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【発明の名称】 転造ダイス
【発明者】 【氏名】梅林 義弘

【氏名】内田 隆太

【要約】 【課題】転造ダイスによるねじの転造精度を確保しつつ、転造ダイスの加工の時間を短縮し、製造コストの削減を図ることができる転造ダイスを提供すること。

【解決手段】丸ダイス10は、非歯形面12及び2重ねじ形成用歯形面11を備える。その2重ねじ形成用歯形面11を丸ダイス10に直接形成し、丸ダイス10と2重ねじ形成用歯形面11とを一体とし2重ねじ形成用歯形面11の位置ずれを防止すると共に、丸ダイス10の非歯形面12に平坦面部12cと補助溝12d,12eとを設けることで丸ダイス10に対する歯形の加工量を低減する。よって、転造ダイスによるねじの転造精度を確保しつつ、転造ダイスの加工の時間を短縮し、製造コストの削減を図ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじを形成するためのねじ形成用歯形面を略円筒形状の外周面に有する丸ダイスと、ねじを形成するためのねじ形成用歯形面を略円弧形状の内周面に有する少なくとも1つのセグメントダイスとを備え、そのセグメントダイスに対向して配設される前記丸ダイスを前記セグメントダイスに対して回転させることにより、前記丸ダイスのねじ形成用歯形面と、前記セグメントダイスのねじ形成用歯形面との間に狭持された被転造素材の外周面を塑性変形させ、ねじを転造する転造ダイスにおいて、
前記丸ダイスは、前記ねじ形成用歯形面と、
そのねじ形成用歯形面に連設される非歯形面とを備え、
その非歯形面は、平坦面状に形成される平坦面部と前記ねじ形成用歯形面の歯形より浅い凹形状に形成される補助溝との少なくとも一方または両方を備えて構成されていることを特徴とする転造ダイス。
【請求項2】
前記セグメントダイスのねじ形成用歯形面は、前記被転造素材に食い付く食付き部と、その食付き部の転造方向後端に連設されると共に前記被転造素材を仕上げる仕上げ部と、その仕上げ部の転造方向後端に連設されると共に前記被転造素材を仕上げ部から排出する逃げ部とを備え、
その逃げ部は、前記仕上げ部の転造方向後端に連設されると共に前記セグメントダイスのねじ形成用歯形面のねじ山頂部と前記丸ダイスのねじ形成用歯形面のねじ山頂部との隙間が前記ねじの外径と谷の径と足した値の半分より小さく設定される第1逃げ部と、
前記第1逃げ部の転造方向後端に連設されると共に前記セグメントダイスのねじ形成用歯形面のねじ山頂部と前記丸ダイスのねじ形成用歯形面のねじ山頂部との隙間が前記ねじの外径と谷の径とを足した値の半分より大きく設定される第2逃げ部とを備え、
前記丸ダイスのねじ形成用歯形面の転造方向長さは、前記食付き部の転造方向長さと前記仕上げ部の転造方向長さと前記第1逃げ部の転造方向長さとを足した長さより長く形成されていることを特徴とする請求項1記載の転造ダイス。
【請求項3】
前記補助溝は、前記丸ダイスのねじ形成用歯形面の転造方向両端に連設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の転造ダイス。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、転造ダイスに関し、特に、転造ダイスによるねじの転造精度を確保しつつ、転造ダイスの加工の時間を短縮し、製造コストの削減を図ることができる転造ダイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ねじを転造する転造ダイスとして、丸ダイスとセグメントダイスとを組み合わせて転造するロータリー式転造ダイスが知られている。
【0003】
このロータリー式転造ダイスは、固定されたセグメントダイスに対して丸ダイスを回転させて転造を行うものであるが、一般的には丸ダイスの外周面すべてが転造に使われるのではなく、一部に未使用部分が生じる。また、転造に使用されている部分が摩耗、破損した場合には、未使用部分が使用されないまま丸ダイス全体が交換されていた。
【0004】
そこで、例えば、特開2004−255448号公報には、着脱可能な加工部材15を有するローラダイス(丸ダイス)5と、セグメントダイス25とを組み合わせて使用する転造ダイス1が開示されている。この転造ダイス1によれば、被転造素材に歯形を形成するねじ形状(ねじ形成用歯形面)16が加工部材15に形成され、加工部材15が摩耗、破損した場合には、加工部材15のみを交換すればよく、ローラダイス5全体を交換することが不要となる(特許文献1)。
【0005】
また、例えば、特開平1−317648号公報には、プラネタリー丸ダイス12の全周を万遍なく使用することができるねじ転造プラネタリダイス10が開示されている。このねじ転造プラネタリダイス10は、プラネタリー転造盤の回転シャフトに固定される角度を変えることで、プラネタリー丸ダイス12の全周を万遍なく使用し、プラネタリー丸ダイス12の全周を万遍なく摩耗させることができる(特許文献2)。
