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微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法 - 特開2008−68285 | j-tokkyo
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【発明の名称】 微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法
【発明者】 【氏名】▲高▼嶋 和彦

【氏名】太田 稔

【氏名】上原 義貴

【要約】 【課題】円柱状のワークの外周面又はワークが有する円形孔の内周面に対して精度良好に微細凹部を形成することができ、加工時間の大幅な短縮を実現することが可能である微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法を提供する。

【構成】表面に複数の高硬度の微細凸部を具備した加工帯10と、加工帯10をワークWの外周面Woに押し付け可能とした押付けローラ5を備え、加工帯10はワークWの外周面Woの被加工部分の軸心方向長さと同等の帯幅寸法wを有し且つ被加工部分の円周方向長さと同等の帯長寸法lを有し、被加工部分の軸心方向に帯幅方向を合致させた加工帯10の微細凸部を押付けローラ5でワークWの外周面Woに一定の荷重又は変位で押し付けた状態で、ワークWの外周面Woと加工帯10の微細凸部との接触位置を円周方向に相対的に移動させる主軸3及び加工帯駆動部6を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱状のワークの外周面又はワークが有する円形孔の内周面に対して円周方向に沿って微細凹部を形成する微細凹部加工装置であって、表面に複数の高硬度の微細凸部を具備した加工帯と、この加工帯をワークの外周面又は円形孔の内周面に押し付け可能とした押付け部を備え、加工帯はワークの外周面又は円形孔の内周面における被加工部分の軸心方向長さと同等ないしは大きい帯幅寸法を有し且つワークの外周面又は円形孔の内周面における被加工部分の円周方向長さと同等ないしは大きい帯長寸法を有し、上記被加工部分の軸心方向に帯幅方向を合致させた加工帯の微細凸部を押付け部でワークの外周面又は円形孔の内周面に一定の荷重又は変位で押し付けた状態で、ワークの外周面又は円形孔の内周面と加工帯の微細凸部との接触位置を円周方向に相対的に移動させる移動手段を設けたことを特徴とする微細凹部加工装置。
【請求項2】
円柱状のワークを軸心周りに回転駆動する回転駆動手段及び加工帯をワークの接線方向に移動させる加工帯駆動手段のうちの少なくともいずれか一方を移動手段とした請求項1に記載の微細凹部加工装置。
【請求項3】
加工帯をリング状に加工又は成形して加工リングと成し、円柱状のワークを軸心周りに回転駆動する回転駆動手段及び加工リングをその中心軸周りに回転駆動する加工リング駆動手段のうちの少なくともいずれか一方を移動手段とした請求項1に記載の微細凹部加工装置。
【請求項4】
加工帯をリング状に加工又は成形して加工リングと成し、円形孔を有するワークを軸心周りに回転駆動する回転駆動手段及びワークが有する円形孔内に挿入した加工リングを円形孔の内周面に沿って転動させる加工リング駆動手段のうちの少なくともいずれか一方を移動手段とした請求項1に記載の微細凹部加工装置。
【請求項5】
加工帯は、微細凸部を具備した形状加工帯部と、弾性部材から成る変形帯部とをワークの軸心方向に交互に並べて成っている請求項1〜4のいずれか一つの項に記載の微細凹部加工装置。
【請求項6】
加工帯は、弾性部材から成る薄い変形帯部上に、微細凸部を具備した複数の形状加工帯部をワークの軸心方向に適宜間隔をおいて並べて成っている請求項1〜4のいずれか一つの項に記載の微細凹部加工装置。
【請求項7】
加工帯の微細凸部を有する面とは反対側の面に、変形帯部とは異なる弾性率の弾性部材から成る定荷重発生帯部を一体的に配置した請求項5又は6に記載の微細凹部加工装置。
【請求項8】
加工帯の微細凸部をワークの外周面又は円形孔の内周面に押し付けつつ回転可能な押付けローラを押付け部とした請求項1〜7のいずれか一つの項に記載の微細凹部加工装置。
【請求項9】
複数個の微細なアクチュエータを押付け部とした請求項1〜7のいずれか一つの項に記載の微細凹部加工装置。
【請求項10】
ワークの外周面又は円形孔の内周面の周速度と加工帯の移動速度とを同一にするべく、円柱状のワーク又は円形孔を有するワークの軸心周りの回転速度及び加工帯の移動速度のうちの少なくともいずれか一方を制御する制御部を設けた請求項1〜11のいずれか一つの項に記載の微細凹部加工装置。
【請求項11】
押付け部としての押付けローラの駆動手段を設け、ワークの外周面又は円形孔の内周面の周速度と押付けローラの周速度と加工帯の移動速度とを同一にするべく、制御部によって円柱状のワーク又は円形孔を有するワークの軸心周りの回転速度及び加工帯の移動速度のうちの少なくともいずれか一方と押付けローラの回転速度とを制御する請求項10に記載の微細凹部加工装置。
【請求項12】
