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【発明の名称】 パネルファスナーのかしめ治具、及び板体への固定方法
【発明者】 【氏名】工藤 典子

【要約】 【課題】パネルファスナーを板体の取付け孔に比較的容易にかしめ止めることが可能なかしめ治具、及びかしめ止める方法を提供する。

【構成】かしめ治具20は、回転工具21を嵌合させて回転操作が可能なような多角柱状に形成された本体部20aを有し、パネルファスナー10の螺子本体11の軸部11bに螺合させることが可能な雌螺子20bが本体部20aの一端から内部へ穿設され、雌螺子20bの開口部に向けて本体部20aが縮径し、縮径した先端20cがパネルファスナー10の管状部材13の薄肉部13b内に嵌合するように形成されたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部から延びる軸部に螺子山が刻まれた螺子本体と、当該螺子本体の頭部に固定されて軸部外周を途中まで覆うケーシングと、当該ケーシング内に出入可能なように前記螺子本体の軸部に環装され、後端が前記ケーシングの先端に係合し、先端に他の箇所よりも肉厚が薄いた薄肉部が設けられ、前記ケーシング内に設けられたバネにより螺子本体の先端方向に付勢された管状部材とを備えるパネルファスナーを、板体の取付け孔に固定するための治具であって、
当該治具は、回転工具を嵌合させて回転操作が可能なような多角柱状に形成された本体部を有し、前記パネルファスナーの螺子本体の軸部に螺合させることが可能な雌螺子が前記本体部の一端から内部へ穿設され、当該雌螺子の開口部に向けて本体部が縮径し、当該縮径した先端が前記パネルファスナーの管状部材の薄肉部内に嵌合するように形成されたものであるパネルファスナーのかしめ治具。
【請求項2】
頭部から延びる軸部に螺子山が刻まれた螺子本体と、当該螺子本体の頭部に固定されて軸部外周を途中まで覆うケーシングと、当該ケーシング内に出入可能なように前記螺子本体の軸部に環装され、後端が前記ケーシングの先端に係合し、先端に他の箇所よりも肉厚が薄いた薄肉部が設けられ、前記ケーシング内に設けられたバネにより螺子本体の先端方向に付勢された管状部材とを備えるパネルファスナーを、板体の取付け孔に固定する方法であって、
多角柱状に形成された本体部を有し、当該本体部の一端から内部へ雌螺子が穿設され、当該雌螺子の開口部に向けて本体部が縮径するように形成されたかしめ治具を使用し、
板体の一方の側面から取付け孔に、パネルファスナーの管状部材の薄肉部を挿入し、板体の他方の側面から取付け孔を介して、かしめ治具の縮径した先端部分を前記薄肉部内に挿入し、かしめ治具の雌螺子とパネルファスナーの螺子本体とを螺合させて相対的に捩り込むように回転操作し、所定以上捩り込むことにより前記薄肉部を押し広げて前記板体の取付け孔にかしめることを特徴とするパネルファスナーの板体への固定方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルファスナーを板体の取付け孔に固定するための治具、およびパネルファスナーを板体の取付け孔に固定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
板体に皿穴が形成され、この皿穴に所定部位をかしめて仮固定するパネルファスナーが従来から知られている。
このパネルファスナー10は、例えば、図5(a)(b)に示したように、螺子本体11とケーシング12と管状部材13とバネ14とから構成される。螺子本体11には、頭部11aから延びる軸部11bに螺子山11cが刻まれている。ケーシング12は、後端12aが螺子本体11の頭部11aに固定され、軸部11bの外周を途中まで覆い、先端に係止部12bを有するものである。管状部材13は、ケーシング12内に出入可能なように螺子本体11の軸部11bに環装され、後端にケーシング12の係止部12bに係合するフランジ部13aを有し、先端に他の箇所よりも肉厚が薄く形成された薄肉部13bが設けられ、内周面にはバネ14を収容するための拡大内径部13cが形成され、ケーシング12内に設けられたバネ14により螺子本体11の先端方向に付勢されている。
【0003】
パネルファスナー10は、図6(a)に示した従来のかしめ治具15を使用して板体16に仮固定される。
ここで、かしめ治具15は、円筒状に形成された本体部15aを有し、本体部15aの一方の端部から内部へ滑らかな円周面を有する孔15bが穿設され、当該孔15bの開口部に向けて本体部15aが縮径し、当該縮径した先端15cがパネルファスナー10の管状部材13の薄肉部13b内に嵌合するように形成され、本体部15aの他方の端部15dは平らに形成されたものである。