【特許文献1】特開2004−255448号公報
【特許文献2】特開平1−317648号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特開2004−255448号公報記載の技術では、加工部材15がローラダイス(丸ダイス)5に着脱可能な構成であるため、ローラダイス5及び加工部材15に着脱のための構造を設ける必要がある。よって、構造が複雑になり加工コストが嵩むため、その分、転造ダイス1の製品コストが嵩むという問題点があった。
【0007】
さらに、加工部材15とローラダイス(丸ダイス)5とが別体にて構成されていると、ローラダイス5が加工部材15を保持する力が弱くなるので、転造時に加工部材15の位置ずれが発生し、加工精度が悪化するという問題点があった。
【0008】
また、特開平1−317648号公報記載の技術では、プラネタリー丸ダイス12の外周面全周にねじ形成用歯形面が加工されている構成であるため、ねじ形成用歯形面の加工に時間が掛かり、製造コストが嵩むという問題点があった。
【0009】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、転造ダイスによるねじの転造精度を確保しつつ、転造ダイスの加工の時間を短縮し、製造コストの削減を図ることができる転造ダイスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、請求項1記載の転造ダイスは、ねじを形成するためのねじ形成用歯形面を略円筒形状の外周面に有する丸ダイスと、ねじを形成するためのねじ形成用歯形面を略円弧形状の内周面に有する少なくとも1つのセグメントダイスとを備え、そのセグメントダイスに対向して配設される前記丸ダイスを前記セグメントダイスに対して回転させることにより、前記丸ダイスのねじ形成用歯形面と、前記セグメントダイスのねじ形成用歯形面との間に狭持された被転造素材の外周面を塑性変形させ、ねじを転造するものであって、前記丸ダイスは、前記ねじ形成用歯形面と、そのねじ形成用歯形面に連設される非歯形面とを備え、その非歯形面は、平坦面状に形成される平坦面部と前記ねじ形成用歯形面の歯形より浅い凹形状に形成される補助溝との少なくとも一方または両方を備えて構成されている。
【0011】
請求項2記載の転造ダイスは、請求項1記載の転造ダイスにおいて、前記セグメントダイスのねじ形成用歯形面は、前記被転造素材に食い付く食付き部と、その食付き部の転造方向後端に連設されると共に前記被転造素材を仕上げる仕上げ部と、その仕上げ部の転造方向後端に連設されると共に前記被転造素材を仕上げ部から排出する逃げ部とを備え、その逃げ部は、前記仕上げ部の転造方向後端に連設されると共に前記セグメントダイスのねじ形成用歯形面のねじ山頂部と前記丸ダイスのねじ形成用歯形面のねじ山頂部との隙間が前記ねじの外径と谷の径と足した値の半分より小さく設定される第1逃げ部と、前記第1逃げ部の転造方向後端に連設されると共に前記セグメントダイスのねじ形成用歯形面のねじ山頂部と前記丸ダイスのねじ形成用歯形面のねじ山頂部との隙間が前記ねじの外径と谷の径とを足した値の半分より大きく設定される第2逃げ部とを備え、前記丸ダイスのねじ形成用歯形面の転造方向長さは、前記食付き部の転造方向長さと前記仕上げ部の転造方向長さと前記第1逃げ部の転造方向長さとを足した長さより長く形成されている。
【0012】
請求項3記載の転造ダイスは、請求項1又は2に記載の転造ダイスにおいて、前記補助溝は、前記丸ダイスのねじ形成用歯形面の転造方向両端に連設されている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の転造ダイスによれば、丸ダイスは、非歯形面を備えているので、ねじ形成用歯形面が丸ダイスの全周に加工される場合に比べて、非歯形面を有する分、ねじ形成用歯形面への歯形の加工を省略することができるので、転造ダイスの加工の時間を短縮し、製造コストの削減を図ることができるという効果がある。
【0014】
また、非歯形面は、平坦面状に形成される平坦面部を備えても良い。この場合、ねじ形成用歯形面が丸ダイスの全周に加工される場合に比べて、平坦面部を有する分、ねじ形成用歯形面への歯形の加工を省略することができるので、転造ダイスの加工の時間を短縮し、製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
【0015】
また、非歯形面は、ねじ形成用歯形面の歯形より浅い凹形状に形成される補助溝を有しても良い。この場合、ねじ形成用歯形面が丸ダイスの全周に加工される場合に比べて、補助溝を有する分、ねじ形成用歯形面への歯形の加工を省略することができるので、転造ダイスの加工の時間を短縮し、製造コストの削減を図ることができるという効果がある。
【0016】