円柱状のワークの外周面又はワークが有する円形孔の内周面に対して軸心方向に沿って微細凹部を形成する微細凹部加工装置であって、表面に複数の高硬度の微細凸部を具備した加工帯をリング状に加工又は成形して成る加工リングと、この加工リングをワークの外周面又は円形孔の内周面に押し付け可能とした押付け部を備え、円柱状のワーク又は円形孔を有するワークの軸心方向に対して中心軸方向を直交させた加工リングの微細凸部を押付け部でワークの外周面又は円形孔の内周面に一定の荷重又は変位で押し付けた状態で、ワークの外周面又は円形孔の内周面と加工リングの微細凸部との接触位置をワークの軸心方向に相対的に移動させる移動手段を設けたことを特徴とする微細凹部加工装置。
【請求項13】
円柱状のワーク又は円形孔を有するワークを軸心方向に移動させるワーク駆動手段及び加工リングをその中心軸周りに回転駆動する加工リング駆動手段のうちの少なくともいずれか一方を移動手段とした請求項12に記載の微細凹部加工装置。
【請求項14】
請求項1〜9のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて円柱状のワークの外周面又はワークが有する円形孔の内周面に対して円周方向に沿って微細凹部を形成するに際して、ワークの外周面又は円形孔の内周面における被加工部分の軸心方向に加工帯の帯幅方向を合致させた後、押付け部により加工帯の微細凸部をワークの外周面又は円形孔の内周面に一定の荷重又は変位で押し付けつつ、移動手段によってワークの外周面又は円形孔の内周面と加工帯の微細凸部との接触位置を円周方向に相対的に移動させることを特徴とする微細凹部加工方法。
【請求項15】
請求項10に記載の微細凹部加工装置を用いて円柱状のワークの外周面又はワークが有する円形孔の内周面に対して円周方向に沿って微細凹部を形成するに際して、ワークの外周面又は円形孔の内周面における被加工部分の軸心方向に加工帯の帯幅方向を合致させた後、押付け部により加工帯の微細凸部をワークの外周面又は円形孔の内周面に一定の荷重又は変位で押し付けつつ、ワークの外周面又は円形孔の内周面の周速度と加工帯の移動速度とを同一にするべく、制御部で円柱状のワーク又は円形孔を有するワークの軸心周りの回転速度及び加工帯の移動速度のうちの少なくともいずれか一方を制御しながら、移動手段によってワークの外周面又は円形孔の内周面と加工帯の微細凸部との接触位置を円周方向に相対的に移動させることを特徴とする微細凹部加工方法。
【請求項16】
請求項11に記載の微細凹部加工装置を用いて円柱状のワークの外周面又はワークが有する円形孔の内周面に対して円周方向に沿って微細凹部を形成するに際して、ワークの外周面又は円形孔の内周面における被加工部分の軸心方向に加工帯の帯幅方向を合致させた後、押付けローラにより加工帯の微細凸部をワークの外周面又は円形孔の内周面に一定の荷重又は変位で押し付けつつ、ワークの外周面又は円形孔の内周面の周速度と押付けローラの周速度と加工帯の移動速度とを同一にするべく、制御部で円柱状のワーク又は円形孔を有するワークの軸心周りの回転速度及び加工帯の移動速度のうちの少なくともいずれか一方と押付けローラの回転速度とを制御しながら、移動手段によってワークの外周面又は円形孔の内周面と加工帯の微細凸部との接触位置を円周方向に相対的に移動させることを特徴とする微細凹部加工方法。
【請求項17】
請求項12又は13に記載の微細凹部加工装置を用いて円柱状のワークの外周面又はワークが有する円形孔の内周面に対して軸心方向に沿って微細凹部を形成するに際して、円柱状のワーク又は円形孔を有するワークの軸心方向に対して加工リングの中心軸方向を直交させた後、押付け部により加工リングの微細凸部をワークの外周面又は円形孔の内周面に一定の荷重又は変位で押し付けつつ、移動手段によってワークの外周面又は円形孔の内周面と加工リングの微細凸部との接触位置をワークの軸心方向に相対的に移動させることを特徴とする微細凹部加工方法。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて加工された微細凹部を外周面に有することを特徴とする摺動部材。
【請求項19】
請求項1〜17のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて加工された微細凹部を円形孔の内周面に有することを特徴とする摺動部材。
【請求項20】
請求項1〜17のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて加工された微細凹部をクランクジャーナル及び/又はクランクピンに有することを特徴とするクランクシャフト。
【請求項21】
請求項1〜17のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて加工された微細凹部をカムジャーナル及び/又はカムロブに有することを特徴とするカムシャフト。
【請求項22】
請求項1〜17のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて加工された微細凹部をジャーナルに有することを特徴とするバランサシャフト。
【請求項23】
請求項1〜17のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて加工された微細凹部を外周面に有することを特徴とするピストンピン。
【請求項24】
