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【発明の名称】 螺旋線材の整列機構
【発明者】 【氏名】後藤 幸一郎

【氏名】調 公二郎

【氏名】福地 文雄

【氏名】村本 穣

【氏名】杉山 直幸

【要約】 【課題】互いに重なり合った螺旋線材を自動的に整列させることのできる螺旋線材の整列機構を提供する。

【構成】螺旋線材HWの整列機構100は、複数の螺旋線材HWをその径方向に挟み込んで加圧することにより、複数の螺旋線材HWが各々の螺旋軸を中心に回転するように複数の螺旋線材HWに回転力を加えることができるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の螺旋線材をその径方向に挟み込んで加圧することにより、前記複数の螺旋線材が各々の螺旋軸を中心に回転するように前記複数の螺旋線材に回転力を加えることができるように構成された、螺旋線材の整列機構。
【請求項2】
前記複数の螺旋線材の各々をその径方向に挟み込んだ状態で螺旋軸を中心にそのピッチ数以上回転させることができるように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の螺旋線材の整列機構。
【請求項3】
前記螺旋線材に加える前記回転力を間欠的に加えることができるように構成されたことを特徴とする、請求項1または2に記載の螺旋線材の整列機構。
【請求項4】
前記回転力を間欠的に加えるための加振装置をさらに備えたことを特徴とする、請求項3に記載の螺旋線材の整列機構。
【請求項5】
前記加圧の加圧力が前記螺旋線材の径方向の弾性変形領域以内であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の螺旋線材の整列機構。
【請求項6】
前記加圧のための押さえ平板をさらに備え、前記押さえ平板と前記螺旋線材との接触部分が、樹脂シートまたはゴムシートのいずれかであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の螺旋線材の整列機構。
【請求項7】
前記複数の螺旋線材の搬送手段をさらに備えたことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の螺旋線材の整列機構。
【請求項8】
前記搬送手段の搬送方向と垂直な方向の長さが前記螺旋線材の長さ以上であることを特徴とする、請求項7に記載の螺旋線材の整列機構。
【請求項9】
重なった状態の前記複数の螺旋線材を検出し、前記整列機構から排除することができるように構成されたことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の螺旋線材の整列機構。
【請求項10】
前記複数の螺旋線材を載置する載置面を有し、
前記重なった状態の前記複数の螺旋線材の検出は、前記載置面から前記螺旋線材の最外径寸法よりも離れた領域に前記複数の螺旋線材の少なくとも一部が位置しているか否かを検出することにより行なうことを特徴とする、請求項9に記載の螺旋線材の整列機構。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、螺旋線材の整列機構に関し、特に、重なり合った螺旋線材を整列させる螺旋線材の整列機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
螺旋線材の線材供給手段を有する装置としては、たとえば特開平8−155571号公報に開示された巻き付けグリップ製造装置がある。この公報の線材供給手段は、駆動ローラにより螺旋線材を伸縮コンベアに送り出し、この伸縮コンベアにより次工程へと螺旋線材を逐次送り込む。
【0003】
この巻き付けグリップ製造装置によれば、螺旋線材の放り投げ動作がなく、位置合わせが正確に行なえると上記公報には記載されている。
【特許文献1】特開平8−155571号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記公報に開示された線材供給手段は螺旋線材を次工程へ供給するものであって、重なり合った螺旋線材を整列させるものではない。そこで、人手によるワーク(螺旋線材)の整列作業が行なわれている。具体的には、作業者がワークをワーク積載台車より掴み取って投入テーブルに置き、このワークを人手により動かすことでワークを整列させている。このように、螺旋線材の整列が、機械化、自動化されていない、という課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、重なり合った螺旋線材を人手によることなく整列させることができる螺旋線材の整列機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の螺旋線材の整列機構は、複数の螺旋線材をその径方向に挟み込んで加圧することができ、この複数の螺旋線材が各々の螺旋軸を中心に回転するように回転力を加えることができるように構成されている。
