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【発明の名称】 ばね製造機
【発明者】 【氏名】釣谷 勝秀

【氏名】吉田 享司

【要約】 【課題】駆動源を設けることなく曲げダイスを取付けてある揺動杆を揺動させて直線部分を成形する必要のあるばねを製造でき、また製造費用を削減することができる。揺動杆の揺動と進退とを独立させ揺動杆の揺動角及び進退距離をそれぞれ個別に調整して揺動杆の揺動及び進退をばねの仕様に対応させることができるばね製造機を提供する。

【解決手段】揺動杆12の一端部に第1の枢軸13を取付けてスライド本体11に連結し、他端部に曲げダイス16を取付けるようにしてあり、揺動杆12の上側面に連結片41を設け、連結片41に開設してある貫通孔に回動自在な第2の枢軸42を挿入し、第2の枢軸42を、第2の曲げダイス取付けスライド20に取付けてある案内部材21に形成してあり、線材の送り出し方向に平行な案内溝に嵌合させ、スライド本体11及び第2の曲げダイス取付けスライド20にそれぞれモータM1、M2を連結してある構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線材送りローラによって送り出される線材が通過する線材通路と、該線材通路の出口にあって、線材通路から送り出された線材がコイルばねに加工される線材加工空間への進退自在に設けてある第1、第2及び第3の曲げダイス取付けスライドとを備えるばね製造機において、
前記第1の曲げダイス取付けスライドは、前記線材通路の出口に対向させて線材の送り出し方向に沿って進退可能に配置してあり、前記第2及び第3の曲げダイス取付けスライドは、前記第1の曲げダイス取付けスライドの進退域の両側に配置してあり、
前記第2及び第3の曲げダイス取付けスライドを各駆動する二つの駆動源を備え、
前記第1の曲げダイス取付けスライドは、その一端部に曲げダイスを取付け、該第1の曲げダイス取付けスライドの進退方向中央部にて他端部を連結してあり、該他端部を中心として揺動する揺動杆を備え、
該揺動杆は、連結部材を介して前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドの一方に連結可能にしてあり、該一方を駆動する駆動源の駆動により揺動するようにしてあることを特徴とするばね製造機。
【請求項2】
前記揺動杆は、第1の枢軸により連結してあり、前記連結部材は、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドに第2の枢軸により連結してあることを特徴とする請求項1に記載のばね製造機。
【請求項3】
前記第1の曲げダイス取付けスライドは、前記線材通路の送り出し方向に沿って配置してあるスライド本体を備え、該スライド本体は、アーム部材を介して、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドの他方に連結してあり、該他方を駆動する駆動源の駆動により、前記スライド本体を進退させるようにしてあることを特徴とする請求項1又は2に記載のばね製造機。
【請求項4】
前記連結部材は、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドに設けてあり、前記揺動杆の進退を案内する案内溝を有する案内部材と、前記第1の曲げダイス取付けスライドに設けてあり、前記案内溝に沿って摺動する摺動部材とを備えており、前記案内溝は前記線材通路の送り出し方向に沿って形成してあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のばね製造機。
【請求項5】
前記案内部材は凹部又は凸部の一方を備え、第2又は第3の曲げダイス取付けスライドは他方を備えており、前記凹部及び凸部は嵌脱可能にしてあることを特徴とする請求項4に記載のばね製造機。



【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、多種類のばねを製造することができるばね製造機に関する。
【背景技術】
【0002】
ばね製造機を使用してコイルばねを製造する場合には、線材通路から送り出された線材を、線材通路の出口付近に配置してある曲げダイスに当接させて、線材を曲げ変形する。外径が次第に大きくなるコイルばねを製造するときには、線材が当接している曲げダイスを、線材の送り出し方向に移動させる。線材の曲げ変形が開始された時には、線材は曲げダイスの中央で当接しているが、外径が大きくなるに連れて、曲げダイスの中央から離れた位置で当接するようになる。線材の曲げ変形を行うためには線材を曲げダイスに当接させておく必要があり、外径が大きくなるに連れて曲げダイスを外径の中心に向けて揺動させる。
【0003】
従来のばね製造機は、線材の送り出し方向に沿って配置されているスライド本体及び該スライド本体に連結してある揺動部材を有する第1の曲げダイス取付けスライドと、該第1の曲げダイス取付けスライドに連結してあり、第1の曲げダイス取付けスライドを駆動する駆動源と、右巻き及び左巻きのばねを製造するために、前記送り出し方向に対して鋭角傾斜させて上下にそれぞれ配置されている第2及び第3の曲げダイス取付けスライドと、前記送り出し方向に対して鋭角傾斜させてあるカム溝を有しており、機体の前壁に設けてあるブロック体と、前記揺動部材に設けてあり、前記カム溝に沿って摺動するスライダとを備える。
【0004】