パネルファスナー10を板体16に仮固定する際には、板体16の一方の側面16aから取付け孔17に、パネルファスナー10の管状部材13の薄肉部13bを挿入し、板体15の他方の側面16bから取付け孔17を介して、かしめ治具15の縮径した先端15cを薄肉部13b内に挿入する。そして、パネルファスナー10を動かないように固定し、かしめ治具15の端部15dをハンマー等により打撃すると、かしめ治具15の縮径した先端15cがパネルファスナー10の薄肉部13bを拡大変形させ、取付け孔17の皿穴側に薄肉部13bがかしめ止められる。
【0004】
パネルファスナー10は、予め板体16にかしめ止められているため、筐体等の部品を板体16に螺子止めする際には、手から滑り落ちてしまうといった不都合がなく、部品組み立ての作業性を高めることができるものである。
しかしながら、パネルファスナー10をかしめ止める際には、パネルファスナー10を板体16の取付け孔17から動かないように押えたうえで、かしめ治具15により圧力を加えなければならず、かしめ止め作業自体が煩雑であるという不便さがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、パネルファスナーを板体の取付け孔に比較的容易にかしめ止めることが可能なかしめ治具、及びかしめ止める方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、課題を解決するための手段について、添付図面中の参照番号を付して説明する。
本発明では、頭部11aから延びる軸部11bに螺子山11cが刻まれた螺子本体11と、螺子本体11の頭部11aに固定されて軸部11bの外周を途中まで覆うケーシング12と、ケーシング12内に出入可能なように螺子本体11の軸部11bに環装され、後端13aがケーシング12の先端12bに係合し、先端に他の箇所よりも肉厚が薄いた薄肉部13bが設けられ、ケーシング12内に設けられたバネ14により螺子本体11の先端方向に付勢された管状部材13とを備えるパネルファスナー10を、板体16の取付け孔17に固定するための治具であって、この治具は、回転工具21を嵌合させて回転操作が可能なような多角柱状に形成された本体部20aを有し、パネルファスナー10の螺子本体11の軸部11bに螺合させることが可能な雌螺子20bが本体部20aの一端から内部へ穿設され、雌螺子20bの開口部に向けて本体部20aが縮径し、縮径した先端20cがパネルファスナー10の管状部材13の薄肉部13b内に嵌合するように形成されたものであるパネルファスナー10のかしめ治具20が提供される。
【0007】
また本発明では、頭部11aから延びる軸部11bに螺子山11cが刻まれた螺子本体11と、螺子本体11の頭部11aに固定されて軸部11bの外周を途中まで覆うケーシング12と、ケーシング12内に出入可能なように螺子本体11の軸部11bに環装され、後端がケーシング12の先端に係合し、先端に他の箇所よりも肉厚が薄いた薄肉部13bが設けられ、ケーシング12内に設けられたバネ14により螺子本体11の先端方向に付勢された管状部材13とを備えるパネルファスナー10を、板体の取付け孔に固定する方法であって、多角柱状に形成された本体部20aを有し、本体部20aの一端から内部へ雌螺子20bが穿設され、雌螺子20bの開口部に向けて本体部が縮径するように形成されたかしめ治具20を使用し、板体16の一方の側面16aから取付け孔17に、パネルファスナー10の管状部材13の薄肉部13bを挿入し、板体16の他方の側面16bから取付け孔17を介して、かしめ治具20の縮径した先端20cを薄肉部13b内に挿入し、かしめ治具20の雌螺子20bとパネルファスナー10の螺子本体11とを螺合させ、その後に相対的に捩り込むように回転操作し、所定以上捩り込むことにより薄肉部13bを押し広げて板体16の取付け孔17にかしめることを特徴とするパネルファスナー10の板体16への固定方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明のかしめ治具は、板体の取付け孔に挿入されたパネルファスナーの螺子本体に雌螺子を螺合させ、螺子本体を雌螺子に所定以上捩り込ませた後に、かしめ治具を回転工具により更に締め込むことにより、かしめ治具の先端でパネルファスナーの薄肉部を拡大変形させて板体の取付け孔にかしめ止めるものである。したがって、最初に、パネルファスナーとかしめ治具とを軽く螺合させてしまえば、その後のかしめ止め作業時には、パネルファスナーとかしめ治具とを手で保持し続ける必要がなく、取扱いが非常に簡単である。
