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【発明の名称】 閉塞鍛造成形装置
【発明者】 【氏名】石原 裕文

【氏名】工藤 正

【氏名】半田 達郎

【要約】 【課題】型締めの際、閉塞荷重吸収手段への閉塞荷重負担を軽減させて、閉塞荷重吸収手段の消費エネルギーを低減させることのできる閉塞鍛造成形装置を提供する。

【構成】本閉塞鍛造成形装置1は、型締めの際に各ガスシリンダ3への閉塞荷重負担を軽減させると共に、成形上必要な閉塞荷重を付与するクッション機構2、すなわち、型締めの際、上側、下側ダイ20、21に作用する閉塞荷重を各ガスシリンダ3に伝達する円筒状伝達部材5と、該円筒状伝達部材5の周りに干渉可能に配設される筒状干渉部材6とを備えている。これにより、型締めの際には、円筒状伝達部材5が筒状干渉部材6に干渉するために、各ガスシリンダ3への閉塞荷重負担が軽減されると共に、干渉した際の反力により成形上必要な閉塞荷重が得られ、正常に鍛造成形加工を行った上で各ガスシリンダ3の消費エネルギーを低減させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
型締めの際に、ダイに作用する閉塞荷重を吸収する閉塞荷重吸収手段を備えた閉塞鍛造成形装置であって、
型締めの際の前記閉塞荷重吸収手段への閉塞荷重負担を軽減させると共に、成形上必要な閉塞荷重を付与するクッション機構を備えていることを特徴とする閉塞鍛造成形装置。
【請求項2】
前記クッション機構は、前記閉塞荷重吸収手段側へ移動して、型締めした際の閉塞荷重を前記閉塞荷重吸収手段へ伝達する伝達部材と、該伝達部材と干渉可能に配設される干渉部材とからなることを特徴とする請求項1に記載の閉塞鍛造成形装置。
【請求項3】
前記伝達部材は、前記干渉部材に圧入状態で干渉されることを特徴とする請求項2に記載の閉塞鍛造成形装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、一対のダイで型締めし素材を軸方向に加圧して閉塞鍛造成形する際、ダイに作用する閉塞荷重を吸収する閉塞荷重吸収手段を備えた閉塞鍛造成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、閉塞鍛造成形装置は、上下に設けられた、上側ポンチを備えた上側ダイと、下側ポンチを備えた下側ダイとで型締めし素材を軸方向に加圧して所定形状に閉塞鍛造成形するものであり、さらに、この閉塞鍛造成形装置には、型締めの際に上側ダイ及び下側ダイに作用する閉塞荷重を吸収しつつ、上側ダイと下側ダイとの閉塞荷重を成形上必要な所定荷重に維持する閉塞荷重吸収手段が備えられている。
【0003】
そこで、従来の閉塞鍛造成形装置70を、図6及び図7に基いて説明する。
従来の閉塞鍛造成形装置70には、図6及び図7に示すように、図示しない架台の上側にプレス本体10が上下動自在に配設され、このプレス本体10の下面に上側ダイセット11が連設されている。この上側ダイセット11は、次のように構成されている。
すなわち、プレス本体10の下面に上側ベースプレート12が一体的に結合されている。上側ベースプレート12の下面には、プレス本体10から圧力を受ける受圧ブロック13が一体的に結合されている。この受圧ブロック13には、後述する受圧部材14が挿入されると共に、上側ポンチ15が摺動自在となる貫通孔16が形成されている。そして、プレス本体10の下面の略中央部位から逆截頭錐状の受圧部材14が上側ベースプレート12を介して下方に向かって突設されて、受圧ブロック13内に配設される。さらに、受圧部材14の下端に上側ポンチ15が当接されて、この上側ポンチ15が受圧ブロック13の貫通孔16を摺動自在となる。この上側ポンチ15の上面からはノックアウトピン19が延びており、このノックアウトピン19は受圧部材14内に摺動自在に支持され、図示しない駆動手段に連結されている。
【0004】
また、受圧ブロック13の下面には、下側ダイ21との間でキャビティを形成する上側ダイ20及び上側ダイ補強リング22が一体的に結合されており、上側ポンチ15の先端が上側ダイ20内に摺動自在に挿通されている。この上側ダイ20の周りに上側ダイ補強リング22が一体的に結合されている。さらに、上側ベースプレート12の下面からは筒状の上側ダイホルダ23が受圧ブロック13の周りに垂設されて、上側ダイホルダ23の下端の内壁面が上側ダイ補強リング22の外壁面に一体的に結合されている。