【0007】
本発明の螺旋線材の整列機構によれば、複数の螺旋線材は、径方向に挟み込まれて加圧された状態で各々の螺旋軸を中心に回転することができる。よって、複数の螺旋線材が互いに重なり合っている場合に、その重なり位置を螺旋線材の回転にともなって螺旋線材の端部に向かって移動させることができる。このため、重なり位置が螺旋線材の端部に達すると、この重なりが解消する。これにより、人手によることなく複数の螺旋線材の重なりが解消され、螺旋線材を重ならせることなく整列することができる。
【0008】
上記の螺旋線材の整列機構において好ましくは、複数の螺旋線材の各々を螺旋軸を中心にそのピッチ数以上回転させることができるように構成されている。よって、螺旋線材の重なり位置が螺旋線材の端部にある場合においても、重なりが解消されるほど十分に回転が行なわれる。これにより、複数の螺旋線材の重なり位置の初期状態を問わず、確実に重なりを解消することができる。
【0009】
上記の螺旋線材の整列機構において好ましくは、螺旋線材に加える回転力を間欠的に加えることができるように構成されている。これにより連続的に回転力を加えなくても、螺旋線材を回転させて整列させることができる。
【0010】
上記の螺旋線材の整列機構において好ましくは、間欠的に回転力を加えるために加振装置をさらに備えている。これにより、連続的に回転力を加えなくても、螺旋線材を回転させて整列させることができる。
【0011】
上記の螺旋線材の整列機構において好ましくは、螺旋線材をその径方向に挟み込んで加圧する加圧力が、螺旋線材の径方向の弾性変形領域以内となるように構成されている。これにより、螺旋線材が塑性変形することを防ぐことができる。
【0012】
上記の螺旋線材の整列機構において好ましくは、複数の螺旋線材をその径方向に挟み込んで加圧するための押さえ平板がさらに備えられ、押さえ平板と螺旋線材との接触部分が、樹脂シートまたはゴムシートのいずれかである。これにより、押さえ平板と螺旋線材との接触性を向上させることができる。
【0013】
上記の螺旋線材の整列機構において好ましくは、複数の螺旋線材の搬送手段がさらに備えられている。これにより、螺旋線材が一箇所に滞留しなくなるため、複数の螺旋線材を連続的に投入することができる。よって、高い効率で螺旋線材の整列を行なうことができる。
【0014】
上記の螺旋線材の整列機構において好ましくは、搬送手段の搬送方向と垂直な方向の搬送手段の長さが螺旋線材の長さ以上であるように構成されている。これにより、螺旋線材の長さ方向と垂直な方向に螺旋線材を搬送することができる。
【0015】
上記の螺旋線材の整列機構において好ましくは、重なった状態の複数の螺旋線材を検出し、整列機構から排除することができるように構成されている。これにより、整列された螺旋線材のみが整列機構から取り出されるようにすることができる。
【0016】
上記の螺旋線材の整列機構において好ましくは、複数の螺旋線材を載置する載置面を有する。そして、重なった状態の複数の螺旋線材を検出するために、この載置面から螺旋線材の最外径寸法よりも離れた領域に複数の螺旋線材の少なくとも一部が位置しているか否かを検出することができるように構成されている。これにより、重なった状態の複数の螺旋線材の検出を確実に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
はじめに、本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100の構成について、図1〜図3を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における螺旋線材の整列機構の外観構造を概略的に示す斜視図である。図2は、図1のOUT側から見た場合の螺旋線材の整列機構の外観構造を概略的に示す正面図である。図3は、図2のIII−III線における概略的な断面図である。
【0018】
図1〜図3を参照して、本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100は、主要な構成要素として、コンベアC1と、コンベアC1の上方に配された押さえ平板PPと、この押さえ平板PPをコンベアC1の方へ付勢する加圧バネSPとを有している。押さえ平板PPの下面とコンベアC1の上面とは、間隙を有するように配置されている。この間隙の高さは加圧バネSPの伸縮にともない変動可能とされており、間隙に螺旋線材HWがその径方向に挟み込まれた場合、加圧バネSPは押縮された状態となるように間隙が設けられている。すなわち、間隙に螺旋線材HWが径方向に挟み込まれた場合、螺旋線材HWが挟み込まれて加圧されるように、コンベアC1、押さえ平板PP、および加圧バネSPが配置されている。
【0019】
この配置により、挟みこまれて加圧された複数の螺旋線材HWがコンベアC1により搬送される構成となっている。螺旋線材HWは、上方から押さえ平板PPで押さえ付けられた状態で下方に設けられたコンベアC1により搬送されることから、螺旋線材HWには回転力が加わる。この回転力により、複数の螺旋線材HWは各々の螺旋軸を中心とする回転運動をともないながら、コンベアC1の進行方向へと移動する。