このばね製造機にあっては、揺動部材の先端部に曲げダイスを取付けるようにしてあり、前記駆動源の駆動によりスライダがカム溝に沿って摺動すると、揺動部材に取り付けてある曲げダイスが、揺動部材の前記送り出し方向への移動及び揺動に伴って、前記送り出し方向へ移動すると共に揺動して、外径が次第に大きくなるコイルばねの製造を行うことができる。また右巻きのばねを製造するときには、前記揺動部材に取り付けてある曲げダイス及び第2の曲げダイス取付けスライドに取付けてある曲げダイスに当接させて線材を支持し、左巻きのばねを製造するときには、前記揺動部材に取り付けてある曲げダイス及び第3の曲げダイス取付けスライドに取付けてある曲げダイスに当接させて線材を支持しており、機体の前壁に設けてある芯金に当接させて線材を支持する必要がなく、線材の芯金への当接によりコイルばねに傷が発生することを防止できる(特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に記載のばね製造機以外にも、線材の送り出し方向に沿って配置されているスライド及び該スライドに設けてある揺動片を有する曲げダイス取付けスライドと、前記揺動片に連結してあり、該揺動片を揺動させるための駆動源とを備えるばね製造機が従来から提案されている。
【0006】
このばね製造機においては、揺動片の先端部に曲げダイスが取付けられるようにしてあり、送り出された線材に、揺動片の先端部に取付けてある曲げダイスが当接しない位置まで揺動片を揺動させて、直線部分を成形する必要のあるばね、例えば両端に直線部分を有するトーションばねを製造することができる(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−118798号公報
【特許文献2】特開2001−293533号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のばね製造機にあっては、揺動部材の前記送り出し方向への移動及び揺動に伴って、曲げダイスが移動すると共に揺動し、外径が次第に大きくなるコイルばねを製造することができるが、前記揺動部材及び第2の曲げダイス取付けスライドに取付けてある曲げダイスの揺動範囲は、前記カム溝により線材が当接する範囲に限定されており、揺動部材を、線材が曲げダイスに当接しない位置まで揺動させることはできず、直線部分を成形する必要のあるばね、例えばトーションばねを製造することはできなかった。また前記カム溝により曲げダイスの揺動範囲は狭小となっており、大径のコイルばねを製造することは困難であった。また前記カム溝の傾斜角は固定されていて、外径が次第に大きくなるコイルばねを製造するときの揺動部材の進退距離に対する揺動角の割合は固定されており、製造されるコイルばねの軸線距離に対する外径の変化の割合は固定されており、製造されるコイルばねの仕様に応じて揺動部材の揺動角及び進退距離をそれぞれ個別に調整し、外径の変化の割合を変更することは困難であった。
【0008】
特許文献2に記載のばね製造機においては、線材が曲げダイスに当接しない位置まで揺動片を揺動させて、直線部分を成形する必要のあるばねを成形することができるが、揺動片を揺動させるための駆動源を揺動片に設ける必要があり、ばね製造機の製造費用が嵩むという問題点があった。
【0009】
また、トーションばね等の一つの曲げダイスで製造するばね、及び芯金による傷のないばね等の複数の曲げダイスで製造するばねを一つのばね製造機で製造するためには、使用する曲げダイスの数を必要に応じて一つ又は複数に変更できるようにばね製造機を構成する必要があるが、特許文献2に記載のばね製造機の曲げダイス取付けスライドは一つであり、使用する曲げダイスの数を複数に変更することはできない。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、第1の曲げダイス取付けスライドの揺動杆と、第2又は第3の曲げダイス取付けスライドの一方とを連結する連結部材を設けることにより、揺動杆を、前記一方を駆動する駆動源の駆動により、揺動杆に取付けてある曲げダイスに線材が当接しない位置に移動させることができ、揺動杆に駆動源を設けることなく揺動杆を揺動させて、直線部分を成形する必要のあるばね、例えばトーションばねを製造でき、また製造費用を削減することができるばね製造機を提供することを目的とする。
【0011】
また本発明は、前記第1の曲げダイス取付けスライドでの、前記揺動杆の連結箇所に第1の枢軸を設け、前記連結部材及び前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドの連結箇所に第2の枢軸を設けることにより、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドの一方の進退運動を、第1及び第2の枢軸の回転により、第1の枢軸を支点とした揺動杆の揺動運動に変換し、揺動杆を大きく揺動させて大径のコイルばねを製造することができるばね製造機を提供することを目的とする。
【0012】
また本発明は、前記第1の曲げダイス取付けスライドと、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドの他方とを連結するアーム部材を設けることにより、該他方を駆動する駆動源の駆動を前記第1の曲げダイス取付けスライドに伝動させて、第1の曲げダイス取付けスライドに駆動源を設けることなく、第1の曲げダイス取付けスライドを線材の送り出し方向に沿って進退させて、製造費用を削減することができるばね製造機を提供することを目的とする。