また、非歯形面は、平坦面状に形成される平坦面部とねじ形成用歯形面の歯形より浅い凹形状に形成される補助溝との両方を有しても良い。この場合、ねじ形成用歯形面が丸ダイスの全周に加工される場合に比べて、平坦面部を有する分、ねじ形成用歯形面への歯形の加工を省略することができると共に補助溝を有する分、ねじ形成用歯形面への歯形の加工量を削減することができる。よって、転造ダイスの加工の時間を短縮し、製造コストの削減を図ることができるという効果がある。
【0017】
また、ねじ形成用歯形面を放電加工にて加工しても良い。この場合、補助溝が形成された部位にねじ形成用歯形面を放電加工することでねじ形成用歯形面を加工するための加工量を少なくでき、放電電極の消耗を低減できるという効果がある。
【0018】
また、例えば、ねじ形成用歯形面を別部材に加工して丸ダイスと別体とする場合には、丸ダイス及び別部材に着脱する為の着脱構造を設ける必要があり、構造が複雑になり加工コストが嵩むという問題がある。
【0019】
これに対し、本発明によれば、丸ダイスに直接ねじ形成用歯形面を加工することで、丸ダイスとねじ形成用歯形面とが1つの部材として構成されるので着脱構造を設けることを省略することができる。よって、転造ダイスの構造を簡素化できるので、転造ダイスの加工コストを削減し、製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
【0020】
また、同様に、ねじ形成用歯形面を別部材に加工して丸ダイスと別体とする場合には、ねじ形成用歯形面が加工された別部材を丸ダイスが保持する力が弱くなるので、大きな力をかけて転造すると、丸ダイスに対してねじ形成用歯形面が加工された別部材の位置ずれが発生しやすく、転造されるねじの加工精度が悪化するという問題が発生する。
【0021】
これに対し、本発明によれば、丸ダイスに直接ねじ形成用歯形面を加工することで、丸ダイスとねじ形成用歯形面とが1つの部材として構成されるのでねじ形成用歯形面が加工された別部材の丸ダイスに対する位置ずれは発生し難い。これにより、転造されるねじの加工精度を確保することができるという効果がある。
【0022】
請求項2記載の転造ダイスによれば、請求項1記載の転造ダイスの奏する効果に加え、転造盤の破損を防止することができるという効果がある。例えば、転造時に滑りが発生して丸ダイスのねじ形成用歯形面以外の面(非歯形面)により被転造素材が狭持された場合には、セグメントダイスと丸ダイスとが離間する方向に力が作用しセグメントダイスと丸ダイスとを固定している転造盤が破損するおそれがある。
【0023】
これに対し、本発明によれば、丸ダイスのねじ形成用歯形面の転造方向長さを、食付き部の転造方向長さと仕上げ部の転造方向長さと第1逃げ部の転造方向長さとを足した長さより長く形成したので、丸ダイスのねじ形成用歯形面とセグメントダイスのねじ形成用歯形面とに滑りが発生しても、転造の始めと終わりとで被転造素材を非歯形面にて挟み込むことを防止することができる。よって、転造時に滑りが発生した場合でも、丸ダイスのねじ形成用歯形面にてねじを転造することができるので、転造盤の破損を防止することができるという効果がある。
【0024】
請求3記載の転造ダイスによれば、請求項1又は2に記載の転造ダイスの奏する効果に加え、丸ダイスのねじ形成用歯形面の転造方向両端に連設される補助溝を備えているので、転造ダイスの加工の時間を短縮し、製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
【0025】
即ち、補助溝は、丸ダイスのねじ形成用歯形面の転造方向両端に連設されるものであり、1個の溝がねじ形成用歯形面によって転造方向に分断されることで形成される。その結果、補助溝の加工開始位置と加工終了位置とは、ねじ形成用歯形面以外(非歯形面)に配設され転造には使用されない。
【0026】
ここで、補助溝の加工は、研削加工にて行われるが、補助溝の加工を行う研削工程は、研削砥石を丸ダイスとなる素材に接触させて研削を開始し、離間させて研削を終了するものであり、その研削工程を繰り返すことで補助溝の加工が進む。よって、できるだけ速く研削砥石を動かし研削工程を繰り返すことが転造ダイスの加工の時間を短縮し、製品コストの削減を図ることに繋がる。
【0027】
しかしながら、研削加工においては、加工開始に研削砥石を丸ダイスに接触させ、加工終了時に離間させて研削砥石の送り方向を変えるため、研削加工機の可動部に介在する隙間を詰める間は研削砥石の送りが止まる。またNC研削加工機を使った場合にも、コンピュータが送り方向を演算する間は研削砥石の送りが止まる。
【0028】
このように、研削砥石が止まると、そのときに研削していた部位の温度が上昇し、丸ダイスに焼きなましが入る。焼きなましが入ると丸ダイスの強度が落ち、丸ダイスの耐久性が悪化するという問題が発生する。そのため、研削砥石を送る速度を遅くして温度の上昇を防止する必要がある。
【0029】