【0020】
また、本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100は、螺旋線材HWの投入部において、螺旋線材HW用のホッパーである投入ホッパー11と、螺旋線材HWの長さ方向の粗い位置決めが行なわれるようにするための側壁である幅方向規制ガイドGDとを有している。これにより、本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100は、複数の螺旋線材HWが、その螺旋軸がコンベアC1の流れ方向とおおよそ垂直な方向を向く状態で、連続的にコンベアC1に導入される構成となっている。
【0021】
ここで、螺旋線材HWは、図4に示すように、螺旋軸AXを中心軸とする直径D、長さHWLの仮想円柱に内接するように延在する線材である。螺旋線材HWは、螺旋軸AX方向に周期構造を有しており、紙面に垂直な方向に低い部分がL、高い部分がHで示されている。この周期構造の1周期分は1ピッチ(図中P)と称される。たとえば、図中の螺旋線材HWのピッチ数は5である。
【0022】
なお、図2に示すように、加圧バネSPの上端は固定部材14に固定されることで固定端とされている。図1においては、図を見やすくするために固定部材14は省略されている。
【0023】
また、好ましくは、押さえ平板PPは、そのコンベアC1の流れ方向の実効的な長さPL(図3)が螺旋線材HWの最外周寸法πDにそのピッチ数を乗じた寸法以上の長さとなるように構成されている。すなわち、ピッチ数をnとすると、PL≧πDnとなるように構成されている。なお、実効的な長さPLとは、押さえ平板PPのコンベアC1の流れ方向の長さのうち、実際に螺旋線材HWをコンベアC1との間で挟み込んで加圧できる長さのことである。
【0024】
また、好ましくは、加圧バネSPは、螺旋線材HWに加わる加圧力が螺旋線材HWの径方向の弾性変形領域以内であるように構成されている。
【0025】
また、好ましくは、押さえ平板PPは、図3に示すように、本体12と、螺旋線材HWに接触する部分である接触部分13とから構成されている。接触部分13は、好ましくは、樹脂シートまたはゴムシートのいずれかで構成されている。また、好ましくは、コンベアC1は、その螺旋線材HWとの接触部分が、樹脂シートまたはゴムシートのいずれかで構成されている。
【0026】
また、好ましくは、コンベアC1の流れ方向に直交する方向の寸法である幅W(図2)が螺旋線材HWの長さHWL(図4)以上となるように構成されている。
【0027】
また、コンベアC1は、たとえば図2に示す駆動モーター15により駆動され得る。この場合、駆動モーター15の駆動力を、たとえば駆動ベルト(図示せず)によりコンベアC1に伝達することにより、コンベアC1の駆動がなされる。
【0028】
次に、本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100を用いた整列方法について説明する。図1を参照して、投入ホッパー11に、複数の螺旋線材HWが連続的に投入される。このときの螺旋線材HWの投入の向きは、螺旋軸AXがコンベアC1の進行方向とおおよそ垂直となるようにされる。コンベアC1の動きにともない、螺旋線材HWは押さえ平板PPとコンベアC1との間隙に導入される。
【0029】
この押さえ平板PPとコンベアC1との間隙に挟まれた複数の螺旋線材HWの様子を、図5〜図8に示す。なお、図5〜図8では、見やすいように2本の螺旋線材HW1、HW2のみが図示されおり、他の構成要素は省略されている。また、図5〜図8の図中の破線矢印はコンベアC1の進行方向を表している。
【0030】
図5を参照して、押さえ平板PPとコンベアC1との間では、たとえば2つの螺旋線材HW1、HW2が重なり合っている場合がある。この2つの螺旋線材HW1、HW2は、たとえば重なり位置XP0において重なり合っている。この状態で、押さえ平板PPとコンベアC1との間で2つの螺旋線材HW1、HW2は径方向に加圧されるとともに、コンベアC1が駆動される。これにより、2つの螺旋線材HW1、HW2の各々はその上部において押さえ平板PPからの摩擦力を受けつつ、その下部においてコンベアC1の進行方向の力を受けるため、各螺旋線材HW1、HW2が各々の螺旋軸AXを中心に回転(図中回転矢印方向に回転)しながら搬送される。
【0031】
図6を参照して、この回転にともない、2つの螺旋線材HW1、HW2の各々が1回転すると、重なり位置はXP0からXP1へとHW1、HW2の各々の1ピッチP分ずれる。
【0032】
図7を参照して、コンベアC1のさらなる進行にともなって、重なり位置が螺旋線材HW1、HW2の1回転ごとに1ピッチずつずれていき、XP1からXP2、XP3、XP4へと順に移動する。
【0033】