請求項1〜17のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて加工された微細凹部をシリンダボアの内周面に有することを特徴とするシリンダブロック。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車用エンジンにおけるクランクシャフトのクランクジャーナルの外周面や、シリンダブロックのシリンダボア(円形孔)の内周面に、低フリクション化を実現するための微細な凹部(油だまり)を形成するのに用いられる微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記したようなクランクシャフトのクランクジャーナルの外周面に微細凹部を形成する微細凹部加工装置としては、例えば、外周面に微細な凸部を複数具備した加工ローラと、この加工ローラを回転可能に支持するローラ支持部と、クランクシャフトを保持しつつ回転駆動する主軸と直交する方向にローラ支持部を移動可能に保持するハウジングと、クランクジャーナルの外周面に加工ローラを接近離間させてその外周面の微細な凸部を押し付け可能とした圧縮コイルばねを備えたものがある。
【0003】
この微細凹部加工装置において、加工ローラの微細な凸部は、円周方向に沿って一列に並べて配置してあり、クランクジャーナルの外周面に接触させた加工ローラを圧縮コイルばねで押圧することによって、クランクジャーナルにおける外周面の被加工部分に微細凹部を形成するようにしている。
【特許文献1】特開2002−361351
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した微細凹部加工装置にあっては、微細な凸部を円周方向に沿って一列に並べて配置して成る加工ローラを用いていることから、クランクジャーナルにおける外周面の被加工部分全体に微細凹部を形成するためには、加工ローラを被加工部分の軸方向幅に応じた距離を移動させなくてはならず、その分だけ加工時間が長引いてしまうという問題があった。
【0005】
この際、微細な凸部を円周方向に複数列配置して成る加工ローラを用いて加工時間の短縮を図ろうとすると、加工ローラの軸方向幅が大きくなる分だけクランクジャーナルの外周面に対して片当たりしやすくなってしまうという問題があり、これらの問題を解決することが従来の課題となっていた。
【0006】
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたものであり、円柱状のワークの外周面又はワークが有する円形孔の内周面に対して精度良好に微細凹部を形成することができるのは勿論のこと、加工時間の大幅な短縮を実現することが可能である微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、円柱状のワークの外周面又はワークが有する円形孔の内周面に対して円周方向に沿って微細凹部を形成する微細凹部加工装置であって、表面に複数の高硬度の微細凸部を具備した加工帯と、この加工帯をワークの外周面又は円形孔の内周面に押し付け可能とした押付け部を備え、加工帯はワークの外周面又は円形孔の内周面における被加工部分の軸心方向長さと同等ないしは大きい帯幅寸法を有し且つワークの外周面又は円形孔の内周面における被加工部分の円周方向長さと同等ないしは大きい帯長寸法を有し、上記被加工部分の軸心方向に帯幅方向を合致させた加工帯の微細凸部を押付け部でワークの外周面又は円形孔の内周面に一定の荷重又は変位で押し付けた状態で、ワークの外周面又は円形孔の内周面と加工帯の微細凸部との接触位置を円周方向に相対的に移動させる移動手段を設けた構成としたことを特徴としており、この微細凹部加工装置の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0008】
一方、本発明の微細凹部加工方法は、上記した微細凹部加工装置を用いて円柱状のワークの外周面又はワークが有する円形孔の内周面に対して円周方向に沿って微細凹部を形成するに際して、ワークの外周面又は円形孔の内周面における被加工部分の軸心方向に加工帯の帯幅方向を合致させた後、押付け部により加工帯の微細凸部をワークの外周面又は円形孔の内周面に一定の荷重又は変位で押し付けつつ、移動手段によってワークの外周面又は円形孔の内周面と加工帯の微細凸部との接触位置を円周方向に相対的に移動させる構成としたことを特徴としており、この微細凹部加工方法の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0009】
本発明の微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法において、加工帯がワークの外周面又は円形孔の内周面における被加工部分の軸心方向長さと同等ないしは大きい帯幅寸法を有していると共にワークの外周面又は円形孔の内周面における被加工部分の円周方向長さと同等ないしは大きい帯長寸法を有しているので、被加工部分の軸心方向に加工帯の帯幅方向を合致させて、加工帯の複数の高硬度の微細凸部を押付け部によってワークの外周面又は円形孔の内周面に一定の荷重又は変位で押し付けながら、移動手段でワークの外周面又は円形孔の内周面と加工帯の微細凸部との接触位置を円周方向に相対的に移動させれば、ワークの外周面又は円形孔の内周面に対して、高精度な微細凹部を高速で形成し得ることとなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、上記した構成としているので、円柱状のワークの外周面又はワークが有する円形孔の内周面に対して精度良好に微細凹部を形成することができるのは言うまでもなく、加工時間を大幅に短縮することