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【発明の名称】 ローラー式鍛造機
【発明者】 【氏名】王 聖堯

【要約】 【課題】回転する一対の鍛造ローラーの間を通過する金属素材に一定程度の圧力をかけて加工済みの金属素材の縮径量を略均一にすることができるローラー式鍛造機を提供する。

【解決手段】回転する一対の鍛造ローラー31,32によって該一対の鍛造ローラー31,32の間を通過する所定の搬送ルート22に沿って搬送されてくる金属素材7に対して圧力をかけて塑性加工し、予定の形状になすローラー式鍛造機において、通過する金属素材7への押圧力を所定に調整することができるように構成され、また、前記一対の鍛造ローラー31,32が、所定の位置に配置固定されている固定ローラー31と、前記固定ローラー31と併設され、且つ通過する金属素材7のサイズに応じて、付勢手段の制御により前記固定ローラー31に対し近接したり離間したりして揺動することができるように配置構成されている可動ローラー32とからなるローラー式鍛造機を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する一対の鍛造ローラーによって該一対の鍛造ローラーの間を通過する所定の搬送ルートに沿って搬送されてくる金属素材に対して圧力をかけて塑性加工し、予定の形状になすローラー式鍛造機において、
前記一対の鍛造ローラーは、前記ルートを挟んでおり、且つ、搬送されてくる金属素材のサイズに応じて互いに近接したり離間したりし、通過する金属素材への押圧力を所定に調整することができるように構成され、
また、前記一対の鍛造ローラーが、所定の位置に配置固定されている固定ローラーと、前記固定ローラーと併設されており、且つ、前記通過する金属素材のサイズに応じて前記固定ローラーに対し近接したり離間したりして揺動することができるように配置構成されている可動ローラーとからなっており、
更に、前記可動ローラーに対し、該可動ローラーの揺動によって押圧されて対応の付勢力を生じ、該可動ローラーを介して該可動ローラーと前記固定ローラーとの間を通過する金属素材への押圧力を所定に調整する付勢手段が更に設置構成されていることを特徴とするローラー式鍛造機。
【請求項2】
前記固定ローラー及び前記可動ローラーに動力を供給する動力手段と、
その位置が固定されており、且つ、前記可動ローラーがそれを揺動中心として取付けられている揺動軸と、
その位置が固定されており、且つ、前記動力手段により駆動されて回転するように構成されている第1の駆動軸と、
ユニバーサルジョイントを介して前記第1の駆動軸により回転駆動されると共に、前記可動ローラーを回転駆動するように配置構成されている連動軸とを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載のローラー式鍛造機。
【請求項3】
前記固定ローラーを搭載し、且つ前記動力手段による回転を前記固定ローラーに伝動するように配置構成されている第2の駆動軸と、
前記第1の駆動軸と前記第2の駆動軸にそれぞれ固定され、互いに噛み合っている第1及び第2の歯車とを更に有しており、前記第1の駆動軸と前記第2の駆動軸の回転を逆方向且つ同期的にさせることを特徴とする請求項2に記載のローラー式鍛造機。
【請求項4】
前記可動ローラーと共に揺動する上、それ自体が自在に回転し、且つ、前記付勢手段に当接して押圧し前記対応の付勢力を生じさせることができるように配置構成されているサブローラーを更に備えており、
また、前記付勢手段は固定配置されている固定ブロックと、前記サブローラーに当接する可動ブロックと、前記固定ブロックと前記可動ブロックの間に配置される圧縮コイルばねとを有し、前記可動ブロックが前記サブローラーにより前記固定ブロックの方へ押圧されると、前記圧縮コイルばねが圧縮されて前記対応の付勢力を生じさせることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のローラー式鍛造機。
【請求項5】
前記固定ブロックの固定位置は調整可能にされていて、該固定ブロックの位置調整により前記圧縮コイルばねの圧縮量の下限を変更して前記付勢力及び前記金属素材への押圧力を調整することができることを特徴とする請求項4に記載のローラー式鍛造機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はローラー式鍛造機に関し、特に、回転する一対の鍛造ローラーによって通過する金属素材に対して圧力をかけて塑性加工を行うローラー式鍛造機に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は特許文献1において開示されているローラー式鍛造機の一部構成を示す要部説明図である。