これに対し、本発明では、丸ダイスのねじ形成用歯形面の転造方向両端に連設される補助溝を備えているので、焼きなましが発生する部位はねじ形成用歯形面以外の部位であり、転造を行う場合には、その部位に焼きなましが発生していても問題とはならない。よって、焼きなましが発生することを気にすることなく研削砥石を速く送って、研削工程を速く繰り返すことができる。これにより、丸ダイスの耐久性を確保しつつ転造ダイスの加工の時間を短縮し、製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、丸ダイス10を組み付けたロータリー式転造盤100について説明する。図1は、ロータリー式転造盤100の概略を示した概略平面図である。なお、図面を簡略化するために、丸ダイス10が備える複数(本実施の形態では2個)の2重ねじ形成用歯形面11の内の1の2重ねじ形成用歯形面11にのみ符号を付して、他の2重ねじ形成用歯形面11への符号は省略する。
【0031】
ロータリー式転造盤100は、転造ダイス1によって略円柱形状の被転造素材Bの外周面を塑性変形させて2重ねじのおねじを有するねじB1を転造する装置であり、一方向(図1紙面反時計まわり方向)に回転する主軸101を有して構成されている。
【0032】
転造ダイス1は、主軸101に嵌合され、略円筒形状に構成される丸ダイス10と、その丸ダイス10の外周面に対向する位置にセグメントダイスホルダ103にて保持されたセグメントダイス20とを有して構成されている。
【0033】
また、丸ダイス10の内周面には、丸ダイス10の回転軸心方向(図1紙面垂直方向)に向かって延びるダイス用キー溝10aが凹設されている。同様に主軸101にもダイス用キー溝10aに対応して主軸用キー溝101aが凹設されており、この両キー溝10a,101aにキー102が挿入されることにより、丸ダイス10がキー102を介して主軸101に嵌合されている。
【0034】
丸ダイス10は、略円柱形状の被転造素材Bの外周面を塑性変形させて2重ねじのおねじを有するねじB1を転造する部材であり、転造に適した合金工具鋼又は高速度工具鋼の金属材料にて構成され、被転造素材Bを転造する複数(本実施の形態では2個)の2重ねじ形成用歯形面11と、その2重ねじ形成用歯形面11の両端部に連設される複数(本実施の形態では2個)の非歯形面12とを有して構成されている。
【0035】
また、複数(本実施の形態では2個)の2重ねじ形成用歯形面11の内の1の2重ねじ形成用歯形面11に対して180度対向する位置に他の2重ねじ形成用歯形面11が形成されている。また、同様に、複数(本実施の形態では2個)の非歯形面12の内の1の非歯形面12に対して180度対向する位置に他の非歯形面12が形成されている。
【0036】
2重ねじ形成用歯形面11は、丸ダイス10の外周面にL1の長さに形成されると共に略円柱形状の被転造素材Bの外周面を塑性変形させて細目ねじ歯形及び並目ねじ歯形を同一面上に有する2重ねじのおねじを有するねじB1を転造する部位である。また、2重ねじ形成用歯形面11の面上には、細目ねじ形成用歯形11j(図3参照)と、その細目ねじ形成用歯形11jの半分のピッチを有する並目ねじ形成用歯形11k(図3参照)とが形成されている。
【0037】
また、2重ねじ形成用歯形面11の両端部には、研削砥石により研削が開始される部位である始端11a及び研削砥石により研削が終了される部位である終端11bが形成されている。始端11aは、丸ダイス10の転造方向側(図1紙面反時計回り側)に位置され、終端11bは、丸ダイス10の転造方向と反対側(図1紙面時計回り側)に位置されている。
【0038】
非歯形面12は、丸ダイス10の外周面に配設され、丸ダイス10の外周面に沿って平坦面状に構成される平坦面部12cとその平坦部に連設されると共に凹設される補助溝12d及び補助溝12eを有して構成されている。
【0039】
補助溝12dは、細目ねじ形成用歯形11j(図3参照)及び並目ねじ形成用歯形11k(図3参照)のねじ山高さより浅い深さで丸ダイス10の外周面に加工されると共に研削砥石により研削が開始される部位である始端12aを有している。
【0040】
補助溝12eは、細目ねじ形成用歯形11j(図3参照)及び並目ねじ形成用歯形11k(図3参照)のねじ山高さより浅い深さで丸ダイス10の外周面に加工されると共に研削砥石により研削が終了される部位である終端12bを有している。
【0041】
また、セグメントダイス20は、前述した丸ダイス10と共に被転造素材Bを狭持して、その被転造素材Bの外周面を塑性変形させて2重ねじのおねじを有するねじB1を転造する部材であり、丸ダイス10と同様に、転造に適した合金工具鋼又は高速度工具鋼の金属材料にて略円弧形状に構成されおり、被転造素材Bを転造する2重ねじ形成用歯形面21を有して構成されている。
【0042】
即ち、丸ダイス10の外周面に形成される2重ねじ形成用歯形面11とセグメントダイス20の2重ねじ形成用歯形面21を相対移動させることにより、細目ねじ歯形及び並目ねじ歯形を同一面上に有する2重ねじのおねじを有するねじB1を転造する部材である。
【0043】