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の微細凹部加工装置において、円柱状のワークを軸心周りに回転駆動する回転駆動手段及び加工帯をワークの接線方向に移動させる加工帯駆動手段のうちの少なくともいずれか一方を移動手段とする構成としたり、加工帯をリング状に加工又は成形して加工リングと成し、円柱状のワークを軸心周りに回転駆動する回転駆動手段及び加工リングをその中心軸周りに回転駆動する加工リング駆動手段のうちの少なくともいずれか一方を移動手段とする構成としたり、加工帯をリング状に加工又は成形して加工リングと成し、円形孔を有するワークを軸心周りに回転駆動する回転駆動手段及びワークが有する円形孔内に挿入した加工リングを円形孔の内周面に沿って転動させる加工リング駆動手段のうちの少なくともいずれか一方を移動手段とする構成としたりすることが可能である。
【0012】
また、本発明の微細凹部加工装置において、加工帯は、微細凸部を具備した形状加工帯部と、弾性部材から成る変形帯部とをワークの軸心方向に交互に並べて成っている構成を採用したり、加工帯は、弾性部材から成る薄い変形帯部上に、微細凸部を具備した複数の形状加工帯部をワークの軸心方向に適宜間隔をおいて並べて成っている構成を採用したりすることができ、これらの構成を採用すると、形状加工帯部の高硬度の微細凸部がワークの軸心方向において独立して変位し得ることとなり、例えば、ワークの外周面がうねっている場合であったとしても、この形状の影響を受けることなく、そして、加工帯の構造を複雑化することなく、高精度な微細凹部を高速で形成し得ることとなる。
【0013】
この際、加工帯が、弾性部材から成る薄い変形帯部上に、微細凸部を具備した複数の形状加工帯部をワークの軸心方向に適宜間隔をおいて並べて成っている構成を採用すると、加工帯の構造のより一層の簡略化が図られることとなる。
【0014】
さらに、本発明の微細凹部加工装置において、加工帯の微細凸部を有する面とは反対側の面に、変形帯部とは異なる弾性率の弾性部材から成る定荷重発生帯部を一体的に配置した構成とすることも可能であり、この場合には、押付け部から加工帯背面の定荷重発生帯部を介して加工帯に荷重を負荷すると、ワークの外周面又は円形孔の内周面に対して加工帯の微細凸部を均一な荷重で押し付け得ることとなり、その結果、より高精度な微細凹部を形成し得ることとなる。
【0015】
さらにまた、本発明の微細凹部加工装置において、加工帯の微細凸部をワークの外周面又は円形孔の内周面に押し付けつつ回転可能な押付けローラを押付け部とした構成や、複数個の微細なアクチュエータを押付け部とした構成も採用することができ、押付け部を押付けローラとした場合には、ワークの回転による加工帯の移動が滑らかになって、より高精度な微細凹部を形成し得ることとなり、一方、押付け部を複数個の微細なアクチュエータとした場合には、加工帯の微細凸部を高精度で且つ均一な荷重でワークの外周面又は円形孔の内周面に押し付け得るので、より一層高精度な微細凹部を形成し得ることとなる。
【0016】
さらにまた、本発明の微細凹部加工装置において、ワークの外周面又は円形孔の内周面の周速度と加工帯の移動速度とを同一にするべく、円柱状のワーク又は円形孔を有するワークの軸心周りの回転速度及び加工帯の移動速度のうちの少なくともいずれか一方を制御する制御部を設けた構成とすることが可能であり、押付け部が押付けローラである場合には、押付け部としての押付けローラの駆動手段を設け、ワークの外周面又は円形孔の内周面の周速度と押付けローラの周速度と加工帯の移動速度とを同一にするべく、制御部によって円柱状のワーク又は円形孔を有するワークの軸心周りの回転速度及び加工帯の移動速度のうちの少なくともいずれか一方と押付けローラの回転速度とを制御する構成とすることができる。
【0017】
上記した構成とすると、前者の場合、ワークと加工帯との滑りが低減されるので、加工しようとする微細凹部のパターンを高精度に形成し得ることとなり、後者の場合、ワークと加工帯との滑りが低減されるのに加えて、加工帯と押付けローラとの滑りも低減されるので、加工しようとする微細凹部のパターンをより一層高精度に形成し得ることとなる。
【0018】
さらにまた、本発明において、円柱状のワークの外周面又はワークが有する円形孔の内周面に対して軸心方向に沿って微細凹部を形成する微細凹部加工装置であって、表面に複数の高硬度の微細凸部を具備した加工帯をリング状に加工又は成形して成る加工リングと、この加工リングをワークの外周面又は円形孔の内周面に押し付け可能とした押付け部を備え、円柱状のワーク又は円形孔を有するワークの軸心方向に対して中心軸方向を直交させた加工リングの微細凸部を押付け部でワークの外周面又は円形孔の内周面に一定の荷重又は変位で押し付けた状態で、ワークの外周面又は円形孔の内周面と加工リングの微細凸部との接触位置をワークの軸心方向に相対的に移動させる移動手段を設けた構成としてもよく、この場合、円柱状のワーク又は円形孔を有するワークを軸心方向に移動させるワーク駆動手段及び加工リングをその中心軸周りに回転駆動する加工リング駆動手段のうちの少なくともいずれか一方を移動手段とした構成とすることができる。
【0019】