【0003】
図1に示すように、該ローラー式鍛造機は回転する一対の鍛造ローラー4,4によって該一対の鍛造ローラー4,4の間を通過する所定の搬送ルート13に沿って搬送されてくるナット3の一端に対して圧力をかけて絞り加工を行い、該一端を図2に示すように径を縮める(縮径)ことができる。
【特許文献1】台湾実用新案公告第497506号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のローラー式鍛造機では、一対の鍛造ローラー4,4は共に固定位置で回転駆動されるので、該一対の鍛造ローラー4,4の間を通過したナット3の縮径後の直径は、加工前のサイズと関係なく全て該一対の鍛造ローラー4,4の間の距離と一致したサイズになるので、ナット3の加工前のサイズに応じて一定の具合で絞り加工を行うことができず、加工前のナット3にばらつきがある場合、絞り過ぎや絞り不足で廃棄せざるを得ない加工品が増えるのは必至である。
【0005】
この問題点に鑑みて、本発明は、回転する一対の鍛造ローラーの間を通過する金属素材に一定程度の圧力をかけて加工済みの金属素材の縮径量を略均一にすることができるローラー式鍛造機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、回転する一対の鍛造ローラーによって該一対の鍛造ローラーの間を通過する所定の搬送ルートに沿って搬送されてくる金属素材に圧力をかけて塑性加工し、予定の形状になすローラー式鍛造機において、前記一対の鍛造ローラーは、前記ルートを挟んでおり、且つ、搬送されてくる金属素材のサイズに応じて互いに近接したり離間したりし、通過する金属素材への押圧力を所定に調整することができるように構成され、また、前記一対の鍛造ローラーは、所定の位置に配置固定されている固定ローラーと、前記固定ローラーと併設されており、且つ、前記通過する金属素材のサイズに応じて前記固定ローラーに対し近接したり離間したりして揺動することができるように配置構成されている可動ローラーとからなっており、更に、前記可動ローラーに対し、該可動ローラーの揺動によって押圧されて対応の付勢力を生じ、該可動ローラーを介して該可動ローラーと前記固定ローラーとの間を通過する金属素材への押圧力を所定に調整する付勢手段が更に設置構成されていることを特徴とするローラー式鍛造機を提供する。
【0007】
また、本発明のローラー式鍛造機は、前記固定ローラー及び前記可動ローラーに動力を供給する動力手段と、その位置が固定されており、且つ、前記可動ローラーがそれを揺動中心として取付けられている揺動軸と、その位置が固定されており、且つ、前記動力手段により駆動されて回転するように構成されている第1の駆動軸と、ユニバーサルジョイントを介して前記第1の駆動軸により回転駆動されると共に、前記可動ローラーを回転駆動するように配置構成されている連動軸とを更に備えることが好ましい。
【0008】
更に、上記ローラー式鍛造機の動力関係では、前記固定ローラーを搭載し、且つ前記動力手段による回転を前記固定ローラーに伝動するように配置構成されている第2の駆動軸と、前記第1の駆動軸と前記第2の駆動軸にそれぞれ固定され、互いに噛み合っている第1及び第2の歯車とを更に有しするように構成し、前記第1の駆動軸と前記第2の駆動軸の回転を逆方向且つ同期的にさせるようになされることが好ましい。
【0009】
更にまた、上記ローラー式鍛造機において、前記可動ローラーと共に揺動する上、それ自体が自在に回転し、且つ、前記付勢手段に当接して押圧し前記対応の付勢力を生じさせることができるように配置構成されているサブローラーを更に備え、また、前記付勢手段は固定配置されている固定端と、前記サブローラーに当接していて前記固定端の方へ押圧されることにより前記対応の付勢力を生じさせる可動端とを有する圧縮コイルばねを用いるように設置構成されることが好ましい。
【0010】
その上、前記固定端の固定位置は調整可能にされていて該固定端の位置調整により前記付勢手段の固定端と可動端との間の距離の上限を変更して前記付勢力及び前記金属素材への押圧力を調整することができることようにすることができる。
【発明の効果】
【0011】