【0013】
また本発明は、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドに、前記揺動杆の線材の送り出し方向に沿った進退を案内する案内溝を有する案内部材を設け、前記第1の曲げダイス取付けスライドに、前記案内溝に沿って摺動する摺動部材を設けることにより、前記送り出し方向の力を揺動杆の進退に用いて、揺動杆の揺動と進退とを独立させ、製造されるコイルばねの仕様に応じて揺動杆の揺動角及び進退距離をそれぞれ個別に調整し、外径の変化の割合を変更してコイルばねを製造することができるばね製造機を提供することを目的とする。
【0014】
また本発明は、例えば前記案内部材に凹部を設け、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドに、前記凹部に嵌脱可能な凸部を設けることにより、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドに案内部材を嵌脱可能に嵌合し、案内部材と曲げダイスとを交換可能にして、使用する曲げダイスの数を必要に応じて一つ又は複数に変更し、一つの曲げダイスで製造するばね及び複数の曲げダイスで製造するばねを製造できるばね製造機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るばね製造機は、線材送りローラによって送り出される線材が通過する線材通路と、該線材通路の出口にあって、線材通路から送り出された線材がコイルばねに加工される線材加工空間への進退自在に設けてある第1、第2及び第3の曲げダイス取付けスライドとを備えるばね製造機において、前記第1の曲げダイス取付けスライドは、前記線材通路の出口に対向させて線材の送り出し方向に沿って進退可能に配置してあり、前記第2及び第3の曲げダイス取付けスライドは、前記第1の曲げダイス取付けスライドの進退域の両側に配置してあり、前記第2及び第3の曲げダイス取付けスライドを各駆動する二つの駆動源を備え、前記第1の曲げダイス取付けスライドは、その一端部に曲げダイスを取付け、該第1の曲げダイス取付けスライドの進退方向中央部にて他端部を連結してあり、該他端部を中心として揺動する揺動杆を備え、該揺動杆は、連結部材を介して前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドの一方に連結可能にしてあり、該一方を駆動する駆動源の駆動により揺動するようにしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、第1の曲げダイス取付けスライドの揺動杆と、第2又は第3の曲げダイス取付けスライドの一方とを連結する連結部材とを設けることにより、第2又は第3の曲げダイス取付けスライドを駆動する駆動源の駆動が、連結部材を介して前記揺動杆に伝動して、揺動杆に駆動源を設けることなく揺動杆が揺動し、揺動杆の一端部に取付けてある曲げダイスが、線材が当接しない位置に揺動して直線部分を成形し、次に前記曲げダイスが、右巻きのばねを成形する場合には第2の曲げダイス取付けスライド側に揺動し、線材に当接して右巻きのコイル部を成形し、左巻きのばねを成形する場合には第3の曲げダイス取付けスライド側に揺動し、線材に当接して左巻きのコイル部を成形し、そして線材が当接しない位置に揺動して直線部分を成形してトーションばねを製造する。
【0017】
また本発明に係るばね製造機は、前記揺動杆は、第1の枢軸により連結してあり、前記連結部材は、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドに第2の枢軸により連結してあることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、前記揺動杆の連結箇所に第1の枢軸を設け、前記連結部材及び前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドの連結箇所に第2の枢軸を設けることにより、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドの進退運動が、第1及び第2の枢軸の連動した回転により、第1の枢軸を支点とした揺動杆の揺動運動に変換され、揺動杆が大きく揺動する。
【0019】
また本発明に係るばね製造機は、前記第1の曲げダイス取付けスライドは、前記線材通路の送り出し方向に沿って配置してあるスライド本体を備え、該スライド本体は、アーム部材を介して、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドの他方に連結してあり、該他方を駆動する駆動源の駆動により、前記スライド本体を進退させるようにしてあることを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、前記第1の曲げダイス取付けスライドと、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドの他方とを連結するアーム部材を設けることにより、該他方を駆動する駆動源の駆動を、アーム部材を介して前記第1の曲げダイス取付けスライドに伝動させて、第1の曲げダイス取付けスライドに駆動源を設けることなく、第1の曲げダイス取付けスライドを線材の送り出し方向に沿って進退させる。
【0021】