一方、本発明の微細凹部加工方法において、上記した制御部を有する微細凹部加工装置を用いて円柱状のワークの外周面又はワークが有する円形孔の内周面に対して円周方向に沿って微細凹部を形成するに際して、ワークの外周面又は円形孔の内周面における被加工部分の軸心方向に加工帯の帯幅方向を合致させた後、押付け部により加工帯の微細凸部をワークの外周面又は円形孔の内周面に一定の荷重又は変位で押し付けつつ、ワークの外周面又は円形孔の内周面の周速度と加工帯の移動速度とを同一にするべく、制御部で円柱状のワーク又は円形孔を有するワークの軸心周りの回転速度及び加工帯の移動速度のうちの少なくともいずれか一方を制御しながら、移動手段によってワークの外周面又は円形孔の内周面と加工帯の微細凸部との接触位置を円周方向に相対的に移動させる構成とすることが可能であり、この場合には、ワークと加工帯との滑りが低減されるので、加工しようとする微細凹部のパターンを高精度に形成し得ることとなる。
【0020】
また、本発明の微細凹部加工方法において、上記した制御部を有し且つ押付け部を押付けローラとした微細凹部加工装置を用いて円柱状のワークの外周面又はワークが有する円形孔の内周面に対して円周方向に沿って微細凹部を形成するに際して、ワークの外周面又は円形孔の内周面における被加工部分の軸心方向に加工帯の帯幅方向を合致させた後、押付けローラにより加工帯の微細凸部をワークの外周面又は円形孔の内周面に一定の荷重又は変位で押し付けつつ、ワークの外周面又は円形孔の内周面の周速度と押付けローラの周速度と加工帯の移動速度とを同一にするべく、制御部で円柱状のワーク又は円形孔を有するワークの軸心周りの回転速度及び加工帯の移動速度のうちの少なくともいずれか一方と押付けローラの回転速度とを制御しながら、移動手段によってワークの外周面又は円形孔の内周面と加工帯の微細凸部との接触位置を円周方向に相対的に移動させる構成としてもよく、この場合には、ワークと加工帯との滑りが低減されるのに加えて、加工帯と押付けローラとの滑りも低減されるので、加工しようとする微細凹部のパターンをより一層高精度に形成し得ることとなる。
【0021】
さらに、本発明の微細凹部加工方法において、上記した微細凹部加工装置を用いて円柱状のワークの外周面又はワークが有する円形孔の内周面に対して軸心方向に沿って微細凹部を形成するに際して、円柱状のワーク又は円形孔を有するワークの軸心方向に対して加工リングの中心軸方向を直交させた後、押付け部により加工リングの微細凸部をワークの外周面又は円形孔の内周面に一定の荷重又は変位で押し付けつつ、移動手段によってワークの外周面又は円形孔の内周面と加工リングの微細凸部との接触位置をワークの軸心方向に相対的に移動させる構成とすることが可能である。
【0022】
そして、上記した微細凹部加工装置を用いて加工された微細凹部を外周面に有するワーク、例えば、微細凹部が形成されたクランクジャーナル及び/又はクランクピンを有するクランクシャフトや、同じく微細凹部が形成されたカムジャーナル及び/又はカムロブを有するカムシャフトや、微細凹部をジャーナルに有するバランサシャフトや、微細凹部を外周面に有するピストンピンなどの摺動部材は、摺動面である外周面の摩擦が低いものとなり、その結果、燃費の向上に寄与し得ることとなる。
【0023】
一方、上記した微細凹部加工装置を用いて加工された微細凹部を円形孔の内周面に有するワーク、例えば、微細凹部をシリンダボアの内周面に有するエンジンのシリンダブロックは、ピストンが摺動するシリンダボアの内周面の摩擦が低いものとなり、その結果、燃費の向上に寄与し得ることとなる。
【実施例】
【0024】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0025】
図1に示すように、この微細凹部加工装置1は、円柱形状を成すワークWの外周面Woに微細凹部を形成するNC工作機械であって、チャッキング機構2を介してワークWを保持してその軸心周りに回転駆動する主軸(回転駆動手段)3と、高硬度の微細凸部を表面に多数有すると共にワークWの外周面Woに接触した状態でその接線方向に移動可能とした加工帯10と、モータ(押付けローラの駆動手段)4の出力軸4aに装着されてワークWの外周面Woに加工帯10の表面の微細凸部を所定の荷重又は変位で押し付けつつ所定の回転速度で回転する押付けローラ(押付け部)5を備えている。
【0026】
加工帯10は、図2にも示すように、微細凸部を具備した複数の形状加工帯部11と、弾性部材から成る複数の変形帯部12とをワークWの軸心方向(図2左右方向)に交互に並べてなっており、加工帯10の帯幅寸法wをワークWの軸心方向長さよりも広く設定してあると共に、帯長寸法lをワークWの円周方向長さよりも長く設定してある。
【0027】
また、図4にも示すように、加工帯10の裏面(微細凸部を有する表面とは反対側の面、図4上面)には、変形帯部12とは異なる弾性率の弾性部材から成る定荷重発生帯部13が一体的に配置してあり、このように成すことによって、加工帯10に対してワークWの軸心方向で一定した荷重を負荷することができるようにしてある。この場合、定荷重発生帯部13と一体を成す加工帯10は、図3に示すように、その一端部を加工帯駆動部(加工帯駆動手段)6に保持させており、この加工帯駆動部6の作動により、円柱形状を成すワークWの接線方向に任意の速度で移動できるものとなっている。
【0028】
この場合、この微細凹部加工装置1には、主軸3,モータ4及び加工帯駆動部6に電気的に接続する制御部7が設けてあり、加工時において、この制御部7でワークWの軸心周りの回転速度Vwと、加工帯10の接線方向速度Vtと、押付けローラ5の回転速度Vnとを制御することによって、ワークWの外周面Woの周速度と、押付けローラ5の周速度と、加工帯10の移動速度とが同一になるようにしている。