【0005】
また、従来の閉塞鍛造成形装置70には、図6及び図7に示すように、閉塞荷重吸収手段として油圧シリンダ24が採用されており、油圧シリンダ24は、図示しない架台の下側に固着されるベースブロック31の内部に配設されている。油圧シリンダ24には、アキュムレータ25、油圧ポンプ26及び油タンク27がそれぞれ接続されている。そして、上側ダイ20と下側ダイ21との型締めの際、下側ダイ21の下降を許容しながら、上側ダイ20と下側ダイ21との閉塞荷重を成形上必要な所定荷重に維持している(図5参照)。
【0006】
油圧シリンダ24は、図6及び図7に示すように、ベースブロック31の内部に配設されており、油圧シリンダ24から出没する複数のシリンダロッド30、30がベースブロック31内に摺動自在に挿通されている。このベースブロック31の上面に下側ダイセット32が連設されている。この下側ダイセット32は次のように構成されている。
すなわち、ベースブロック31の上面には、略中央部分に貫通孔を有する下側ベースプレート36が一体的に結合されている。この下側ベースプレート36の貫通孔内には、截頭錐状の支持部材33が配設されている。この支持部材33から上方に向かって下側ポンチ34が一体的に延びている。この下側ポンチ34の先端部分には、該先端部分を摺動自在に支持して、下側ダイ21からの圧力を受ける受圧プレート35が配設されている。この受圧プレート35と、下側ダイ21とが一体的に結合されている。この下側ダイ21は、
下側ポンチ34の先端部分が摺動自在に挿通されると共に、素材100を支持する貫通孔を有し、上側ダイ20と型締めされる。
【0007】
また、下側ダイ21及び受圧プレート35の周りには下側ダイ補強リング40が一体的に結合されている。この下側ダイ補強リング40は、下側ベースプレート36の上面から筒状に立設された下側ダイホルダ41内に上下動自在に支持されている。さらに、下側ダイホルダ41の内部には、下側ポンチ34の上下方向略中間部分をガイドして下方に向かって拡開する貫通孔43を有する筒状のガイド部材42が配設されている。このガイド部材42は下側ダイホルダ41及び下側ベースプレート36に一体的に結合されている。また、下側ポンチ34の支持部材33の下面からはノックアウトピン38が延びており、このノックアウトピン38はベースブロック31に摺動自在に支持され、図示しない駆動手段に連結されている。そして、支持部材33はガイド部材42の貫通孔43内をノックアウトピン38の軸方向の作動により若干上下動できる構成になっている。さらに、下側ダイ補強リング40の下端面には、クッションピン39、39が周方向に間隔を開けて複数当接されている。
【0008】
そして、各クッションピン39、39の下端が、油圧シリンダ24の各シリンダロッド30、30の上端に当接されている。
【0009】
次に、従来の閉塞鍛造成形装置70の作用を、図6及び図7に基いて説明する。
まず、図6に示すように、素材100を下側ダイ21の貫通孔21aに挿通して下側ポンチ34の上面に置き保持する。次に、プレス本体10を下降させて上側ダイ20と下側ダイ21とを当接させて型締めする。
その後、図7に示すように、下側ダイ21及び下側ダイ補強リング40には下方に変位する力が作用し、下側ダイ21及び下側ダイ補強リング40は下側ポンチ34に対して下死点まで下降すると共に、下側ダイ21及び下側ダイ補強リング40は、各クッションピン39及び各シリンダロッド30を介して油圧シリンダ24により上方に向かって加圧されて、上側ダイ20と下側ダイ21との閉塞荷重が所定荷重に維持される。なお、図5には、従来の閉塞鍛造成形装置70による、上側ダイ20及び下側ダイ21の下死点までのストーロークに対応する閉塞荷重の推移を示しているが、図5から解るように、従来の閉塞鍛造成形装置70の油圧シリンダ24は、型締め後上側ダイ20及び下側ダイ21の下降を許容しながら、下死点までの全範囲において、閉塞荷重が成形上必要な所定荷重に維持されるように下側ダイ21を加圧している。
【0010】
そして、素材100が軸方向に加圧されて上側ダイ20と下側ダイ21とで形成されたキャビティの形状に沿った成形品が閉塞鍛造成形されるようになる。
最後に、プレス本体10が上昇して、上側ダイ20と下側ダイ21とが離れると同時に、上側ポンチ15の上面から延びるノックアウトピン19と、支持部材33の下面から延びるノックアウトピン38とがそれぞれ軸方向に作動することにより、成形品が上下方向から上側ポンチ15及び下側ポンチ34により押されて、閉塞鍛造成形装置70から取り出される。