また本発明に係るばね製造機は、前記連結部材は、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドに設けてあり、前記揺動杆の進退を案内する案内溝を有する案内部材と、前記第1の曲げダイス取付けスライドに設けてあり、前記案内溝に沿って摺動する摺動部材とを備えており、前記案内溝は前記線材通路の送り出し方向に沿って形成してあることを特徴とする。
【0022】
本発明にあっては、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドに、前記揺動杆の線材の送り出し方向に沿った進退を案内する案内溝を有する案内部材を設け、前記第1の曲げダイス取付けスライドに、前記案内溝に沿って摺動する摺動部材設けることにより、前記揺動杆に前記送り出し方向の力が加えられた場合には、該送り出し方向の力を揺動杆の進退に用いて、揺動杆の揺動と進退とを独立させる。
【0023】
本発明に係るばね製造機は、前記案内部材は凹部又は凸部の一方を備え、第2又は第3の曲げダイス取付けスライドは他方を備えており、前記凹部及び凸部は嵌脱可能にしてあることを特徴とする。
【0024】
本発明にあっては、例えば前記案内部材に凹部を設け、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドに、前記凹部に嵌脱可能な凸部を設けることにより、一つの曲げダイスで製造するばねを製造するときには、案内部材を前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドに取付け、第1の曲げダイス取付けスライドに取付けてある曲げダイスでばねを曲げ変形し、複数の曲げダイスで製造するばねを製造するときには、案内部材を取り外して、曲げダイスを前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドに取付けて、第1の曲げダイス取付けスライドに取付けてある曲げダイスと前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドに取付けてある曲げダイスとで、ばねを曲げ変形する。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るばね製造機においては、第1の曲げダイス取付けスライドの揺動杆と、第2又は第3の曲げダイス取付けスライドの一方とを連結する連結部材とを設けることにより、第2又は第3の曲げダイス取付けスライドを駆動する駆動源の駆動が、連結部材を介して前記揺動杆に伝動して、揺動杆に駆動源を設けることなく揺動杆が揺動し、揺動杆の一端部に取付けてある曲げダイスが、線材が当接しない位置に揺動して直線部分を成形し、次に前記曲げダイスが、右巻きのばねを成形する場合には第2の曲げダイス取付けスライド側に揺動し線材に当接して、右巻きのコイル部を成形し、左巻きのばねを成形する場合には第3の曲げダイス取付けスライド側に揺動し線材に当接して、左巻きのコイル部を成形し、そして線材が当接しない位置に揺動して直線部分を成形し、直線部分を成形する必要のあるばね、例えばトーションばねを製造することができ、また製造費用を削減することができる。
【0026】
また本発明に係るばね製造機においては、前記第1の曲げダイス取付けスライドでの前記揺動杆の連結箇所に第1の枢軸を設け、前記連結部材及び前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドの連結箇所に第2の枢軸を設けることにより、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドの進退運動が、第1及び第2の枢軸の連動した回転により、第1の枢軸を支点とした揺動杆の揺動運動に変換し、揺動杆を大きく揺動させて大径のコイルばねを製造することができる。
【0027】
また本発明に係るばね製造機においては、前記第1の曲げダイス取付けスライドと、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドの他方とを連結するアーム部材を設けることにより、該他方を駆動する駆動源の駆動を、アーム部材を介して前記第1の曲げダイス取付けスライドに伝動させて、第1の曲げダイス取付けスライドに駆動源を設けることなく、第1の曲げダイス取付けスライドを線材の送り出し方向に沿って進退させ、ばね製造機の製造費用を削減することができる。
【0028】
また本発明に係るばね製造機においては、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドに、前記揺動杆の線材の送り出し方向に沿った進退を案内する案内溝を有する案内部材を設け、前記第1の曲げダイス取付けスライドに、前記案内溝に沿って摺動する摺動部材設けることにより、前記揺動杆に前記送り出し方向の力が加えられた場合には、前記揺動杆は前記案内溝に沿って線材の送り出し方向に沿って進退して、前記送り出し方向の力を、揺動杆の進退に用いて、揺動杆の揺動と進退とを独立させ、ばねの設計を変更した場合に、製造されるコイルばねの仕様に応じて揺動杆の揺動角及び進退距離をそれぞれ個別に調整し、外径の変化の割合を変更してコイルばねを製造することができる。
【0029】