上記構成によれば、本発明のローラー式鍛造機は、金属素材に絞り加工を行う2つの鍛造ローラーの1つを可動にする上、付勢手段を用いて該可動の鍛造ローラーに付勢力を与えることによって、該2つの鍛造ローラーの間の距離を金属素材のサイズに応じて調整できるようにすることで、付勢手段により制御される一定程度の圧力を金属素材にかけることによって。加工済みの金属素材の縮径量を略均一にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下において図面を参照しながら本発明のローラー式鍛造機の好ましい実施形態について詳しく説明する。
【0013】
図3は本発明のローラー式鍛造機の構成を示す要部透視図である。
【0014】
図示のように、該ローラー式鍛造機1は、固定ローラ31と可動ローラ32とからなっている一対の鍛造ローラー31,32によって該一対の鍛造ローラー31,32の間を通過する所定の搬送ルート22に沿って搬送されてくる金属素材7に圧力をかけて絞り加工を行うものであり、該一対の鍛造ローラー31,32はルート22を挟んでおり、且つ、搬送されてくる金属素材7のサイズに応じて互いに近接したり離間したりすることによって、それらの間を通過する金属素材7への押圧力を所定に調整することができるように構成されている。
【0015】
前記搬送ルート22は、図中では該一対の鍛造ローラー31,32の上方に配置された振動プレート21から供給されたナット状金属素材7を該一対の鍛造ローラー31,32の間に通過するように搬送し、そして加工済みの金属素材7を排出口23へ送るように構成されたコンベヤによりなされたものである。振動プレート21は、その振動効果を利用して金属素材をコンベヤ上に一つずつ整列させることができる。
【0016】
該一対の鍛造ローラー31,32については、図4及び図5を図3にあわせて参照しながら説明する。図4は本発明のローラー式鍛造機の動力手段6及び可動ローラ32の駆動関係を示す側面透視図であり、図5は該一対の鍛造ローラー31,32の駆動関係を示す上面透視図である。
【0017】
図5に示すように、動力手段6は、モータ61と、第2の駆動軸311(後述)に固定されていて該第2の駆動軸311と共に回転することができる駆動盤62と、モータ61と駆動盤62に掛け渡されているベルト63を有することによって、モータ61からの回転駆動力を駆動盤62に伝えて第2の駆動軸311を回転駆動することができる。
【0018】
図3及び4に示すように、本発明のローラー式鍛造機は、その位置が固定的であり、且つ回転自在に配置された揺動軸41を有している。図5において右側に配置された可動ローラー32は、揺動軸41に回転可能に取付けられていて該揺動軸41を中心として揺動することができる。また、可動ローラー32自身の回転軸心である連動軸322は、ユニバーサルジョイント323を介して、第1の駆動軸321と連動して回転できるようになっている。第1の駆動軸321はその位置が固定的に配置される上、第1の歯車324を有している。
【0019】
この構成によって、可動ローラー32及び連動軸322は、揺動軸41を中心として揺動可能になっていると共に、第1の駆動軸321と第1の歯車と324と、全て連動して同じ方向に回転できるようになっている。
【0020】
また、図中において左側に配置された固定ローラー31は、第2の駆動軸311と共に回転可能に配置されている。第2の駆動軸311はその位置が固定的に配置される上、第1の駆動軸321が有する第1の歯車324と噛み合っている第2の歯車312を有している。第2の駆動軸311と第2の歯車312と固定ローラ31とは、駆動盤62及び駆動盤62とモータ61に掛け渡っているベルト63の伝動によって、モータ61により回転駆動されるように構成され、また、第1の駆動軸321や可動ローラ32は、第1と第2の歯車324,312の噛み合いにより、第2の駆動軸311逆方向且つ同期的に回転するようになっている。
【0021】
次いで、図3、図6及び図7を用いて可動ローラの揺動を制御する付勢手段5について説明する。
【0022】
図中では可動ローラー32の下側に配置された付勢手段5は、金属素材7によって右側に押されて揺動する可動ローラー32に押された場合に対応する付勢力を生じ、該可動ローラー32を介して両ローラー31,32の間を通過する金属素材7への押圧力を所定に調整するように配置構成されている。
【0023】
更に詳しく説明すると、可動ローラー32は付勢手段5の上方に配置されて回転自在に取付けられていて付勢手段5に当接するサブローラー44を備えており、付勢手段5は下側に固定配置されている固定ブロック52と、該固定ブロック52の上方に配置されてサブローラー44に当接する可動ブロック53と、該固定ブロック52及び可動ブロック53の間に配置される圧縮コイルばね54とを有し、可動ブロック53がサブローラー44により固定ブロック52の方へ押圧されると、圧縮コイルばね54が圧縮されて対応する付勢力を可動ブロック及びサブローラーに通じて可動ローラー32及び金属素材7に与えることができる。