図8を参照して、重なり位置が螺旋線材HW1、HW2の端部に到達すると、螺旋線材HW1とHW2との重なりが解消される。
【0034】
本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100によれば、図1〜図3に示すように、コンベアC1および押さえ平板PPにより複数の螺旋線材HWをその径方向に挟み込んで、加圧バネSPにより加圧することができ、この複数の螺旋線材HWが各々の螺旋軸AXを中心に回転するように回転力を加えることができるように構成されている。これにより、複数の螺旋線材HWは、各々の螺旋軸AXを中心に回転することができる。よって、複数の螺旋線材HWが互いに重なり合っている場合に、その重なり位置が螺旋線材HWの回転にともなって螺旋線材HWの端部に向かって移動していく。このため、重なり位置が螺旋線材HWの端部に達すると、この重なりが解消される。これにより、人手によることなく複数の螺旋線材HWの重なりが解消され、螺旋線材HWが整列された状態を得ることが可能となる。
【0035】
また、本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100によれば、好ましくは、押さえ平板PPは、そのコンベアC1の流れ方向の実効的な長さPLが螺旋線材HWの最外周寸法πDにそのピッチ数nを乗じた寸法以上の長さとなるように構成されている。すなわち、長さPLは、PL≧πDnとされている。
【0036】
螺旋線材HWの重なり位置は、螺旋線材HWの1回転で1ピッチずれる。よって、螺旋線材HWがnピッチのときは、螺旋線材HWをn回転させれば確実に重なり部分を螺旋線材HWの最端部へ移動して重なりを解消することができる。螺旋線材HWが1回転するのに必要な押さえ平板PPの長さは、螺旋線材HWの最外周寸法πDに等しい。よって、螺旋線材HWをn回転させるには、πD×nの長さの押さえ平板PPが必要である。したがって、押さえ平板PPの長さPLがπDn以上であれば、螺旋線材HWの重なりが確実に解消できる。
【0037】
また、螺旋線材HWに加わる加圧力が螺旋線材HWの径方向の弾性変形領域以内であるように加圧バネSPが構成されているため、螺旋線材HWが塑性変形することを防ぐことができる。
【0038】
また、押さえ平板PPの接触部分13が、樹脂シートまたはゴムシートのいずれかであるように構成されているため、押さえ平板PPと螺旋線材HWとの接触性を向上させることができる。また、コンベアC1の螺旋線材HWとの接触部分が、樹脂シートまたはゴムシートのいずれかであるように構成されているため、コンベアC1と螺旋線材HWとの接触性を向上させることができる。
【0039】
なお、螺旋線材HWの巻き方向が図4に示すものと逆の場合は、螺旋線材HWの回転にともなう螺旋線材HWの重なりの移動方向もそれに対応して逆になる。しかし、この移動方向が逆になる以外は上述した議論がそのまま成立する。
【0040】
また、図4に示す螺旋線材HWはピッチ数が5であるが、これは例示であり、本実施の形態はこのピッチ数に限定されるものではない。また、ピッチ数は整数に限るものではない。
【0041】
(実施の形態2)
実施の形態1においては、螺旋線材HWがコンベアC1と押さえ平板PPとにより挟み込まれる構成について説明したが、コンベアC1の代わりに、加振装置付きの平板が用いられてもよい。以下、その構成について説明する。
【0042】
図9は、本発明の実施の形態2における螺旋線材の整列機構の概略的な断面図であり、その断面位置は実施の形態1における図2のIII−III線の位置に対応する。図9を参照して、本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100は、主要な構成要素として、加振装置VA、振動平板VP、押さえ平板PP、および加圧バネSP(図9において図示せず)を有している。加振装置VAは、図中斜め方向の両端矢印で示す方向に沿って振動することのできる装置である。この上面に設けられた振動平板VPの上面と押さえ平板PPの下面とは、間隙を有するように配置されている。この間隙の高さは加圧バネSPの伸縮にともない変動可能とされており、間隙に螺旋線材HWがその径方向に挟み込まれかつ振動平板VPが振動により図中最上方に位置する場合、加圧バネSPは押縮された状態となるように間隙が設けられている。すなわち、間隙に螺旋線材HWが径方向に挟み込まれた場合、螺旋線材HWが挟み込まれて加圧されるように、振動平板VP、押さえ平板PP、および加圧バネSPが配置されている。また、振動平板VPが振動により図中下方へ移動する場合、振動平板VPと押さえ平板PPとの間隙の大きさが、少なくとも瞬間的に螺旋線材HWの直径D(図4)より大きくなるように、振動平板VP、押さえ平板PP、および加圧バネSPは構成されている。これにより、螺旋線材HWに間欠的に回転力が与えられることとなる。
【0043】
振動平板VPの振動は、縦方向成分および横方向成分を有している。そして、縦方向成分の作用により振動平板VPが下方から上方へと変位する際に、横方向成分の作用により振動平板VPが螺旋線材HWを進行させる方向へと変位する。