また、例えば前記案内部材に凹部を設け、前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドに、前記凹部に嵌脱可能な凸部を設けることにより、トーションばね等の一つの曲げダイスで製造するばねを製造するときには、案内部材を前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドに取付け、芯金による傷のないばね等の複数の曲げダイスで製造するばねを製造するときには、案内部材を取り外して、曲げダイスを前記第2又は第3の曲げダイス取付けスライドに取付けて、一つの曲げダイスで製造するばね及び複数の曲げダイスで製造するばねの両者を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(実施の形態1)
以下、本発明を実施の形態1に係るばね製造機を示す図面に基づいて詳述する。図1は実施の形態1に係るばね製造機の要部構成を示す正面図、図2は第1の曲げダイス取付けスライドの要部構成を示す図1のII−II線での断面図、図3は線材送りローラ側から見た連結部材の要部構成を示す断面図である。
【0031】
図において1はばね製造機の前壁であり、該前壁1には線材を水平に送る上下一対の線材送りローラ2が設けてある。前壁1の後側には、線材送りローラ2に供給する線材を巻いた図示しないボビンが設けてある。ボビンに巻いてある線材は、図示しない滑車を介して、前記線材送りローラ2に供給される。線材送りローラ2の上流及び下流側に、ブロックの中央に線材が通過する溝部を備えてある線材ガイド3a及び線材ガイド3bがそれぞれ各別に設けてある。線材が線材ガイド3aを通って前記線材送りローラ2へ誘導され、線材送りローラ2は、上側に位置する線材送りローラ2が反時計回りに回転し、下側に位置する線材送りローラ2が時計回りに回転することにより、線材を線材ガイド3bに誘導する。
【0032】
線材ガイド3bの出口付近は、線材加工空間4となっている。線材ガイド3bの出口に対向して、線材の送り出し方向に沿って第1の曲げダイス取付けスライド10が配置してある。線材ガイド3bの出口へ誘導された線材は、線材加工空間4へ送り出され、前記第1の曲げダイス取付けスライド10の先端部に取付けてある曲げダイス16に当接する。曲げダイス16は線材の曲げ加工を確実に行うようにするため、線材を鉛直方向に案内する略半円形の溝を備えており、線材は当接する曲げダイス16の角度及び位置に応じて、所望の向きに曲げ変形され、所望のばねが巻成される。
【0033】
線材ガイド3bの出口には、前壁1から前方に突出した芯金5が配置されており、前記線材加工空間4の上側に、端部にカッタ6を備えた切断ツールスライドが配置されている。切断ツールスライドは、図示しないガイドレールに沿って線材加工空間4へと上下動し、カッタ6が芯金5との間で線材を挟み、カッタ6が芯金5と摺接するまで下降することにより、線材が切断されて、ばねが切り離される。
【0034】
前壁1には、線材の送り出し方向への延長線上にガイドレール15が設けてある。前記第1の曲げダイス取付けスライド10は、前記ガイドレール15上を摺動して、前記送り出し方向に沿って進退するスライド本体11を備える。スライド本体11はガイドレール15上を摺動する直方体の摺動部11aを有しており、摺動部11aの長手方向は摺動部11aの摺動方向と同方向となっている。該摺動部11aの下側に後述するナット部14が取付けられるブロック状のナット取付け部11bが連なっている。
【0035】
前記摺動部11aの前側面中央部に、直方体状の揺動杆12の一端部が、前記前側面に垂直な第1の枢軸13により回動自在に連結してある。揺動杆12の他端部は、曲げダイス16を取付けるようにしてある。揺動杆12は前記第1の枢軸13を支点にして、時計回り又は反時計回りに揺動する構成となっている。
【0036】
前記ナット取付け部11bの前側面にはナット部14が取付けてあり、該ナット部14には雄ねじ18が螺合しており、該ナット部14及び雄ねじ18の溝部分に図示しないボールが転動可能に嵌合している。前記雄ねじ18は駆動源としてのモータM1の回転軸に連なっている。該モータM1は正逆回転可能であり、該モータM1の正逆回転は前記雄ねじ18により直進運動に変換され、前記第1の曲げダイス取付けスライド10が線材の送り出し方向に沿って進退する構成となっている。
【0037】
前記前壁1に、線材の送り出し方向に対して上(下)に鋭角傾斜した方向に沿った図示しないガイドレールが設けてある。該ガイドレール上に、第2(第3)の曲げダイス取付けスライド20(30)が設けてある。該第2(第3)の曲げダイス取付けスライド20(30)は、前記ガイドレールに沿って摺動して進退する構成となっている。なお第2の曲げダイス取付けスライド20と、第3の曲げダイス取付けスライド30とは、線材の送り出し方向を対称軸として同角度で配置してある。
【0038】
前記第2(第3)の曲げダイス取付けスライド20(30)は、ガイドレール上を摺動する直方体状の摺動部20a(30a)を有しており、摺動部20a(30a)の長手方向は摺動部20a(30a)の摺動方向と同方向となっている。該摺動部20a(30a)の下側にブロック状のナット取付け部20b(30b)が連なっており、該ナット取付け部20b(30b)にナット部23(31)が取付けてある。該ナット部23(31)には雄ねじ24(32)が螺合しており、該ナット部23(31)及び雄ねじ24(32)の溝部分に図示しないボールが転動可能に嵌合している。該雄ねじ24(32)は駆動源としてのモータM2(M3)の回転軸に連なっている。該モータM2(M3)は正逆回転可能であり、該モータM2(M3)の正逆回転は前記雄ねじ24(32)により直進運動に変換され、前記第2(第3)の曲げダイス取付けスライド20(30)が、線材の送り出し方向から鋭角傾斜した方向に沿って進退する構成となっている。