【0024】
即ち、金属素材7のサイズが比較的に小さい場合、付勢手段5からの付勢力により可動ローラー32は固定ローラー31に接近する位置に揺動するので、付勢手段5は図6に示すように、可動ブロック53が比較的に上に位置し、圧縮コイルばね54も長く伸びている。そして、金属素材7のサイズが比較的に大きい場合において、可動ローラー32は金属素材7により押し退けられて固定ローラー31から離間する位置に揺動すると共に、付勢手段5は図7に示すように、サブローラー44によって可動ブロック53が固定ブロック52の方向に押されているので、圧縮コイルばね54も少し圧縮されることになる。この場合、圧縮コイルばね54から生じる付勢力も、サブローラー44や可動ローラー32を通じて金属素材7に与えられて、絞り加工が行われる。
【0025】
また、この実施形態において、付勢手段5が有する固定ブロック52と可動ブロック53と圧縮コイルばね54とは、筒状に形成された設置座51の中に収容されている上、固定ブロック52の固定位置が調整可能にされているので、該固定位置の調整により、圧縮コイルばね54の圧縮量の下限が変えられ、生じる付勢力及び金属素材7への押圧力が調整できる。
【0026】
上記構成によると、本発明のローラー式鍛造機が有する可動ローラー32は、付勢手段5からの付勢力により固定ローラー31に近接し、また、可動ローラー32と固定ローラー31の間を通過する金属素材7のサイズに応じて固定ローラー31から離間して付勢手段5が有する圧縮コイルばね54を圧縮すると共に、該圧縮される圧縮コイルばね54からの反力を金属素材7に与えて絞り加工を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
上記構成によると、本発明は、回転する一対の鍛造ローラーによって該一対の鍛造ローラーの間を通過する所定の搬送ルートに沿って搬送されてくる金属素材のサイズに応じて、該金属素材にかける押圧力を調整することができるので、加工済みの金属素材の縮径量を略均一にすることができる。例えば、ナットの絞り加工などに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】従来のローラー式鍛造機の一例の構成を示す略示図である。
【図2】同従来のローラー式鍛造機により加工されたナットの形状を示す断面図である。
【図3】本発明のローラー式鍛造機の構成を示す要部透視図である。
【図4】同ローラー式鍛造機の動力手段及び可動ローラーの駆動関係を示す側面透視図である。
【図5】同ローラー式鍛造機が有する一対の鍛造ローラーの駆動関係を示す上面透視図である。
【図6】同ローラー式鍛造機が有する可動ローラーの揺動を制御する付勢手段の作動を示す部分透視図である。
【図7】同ローラー式鍛造機が有する可動ローラーの揺動を制御する付勢手段の作動を示す部分透視図である。
【符号の説明】
【0029】
1 ローラー式鍛造機
21 振動プレート
22 搬送ルート
23 排出口
31 固定ローラー
311 第2の駆動軸
312 第2の歯車
32 可動ローラー
321 第1の駆動軸
322 連動軸
323 ユニバーサルジョイント
324 第1の歯車
41 揺動軸
44 サブローラー
5 付勢手段
51 設置座
52 固定ブロック
53 可動ブロック
54 圧縮コイルばね
6 動力手段
61 モータ
62 駆動盤
63 ベルト
7 金属素材
【出願人】 【識別番号】508159271
【氏名又は名称】恒耀工業股▲ふん▼有限公司
【出願日】 平成20年5月28日(2008.5.28)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆

【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦

【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉


【公開番号】 特開2008−296279(P2008−296279A)
【公開日】 平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願番号】 特願2008−140071(P2008−140071)