【0011】
しかしながら、従来の閉塞鍛造成形装置70においては、油圧シリンダ24は、型締め後、上側ダイ20及び下側ダイ21の下降を許容しながら、上側ダイ20及び下側ダイ21が下死点まで下降するまでの全範囲において、成形上必要な閉塞荷重を維持すべく加圧しているために、その消費エネルギー(閉塞荷重とシリンダロッド30のストロークとの積)が相当大きくなり無駄であった。
【0012】
また、閉塞鍛造成形装置に係る従来技術として特許文献1には、型締めの際、型締め機構の内部に配設されるガスシリンダのガス圧によって上側ダイ、ダイホルダ、ピンおよび昇降部材に付勢される荷重が緩衝されるクッション機構を有した複動式鍛造成形装置が開示されている。
【特許文献1】特開2004−141883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述した特許文献1に係る複動式鍛造成形装置においても、図6及び図7に示す従来の閉塞鍛造成形装置70と同様に、ガスシリンダによって上側ダイ、ダイホルダ、ピンおよび昇降部材の上方への移動を許容しながら、閉塞荷重を維持しているために、その消費エネルギーが相当大きくなってしまい、まだ改善する余地がある。
【0014】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、型締めの際、閉塞荷重吸収手段への閉塞荷重負担を軽減させて、閉塞荷重吸収手段の消費エネルギーを低減させることのできる閉塞鍛造成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の閉塞鍛造成形装置は、型締めの際、閉塞荷重吸収手段への閉塞荷重負担を軽減させて、鍛造成形可能にする構成となっている。これにより、閉塞荷重吸収手段の消費エネルギーを低減させることができる。
【0016】
(発明の態様)
以下に、本発明の閉塞鍛造成形装置の各種態様を各項ごとにいくつか例示し、それらについて説明する。なお、各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付して、必要に応じて他の項を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施の形態等に参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要件を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
【0017】
(1)型締めの際に、ダイに作用する閉塞荷重を吸収する閉塞荷重吸収手段を備えた閉塞鍛造成形装置であって、型締めの際の前記閉塞荷重吸収手段への閉塞荷重負担を軽減させると共に、成形上必要な閉塞荷重を付与するクッション機構を備えていることを特徴とする閉塞鍛造成形装置。(請求項1に相当)
従って、(1)項の閉塞鍛造成形装置では、型締めの際の閉塞荷重吸収手段への閉塞荷重負担を軽減させると共に、成形上必要な閉塞荷重を付与するクッション機構を備えたことにより、正常に閉塞鍛造成形を行った上で閉塞荷重吸収手段への閉塞荷重負担を軽減させて、その消費エネルギーを低減させることが可能となる。
【0018】
(2)前記クッション機構は、前記閉塞荷重吸収手段側へ移動して、型締めした際の閉塞荷重を前記閉塞荷重吸収手段へ伝達する伝達部材と、該伝達部材と干渉可能に配設される干渉部材とからなることを特徴とする(1)項に記載の閉塞鍛造成形装置。(請求項2に相当)
従って、(2)項の閉塞鍛造成形装置では、型締めの際、伝達部材が閉塞荷重吸収手段側へ移動するが、その途中で干渉部材に干渉されるために、閉塞荷重吸収手段への閉塞荷重負担が軽減されると共に、伝達部材が干渉部材に干渉される際の反力が閉塞荷重として付与されて成形上必要な閉塞荷重が得られる。
【0019】
(3)前記クッション機構は、前記閉塞荷重吸収手段と、該閉塞荷重吸収手段側に移動して、型締めした際の閉塞荷重を前記閉塞荷重吸収手段へ伝達する伝達部材との間に、前記閉塞荷重吸収手段と前記伝達手段とを結ぶ方向に伸縮可能な弾性体を備えたことを特徴とする(1)項に記載の閉塞鍛造成形装置。
従って、(3)項の閉塞鍛造成形装置では、閉塞荷重吸収手段と伝達部材との間に、閉塞荷重吸収手段と伝達手段とを結ぶ方向に伸縮可能な弾性体を備えたので、該弾性体が第2の閉塞荷重吸収手段としての機能を果たし、伝達部材から閉塞荷重吸収手段への閉塞荷重負担が軽減されると共に、成形上必要な閉塞荷重が得られる。