【0039】
前記揺動杆12の他端部に取付けた曲げダイス16を前記線材ガイド3bの出口に突合わせた場合に、前記第2の曲げダイス取付けスライド20側にある前記揺動杆12の側面に、揺動杆12と後述する案内部材21とを連結する連結片41の矩形部分が、その長手縁部を前記側面に固定させて設けてある。該矩形部分には、矩形部分の長手方向中央部から前記第2の曲げダイス取付けスライド20側に突出した突出部が連なっている。該突出部には前後に貫通した貫通孔が開設してあり、該貫通孔に第2の枢軸42が回動自在に挿入され、該第2の枢軸42は後述する案内溝22に嵌合する構成となっている。
【0040】
前記第2の曲げダイス取付けスライド20の曲げダイス取付け部分には、前側に突出した凸部26が設けてある。前記曲げダイス取付け部分には、後側に凹部25を備える案内部材21が、該凹部25を前記凸部26に嵌脱可能に嵌合して取付けてある。案内部材21は、前記第2の枢軸42が嵌合して摺動するようにしてあり、前記揺動杆12の、線材の送り出し方向に沿った進退を案内する案内溝22を前側に有している。
【0041】
案内溝22は、案内部材21を前記曲げダイス取付け部分に取付けた場合に、線材の送り出し方向に対して略平行になるように形成してある。前記第2の枢軸42は前記案内溝22に嵌合している。第2の曲げダイス取付けスライド20に案内部材21を設けて、前記案内部材21、連結片41及び第2の枢軸42により、前記第2の曲げダイス取付けスライド20及び揺動杆12を連結してある。なお第3の曲げダイス取付けスライド30には案内部材21を設けておらず、前記第3の曲げダイス取付けスライド30及び揺動杆12は連結していない。
【0042】
次に曲げダイス16の進退及び揺動について説明する。図4は曲げダイス16の進退及び揺動を示す説明図である。モータM1が正回転したときには、前記第2の枢軸42が前記案内溝22に沿って曲げダイス16側に摺動して、第1の曲げダイス取付けスライド10は、線材加工空間4に向けて前進し、図4(a)にて矢印で示す如く、曲げダイス16が前進する。
【0043】
モータM1が逆回転したときには、前記第2の枢軸42が前記案内溝22に沿って第1の枢軸13側に摺動して、第1の曲げダイス取付けスライド10は、線材加工空間4から後退し、図4(b)にて矢印で示す如く、曲げダイス16が後退する。
【0044】
モータM2が正回転したときには、第2の曲げダイス取付けスライド20は線材加工空間4に向けて前進し、該前進運動が前記第2の枢軸42及び第1の枢軸13の回転により、前記第1の枢軸13を支点にした揺動杆12の揺動運動に変換され、曲げダイス16が、図4(c)にて白抜矢符で示す如く、反時計回りに揺動する。
【0045】
モータM2が逆回転したときには、第2の曲げダイス取付けスライド20は線材加工空間4から後退し、該後退運動が前記第2の枢軸42及び第1の枢軸13の回転により、前記第1の枢軸13を支点にした揺動杆12の揺動運動に変換され、曲げダイス16が、図4(c)にて白抜矢符で示す如く、時計回りに揺動する。
【0046】
次にばね製造機の動作について説明する。図5及び図6はトーションばねを製造するときの曲げダイス16の動作を示す説明図である。
【0047】
線材が送り出される前に、モータM1、M2に正又は逆回転信号が出力され、第1及び第2の曲げダイス取付けスライド10、20は、曲げダイス16が線材ガイド3bの出口に突合うように、配置される。
【0048】
曲げダイス16が線材ガイド3bの出口に突合うように配置された場合には、線材が線材送りローラ2により送り出されて曲げダイス16に当接し、線材は半円形状に成形される(図5(a)参照)。
【0049】
線材が半円形状に成形された場合には、モータM2に正回転信号が出力され、モータM2が所定の回転数で回転し、第2の曲げダイス取付けスライド20は線材加工空間4に向けて前進し、揺動杆12は前記第1の枢軸13を支点にして、曲げダイス16に線材が当接しない位置まで反時計回りに揺動する。そして線材が、曲げダイス16の上方を直進して、先端を半円形状に成形してある直線形状の前足部が成形される(図5(b)参照)。
【0050】
前足部が成形されたときには、モータM2に逆回転信号が出力され、モータM2は所定の回転数回転し、第2の曲げダイス取付けスライド20が線材加工空間4から後退して、揺動杆12が、曲げダイス16が線材ガイド3bの出口に突合う位置まで反時計回りに揺動する。そして曲げダイス16は送り出された線材に当接し、線材は曲げ変形され、芯金5に沿って右巻きのコイル部が巻成される(図5(c)参照)。
【0051】
コイル部が成形されたときには、モータM2に正回転信号が出力され、モータM2が所定の回転数で回転し、第2の曲げダイス取付けスライド20は線材加工空間4に向けて前進し、揺動杆12は前記第1の枢軸13を支点にして、曲げダイス16に線材が当接しない位置まで反時計回りに揺動する。そして線材は曲げダイス16の上方を直進し、直線形状の後足部が成形される(図6(d)参照)。
【0052】