【0044】
なお、これ以外の構成については実施の形態1とほぼ同様であるため、同一の要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0045】
次に、本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100を用いた整列方法について説明する。図9を参照して、投入ホッパー11に、複数の螺旋線材HWが連続的に投入される。加振装置VAの振動にともない、螺旋線材HWは図中の横向き矢印の方向に移送され、押さえ平板PPと振動平板VPとの間隙に導入される。そして、螺旋線材HWは、押さえ平板PPに加圧されつつ、図中回転矢印のように回転しながら、この間隙を図中横向き矢印の方へ進行していく。この回転により、実施の形態1と同様に螺旋線材HW相互の重なりが除去される。
【0046】
続いて、本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100が螺旋線材HWを回転させながら進行させる原理について説明する。図10および図11は、加振装置による螺旋線材の運動を説明するための模式図であり、図10は加振装置が斜め上方に変位する様子を、図11は斜め下方に変位する様子を示す。
【0047】
図10を参照して、白抜き矢印で示す加振装置VAの変位にともなって、螺旋線材HWに斜め上方への力Fが加えられる。この力Fの横方向成分F1により、螺旋線材HWの周方向に回転力が与えられる。これにより、螺旋線材HWは、螺旋軸AXを中心として回転矢印Rの向きに回転し、押さえ平板PPの下面を横方向成分F1の方向に転がるように運動する。よって、螺旋線材HWは、回転すると同時に図中右方向へ進行する。また、力Fの上方向成分F2により、螺旋線材HWは上方へと持ち上げられる。螺旋線材HWの上方への動きにともない、押さえ平板PPが上方へと押され、加圧バネSPは、より押縮される。
【0048】
図11を参照して、加振装置VAが白抜き矢印で示す斜め下方に変位すると、加圧バネSPはこの運動に同期して伸長し始めるが、この伸長は加振装置VAの下方への動きに完全には追従しきれず、螺旋線材HWと振動平板VPとの間にはわずかな間隙Gが生じた状態となる。この間隙Gの存在により、螺旋線材HWは振動平板VPからは力を受けない状態で、重力および加圧バネSPからの付勢力により振動平板VPの方へと移動する。加振装置VAの下方への動きはやがて上方への動きへと切り替わるが、これに同期して螺旋線材HWはふたたび振動平板VPの上面と接触する。そして、再度、螺旋線材HWは図10に示すような力を受ける。これらの動作が繰り返されることにより、螺旋線材HWには間欠的に回転力が加えられ、螺旋線材HWは、図9に示すように回転すると同時に進行する。
【0049】
本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100によれば、螺旋線材HWに加える回転力を間欠的に加えることができるように構成されている。これにより連続的に回転力を加えなくても、間欠的な回転力により螺旋線材HWを回転、進行させることができる。
【0050】
また、本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100によれば、間欠的に回転力を加えるために加振装置VAをさらに備えている。これにより、たとえばベルトコンベアのような連続運動する手段によらず、たとえば振動フィーダーのような振動運動する手段により、螺旋線材HWを回転、進行させることができる。
【0051】
(実施の形態3)
本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100は、実施の形態1の螺旋線材HWの整列機構100の下流側に、整列されなかった螺旋線材HWを排除することができる排除部がさらに付加されている。以下、その構成について説明する。
【0052】
図12は、本発明の実施の形態3における螺旋線材の整列機構の下流側の概略的な側面図である。また、図13は、本発明の実施の形態3における螺旋線材の整列機構のコンベアの部分を下流側から見た正面図である。
【0053】
図12を参照して、螺旋線材HWの整列機構100は、重なった螺旋線材HWの存在を検出して排除する排除部EJを有している。排除部EJは、コンベアC1の末端とつながった固定渡り板25と、それに続く可動渡り板24と、可動渡り板を駆動する駆動手段23とを有している。可動渡り板24は、駆動手段23により、図中Aに示すように垂直状態と水平状態とが切り替わるように構成されている。
【0054】