【0020】
(4)前記伝達部材は、前記干渉部材に圧入状態で干渉されることを特徴とする(2)項に記載の閉塞鍛造成形装置。(請求項3に相当)
従って、(4)項の閉塞鍛造成形装置では、型締めの際、伝達部材は、干渉部材との圧入状態で閉塞荷重吸収手段側へ移動するので、閉塞荷重吸収手段への閉塞荷重負担が軽減されると共に、伝達部材が干渉部材との圧入状態で移動する際の反力が閉塞荷重として付与されて成形上必要な閉塞荷重が得られる。
【0021】
(5)前記伝達部材と前記干渉部材との干渉部は、テーパ状に形成されることを特徴とする(2)または(4)に記載の閉塞鍛造成形装置。
従って、(5)項の閉塞鍛造成形装置では、伝達部材を干渉部材との圧入状態で移動させる形態を容易に形成することができる。
【0022】
(6)前記伝達部材は、断面略円形状に形成され、該伝達部材の外壁面は前記閉塞荷重吸収手段側に向かって先細りのテーパ状に形成されると共に、前記干渉部材は、前記伝達部材を囲う略円形状の開口を有する筒状に形成され、前記干渉部材の内壁面は、前記伝達部材のテーパ状の外壁面と略同じテーパ状に形成されることを特徴とする(2)、(4)または(5)項のいずれかに記載の閉塞鍛造成形装置。
従って、(6)項の閉塞鍛造成形装置では、型締めの際、伝達部材が閉塞荷重吸収手段側へ移動すると、伝達部材の外壁面が干渉部材の内壁面にテーパ状で干渉し、伝達部材は干渉部材との圧入状態で移動するので、閉塞荷重吸収手段への閉塞荷重負担が軽減されると共に、伝達部材が干渉部材との圧入状態で移動される際の反力が閉塞荷重として付与されて成形上必要な閉塞荷重が得られる。
【0023】
(7)前記閉塞荷重吸収手段は、ガスシリンダであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の閉塞鍛造成形装置。
従って、(7)項の閉塞鍛造成形装置では、閉塞荷重吸収手段がガスシリンダで構成されているので、油圧シリンダに比べて、ポンプユニットや油圧配管等が不要となり、装置全体を簡素化することができ、油もれ等の懸念も無くなる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、型締めの際、閉塞荷重吸収手段への閉塞荷重負担を軽減させて、閉塞荷重吸収手段の消費エネルギーを低減させることのできる閉塞鍛造成形装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図1〜図5に基いて詳細に説明する。なお、従来例と同一部材は同一符号を使用して説明する。
本発明の実施の形態に係る閉塞鍛造成形装置1は、図1に示すように、図示しない架台の上側に上下動自在に配設されるプレス本体10の下面に連設され、上側ダイ20を備えた上側ダイセット11と、下側ダイ21を備えた下側ダイセット32と、型締めした際に上側ダイ20及び下側ダイ21に作用する閉塞荷重を吸収する閉塞荷重吸収手段であるガスシリンダ3と、下側ダイ21とガスシリンダ3との間に配設され、型締めの際にガスシリンダ3への閉塞荷重負担を軽減させると共に、成形上必要な閉塞荷重を上側ダイ20及び下側ダイ21に付与するクッション機構2とを備えている。
なお、上側ダイセット11及び下側ダイセット32は、図6及び図7に示す従来の閉塞鍛造成形装置70と同様であるためここでの説明を省略する。
【0026】
本閉塞鍛造成形装置1では、下側ダイセット32の複数の各クッションピン39、39が下側第1ベースブロック31a内に摺動自在に挿通されており、各クッションピン39、39の下端がスライドプレート4に当接している。このスライドプレート4は、下側第1ベースブロック31aの下部の略中央部位に設けられた凹部31a’内に上下方向にスライド可能に配設されている。
【0027】
クッション機構2は、スライドプレート4に上周端が当接されて、型締めの際、各クッションピン39、39に追従して各ガスシリンダ3側に移動し、上側ダイ20及び下側ダイ21に作用する閉塞荷重を各ガスシリンダ3に伝達する円筒状伝達部材5と、該円筒状伝達部材5の周りで、該円筒状伝達部材5に干渉可能に配設される筒状干渉部材6とから構成されている。また、筒状干渉部材6の外方には、補強部材7が配設されている。
円筒状伝達部材5の外壁面は、下方に向かって先細りとなるテーパ状に形成されている。一方、筒状干渉部材6の開口形状は略円形状に形成されており、その内壁面は、円筒状伝達部材5のテーパ状の外壁面と略同じテーパ状に形成されている。