2重ねじ形成用歯形面21は、セグメントダイス20の内周面にL3の長さに形成されると共に略円柱形状の被転造素材Bの外周面を塑性変形させて細目ねじ歯形及び並目ねじ歯形を同一面上に有する2重ねじのおねじを有するねじB1を転造する部位である。また、2重ねじ形成用歯形面21は、被転造素材Bに食い付く食付き部22と、その食付き部22の転造方向後端に連設される仕上げ部23と、その仕上げ部23の転造方向後端に連設される第1逃げ部24と、その第1逃げ部24の転造方向後端に連設される第2逃げ部25とを有して構成されている。
【0044】
また、食付き部22と仕上げ部23と第1逃げ部24とはそれぞれの転造方向長さを足した長さがL2となるように形成されている。
【0045】
2重ねじ形成用歯形面21の両端部には、被転造素材Bの転造が開始される部位である始端21a及び、被転造素材Bの転造が終了される部位である終端21bが形成されている。この始端21aは、丸ダイス10の転造方向と反対側(図1紙面時計回り側)に位置され、終端21bは、丸ダイス10の転造方向側(図1紙面反時計回り側)に位置されている。
【0046】
第1逃げ部24は、その第1逃げ部24のねじ山頂部(図示せず)と丸ダイス10の2重ねじ形成用歯形面11のねじ山頂部(図示せず)との隙間が2重ねじの外径と谷の径と足した値の半分より小さくなるように形成されており、第2逃げ部25は、その第2逃げ部25のねじ山頂部(図示せず)と丸ダイス10の2重ねじ形成用歯形面11のねじ山頂部(図示せず)との隙間が2重ねじB1の外径と谷の径と足した値の半分以上になるように形成されている。
【0047】
即ち、本実施の形態によれば、2重ねじ形成用歯形面11が丸ダイス10の全周に加工される場合に比べて、丸ダイス10の外周面に沿って平坦面状に構成される平坦面部12cを有する分、丸ダイス10への歯形の加工を省略できると共に、細目ねじ形成用歯形11j(図3参照)及び並目ねじ形成用歯形11k(図3参照)のねじ山高さより浅い深さで丸ダイス10の外周面に加工される補助溝12d及び補助溝12eとを備える分、丸ダイス10への歯形の加工量を削減できる。よって、丸ダイス10の加工の時間を短縮し、製造コストの削減を図ることができる。
【0048】
また、例えば、2重ねじ形成用歯形面11を別部材に加工して丸ダイス10と別体とする場合には、丸ダイス10及び2重ねじ形成用歯形面11に着脱する為の着脱構造を設ける必要があり、構造が複雑になり加工コストが嵩むという問題がある。
【0049】
これに対し、本実施の形態によれば、丸ダイス10に直接2重ねじ形成用歯形面11を加工することで、丸ダイス10と2重ねじ形成用歯形面11とが1つの部材として構成されるため、着脱構造の加工を省略することができる。よって、丸ダイス10の構造を簡素化できるので、転造ダイス1の加工の時間を短縮し、製品コストの削減を図ることができる。
【0050】
同様に、2重ねじ形成用歯形面11を別部材に加工して丸ダイス10と別体とする場合には、2重ねじ形成用歯形面11が加工された別部材を丸ダイス10が保持する力が弱くなるので、大きな力をかけて転造すると、丸ダイス10に対して2重ねじ形成用歯形面11が加工された別部材の位置ずれが発生しやすく、転造されるねじB1の加工精度が悪化するという問題が発生する。
【0051】
これに対し、本実施の形態によれば、丸ダイス10に直接2重ねじ形成用歯形面11を加工することで、丸ダイス10と2重ねじ形成用歯形面11とが1つの部材として構成されるので、2重ねじ形成用歯形面11を別部材に加工して丸ダイス10と別体とする場合に比べて剛性が高くなり、2重ねじ形成用歯形面11の丸ダイス10に対する位置ずれが発生し難くなる。これにより、転造されるねじB1の加工精度を確保することができる。
【0052】
また、例えば、丸ダイス10の2重ねじ形成用歯形面11とセグメントダイス20のねじ形成用歯形面21とに滑りが発生した場合には、2重ねじ形成用歯形面11の長さL1と、食付き部22と仕上げ部23と第1逃げ部24とのそれぞれの転造方向長さを足した長さL2とが略同一の長さに設定されていると、被転造素材Bを非歯形面12にて挟み込む。よって、セグメントダイス20と丸ダイス10とが離間する方向に力が作用して、セグメントダイス20と丸ダイス10とを固定している転造盤100が破損するおそれがある。
【0053】
これに対し、本実施の形態によれば、丸ダイス10の外周面に形成される2重ねじ形成用歯形面11の長さL1は、セグメントダイス20の内周面に形成される2重ねじ形成用歯形面21の長さL3より長く形成されると共に、2重ねじ形成用歯形面11の始端11aから距離L4(L4<L1−L3)の部位と、2重ねじ形成用歯形面21の始端21aとによって被転造素材Bを狭持して転造を開始するので2重ねじ形成用歯形面11の終端11bから距離L5(L5=L3―L1―L4)を残して転造を終了することができる。
【0054】
即ち、2重ねじ形成用歯形面11は、被転造素材Bを狭持する部位の転造方向両側に転造に使用されない部位を有する。
【0055】
