印C方向に回動させ、1本の棒状素材20に対する加工毎に鍛縮台22を周方向に沿って所定角度ずつ回動させる。この場合、前記所定角度を、例えば、3度に設定すると、鍛縮台22が1回転することにより120本のアプセット成形体が得られる。
【0037】
なお、前記アプセット成形体に対し図示しない金型装置によってプレス成形がなされた後、研磨加工等の仕上げ工程を経て製品としての図示しないエンジンバルブが得られる。
【0038】
前記アプセット成形装置10を使用して所定期間が経過した後、図示しない切換用スイッチによって偏心位置切換機構25を付勢することにより、前記受金18に対する鍛縮台22の偏心位置を、例えば、第1偏心位置(図11A参照)から第2偏心位置(図12A参照)に切り換え、あるいは、第2偏心位置(図12A参照)から第1偏心位置(図11A参照)に切り換える。
【0039】
以下に、第1偏心位置(図11A参照)から第2偏心位置(図12A参照)に切り換える場合を図5〜図10を参照して詳細に説明する。
【0040】
図5及び図6に示される第1偏心位置において、図示しない切換用スイッチをオン状態とすることにより駆動用シリンダ58が付勢されてピストンロッド60が伸長する。その際、前記ピストンロッド60の先端部に支点ピン64を介して連結された略U字状の第1連結バー62及び一対の第2連結バー66a、66bがピストンロッド60の伸長作用によって変位することにより、左右一対のレバー部材70a、70bのリング部68がそれぞれ所定角度だけ相互に反対方向に向かって回動する。
【0041】
例えば、図7中の左側に配置された一方のレバー部材70aのリング部68は、第1支持シャフト44aの軸心を回動中心として反時計回り方向に所定角度だけ回動し、一方、図7中の右側に配置された他方のレバー部材70bのリング部68は、第2支持シャフト44bの軸心を回動中心として時計回り方向に所定角度だけ同時に回動する。
【0042】
このような前記レバー部材70a、70bのリング部68の回動動作によって一対の支持シャフト44a、44bがそれぞれ一体的にそれぞれ反対方向に向かって所定角度だけ回動し、前記一対の支持シャフト44a、44bの下端部にそれぞれボルト51を介して連結された一対の回動プレート54a、54bが該支持シャフト44a、44bの軸心を回動軸として相互に反対方向に向かって所定角度だけ回動する。
【0043】
この一対の回動プレート54a、54bの回動作用下に前記回動プレート54a、54bの係合部52によって鍛縮台22が押圧され、前記鍛縮台22が受金18の楕円形状凹部19の長軸(仮想直線A)に沿って摺動変位することにより、図7及び図8に示される受金18の軸心O1と鍛縮台22の軸心O2とが一致する状態を経由して、図9及び図10に示されるような第2偏心位置に切り換えられる。
【0044】
すなわち、図11A及び図11Bに示される従前の第1偏心位置では、受金18の軸心O1と鍛縮台22の軸心O2と棒状素材20の軸心O3とをそれぞれ結ぶ仮想直線(楕円形状凹部19の長軸)A上において、鍛縮台22の軸心O2は、受金18の軸心O1から棒状素材20の軸心O3側と反対方向に向かって所定距離X1だけ偏心した位置(仮想直線A上において軸心O2が軸心O1の下部側にある位置)に設定されていたが、今度は、図12A及び図12Bに示されるように、前記仮想直線A上において鍛縮台22の軸心O2が、前記とは反対側の方向(棒状素材20の軸心O3に接近する方向)に向かって所定距離X2だけ受金18の軸心O1から偏心した位置である第2偏心位置(仮想直線A上において軸心O2が軸心O1の上部側にある位置)に切り換わる。
【0045】
このように、受金18の楕円形状凹部19に対して鍛縮台22の軸心O2をその楕円形状の長軸(仮想直線A)方向に沿って同一距離(X1=X2)だけ偏位させ、受金18に対する鍛縮台22の第1偏心位置と第2偏心位置とを切り換えた後、前記と同様にアプセット成形を遂行する。
【0046】
なお、受金18に対する鍛縮台22の第1偏心位置と第2偏心位置との切換操作は、例えば、駆動用シリンダ58を駆動させる図示しない切換用スイッチ等によって簡便に遂行される。また、ワークである棒状素材20がセットされる位置は、変更されることがなく一定である。
【0047】
本実施の形態では、図14に示されるように、受金18に対する鍛縮台22の第1偏心位置で、棒状素材20の上端部と接触する鍛縮台22の底面22aにおける接触軌跡が大径な第1環状帯E1(実線参照)となり、続いて、第1偏心位置から切り換えられた第2偏心位置では、棒状素材20の上端部と接触する鍛縮台22の底面22aにおける接触軌跡が小径な第2環状帯E2(二点鎖線参照)となる。
【0048】
このように、受金18の楕円形状凹部19に対する鍛縮台22の位置を前記楕円形状凹部19の長軸に沿った一方向と他方向に所定距離だけ偏心させるだけで棒状素材20と接触する接触部位が鍛縮台22の同一底面22aにおいて外側と内側とで異径の2重の第1及び第2環状帯E1、E2となることにより、従来と比較して耐用年数が2倍となり耐久性を向上させて製造コストを抑制することができる。
【0049】
換言すると、受金18の楕円形状凹部19に対する鍛縮台22の位置を第1偏心位置と第2偏心位置との間で自在に切り換える偏心位置切換機構25という簡便な機構を用いることによって、棒状素材20の上端部が接触する部位を変更して鍛縮台22の底面22aを有効活用することができ、前記鍛縮台22の耐用年数を大幅に増大させることができる。