【0029】
上記した微細凹部加工装置1において、円柱形状を成すワークWの外周面Woに微細凹部を形成するに際しては、まず、加工帯駆動部6を動作させて、円柱形状を成すワークWの外周面Woに定荷重発生帯13と一体を成す加工帯10を移動させた後、押付けローラ5を降下させて、定荷重発生帯13とともに加工帯10をワークWの外周面Woに押し付ける。
【0030】
このとき、加工帯10は、微細凸部を具備した複数の形状加工帯部11と、弾性部材から成る複数の変形帯部12とをワークWの軸心方向に交互に並べてなっているので、ワークWの軸心方向にうねりなどの形状誤差があったとしても、図4に示すように、加工帯10の形状加工帯部11がワークWの軸心方向で独立して変位することとなり、その結果、加工帯10は、外周面Woの形状に追従してワークWの軸心方向で均一に押し付けられることとなる。
【0031】
加えて、押付けローラ5と加工帯10との間には、定荷重発生帯13が配置してあるので、上記のように加工帯10がワークWの外周面Woの形状に追従して変形したとしても、加工帯10とワークWの外周面Woとの接触部分には、ほぼ均一な荷重が負荷されることとなる。
【0032】
このように、ワークWの軸心方向に並ぶ加工帯10の複数の形状加工帯部11は、いずれも独立してほぼ均一の荷重でワークWの外周面Woに押し付けられ、この状態で主軸3を動作せてワークWをその軸心周りに図3矢印方向に回転させると、このワークWの回転に連動して定荷重発生帯13とともに加工帯10がワークWの接線方向(図3矢印方向)に移動する。
【0033】
そして、この実施例では、加工帯10の帯幅寸法wをワークWの軸心方向長さよりも広くしてあると共に、帯長寸法lをワークWの円周方向長さよりも長くしてあるので、ワークWが一回転した時点で加工帯10がワークWの外周面Woの全面に押付けられることになり、その結果、ワークWの外周面Woの全面に複数の形状加工帯部11の微細凸部が転写されて、均一な深さの微細な凹部が形成されることとなる。
【0034】
この間、モータ4を動作させて押付けローラ5を回転させることで、加工帯10の移動がスムーズになって、形成される微細凹部の精度が向上し、これと同時に、加工帯駆動部6を動作させて加工帯10をワークWとの接触点に向けて移動させることで、加工帯10の移動が一層スムーズになって、形成される微細凹部の精度がより向上することとなる。
【0035】
また、ワークWの軸心周りの回転速度Vwと、加工帯10の接線方向速度Vtと、押付けローラ5の回転速度Vnとを制御部7によって制御することで、ワークWの外周面Woの周速度と、押付けローラ5の周速度と、加工帯10の移動速度Vtとが同一になるようにしているので、ワークWと加工帯10との滑りが少なく抑えられ、これによって、加工帯10の形状加工帯部11の微細凸部パターンが高精度に転写されて、微細凹部のパターンを高精度に形成し得ることとなる。
【0036】
上記したように、この実施例の微細凹部加工装置1により、円柱形状を成すワークWの外周面Woに対して微細凹部加工を行うと、ワークWを一回転させるだけで外周面Woの全面に均一な深さの微細凹部を形成し得ることとなり、したがって、加工時間の大幅な短縮が図られることとなる。
【0037】
なお、上記した実施例において、加工帯10の形状加工帯部11の形状を部分的又は全体的に変更することで、ワークWの外周面Woに形成する微細凹部の形状を適宜変更することができる。
【0038】
また、上記した実施例では、加工帯10が、微細凸部を具備した複数の形状加工帯部11と、弾性部材から成る複数の変形帯部12とをワークWの軸心方向に交互に並べて成るものとしたが、変形帯部12には、この変形帯部12が位置する領域で必要な変位量を得ることができる合成ゴムや樹脂などの材料を採用することができるほか、図6に示すように、加工帯20が、弾性部材から成る薄い変形帯部22上に、微細凸部を具備した複数の形状加工帯部21をワークWの軸心方向に並べて成るものとしてもよい。
【0039】
さらに、図5(a)に示すように、押付けローラ5のワークWの軸心方向の形状を変化させることで、定荷重発生帯13の押込み量を変えて加工帯10のワークWに対する押付け荷重を部分的に変化させることができ、その結果、ワークWの外周面Woに形成する微細凹部の深さを部分的に変えることができる。
【0040】
したがって、図5(b)のグラフに示すように、ワークWの軸心方向の硬さが異なっている場合であったとしても、硬さに比例した押込み量となるような押付けローラ5の形状とすることで、ワークWの軸心方向の硬さが変化しても均一な深さの微細凹部を形成し得ることとなる。
【0041】
図7及び図8は、本発明の微細凹部加工装置の他の実施例を示しており、図7及び図8に部分的に示すように、この実施例における微細凹部加工装置41が、先の実施例における微細凹部加工装置1と相違するところは、ワークWの外周面Woに加工帯10の表面の微細凸部を所定の荷重又は変位で押し付ける押付け部を複数個のマイクロピストン(アクチュエータ)45とした点にあり、他の構成は先の実施例における微細凹部加工装置1と同じである。
【0042】
複数個のマイクロピストン45は、いずれもシリンダブロック状のホルダ44に収容されていて、加工帯10の複数の形状加工帯部11と略一致する部位に配置されており、これらのマイクロピストン45は、ホルダ44に流入する空気や油などの流体の圧力によっていずれも均一な圧力で動作して、形状加工帯部11を直に押圧するようになっている。