よって、丸ダイス10の2重ねじ形成用歯形面11とセグメントダイス20のねじ形成用歯形面21とに滑りが発生した場合でも、滑った距離が距離L5より小さければ、転造の始めと終わりとで被転造素材Bを非歯形面12にて挟み込むことを防止できる。その結果、セグメントダイス20と丸ダイス10とが離間する方向に力が作用することを防ぐことができるので、転造盤100の破損を防止することができる。
【0056】
次いで、図2を参照して、丸ダイス10の外周面の構成について説明する。図2は、丸ダイス10の外周面全周の展開図である。なお、図2では、丸ダイス10の転造盤100への取付面(図1紙面垂直方向奥側の面)を上側(図2上側)に向けて配置している。よって、被転造素材Bは、始端11aから終端11bに向かって(図2右方向)転造される。また、図2(a)の左右方向に向かって記載されている尺度は丸ダイスの回転軸心に対する中心角を示している。
【0057】
まず、丸ダイス10を製造する工程についての概略を説明する。本実施の形態における丸ダイス10(図1参照)の製造工程では、合金工具鋼又は高速度工具鋼等にて構成される素材に補助溝12d及び補助溝12eを研削加工する補助溝研削工程と、研削された素材を放電加工する放電加工工程とを有している。また、放電加工工程は、第1放電加工工程と早送り工程と第2放電加工工程とを有している。
【0058】
補助溝研削工程では、合金工具鋼又は高速度工具鋼等にて構成される素材に補助溝12d及び補助溝12eと同一断面形状の複数(本実施の形態では2個)の溝の群(図示せず)を長さL6分だけ研削加工する。即ち、研削砥石を素材の研削を開始すべき部位に接近させて補助溝12d及び補助溝12eと同一断面形状の複数(本実施の形態では2個)の溝の群(図示せず)の研削加工を開始し、研削を開始すべき部位から長さL6離れた部位まで研削した後に、研削砥石をその部位から離間させ、再び研削を開始すべき部位に接近させて研削加工を繰り返す。よって、補助溝12d,12eと同一断面形状の複数(本実施の形態では2個)の溝の群(図示せず)が研削された素材が作られる。
【0059】
次いで、第1放電加工工程では、複数(本実施の形態では2個)の溝の群(図示せず)が研削された素材に、2重ねじの形状をした放電電極(図示せず)にて複数(本実施の形態では2個)の2重ねじ形成用歯形面11の内の1の2重ねじ形成用歯形面11を長さL1分だけ放電加工する。
【0060】
なお、放電電極(図示せず)は、丸ダイス10の転造方向(図1反時計回り方向)に丸ダイス10(図1参照)の軸心を回転中心として公転されつつその公転方向と同一方向に自転される。よって、放電電極に形成された2重ねじと略同一形状の2重ねじ形成用歯形面11(図1参照)が形成される。即ち、放電電極に形成された2重ねじは右ねじであり、2重ねじ形成用歯形面11は、右ねじの2重ねじを転造できるものとなる。
【0061】
次いで、早送り工程では、放電加工を停止して、第1放電加工工程で使用した放電電極(図示せず)を他の2重ねじ形成用歯形面11の加工が開始される位置まで第1放電加工工程での公転速度より速い速度にて搬送する。
【0062】
次いで、第2放電加工工程では、早送り工程にて搬送された放電電極(図示せず)を使って、第1放電加工工程にて1の2重ねじ形成用歯形面11が放電加工された素材に、1の2重ねじ形成用歯形面11に対して180度対向する位置に他の2重ねじ形成用歯形面11を長さL1分だけ放電加工する。
【0063】
その結果、補助溝12d及び補助溝12eと平坦面部12cと2重ねじ形成用歯形面11とを有する丸ダイス10が作られる。
【0064】
ここで、研削加工の特徴について説明する。研削加工においては、研削加工を開始するために研削砥石を被加工物(素材)に接近させたり、研削加工を終了するために研削砥石を離間させたりするなど、研削砥石の送り方向を変える必要がある。この場合には、研削砥石を送る動力源がその動力源と研削砥石との間に介在する隙間を詰める間は研削砥石が止まってしまう。また、NC研削加工機を使った場合にも、コンピュータが送り方向を演算する時間は、研削砥石の送りが止まってしまう。
【0065】
このように、研削砥石の送りが止まってしまうと同一の部位での研削量が増加すると共に研削による発熱量が増加し、そのときに研削していた部位の温度が上昇する。よって、被加工物(素材)に焼きなましが入り、被加工物の強度が落ちるという問題が発生する。そこで、研削砥石を送る速度を遅くして温度が上昇しないように工夫をしている。
【0066】
図2に示すように、本実施の形態では、研削にて形成される補助溝12d及び補助溝12eの間には、平坦面部12cが連設されており、研削砥石を丸ダイス10から離間させないようにして平坦面部12cを形成することはできない。
【0067】