後足部が成形されたときには、モータM2に逆回転信号が出力され、モータM2は所定の回転数回転し、第2の曲げダイス取付けスライド20が線材加工空間4から後退して、揺動杆12が、曲げダイス16が線材ガイド3bの出口に突合う位置まで反時計回りに揺動する。そして曲げダイス16は、後足部の端部に当接し、該端部は曲げ変形され、芯金5の上側に移動する(図6(e)参照)。前記端部が芯金5の上側に移動したときに、カッタ6が下降して芯金5との間で該端部を挟み、端部が切断されてトーションばねが切り離される(図6(f)参照)。
【0053】
以上のように曲げダイス16を揺動させることにより、右巻きのトーションばねを製造することができる。左巻きのトーションばねを製造するときには、曲げダイス16の揺動方向が反対になるように、モータM2の回転を設定するか、又は案内部材21を第3の曲げダイス取付けスライド30に設け、連結片41を揺動杆12の下側面に設けて、前記案内部材21、連結片41及び第2の枢軸42により、揺動杆12と第3の曲げダイス取付けスライド30とを連結する。なお複数の曲げダイスで製造するばねを製造するときには、案内部材21を取り外して曲げダイスを前記第2の曲げダイス取付けスライド20に取付ける。
【0054】
実施の形態1に係るばね製造機においては、第1の曲げダイス取付けスライド10の揺動杆12と第2の曲げダイス取付けスライド20とを連結する案内部材21、連結片41及び第2の枢軸42を設けることにより、第2の曲げダイス取付けスライド20を駆動するモータM2の回転が、案内部材21、連結片41及び第2の枢軸42を介して前記揺動杆12に伝動して、揺動杆12が揺動杆12にモータを設けることなく揺動し、揺動杆12に取付けてある曲げダイス16が、線材が当接しない位置に揺動して、直線部分を成形する必要のあるばね、例えばトーションばねを製造することができ、また製造費用を削減することができる。
【0055】
また、案内部材21に凹部25を設け、前記第2の曲げダイス取付けスライド20に、前記凹部25に嵌脱可能な凸部26を設けることにより、トーションばね等の一つの曲げダイスで製造するばねを製造するときには、案内部材21を前記第2の曲げダイス取付けスライド20に取付け、芯金5による傷のないばね等の複数の曲げダイスで製造するばねを製造するときには、案内部材21を取り外して、曲げダイスを前記第2の曲げダイス取付けスライド20に取付けて、一つの曲げダイスで製造するばね及び複数の曲げダイスで製造するばねの両者を製造することができる。
【0056】
なお線材送りローラ2は複数対設けても良い。また駆動源として油圧シリンダを用いても良い。また案内部材21の後側に凸部を設け、第2の曲げダイス取付けスライド20の端部に凹部を設けても良い。
【0057】
(実施の形態2)
以下、本発明を実施の形態2に係るばね製造機を示す図面に基づいて詳述する。図7は、ばね製造機の要部構成を示す正面図、図8は第1の曲げダイス取付けスライド10の要部構成を示す図7のVIII−VIII線での断面図、図9(a)はアーム部材50の平面図、図9(b)はアーム部材50のIX−IX線での断面図である。
【0058】
線材の送り出し方向への延長線上であって摺動部11aの前側面に、線材の送り出し方向に直角な溝部19が設けてあり、第3の曲げダイス取付けスライド30のナット部31に、雄ねじ32の軸芯方向に直角な溝部33が設けてある。
【0059】
第1の曲げダイス取付けスライド10と第2の曲げダイス取付けスライド20との間の領域にて、支持台53が前壁1に設けてある。該支持台53にアーム部材50の一端部が着脱可能に支持されている。該アーム部材50は、前記支持台53を回転中心として揺動可能となっている。アーム部材50は、他端部及び中央部にそれぞれ第1の凸部51及び第2の凸部52を備えている。第1の凸部51は前記溝部33に嵌合することができ、第2の凸部52は前記溝部19に嵌合することができる。
【0060】
モータM3の回転により、第3の曲げダイス取付けスライド30が移動した場合、第1の凸部51が溝部33に沿って摺動し、第2の凸部52が溝部19に沿って摺動して、第1の曲げダイス取付けスライド10が連動して移動する構成となっている。なお第1の曲げダイス取付けスライド10にモータは設けられていない。
【0061】
次に、ばねの外形が次第に大きくなるコイルばねを製造する場合のばね製造機の動作について説明する。線材が送り出される前は、曲げダイス16が線材ガイド3bの出口に突合うようにしてある。
【0062】
線材が送り出された場合に、線材は曲げダイス16に当接して曲げ変形される。そしてモータM2及びM3に逆回転信号が出力され、モータM2及びM3が所定の回転数で回転する。第2及び第3の曲げダイス取付けスライド20、30は、線材加工空間4から離れる向きに移動し、曲げダイス16は、前記第1の枢軸13を支点にして第2の曲げダイス取付けスライド20側に揺動すると共に、線材加工空間4から後退する。
【0063】
曲げダイス16の後退は案内溝22に沿って行われる。案内溝22は、案内部材21を、第2の曲げダイス取付けスライド20の先端部分に設けた場合に、線材の送り出し方向に対し略平行になるように形成してあり、曲げダイス16の後退は、曲げダイス16の揺動に対し干渉することなく、独立して行われる。線材は曲げダイス16に当接して曲げ変形され、外径が次第に大きくなるコイルばねが巻成される。
【0064】
図10は、第1の曲げダイス取付けスライド10に取付けてある曲げダイスの移動方向を示す説明図である。曲げダイス16は線材を鉛直方向に案内する略半円形の溝を備えており、該溝の中央点が揺動杆12の進退及び揺動に伴って移動する。図10において、L1は中央点の軌跡、点Aは線材ガイド3bの出口、L2は水平線、L3は鉛直線を示す。巻成するばねのコイル部の形状に対応して、L1の形状が決定される。