ここで、図1及び図2に示す状態においては、円筒状伝達部材5の外壁面と筒状干渉部材6の内壁面とは、図4に示すように、所定の隙間Aが設けられている。
【0028】
また、図1に示すように、円筒状伝達部材5の下端面は、スペーサ8に当接されている。また、下側第2ベースブロック31bの内部に、複数のガスシリンダ3、3が各クッションピン39、39に対応する箇所に配設されている。そして、スペーサ8の下面に、各ガスシリンダ3、3のシリンダロッドがそれぞれ当接されている。
なお、第1下側ベースブロック31a、補強部材7及び第2下側ベースブロック31bの外形は略同一形状で形成されており、これら第1下側ベースブロック31a、補強部材7及び第2下側ベースブロック31bが、図示しない架台の下側に固着されている。
【0029】
次に、本発明の実施の形態に係る閉塞鍛造成形装置1の作用を、図1〜図5に基いて説明する。
まず、図1に示すように、素材100を下側ダイ21の貫通孔21aに挿通して下側ポンチ34の上面に置き保持する。
次に、図2に示すように、プレス本体10を下降させて上側ダイ20と下側ダイ21とを当接させて型締めする。型締めの際には、下側ダイ21及び下側ダイ補強リング40に下方に変位する力が作用し、下側ダイ21及び下側ダイ補強リング40が下降すると共に、各クッションピン39、39及びスライドプレート4を介して円筒状伝達部材5の下降が開始される。
【0030】
すると、図4に示すように、円筒状伝達部材5が所定距離B(本実施の形態では32mm)下降した時点(図4の点線で示す位置)で、円筒状伝達部材5の外壁面が筒状干渉部材6の内壁面に干渉する。なお、円筒状伝達部材5の外壁面が筒状干渉部材6の内壁面に干渉されるまでの間(図5の下死点までのストローク:40mm〜8mmの間)では、図5に示すように、上側ダイ20及び下側ダイ21は、各ガスシリンダ3により成形上必要な閉塞荷重に到達されない低圧で加圧されながら、下方への移動が許容される。
続いて、図4に示すように、円筒状伝達部材5が干渉位置(図4の点線の位置)から筒状干渉部材6との圧入状態で下死点(図4の2点鎖線の位置)まで下降する。すると、図5の、下死点までのストロークが8mm〜下死点の間の閉塞荷重の推移から解るように、円筒状伝達部材5には、各ガスシリンダ3からの加圧に加え、筒状干渉部材6との干渉による反力が比例的に付与されて、上側ダイ20と下側ダイ21との閉塞荷重が比例的に増加して、最終的に下死点の位置では閉塞荷重が成形上必要な所定荷重(本実施の形態では約160T)に到達する。
【0031】
そして、図3の段階、すなわち、上側ダイ20及び下側ダイ21が下死点まで下降した段階で、素材100が上側ダイ20と下側ダイ21とによる成形上必要な所定の閉塞荷重により軸方向に加圧されて、キャビティの形状に沿った成形品が鍛造成形される。
最後に、プレス本体10が上昇し、上側ダイ20と下側ダイ21とが離れると同時に、上側ポンチ15の上面から延びるノックアウトピン19と、支持部材33の下面から延びるノックアウトピン38とがそれぞれ軸方向に作動することで、成形品が上下方向から上側ポンチ15及び下側ポンチ34により押されて、本閉塞鍛造成形装置1から取り出される。
【0032】
なお、本発明の実施の形態に係る閉塞鍛造成形装置1では、円筒状伝達部材5の外壁面及び筒状干渉部材6の内壁面のテーパ角度は、軸線に沿う平面となす傾斜角度αとして略3°に設定されると共に、干渉前の円筒状伝達部材5の外壁面と筒状干渉部材6の内壁面との隙間Aは略1.7mmに設定されて、円筒状伝達部材5が略32mm程度下降した時点で、円筒状伝達部材5の外壁面が筒状干渉部材6の内壁面に干渉されるように設定されている。
また、円筒状伝達部材5は筒状干渉部材6との圧入状態で下降するために、円筒状伝達部材5及び筒状干渉部材6は共に変形するが、その変形は弾性変形の範囲内であり、複数回の使用にも対応できるようになっている。
【0033】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る閉塞鍛造成形装置1では、型締めの際に各ガスシリンダ3への閉塞荷重負担を軽減させると共に、成形上必要な閉塞荷重を付与するクッション機構2、すなわち、型締めの際、上側ダイ20及び下側ダイ21に作用する閉塞荷重を各ガスシリンダ3に伝達する円筒状伝達部材5と、該円筒状伝達部材5の周りに、該円筒状伝達部材5に干渉可能に配設される筒状干渉部材6とを備えている。