【0043】
上記した微細凹部加工装置41において、円柱形状を成すワークWの外周面Woに微細凹部を形成するに際しては、まず、加工帯駆動部6を動作させて、円柱形状を成すワークWの外周面Woに加工帯10を移動させた後、マイクロピストン45をワークWの外周面Wo上に配置する。
【0044】
次いで、図示しない圧力発生部で発生した圧力Pを空気や油などの流体を介してホルダ44に入力し、この入力された圧力Pで各マイクロピストン45を動作させて、加工帯10の各形状加工帯部11を均一な荷重でワークWの外周面Woに押し付ける。
【0045】
このとき、加工帯10の複数の形状加工帯部11は、先の実施例と同様に、複数の変形帯部12によって独立して変位することができるので、ワークWの軸心方向に形状誤差があったとしても、図7に示すように、ワークWの外周面Woの形状に倣って変位することができ、その結果、加工帯10の複数の形状加工帯部11は、外周面Woの形状に追従してワークWの軸心方向で均一に押し付けられることとなる。
【0046】
次に、ホルダ44に対する圧力Pを反転させて負圧として、各マイクロピストン45を上昇させ、加工帯10の各形状加工帯部11をワークWの外周面Woから離間させるのに続いてワークWを回転させ、次の微細凹部の加工位置が各マイクロピストン45の真下に到達した段階で、ワークWを停止させると共にホルダ44に再度圧力Pを加えて、各マイクロピストン45を動作させて、ワークWの外周面Woに微細凹部を形成する。
【0047】
これらの動作を繰り返すことで、ワークWの外周面Woの全面に微細な凹部を加工することができる。この加工において、ホルダ44に対する圧力Pを変化させることで、ワークWの外周面Woに形成される微細凹部の深さを変化させることができるほか、ワークWのの回転角度を変化させることで、ワークWの外周面Woに形成される微細凹部のパターンを変えることもできる。
【0048】
また、図10に示すように、ワークWの外周面Woが傾斜している場合には、図9に示すように、一定の流体圧力Pで保持された押付けローラ55を押し付けるように成すことで、加工帯10の各形状加工帯部11をワークWの外周面Woに均一の圧力で押し付けることができ、その結果、ワークWの外周面Woに均一な深さの微細凹部を形成することができる。この際、押付けローラ55を保持している流体は押付けローラ55内で完全にシールされていなくてもかまわない。
【0049】
図11は、本発明の微細凹部加工装置のさらに他の実施例を示しており、図11に部分的に示すように、この実施例における微細凹部加工装置61が、先の実施例における微細凹部加工装置1と相違するところは、定荷重発生帯13と一体を成す帯状の加工帯10をリング状に加工又は成形して加工リング70と成し、ドライバ64に支持された押付けローラ65を加工リング70の内側に配置して、ドライバ64の作動により押付けローラ65を介して定荷重発生帯13とともに加工リング70をワークWの外周面Woに押し付けるようにした点にあり、他の構成は先の実施例における微細凹部加工装置1と同じである。
【0050】
この微細凹部加工装置61では、加工リング70をワークWの外周面Woに押し付けた状態でワークWを回転させると、表面に微細凸部を有する加工リング70が連れ回りすることとなり、この加工リング70の転動によって、ワークWの外周面Woに微細凹部が形成されることとなる。
【0051】
このとき、押付けローラ65又は加工リング70をワークWと同期させて回転させることで、よりスムーズにワークWと加工リング70とを転動させることができる。
【0052】
なお、この実施例において、ワークW,加工リング70及び押付けローラ65のうちの少なくともいずれか一つを回転させれば事は足りるが、より高精度な微細凹部を形成するために、ワークW,加工リング70及び押付けローラ65のうちの二つ以上を回転させることが望ましい。
【0053】
図12は、上記した微細凹部加工装置61により、円筒形状を成すワークWAの内周面(円形孔の内周面)Wiに微細凹部を形成する場合を示しており、この微細凹部加工装置61では、加工リング70をワークWAの内周面Wiに押し付けた状態でドライバ64を動作させて押付けローラ65を旋回させると、表面に微細凸部を有する加工リング70が連れ回りしてワークWAの内周面Wiに対して転動することとなり、この加工リング70の転動によって、ワークWAの内周面Wiに微細凹部が形成されることとなる。
【0054】
この場合、加工リング70をワークWAの内周面Wiに押し付けた状態でドライバ64を動作させないで、円筒形状を成すワークWAをその軸心周りに回転させるようにしてもよい。
【0055】
なお、この実施例においても、ワークW,加工リング70及び押付けローラ65のうちの少なくともいずれか一つを回転させれば事は足りるが、より高精度な微細凹部を形成するために、ワークW,加工リング70及び押付けローラ65のうちの二つ以上を回転させることが望ましい。
【0056】
図13は、本発明の微細凹部加工装置のさらに他の実施例を示しており、図13に部分的に示すように、この実施例における微細凹部加工装置81が、先の実施例における微細凹部加工装置1と相違するところは、定荷重発生帯13と一体を成す帯状の加工帯10をリング状に加工又は成形して加工リング90と成し、この加工リング90の内側に配置した押付けローラ85を介して定荷重発生帯13とともに加工リング90をワークWAの内周面Wiに押し付けるようにした点にあり、他の構成は先の実施例における微細凹部加工装置1と同じである。