【0065】
以上のように曲げダイス16を線材ガイド3bの出口から移動させることにより、右巻きのコイル部を有しており、外径が次第に大きくなるコイルばねを製造することができる。左巻きのコイル部を有しており、外径が次第に大きくなるコイルばねを製造する場合には、モータM2に正回転信号を出力し、第2の曲げダイス取付けスライド20を線材加工空間4に向けて移動させる。
【0066】
実施の形態2に係るばね製造機においては、前記第1の曲げダイス取付けスライド10と、前記第3の曲げダイス取付けスライド30とを連結するアーム部材50を設けることにより、前記第3の曲げダイス取付けスライド30を駆動するモータM3の駆動を、アーム部材50を介して前記第1の曲げダイス取付けスライド10に伝動させて、第1の曲げダイス取付けスライド10にモータを設けることなく、第1の曲げダイス取付けスライド10を線材の送り出し方向に沿って進退させ、ばね製造機の製造費用を削減することができる。
【0067】
また、第2の曲げダイス取付けスライド20に、揺動杆12の線材の送り出し方向に沿った進退を案内する案内溝22を有する案内部材21を設け、前記第1の曲げダイス取付けスライド10に、前記案内溝22に沿って摺動する連結片41を設けることにより、前記揺動杆12に、モータM1により前記送り出し方向の力が加えられた場合には、前記揺動杆12は前記案内溝22に沿って線材の送り出し方向に進退して、前記送り出し方向の力を、揺動杆12の進退に用いて、揺動杆12の揺動と進退とを独立させ、製造されるコイルばねの仕様に応じて揺動杆12の揺動角及び進退距離をそれぞれ個別に調整し、外径の変化の割合を変更してコイルばねを製造することができる。
【0068】
また前記揺動杆12及び第1の曲げダイス取付けスライド10の連結箇所に第1の枢軸13を設け、前記案内部材21及び連結片41の連結箇所に第2の枢軸42を設けることにより、前記第2の曲げダイス取付けスライド20の進退運動が、第1及び第2の枢軸13、42の連動した回転により、第1の枢軸13を支点とした揺動杆12の揺動運動に変換され、揺動杆12を大きく揺動させて大径のコイルばねを製造することができる。
【0069】
なお第1の曲げダイス取付けスライド10と第3の曲げダイス取付けスライド30との間の領域にて支持台53を前壁1に設け、第2の曲げダイス取付けスライド20のナット部23に、雄ねじ24の軸芯方向に直角な溝部を設けて、第1の曲げダイス取付けスライド10と第2の曲げダイス取付けスライド20とをアーム部材50により連結し、揺動杆12と第3の曲げダイス取付けスライド30とを案内部材21、連結片41及び第2の枢軸42により連結する構成としてもよい。また製造されるばねはばねの外形が次第に大きくなるコイルばねに限られず、ばねの外径が次第に大きくなる部分と次第に小さくなる部分とを有するコイルばねを製造することもできる。
【0070】
実施の形態2に係るばね製造機の構成の内、実施の形態1と同様の構成については同じ符号を付しその詳細な説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】実施の形態1に係るばね製造機の要部構成を示す正面図である。
【図2】実施の形態1に係るばね製造機の第1の曲げダイス取付けスライドの要部構成を示す図1のII−II線での断面図である。
【図3】実施の形態1に係るばね製造機の線材送りローラ側から見た連結部材の要部構成を示す断面図である。
【図4】実施の形態1に係るばね製造機の曲げダイスの進退及び揺動を示す説明図である。
【図5】実施の形態1に係るばね製造機のトーションばねを製造するときの曲げダイスの動作を示す説明図である。
【図6】実施の形態1に係るばね製造機のトーションばねを製造するときの曲げダイスの動作を示す説明図である。
【図7】実施の形態2に係るばね製造機の要部構成を示す正面図である。
【図8】実施の形態2に係るばね製造機の第1の曲げダイス取付けスライドの要部構成を示す図7のVIII−VIII線での断面図である。
【図9】実施の形態2に係るばね製造機の(a)はアーム部材の平面図、(b)はアーム部材のIX−IX線での断面図である。
【図10】実施の形態2に係るばね製造機の第1の曲げダイス取付けスライドに取付けてある曲げダイスの移動方向を示す説明図である。
【符号の説明】
【0072】
1 前壁
2 線材送りローラ
3a、3b 線材ガイド
4 線材加工空間
5 芯金
6 カッタ
10 第1の曲げダイス取付けスライド
12 揺動杆
13 第1の枢軸
16 曲げダイス
20 第2の曲げダイス取付けスライド
21 案内部材
22 案内溝
30 第3の曲げダイス取付けスライド
41 連結片
42 第2の枢軸
50 アーム部材
51 第1の凸部
52 第2の凸部
53 支持台
【出願人】 【識別番号】000190622
【氏名又は名称】新興機械工業株式会社
【出願日】 平成18年12月20日(2006.12.20)
【代理人】 【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫


【公開番号】 特開2008−155215(P2008−155215A)
【公開日】 平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願番号】 特願2006−343479(P2006−343479)