【0034】
そして、型締めの際には、上側ダイ20及び下側ダイ21が下降して、各クッションピン39及びスライドプレート4を介して円筒状伝達部材5が筒状干渉部材6に干渉するように下降し、その後、該円筒状伝達部材5は筒状干渉部材6との圧入状態で下死点まで下降するようになる。その結果、円筒状伝達部材5が筒状干渉部材6に干渉されるまでの間は、上側ダイ20及び下側ダイ21は、各ガスシリンダ3により成形上必要な所定の閉塞荷重に到達されない低圧で加圧されながら下降し、その後、円筒状伝達部材5の外壁面が筒状干渉部材6の内壁面に干渉し、円筒状伝達部材5が筒状干渉部材6との圧入状態で下降を続けると、円筒状伝達部材5には、各ガスシリンダ3からの加圧に加え、筒状干渉部材6との圧入状態による反力が比例的に付与され、最終的に下死点の位置では、上側ダイ20及び下側ダイ21の閉塞荷重が成形上必要な所定の閉塞荷重に到達し、鍛造成形が成される。
これにより、図5から解るように、各ガスシリンダ3の消費エネルギー(閉塞荷重とシリンダロッドのストロークとの積)が、従来の形態に比べて、約1/10程度に低減されるようになる。
【0035】
なお、本発明の実施の形態に係る閉塞鍛造成形装置1では、閉塞荷重吸収手段は、ガスシリンダ3を採用しているが、油圧シリンダ、空圧シリンダまたはコイルバネ等を採用してもよい。
また、本閉塞鍛造成形装置1のクッション機構2は、型締めの際、上側ダイ20及び下側ダイ21に作用する閉塞荷重を各ガスシリンダ3に伝達する円筒状伝達部材5と、該円筒状伝達部材5の周りに、該円筒状伝達部材5に干渉可能に配設される筒状干渉部材6とから構成されることを説明したが、クッション機構2を、図1において、筒状干渉部材6が配置される箇所に筒状ガイド部材を設け、該筒状ガイド部材の内部で、スペーサ4とスペーサ8との間に上下方向に伸縮可能な弾性体を配置する構成でもよい。これにより、弾性体が第2の閉塞荷重吸収手段としての機能を果すようになり、各ガスシリンダ3の消費エネルギーを低減させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る閉塞鍛造成形装置を示し、型締め前の状態を示す断面図である。
【図2】図2は、図1の閉塞鍛造成形装置で、上側ダイと下側ダイとが当接し型締めの状態を示す断面図である。
【図3】図3は、図1の閉塞鍛造成形装置で、上側ダイ及び下側ダイが下死点まで下降した状態を示す断面図である。
【図4】図4は、円筒状伝達部材と筒状干渉部材との位置関係を示し、円筒状伝達部材が筒状干渉部材に干渉される様子を示した図である。
【図5】図5は、下死点までのストロークに対応した閉塞荷重の推移を従来の形態と本実施の形態とで比較したグラフである。
【図6】図6は、従来の閉塞鍛造成形装置で、上側ダイと下側ダイとが当接し型締めの状態を示す断面図である。
【図7】図7は、従来の閉塞鍛造成形装置で、上側ダイ及び下側ダイが下死点まで下降した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 閉塞鍛造成形装置,2 クッション機構,3 ガスシリンダ(閉塞荷重吸収手段),5 円筒状伝達部材,6 筒状干渉部材,20 上側ダイ,21 下側ダイ

【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成18年8月25日(2006.8.25)
【代理人】 【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫

【識別番号】100093193
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 壽夫

【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫

【識別番号】100109690
【弁理士】
【氏名又は名称】小野塚 薫

【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫

【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏


【公開番号】 特開2008−49378(P2008−49378A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−229585(P2006−229585)