そこで、平坦面部12cを形成するために、補助溝12d及び補助溝12eの研削加工をおこなう際には、補助溝12d及び補助溝12eと同一断面形状の複数(本実施の形態では2個)の溝の群(図示せず)を研削加工した後に研削砥石を丸ダイス10(図1参照)となる素材の外周面から離間させて平坦面部12cを形成し、再び接近させて補助溝12d及び補助溝12eを研削加工する工程を繰り返して研削加工しなければならない。よって、できるだけ速く研削砥石を送ることが転造ダイスの加工の時間を短縮し、製品コストの削減を図ることに繋がる。
【0068】
上述したように、本実施の形態では、補助溝12d及び補助溝12eは、補助溝12d及び補助溝12eと同一断面形状の複数(本実施の形態では2個)の溝の群(図示せず)の加工が開始される部位である始端12aと、加工が終了される部位である終端12bとを有している。
【0069】
それら始端12a及び終端12bは、転造に使用されない部位であると共に焼きなましが入りやすい部位である。即ち、それらの部位は、転造には使用されない部位であるため焼きなましが入っても転造加工には影響を与えない。
【0070】
よって、補助溝12d及び補助溝12eを研削加工する際には、丸ダイス10に焼きなましが入らないように丸ダイスの研削速度を遅く調整する必要がなく、焼きなましの発生を気にすることなく研削加工の速度を速めることができる。これにより、丸ダイス10の耐久性を確保しつつ丸ダイス10の加工の時間を短縮し、製品コストの削減を図ることができる。
【0071】
ここで、図3を参照して、丸ダイス10が備える2重ねじ形成用歯形面11と補助溝12d及び補助溝12eの構成について説明する。
【0072】
図3(a)は、2重ねじ形成用歯形面11と補助溝12d及び補助溝12eとの部分拡大展開図であり、図3(c)から図3(g)は、それぞれ図3(a)のc−c線からg−g線における2重ねじ形成用歯形面11の部分拡大断面図であり、図3(b)及び図3(h)は、補助溝12d及び補助溝12eの部分拡大断面図である。
【0073】
なお、図3(a)では、2重ねじ形成用歯形面11の並目ねじ形成用歯形11kの山頂線を実線で、細目ねじ形成用歯形11jの山頂線を破線で、それぞれ示す一方、谷底線を省略して図示しており、また、図2(a)の左右方向に向かって記載されている尺度Sは丸ダイスの回転軸心に対する中心角を示しており、尺度Rは、ねじB1の回転軸心に対する中心角を示している。
【0074】
また、図3(c)から図3(g)では、理解を容易とするために、細目ねじ形成用歯形11jの形状を2点鎖線にて仮想的に図示しており、図3(b)及び図3(h)では、理解を容易とするために、細目ねじ形成用歯形11j及び並目ねじ形成用歯形11kの形状を2点鎖線にて仮想的に図示している。
【0075】
図3(a)に示すように、2重ねじ形成用歯形面11は、並目ねじ形成用歯形11kと細目ねじ形成用歯形11jとを有して構成されている。並目ねじ形成用歯形11kは、被転造素材Bに2重ねじの並目ねじ部分を転造するものであり、細目ねじ形成用歯形11jは、被転造素材Bに2重ねじの細目ねじ部分を転造するものである。
【0076】
また、並目ねじ形成用歯形11kと細目ねじ形成用歯形11jとは互いに交差して延びており、細目ねじ形成用歯形11jのピッチは、並目ねじ形成用歯形11kに対して半分のピッチで構成されている。よって、2重ねじ形成用歯形面11の転造方向(図3(a)左右方向)へ位相が360度ずれるごとに、細目ねじ形成用歯形11jが並目ねじ形成用歯形11kを横切ることになる。
【0077】
その結果、細目ねじ形成用歯形11jは、図3(c)から図3(f)に示すように隣り合った並目ねじ形成用歯形11kの内の一方の並目ねじ形成用歯形11kから他方の並目ねじ形成用歯形11kに向けて断面積を徐々に変化させつつずれていく。よって、丸ダイス10は、リードの異なる並目ねじと細目ねじとが併存する2重ねじを転造することができる。
【0078】
図3(b)及び図3(h)に示すように、補助溝12d及び補助溝12eは、丸ダイス10の外周面に凹設されるものであり、補助溝12d及び補助溝12eと同一断面形状の溝の群(図示せず)に2重ねじ形成用歯形面11を放電加工することで形成されている。
【0079】
即ち、2重ねじ形成用歯形面11は、放電電極(図示せず)により補助溝12d及び補助溝12eと同一断面形状の溝の群(図示せず)が加工された部位に更に放電加工されることで形成されている。よって、放電電極により加工される部分を削減することができるので、放電電極が放電加工により消耗する量を低減することができる。
【0080】
その結果、1個の放電電極(図示せず)で加工できる丸ダイス10の数が増え、放電電極を交換する間隔を長くすることができる。これにより、放電電極の交換回数が少ない分、放電電極を交換するための費用が削減され、製造コストの削減を図ることができる。
【0081】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0082】