またパネルファスナーの薄肉部を押し広げて板体の取付け孔にかしめ止める際にも、パネルファスナーとかしめ治具とを相対的に捩り込むだけでよいため、従来のようにハンマー等の打撃による衝撃や騒音がなくなり、作業の安全性も高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0010】
本発明のかしめ治具20は、図1及び図2に示したように、多角柱状に形成された本体部20aを有し、本体部20aの一端から内部へ雌螺子20bが穿設され、雌螺子20bの開口部に向けて本体部20aが縮径し、この縮径した先端20cがパネルファスナー10の管状部材13の薄肉部13b内に嵌合するように形成されたものである。
ここで、本体部20aの形状は、例えば、三角柱状、四角柱状、六角柱状等の多角柱状、または半円柱状等に形成することが可能であり、特に限定されるものではないが、六角柱状に形成した場合には、本体部20aに嵌合させて回転操作する回転工具21として、スパナ、メガネレンチ等の既存の工具を使用することが可能になる。また雌螺子20bは、パネルファスナー10の螺子本体11の軸部11bに螺合させることが可能なように穿設する。
【0011】
本発明のかしめ治具20を使用してパネルファスナー10を板体16にかしめ止める際には、最初に、板体16の一方の側面16aから取付け孔17にパネルファスナー10の管状部材13の薄肉部13bを挿入し、板体16の他方の側面16bから取付け孔17に、かしめ治具20の縮径した先端20cを挿入し、図3のように、かしめ治具20の雌螺子20bをパネルファスナー10の螺子本体11に螺合させる。このとき、かしめ治具20の縮径した先端20cは、パネルファスナー10の管状部材13の薄肉部13b内に嵌合している。また取付け孔17は皿穴状に形成されたものであり、パネルファスナー10は皿穴の縮径側、かしめ治具20は皿穴の拡径側に挿入される。
図3の状態から、手指などによりパネルファスナー10とかしめ治具20とを回転操作し、螺子本体11を雌螺子20b内に捩り込んでいくと、螺子本体11の頭部11aが管状部材13の後端13aに接触し、手指による捩り込みが困難になる。このような状態になったら、パネルファスナー10の螺子本体11にドライバー22を嵌合させ、かしめ治具20の本体部20aにレンチ21を嵌合させ、このレンチ21で締め込む。これにより、かしめ治具20の縮径した先端20cがパネルファスナー10の薄肉部13bに捩じ込まれ、薄肉部13bが拡大変形して皿穴にかしめ止められる。かしめ治具20は、パネルファスナー10をかしめ止めた後に、逆方向に回転させて取り外す。
このように、かしめ治具20を使用すれば、パネルファスナー10の薄肉部を押し広げて皿穴にかしめ止める際にも、従来のようにハンマー等でかしめ治具を打撃する必要がなくなり、衝撃や騒音が発生せず、作業も比較的安全なものになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)は本発明のかしめ治具の側面図であり、(b)は断面図である。
【図2】本発明のかしめ治具を他の工具と共に使用する状態を示した斜視図である。
【図3】本発明のかしめ治具によりパネルファスナーを板体にかしめる工程を示す断面図である。
【図4】図3に引き続く、かしめ工程を示した断面図である。
【図5】(a)はパネルファスナーの側面図であり、(b)は断面図である。
【図6】(a)〜(c)は、従来のかしめ治具を使用してパネルファスナーを板体にかしめ止める方法を示した図である。
【符号の説明】
【0013】
10 パネルファスナー
11 螺子本体
11a 頭部
11b 軸部
11c 螺子山
12 ケーシング
12b 先端
13 管状部材
13a 後端
13b 薄肉部
14 バネ
16 板体
17 取付け孔
20 かしめ治具
20a 本体部
20b 雌螺子
20c 縮径した先端
21 回転工具
22 ドライバー
【出願人】 【識別番号】000108708
【氏名又は名称】タキゲン製造株式会社
【出願日】 平成18年7月27日(2006.7.27)
【代理人】 【識別番号】100081514
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 一

【識別番号】100082692
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵合 正博


【公開番号】 特開2008−30068(P2008−30068A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−204085(P2006−204085)