図12および図13を参照して、排除部EJは、螺旋線材HWの重なりを検出するために、光電センサー投光部21および光電センサー受光部22を有している。光電センサー投光部21は光電センサー受光部22に向けて光を発し、光電センサー受光部22はこの光を受光する。この光の光路は、図13に示すように、コンベアC1の上方を幅方向に横切るように載置面に沿って通っている。この載置面と光路との間隔は、螺旋線材HWの最外径寸法Dよりも若干大きくされる。光電センサー受光部22は、受光の有無を駆動手段23に伝達できるように構成されている。駆動手段23は、この有無に対応して可動渡り板24を駆動できるように構成されている。
【0055】
なお、これ以外の構成については実施の形態1とほぼ同様であるため、同一の要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0056】
次に、本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100により、重なった状態の螺旋線材HWを排除する方法について説明する。
【0057】
整列された状態の螺旋線材HWのみが光電センサー21、22部分を通過している限り、光電センサー21、22の光路は遮られることがなく、この状態においては駆動手段23は可動渡り板24を水平状態に保持する。すると、螺旋線材HWはコンベアC1から固定渡り板25、可動渡り板24、および固定渡り板26を順次通過していき、取り出しコンベアC2に至る。この取り出しコンベアC2から、整列された螺旋線材HWを取り出すことができる。
【0058】
重なった状態の螺旋線材HWが光電センサー21、22部分を通過すると、図13に示すように光路が遮られ、光電センサー受光部22が光を受光しなくなる。これにより、螺旋線材HWが重なった状態であることが検出される。この検出結果は駆動手段23に伝達される。すると駆動手段23は、あらかじめ設定されたタイミングで可動渡り板24を垂直状態とする。これにより、重なり合った螺旋線材HWは、図中可動渡り板23を渡ることができず、図中HWFのように落下し、回収台車27に蓄積される。
【0059】
本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100によれば、重なった状態の複数の螺旋線材HWを検出し、螺旋線材HWの整列機構100から排除することができる。これにより、整列された螺旋線材HWのみが螺旋線材HWの整列機構100から取り出されるようにすることができる。
【0060】
また、本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100によれば、複数の螺旋線材HWが載置される載置面であるコンベアC1の載置面を有し、重なった状態の複数の螺旋線材HWの検出は、コンベアC1の載置面から螺旋線材HWの最外径寸法Dよりも離れた領域に複数の螺旋線材HWの少なくとも一部が位置しているか否かを検出することにより行なわれる。これにより、重なった状態の複数の螺旋線材HWの検出を確実に行なうことができる。
【0061】
(実施の形態4)
実施の形態1においては、螺旋線材HWがコンベアC1と押さえ平板PPとにより挟み込まれる構成について説明したが、押さえ平板PPの代わりに押さえコンベアを用いる構成としてもよい。以下、その構成について説明する。
【0062】
図14は、本発明の実施の形態4における螺旋線材の整列機構の概略的な断面図であり、その断面位置は実施の形態1における図2のIII−III線の位置に相当する。図14を参照して、本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100は、コンベアC1の上方に配された押さえコンベアC3と、この押さえコンベアC3をコンベアC1の方(図中白抜き矢印方向)へ付勢する加圧バネSP(図14において図示せず)とを有している。押さえコンベアC3の下面とコンベアC1の上面とは、間隙を有するように配置されている。この間隙の高さは加圧バネSPの伸縮にともない変動可能とされており、間隙に螺旋線材HWがその径方向に挟み込まれた場合、加圧バネSPは押縮された状態となるように構成されている。すなわち、間隙に螺旋線材HWが径方向に挟み込まれた場合、螺旋線材HWが挟み込まれて加圧されるように、コンベアC1、押さえコンベアC3、および加圧バネSPが配置されている。
【0063】
なお、これ以外の構成については実施の形態1とほぼ同様であるため、同一の要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0064】