上記実施の形態では、非歯形面12に平坦面部12cと補助溝12d及び補助溝12eを形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、平坦面部12cのみで構成しても良い。この場合、ねじ形成用歯形面11が丸ダイス10の全周に加工される場合に比べて、平坦面部12cが形成される分、ねじ形成用歯形面11への歯形の加工を省略することができるので、丸ダイス10の加工の時間を短縮し、製品コストの削減を図ることができる。
【0083】
上記実施の形態では、非歯形面12に平坦面部12cと補助溝12d及び補助溝12eを形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、補助溝12d及び補助溝12eのみで構成しても良い。この場合、ねじ形成用歯形面11が丸ダイス10の全周に加工される場合に比べて、補助溝12d及び補助溝12eを有する分、ねじ形成用歯形面11への歯形の加工を省略することができるので、丸ダイス10の加工の時間を短縮し、製品コストの削減を図ることができる。
【0084】
さらに、この場合、平坦面部12cの形成が省略されるため、平坦面部12cを形成するために研削砥石を丸ダイスの外周面から離間させたり接近させたりする動作が加工開始と加工終了との1回ずつで良く、NC研削加工機を使用しなくても、汎用の研削加工機で加工ができる。その結果、丸ダイス10を研削加工するために高性能な加工機を使う必要が無く、効率的に汎用の加工機を稼働させることができる。
【0085】
上記実施の形態では、丸ダイス10の2重ねじ形成用歯形面11の長さL1がセグメントダイスの2重ねじ形成用歯形面21の長さL3より長い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、丸ダイス10の2重ねじ形成用歯形面11の長さL1を食付き部22の転造方向長さと仕上げ部23の転造方向長さと第1逃げ部24の転造方向長さとを足した長さL2より長く形成しても良い。
【0086】
この場合、丸ダイス10の2重ねじ形成用歯形面11の長さL1をL3より大きく設定した場合に比べて、丸ダイス10の2重ねじ形成用歯形面11の長さL1をさらに短くできるので2重ねじ形成用歯形面11の加工の時間が短縮される。よって、丸ダイス10の加工の時間を短縮し、製品コストの削減を図ることができる。また、被転造素材Bに滑りが発生した場合でも、転造の始めと終わりとで被転造素材Bを非歯形面12にて挟み込むことを防止できるので、転造時に滑りが発生した場合でも、転造盤100の破損を防止することができる。
【0087】
上記実施の形態では、放電電極(図示せず)が丸ダイス10の自転方向(図1反時計回り方向)に丸ダイス10の軸心を回転中心として公転されつつその公転方向と同一方向に自転される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、公転方向と反対方向に自転されても良い。この場合、放電電極に形成された2重ねじが右ねじであれば、2重ねじ形成用歯形面11には左ねじの2重ねじを転造できる歯形面を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】ロータリー式転造盤の概略を示した概略平面図である。
【図2】(a)は、丸ダイスの外周面全周の展開図である。
【図3】(a)は、2重ねじ形成用歯形面および補助溝の部分拡大展開図である。また、(c)から(g)は、それぞれ図3(a)のc−c線からg−g線における2重ねじ形成用歯形面の部分拡大断面図であり、(b)及び(h)は、それぞれ図3(a)のb−b線及びh−h線における補助溝の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0089】
1 転造ダイス
10 丸ダイス
11、21 2重ねじ形成用歯形面(ねじ形成用歯形面)
11a 始端(ねじ形成用歯形面の一部)
11b 終端(ねじ形成用歯形面の一部)
11j 細目ねじ形成用歯形(ねじ形成用歯形面の一部)
11k 並目ねじ形成用歯形(ねじ形成用歯形面の一部)
12 非歯形面
12a 始端(補助溝の一部)
12b 終端(補助溝の一部)
12c 平坦面部(補助溝の一部)
12d,12e 補助溝
20 セグメントダイス
22 食付き部
23 仕上げ部
24 第1逃げ部(逃げ部の一部)
25 第2逃げ部(逃げ部の一部)
L1 丸ダイスの2重ねじ形成用歯形面の長さ(丸ダイスのねじ形成用歯形面の転造方向長さ)
L2 食付き部の転造方向長さと仕上げ部の転造方向長さと第1逃げ部の転造方向長さとを足した長さ
B 被転造素材
B1 ねじ
【出願人】 【識別番号】000103367
【氏名又は名称】オーエスジー株式会社
【出願日】 平成19年3月8日(2007.3.8)
【代理人】 【識別番号】110000534
【氏名又は名称】特許業務法人しんめいセンチュリー


【公開番号】 特開2008−221228(P2008−221228A)
【公開日】 平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願番号】 特願2007−58673(P2007−58673)