【0050】
本実施の形態では、第1偏心位置から第2偏心位置に変更した場合について説明しているがこれに限定されるものではなく、前記とは逆に第2偏心位置から第1偏心位置に切り換えるようにしてもよい。
【0051】
また、本実施の形態では、例えば、第1ラインを構成する複数の第1アプセット成形装置10aにおける受金18及び鍛縮台22を第1偏心位置に設定し、一方、第2ラインを構成する複数の第2アプセット成形装置10bにおける受金18及び鍛縮台22を第2偏心位置に設定し、所定期間経過後に、前記第1ラインと前記第2ラインとの間で相互に前記第1偏心位置と前記第2偏心位置とを切り換えるように構成してもよい。なお、この場合の切換作業は、前述したように駆動用シリンダ58を付勢・滅勢する図示しない切換用スイッチのオン/オフ操作によって簡便に遂行されることは勿論である。
【0052】
さらに、本実施の形態では、第1偏心位置及び第2偏心位置に基づいて説明しているがこれに限定されるものではなく、受金18の軸心O1に対する鍛縮台22の軸心O2の偏心方向及び離間距離を適宜選択することにより、例えば、第3偏心位置等の第n偏心位置を設定することができ、鍛縮台22の耐久性をより一層向上させることができる。
【0053】
さらにまた、本実施の形態では、自動車用のエンジンバルブの傘部を成形する鍛造プレス加工の前工程である据え込み加工に用いるアプセット成形に基づいて説明しているがこれに限定されるものではなく、例えば、プロペラシャフト、リアアクスルシャフト、メインドライブギヤ、軸付ギヤ等の自動車用トランスミッション構成部品の鍛造プレスや切削加工の前工程として、金属製の棒状素材の先端部に所定の大きさの半径外方向膨出部を成形するために適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態に係るアプセット成形装置の一部断面概略構造図である。
【図2】図1のII−II線に沿った縦断面図である。
【図3】送り機構を図1の矢印Z方向からみた矢視図である。
【図4】偏心位置切換機構を鍛縮台の下方側からみた分解斜視図である。
【図5】偏心位置切換機構によって第1偏心位置から第2偏心位置に切り換える状態を示す平面図である。
【図6】図5の第1偏心位置において、一対の回動プレートと鍛縮台の環状溝との係合状態を示す横断面図である。
【図7】図5の状態からピストンロッドが伸長して連結バーが変位した状態を示す平面図である。
【図8】図7の状態における一対の回動プレートと鍛縮台の環状溝との係合状態を示す横断面図である。
【図9】図7の状態からピストンロッド及び連結バーがさらに伸長して第2偏心位置に切り換わった状態を示す平面図である。
【図10】図9の状態における一対の回動プレートと鍛縮台の環状溝との係合状態を示す横断面図である。
【図11】図11Aは、本実施の形態に係るアプセット成形装置において、受金の軸心に対して鍛縮台の軸心が楕円形状凹部の一方側に偏心した第1偏心位置を示す側面図、図11Bは、前記第1偏心位置における棒状素材と鍛縮台の底面との接触軌跡を示す側面図である。
【図12】図12Aは、本実施の形態に係るアプセット成形装置において、受金の軸心に対して鍛縮台の軸心が楕円形状凹部の他方側に偏心した第2偏心位置を示す側面図、図12Bは、前記第2偏心位置における棒状素材と鍛縮台の底面との接触軌跡を示す側面図である。
【図13】図13A〜13Fは、それぞれ、棒状素材に対してアプセット成形が施される各工程を示す一部断面側面図である。
【図14】本実施の形態に係るアプセット成形装置において、前記第1偏心位置と前記第2偏心位置との場合における棒状素材と鍛縮台との接触軌跡である2重の環状帯を示す説明図である。
【図15】従来技術におけるアプセット成形装置において、棒状素材と鍛縮台との接触軌跡である単一の環状帯を示す説明図である。
【符号の説明】
【0055】
10、10a、10b…アプセット成形装置 12…ハウジング
14…空間部 18…受金
19…楕円形状凹部 20…棒状素材
22…鍛縮台 24…送り機構
25…偏心位置切換機構 30a、30b…電極
32…環状溝 36…ラチェット
38…係止爪 42…送りシリンダ
44a、44b…支持シャフト 46a、46b…ブッシュ
50…ばね部材 54a、54b…回動プレート
58…駆動用シリンダ 62、66a、66b…連結バー
64…支点ピン 67…アーム部
68…リング部 70a、70b…レバー部材
72…ロックナット
O1、O2、O3…軸心 E1、E2…環状帯
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成18年8月28日(2006.8.28)
【代理人】 【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏

【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸

【識別番号】100142066
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿島 直樹

【識別番号】100126468
【弁理士】
【氏名又は名称】田久保 泰夫


【公開番号】 特開2008−49388(P2008−49388A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−231021(P2006−231021)