次に、本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100を用いた螺旋線材HWの整列方法について説明する。図14を参照して、投入ホッパー11に投入された螺旋線材HWがコンベアC1と押さえコンベアC3との間隙に挟まれて加圧される。コンベアC1は、図中右方向へ速度V1で駆動される。押さえコンベアC3は、図中左方向に速度V3で駆動される。速度V3の絶対値は速度V1の絶対値よりも小さくされる。コンベアC1と押さえコンベアC3とに挟まれた螺旋線材HWは間隙を転がり運動しながら進行していく。この転がり運動は、コンベアC1の流れ方向に向かう速度Vの並進運動と、螺旋軸AXを中心とした回転運動とをともなっている。ここで、右方向に速度Vで運動する慣性座標系からこの運動が観察されると、見かけ上の並進運動速度はゼロとなることから、コンベアC1の見かけの駆動速度V1−Vおよび押さえコンベアC3の見かけの駆動速度はV3+Vとは絶対値が等しくなる。すなわちV1−V=V3+Vであることから、V=(V1−V3)/2である。また、コンベアC1、C3の見かけ駆動速度は、このVを前述した見かけ駆動速度の式に代入して、(V1+V3)/2であるから、螺旋線材HWのピッチ数nに等しいだけ回転運動が行なわれるのに要する時間は、πDn/{(V1+V3)/2}=2πDn/(V1+V3)であり、この間の螺旋線材HWの静止座標系における並進運動距離は、これにVを乗じて、πDn{(V1−V3)/(V1+V3)}となる。
【0065】
本実施の形態の螺旋線材HWの整列機構100によれば、押さえコンベアC3の長さをπDn{(V1−V3)/(V1+V3)}以上とすれば、螺旋線材HWをピッチ数n以上回転させることができ、螺旋線材HWの重なり合いを確実に除去することができる。実施の形態1においては、同様の効果を得るためには、長さπDn以上の押さえ平板PPが必要であったが、本実施の形態では、長さπDnに係数(V1−V3)/(V1+V3)を乗じた長さ以上の押さえコンベアC3があればよい。この係数は1以下とできるため、本実施の形態によれば、実施の形態1の押さえ平板PPより短い長さの押さえコンべアC3を用いても、複数の螺旋線材HWの重なりを確実に除去できる螺旋線材HWの整列機構100を構成することが可能となる。
【0066】
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、互いに重なり合った螺旋線材を自動的に整列させるための螺旋線材の整列機構に特に有利に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態1における螺旋線材の整列機構の外観構造を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1のOUT側から見た場合の螺旋線材の整列機構の外観構造を概略的に示す正面図である。
【図3】図2のIII−III線における概略的な断面図である。
【図4】螺旋線材の概略的な外観図である。
【図5】本発明の実施の形態1における螺旋線材の整列機構の押さえ平板とコンベアとの間隙に挟まれた複数の螺旋線材の様子を示す上面図である。
【図6】本発明の実施の形態1における螺旋線材の整列機構の押さえ平板とコンベアとの間隙に挟まれた複数の螺旋線材の様子を示す上面図である。
【図7】本発明の実施の形態1における螺旋線材の整列機構の押さえ平板とコンベアとの間隙に挟まれた複数の螺旋線材の様子を示す上面図である。
【図8】本発明の実施の形態1における螺旋線材の整列機構の押さえ平板とコンベアとの間隙に挟まれた複数の螺旋線材の様子を示す上面図である。
【図9】本発明の実施の形態2における螺旋線材の整列機構の概略的な断面図である。
【図10】加振装置による螺旋線材の運動を説明するための模式図である。
【図11】加振装置による螺旋線材の運動を説明するための模式図である。
【図12】本発明の実施の形態3における螺旋線材の整列機構の下流側の概略的な側面図である。
【図13】本発明の実施の形態3における螺旋線材の整列機構のコンベアの部分を下流側から見た正面図である。
【図14】本発明の実施の形態4における螺旋線材の整列機構の概略的な断面図である。
【符号の説明】
【0069】
C1 コンベア、HW 螺旋線材、PP 押さえ平板、SP 加圧バネ、VA 加振装置、100 整列機構。
【出願人】 【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
【識別番号】000162962
【氏名又は名称】ジェイ−ワイテックス株式会社
【出願日】 平成18年7月19日(2006.7.19)
【代理人】 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎

【識別番号】100085132
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 俊雄

【識別番号】100083703
【弁理士】
【氏名又は名称】仲村 義平

【識別番号】100096781
【弁理士】
【氏名又は名称】堀井 豊

【識別番号】100098316
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 久登

【識別番号】100109162
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 將行


【公開番号】 特開2008−23538(P2008−23538A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−196838(P2006−196838)