【0057】
この微細凹部加工装置81では、ワークWAの軸心方向に対して加工リング90の中心軸方向を直交させた後、加工リング90をワークWAの内周面Wiに押し付けた状態で押付けローラ85をワークWAの軸心方向に移動させると、表面に微細凸部を有する加工リング90が連れ回りしてワークWAの内周面Wiに対して転動することとなり、この加工リング90の転動によって、ワークWAの内周面Wiの軸心方向に微細凹部が形成されることとなる。
【0058】
この実施例では、押付けローラ85及び加工リング90をワークWAの軸心方向に移動させているが、ワークWAをその軸心方向に移動させてもよい。
【0059】
図14は、上記した微細凹部加工装置81により、円柱形状を成すワークWの外周面Woに微細凹部を形成する場合を示しており、この微細凹部加工装置81では、加工リング90をワークWの外周面Woに押し付けた状態で押付けローラ85をワークWの軸心方向に移動させると、表面に微細凸部を有する加工リング90が連れ回りしてワークWの外周面Woに対して転動することとなり、この加工リング90の転動によって、ワークWの外周面Woの軸心方向に微細凹部が形成されることとなる。この場合も、ワークWをその軸心方向に移動させてもよい。
【0060】
上記した各実施例による微細凹部加工装置1,41,61,81及び微細凹部加工方法を自動車用のクランクシャフトや、カムシャフトや、バランサシャフトや、ピストンピンやシリンダブロックのシリンダボアなどの摺動部材の摺動部に対する微細凹部加工に適用すれば、摺動部に形成される微細な凹部を潤滑油溜りとして機能させたり、潤滑油の流れ制御部として機能させたりすることができ、その結果、摩擦の大幅な低減を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の微細凹部加工装置の一実施例を示す正面説明図である。(実施例1)
【図2】図1における微細凹部加工装置の加工帯を微細凸部配置面側から見た部分斜視説明図である。(実施例1)
【図3】図1における微細凹部加工装置の図1A−A線位置に基ずく断面説明図である。(実施例1)
【図4】図1に示した微細凹部加工装置の加工帯とワークとの接触部分における正面方向からの拡大断面説明図である。(実施例1)
【図5】図1に示した微細凹部加工装置の押付けローラの他の構成例を示す正面方向からの部分断面説明図(a)及び他の構成例による押付けローラを用いた場合の加工特性を示すグラフ(b)である。
【図6】図1に示した微細凹部加工装置の加工帯の他の構成例を示す正面方向からの部分断面説明図(a)及び加工帯とワークとの接触部分における正面方向からの拡大断面説明図(b)である。
【図7】本発明の微細凹部加工装置の他の実施例を示す正面方向からの部分断面説明図(a)及び加工帯とワークとの接触部分における正面方向からの拡大断面説明図(b)である。(実施例2)。
【図8】図7に示した微細凹部加工装置の図1A−A線相当位置に基ずく部分断面説明図である。(実施例2)
【図9】図7における微細凹部加工装置の押付けローラの他の構成例を示す正面方向からの部分断面説明図(a)及び図1A−A線相当位置に基ずく部分断面説明図(b)である。
【図10】図9に示した微細凹部加工装置の加工帯とワークとの接触部分における正面方向からの部分拡大断面説明図である。
【図11】本発明の微細凹部加工装置のさらに他の実施例を示す正面方向からの部分断面説明図(a)及び図1A−A線相当位置に基ずく部分断面説明図(b)である。(実施例3)
【図12】図11における微細凹部加工装置の他のワークへの適用例を示す正面方向からの部分断面説明図(a)及び図1A−A線相当位置に基ずく部分断面説明図(b)である。
【図13】本発明の微細凹部加工装置のさらに他の実施例を示す正面方向からの部分断面説明図(a)及び図1A−A線相当位置に基ずく部分断面説明図(b)である。(実施例4)
【図14】図13における微細凹部加工装置の他のワークへの適用例を示す正面方向からの部分断面説明図(a)及び図1A−A線相当位置に基ずく部分断面説明図(b)である。
【符号の説明】
【0062】
1,41,61,81 微細凹部加工装置
3 主軸(回転駆動手段;移動手段)
4 モータ(押付けローラの駆動手段)
5,55,65,85 押付けローラ(押付け部)
6 加工帯駆動部(加工帯駆動手段;移動手段)
7 制御部
10,20 加工帯
11,21 形状加工帯部
12,22 変形帯部
13 定荷重発生帯
45 マイクロピストン(押付け部;アクチュエータ)
70,90 加工リング
l 加工帯の帯長寸法
w 加工帯の帯幅寸法
W,WA ワーク
Wo ワークの外周面
Wi ワークの内周面
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【出願日】 平成18年9月14日(2006.9.14)
【代理人】 【識別番号】100102141
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 基憲


【公開番号】 特開2008−68285(P2008−68285A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−249211(P2006−249211)